JP3536477B2 - 芳香族ポリイミンの遷移金属錯体およびその製造方法 - Google Patents

芳香族ポリイミンの遷移金属錯体およびその製造方法

Info

Publication number
JP3536477B2
JP3536477B2 JP26773495A JP26773495A JP3536477B2 JP 3536477 B2 JP3536477 B2 JP 3536477B2 JP 26773495 A JP26773495 A JP 26773495A JP 26773495 A JP26773495 A JP 26773495A JP 3536477 B2 JP3536477 B2 JP 3536477B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transition metal
group
aromatic
general formula
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26773495A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0987386A (ja
Inventor
陽一郎 恵崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arakawa Chemical Industries Ltd filed Critical Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority to JP26773495A priority Critical patent/JP3536477B2/ja
Publication of JPH0987386A publication Critical patent/JPH0987386A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3536477B2 publication Critical patent/JP3536477B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族ポリイミンの
遷移金属錯体およびその製造方法に関する。本発明の芳
香族ポリイミンの遷移金属錯体は、複合材料のマトリッ
クス樹脂、耐熱性接着剤、誘電材料、酸素富化膜、非線
形材料等の各種機能性材料に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、芳香族ポリイミンは耐熱性樹
脂として知られているが、芳香族ポリイミンの殆どは、
遷移金属と配位する官能基を有しないため、一般的には
遷移金属を配位させて錯体を形成することにより電気特
性、気体透過性、磁気特性等の物性を付与することは困
難である。
【0003】だたし、芳香族ポリイミンのなかでも、
5,5′−メチレンビスサリチルアルデヒドとオルト−
フェニレンジアミンとからなる縮合物のように、フェノ
ール性水酸基とイミン結合が隣接するものは、遷移金属
と錯体を形成しうる(ジャーナル オブ アメリカン
ケミカルソサエティー 第79巻 6000頁(195
7年))ことが報告されている。しかし、当該芳香族ポ
リイミンは脱水縮合時に生じる中間体オリゴマーの使用
溶剤への溶解性が十分に高くないため、分子量が100
00程度のものしか得られず、フィルム、繊維などへの
加工は困難であり、高分子量材料として使用し難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高分子量材
料として使用できる新規な芳香族ポリイミンの遷移金属
錯体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下の一般式(3)
で表される繰り返し単位を有するフェノール性水酸基を
有する芳香族ポリイミンが各種遷移金属と配位して錯体
を形成でき、かつ高分子量材料として使用できることを
見出した。本発明はかかる新たな知見に基づき完成され
たものである。
【0006】すなわち、本発明は、一般式(1):
【0007】
【化7】
【0008】(式中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ
独立して水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン
原子またはアルコキシ基であり、該R1 、R2 およびR
3 の炭素数の総和が10以下である)で表されるフェノ
ール性水酸基を有する芳香族ジアルデヒドと、一般式
(2):NH2 −Ar−NH2 (式中、Arはフェニレ
ン基、少なくとも1つの炭素数1〜6のアルキル基を有
するフェニレン基、または一般式:−Ar1 −(X−A
1n −(式中、Ar1 はフェニレン基、Xは単結
合、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレ
ン基、酸素原子、イオウ原子または−SO2 −、nは1
〜3の整数を示す)で表される基を示す)で表される芳
香族ジアミンを反応させて得られる、一般式(3):
【0009】
【化8】
【0010】(式中、R1 、R2 、R3 およびArは前
記と同じ)で表される繰り返し単位を有するフェノール
性水酸基を有する芳香族ポリイミンが、二価の遷移金属
イオンと、一般式(4):
【0011】
【化9】
【0012】(式中、R1 、R2 、R3 およびArは前
記と同じ、Mは二価の遷移金属原子を示す)で表される
錯体を形成してなる芳香族ポリイミンの遷移金属錯体、
および当該芳香族ポリイミンの遷移金属錯体の製造方法
に関するものであり、さらには本発明は、前記一般式
(1)で表されるフェノール性水酸基を有する芳香族ジ
アルデヒド、前記一般式(2)で表される芳香族ジアミ
ンおよび二価の遷移金属塩を、溶媒の存在下で反応させ
て得られた溶液を、さらに加熱脱水処理して得られる化
合物、ならびに前記一般式(1)で表されるフェノール
性水酸基を有する芳香族ジアルデヒド、前記一般式
(2)で表される芳香族ジアミンおよび二価の遷移金属
塩を、溶媒の存在下で反応させて得られる溶液を基板に
キャストし、加熱脱水処理して得られるフィルムに関す
るものである。
【0013】本発明に用いられるフェノール性水酸基を
有する芳香族ジアルデヒド成分は、一般式(1):
【0014】
【化10】
【0015】(式中、R1 、R2 およびR3 は前記と同
じ)で表される化合物である。前記芳香族ジアルデヒド
のうち、原料の入手容易性や価格を考慮すれば、一般式
(1)中のR1 、R2 およびR3 がいずれも水素原子の
もの、またはR1 およびR3 が水素原子でありR2 が1
〜4程度のアルキル基のものが好適である。
【0016】前記芳香族ジアルデヒドの具体例として
は、たとえば、2,6−ジホルミルフェノール、2,6
−ジホルミル−4−メチルフェノール、2,6−ジホル
ミル−4−エチルフェノール、2,6−ジホルミル−4
−t−ブチルフェノール、2,6−ジホルミル−4−フ
ェニルフェノール、2,6−ジホルミル−3,4−ジメ
チルフェノール、2,6−ジホルミル−3,4,5−ト
リメチルフェノール、2,6−ジホルミル−4−クロロ
フェノール、2,6−ジホルミル−4−ブロモフェノー
ル、2,6−ジホルミル−4−メトキシフェノール、
2,6−ジホルミル−4−オクチルフェノールなどがあ
げられる。これらの芳香族ジアルデヒドは、いずれも対
応するジアルコール体の酸化によって容易に得ることが
できる。
【0017】本発明に用いられる芳香族ジアミン成分
は、一般式(2):NH2 −Ar−NH2 (式中、Ar
は前記と同じ)で表される化合物である。
【0018】前記芳香族ジアミンの具体例としては、た
とえば、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノ
ベンゼン、2,4−ジアミノトルエンなどのベンゼン環
を1個有する芳香族ジアミン;ベンジジン、3,3′−
ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,
4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジア
ミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニ
ルスルホン、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン、
4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジア
ミノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニル
メタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパ
ン、ビス(4−アミノフェニル)メタンなどのベンゼン
環を2個有する芳香族ジアミン;1,4−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニ
ル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベ
ンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼ
ン、α,α′−ビス(4−アミノメチル)−1,4−ジ
イソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(3−アミノメ
チル)−1,4−ジイソプロピルベンゼンなどのベンゼ
ン環を3個有する芳香族ジアミン;4,4′−ビス(4
−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(3
−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]
メタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル]スルホンなどのベンゼン環を4個有
する芳香族ジアミンなどがあげられる。
【0019】本発明の芳香族ポリイミンとは、前記芳香
族ジアルデヒド成分と前記芳香族ジアミンとを反応させ
て得られる一般式(3):
【0020】
【化11】
【0021】(式中、R1 、R2 、R3 およびArは前
記と同じ)で表される繰り返し単位を有するフェノール
性水酸基を有する芳香族ポリイミンであり、本発明の芳
香族ポリイミンの遷移金属錯体とは、当該芳香族ポリイ
ミン中において隣接するフェノール性水酸基とイミン結
合が、二価の遷移金属イオンと、一般式(4):
【0022】
【化12】
【0023】(式中、R1 、R2 、R3 およびArは前
記と同じ、Mは二価の遷移金属原子を示す)で表される
錯体を形成してなるものである。
【0024】二価の遷移金属原子としては、各種の二価
の遷移金属を用いることができるが、主原子価が2で側
原子価が4のものが好ましい。たとえば、銅(II)、
コバルト(II)、ニッケル(II)、亜鉛(II)等
があげられる。これらのなかもで、溶媒に対する溶解性
が良好な点で特に銅(II)が好ましい。
【0025】これら遷移金属原子は、通常、遷移金属塩
として使用される。遷移金属塩の形態は、特に限定され
ず、酢酸塩、炭酸塩、硫酸塩、塩化物等があげられる
が、反応副生物の除去が容易なことから酢酸塩が好まし
い。
【0026】以下に、本発明の芳香族ポリイミンの遷移
金属錯体の製造方法について具体的に説明する。本発明
の芳香族ポリイミンの遷移金属錯体は、まず、前記芳香
族ジアルデヒド、芳香族ジアミンおよび遷移金属塩を適
当な溶媒中で反応させ、得られた溶液を、さらに加熱脱
水処理することにより製造される。
【0027】これら三種の原料の反応順序は特に限定さ
れず、たとえば、芳香族ジアルデヒドと芳香族ジアミ
ンから芳香族ポリイミンを製造した後に、遷移金属塩を
反応させる方法、芳香族ジアルデヒドと遷移金属塩を
適当な溶媒中で反応させ、次いで芳香族ジアミンを加え
反応させる方法、芳香族ジアミンと遷移金属塩を適当
な溶媒中で反応させ、次いで芳香族ジアルデヒドを加え
反応させる方法、芳香族ジアルデヒド、芳香族ジアミ
ンおよび遷移金属塩を同時に反応させる方法などがあげ
られるが、これらの製造方法のなかでもの方法が好ま
しい。の方法の場合には、一旦芳香族ジアルデヒドの
遷移金属錯体が溶媒中で析出して懸濁状態になるが、芳
香族ジアミンを加えると速やかに反応し、芳香族オリゴ
イミンの遷移金属錯体の均一溶液を得ることができる。
一方、その他の方法の場合には、の方法に比べて遷移
金属塩の溶解が遅く、均一溶液を得るのに長時間を要す
る傾向がある。
【0028】反応に使用される溶媒は特に限定されない
が、得られる芳香族オリゴイミンの遷移金属錯体の溶解
性を考慮すれば、アミド系溶媒が好ましい。アミド系溶
媒としてはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルフォスフォト
リアミド等があげられる。これらの溶媒は1種を単独で
または2種以上の混合物として使用できる。
【0029】前記芳香族ジアルデヒドと芳香族ジアミン
とのモル比(芳香族ジアルデヒド/芳香族ジアミン)の
値は0.8〜1.2程度、好ましくは0.95〜1.0
5とされる。かかるモル比の値が前記範囲をあまりにも
外れる場合には、後述するような、加熱脱水処理を経由
しても所望の高分子化物を得ることが困難となる傾向が
ある。なお、前記芳香族ジアルデヒドと芳香族ジアミン
との反応が縮合反応であることから、かかるモル比の値
が1であることが特に好ましい。
【0030】また遷移金属塩の使用量は、遷移金属塩の
種類にもよって異なるが、通常、前記芳香族ジアルデヒ
ドまたは芳香族ジアミン1モル部に対して、0.01〜
0.5モル部程度である。0.01モル部に満たない場
合は遷移金属塩を加えたことによる物性等の特徴が見ら
れない。また、0.5モル部を越える場合には、一般式
(4)に示すように、二価の遷移金属原子1モル部に対
して2モル部に相当する芳香族ポリイミンのフェノール
性水酸基とイミン結合が配位するため、未反応の遷移金
属塩が残存し好ましくない。
【0031】前記芳香族ジアルデヒド、芳香族ジアミン
および遷移金属塩を反応させる温度は、特に制限はな
く、10〜150℃程度である。通常は室温で反応させ
ればよい。また、反応時間も特に制限されず、反応溶液
が均一になればよく、通常10分間〜12時間程度であ
る。なお、反応溶液の濃度は、使用する芳香族ジアミン
の種類などによって異なるので、一概には決定すること
はできないが、使用する前記芳香族ジアルデヒド、芳香
族ジアミンおよび遷移金属塩の合計量があまりにも多い
場合には、後述する加熱脱水処理が施される以前に芳香
族オリゴイミンの遷移金属錯体が析出してしまう傾向が
あるので、反応溶液の濃度を30重量%程度以下とする
のが好ましい。さらに好ましくは1〜20重量%であ
る。
【0032】次いで、得られた芳香族オリゴイミンの遷
移金属錯体の溶液を加熱脱水処理する。加熱脱水処理に
より脱水縮合反応が起こり、本発明の芳香族ポリイミン
の遷移金属錯体が得られる。通常は、該溶液を、フィル
ム状、繊維状等に成形して加熱脱水処理する。
【0033】芳香族ポリイミンの遷移金属錯体をフィル
ム状で得る場合には、たとえば、前記溶液を適当な基板
上にキャストし加熱乾燥すればよい。加熱乾燥の際の温
度は特に制限はないが、通常100℃〜350℃とされ
る。100℃に満たない場合には高分子量の芳香族ポリ
イミンの遷移金属錯体を得るのに多大な時間を要し、3
50℃を越える場合には芳香族ポリイミンの遷移金属錯
体の熱分解が起こり易くなりいずれも好ましくない。加
熱乾燥時間は加熱乾燥温度によって異なるが一般的には
10分〜12時間が適当である。また加熱乾燥は、減圧
状態で行ってもよく、加熱乾燥時間を適宜に変更して、
複数回加熱乾燥してもよい。なお、塗膜厚さは、用途に
応じて芳香族オリゴイミンの溶液濃度および塗布量によ
り適宜に調整すればよい。また、キャストする基板は芳
香族オリゴイミンと反応せず、溶媒に侵されないもので
あれば、特に限定されず、たとえば、各種ガラス板を使
用できる。
【0034】また、繊維状に成形する場合には、たとえ
ば前記溶液を紡糸用金口から吐出させてフィラメントと
し、これを前記と同様の加熱乾燥温度の条件で溶媒を蒸
発させればよい。
【0035】かくして得られた本発明の芳香族ポリイミ
ンの遷移金属錯体のIRは1615〜1618cm-1
近にイミンの吸収が観測される。一方、遷移金属が配位
していない芳香族ポリイミンのIRは1622〜162
5cm-1付近にイミンの吸収が観測される。すなわち、
遷移金属が配位したことによりイミンのC=N結合距離
が大きくなり低波数側にシフトしたものと考察される。
【0036】また、薄膜の可視吸収スペクトルにおい
て、遷移金属として銅(II)が配位している芳香族ポ
リイミンでは、440nm付近にd−d遷移吸収帯(U
Vλma x )が観測される。一方、遷移金属が配位してい
ない芳香族ポリイミンでは当該領域に吸収はみられな
い。また、本発明の芳香族ポリイミンの遷移金属錯体は
各種溶媒に不溶である。
【0037】かかる結果は、本発明で得られた化合物
が、一般式(4)で表されるように芳香族ポリイミンと
遷移金属が配位した架橋構造をとることを強く支持する
ものである。
【0038】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0039】実施例1 2,6−ジホルミル−4−メチルフェノール1.64g
(0.01モル)のN−メチルピロリドン(30g)溶
液に、酢酸第二銅一水和物1.00g(0.005モ
ル)を加え、室温で1時間撹拌して、ビス(2,6−ジ
ホルミル−4−メチルフェノール)銅(II)の懸濁液
を得た。ビス(2,6−ジホルミル−4−メチルフェノ
ール)銅(II)は、IR:1689cm-1、1625
cm-1により確認した。この懸濁液に4,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテル2.00g(0.01モル)を加
え、室温で1時間撹拌して暗赤色の均一溶液を得た。こ
の溶液をガラス板にキャストし、減圧下(0.1Tor
r)、60℃で1時間乾燥後、さらに200℃で2時間
乾燥し、厚さ30ミクロンの黒赤色のフィルムを得た。
得られたフィルムからIR:1616cm-1、UVλ
max =440nmを観測した。
【0040】比較例1 実施例1において、酢酸第二銅一水和物を使用しなかっ
た他は、実施例1と同様の操作を行いオレンジ色のフィ
ルムを得た。得られたフィルムからIR:1625cm
-1、UVλmax =385nmを観測した。
【0041】実施例2 実施例1において、4,4′−ジアミノジフェニルエー
テルの代わりに1,4−ジアミノベンゼン1.08g
(0.01モル)を用いた以外は実施例1と同様の操作
を行い黒色のフィルムを得た。得られたフィルムからI
R:1616cm-1、UVλmax =440nmを観測し
た。
【0042】比較例2 実施例2において、酢酸第二銅一水和物を使用しなかっ
た他は、実施例2と同様の操作を試みたが、1,4−ジ
アミノベンゼンを加えた後に、撹拌中に析出が起こり、
均一溶液が得られなかった。
【0043】実施例3 実施例1において、4,4′−ジアミノジフェニルエー
テルの代わりに2,4−ジアミノトルエン1.22g
(0.01モル)を用いた以外は実施例1と同様の操作
を行い黒色のフィルムを得た。得られたフィルムからI
R:1616cm-1、UVλmax =440nmを観測し
た。
【0044】比較例3 実施例3において、酢酸第二銅一水和物を使用しなかっ
た他は、実施例3と同様の操作を試みたが、2,4−ジ
アミノトルエンを加えた後に、撹拌中に析出が起こり、
均一溶液が得られなかった。
【0045】実施例4 実施例1において、4,4′−ジアミノジフェニルエー
テルの代わりに1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン2.92g(0.01モル)を用いた以外は実
施例1と同様の操作を行い黒赤色のフィルムを得た。得
られたフィルムからIR:1616cm-1、UVλmax
=440nmを観測した。
【0046】比較例4 実施例4において、酢酸第二銅一水和物を使用しなかっ
た他は、実施例4と同様の操作を行いオレンジ色のフィ
ルムを得た。得られたフィルムからIR:1623cm
-1、UVλmax =385nmを観測した。
【0047】実施例5 実施例1において、2,6−ジホルミル−4−メチルフ
ェノールの代わりに、2,6−ジホルミルフェノール
1.5g(0.01モル)を用いた以外は実施例1と同
様の操作を行い黒赤色のフィルムを得た。得られたフィ
ルムからIR:1616cm-1、UVλmax =440n
mを観測した。
【0048】比較例5 実施例5において、酢酸第二銅一水和物を使用しなかっ
た他は、実施例5と同様の操作を行いオレンジ色のフィ
ルムを得た。得られたフィルムからIR:1624cm
-1、UVλmax =385nmを観測した。
【0049】実施例6 実施例1において、2,6−ジホルミル−4−メチルフ
ェノールの代わりに、2,6−ジホルミル−4−t−ブ
チルフェノール2.08g(0.01モル)を用いた以
外は実施例1と同様の操作を行い黒赤色のフィルムを得
た。得られたフィルムからIR:1616cm-1、UV
λmax =440nmを観測した。
【0050】比較例6 実施例6において、酢酸第二銅一水和物を使用しなかっ
た他は、実施例6と同様の操作を行いオレンジ色のフィ
ルムを得た。得られたフィルムからIR:1624cm
-1、UVλmax =385nmを観測した。
【0051】実施例7 実施例1において、2,6−ジホルミル−4−メチルフ
ェノールの代わりに、2,6−ジホルミル−4−クロロ
フェノール1.84g(0.01モル)を用いた以外は
実施例1と同様の操作を行い黒赤色のフィルムを得た。
得られたフィルムからIR:1616cm-1、UVλ
max =440nmを観測した。
【0052】比較例7 実施例7おいて、酢酸第二銅一水和物を使用しなかった
他は、実施例7と同様の操作を行いオレンジ色のフィル
ムを得た。得られたフィルムからIR:1623c
-1、UVλmax =390nmを観測した。
【0053】実施例8 実施例1において、2,6−ジホルミル−4−メチルフ
