JP3535802B2 - シャッタ装置 - Google Patents

シャッタ装置

Info

Publication number
JP3535802B2
JP3535802B2 JP2000116489A JP2000116489A JP3535802B2 JP 3535802 B2 JP3535802 B2 JP 3535802B2 JP 2000116489 A JP2000116489 A JP 2000116489A JP 2000116489 A JP2000116489 A JP 2000116489A JP 3535802 B2 JP3535802 B2 JP 3535802B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
arm
shutter
dimension
slit forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000116489A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001305606A5 (ja
JP2001305606A (ja
Inventor
靖宏 豊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000116489A priority Critical patent/JP3535802B2/ja
Priority to US09/835,585 priority patent/US6637955B2/en
Publication of JP2001305606A publication Critical patent/JP2001305606A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3535802B2 publication Critical patent/JP3535802B2/ja
Publication of JP2001305606A5 publication Critical patent/JP2001305606A5/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shutters For Cameras (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分割羽根形式のシャ
ッタ装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、2本のアームからなる平行リンク
機構により、複数枚に分割された羽根群を回転自在に支
持する形式のフォーカルプレーンシャッタで用いられる
(一般的な)機構としては、アームによる羽根群の保持
手段の違いによって、ロングアームタイプのものとショ
ートアームタイプのものがある。
【0003】ここでは、羽根群を上下に走行させる、所
謂縦走りフォーカルプレーンシャッタについて述べる。
【0004】まず、ロングアームタイプのものは、実公
昭35―29651で示されるように、アームの回転自在の基
幹部に対し、シャッタ開口の挟んだ反対側で羽根群がア
ームに回転自在に保持される。そのため、アームはシャ
ッタ開口の幅以上に長くなる。ロングアームタイプで
は、羽根群によるシャッタ開口の開閉に要するアームの
回転角が小さくて済むので、開閉動作による羽根群の走
行方向に直交方向の変位量が小さくなり、シャッタの横
幅の小型化には有利となる。しかしながら、2本のアー
ムで保持できる羽根群枚数を3枚以上にすると、構造が
複雑となる欠点や、長いアームのため羽根ユニットのイ
ナーシャが大きくなり、高速走行に不利となる欠点があ
った。そのため、近年におけるシャッタの露光秒時の高
速化や、閃光発光同調秒時の高速化に伴い、高速化に不
向きなロングアームタイプのものは使われなくなった。
【0005】そこで、ロングアームタイプの欠点を解決
すべく考えられたショートアームタイプのものは、横幅
の小型化には不利となるものの、シャッタ開口を挟むこ
となく、アームの基幹部に近い側のシャッタ開口に対し
同じ側辺近傍で多数枚の羽根群を2本のアームで回転自
在に保持するように構成されていた。
【0006】しかも、イナーシャをより小さくするため
に、アームの長さは極力短いことが望ましい。そのショ
ートアームタイプの従来例として、各部の構成及び寸法
関係は、図19、図20(図19は走行準備完了状態、
図20は走行完了状態)に示すようになっていた。それ
は、シャッタ開口(101a)を有する基板(101)
(シャッタ地板)に、先羽根は5枚構成の羽根からな
り、基幹部を軸(101d,101e)に回転自在に支
持された第1のアーム(106)と第2のアーム(10
7)により、シャッタ開口を開閉するよう形成されたス
リット形成羽根(102)と覆い羽根(103,10
4,105,106)を回転自在に羽根カシメダボ(1
08a,108b,108c,108d,108e,1
09a,109b,109c,109d,109e)で
支持し、平行リンクを構成していた。後羽根は4枚構成
の羽根からなり、同様に基幹部を軸(101f,101
g)に回転自在に支持された第1のアーム(114)と
第2のアーム(115)により、シャッタ開口を開閉す
るよう形成されたスリット形成羽根(110)と覆い羽
根(111,112,113)を回転自在に羽根カシメ
ダボ(116a,116b,116c,116d,11
7a,117b,117c,117d)で支持し、平行
リンクを構成していた。(以下第1の従来例と称す。)
【0007】また、2本のアームからなる平行リンク機
構での小型化が困難という見地から、3本目(更には4
本目)の補助アームを追加して小型化を図ったものとし
て、以下のものが提案されている。
【0008】実公平6-26896号公報では、重畳時に、ス
リット形成羽根を支持する第1及び第2のアームの支持
部をファインダと開口窓との間に存する収納部領域に納
め、他の覆い羽根群を支持する第3アームが該領域外に
あるようにして、フォーカルプレーンシャッタの左右方
向の外形寸法を縮小するものである。(以下第2の従来
例と称す。)
【0009】また、実公平6-26897号では、スリット形
成羽根を軸支する2本の主アームのうちの一方の主アー
ムに他の羽根の一方の軸支部を結合支持し、他方の軸支
部を他方の主アーム及び補助アームに結合支持するよう
にして、フォーカルプレーンシャッタの小型化と耐久性
向上を目指したものである。(以下第3の従来例と称
す。)
【0010】更に、実登第2501747号では、第1平行リ
ンク機構によって作動されるスリット形成羽根と、第2
平行リンク機構によって作動される覆い羽根とを備え、
第1平行リンクのスリット形成羽根上の連結距離を第2
平行リンクの覆い羽根上の連結距離よりも長くして、フ
ォーカルプレーンシャッタのスリット形成羽根の平行性
を保つとともにシャッタ開口から各平行リンクの基幹部
側のスペースを縮小するものである。(以下第4の従来
例と称す。)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、シャッタの
小型化(特に横幅の小型化)を図ると、分割された羽根
群の枚数を少なくする方がアームと羽根との連結個所数
が少なくなり、連結個所の占有面積が少なくなるため小
型化には有利となる。それに反して、羽根群の枚数を少
なくすると、所定の大きさのシャッタ開口を遮光するた
めの羽根相互の重なり量が少なくなり、遮光性確保が難
しくなる。
【0012】上記第1の従来例で小型化を図りアームの
長さを短くすると、先羽根羽根枚数が5枚と多く、羽根
カシメダボの配置も素直に並んだまま間隔が詰まり、覆
い羽根の回転自在の支持位置の自由度が減ってしまう。
したがって、羽根ユニット内での干渉(例えば図20
で、第1のアーム106の基幹部外周と羽根カシメダボ
109e周辺の第2のアーム107や覆い羽根105の
外周との干渉、羽根カシメダボ108e周辺の第1のア
ーム106の外周と羽根カシメダボ109cや109d
周辺の第2のアーム107や覆い羽根104,105の
外周との干渉等)が生じ、アームの回転作動角を増やせ
ない(シャッタ開口の羽根走行方向の寸法が一定である
以上、平行リンクではアームの長さを短くすると、決め
られた距離だけ羽根を移動させるにはアームの回転作動
角を大きくする必要がある)うえ、シャッタ開口を閉じ
る羽根の展開時のスリット形成羽根と覆い羽根の重なり
量を維持することが難しくなるという不都合があり、大
した小型化はできなかった。かといって4枚羽根構成の
後羽根を先羽根にも共通に用いた場合には、図20に示
すように後羽根の展開時の各羽根の重なり量は約2mmと
なり少なく、仮に先羽根がシャッタ開口を開く重畳状態
での羽根収納スペースの許す範囲で各羽根幅を広げたと
しても、前述の5枚構成の羽根同様、羽根カシメダボの
配置も素直に並んだまま間隔が詰まり、羽根カシメダボ
の配置の制約から覆い羽根の回転自在の支持位置の自由
度が減ってしまい、羽根ユニット内での干渉(例えば図
19で、第1のアーム114の基幹部外周と羽根カシメ
ダボ117d周辺の第2のアーム115や覆い羽根11
3の外周との干渉、羽根カシメダボ116d周辺の第1
のアーム114の外周と羽根カシメダボ117c周辺の
第2のアーム115や覆い羽根112の外周との干渉
等)が生じ、羽根走行方向と反対側へあと1mm程度しか
広げられず所望の4mmの羽根重なり量を確保できない
上、やはり大した小型化はできなかった。(羽根カシメ
ダボの配置に関する説明は後述のを参照)
【0013】また、上記第2の従来例(実公平6-26896
号公報)では、覆い羽根群を支持する第3アームが追加
されるため、第1の従来例のような2本アームによる一
般的な平行リンク機構に比べて構造が複雑となり、作動
抵抗も増し、羽根ユニットのイナーシャが大きくなると
いう不都合があった。また、少ないスペースに3本のア
ームを配置するため、各アームが細くなってしまい、ア
ーム自体の強度が弱いという不都合があった。加えて、
重畳時に、スリット形成羽根を支持する第1及び第2の
アームの支持部をファインダと開口窓との間に存する収
納部領域に納めるため、平行リンクのスリット形成羽根
上の連結距離が短くなってしまい、露光スリットの平行
度を保ち難いという不都合があった。
【0014】また、上記第3の従来例(実公平6-26897
号)では、第2の従来例と同様、覆い羽根群を支持する
第3アーム(補助アーム)が追加されるため、第1の従
来例のような2本アームによる一般的な平行リンク機構
に比べて構造が複雑となり、作動抵抗も増し、羽根ユニ
ットのイナーシャが大きくなるという不都合があった。
また、アームへの負荷分散を狙ってアームの数を増して
いるが、小型化により少なくなったスペース内に3本
(それ以上)のアームを配置するため、各アームが細く
なってしまい、結局アーム自体の強度低下を招くという
不都合があった。
【0015】また、上記第4の従来例(実登第2501747
号)では、一つの羽根ユニットに2つの平行リンク機構
を備え、覆い羽根群を支持する第3アーム(更には第4
アーム)が追加されるため、第1の従来例のような2本
アームによる一般的な平行リンク機構に比べて構造が複
雑となり、作動抵抗も増し、羽根ユニットのイナーシャ
が大きくなるという不都合があった。また、小型化によ
り少なくなったスペースに3本(或は4本)のアームを
配置するため、各アームが細くなってしまい、アーム自
体の強度が弱いという不都合があった。
【0016】従って、上記第2から第4の従来例では羽
根ユニットの高速走行には不利となり、例えばカメラで
は、1/4000秒よりも短い露光秒時の実現や、1/200秒よ
りも短いストロボ同調秒時の実現が困難であった。ま
た、同じ幕速を実現するのに必要なシャッタチャージエ
ネルギが増加するため、カメラの大型化を招いたり、連
続撮影時のコマ速を上げるのに不都合であった。
【0017】本発明の目的は、小型化、特に羽根走行方
向に直交する方向大きさが小さく、遮光のための羽根
重なり量を確保し、しかも羽根ユニットのイナーシャが
小さい上、作動効率も良く、高速作動に適するシャッタ
装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
シャッタ開口を有する基板と、前記シャッタ開口を開閉
するよう形成された複数枚の羽根からなる羽根群と、前
記羽根群と接続され、前記基板に対して回動することで
平行リンクを構成する第1および第2のアーム部材とを
有するシャッタ装置において、前記羽根との接続部のう
ち、前記第1のアーム部材の回動中心から最も離れた接
続部から前記第1のアーム部材の回動中心までの距離D
の関係と、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aと
の関係を、0.78A≦D≦0.90Aとし、前記第1
のアーム部材と前記第2のアーム部材とのリンク間隔寸
法Eと、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aとの
関係を、0.33A≦E≦0.39Aとし、前記シャッ
タ開口を前記羽根群が開閉するとき、前記第1のアーム
部材の最大回動角θを80°≦θ≦94°とすることを
特徴としている。
【0019】
【0020】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
シャッタ装置において、前記第1および第2のアーム部
材の回動中心が設けられる側の前記基板の端面から前記
シャッタ開口の端面までの寸法Bと、前記シャッタ開口
の羽根走行方向の寸法Aとの関係を0.56A≦B≦
0.70Aとすることを特徴としている。請求項3に係
る発明は、請求項1または2に記載のシャッタ装置にお
いて、前記第1および第2のアーム部材の回動中心が設
けられない側の前記基板の端面から前記シャッタ開口の
端面までの寸法Cと、前記シャッタ開口の前記羽根群走
行方向寸法Aとの関係を0.24A≦C≦0.30A
することを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1〜図4は
本発明第1の実施形態を表すフォーカルプレーンシャッ
タ羽根ユニットの図で、図1は走行準備完了状態、図2
は走行完了状態を示す正面図。図3、図4はアームへの
羽根保持位置の工夫による効果の説明図。
【0022】これら図において、1はシャッタ開口を有
する基板(以下、シャッタ地板と称する。)、1aはシ
ャッタ開口、1bは不図示の先羽根駆動レバー(先羽根
にばね力等による走行エネルギを与えるレバー)の駆動
ピンの走行軌跡を逃げるための長孔、1cは不図示の後
羽根駆動レバー(後羽根にばね力等による走行エネルギ
を与えるレバー)の駆動ピンの走行軌跡を逃げるための
長孔、2は先羽根スリット形成羽根(#1羽根)で2a
は先羽根スリット形成端、3〜5は先羽根で、順に3は
先羽根#2、4は先羽根#3、5は先羽根#4と称す。
6は先羽根用の第1のアームで、シャッタ地板1に設け
られた軸1dの周りに回転自在に枢着され、該アームの
先端側に設けたカシメダボ8aで先羽根スリット形成羽
根2をアーム6に対して回転自在に支持する。また6a
は不図示の先羽根駆動レバーの駆動ピンを嵌入させる穴
で、この穴を介して軸1dと同軸に回転軸を設けられた
不図示の先羽根駆動レバーから動力を伝えられる。7は
先羽根用の第2のアームで、シャッタ地板1に設けられ
た軸1eの周りに回転自在に枢着され、該アームの先端
側に設けたカシメダボ9aで先羽根スリット形成羽根2
をアーム7に対して回転自在に支持する。
【0023】このようにして先羽根スリット形成羽根2
と先羽根用の第1のアーム6と第2のアーム7とにより
平行リンクを形成する。同様に、先羽根のうち#2羽根
3,#3羽根4,#4羽根5は、先羽根用の第1のアー
ム6と第2のアーム7の中間部にそれぞれのカシメダボ
8bと9b,8cと9c,8dと9dで回転自在に支持
され、平行リンクを形成する。以上により先羽根が構成
される。
【0024】後羽根は先羽根と同様の構成で、10は後
羽根スリット形成羽根で10aは後羽根スリット形成
端、11〜13は後羽根で、順に11は後羽根#2、1
2は後羽根#3、13は後羽根#4と称す。14は後羽
根用の第1のアームで、シャッタ地板1に設けられた軸
1fの周りに回転自在に枢着され、該アームの先端側に
設けたカシメダボ16aで後羽根スリット形成羽根10
