JP3535904B2 - 油圧作業回路 - Google Patents

油圧作業回路

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JP3535904B2 JP27792194A JP27792194A JP3535904B2 JP 3535904 B2 JP3535904 B2 JP 3535904B2 JP 27792194 A JP27792194 A JP 27792194A JP 27792194 A JP27792194 A JP 27792194A JP 3535904 B2 JP3535904 B2 JP 3535904B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建設機械等の油圧作業
回路に係り、特にこのような回路における複合操作性を
向上させ得る油圧作業回路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の油圧作業回路は、負荷
の異なる複数のアクチュエータを同時に操作するため、
いわゆる複合操作性に優れた、特にポンプ吐出流量が不
足した場合でも各アクチュエータへの圧油分流精度を正
確に達成することができる回路特性が要求される。そこ
で、本出願人は、先に低負荷側のアクチュエータ圧油量
を、高負荷側のアクチュエータ負荷圧力を介して制御す
ることにより、前記圧油分流精度を正確に達成するよう
に構成した、いわゆるロードセンシング制御式油圧作業
回路を開発し、特許出願を行った(特開平4ー1940
6号公報参照)。
【0003】すなわち、前記ロードセンシング制御式油
圧作業回路(以下、単に従来の油圧作業回路と略称す
る)は、図2において、一般に吐出流量制御手段10を
有する可変容量ポンプ12と、この可変容量ポンプ12
によって負荷される複数(図においては3つ)のアクチ
ュエータ14−1、14−2、14−3と、タンク16
と、可変容量ポンプ12および各アクチュエータ14−
1、14−2、14−3の間にそれぞれ設けられて、可
変容量ポンプ12の吐出圧油をそれぞれのアクチュエー
タ14−1、14−2、14−3へ供給すると共に、そ
の戻り油をタンク16へ排出する複数の方向切換弁18
−1、18−2、18−3とからなる油圧作業回路にお
いて、この油圧作業回路に、各方向切換弁18−1、1
8−2、18−3のそれぞれのアクチュエータ個別負荷
圧力を検出する検出手段(ポート)26−1、26−
2、26−3と、これら各個別負荷圧力の中の最高圧力
を最高負荷圧力として選択する選択手段28、28とを
設けると共に、それぞれの方向切換弁18−1、18−
2、18−3のタンクライン24上には、その開度を調
整する補助弁30−1、30−2、30−3を設け、そ
してこの補助弁には、その一端部にこれに対応する個別
負荷圧力(信号ライン)32−1、32−2、32−3
および作動ばね力34−1、34−2、34−3を開方
向に印加し、また他端部には最高負荷圧力(信号ライ
ン)36を閉方向に印加すると共に、可変容量ポンプ1
2の吐出流量は最高負荷圧力36および吐出流量制御手
段10を介して制御するように構成されている。なお、
図中の参照符号20はポンプ吐出ライン、22はアクチ
ュエータラインをそれぞれ示す。
【0004】従って、このような構成になる油圧作業回
路においては、例えば2つのアクチュエータ14−1、
14−2を複合操作すべく、2つの方向切換弁18−
1、18−2を同時に作動すると、この場合に前者が低
負荷側で後者が高負荷側であると仮定すると、後者側の
補助弁30−2は、その両端部に同圧の負荷圧力(最高
負荷圧力)32−2、36が印加されるので、作動ばね
力34−2を介して弁開位置に保持されるが、前者側の
補助弁30−1は、その一端部に低圧の個別負荷圧力3
2−1が開方向に印加され、他端部には高圧の最高負荷
圧力36が閉方向に印加されるので、作動ばね力34−
1に抗して弁開度が閉方向に制限される。すなわち、低
負荷側のアクチュエータ14−1の圧油量が、高負荷側
のアクチュエータ14−2の負荷圧力を介して制御され
る。この結果、両者間の所定の圧油分配(分流精度)が
達成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の油圧作業回路は、なお以下に述べるような難点を有
していた。
【0006】すなわち、前記従来の油圧作業回路は、ア
クチュエータ間の圧油分配を、前述したように、低負荷
側アクチュエータの圧油量を高負荷側アクチュエータの
負荷圧力を介して制御することにより、換言すれば、低
負荷側の補助弁に対してその一端部には低圧の当該個別
負荷圧力を開方向に印加し、また他端部には高圧の最高
負荷圧力を閉方向に印加して、その弁開度を開方向付勢
の作動ばね力に抗して閉方向に制限することにより、所
定の弁開度が得られるように構成されている。しかる
に、ここで前記作動ばね力は、補助弁を内部摺動抵抗等
に抗して作動するための最低付勢力を必要とし、この付
勢力は、補助弁に対する換算圧力(以下、作動ばね相当
圧力と称する)として、少なくとも1kg/cm2 を要
する。なお、高負荷側アクチュエータの負荷圧力は、通
常100kg/cm2 のオーダーである。このため、前
記従来の油圧作業回路においては、補助弁の前記制御に
おいて作動ばね相当圧力(1kg/cm2 )が最高負荷
圧力(100kg/cm2 )に影響し、この結果アクチ
ュエータ間の圧油分配(分流精度)が正確には達成され
ていなかった。なお、この難点を少しでも減少すべく、
作動ばね力を低減すると、補助弁の作動が阻害されるこ
とは明らかである。
【0007】そこで、本発明の目的は、アクチュエータ
間の圧油分流精度を正確に達成することができる油圧作
業回路を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】先の目的を達成するため
に、本発明に係る油圧作業回路は、可変容量ポンプと、
この可変容量ポンプによって負荷される複数のアクチュ
エータと、タンクと、前記可変容量ポンプおよび前記複
数のアクチュエータの間にそれぞれ設けられて前記可変
容量ポンプの吐出圧油をそれぞれのアクチュエータへ供
給すると共にその戻り油をタンクへ排出する複数の方向
切換弁とからなる油圧作業回路であって、各方向切換弁
のそれぞれのアクチュエータ個別負荷圧力を検出する検
出手段と、これら各個別負荷圧力の中の最高負荷圧力よ
り所定圧だけ高い圧力を調整最高負荷圧力として設定す
る圧力設定手段とを設けると共に、それぞれの方向切換
弁のタンクライン上にはその開度を調整する補助弁を設
け、さらに前記補助弁には、その一端部にこれに対応す
る前記個別負荷圧力および作動ばね力を開方向に印加
し、他端部には前記調整最高負荷圧力を閉方向に印加す
ると共に、前記可変容量ポンプの吐出流量は前記調整最
高負荷圧力を介して制御するように構成した油圧作業回
路において、前記調整最高負荷圧力は、前記最高負荷圧
力より更に補助弁の作動ばね力に相当する圧力だけ高い
圧力であるよう構成することを特徴とする。
【0009】
【0010】そして、前記圧力を設定する圧力設定手段
は、好適には、その一端部に前記個別負荷圧力および調
整ばね力を印加し、他端部にポンプ吐出圧力を元圧とし
た通過調整圧力を印加する減圧弁機構から構成し、その
調整ばね力に相当する圧力を補助弁の作動ばね力に相当
する圧力に対応するように設定する。
【0011】なお、この圧力設定手段は、各個別負荷圧
力のそれぞれの信号ライン上に設けるか、あるいは最高
負荷圧力の信号ライン上に設けることができる。
【0012】
【作用】本発明においては、アクチュエータの複合操作
時に、低負荷側アクチュエータの圧油量を高負荷側アク
チュエータの負荷圧力(最高負荷圧力)を介して制御す
るよう作動する補助弁は、この制御時に印加される従来
の前記最高負荷圧力を、これより所定圧力だけ高い調整
最高負荷圧力に変更されている。従って、補助弁は、そ
の作動ばね力による従来の影響を、前記調整最高負荷圧
力の中の所定の上昇圧力分によって解消され、その前記
制御機能を確実に遂行される。すなわち、アクチュエー
タ間の圧油分配(分流精度)が正確に達成される。な
お、特に説明を要しないが、本発明は、前記従来の油圧
作業回路において、その最高負荷圧力をこれより所定圧
力だけ高い調整最高負荷圧力に変更することにより、従
来発生していた前記難点を解消するよう構成したもので
ある。
【0013】
【実施例】次に、本発明に係る油圧作業回路の実施例に
つき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。な
お、説明の便宜上、図2に示す従来の構造と同一の構成
部分には同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略す
る。
【0014】先ず始めに、本発明に係る油圧作業回路
は、既に説明したように、前記従来の油圧作業回路にお
いて、その最高負荷圧力を、これより所定圧力だけ高い
調整最高負荷圧力に変更するこにより、従来発生してい
た、アクチュエータ間の圧油分流精度の低下を防止する
ように構成したものである。従って、本発明の構成は、
前記従来の構成に対比されるので、理解を容易にするた
め、以下重複を顧みず前記従来の構成に準拠して説明す
る。
【0015】すなわち、本発明の油圧作業回路は、図1
において、吐出流量制御手段10を有する可変容量ポン
プ12と、この可変容量ポンプ12によって負荷される
3つのアクチュエータ14−1、14−2、14−3
と、タンク16と、可変容量ポンプ12および各アクチ
ュエータ14−1、14−2、14−3の間にそれぞれ
設けられて、可変容量ポンプ12の吐出圧油をそれぞれ
のアクチュエータ14−1、14−2、14−3へ供給
すると共に、その戻り油をタンク16へ排出する3つの
方向切換弁18−1、18−2、18−3とからなる油
圧作業回路を構成する。この油圧作業回路において、各
方向切換弁18−1、18−2,18−3のそれぞれの
アクチュエータ個別負荷圧力を検出する検出手段(ポー
ト)26−1、26−2、26−3と、これら各個別負
荷圧力の中の最高圧力より更に所定圧力だけ高い圧力を
調整最高負荷圧力42として設定する圧力設定手段40
−1、40−2、40−3とを設けると共に、それぞれ
の方向切換弁18−1、18−2、18−3のタンクラ
イン24上には、その開度を調整する補助弁30−1、
30−2、30−3を設ける。そして、この補助弁に
は、その一端部に、これに対応する個別負荷圧力(信号
ライン)32−1、32−2、32−3および作動ばね
力34−1、34−2、34−3をそれぞれ開方向に印
加し、また他端部には調整最高負荷圧力(信号ライン)
42を閉方向に印加すると共に、可変容量ポンプ12の
吐出流量は調整最高負荷圧力42および吐出流量制御手
段10を介して制御するように構成したものである。す
なわち、本発明の構成は、前述したように、前記従来の
構成に対して、その最高負荷圧力をこれより所定圧力だ
け高い調整最高圧力に変更したものであることが、理解
されるであろう。
【0016】ここで、前記圧力設定手段40−1、40
−2、40−3は、図示するように、その一端部に個別
負荷圧力(信号ライン)32−1、32−2、32−3
および調整ばね力44−1、44−2、44−3をそれ
ぞれ印加し、他端部にポンプ吐出圧力(吐出ライン)2
0を元圧とした通過調整圧力46−1、46−2、46
−3をそれぞれ印加する減圧弁機構として構成される。
そして、前記調整ばね力44−1、44−2、44−3
に相当する圧力(調整ばね相当圧力)を、補助弁30−
1、30−2、30−3の作動ばね34−1、34−
2、34−3のばね力に相当する圧力(作動ばね相当圧
力)に対応している。すなわち、調整最高負荷圧力42
は、従来の最高負荷圧力(図2の信号ライン36)より
更に補助弁の作動ばね相当圧力だけ高い圧力に設定され
ている。
【0017】このように、本発明においては、アクチュ
エータの複合操作時に、低負荷側アクチュエータの圧油
量を高負荷側アクチュエータの負荷圧力(最高負荷圧
力)を介して制御するように作動する補助弁は、この制
御時に印加される制御圧力を、従来の前記最高負荷圧力
から更に所定圧力(補助弁の作動ばね相当圧力)だけ高
い調整最高負荷圧力に変更されている。従って、補助弁
は、その作動ばね力による従来の影響を、前記所定の上
昇圧力(作動ばね相当圧力)によって解消され、その制
御機能を確実に遂行することができる。すなわち、アク
チュエータ間の圧油分配(分流精度)が正確に達成され
る。また、本発明においては、補助弁の作動ばね力は、
その大きさを必要十分に設定することができるので、補
助弁の作動が安定する利点が併せて達成される。
【0018】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更
が可能である。例えば、圧力設定手段は、前述のように
各個別負荷圧力のそれぞれの信号ライン上に設けること
なく、最高負荷圧力の信号ライン上に1つだけ共通的に
設けることも可能である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る油圧
作業回路は、可変容量ポンプと、この可変容量ポンプに
よって負荷される複数のアクチュエータと、タンクと、
前記可変容量ポンプおよび前記複数のアクチュエータの
間にそれぞれ設けられて前記可変容量ポンプの吐出圧油
をそれぞれのアクチュエータへ供給すると共にその戻り
油をタンクへ排出する複数の方向切換弁とからなる油圧
作業回路であって、各方向切換弁のそれぞれのアクチュ
エータ個別負荷圧力を検出する検出手段と、これら各個
別負荷圧力の中の最高負荷圧力より所定圧だけ高い圧力
を調整最高負荷圧力として設定する圧力設定手段とを設
けると共に、それぞれの方向切換弁のタンクライン上に
はその開度を調整する補助弁を設け、さらに前記補助弁
には、その一端部にこれに対応する前記個別負荷圧力お
よび作動ばね力を開方向に印加し、他端部には前記調整
最高負荷圧力を閉方向に印加すると共に、前記可変容量
ポンプの吐出流量は前記調整最高負荷圧力を介して制御
するように構成した油圧作業回路において、前記調整最
高負荷圧力は、前記最高負荷圧力より更に補助弁の作動
ばね力に相当する圧力だけ高い圧力であるように構成し
たことにより、アクチュエータの複合操作時に、低負荷
側アクチュエータの圧油量を高負荷側アクチュエータの
負荷圧力(最高負荷圧力)を介して制御するように作動
する補助弁が、この制御時に印加される制御圧力を、従
来の前記最高負荷圧力から更に所定圧力(補助弁の作動
ばね相当圧力)だけ高い調整最高負荷圧力に変更され、
従って補助弁は、その作動ばね力による従来の影響が前
記所定の上昇圧力(作動ばね相当圧力)によって解消さ
れ、その制御機能を確実に遂行することができる。
【0020】このように、本発明によれば、アクチュエ
ータ間の圧油分配(分流精度)が正確に達成される。さ
らに、補助弁は、その作動ばね力を必要十分に設定する
ことができるので、補助弁の作動が安定する利点が併せ
て達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油圧作業回路の一実施例を示す油
圧回路図である。
【図2】従来の油圧作業回路を示す油圧回路図である。
【符号の説明】
10 吐出流量制御手段 12 可変容量ポンプ 14−1、14−2、14−3 アクチュエータ 16 タンク 18−1、18−2、18−3 方向切替弁 20 ポンプ吐出ライン 22 アクチュエータライン 24 タンクライン 26−1、26−2、26−3 検出手段(ポート) 30−1、30−2、30−3 補助弁 32−1、32−2、32−3 個別負荷圧力(信号ラ
イン) 34−1、34−2、34−3 作動ばね力 40−1、40−2、40−3 圧力設定手段 42 調整最高負荷圧力(信号ライン) 44−1、44−2、44−3 調整ばね力 46−1、46−2、46−3 通過調整圧力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−171301(JP,A) 特開 平6−116982(JP,A) 特開 平5−52204(JP,A) 特開 平4−370402(JP,A) 特開 昭61−252902(JP,A) 実開 平4−119604(JP,U) 特表 平5−501600(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F15B 11/00 E02F 9/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変容量ポンプと、この可変容量ポンプ
    によって負荷される複数のアクチュエータと、タンク
    と、前記可変容量ポンプおよび前記複数のアクチュエー
    タの間にそれぞれ設けられて前記可変容量ポンプの吐出
    圧油をそれぞれのアクチュエータへ供給すると共にその
    戻り油をタンクへ排出する複数の方向切換弁とからなる
    油圧作業回路であって、各方向切換弁のそれぞれのアク
    チュエータ個別負荷圧力を検出する検出手段と、これら
    各個別負荷圧力の中の最高負荷圧力より所定圧だけ高い
    圧力を調整最高負荷圧力として設定する圧力設定手段と
    を設けると共に、それぞれの方向切換弁のタンクライン
    上にはその開度を調整する補助弁を設け、さらに前記補
    助弁には、その一端部にこれに対応する前記個別負荷圧
    力および作動ばね力を開方向に印加し、他端部には前記
    調整最高負荷圧力を閉方向に印加すると共に、前記可変
    容量ポンプの吐出流量は前記調整最高負荷圧力を介して
    制御するように構成した油圧作業回路において、前記調
    整最高負荷圧力は、前記最高負荷圧力より更に補助弁の
    作動ばね力に相当する圧力だけ高い圧力であることを特
    徴とする油圧作業回路。
  2. 【請求項2】 圧力設定手段は、その一端部に前記個別
    負荷圧力および調整ばね力を印加し、他端部にポンプ吐
    出圧力を元圧とした通過調整圧力を印加する減圧弁機構
    からなり、前記調整ばね力に相当する圧力が補助弁の作
    動ばね力に相当する圧力に対応してなる請求項記載の
    油圧作業回路。
  3. 【請求項3】 圧力設定手段は、各個別負荷圧力のそれ
    ぞれの信号ライン上に設けてなる請求項記載の油圧作
    業回路。
  4. 【請求項4】 圧力設定手段は、最高負荷圧力の信号ラ
    イン上に設けてなる請求項記載の油圧作業回路。
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