ェノールの代わりに、2,6−ジホルミル−4−メトキ
シフェノール1.80g(0.01モル)を用いた以外
は同様な操作を行い黒赤色のフィルムを得た。得られた
フィルムからIR:1616cm-1、UVλmax =44
0nmを観測した。
【0054】比較例8 実施例8おいて、酢酸第二銅一水和物を使用しなかった
他は、実施例8と同様の操作を行いオレンジ色のフィル
ムを得た。得られたフィルムからIR:1625c
-1、UVλmax =380nmを観測した。
【0055】実施例9 実施例1において、酢酸第二銅一水和物を0.50g
(0.0025モル)用いた以外は実施例1と同様の操
作を行い黒赤色のフィルムを得た。得られたフィルムか
らIR:1616cm-1、1625cm-1、UVλmax
=440nmを観測した。
【0056】実施例10 実施例1において、酢酸第二銅一水和物を0.25g
(0.00125モル)用いた以外は実施例1と同様の
操作を行い黒赤色のフィルムを得た。得られたフィルム
からIR:1616cm-1、1625cm-1UVλmax
=440nmを観測した。
【0057】実施例11 2,6−ジホルミル−4−メチルフェノール1.64g
(0.01モル)のN−メチルピロリドン(30g)溶
液に、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル2.00
g(0.01モル)加え、室温で1時間撹拌し、均一溶
液になった後、酢酸第二銅一水和物1.00g(0.0
05モル)を加え、8時間拌して暗赤色の均一溶液を得
た。この溶液をガラス板にキャストし、減圧(0.1T
orr)下、60℃で1時間乾燥後、さらに200℃で
2時間乾燥して、厚さ30ミクロンの黒赤色のフィルム
を得た。得られたフィルムからIR:1616cm-1
UVλmax =440nmを観測した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26 C08G 12/00 - 12/46

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立して水素
    原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはア
    ルコキシ基であり、該R1 、R2 およびR3 の炭素数の
    総和が10以下である)で表されるフェノール性水酸基
    を有する芳香族ジアルデヒドと、一般式(2):NH2
    −Ar−NH2 (式中、Arはフェニレン基、少なくと
    も1つの炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニレン
    基、または一般式:−Ar1 −(X−Ar1n −(式
    中、Ar1 はフェニレン基、Xは単結合、炭素数1〜6
    の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子、
    イオウ原子または−SO2 −、nは1〜3の整数を示
    す)で表される基を示す)で表される芳香族ジアミンを
    反応させて得られる、一般式(3): 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 およびArは前記と同じ)で
    表される繰り返し単位を有するフェノール性水酸基を有
    する芳香族ポリイミンが、二価の遷移金属イオンと、一
    般式(4): 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 およびArは前記と同じ、M
    は二価の遷移金属原子を示す)で表される錯体を形成し
    てなる芳香族ポリイミンの遷移金属錯体。
  2. 【請求項2】 二価の遷移金属が銅(II)である請求
    項1記載の芳香族ポリイミンの遷移金属錯体。
  3. 【請求項3】 一般式(1): 【化4】 (式中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立して水素
    原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはア
    ルコキシ基であり、該R1 、R2 およびR3 の炭素数の
    総和が10以下である)で表されるフェノール性水酸基
    を有する芳香族ジアルデヒド、一般式(2):NH2
    Ar−NH2 (式中、Arはフェニレン基、少なくとも
    1つの炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニレン
    基、または一般式:−Ar1 −(X−Ar1n −(式
    中、Ar1 はフェニレン基、Xは単結合、炭素数1〜6
    の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子、
    イオウ原子または−SO2 −、nは1〜3の整数を示
    す)で表される基を示す)で表される芳香族ジアミンお
    よび二価の遷移金属塩を、溶媒の存在下で反応させて得
    られた溶液を、さらに加熱脱水処理することを特徴とす
    る請求項1記載の芳香族ポリイミンの遷移金属錯体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 二価の遷移金属が銅(II)である請求
    項3記載の芳香族ポリイミンの遷移金属錯体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 溶媒が、アミド系溶媒である請求項3記
    載の芳香族ポリイミンの遷移金属錯体の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(1): 【化5】 (式中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立して水素
    原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはア
    ルコキシ基であり、該R1 、R2 およびR3 の炭素数の
    総和が10以下である)で表されるフェノール性水酸基
    を有する芳香族ジアルデヒド、一般式(2):NH2
    Ar−NH2 (式中、Arはフェニレン基、少なくとも
    1つの炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニレン
    基、または一般式:−Ar1 −(X−Ar1n −(式
    中、Ar1 はフェニレン基、Xは単結合、炭素数1〜6
    の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子、
    イオウ原子または−SO2 −、nは1〜3の整数を示
    す)で表される基を示す)で表される芳香族ジアミンお
    よび二価の遷移金属塩を、溶媒の存在下で反応させて得
    られた溶液を、さらに加熱脱水処理して得られる化合
    物。
  7. 【請求項7】 二価の遷移金属が銅(II)である請求
    項6記載の化合物。
  8. 【請求項8】 溶媒が、アミド系溶媒である請求項6記
    載の化合物。
  9. 【請求項9】 一般式(1): 【化6】 (式中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立して水素
    原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはア
    ルコキシ基であり、該R1 、R2 およびR3 の炭素数の
    総和が10以下である)で表されるフェノール性水酸基
    を有する芳香族ジアルデヒド、一般式(2):NH2
    Ar−NH2 (式中、Arはフェニレン基、少なくとも
    1つの炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニレン
    基、または一般式:−Ar1 −(X−Ar1n −(式
    中、Ar1 はフェニレン基、Xは単結合、炭素数1〜6
    の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子、
    イオウ原子または−SO2 −、nは1〜3の整数を示
    す)で表される基を示す)で表される芳香族ジアミンお
    よび二価の遷移金属塩を、溶媒の存在下で反応させて得
    られる溶液を基板にキャストし、加熱脱水処理して得ら
    れるフィルム。
  10. 【請求項10】 二価の遷移金属が銅(II)である請
    求項9記載のフィルム。
  11. 【請求項11】 溶媒が、アミド系溶媒である請求項9
    記載のフィルム。
JP26773495A 1995-09-21 1995-09-21 芳香族ポリイミンの遷移金属錯体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3536477B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26773495A JP3536477B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 芳香族ポリイミンの遷移金属錯体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26773495A JP3536477B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 芳香族ポリイミンの遷移金属錯体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0987386A JPH0987386A (ja) 1997-03-31
JP3536477B2 true JP3536477B2 (ja) 2004-06-07

Family

ID=17448839

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26773495A Expired - Fee Related JP3536477B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 芳香族ポリイミンの遷移金属錯体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3536477B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4653903B2 (ja) * 2001-05-09 2011-03-16 俊夫 増田 サリチリデンアニリン系重合体、その製造方法及びそれを用いたマルチカラー発光材料
FR2943558B1 (fr) * 2009-03-30 2011-04-08 Centre Nat Rech Scient Membrane polymere dynamique autosupportee,procede de preparation et utilisations.
FR2943559B1 (fr) * 2009-03-30 2011-04-08 Centre Nat Rech Scient Membrane polymere dynamique autosupportee,procede de preparation et utilisations.
JP5550493B2 (ja) * 2009-09-03 2014-07-16 国立大学法人 東京大学 蓄熱材及びそれを利用した熱利用システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0987386A (ja) 1997-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5606014A (en) Imide oligomers and co-oligomers containing pendent phenylethynyl groups and polymers therefrom
Hsiao et al. Synthesis and characterization of novel fluorinated polyimides based on 2, 7‐bis (4‐amino‐2‐trifluoromethylphenoxy) naphthalene
JPS5839844B2 (ja) ポリエ−テルイミドノ セイホウ
US5286811A (en) Blended polyimide oligomers and method of curing polyimides
EP1148078A1 (en) Polyimide containing crosslinkable group and process for producing the same
JPS6250497B2 (ja)
US7109287B2 (en) Space environmentally durable polyimides and copolyimides
EP0605807B1 (en) Trifunctional cyanate esters, polymers thereof, use and preparation thereof
EP0393638B1 (en) Thermosetting resin compostion and thermosetting dry film
JP3536477B2 (ja) 芳香族ポリイミンの遷移金属錯体およびその製造方法
Yang et al. Synthesis and properties of new polyimides derived from 1, 5‐bis (4‐aminophenoxy) naphthalene and aromatic tetracarboxylic dianhydrides
US4855390A (en) Process for preparing polyesterimide from bis(hydroxyphthalimide)
Yang et al. Synthesis and properties of new organo‐soluble and strictly alternating aromatic poly (ester‐imide) s from 3, 3‐bis [4‐(trimellitimidophenoxy) phenyl] phthalide and bisphenols
Wang et al. Synthesis of soluble branched polyimides derived from an ABB′ monomer
Yan et al. Optical transparency and light colour of highly soluble fluorinated polyimides derived from a novel pyridine-containing diamine m, p-3FPAPP and various aromatic dianhydrides
Zeng et al. Synthesis and characterization of polyimides from metal-containing (Ba, Sr, Pb, Zn) diamines
US7211632B2 (en) Perdeuterated polyiimides, their process of preparation and their use as materials which are transparent within the region from 2500 to 3500cm-1
Yang et al. Synthesis and properties of alternating copolyamide‐imides based on 2, 6‐bis (4‐aminophenoxy) naphthalene and comparison with its related isomeric polymers
JPH03502941A (ja) 強靭な高性能付加型熱可塑性ポリマー
JP2021066861A (ja) ポリイミン、ワニス、フィルム、その製造方法、積層体及びその製造方法
JP3027383B2 (ja) 無色有機可溶性芳香族ポリ(エ―テルイミド)、その有機溶液、およびその調製
US6093790A (en) Organic-soluble aromatic polyimides, organic solutions and preparation thereof
JPH11158276A (ja) 接着性の改良されたポリイミドフィルム、その製法およびその積層体
Frost et al. Polyimidazopyrrolones and related polymers. I. Dianhydrides and o‐acetamidodiamines
JPH08120040A (ja) 耐熱性電気絶縁材料およびそれを用いた耐熱性電気絶縁膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees