JP3536777B2 - 非同期系間データ転送回路及び非同期系間データ転送方法 - Google Patents

非同期系間データ転送回路及び非同期系間データ転送方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、非同期系間データ転
送回路及び非同期系間データ転送方法に係り、詳しく
は、非同期で動作するデータバス等間での正常なデータ
の転送を保証しつつ、データを効率良く転送させ得る非
同期系間データ転送回路及び非同期系間データ転送方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータシステムの中には、それを
構成する回路間でデータを転送するのに複数のバスを備
えて構成されるものがある。そして、この形式のコンピ
ュータシステムにおいて、バス間でデータ転送を行うの
にバス間にバスブリッジ回路を設けてシステムを構成し
たものがある。例えば、中央処理装置と周辺装置とを接
続する周辺バスと、周辺装置の内部に設けられたローカ
ルバスとの間にバスブリッジ回路を設けて両バス間でデ
ータを転送する。
【0003】このバスブリッジ回路を設ける理由は、周
辺バスとローカルバスとのバス仕様がそれぞれ異なり、
そのバス仕様の差違、例えば、各バスで用いられるクロ
ックの周波数の差違を吸収するためである。このような
技術的問題は、動作周波数が異なるレジスタ等間のデー
タ転送においても、生ずる。
【0004】例えば、図11に示すような送受信回路の
動作周波数、すなわち、クロック周波数が送信側と受信
側とで異なる場合の送信側回路部分のレジスタと受信側
回路部分のレジスタとの間でデータを転送する場合の非
同期系間データ転送回路100は、送信側回路部分10
2には、送信側レジスタ101と、送信側レジスタ有効
フラグ回路(フリップフロップ回路(FF))105
と、フリップフロップ回路107〜113と、アンド回
路115とが設けられ、受信側回路部分104には、受
信側レジスタ103と、フリップフロップ回路117〜
121と、アンド回路123と、受信側出力データ有効
フラグ回路(フリップフロップ回路)125とが設けら
れて構成される。
【0005】送信側入力データは、データ送信要求信号
が送信側レジスタ101に入力されたときの送信側クロ
ックに応答して送信側レジスタ101にセットされる。
このセットと同時に、データ送信要求信号及び送信側ク
ロックに応答する送信側レジスタ有効フラグ回路105
がセットされ、送信側レジスタ有効フラグ106が送信
側レジスタ有効フラグ回路105から送出される。この
送信側レジスタ有効フラグ106は、また、データ送信
抑止信号としてデータ送出源へ供給される。データ送出
源は、送信側レジスタ有効フラグ106の送出が停止さ
れるまで、次のデータの送出が抑止される。
【0006】送出された送信側レジスタ有効フラグ10
6は、該送信側レジスタ有効フラグ106の送出後の順
次の受信側クロックに応答してフリップフロップ回路1
17〜121が、順次セットされる。フリップフロップ
回路119,121の出力信号がアンド回路123に供
給される。アンド回路123から受信側レジスタセット
信号124が出力され、受信側レジスタ103に供給さ
れる。この供給後に受信側レジスタ103に印加される
受信側クロックに応答して送信側レジスタ101の出力
に現れているデータ101Aが受信側レジスタ103に
セットされる。
【0007】このデータが受信側レジスタ103にセッ
トされてしまうまでの時間を生成するのに、フリップフ
ロップ回路107〜113及びアンド回路115が設け
られており、送信側入力データの受信側レジスタ103
へのセット完了時に、アンド回路115から送信側レジ
スタリセット信号が出力されて送信側レジスタ有効フラ
グ回路105がリセットされる。送信側レジスタ有効フ
ラグ回路105から送信側レジスタ有効フラグが送出さ
れなくなると、データ送出源は、送信側レジスタ有効フ
ラグによりそれまで抑止されていたデータの送出が解除
されて次のデータの送出が開始される。
【0008】上述した送信側入力データの受信側レジス
タ103へのセットと同時に、受信側レジスタセツト信
号124及び受信側クロックに応答する受信側出力デー
タ有効フラグ回路125はセットされ、受信側出力デー
タ有効フラグが受信側出力データ有効フラグ回路125
から送出される。送出された受信側出力データ有効フラ
グは、受信側レジスタ103にセットされたデータを受
信する受信処理部に供給される。そして、受信処理完了
後に、受信側出力データ有効フラグ回路125は、図示
しないデータ受信完了信号発生回路から転送されて来る
データ受信完了信号によってリセットされ、受信処理部
は次の受信データの受信待機に入る。
【0009】このような非同期系間データ転送回路とし
て、図12に示す回路が知られている。図11に示す非
同期系間データ転送回路100は、送信側レジスタリセ
ット信号を生成する信号源を送信側回路部分102に置
いた回路であるのに対して、図12に示す非同期系間デ
ータ転送回路200は、送信側レジスタリセット信号を
生成する信号源を受信側回路部分204に置いたハンド
シェイク方式の非同期系間データ転送回路であり、その
他の構成、動作は、図11に示す非同期系間データ転送
回路100とほぼ同じである。すなわち、送信側レジス
タリセット信号を生成するのに、受信側回路部分204
のフリップフロップ217の出力信号をフリップフロッ
プ207で受け取り、その信号を順次の送信側クロック
でフリップフロップ回路207〜211にセットさせ、
そして、アンド回路213でフリップフロップ209,
211の出力信号を受けて送信側レジスタリセット信号
を生成するようにした点に、図11に示す非同期系間デ
ータ転送回路100との大きな差違がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した非同期系間デ
ータ転送回路100では、フリップフロップ回路107
〜113及びアンド回路115により、また、非同期系
間データ転送回路200では、フリップフロップ回路2
07〜211及びアンド回路213により、送信側レジ
スタ101、201のデータが一定時間以上保持し続け
るように制御される。この送信側レジスタ101、20
1における一定時間以上のデータの保持は、送信側レジ
スタ101,201から受信側レジスタ103,203
へのデータの転送において、受信側レジスタ103,2
03のセットアップ時間及びホールド時間を満足し得な
いタイミングで送信側レジスタ101,203のデータ
が変化してしまうと、受信側レジスタ103,203に
セットされるデータの内容を保証し得なくなるので、送
信側レジスタ101,201から受信側レジスタ10
3,203へのデータの転送を正しくを行わせるために
為される回路動作である。
【0011】この回路動作によってデータが一定時間保
持し続けられる保持時間は、受信側レジスタの動作クロ
ックの周波数、受信側レジスタのセットアップ時間及び
ホールド時間、クロックスキュー等により予め決められ
る時間である。
【0012】ところで、データの送信側のクロック周波
数とそのデータの受信側のクロック周波数とが、固定さ
れていない場合、例えば、送信側において、データを送
出して来るデータ送出源のクロック周波数がシステムの
動作開始時等に変更される場合において、図11に示す
非同期系間データ転送回路100に係る技法を、そのま
ま、適用しようとすると、その送信側及び受信側のいず
れか一方又は双方のクロック周波数の変更乃至変化があ
る場合に、そのクロック周波数範囲内で、クロック周波
数がいかなる値を取ろうとも、上述した保持時間を確保
する必要性が生ずるが、これを担保しようとすると、或
るクロック周波数においては保持時間は適正であって
も、他のクロック周波数では送信側レジスタでデータを
保持する時間が必要以上に長くなってしまい、結果とし
て、データ転送性能を低下させてしまうという不都合が
生ずる。
【0013】また、データの送信側のクロック周波数と
そのデータの受信側のクロック周波数とが、固定されて
いない場合において、図12に示す非同期系間データ転
送回路200に係る技法を、そのまま、適用しようとす
ると、任意のクロック周波数比で動作するレジスタ間で
のデータ転送を図11に示す非同期系間データ転送回路
に比べより確実に行うことが可能になるが、図11に示
す非同期系間データ転送回路100に比して、送信側レ
ジスタリセット信号の生成に要する時間が前述のデータ
の確実な転送の担保分だけ長くなるので、データ転送に
掛かる時間がそれだけ長くなり、結果として、データ転
送性能を低下させてしまうという不都合が生ずる。
【0014】本発明は、斯かる技術的課題に鑑みてなさ
れたもので、データ送信装置のクロック周波数とデータ
受信装置のクロック周波数とが固定されない非同期系間
において正常なデータ転送を常に保証しつつ、データ転
送効率を向上させ得る非同期系間データ転送回路及び非
同期系間データ転送方法を提供することをその目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、非同期系間データ転送回路
に係り、第1のタイミングで送信動作するデータ送信装
置と該第1のタイミングと異なる第2のタイミングで受
信動作するデータ受信装置との間に介挿され、上記デー
タ送信装置から上記データ受信装置へデータを転送単位
ごとに転送する非同期系間データ転送回路であって、上
記データ送信装置から入力されたデータを上記第1のタ
イミングで一時保持する第1のデータ保持回路と、上記
第1のデータ保持回路におけるデータの保持に応じてデ
ータ保持有効信号を出力するとともに、該データ保持有
効信号を上記データ送信装置へ供給して次のデータの転
送を抑止し、リセット信号が供給されたとき上記データ
保持有効信号の出力を停止する第1の回路と、上記デー
タ保持有効信号を所定回数の上記第2のタイミング分だ
遅延した信号によって、上記第1のデータ保持回路に
保持されているデータを受信し保持して上記データ受信
装置へ出力する第2のデータ保持回路と、上記第1の回
路からのデータ保持有効信号を所定回数の上記第1のタ
イミングの発生ごと、又はそれぞれ所定の回数の上記第
2のタイミングと上記第1のタイミングとの発生ごとに
順次遅延して保持し、該各データ保持有効信号の保持に
対応して複数のリセット信号候補を発生するとともに、
上記第1のタイミングと第2のタイミングとの周波数比
に基づく選択用情報に応じて上記複数のリセット信号候
補から択一的に選択して上記リセット信号として上記第
1の回路へ供給するリセット信号発生回路とを備え、上
記リセット信号の供給により、上記第1の回路からの上
記データ保持有効信号の出力が停止したとき、上記デー
タ送信装置に対するデータ転送の抑止を解除して、次の
データを上記データ送信装置から上記第1のデータ保持
回路へ転送させることを特徴としている。
【0016】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の非同期系間データ転送回路に係り、上記リセット信
号発生回路が、上記第1の回路からのデータ保持有効信
号を所定回数の上記第1のタイミングの発生ごと、又は
それぞれ所定の回数の上記第2のタイミングと上記第1
のタイミングとの発生ごとに順次遅延して保持し、該各
データ保持有効信号の保持に対応して複数のリセット信
号候補を発生するリセット信号候補発生回路と、上記第
1のタイミングと第2のタイミングとの周波数比に対応
する選択用情報に応じて上記複数のリセット信号候補か
ら択一的に選択して上記リセット信号として上記第1の
回路へ供給する選択回路とからなることを特徴としてい
る。
【0017】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の非同期系間データ転送回路に係り、上記リセット信
号発生回路が、上記第1の回路からのデータ保持有効信
号を所定回数の上記第1のタイミングの発生ごと、又は
それぞれ所定の回数の上記第2のタイミングと上記第1
のタイミングとの発生ごとに順次遅延して保持し、該各
データ保持有効信号の保持に対応して複数のリセット信
号候補を発生するリセット信号候補発生回路と、上記第
1のタイミングと第2のタイミングとの周波数比に対応
する選択用情報に応じて上記複数のリセット信号候補の
いずれかを上記リセット信号として上記第1の回路へ出
力可能にする、上記複数のリセット信号候補に対応して
設けられたゲート回路とからなることを特徴としてい
る。
【0018】また、請求項4記載の発明は、請求項1乃
至3のいずれか一に記載の非同期系間データ転送回路に
係り、上記選択用情報が、上記第1のタイミングと第2
のタイミングとの周波数の比を検出して、該検出された
比に対応して出力された信号であることを特徴としてい
る。
【0019】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至4のいずれか一に記載の非同期系間データ転送回路に
係り、上記非同期系間データ転送回路が、固定の論理回
路で構成されていることを特徴としている。
【0020】また、請求項6記載の発明は、請求項1乃
至4のいずれか一に記載の非同期系間データ転送回路に
係り、上記非同期系間データ転送回路が、構成データを
格納する構成データ格納手段と、該構成データ格納手段
から読み出された構成データ対応の論理を設定可能な回
路とで構成されていることを特徴としている。
【0021】また、請求項7記載の発明は、非同期系間
データ転送方法に係り、第1のタイミングで送信動作す
るデータ送信装置から、上記第1のタイミングと異なる
第2のタイミングで受信動作するデータ受信装置へデー
タを転送単位ごとに転送する際に、上記データ送信装置
から入力されたデータを上記第1のタイミングで第1の
データ保持回路に一時保持し、上記第1のデータ保持回
路におけるデータの保持に応じて第1の回路からデータ
保持有効信号を出力するとともに、該データ保持有効信
号を上記データ送信装置へ供給して次のデータの転送を
抑止し、上記データ保持有効信号を所定回数の上記第2
のタイミング分だけ遅延した信号に応じて、上記第1の
データ保持回路に保持されているデータを第2のデータ
保持回路に受信し保持して上記データ受信装置へ出力
し、リセット信号発生回路において、上記第1の回路か
らのデータ保持有効信号を所定回数の上記第1のタイミ
ングの発生ごと、又はそれぞれ所定の回数の上記第2の
タイミングと上記第1のタイミングとの発生ごとに順次
遅延して保持し、該各データ保持有効信号の保持に対応
して複数のリセット信号候補を発生するとともに、上記
第1のタイミングと第2のタイミングとの周波数比に基
づく選択用情報に応じて上記複数のリセット信号候補か
ら択一的に選択してリセット信号として上記第1の回路
へ供給し、上記リセット信号の供給により、上記第1の
回路からの上記データ保持有効信号の出力が停止したこ
とによって、上記データ送信装置に対するデータ転送の
抑止を解除して、次のデータを上記データ送信装置から
上記第1のデータ保持回路へ転送させることを特徴とし
ている。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用い
て具体的に行う。 ◇第1実施例 図1は、この発明の第1実施例である非同期系間データ
転送回路の構成図、図2は、同非同期系間データ転送回
路を有して構成されるコンピュータシステムのPCIバ
スブリッジ回路の概略構成図、図3は、送受信のクロッ
ク周波数比が予め決められた値である場合の同非同期系
間データ転送回路の動作タイミングチャート、図4は、
図3に示す動作タイミングチャートにおける送信側クロ
ックの周波数を2分の1にした場合の同非同期系間デー
タ転送回路の動作タイミングチャート、また、図5は、
図4の動作タイミングにおいて、図4とは異なる送信側
レジスタリセット信号の選択を示す動作タイミングチャ
ートである。
【0034】この実施例の非同期系間データ転送回路1
0は、送信側のクロック周波数と受信側のクロック周波
数とが固定されない場合であって、両クロック周波数比
が5つある場合のバスブリッジ回路において、正常なデ
ータ転送を常に保証しつつ、データ転送効率を向上させ
ることのできる回路に係り、この回路の送信側回路部分
12は、送信側レジスタ14と、送信側レジスタ有効フ
ラグ回路(フリップフロップ回路(FF))16と、フ
リップフロップ回路18〜24と、アンド回路26〜3
2と、フリップフロップ回路34〜38と、アンド回路
40と、セレクタ42とで構成され、その受信側回路部
分52は、受信側レジスタ54と、フリップフロップ回
路56〜60と、アンド回路62と、受信側出力データ
有効フラグ回路(フリップフロップ回路(FF))64
とで構成されている。
【0035】送信側回路部分12のフリップフロップ回
路18は、送信側レジスタ有効フラグ回路16の出力に
接続され、フリップフロップ回路18〜24は、この順
に直列接続され、送信側レジスタ有効フラグを順次の送
信側クロックに応答して順次セットする。送信側クロッ
クは、PCIバス72(図2)からPCIバスインタフ
ェース部78を経てデータ転送部82に転送されて来て
非同期系間データ転送回路10に供給される。
【0036】また、受信側回路部分52のフリップフロ
ップ回路56は、送信側レジスタ有効フラグ回路16の
出力に接続され、フリップフロップ回路56〜60は、
この順に直列接続され、送信側レジスタ有効フラグ回路
16から出力される送信側レジスタ有効フラグを順次の
受信側クロックに応答して順次セットする。受信側クロ
ックは、ローカルバス74(図2)からローカルバスイ
ンタフェース部84を経てデータ転送部82に転送され
て来て非同期系間データ転送回路10に供給される。
【0037】アンド回路26は、送信側レジスタ有効フ
ラグ回路16から出力された送信側レジスタ有効フラグ
とフリップフロップ回路18の出力信号とをその入力に
受信してその出力信号を第1の送信側レジスタリセット
信号27としてセレクタ42に供給する。アンド回路2
8は、フリップフロップ回路18の出力信号とフリップ
フロップ回路20の出力信号とをその入力に受信してそ
の出力信号を第2の送信側レジスタリセット信号29と
してセレクタ42に供給する。アンド回路30は、フリ
ップフロップ回路20の出力信号とフリップフロップ回
路22の出力信号とをその入力に受信してその出力信号
を第3の送信側ジスタリセット信号31としてセレクタ
42に供給する。アンド回路32は、フリップフロップ
回路22の出力信号とフリップフロップ回路24の出力
信号とをその入力に受信してその出力信号を第4の送信
側レジスタリセット信号33としてセレクタ42に供給
する。
【0038】フリップフロップ回路34は、フリップフ
ロップ56の出力に接続され、フリップフロップ回路3
4〜38は、この順に直列接続され、受信側回路部分5
2のフリップフロップ回路58の出力信号を順次の送信
側クロックに応答して順次セットする。アンド回路40
は、フリップフロップ回路36の出力信号とフリップフ
ロップ回路38の出力信号とをその入力に受信してその
出力信号を第5の送信側レジスタリセット信号41とし
てセレクタ42に供給する。
【0039】セレクタ42は、クロック比検出回路66
から出力されるセレクト信号をその選択入力に受け取
る。クロック比検出回路66は、送信側のクロック周波
数と受信側のクロック周波数との比に応じて5つのセレ
クト信号のうちの、送信側のクロック周波数と受信側の
クロック周波数との比に応じて決まるいずれか1つのセ
レクト信号を出力する。したがって、セレクタ42は、
供給されるセレクト信号に応じてアンド回路26〜アン
ド回路40の各々から出力される送信側レジスタリセッ
ト信号のうちのいずれかを選択して選択した送信側レジ
スタリセット信号を送信側レジスタ有効フラグ回路16
に供給する。
【0040】アンド回路62は、フリップフロップ回路
58の出力信号とフリップフロップ回路60の出力信号
とをその入力に受信してその出力信号、すなわち、受信
側レジスタセット信号63を受信側レジスタ54及び受
信側出力データ有効フラグ回路64のセット入力に供給
する。受信側出力データ有効フラグ回路64は、そのセ
ット入力に受信側レジスタセット信号を受け取った後の
受信側クロックに応答してセットされて受信側出力デー
タ有効フラグをその出力に送出し、図示しないデータ受
信完了信号発生回路から出力されるデータ受信完了信号
をそのリセット入力に受け取った後の受信側クロックに
応答してリセットされる。
【0041】図1に示す非同期系間データ転送回路10
を用いるコンピュータシステムについて、図2を参照し
て説明する。図2は、コンピュータシステム内のPCI
バス72(「従来の技術」の項で説明した周辺バス相
当。以下、中央処理装置がPCIバス72に接続される
ことも含めてPCIバス等ともいう。)とローカルバス
74(以下、周辺装置がローカルバス74接続されるこ
とも含めてローカルバス等ともいう。)との間でのデー
タ、アドレス、制御信号等の転送を制御するPCIバス
ブリッジ回路76を示し、このPCIバスブリッジ回路
76内に非同期系間データ転送回路10が設けられる。
【0042】図2のPCIバスブリッジ回路76は、P
CIバス72(「従来の技術」の項で述べた周辺バスに
相当)に接続されるPCIバスインタフェース部78
と、PCIバスインタフェース部78に接続されるPC
Iレジスタ80と、PCIバスインタフェース部78に
接続されるデータ転送部82と、データ転送部82に接
続されるローカルバスインタフェース部84と、ローカ
ルバスインタフェース部84に接続されるローカルバス
レジスタ86とから構成される。
【0043】PCIバスインタフェース部76は、PC
Iバス72とPCIバスブリッジ回路76との間のイン
タフェースを取る回路であり、PCIバス72との間の
バストランザクション発行制御、バストランザクション
受信制御、データ送出制御、データ受信制御等を実行す
る。PCIレジスタ80は、PCIバス72への読み出
し及びPCIバス72からの書き込みが可能なレジスタ
群であり、PCIバスデバイスとしての設定情報等を格
納する。
【0044】ローカルバスインタフェース部84は、ロ
ーカルバス74への読み出し及びローカルバス74から
の書き込みが可能なレジスタ群であり、ローカルバスデ
バイスとしての設定情報等を格納する。
【0045】データ転送部82は、PCIバスインタフ
ェース部78とローカルバスインタフェース部84との
間で相互にデータ転送を行うための回路であり、その内
部に図1に示す非同期系間データ転送回路10が設けら
れる。この非同期系間データ転送回路10に、バスクロ
ック比検出回路66が接続されている。バスクロック比
検出回路66は、PCIバス72を動作させるクロック
の周波数とローカルバス74を動作させるクロックの周
波数との比を検出し、検出されたクロック周波数比に応
じたセレクト信号を非同期転送回路10のセレクタ42
(図1)へ供給する回路である。
【0046】次に、図1乃至図5を参照して、この実施
例の動作を説明する。図2のPCIバス72からローカ
ルバス74へのデータ転送が行われるとき、従来と同様
にして、PCIバスインタフェース部78からデータ転
送部82に上記データ転送についての制御が掛かり、デ
ータ転送部82内の図示しないデータ送出要求信号出力
部から出力されたデータ送信要求信号Rが、図1の非同
期系間データ転送回路10の送信側レジスタ14のデー
タセット入力及び送信側レジスタ有効フラグ回路16の
フラグセット入力に入力される(図3の(c))と共
に、送信側入力データDが送信側レジスタ14のデータ
入力に入力される。これらの入力時の送信側クロックC
LKA(図3の(b))が送信側レジスタ14のクロッ
ク入力に入力されると、その立ち上がりに応答して送信
側入力データDが送信側レジスタ14にセットされる
(図3の(d))。なお、図3の(a)は、図3の動作
タイミングチャート全体の時間軸上の目盛りを示す。
【0047】この送信側入力データDの送信側レジスタ
14へのセットと同時に、送信側レジスタ有効フラグ回
路16がセットされてその出力から送信側レジスタ有効
フラグが送出される(図3の(e))。この送信側レジ
スタ有効フラグは、また、データ送信抑止信号Iとし
て、非同期系間データ転送回路10からデータ転送部8
2の対応回路部分、PCIバスインタフェース部78、
PCIバス72を経てデータ送出源(図示せず)へ供給
される。この供給により、送信側レジスタ有効フラグが
リセットされるまで、次のデータのデータ送出源からの
送出は抑止される。
【0048】その送信側レジスタ有効フラグは、送信側
回路部分12のフリップフロップ回路18及び受信側回
路部分52のフリップフロップ回路56のセット入力に
供給される。フリップフロップ回路18のセット入力に
供給された送信側レジスタ有効フラグは、順次の送信側
クロックCLKAの立ち上がりによってフリップフロッ
プ回路18〜24に順次セットされる(図3の(f)〜
(i))。また、フリップフロップ56のセット入力に
供給された送信側レジスタ有効フラグは、順次の受信側
クロックCLKB(図3の(w))の立ち上がりによっ
てフリップフロップ回路56〜60に順次セットされる
(図3の(n)〜(p))。フリップフロップ回路58
の出力信号は、順次の送信側クロックの立ち上がりによ
ってフリップフロップ回路34〜38に順次にセットさ
れる(図3の(r)〜(t))。
【0049】このようにして各フリップフロップ回路が
セットされて行くとき、先ず、送信側レジスタ有効フラ
グ回路16から出力された送信側レジスタ有効フラグと
フリップフロップ回路18の出力信号とが供給されるア
ンド回路26が、第1の送信側レジスタリセット信号2
7を出力してこの信号をセレクタ42に供給し、この供
給後の順次の送信側クロックCLKA毎に、フリップフ
ロップ回路18の出力信号とフリップフロップ回路20
の出力信号とが供給されるアンド回路28が第2の送信
側レジスタリセット信号29を、フリップフロップ回路
20の出力信号とフリップフロップ回路22の出力信号
とが供給されるアンド回路30が第3の送信側レジスタ
リセット信号31を、そしてフリップフロップ回路22
の出力信号とフリップフロップ回路24の出力信号とが
供給されるアンド回路32が第4の送信側レジスタリセ
ット信号33を順次セレクタ42に供給する(図3の
(j)〜(m))。
【0050】また、受信側回路部分52においては、フ
リップフロップ回路56が、送信側レジスタ有効フラグ
回路16から送信側レジスタ有効フラグが出力された直
後の受信側クロックの立ち上がりに応答してセットされ
(図3の(n)、このセットに続く順次の受信側クロッ
クCLKBの立ち上がりに応答してフリップフロップ回
路58,60がセットされる(図3の(o),
(p))。
【0051】フリップフロップ回路58のセット出力信
号は、このセット直後に続く順次の送信側クロックCL
KAの立ち上がりに応答してフリップフロップ回路3
4,36,38がセットされ(図3の(r)〜
(t))、フリップフロップ回路36の出力信号とフリ
ップフロップ回路38の出力信号とが供給されるアンド
回路40が第5のジスタリセット信号41をセレクタ4
2に供給する(図3の(u))。
【0052】フリップフロップ回路58の出力信号とフ
リップフロップ回路60の出力信号とが供給されるアン
ド回路62は、受信側レジスタセット信号63を受信側
レジスタ54のセット入力に供給し(図3の(q))、
この供給後に供給される受信側クロックCLKBの立ち
上がりに応答した受信側レジスタ54は、送信側レジス
タ14から出力されているデータをセットする同時に
(図3の(v))、受信側出力データ有効フラグ回路6
4がセットされ、受信側出力データ有効フラグが受信側
出力データ有効フラグ回路64から出力される。そし
て、受信側出力データ有効フラグの供給を受けたデータ
転送部82(図2)内の図示しないデータ受信処理部
が、受信側レジスタ54の受信処理を完了したとき、デ
ータ受信完了信号発生回路が、データ受信完了信号を受
信側出力データ有効フラグ回路64に対して送出する。
【0053】このような送信側回路部分12及び受信側
回路部分52の動作中に、バスクロック比検出回路66
は、PCIバス27の送信側クロックCLKAの周波数
とローカルバス74の受信側クロックCLKBの周波数
との比を検出しその検出信号をセレクタ信号としてて非
同期系間データ転送回路10のセレクタ42に供給す
る。セレクタ信号は、この実施例では、第1の送信側レ
ジスタリセット信号27〜第5の送信側レジスタリセッ
ト信号41のうちのいずれかの信号を選択する信号とな
る。
【0054】この第1の送信側レジスタリセット信号2
7〜第5の送信側レジスタリセット信号41のうちのい
ずれの信号を選択するかの基準は、送信側レジスタ14
から受信側レジスタ54へのデータ転送が正常に行われ
るのに十分な時間の間送信側レジスタ14に当該データ
の保持を継続し、かつ、当該データを受信側レジスタ5
4に正常にセットし得る時間的許容範囲内の、最も早い
時刻に送信側レジスタ有効フラグ回路16をリセットし
得るような送信側レジスタリセット信号を選択する如き
ものである。
【0055】送信側レジスタ14から受信側レジスタ5
2への正常なデータ転送を行うのに、送信側レジスタ1
4にデータをセットしてからこのデータを有効なデータ
として保持しつづけなければならない時間の長さを定め
る代表的な基準は、送信側クロック及び受信側クロック
の周波数比、送信側回路部分12及び受信側回路部分5
2の回路の構成素子の特性等によって決まる。
【0056】例えば、図3に示すように、送信側レジス
タ14にデータをセットしてから受信側クロックを2サ
イクル以上を保持し続けなければならないとする場合に
は、上記代表的な基準に従って、送信側レジスタ有効フ
ラグ回路16にセットされた送信側レジスタ有効フラグ
を保持し続け得る送信側レジスタリセット信号として、
第1の送信側レジスタリセット信号〜第5の送信側レジ
スタリセット信号のうちの、最も早い時刻に有効となる
第4の送信側レジスタリセット信号が選択される。
【0057】この実施例においては、前述のように、バ
スクロック比検出回路66から出力されるセレクト信号
は、アンド回路32から出力されている第4の送信側レ
ジスタリセット信号33を選択するセレクト信号である
から、この第4の送信側レジスタリセット信号33がセ
レクタ40で選択されて送信側レジスタ有効フラグ回路
16に供給されてこれをリセットする(図3の(m),
(e))。このリセットにより、送信側レジスタ有効フ
ラグ回路16からのデータ送信抑止信号Iの送出は停止
され(図3の(e))、データ送出源からのデータ抑止
は停止されて次のデータ送出が開始される。
【0058】送信側レジスタ有効フラグ回路16のリセ
ットは、送信側レジスタ14から受信側レジスタ54へ
のデータ転送を正常に行うのに必要な時間の間、当該デ
ータを送信側レジスタ14に保持する時間のうちの、最
も早い時刻に行われ、それまでデータ転送の抑止が掛か
っていたデータ送出源は、その抑止が解除されてデータ
の転送を開始し得るから、送信側レジスタ14から受信
側レジスタ54への正常なデータ転送を保証しつつ、デ
ータを最も高い転送効率で正常に送信側レジスタ14か
ら受信側レジスタ54へ転送することができる。
【0059】次に、上述したデータ転送と異なる、送信
側レジスタ14から受信側レジスタ54へのデータ転送
の例を図4に示すタイミングチャートを参照して説明す
る。そのデータ転送の例は、この実施例の非同期系間デ
ータ転送回路10の回路構成を同一とし、送信側クロッ
クの周波数が図3に示すデータ転送の例における送信側
クロックの周波数に対して2分の1とした場合のデータ
転送の例である。
【0060】図4に示すタイミングチャートは、非同期
系間データ転送回路10の回路構成は同一であるから、
図4の(b)〜(m)は、タイミングチャート上の波形
の時間軸上の発生時刻及びその持続時間が異なることを
除いて、図3の(b)〜(m)と同じである。また、図
4の(a)、(n)〜(q)、(v)、(w)は、図3
の(a)、(n)〜(q)、(v)、(w)と同一であ
る。
【0061】図4に示すデータ転送の例においても、図
3に示すデータ転送の例と同様に、クロック周波数比検
出回路66から出力されるセレクト信号が、アンド回路
32から出力される第4の送信側レジスタリセット信号
33を選択するセレクト信号が出力されるものとする
と、図4の(m′)に示すような送信側レジスタリセッ
ト信号がセレクタ42に供給されて送信側レジスタ有効
フラグ回路16がリセットされる(図4の(e))。
【0062】このリセット、すなわち、データ送出源か
らの送信側データの送出抑止の解除は、図3及び図4の
時間軸上の目盛りを参照すれば即座に読み取れるよう
に、図4に示すデータ転送の例においては時間軸(図4
の(a))上の12の目盛りと13の目盛りとの間の時
刻であり、図3に示すデータ転送の例においては時間軸
(図3の(a))上の6の目盛りと7の目盛りとの間の
時刻である。つまり、図4に示すデータ転送の例におい
ては、データ送出源に対する送信側データ送出の抑止か
らその解除までの時間が、図3に示すデータ転送の例に
比して長くなり、データ転送効率が低下してしまう。
【0063】また、図4に示すデータ転送の例におい
て、クロック周波数比検出回路66から出力されるセレ
クト信号が、図5の(k′)に示すように、アンド回路
28から出力される第2の送信側レジスタリセット信号
29を選択するセレクト信号であるものとすると、図5
の(k′)に示す送信側レジスタリセット信号がセレク
タ42に供給されて送信側レジスタ有効フラグ回路16
がリセットされる(図5の(e))。なお、図5の
(a)〜(m)、(n)〜(q)、(v)、(w)は、
図4の(a)〜(m)、(n)〜(q)、(v)、
(w)と同一である。
【0064】このように、図3に示すデータ転送におけ
る送信側クロックの周波数、例えば66MHzが、2分
の1、すなわち、33MHzに変更された場合のデータ
転送を示す図4において、図3に示すデータ転送でのセ
レクト信号としてアンド回路32から出力される第4の
送信側レジスタリセット信号33を選択するセレクト信
号ではなく、アンド回路28から出力される第2の送信
側レジスタリセット信号29を選択するセレクト信号を
セレクタ42に供給するようにすれば、この第2の送信
側レジスタリセット信号29によって、送信側レジスタ
有効フラグ回路16はリセットされる(図5の
(e))。
【0065】データ送出源からの送信側データの送出抑
止の解除は、図5の時間軸(図5の(a))上の目盛り
を参照すれば即座に読み取れるように、時間軸上の8の
目盛りと9の目盛りとの間の時刻となる。つまり、図5
に示すデータ転送の例においては、データ送出源に対す
る送信側データ送出の抑止からその解除までの時間が、
図4に示すデータ転送に比して短くなり、データ転送効
率が、図3に示すようにデータ転送よりは劣るが、図4
に示すデータ転送よりも向上する。
【0066】このように、この実施例によれば、送信側
クロックの周波数を変更した場合であっても、送信側レ
ジスタリセット信号を周波数変更前のものと同一のもの
を選択することは無くなる。これにより、送信側レジス
タ有効フラグ回路16のリセットは、送信側レジスタ1
4から受信側レジスタ54へのデータ転送を正常に行う
のに必要な時間の間、当該データを送信側レジスタ14
に保持する時間のうちの、より早い時刻に行われ、デー
タ送出源に対する送信側データ送出の抑止からその解除
までの時間が、周波数変更前後を問わず、送信側レジス
タリセット信号を同一とする場合に比して短くなるし、
また、その解除時にそれまでデータ転送の抑止が掛かっ
ていたデータ送出源は、データの転送を開始し得ること
となるから、送信側レジスタ14から受信側レジスタ5
4への正常なデータ転送を保証しつつ、データを最適の
転送効率で正常に送信側レジスタ14から受信側レジス
タ54へ転送することができる。
【0067】◇第2実施例 図6は、この発明の第2実施例である非同期系間データ
転送回路の構成図である。この実施例の構成が、上述の
第1実施例のそれと大きく異なる点は、セレクト信号を
PCIバス72から供給するようにした点である。すな
わち、PCIバス72(図2)には、公知のコントロー
ラ(図示せず)が接続されており、このコントローラか
らPCIバス72を介してセレクト信号を非同期系間デ
ータ転送回路10Aのセレクタ42A(図示せず)に供
給する。セレクタ42Aは、後述する点を除き、図1の
セレクタ42と同じである。
【0068】上記コントローラは、PCIバス72から
ローカルバス74(図2)へデータ転送しようとする場
合の動作クロック、すなわち、送信側クロックの周波数
が変更される場合、すなわち、PCIバス72の規格が
旧規格から新規格へ変更される、例えば、送信側クロッ
クが66MHzから33MHzへ変更される場合に、そ
のことを示す規格変更信号をPCIバス72に送出す
る。この規格変更信号を非同期系間データ転送回路10
Aのセレクタ42Aのセレクト信号とする。したがっ
て、この実施例においては、セレクタ42Aに入力され
る送信側レジスタリセット信号は、2つとされる。例え
ば、図3の第4の送信側レジスタリセット信号33と図
5の送信側レジスタリセット信号29である。この実施
例のその他の構成要素は、第1実施例と同様なので、そ
れらの構成要素には、第1実施例の構成要素と同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0069】次に、図3、図5及び図6を参照して、こ
の実施例の動作について説明する。PCIバス72の規
格が、図3に示すタイミングチャートに示す旧規格か
ら、図5に示すタイミングチャートに示す新規格へ変更
された場合に、上述のコントローラからPCIバス72
を介して非同期系間データ転送回路10Aのセレクタ4
2Aに上述の規格変更信号が転送されて来る。この規格
変更信号を非同期系間データ転送回路10Aが受信する
と、非同期系間データ転送回路10Aは、上述した図3
に示すタイミングチャートのデータ転送の例から上述し
た図5に示すタイミングチャートのデータ転送の例のよ
うに動作する。
【0070】このように、この実施例の構成によれば、
PCIバス72の規格に変更があった場合には、規格変
更後の第2の送信側レジスタリセット信号29(図4の
(k),(k´))を選択することとなり、規格変更前
の第4の送信側レジスタリセット信号33(図3の
(m))に相当する第4の送信側レジスタリセット信号
33(図5の(m))を選択することはなくなるから、
第1実施例において説明したように、データ送出源から
の送信側データ送出の抑止からその解除までの時間が、
規格変更後に第4の送信側レジスタリセット信号33
(図5の(m))を選択する場合に比して短くなる。結
果として、非同期系間データ転送回路10Aは、送信側
レジスタ14から受信側レジスタ54への正常なデータ
転送が常に保証されると同時に、データ転送効率は、動
作クロックの変更後に第4の送信側レジスタリセット信
号33を選択してしまう場合のデータ転送効率ではな
く、変更した動作クロックに最適のデータ転送効率でデ
ータを転送することができる。
【0071】◇第3実施例 図7は、この発明の第3実施例である非同期系間データ
転送回路の構成図である。この実施例の構成が、上述の
第1実施例のそれと大きく異なる点は、非同期系間デー
タ転送回路を構成する回路の論理を、構成データによっ
て設定することのできる使用時論理設定可能な論理回路
(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ;FP
GA(Field Programable Gate Array)) と構成デー
タROMとで構成するようにした点である。
【0072】すなわち、バスブリッジ回路76Bは、そ
の全体がFPGAと構成データROMとで構成される。
バスブリッジ回路76B中の、図2のPCIバスインタ
フェース部78と、PCIレジスタ80と、ローカルバ
スインタフェース部84と、ローカルバスレジスタ86
とは、通常、クロックの周波数の変更前後を問わず、同
一の論理で動作するが、必要に応じてクロックの周波数
の変更で論理構成が変更される場合もある。これと同様
のことが、図2中のデータ転送部82についても言える
が、データ転送部82中の非同期系間データ転送回路
は、この実施例においては、図3に示すデータ転送と図
5に示すデータ転送とを行い得るように構成データによ
ってその中の論理回路を設定可能に構成されたFPGA
90と、FPGA90内の論理回路を2つの設定状態に
設定し得る2つの構成データを各別に登録する構成デー
タROM92,94と、セレクト信号により構成データ
ROM92,94のいずれか一方を選択するセレクタ4
2Bとで構成される。
【0073】構成データROM92は、図3に示すタイ
ミングチャートのデータ転送の論理をFPGA90に設
定し得る構成データを登録し、構成データROM94
は、図5に示すタイミングチャートのデータ転送の論理
をFPGA90に設定し得る構成データを登録する。そ
して、クロック比検出回路66Bは、図3に示すタイミ
ングチャートのデータ転送における第4の送信側レジス
タリセット信号33及び図5に示すタイミングチャート
のデータ転送における第2の送信側レジスタリセット信
号29のうちのいずれか一方を選択するセレクト信号を
出力する。このように構成される非同期系間データ転送
回路を図7では参照番号10Bで参照する。
【0074】そして、このように構成れる非同期系間デ
ータ転送回路10Bにおいて、構成データROM92か
ら読み出された構成データによってFPGA90に設定
される論理回路の送信側回路部分においては、送信側ク
ロックに応答して送信側レジスタ有効フラグが発生され
ること、この送信側レジスタ有効フラグの発生後の順次
の送信側クロックに応答して第4の送信側レジスタリセ
ット信号33を発生する回路が動作することは、図1の
非同期系間データ転送回路10と同様であり、また、そ
の受信側回路部分においては、送信側レジスタ有効フラ
グの発生後の順次の受信側クロックに応答して受信側レ
ジスタセット信号63が発生されることは、図1の非同
期系間データ転送回路10と同様である。
【0075】また、構成データROM94から構成デー
タが読み出された場合には、FPGA90に設定される
論理回路の送信側回路部分の動作のうち、送信側レジス
タ有効フラグの発生後の順次の送信側クロックに応答し
て第4の送信側レジスタリセット信号33が発生される
ことに代えて、第2の送信側レジスタリセット信号29
を発生する回路が動作することを除き、構成データRO
M92から構成データが読み出されたときと、同様の動
作をする。なお、PFGAと構成データROMを用いて
非同期系間データ転送回路を構成することは、公知であ
る。この実施例のその他の構成要素は、第1実施例と同
様なので、それらの構成要素には、第1実施例の構成要
素と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0076】次に、図3、図5及び図7を参照して、こ
の実施例の動作を説明する。PCIバス72の動作クロ
ック(送信側クロックCJKA)が図3の(b)であ
り、ローカルバス74の動作クロック(受信側クロック
CLKB)が図3の(w)であるデータ転送において
は、システムの電源立ち上げ時に、構成データROM9
2が読み出される同時に、構成データROM92から読
み出される構成データを選択するセレクト信号がクロッ
ク比検出回路66Bから出力され、PFGA90の論理
は、図3に示すデータ転送を行い得る論理に設定され
る。したがって、データ送出源(図示せず)からPCI
バス72を経て転送されて来るデータは、上述した論理
に設定されたPFGA90を経てローカルバス74に転
送される。
【0077】このデータ転送からPCIバス72の動作
クロック(送信側クロックCLKA)を図5の(b)と
し、ローカルバス74の動作クロック(受信側クロック
CLKB)は図3の(w)そのままとするデータ転送へ
変更されると、構成データROM94の読み出しが行わ
れると同時に、クロック比検出回路66Bは、その変更
後のセレクト信号、すなわち、構成データROM94か
ら読み出された構成データを選択するセレクト信号を出
力する。このセレクト信号を非同期系間データ転送回路
10Bが受け取ると、非同期系間データ転送回路10B
は、上述した図3に示すタイミングチャートのデータ転
送から上述した図5に示すタイミングチャートのデータ
転送に切り換えられる。
【0078】このように、この実施例によれば、PCI
バス72の動作クロックに変更があった場合には、動作
クロックの変更後の第2の送信側レジスタリセット信号
29(図5の(k),(k´))を選択することとな
り、動作クロックの変更前の第4の送信側レジスタリセ
ット信号33(図3の(m))に相当する第4の送信側
レジスタリセット信号33(図5の(m))を選択する
ことはなくなるから、第1実施例において説明したよう
に、データ送出源からの送信側データ送出の抑止からそ
の解除までの時間が、動作クロックの変更後に第4の送
信側レジスタリセット信号33を選択する場合に比して
短くなる。結果として、非同期系間データ転送回路10
Bは、送信側レジスタ14から受信側レジスタ54への
正常なデータ転送が常に保証されると同時に、データ転
送効率は、動作クロックの変更後に第4の送信側レジス
タリセット信号33を選択してしまう場合のデータ転送
効率ではなく、変更した動作クロックに最適のデータ転
送効率でデータを転送することができる。
【0079】◇第4実施例 図8は、この発明の第4実施例である非同期系間データ
転送回路の構成図である。この実施例の構成が、上述の
第1実施例のそれと大きく異なる点は、セレクト信号の
発生を手動で行うようにした点である。すなわち、デー
タ送出源から出力されたデータをPCIバス72からロ
ーカルバス74に転送するのに先立って、コンピュータ
システムを構成する基板上に、図1に示す各セレクト信
号と同等の各セレクト信号を出力する切り換えスイッチ
66Cを設ける。この切り換えスイッチ66Cから出力
されたセレクト信号をバスブリッジ回路76C内の、図
1のセレクタ42と同様のセレクタ42C(図示せず)
に供給する。
【0080】したがって、この実施例においても、第2
実施例と同様に、セレクタ42Cに入力される送信側レ
ジスタリセット信号は、2つとされる。例えば、図3の
第4の送信側レジスタリセット信号33と図5の第2の
送信側レジスタリセット信号29である。この実施例の
その他の構成要素は、第1実施例と同様なので、それら
の構成要素には、第1実施例の構成要素と同一の符号を
付してその説明を省略する。
【0081】次に、図3、図5及び図8を参照して、こ
の実施例の動作を説明する。PCIバス72の動作クロ
ック(送信側クロックCLKA)が図3の(b)であ
り、ローカルバス74の動作クロック(受信側クロック
CLKB)が図3の(w)であるデータ転送の例から、
PCIバス72の動作クロック(送信側クロック)を図
5の(b)とし、ローカルバス74の動作クロック(受
信側クロック)は図3の(w)そのままとするデータ転
送の例へ変更される場合に、この変更後、データ転送を
行うのに先立って、切り換え回路66Cは、その変更前
のセレクト信号から変更後のセレクト信号への切り換え
が行われる。すなわち、切り換え回路66Cは、図5の
(m)に示す第4の送信側レジスタリセット信号33
(図3の(m)に示す第4の送信側レジスタリセット信
号33相当)を選択するセレクト信号の送出を停止して
図5の(k)に示す第2の送信側レジスタリセット信号
29を選択するセレクト信号を送出する。
【0082】このセレクト信号を非同期系間データ転送
回路10Cが受け取ると、非同期系間データ転送回路1
0Cは、上述した図3に示すタイミングチャートのデー
タ転送から上述した図5に示すタイミングチャートのデ
ータ転送のように動作する。
【0083】このように、この実施例の構成によれば、
PCIバス72の動作クロックに変更があった場合に
は、動作クロックの変更後の第2の送信側レジスタリセ
ット信号29(図5の(k),(k´))を選択するこ
ととなり、動作クロックの変更前の第4の送信側レジス
タリセット信号33(図3の(m))に相当する第4の
送信側レジスタリセット信号33(図5の(m))を選
択することはなくなるから、第1実施例において説明し
たように、データ送出源からの送信側データ送出の抑止
からその解除までの時間が、動作クロックの変更後に第
4の送信側レジスタリセット信号33を選択する場合に
比して短くなる。結果として、非同期系間データ転送回
路10Cは、送信側レジスタ14から受信側レジスタ5
4への正常なデータの転送が常に保証されると同時に、
データ転送効率は、動作クロックの変更後に第4の送信
側レジスタリセット信号33を選択してしまう場合のデ
ータ転送効率ではなく、変更した動作クロックに最適の
データ転送効率でデータを転送することができる。
【0084】◇第5実施例 図9は、この発明の第5実施例である非同期系間データ
転送回路の構成図である。この実施例の構成が、上述の
第1実施例のそれと大きく異なる点は、セレクト信号を
バスの動作モードから発生するようにした点である。す
なわち、データ送出源から出力されたデータをPCIバ
ス72からローカルバス74に転送するのに先立って、
コンピュータシステムを構成するコントローラ(図示せ
ず)からPCIバス72を経てバスブリッジ回路76D
の設定レジスタ66Dに動作モードがPCIバス72の
2つの動作モードのうちのいずれの動作モードで動作す
るかを設定し、設定された動作モード対応のセレクト信
号が設定レジスタ66Dから出力され、そのセレクト信
号が非同期系間データ転送回路10D内の、図1のセレ
クタ42に対応するセレクタ42D(図示せず)に供給
される。
【0085】したがって、この実施例においては、第2
実施例と同様に、セレクタ42Dに入力される送信側レ
ジスタリセット信号は、2つとされる。例えば、図3の
第4の送信側レジスタリセット信号33と図5の第2の
送信側レジスタリセット信号29である。この実施例の
その他の構成は、第1実施例と同様なので、それらの構
成要素には、第1実施例の構成要素と同一の符号を用い
る。
【0086】次に、図3、図5及び図9を参照して、こ
の実施例の動作を説明する。PCIバス72の動作クロ
ック(送信側クロックCLKA)が図3の(b)であ
り、ローカルバス74の動作クロック(受信側クロック
CLKB)が図3の(w)であるデータ転送の例から、
PCIバス72の動作クロック(送信側クロック)を図
5の(a)とし、ローカルバス74の動作クロック(受
信側クロック)は図3の(w)そのままとするデータ転
送の例へ変更される場合に、この変更後にデータ転送を
行うのに先立って、コントローラは、その変更前の動作
モードに代えて、変更後の動作モードをPCIバス7
2、PCIバスインタフェース部78を経てデータ転送
部82内の設定レジスタ66Dに設定する。
【0087】この設定により、設定レジスタ66Dは、
図3の(m)に示す第4の送信側レジスタリセット信号
33を選択するセレクト信号の送出を停止して図5の
(k),(k´)に示す第2の送信側レジスタリセット
信号29を選択するセレクト信号を送出する。このセレ
クト信号を非同期系間データ転送回路10Dが受け取る
と、非同期系間データ転送回路10Dは、上述した図3
に示すタイミングチャートのデータ転送の例から上述し
た図5に示すタイミングチャートのデータ転送の例のよ
うに動作する。
【0088】このように、この実施例の構成によれば、
PCIバス72の動作クロックに変更があった場合に
は、動作クロックの変更後の第2の送信側レジスタリセ
ット信号29(図5の(k),(k´))を選択するこ
ととなり、動作クロックの変更前の4の送信側レジスタ
リセット信号33(図3の(m))に相当する第4の送
信側レジスタリセット信号33(図5の(m))を選択
することはなくなるから、第1実施例において説明した
ように、データ送出源からの送信側データ送出の抑止か
らその解除までの時間が、動作クロックの変更後に第4
の送信側レジスタリセット信号33を選択する場合に比
して短くなる。結果として、非同期系間データ転送回路
10Dは、送信側レジスタ14から受信側レジスタ54
への正常なデータの転送が常に保証されると同時に、デ
ータ転送効率は、動作クロックの変更後に第4の送信側
レジスタリセット信号33を選択してしまう場合のデー
タ転送効率ではなく、変更した動作クロックに最適のデ
ータ転送効率でデータを転送することができる。
【0089】◇第6実施例 図10は、この発明の第6実施例である非同期系間デー
タ転送回路の構成図である。この実施例の構成が、上述
の第1実施例のそれと大きく異なる点は、リセット信号
の発生自体を送信側のクロック周波数の変更に応じて制
御するようにした点である。但し、この実施例において
は、受信側のクロック周波数を変更せずに、送信側のク
ロック周波数を第1の周波数、例えば66MHzから周
波数が2分の1となる第2の周波数、例えば33MHz
へ変更する実施例であるとする。
【0090】すなわち、第1実施例におけるフリップフ
ロップ回路18の出力とアンド回路28の非反転入力と
の間にアンド回路19を、フリップフロップ回路22の
出力とアンド回路32の非反転入力との間にアンド回路
23を介設し、アンド回路19の他方の入力にクロック
比検出回路66Eの第1の出力を接続する。アンド回路
23の他方の入力にクロック比検出回路66Eの第2の
出力を接続する。
【0091】クロック比検出回路66Eは、送信側のク
ロック周波数と受信側のクロック周波数との比を検出
し、検出した比に対応して許可信号又は禁止信号のいず
れか一方を検出した比に対応した第1及び第2の出力に
発生する。すなわち、クロック周波数変更前においては
許可信号が第2の出力に発生され、第1の出力には禁止
信号が発生され、また、クロック周波数変更後において
は許可信号が第1の出力に発生され、第2の出力には禁
止信号が発生される。
【0092】そして、アンド回路28の出力とアンド回
路30の出力とは、オア回路42Eに接続されている。
オア回路42Eの出力は、送信側レジスタ有効フラグ回
路16に接続されている。この実施例のその他の構成
は、第1実施例と同様なので、それらの構成要素には、
第1実施例の構成要素と同一の符号を用いてその説明を
省略する。したがって、この実施例における非同期系間
データ転送回路は、参照番号10Eで参照する。
【0093】次に、図3、図5及び図10を参照して、
この実施例の動作を説明する。PCIバス72の動作ク
ロック(送信側クロックCLKA)が図3の(b)であ
り、ローカルバス74の動作クロック(受信側クロック
CLKB)が図3の(w)であるデータ転送において
は、システムの電源が立ち上げア時に、クロック比検出
回路66Eは、送信側クロックCLKAと受信側クロッ
クCLKBとの比を検出してその第2の出力に許可信号
を発生し、第1の出力に禁止信号を発生する。
【0094】このような許可信号及び禁止信号が発生さ
れている状態において、フリップフロップ回路18がセ
ットされても、アンド回路19から信号が出力されない
が、フリップフロップ回路22がセットされると、アン
ド回路23からは信号が出力される。そのため、アンド
回路28から第2の送信側レジスタリセット信号29が
出力されないが、アンド回路32からは第4の送信側レジ
スタリセット信号33が出力される。
【0095】したがって、非同期系間データ転送回路1
0Eは、上述した図3に示すタイミングチャートのデー
タ転送の例のように動作する。
【0096】図3に示すタイミングチャートのデータ転
送の例から、PCIバス72の動作クロック(送信側ク
ロック)を図5の(a)とし、ローカルバス74の動作
クロック(受信側クロック)は図3の(w)そのままと
するデータ転送の例へ変更される場合には、クロック比
検出回路66Eは、送信側クロックCLKAと受信側ク
ロックCLKBとの比を検出してその第1の出力に許可
信号を発生し、第2の出力に禁止信号を発生する。
【0097】このような許可信号及び禁止信号が発生さ
れている状態において、フリップフロップ回路18がセ
ットされると、アンド回路19から信号が発生される
が、フリップフロップ回路22がセットされても、アン
ド回路23からは信号が発生されない。そのため、アン
ド回路28から送信側レジスタリセット信号29が出力
されるが、アンド回路32からは送信側レジスタリセッ
ト信号33は出力されない。
【0098】したがって、非同期系間データ転送回路1
0Eは、上述した図5に示すタイミングチャートのデー
タ転送の例のように動作する。
【0099】このように、この実施例の構成によれば、
PCIバス72の動作クロックに変更があった場合に
は、動作クロックの変更後の第2の送信側レジスタリセ
ット信号29(図5の(k),(k´))が送信側レジ
スタ有効フラグ回路16に供給されることとなり、動作
クロックの変更前の第4の送信側レジスタリセット信号
33(図3の(m))に相当する第4の送信側レジスタ
リセット信号33(図5の(m))が送信側レジスタ有
効フラグ回路16に供給されることはなくなるから、第
1実施例において説明したように、データ送出源からの
送信側データ送出の抑止からその解除までの時間が、動
作クロックの変更後に第4の送信側レジスタリセット信
号33が送信側レジスタ有効フラグ回路16に供給され
る場合に比して短くなる。結果として、非同期系間デー
タ転送回路10Eは、送信側レジスタ14から受信側レ
ジスタ54への正常なデータの転送が常に保証されると
同時に、データ転送効率は、動作クロックの変更後に第
4の送信側レジスタリセット信号33を送信側レジスタ
有効フラグ回路16に供給してしまう場合のデータ転送
効率ではなく、変更した動作クロックに最適のデータ転
送効率でデータを転送することができる。
【0100】以上、この発明の実施例を図面を参照して
詳述してきたが、この発明の具体的な構成は、これらの
実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱
しない範囲の設計の変更等があってもそれらはこの発明
に含まれる。例えば、いずれの実施例に示す発明思想を
ローカルバス74からPCIバス72へのデータ転送に
用いるように構成することができる。また、バスの形式
は、上述したいずれの形態においても、他のバスの形式
であってもよい。
【0101】これらいずれの実施の形式においても、ク
ロックは、バスを介して供給される他の形式のクロック
相当の信号、又はバスブリッジ回路若しくは非同期系間
データ転送回路内に設けられる同等の信号で代替しても
よい。また、送信側入力データは、転送単位としては、
ビット並列でも、ビット直列でもよい。また、バスを用
いない非同期系間データ転送において、本願の発明思想
を実施することも可能である。また、上述したいずれの
実施の形式においても、データの送受信を無線形式で行
うようにしてもよい。
【0102】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
送信側の動作クロックに変更があった場合に、その変更
前のリセット信号を選択するのではなく、変更後の動作
クロックに対応したリセット信号を選択するから、デー
タ送出源からの送信側データ送出の抑止からその解除ま
での時間が、動作クロックの変更前のリセット信号に相
当するリセット信号を選択する場合に比して短くなる。
したがって、非同期系間データ転送回路は、送信側から
受信側への正常なデータの転送が常に保証されると同時
に、データ転送効率は、動作クロックの変更前のリセッ
ト信号に相当するリセット信号を選択してしまう場合の
データ転送効率ではなく、変更した動作クロックに最適
のデータ転送効率でデータを転送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である非同期系間データ
転送回路の構成図である。
【図2】同非同期系間データ転送回路を有して構成され
るコンピュータシステムのバスブリッジ回路の概略構成
図である。
【図3】送受信のクロック周波数比が予め決められた値
である場合の同非同期系間データ転送回路の動作タイミ
ングチャートである。
【図4】図3に示す動作タイミングチャートにおける送
信側クロックの周波数を2分の1にした場合の同非同期
系間データ転送回路の動作タイミングチャートである。
【図5】図4の動作タイミングにおいて、図4とは異な
る送信側レジスタリセット信号の選択を示す動作タイミ
ングチャートである。
【図6】この発明の第2実施例である非同期系間データ
転送回路の構成図である。
【図7】この発明の第3実施例である非同期系間データ
転送回路の構成図である。
【図8】この発明の第4実施例である非同期系間データ
転送回路の構成図である。
【図9】この発明の第5実施例である非同期系間データ
転送回路の構成図である。
【図10】この発明の第5実施例である非同期系間デー
タ転送回路の構成図である。
【図11】従来の1つの形式の非同期系間データ転送回
路の構成図である。
【図12】従来の他の形式の非同期系間データ転送回路
の構成図である。
【符号の説明】
10、10A、10B、10C、10D 非同期系
間データ転送回路 14 送信側レジスタ(データ保持回路) 16 送信側レジスタ有効フラグ回路(第1の回
路) 18〜22,34〜38,56,58 フリップフ
ロップ回路(リセツト信号発生回路の一部) 19,23,26〜32,40,42A アンド回
路(リセツト信号発生回路の残部) 42,42B セレクタ(選択回路) 66,66B クロック比検出回路(選択信号出力
回路) 66C 切り換えスイッチ(選択信号出力回路) 66D 設定レジスタ(選択信号出力回路) 72 PCIバス等(データ送信装置) 74 ローカルバス等(データ受信装置)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 13/20 - 13/378 G06F 13/38 - 13/42

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のタイミングで送信動作するデータ
    送信装置と該第1のタイミングと異なる第2のタイミン
    グで受信動作するデータ受信装置との間に介挿され、前
    記データ送信装置から前記データ受信装置へデータを転
    送単位ごとに転送する非同期系間データ転送回路であっ
    て、 前記データ送信装置から入力されたデータを前記第1の
    タイミングで一時保持する第1のデータ保持回路と、 前記第1のデータ保持回路におけるデータの保持に応じ
    てデータ保持有効信号を出力するとともに、該データ保
    持有効信号を前記データ送信装置へ供給して次のデータ
    の転送を抑止し、リセット信号が供給されたとき前記デ
    ータ保持有効信号の出力を停止する第1の回路と、 前記データ保持有効信号を所定回数の前記第2のタイミ
    ング分だけ遅延した信号によって、前記第1のデータ保
    持回路に保持されているデータを受信し保持して前記デ
    ータ受信装置へ出力する第2のデータ保持回路と、 前記第1の回路からのデータ保持有効信号を所定回数の
    前記第1のタイミングの発生ごと、又はそれぞれ所定の
    回数の前記第2のタイミングと前記第1のタイミングと
    の発生ごとに順次遅延して保持し、該各データ保持有効
    信号の保持に対応して複数のリセット信号候補を発生す
    るとともに、前記第1のタイミングと第2のタイミング
    との周波数比に基づく選択用情報に応じて前記複数のリ
    セット信号候補から択一的に選択して前記リセット信号
    として前記第1の回路へ供給するリセット信号発生回路
    とを備え、 前記リセット信号の供給により、前記第1の回路からの
    前記データ保持有効信号の出力が停止したとき、前記デ
    ータ送信装置に対するデータ転送の抑止を解除して、次
    のデータを前記データ送信装置から前記第1のデータ保
    持回路へ転送させることを特徴とする非同期系間データ
    転送回路。
  2. 【請求項2】 前記リセット信号発生回路が、前記第1
    の回路からのデータ保持有効信号を所定回数の前記第1
    のタイミングの発生ごと、又はそれぞれ所定の回数の前
    記第2のタイミングと前記第1のタイミングとの発生ご
    とに順次遅延して保持し、該各データ保持有効信号の保
    持に対応して複数のリセット信号候補を発生するリセッ
    ト信号候補発生回路と、前記第1のタイミングと第2の
    タイミングとの周波数比に対応する選択用情報に応じて
    前記複数のリセット信号候補から択一的に選択して前記
    リセット信号として前記第1の回路へ供給する選択回路
    とからなることを特徴とする請求項1記載の非同期系間
    データ転送回路。
  3. 【請求項3】 前記リセット信号発生回路が、前記第1
    の回路からのデータ保持有効信号を所定回数の前記第1
    のタイミングの発生ごと、又はそれぞれ所定の回数の前
    記第2のタイミングと前記第1のタイミングとの発生ご
    とに順次遅延して保持し、該各データ保持有効信号の保
    持に対応して複数のリセット信号候補を発生するリセッ
    ト信号候補発生回路と、前記第1のタイミングと第2の
    タイミングとの周波数比に対応する選択用情報に応じて
    前記複数のリセット信号候補のいずれかを前記リセット
    信号として前記第1の回路へ出力可能にする、前記複数
    のリセット信号候補に対応して設けられたゲート回路と
    からなることを特徴とする請求項1記載の非同期系間デ
    ータ転送回路。
  4. 【請求項4】 前記選択用情報が、前記第1のタイミン
    グと第2のタイミングとの周波数の比を検出して、該検
    出された比に対応して出力された信号であることを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の非同期系間
    データ転送回路。
  5. 【請求項5】 前記非同期系間データ転送回路が、固定
    の論理回路で構成されていることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれか一に記載の非同期系間データ転送回
    路。
  6. 【請求項6】 前記非同期系間データ転送回路が、構成
    データを格納する構成データ格納手段と、該構成データ
    格納手段から読み出された構成データ対応の論理を設定
    可能な回路とで構成されていることを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれか一に記載の非同期系間データ転送回
    路。
  7. 【請求項7】 第1のタイミングで送信動作するデータ
    送信装置から、前記第1のタイミングと異なる第2のタ
    イミングで受信動作するデータ受信装置へデータを転送
    単位ごとに転送する際に、 前記データ送信装置から入力されたデータを前記第1の
    タイミングで第1のデータ保持回路に一時保持し、 前記第1のデータ保持回路におけるデータの保持に応じ
    て第1の回路からデータ保持有効信号を出力するととも
    に、該データ保持有効信号を前記データ送信装置へ供給
    して次のデータの転送を抑止し、 前記データ保持有効信号を所定回数の前記第2のタイミ
    ング分だけ遅延した信号に応じて、前記第1のデータ保
    持回路に保持されているデータを第2のデータ保持回路
    に受信し保持して前記データ受信装置へ出力し、 リセット信号発生回路において、前記第1の回路からの
    データ保持有効信号を所定回数の前記第1のタイミング
    の発生ごと、又はそれぞれ所定の回数の前記第2のタイ
    ミングと前記第1のタイミングとの発生ごとに順次遅延
    して保持し、該各データ保持有効信号の保持に対応して
    複数のリセット信号候補を発生するとともに、前記第1
    のタイミングと第2のタイミングとの周波数比に基づく
    選択用情報に応じて前記複数のリセット信号候補から択
    一的に選択してリセット信号として前記第1の回路へ供
    給し、 前記リセット信号の供給により、前記第1の回路からの
    前記データ保持有効信号の出力が停止したことによっ
    て、前記データ送信装置に対するデータ転送の抑止を解
    除して、次のデータを前記データ送信装置から前記第1
    のデータ保持回路へ転送させることを特徴とする非同期
    系間データ転送方法。
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