をアーム14に対して回転自在に支持する。また14a
は不図示の後羽根駆動レバーの駆動ピンを嵌入させる穴
で、この穴を介して軸1fと同軸に回転軸を設けられた
不図示の後羽根駆動レバーから動力を伝えられる。
【0025】15は後羽根用の第2のアームで、シャッ
タ地板1に設けられた軸1gの周りに回転自在に枢着さ
れ、該アームの先端側に設けたカシメダボ17aで後羽
根スリット形成羽根10をアーム15に対して回転自在
に支持する。このようにして後羽根スリット形成羽根1
0と後羽根用の第1のアーム14と第2のアーム15と
により平行リンクを形成する。同様に、後羽根のうち#
2羽根11,#3羽根12,#4羽根13は、第1のア
ーム14と第2のアーム15の中間部にそれぞれのカシ
メダボ16bと17b,16cと17c,16dと17
dで回転自在に支持され、平行リンクを形成する。以上
により後羽根が構成される。
【0026】次に、上記構成の動作を説明する。
【0027】図1の走行準備完了状態において、不図示
の先羽根駆動レバー及び後羽根駆動レバーは、各々不図
示の秒時制御マグネットにより吸着保持されている。
【0028】シャッタレリーズ信号により、まず先羽根
用秒時制御マグネットの吸着が解除されると、先羽根駆
動レバーに時計方向の回動力を発生させる不図示の先羽
根駆動ばねの力により、先羽根は時計方向に第1のアー
ム6と第2のアーム7を回動させる。それに伴い、先羽
根スリット形成羽根2と先羽根の#2羽根3,#3羽根
4,#4羽根5は平行リンクの作用により、シャッタ開
口1aの長辺1hに対して先羽根スリット形成端2a及
び#2羽根3,#3羽根4,#4羽根5を平行に保ちな
がらシャッタ開口1aの上方から下方へ向けてシャッタ
開口1aを開放するよう移動する。このようにして先羽
根はシャッタ開口1aを開放するよう図2の位置へ移動
する。
【0029】先羽根用秒時制御マグネットの吸着が解除
されてから、設定された露光秒時に相当する所定時間
後、後羽根用秒時制御マグネットの吸着が解除され、後
羽根駆動レバーに時計方向の回動力を発生させる不図示
の後羽根駆動ばねの力により、後羽根は時計方向に第1
のアーム14と第2のアーム15を回動させる。それに
伴い、後羽根スリット形成羽根10と後羽根の#2羽根
11,#3羽根12,#4羽根13は平行リンクの作用
により、シャッタ開口1aの長辺1hに対して後羽根ス
リット形成端10a及び#2羽根11,#3羽根12,
#4羽根13を平行に保ちながらシャッタ開口1aの上
方から下方へ向けてシャッタ開口1aを遮蔽するよう移
動する。このようにして後羽根はシャッタ開口1aを遮
蔽するよう図2の位置へ移動し、露光が終了する。
【0030】シャッタチャージの際は、先羽根及び後羽
根が不図示のチャージ機構により、先羽根を先行させて
シャッタ開口1aを開くことなく、上記露光動作と逆
の、不図示の先羽根及び後羽根駆動レバーを反時計方向
の回動を与える動作を行い、図2の位置より再び図1の
位置へと先羽根・後羽根を移動させる。
【0031】第1の実施形態におけるフォーカルプレー
ンシャッタは、135フォーマットの銀塩フィルムを用
いる一眼レフレックスカメラに搭載されるものとする
と、シャッタ開口1aの縦寸法Aは24.7mm、横寸法は3
6.6mmとなる。このフォーマットでのシャッタ開口1a
の大きさは決まっているので、シャッタ装置の大きさを
小さくする場合には、シャッタ開口1a周囲の構成物の
大きさを小さくすることになる。
【0032】そこで、シャッタ開口1aのアーム基幹部
側(図1の向って左側)端面からアーム基幹部を支持す
る側(図1の向って左側)のシャッタ地板1の端面まで
の寸法をB、シャッタ開口1aの羽根先端側(図1の向
って右側)端面から羽根先端側(図1の向って右側)の
シャッタ地板1の端面までの寸法をCとする。また、ア
ーム基幹部回転中心から、アーム先端のスリット形成羽
根を支持するカシメダボ回転中心までの寸法をD、アー
ムの基幹部回転中心周りのアーム最大作動角度をθ、第
1のアームと第2のアームにより形成される平行リンク
の第1と第2のアーム間寸法をEとする。
【0033】ここで小型化のための着目点を述べる。
【0034】アームに回転自在に支持される羽根群の
枚数 第1の実施形態の先・後羽根ともに4枚構成に対し、第
1の従来例の先羽根のように5枚の羽根をアームに支持
した場合に、カメラの巻上げチャージ完了状態(近年の
モーター組込みカメラではこの状態で次の撮影を待つ)
での、先羽根がシャッタ開口を閉鎖した羽根群展開時に
遮光に必要な所定の羽根重なり量(第1の実施形態では
図1に示すように4mm、第1の従来例でも図19に示す
ように4mm)を確保する条件では、羽根1枚の幅は5枚
羽根の方が小さくできる。そうであれば、羽根群枚数の
多い方が、シャッタ開口を開放した羽根群格納状態では
小さく折りたためるため、シャッタの羽根群走行方向に
一致した上下方向の寸法は小さくなる。
【0035】ところが、単純には羽根群枚数の多い方が
羽根支持箇所が増える分アーム長が伸びるため、羽根群
走行方向と直交するシャッタ横方向の寸法が大きくなっ
てしまう。また、アーム長を極力伸ばさないようにした
場合(第1の従来例がこれに相当する)、羽根支持箇所
が増える分、アーム上の余裕代が少なくなるのでシャッ
タ横方向の寸法をより小さくするのが困難になる。ま
た、羽根相互の重なり部が5枚羽根の方が4枚羽根より
も1個所多く、トータルの羽根面積も大きくなり、羽根
支持1箇所増える分も加えて、羽根ユニット全体のイナ
ーシャは確実に増してしまい高速走行に不利となる。
【0036】一方、3枚羽根の場合は羽根支持箇所が減
り、アーム上の余裕代が多くなるのでシャッタ横方向の
寸法をより小さくするには有利となる。しかし、シャッ
タ開口を閉鎖した羽根群展開時に所定の羽根重なり量
(例えば4mm)を確保する 盾ナは、シャッタ開口を開放
した羽根群格納状態で小さく折りたためないため、シャ
ッタの羽根群走行方向に一致した上下方向の寸法は大き
くなる。上下方向の寸法を小さくしようとすると羽根群
展開時の羽根相互の重なり量が少なくなり、遮光性を保
てなくなる。結局3枚羽根ではシャッタの縦横寸法比の
バランスが悪く、カメラに搭載し難い。
【0037】実際に、十分な遮光性能を実現できる羽根
重なり量を確保し、シャッタの縦横寸法比のバランスが
良く、横寸法を効果的に小さくするには、第1の実施形
態のように先・後羽根ともに4枚構成が最適となる。
【0038】アーム長さ(アーム基幹部回転中心か
ら、アーム先端のスリット形成羽根を支持するカシメダ
ボ回転中心までの寸法D) 4枚構成の羽根群を回転自在に支持し、シャッタ開口1
aの縦寸法Aをスリット形成羽根2及び10が十分移動
可能になるような最小限の長さを狙う。
【0039】アームの基幹部回転中心周りのアーム最
大作動角度θ 上記でアーム長さDを短くすると、シャッタ開口1a
の縦寸法Aをスリット形成羽根の移動距離がクリアーす
るには、それに応じて当然θを大きくしていくことにな
る。
【0040】第1と第2のアーム間寸法E 一つは、アーム最大作動角度θが大きくなると、アーム
間寸法が従来のままでは、羽根群展開時と格納(重畳)
時では第1と第2のアームどうしの干渉、特に羽根支持
部どうしの干渉が生じ、十分な作動角度が得られない。
【0041】もう一つは、作動角度が大きくなると、羽
根群展開状態と格納(重畳)状態に近い状態で、スリッ
ト形成羽根2及び10の羽根支持部と反対側の羽根先端
側がシャッタ開口1a内に多く進入する。これは、羽根
支持部には嵌合ガタがあり、このガタは支持部より遠い
位置で拡大されるので、スリット形成羽根2及び10
(スリット形成部2a及び10a)の平行度の悪化を意
味する。
【0042】以上の二つを解決するために、第1と第2
のアーム間寸法Eを拡大する。また、平行リンクの特性
から、平行リンクを形成するアーム間のスパンを広げる
ことにより、アームに支持されるスリット形成羽根の作
動中の平行度の安定性が向上する。
【0043】シャッタ開口1aの羽根先端側端面から
羽根先端側のシャッタ地板1の端面までの寸法C アーム長さDを短くし、アーム最大作動角度θを大きく
すると、開閉動作による羽根群(特にスリット形成羽
根)の走行方向に直交方向の変位量が大きくなり寸法C
を小さくするには不利となる。しかしながら、スリット
形成羽根先端側のスリット形成部コーナR(2c,10
c)を必要最小限に小さくしてスリット形成部を羽根先
端ぎりぎりまで設け、スリット形成羽根長さを切り詰め
たり、各羽根の先端形状をシャッタ地板の端面に沿った
直線形状に単純化し、羽根群展開時の各羽根先端部とシ
ャッタ開口1a周囲のシャッタ地板1或はカバー板との
掛り量を、遮光性確保及び撮影者の不注意による指等で
の押圧に対する羽根抜け防止のため、従来並にすること
により、寸法Cを小さくすることができる。
【0044】アームへの羽根支持部(羽根カシメダ
ボ)配置 図3、図4はアームへの羽根支持部の配置に関する効果
の説明図。図3はスリット形成部に対して、図4は遮光
部に対しての説明用で、双方ともシャッタ走行途中の平
面図。先・後羽根とも同構造のため説明には後羽根のみ
を示す。
【0045】これら図に於いて、10bはスリット形成
羽根10のスリット形成部アーム基幹部側端、18(二
点鎖線で示す)は従来に習った配置にした#3羽根12
のカシメダボ、11aは#2羽根11のアーム側遮光
片、12aは#3羽根12のアーム側遮光片。
【0046】従来のアームへの羽根支持部(羽根カシメ
ダボ)配置は、図19、図20に示すように、4枚羽根
構成の後羽根では、アーム基幹部回転中心(101f,
101g)とアーム先端のスリット形成羽根支持部(1
16a,117a)回転中心とを結ぶ線分からの距離で
見ると、羽根の支持部回転中心のうち#2羽根の支持部
(116b,117b)回転中心が最も離れており(そ
の距離は図中f)、以下#3羽根用、#4羽根用の順で
ある。一方5枚構成の先羽根では、同様にアーム基幹部
回転中心(101d,101e)とアーム先端のスリッ
ト形成羽根支持部(108a,109a)回転中心とを
結ぶ線分からの距離で見ると、羽根の支持部回転中心の
うち#3羽根の支持部(108c,109c)回転中心
が最も離れており(その距離は図中g)、以下#2羽根
用、#4羽根用、#5羽根用の順である。
【0047】先に述べたように、シャッタの横寸法を効
果的に小さくするには、先・後羽根ともに4枚構成が最
適であることから、4枚構成の羽根群で考え、従来に習
ったアームへの羽根支持部配置を行うと、#3羽根用カ
シメダボ18の配置は図3に二点鎖線で示すようにな
る。
【0048】この場合、スリット形成羽根10のスリッ
ト形成部アーム基幹部側端10bは#3羽根用カシメダ
ボ18と干渉してしまうので、矢印を付記したようにス
リット形成部アーム基幹部側端10bを10b’のよう
におよそ1.5mm羽根先端側に移動させなければならな
い。そうなるとスリット形成部アーム基幹部側端10
b’最外形の運動軌跡は、Hで示すようになりシャッタ
開口1aの中に入り込んでしまいシャッタとしてのスリ
ット形成ができなくなる。これを回避するにはスリット
形成羽根10の先端をおよそ1.5mm延ばし、羽根ユニッ
ト全体をシャッタ開口1aに対してアーム基幹部側(図
中左方向)へおよそ1.5mm移動する必要がある。またこ
れだけでなく、#2羽根11のアーム側遮光片11aも
#3羽根用カシメダボ18と干渉してしまうので、遮光
片11aを逃がさなければならない。
【0049】例えば、図中斜線を施したように遮光片1
1aを削除すると、図4に示すように羽根ユニットの作
動途中で遮光できない部分19(スリット形成羽根10
と#3羽根12のアーム側遮光片12aとの間に形成さ
れた隙間)が生じ、シャッタ機能が成り立たなくなって
しまう。これではシャッタの横寸法をおよそ1.5mmだけ
第1の実施形態より大きくすれば済むものではなく、第
1の従来例のシャッタに比べて僅かしか横寸法を小さく
することができない。
【0050】それに対し、第1の実施形態におけるアー
ムへの羽根支持部(羽根カシメダボ)配置は、同様にア
ーム基幹部回転中心(1f,1g)とアーム先端のスリ
ット形成羽根支持部(16a,17a)回転中心とを結
ぶ線分からの距離で見ると、羽根の支持部回転中心のう
ち#3羽根の支持部(16c,17c)回転中心が最も
離れており(その距離は図中F)、以下#2羽根用、#
4羽根用の順である。
【0051】このように配置することにより、上記の、
スリット形成羽根10のスリット形成部アーム基幹部側
端10bと#3羽根用カシメダボ17cと干渉は無く、
スリット形成部アーム基幹部側端10b最外形の運動軌
跡は、Iで示すようにシャッタ開口1aの中に入り込む
ことはない。更に、#2羽根11のアーム側遮光片11
aも#3羽根用カシメダボ17cと干渉することもな
く、十分なアーム側遮光片11aを形成できるので、作
動途中での遮光も確実に行える。
【0052】これによって第1の実施形態のシャッタ
は、第1の従来例のシャッタに比べて横寸法を6mmも小
さくすることができる。
【0053】次に各部の寸法を具体的に見て行く。
【0054】まず、B寸法であるが、図19、図20の
第1の従来例では19.2mmで、羽根カシメダボ径を小さく
したり、羽根部材間の移動中及び移動後の余裕代を詰め
ることにより、1mm程度の小型化は可能であるが、それ
以上のB寸法の小型化はスリット形成羽根のスリット形
成部のアーム側端部がシャッタ開口の内側に進入してし
まうため、先羽根と後羽根のスリット形成部及びシャッ
タ開口により形成される長方形形状のスリットができ
ず、シャッタ機能が成り立たない。2mm以上のB寸法の
小型化のためには、本発明の技術が必要となって来る。
【0055】一方、本発明の技術により小型化された最
適バランスに近いシャッタは第1の実施形態であり、B
寸法は14.2mmで、更に小型化の限界を追求すると、アー
ム基幹部の回転中心軸1d,1e,1f,1gの材質を
シャッタ地板と一体成形できたプラスチックからステン
レス等の金属に変更し、軸径をφ1.6mmからφ1.0mmに小
さくする。それに伴って先・後羽根の各アームの基幹部
外周半径を0.3mm小さくする。その分図1の向って左側
のシャッタ地板端面を右へシフトできる。第1の従来例
から2mmの小型化をB寸法上限、第1の実施形態から0.3
mmの小型化をB寸法下限となるので、以下のような関係
式で表させる。
【0056】 {(14.2−0.3)/24.7}A≦B≦{(19.2−2)/24.7}A ∴ 0.56A≦B≦0.70A …(1) 上記(1)式のB寸法範囲内で、本発明の技術により自由
にB寸法を選択できる。
【0057】次にC寸法であるが、図19、図20の第
1の従来例では7.7mmで、小型化したことが少しでも感
じられる最低限を0.3mmとすると、上限寸法は7.4mm。C
寸法はほぼスリット形成羽根の先端軌跡で決まるので、
前述ので示したように、本発明のようにアーム長さD
を短くし、アーム最大作動角度θを大きくすると、開閉
動作による羽根群(特にスリット形成羽根)の走行方向
に直交方向の変位量が大きくなり寸法Cを小さくするに
は不利となる。しかしながら、本発明の技術により小型
化された最適バランスに近いシャッタ(第1の実施形
態)では、C寸法を6.7mmとすることができる。
【0058】更に小型化の限界を追求すると、スリット
形成羽根先端側のスリット形成部コーナRを必要最小限
に小さく(殆どゼロに)してスリット形成部を羽根先端
ぎりぎりまで設けると、スリット形成羽根先端長さをあ
と0.7mm切り詰めることができる。スリット形成以外の
羽根の先端も同様に約0.7mm切り詰め、C寸法の下限界
は6.0mm。これよりも小さくすると、羽根群作動中にス
リット形成部がシャッタ開口1aの内側に入り込みシャ
ッタの機能が成り立たなくなる。また、羽根群展開時の
各羽根先端部とシャッタ開口1a周囲のシャッタ地板1
或はカバー板との掛り量も、遮光性確保及び撮影者の不
注意による押圧に対する羽根抜け防止のための必要最小
限すら確保できなくなる。
【0059】従ってC寸法は以下のような関係式で表さ
せる。
【0060】 (6.0/24.7)A≦C≦(7.4/24.7)A ∴ 0.24A≦C≦0.30A …(2) 上記(2)式のC寸法範囲内で、本発明の技術により自由
にC寸法を選択できる。
【0061】次にD寸法であるが、図19、図20の第
1の従来例では23.0mmで、前述のB寸法で第1の従来例
の19.2mmを2mm小さくするのに対応して本発明の技術を
用いると、図5(地板寸法に対し先羽根のアームとスリ
ット形成羽根とのバランス、及びスリット形成部の傾き
を模式的に示す走行完了状態の図で、二点鎖線で示す
2'はスリット形成羽根が最も先端側へ移動した状態、
2''はスリット形成羽根が走行準備完了位置へ移動した
状態を示す。尚後羽根に関しても同様なので省略)から
D寸法は22.2mmとなる。
【0062】本発明の技術により小型化された最適バラ
ンスに近いシャッタ(第1の実施形態)では、D寸法は1
9.8mmとなり、更に小型化の限界を追求すると、あと0.5
mm小さくでき19.3mmとなる。
【0063】そのためには、アームの最大作動角度θを
大きくし、そのままでは干渉してしまう第1及び第2の
アーム形状を細くして逃げ量を増やし、羽根カシメダボ
径も小さく、アーム近傍の遮光片等の各羽根形状の拘束
条件を緩和し、更には羽根展開時に隣接する羽根どうし
の重なり量を必要最小限に減らすことによって可能とな
る。図6(地板寸法に対し先羽根のアームとスリット形
成羽根とのバランス、及びスリット形成部の傾きを模式
的に示す走行完了状態の図で、二点鎖線で示す2'はス
リット形成羽根が最も先端側へ移動した状態、2''はス
リット形成羽根が走行準備完了位置へ移動した状態を示
す。尚後羽根に関しても同様なので省略)参照。なお、
これよりもD寸法を小さくするとスペース的に各羽根の
支持が困難となる上、更にアーム形状を細くしたり、羽
根カシメダボ径を小さくすると、アーム強度、羽根カシ
メ強度が低くなり過ぎ、破綻を来す。また、遮光も不備
となりシャッタとしての機能を果さなくなる。
【0064】従ってD寸法は以下のような関係式で表さ
せる。
【0065】 (19.3/24.7)A≦D≦(22.2/24.7)A ∴ 0.78A≦D≦0.90A…(3) 上記(3)式のD寸法範囲内で、本発明の技術により自由に
D寸法を選択できる。
【0066】次にアーム最大作動角度θであるが、図1
9、図20の第1の従来例では走行完了状態から走行準
備完了状態までのアーム作動角は74°〜 75°で、オー
バーチャージを最大4°(シャッタ個々によって不図示
のチャージ機構の調寸コロによりオーバーチャージは0
°〜4°の間を変動する)としてトータルのアーム作動
角は79°となる。
【0067】前述のB寸法17.2mmとD寸法22.2mmに対応
して本発明の技術を用いると、図5に示すようにアーム
最大作動角度θの下限値は80°+(オーバーチャージ0°
〜4°)となる。本発明の技術により小型化された最適バ
ランスに近いシャッタ(第1の実施例)では、θは87°
+(オーバーチャージ0°〜4°)となり、更に小型化の限
界を追求すると、図6に示すように前述のD寸法19.3mm
に対応してθは90°+(オーバーチャージ0°〜4°)とな
る。
【0068】従ってθは以下のような関係式で表させ
る。
【0069】80°≦θ≦94°…(4) 上記(4)式のθ範囲内で、本発明の技術により自由にθ
の値を選択できる。
【0070】このようにθを大きくしていくと、先羽根
と後羽根にそれぞればね力等による走行エネルギを与え
る不図示の先羽根駆動レバーと後羽根駆動レバーの駆動
ピンを第1のアーム6及び14に嵌入係合させる位置
(6a,14a)が限られてくる。つまり先・後羽根駆
動レバーは第1のアーム6,14の回転中心1d,1f
と同軸に回動するので、駆動ピンの旋回半径を大きくす
ると、θが大きい程、駆動ピン作動軌跡が占める領域が
広がり、羽根配置の自由度が少なくなり小型化に不利と
なる。従って駆動ピンの旋回半径は極力小さくすること
が求められる。しかも、先羽根の走行完了状態や後羽根
のチャージ完了からオーバーチャージ状態での各駆動ピ
ン位置(図2の6a、図1の14aと同じ位置)をでき
るだけシャッタ地板の左端に近づけるのが好ましい。
【0071】また、近年のカメラでは、フィルム給送機
構にスプロケットを用いず、ゴムを巻き付けたスプール
にて摩擦力を利用してフィルムを巻き取る方式になり、
フィルム画面の割出しをスプロケットの回転量検出によ
るものからフォトセンサーにて行うようになった。その
ため、従来、不図示のカメラ本体の壁を挟んでシャッタ
の左側に存在していたスプロケットの形状に合わせて、
ある領域からシャッタ地板の左端の上下に逃げを設けて
いた(図19、図20の101i,101j)。
【0072】本発明の第1の実施形態では、このスプロ
ケットの逃げを設ける必要が無いことに着目し、駆動ピ
ンの旋回半径を極力小さくするとともに、先羽根の走行
完了状態や後羽根のチャージ完了からオーバーチャージ
状態での各駆動ピン位置(図2の6a、図1の14aと
同じ位置)を、第1のアーム6,14の回転中心1d,
1fの先羽根は真下及び後羽根は真上まで来るようシャ
ッタ地板1の左端に近づけている。
【0073】次にE寸法であるが、図19、図20の第
1の従来例では8.06mmで、この時のスリット形成部の平
行度をスリット形成部の傾き角及びスリット形成部(直
線部)の両端の羽根走行方向(図の縦方向)距離にて表
す。条件としては、アーム基幹部の回転軸部(101
d,101e等)の嵌合ガタが無いものとし、アームに
スリット形成羽根を支持する羽根カシメダボの嵌合を穴
H8級−軸f8級とし径φ1.5mmに対し最大ガタを34μm
とする。その結果を図9(地板寸法に対し先羽根のアー
ムとスリット形成羽根とのバランス、及びスリット形成
部の傾きを模式的に示す走行完了状態の図、尚後羽根に
関しても同様なので省略)に示す。それによると、スリ
ット形成部の傾き角は0°18'18"、スリット形成部両端
の羽根走行方向距離は0.22mmとなる。
【0074】前述のB寸法17.20mmとD寸法22.2mmとア
ーム最大作動角度θの下限値80°に対応して本発明の技
術を用い、スリット形成部の傾き角とスリット形成部両
端の羽根走行方向距離を上記従来例と同じガタ条件で同
じレベル以上に維持するためには、図5に示すようにE
寸法は8.25mmとなる。
【0075】本発明の技術により小型化された最適バラ
ンスに近いシャッタ(第1の実施形態)では、E寸法は
8.46mmとなり、図7(第1の実施形態シャッタの、地板
寸法に対し先羽根のアームとスリット形成羽根とのバラ
ンス、及びスリット形成部の傾きを模式的に示す走行完
了状態の図、尚後羽根に関しても同様なので省略)に示
すように上記従来例と同じガタ条件で、スリット形成部
の傾き角は0°18'0"、スリット形成部両端の羽根走行方
向距離は0.22mmとなり、従来のものに比べ若干向上して
いる。
【0076】仮に、本発明の技術により小型化された最
適バランスに近いシャッタ(第1の実施形態)で、E寸
法を従来どおり8.06mmのままにすると、図8(図7とは
E寸法のみ異なる場合の図)に示すように上記従来例と
同じガタ条件で、スリット形成部の傾き角は0°21'0"、
スリット形成部両端の羽根走行方向距離は0.26mmとな
り、従来のものに比べスリット形成部の平行度が悪くな
る。これは露光画面の露出ムラの悪化を意味する。結
局、小型化した第1の実施形態のシャッタの性能を従来
以上にするためには、E寸法を8.46mmまで大きくするこ
とが妥当であることが分かる。
【0077】更に小型化の限界を追求すると、前述のD
寸法19.3mmとアーム最大作動角度θの上限値94°に対応
し、本発明の技術を用いるとともに、前と同様、アーム
基幹部の回転中心軸1d,1e,1f,1gの材質をシ
ャッタ地板と一体成形できたプラスチックからステンレ
ス等の金属に変更し、軸径をφ1.6mmからφ1.0mmに小さ
くする。それに伴って先・後羽根の各アームの基幹部外
周半径を0.3mm小さくする。その分図1の先羽根と後羽
根を互いに縦方向に0.3mmずつ接近させることができ
る。加えて、カメラのファインダ接眼光路に隣接する部
分1kを拡大することなく、第1の従来例のシャッタの
縦方向寸法と同じになることを許すならば、上下方向に
先・後羽根とも第1のアームを0.8mm移動することがで
きる。
【0078】従って、合わせるとE寸法は9.56mmとな
る。図6に示すように上記従来例と同じガタ条件で、ス
リット形成部の傾き角は0°16'59"、スリット形成部両
端の羽根走行方向距離は0.21mmとなり、従来のものに比
べ向上している。なお、これよりもE寸法を大きくする
とカメラのファインダ接眼光路に影響を与えたり、シャ
ッタの縦方向寸法が大きくなり好ましくない。
【0079】従ってE寸法は以下のような関係式で表さ
せる。
【0080】 (8.25/24.7)A≦E≦(9.56/24.7)A ∴ 0.33A≦E≦0.39A…(5) 上記(5)式のE寸法範囲内で、本発明の技術により自由
にE寸法を選択できる。
【0081】以上第1の実施形態に於いて、シャッタ開
口1aのアーム基幹部側(図1の向って左側)端面から
アーム基幹部を支持する側(図1の向って左側)のシャ
ッタ地板1の端面までの寸法B、シャッタ開口1aの羽
根先端側(図1の向って右側)端面から羽根先端側(図
1の向って右側)のシャッタ地板1の端面までの寸法
C、アーム基幹部回転中心から、アーム先端のスリット
形成羽根を支持するカシメダボ回転中心までの寸法D、
アームの基幹部回転中心周りのアーム最大作動角度θ、
第1のアームと第2のアームにより形成される平行リン
クの第1と第2のアーム間寸法Eの各々を単独では(1)
〜(5)式の範囲内で選択可能と述べたが、図5、図6、
図7に示したように、それぞれの寸法間で適した(バラ
ンスの良い)組合わせがある。また、小型化の主体とな
るのはD寸法とθであり、E寸法で羽根支持部の干渉調
整とスリット形成羽根の平行度維持を行い、B寸法とC
寸法はD,θ,Eにより導かれる寸法となる。
【0082】第1の実施形態では、アームの長さを短縮
し、アームの回転角度を大きくし、更にアームのリンク
間隔を大きくしている。それにより、遮光のための羽根
重なり量を確保し、露光スリットの平行度を悪化させ
ず、羽根ユニットの構造を複雑にすることなく、作動抵
抗・イナーシャを小さく保ち、高速作動に適した形でシ
ャッタの小型化、特に羽根走行方向に直交する方向の大
きさを小さくできる。
【0083】また、羽根ユニットのイナーシャが小さい
という利点を幕速向上に用いず、従来と同じ幕速に留め
るのであれば、必要なシャッタチャージエネルギが減少
するため、チャージ機構が簡略で薄型になりカメラを小
型にできる。更には、カメラの連続撮影時のコマ速を上
げるのに好都合である。
【0084】(第2の実施形態)図10〜図18は本発
明第2の実施形態を表す図で、フォトスタンドや電子ア
ルバムなどに適した画像表示装置に本発明のシャッタ装
置を適用したものである。
【0085】この画像表示装置は、ネガ像をディスプレ
イスクリーンに光学的に投影するとともに、ネガ像を反
転できるような空間光変調素子(以下、SLMと呼ぶ)をス
クリーンに構成する事により、一般ユーザーの使うネガ
フィルムを鑑賞できるようにしたものである。特に、SL
Mの液晶に強誘電性液晶(以下、FLCと呼ぶ)を使用する事
によって、FLCの持つメモリー性を利用してカメラなど
に使用されているストロボを用いて、瞬時にネガ像をSL
Mに書き込み、その像を読み出し光で観察するという構
成である。
【0086】以下にその詳細を述べる。
【0087】図10は、画像表示装置321のイメージ
図であり、ネガフィルムとしてIX240フィルムの現像済
みのもの(以下、Dカート322と呼ぶ)を画像表示装置
321に装填する事によって、撮影画面がネガポジ反転
されて高精細な像として表示される。
【0088】図11は画像表示装置321の断面図であ
る。同図において、323はDカート322から引き出
された、撮影した画像が写っている現像済みのネガフィ
ルムで公知のフィルム巻き上げ機構によって1コマずつ
図に示す位置に割り出されるように構成されている。3
24は乳白色をした拡散板で、後述するストロボ装置3
25から発光された光を均一に拡散し、ネガフィルム3
23を照明するように構成されている。325はカメラ
などに使用されているようなストロボ装置であり、Xe
管、反射笠、発光回路等から構成されており、公知のマ
イクロプロセッサ(不図示)からのトリガー信号により発
光する。326はネガ像からオレンジベースの色を除去
する役目を果たしているオレンジベース除去フィルタで
あり、オレンジの補色である青色をした光学フィルタで
構成されている。
【0089】327は投影レンズであり、ネガフィルム
323のネガ像を所定の拡大倍率で反射ミラー328を
介して後述するSLM329の光電変換層に投影してい
る。
【0090】329はSLMであり、図12を用いて構成
を詳述する。なお、図12のa)は画像書き込み時、b)は
画像観察時のSLM329の構成を示している。
【0091】329aは純色あるいは補色のカラーフィ
ルタで、例えばビデオカメラ等に使われている撮像素子
CCDに使われている目の細かいものが、銀塩画像を劣化
させることなく観察する事が出来るので、本画像表示装
置には望ましい。329bおよび329hは後述の液晶
層を挟んだ偏光板で、図12の構成では329bは偏光
方向が紙面に対して裏表方向で、329hは紙面に対し
て左右方向であり、いわゆるクロスニコル構成となって
いる。329cおよび329fは通常酸化インジウム等
で構成される透明導電膜(以下、ITO膜と呼ぶ)で、AC電
源330及びそれを駆動する回路(不図示)がSW331に
よってそれぞれのITO膜329c、329fに異なる極
性の電位が発生するように構成されている。329dは
フォトコン層で、アモルファス膜あるいはOPC(有機半導
膜)等によるフォトダイオード層で形成されており、片
面はITO膜329cに密着しており、もう片面は後述のF
LC329eに密着している。329eは液晶層であるFL
Cで、前述の如く片面をフォトコン層329dに密着さ
せており、もう片面を前述のITO膜329fに密着させ
ている。329gはガラスで、液晶層を封止していると
同時にその他の各層を保護する役目を果たしている。3
29jは前述した投影レンズ327により投影されたネ
ガフィルム323の画素の虚像を説明のために描いたネ
ガフィルム像である。
【0092】また図11において、332はフラットデ
ィスプレイ等によく使われる直管型の照明手段で、30
0はSLM329の前に配置されたシャッタ装置である。
【0093】図13、図14はシャッタ装置300の図
で、図13はSLM329の画面を外光から遮光した状
態、図14はSLM329の画面を開放した状態を示す正
面図。
【0094】これら図において、301はシャッタ開口
を有する基板(以下、シャッタ地板と称する。)、30
1aはシャッタ開口、301bは不図示の駆動レバー
(羽根ユニットに移動エネルギを与えるレバー)の駆動
ピンの走行軌跡を逃げるための長孔、302は第1の羽
根で、302aは長手方向に伸びた端部、303は第2
の羽根、304は第3の羽根、305は第4の羽根、3
06は第1のアームで、シャッタ地板301に設けられ
た軸301dの周りに回転自在に枢着され、該アームの
先端側に設けたカシメダボ308aで第1の羽根302
をアーム306に対して回転自在に支持する。また30
6aは不図示の駆動レバーの駆動ピンを嵌入させる穴
で、この穴を介して軸301dと同軸に回転軸を設けら
れた不図示の駆動レバーから動力を伝えられる。尚、不
図示の駆動レバーは、モータ333で発生した動力がギ
ヤ列334(図11で二点鎖線にて簡略表示)を介して
伝えられるようになっている。
【0095】307は第2のアームで、シャッタ地板3
01に設けられた軸301eの周りに回転自在に枢着さ
れ、該アームの先端側に設けたカシメダボ309aで第
1の羽根302をアーム307に対して回転自在に支持
する。このようにして第1の羽根302と第1のアーム
306と第2のアーム307とにより平行リンクを形成
する。
【0096】同様に、第2の羽根303,第3の羽根3
04,第4の羽根305は、第1のアーム306と第2
のアーム307の中間部にそれぞれのカシメダボ308
bと309b,308cと309c,308dと309
dで回転自在に支持され、平行リンクを形成する。以上
により遮光手段である羽根ユニット340が構成され
る。
【0097】図15は、本発明のブロック図であり、同
図において、335は画像表示装置321の全体のシー
ケンスを司る制御手段であり、336はモータ333の
正逆回転の制御を行うモータ制御回路、337はストロ
ボ装置325の発光を制御する発光回路、338はSLM
329への通電のON/OFFを切り替えるSW331を制御す
るSLM制御回路である。
【0098】また、339aは遮光手段である羽根ユニ
ット340がシャッタ開口301aを完全に遮光したと
きにONする遮光状態検知スイッチで、339bは遮光
手段である羽根ユニット340がシャッタ開口301a
を完全に遮光解除したときにONする遮光解除状態検知
スイッチである。341は遮光手段340に連動した拡
散手段で、SLM329への遮光手段340による覆いを
解除した状態から、SLMを覆って、照明手段332の照
明光を拡散させ、SLM329に略均一にあたるようにす
る。遮光手段340がSLM329を覆い、遮光した状態
で、拡散手段341はSLMを覆った状態から退避した状
態となる。
【0099】図16のフローチャートを用いて、画像表
示装置321における遮光手段340の動きを以下に説
明する。なおフローチャートは、本実施形態の画像表示
装置321にDカート322が装填されたところから開
始されるが、この時の遮光手段340は画像表示装置3
21のシャッタ開口部301aを覆っている遮光状態、
つまり、ユーザーがSLM329の画像を観察できない状
態にある。
【0100】ユーザーが画像表示装置321を使ってD
カート322の中の画像を鑑賞するべくDカート322
を画像表示装置321に装填すると(S101)、画像表示装
置321はDカート322内のネガフィルム323を送
り出すスラスト動作を行い、画像表示装置321のアパ
ーチャー部(不図示)にDカート322の1コマ目を位置出
しして停止する(S102)。この状態で各スイッチ(不図示)
からの信号を受付待ちする待機モード状態となる(S10
3)。
【0101】ここで例えばリモコン等からの信号で、あ
るコマまで画面を進めるような信号が入ると(S104)、指
定されたコマを画像表示装置321のアパーチャー部に
持ってきて(S105)、このコマを表示するかどうかのコマ
ンド待ち状態で待機する(S106)。
【0102】この状態よりユーザーからのディスプレイ
コマンドを受け付けると(S107)、制御手段335が遮光
状態検知スイッチ339aによってスイッチ状態がOFF
からONに切換わり、遮光手段340が遮光状態になった
ことを検出したかどうかを確認する。つまり、以下説明
する動作(前回表示していたコマ画像の消去及び新しい
画像の書込み)を遮光手段340が画像表示装置321
のシャッタ開口部301aを完全に遮光した状態で行う
為に、遮光手段340がその状態にセットされているか
どうかの確認を行う事となる(S108)。ここで遮光手段が
画像表示装置321のシャッタ開口部301aを完全に
遮光していない場合は後述する『遮光手段セット』のザ
ブルーチンに進む。
【0103】上記遮光手段340の位置を確認した後、
まず前回表示していたコマの画像を消去するためにSW3
31を通電状態にした後(S109)、照明手段332を点灯
して(S110)電源330より書き込み時とは逆側の電界を
かける(S111)。するとFLC329eは、図12中に一部
示されている横向き状態に全てのセルが反転してニュー
トラル状態になる(S112)。全てのセルが上記状態になる
ための十分な時間、上記リセット動作を行った後にSW3
31をOFFして照明手段332を消灯する(S113、S11
4)。
【0104】ここからは新しい画像の書き込み動作のフ
ローとなる。
【0105】現在の画像表示装置321の状態は、例え
ばオフィスの机の上や家庭の壁などの棚の上に置かれて
いて、おおよそ数百ルクスの明るさの中に置かれてい
る。これらの外光は一枚の偏光板329h及び液晶層3
29eを通る事によって約半減してフォトコン層329
dに入射している訳であるが、現在の状態ではSW331
が開いているためITO膜329c、329fの間には電
界がかからず、従ってFLC329eは反応しない。
【0106】ここでSW331を閉じて通電状態にした後
(S115)、電源330より画像を書き込む時の順電界をIT
O膜329c、329fに印加する(S116)。そしてスト
ロボ装置325を発光して(S117)、そのストロボ光によ
ってネガフィルム323の画像を投影してSLM329に
像を焼き付ける。S117で行われるストロボ発光は時間に
して約500μsec.程度で全ての発光を終えるので、S116
で行われるSW331のONもほぼそれと同じくらいの時
間、タイミングで行われ、発光終了後速やかにSW331
をOFFすることによって電界がカットされる(S118)。
【0107】その後SLM329に記録された画像をユー
ザーが観察できるように、後述する、遮光手段340が
画像表示装置321のシャッタ開口部301aを遮光解
除状態にする為のザブルーチン『遮光手段オープン』へ
と進んでから(S119)、照明手段332の点灯を行ってユ
ーザーに透過照明式に視認される状態にする(S120)。こ
の後、画像表示装置321は次のコマンドを受け付ける
待機状態となる(S103)。
【0108】以下に『遮光手段セット』及び『遮光手段
オープン』のサブルーチンの動作を説明する。
【0109】『遮光手段セット』(図17のフローチャ
ート参照) 遮光手段340が画像表示装置321のシャッタ開口部
301aを完全に遮光するために、まず、モータ333
を正回転させる(S130)。すると、ギヤ列334を介して
羽根アーム306が軸301dの周りに反時計方向へ回
転し、遮光手段340は、図14の遮光解除状態から図
13の遮光状態へと移動する。
【0110】そして、遮光手段340に連動した拡散手
段341は、SLM329を覆った状態からSLMへの書込み
ができるよう覆いを解除すると共に、遮光手段340が
画像表示装置321のシャッタ開口部301aを完全に
遮光するとほぼ同じタイミングで遮光状態検知スイッチ
339aがOFFからONに切換わる。よって、制御手段3
35は遮光手段340が画像表示装置321のシャッタ
開口部301aを完全に遮光したことを検知するので(S
131)、制御手段335よりモータ制御手段336にモー
タの回転をストップする信号が出力され、モータ333
の回転がストップする(S132)。
【0111】ここでこのサブルーチンは終了する。
【0112】『遮光手段オープン』(図18のフローチ
ャート参照) 遮光手段340が画像表示装置321のシャッタ開口部
301aを完全に遮光解除するために、まず、モータ3
33を逆回転させる(S140)。すると、ギヤ列334を介
して羽根アーム306が軸301dの周りに時計方向へ
回転し、遮光手段340は、図13の遮光状態から図1
4の遮光解除状態へと移動する。そして、遮光手段34
0に連動した拡散手段341は、SLM329への覆いを
解除した状態から、SLMを覆って、照明手段332の照
明光を拡散させ、SLM329に略均一にあたるようにす
ると共に、遮光手段340が画像表示装置321のシャ
ッタ開口部301aを完全に遮光解除するとほぼ同じタ
イミングで、遮光解除状態検知スイッチ339bがOFF
からONに切換わる。よって、制御手段335は遮光手段
340が画像表示装置321のシャッタ開口部301a
を完全に遮光解除したことを検知するので(S141)、制御
手段335よりモータ制御手段336にモータの回転を
ストップする信号が出力され、モータ333の回転がス
トップする(S142)。
【0113】ここでこのサブルーチンは終了する。
【0114】以上のように、画像書き込み時に遮光手段
により外光を遮ることにより、SLM329を外光にさら
したままでの画像書き込みしていた従来の画像表示装置
で発生していた、外光の影響による画像のノイズを排除
できた。従って、従来、画像をきれいに出そうとするの
に、ストロボ装置325から大光量の書き込み光でフィ
ルム画像を投影しなければならなかったものが必要なく
なり、その結果ストロボ装置325の大型化が押えら
れ、画像表示装置321をコンパクト化できた。また、
投影レンズ327のFNOを明るくする必要もなくな
り、投影光学系のレンズ外径をコンパクトに設計する事
が可能となった。更に、画像書込み時間の大幅な短縮も
達成された。
【0115】第2の実施形態におけるシャッタ装置は、
所定画面サイズ(例えば縦75mm、横111mm)のSLMを観察
するための画像表示装置に搭載されるもので、例えばシ
ャッタ開口301aの縦寸法Aを74.1mm、横寸法を109.
8mmに設定する。シャッタ装置の大きさを小さくする場
合には、シャッタ開口301a周囲の構成物の大きさを
小さくすることになる。
【0116】そこで、シャッタ開口301aのアーム基
幹部側(図13の向って左側)端面からアーム基幹部を
支持する側(図13の向って左側)のシャッタ地板30
1の端面までの寸法をB、シャッタ開口301aの羽根
先端側(図13の向って右側)端面から羽根先端側(図
13の向って右側)のシャッタ地板301の端面までの
寸法をCとする。また、アーム基幹部回転中心から、ア
ーム先端の第1の羽根を支持するカシメダボ回転中心ま
での寸法をD、アームの基幹部回転中心周りのアーム最
大作動角度をθ、第1のアームと第2のアームにより形
成される平行リンクの第1と第2のアーム間寸法をEと
する。
【0117】尚、図13、図14に二点鎖線で示したシ
ャッタ装置外形は従来の羽根ユニットを用いた場合を表
し、第2の実施形態は第1の実施形態と同様の技術を用
いているため、シャッタ装置の横寸法は従来よりも18mm
も小さくなる。
【0118】シャッタ装置に関する小型化のための着目
点[アームへの羽根支持部(羽根カシメダボ)配置も含
む]や、具体的な寸法関係の比率も第1の実施形態と同
じであるため、第1の実施形態で導いた関係式(1)〜(5)
が第2の実施形態においても成り立つ。
【0119】また、第1の実施形態と同様に、それぞれ
の寸法間で適した(バランスの良い)組合わせがあり、
小型化の主体となるのはD寸法とθであり、E寸法で羽
根支持部の干渉調整とスリット形成羽根の平行度維持を
行い、B寸法とC寸法はD,θ,Eにより導かれる寸法
となる。
【0120】第2の実施形態でも、従来のものよりアー
ムの長さを短縮し、アームの回転角度を大きくし、更に
アームのリンク間隔を大きくしている。それにより、遮
光のための羽根重なり量を確保し、羽根ユニットの平行
度を悪化させず、羽根ユニットの構造を複雑にすること
なく、作動抵抗・イナーシャを小さく保ち、高速作動に
適した形でシャッタの小型化、特に羽根走行方向に直交
する方向の大きさを小さくできる。
【0121】また、羽根ユニットのイナーシャが小さい
という利点を駆動速度向上に用いず、従来と同じ駆動速
度に留めるのであれば、必要なシャッタ駆動エネルギが
減少するため、モータ333やギヤ列334等の駆動機
構が簡略で薄型になり画像表示装置を小型にできる。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、本発明よれば、遮
光のための羽根重なり量を確保し、羽根ユニットの構造
を複雑にすることなく、作動抵抗・イナーシャを小さく
保ち、高速作動に適した形でシャッタの小型化、特に羽
根走行方向に直交する方向の大きさを小さくできる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るフォーカルプレ
ーンシャッタの羽根群が走行準備完了状態にある正面
図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るフォーカルプレ
ーンシャッタの羽根群が走行完了状態にある正面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るフォーカルプレ
ーンシャッタのアームへの羽根保持位置の工夫による効
果の説明図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るフォーカルプレ
ーンシャッタのアームへの羽根保持位置の工夫による効
果の説明図。
【図5】本発明の第1の実施形態の技術を用いたフォー
カルプレーンシャッタの一例で、地板寸法に対し先羽根
のアームとスリット形成羽根とのバランス、及びスリッ
ト形成部の傾きを模式的に示す走行完了状態の正面図。
【図6】本発明の第1の実施形態の技術を用いたフォー
カルプレーンシャッタの他の一例で、地板寸法に対し先
羽根のアームとスリット形成羽根とのバランス、及びス
リット形成部の傾きを模式的に示す走行完了状態の正面
図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るフォーカルプレ
ーンシャッタの地板寸法に対し先羽根のアームとスリッ
ト形成羽根とのバランス、及びスリット形成部の傾きを
模式的に示す走行完了状態の正面図。
【図8】図7に対しE寸法のみ異なる場合の図。
【図9】従来のフォーカルプレーンシャッタ(第1の従
来例)で、地板寸法に対し先羽根のアームとスリット形
成羽根とのバランス、及びスリット形成部の傾きを模式
的に示す走行完了状態の正面図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る画像表示装置
321のイメージ図。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る画像表示装置
321の断面図。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るSLMの構成
を示す図でa)は画像書き込み時、b)は画像観察時。
【図13】本発明の第2の実施形態に係るシャッタ装置
がSLMの画面を外光から遮光した状態を示す正面図。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るシャッタ装置
がSLMの画面を開放した状態を示す正面図。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る画像表示装置
のブロック図。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る画像表示装置
のフローチャート。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る画像表示装置
の『遮光手段セット』サブルーチンのフローチャート。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る画像表示装置
の『遮光手段オープン』サブルーチンのフローチャー
ト。
【図19】従来のフォーカルプレーンシャッタ(第1の
従来例)で走行準備完了状態を示す正面図。
【図20】従来のフォーカルプレーンシャッタ(第1の
従来例)で走行完了状態を示す正面図。
【符号の説明】
1 シャッタ開口を有する基板(シャッタ地板) 1a シャッタ開口 2 先羽根スリット形成羽根 3,4,5 先羽根 6 先羽根第1のアーム 7 先羽根第2のアーム 8a〜d 先羽根カシメダボ 9a〜d 先羽根カシメダボ 10 後羽根スリット形成羽根 11,12,13 後羽根 14 後羽根第1のアーム 15 後羽根第2のアーム 16a〜d 後羽根カシメダボ 17a〜d 後羽根カシメダボ 301 シャッタ開口を有する基板(シャッタ地板) 301a シャッタ開口 302 第1の羽根 303 第2の羽根 304 第3の羽根 305 第4の羽根 306 第1のアーム 307 第2のアーム 308a〜d カシメダボ 309a〜d カシメダボ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャッタ開口を有する基板と、前記シャ
    ッタ開口を開閉するよう形成された複数枚の羽根からな
    る羽根群と、前記羽根群と接続され、前記基板に対して
    回動することで平行リンクを構成する第1および第2の
    アーム部材とを有するシャッタ装置において、 前記羽根との接続部のうち、前記第1のアーム部材の回
    動中心から最も離れた接続部から前記第1のアーム部材
    の回動中心までの距離Dの関係と、前記シャッタ開口の
    羽根走行方向の寸法Aとの関係を、 0.78A≦D≦0.90A とし、前記第1のアーム部材と前記第2のアーム部材と
    のリンク間隔寸法Eと、前記シャッタ開口の羽根走行方
    向の寸法Aとの関係を、 0.33A≦E≦0.39A とし、前記シャッタ開口を前記羽根群が開閉するとき、
    前記第1のアーム部材の最大回動角θを 80°≦θ≦94° することを特徴とするシャッタ装置。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2のアーム部材の回動
    中心が設けられる側の前記基板の端面から前記シャッタ
    開口の端面までの寸法Bと、前記シャッタ開口の羽根走
    行方向の寸法Aとの関係を 0.56A≦B≦0.70A とすることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2のアーム部材の回動
    中心が設けられない側の前記基板の端面から前記シャッ
    タ開口の端面までの寸法Cと、前記シャッタ開口の前記
    羽根群走行方向寸法Aとの関係を 0.24A≦C≦0.30A とすることを特徴とする請求項1または2に記載のシャ
    ッタ装置。
JP2000116489A 2000-04-18 2000-04-18 シャッタ装置 Expired - Fee Related JP3535802B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000116489A JP3535802B2 (ja) 2000-04-18 2000-04-18 シャッタ装置
US09/835,585 US6637955B2 (en) 2000-04-18 2001-04-17 Shutter device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000116489A JP3535802B2 (ja) 2000-04-18 2000-04-18 シャッタ装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001305606A JP2001305606A (ja) 2001-11-02
JP3535802B2 true JP3535802B2 (ja) 2004-06-07
JP2001305606A5 JP2001305606A5 (ja) 2004-09-09

Family

ID=18627946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000116489A Expired - Fee Related JP3535802B2 (ja) 2000-04-18 2000-04-18 シャッタ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3535802B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6776540B2 (en) 2002-02-22 2004-08-17 Canon Kabushiki Kaisha Shutter device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001305606A (ja) 2001-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10232427A (ja) 可動レンズカバー付きカメラ
JP2001222059A (ja) 電子カメラ
JP4434504B2 (ja) シャッタ装置およびカメラ
JP3535802B2 (ja) シャッタ装置
JP2003005253A (ja) シャッタ装置、カメラおよび画像表示装置
US6776540B2 (en) Shutter device
JP2001343676A (ja) シャッタ装置
JP2001305607A (ja) シャッタ装置
JP2003241259A (ja) シャッタ装置およびこれを備えた機器、カメラ、画像表示装置
JP2003344899A (ja) シャッタ装置および光学装置
US6637955B2 (en) Shutter device
JP4411124B2 (ja) 撮像装置
JP2001305608A (ja) シャッタ装置およびこれを備えた機器、カメラ、画像表示装置
JP2004126417A (ja) カメラ
US4124856A (en) Camera having dual film capacity
JP2004004370A (ja) シャッタ装置および光学機器
JP2003114460A (ja) シャッタ装置および光学機器
JP2783443B2 (ja) カメラ
US4109259A (en) Exposure preventing shade
JP2001174872A (ja) シャッタ装置およびこれを用いたカメラ、画像表示装置
JPH10104696A (ja) 閃光装置内蔵カメラ
JP3820059B2 (ja) 写真撮影装置におけるファインダー装置
JPH1031248A (ja) カメラ
JPH07199348A (ja) カメラ
JP2000111778A (ja) レンズ鏡筒

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080319

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090319

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100319

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100319

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110319

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees