JP3535288B2 - レベル調整装置 - Google Patents

レベル調整装置

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JP3535288B2
JP3535288B2 JP30203295A JP30203295A JP3535288B2 JP 3535288 B2 JP3535288 B2 JP 3535288B2 JP 30203295 A JP30203295 A JP 30203295A JP 30203295 A JP30203295 A JP 30203295A JP 3535288 B2 JP3535288 B2 JP 3535288B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のスピーカを
使用するオーディオシステムにおいて、各スピーカから
出力される音の出力レベルを調整するためのレベル調整
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、映画や音楽を聴くオーディオシス
テムにおいて、特に映画を視聴するためのオーディオシ
ステムでは、その映画での臨場感を得るためにサラウン
ドシステムが使用されている。サラウンドとは、視聴者
が音源の方向感を感じつつ音に取り囲まれた感じと拡が
り感を得る効果である。
【0003】このサラウンド効果を得るためのオーディ
オシステムでは、複数個のスピーカが用いられ、それぞ
れのスピーカからその音場にあった音が出力されること
によりサラウンド効果が得られる。例えば、正面に左右
2個のメインスピーカ(Lスピーカ、Rスピーカ)と、
中央のセンタースピーカと、中央の低音用のセンターウ
ーハ、後方に左右2個のサラウンドスピーカ(Lサラウ
ンドスピーカ、Rサラウンドスピーカ)の6個のスピー
カを用いるシステムがあり、これらのスピーカは、視聴
者を中心に取り囲むように配置されている。
【0004】この6本のスピーカを用いて前記サラウン
ドのシステムを採用することにより、例えば映画を上映
する場合、画面の左側から右側に飛行機が飛んでいるシ
ーンのとき、音も視聴者の左側から右側に移動して聴こ
える。同様に、画面において後方から前方に飛行機が飛
び去ってしまうシーンのとき、音も飛行機の動きに合わ
せて、視聴者の後方から前方に移動して聴こえる。
【0005】また、音楽を演奏したコンサートのソフト
を上映した場合は、前方からの音楽の直接音と共に、側
面や後方の前方以外からのコンサートホールでの反射音
や残響音も聴こえるようになるため、視聴者があたかも
そのコンサートホールにいるように音楽を聴くことがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した複数のスピー
カを用いて臨場感を出すオーディオシステムにおいて、
よりよいサラウンド効果を得るためには、各スピーカか
らの音が、視聴者に同じ音量で聴こえるように、各スピ
ーカの出力レベルを調整しなければならない。視聴者の
聴感上、各スピーカの出力レベルがほぼ等しくなるよう
に、各スピーカから所定の時間同じ音(テストトーン)
を順次出力して、その音が同じ音量に聴こえるように調
整するテストトーン調整方法がある。つまり、各スピー
カからテストトーンを出力し、そのテストトーンの出力
レベルが略同レベルに聴こえるように、視聴者が各スピ
ーカの出力レベルを可変して調整している。
【0007】しかし、例えば、6個のスピーカを使用し
たサラウンドシステムの場合、複数のスピーカのうち、
前方の2本のメインスピーカ、また、後方の2本のサラ
ウンドスピーカは、それぞれ同じ種類のスピーカを使用
しているが、メインスピーカ、サラウンドスピーカ、セ
ンタースピーカ、センターウーハは、それぞれ異なる種
類のスピーカを使用する。
【0008】図5は、スピーカの入出力特性の一例を示
す模式図である。前述したサラウンドでは、メインスピ
ーカとサラウンドスピーカ、また、メインスピーカとセ
ンタースピーカなど、配置場所等により特性の異なるス
ピーカが用いられている。これらのスピーカの入出力特
性は、図5に示すように、例えばスピーカAとスピーカ
Bのように、入力信号に対する出力信号レベルが異な
る。
【0009】このような、入出力特性が一致していない
スピーカのレベル調整を行う時でも、一定時間の間、一
定のレベルを出力するテストトーン(矩形波)を用いて
調整するため、例えば、テストトーンの出力レベルを大
きい値に設定して、そのテストトーンを出力して調整す
ると、音量が全体的に大きい映画やジャズのコンサート
のソフトのときは、効果的なサラウンド効果が得られる
が、その調整の状態で音量が全体的に小さいピアノや弦
楽器によるクラシックのソフトの場合、前方のスピーカ
より後方のサラウンドスピーカの音量が大きくなったり
する。つまり、出力レベルを調整したレベル以外では各
スピーカのバランスがくずれ、効果的なサラウンド効果
が得られなくなる。
【0010】したがって、本発明は、複数のスピーカを
用いて臨場感のある音響を実現するオーディオシステム
において、各スピーカの入出力特性も考慮したレベル調
整を可能とするレベル調整装置を提供することを目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1記載の
本発明は、複数のスピーカからテストトーンを出力さ
せ、各スピーカの出力レベルを調整するレベル調整装置
において、テストトーンの出力信号は、出力レベルが変
化する傾斜部と、出力レベルが一定である一定部とを有
することを特徴としている。
【0012】また、請求項2記載の本発明は、請求項1
記載のレベル調整装置において、テストトーンの傾斜部
は、テストトーンの出力開始時又は出力終了時のいずれ
一方に設けることを特徴としている。
【0013】また、請求項3記載の本発明は、請求項1
記載のレベル調整装置において、テストトーンの傾斜部
は、テストトーンの出力開始時及び出力終了時の両方に
設けることを特徴としている。
【0014】また、請求項4記載の本発明は、請求項1
乃至請求項3記載のレベル調整装置において、傾斜部
は、テストトーンの出力開始時から一定部の出力レベル
に達するまでの時間又は一定部の出力レベルからレベル
が変化した時点からテストトーンの出力終了時までの時
を設定することを特徴としている。
【0015】また、請求項5記載の本発明は、複数のス
ピーカからテストトーンを出力させ各スピーカの出力レ
ベルを調整するレベル調整装置において、テストトーン
の信号を発生する信号発生部と、テストトーンを出力す
スピーカの選択とテストトーンに傾斜部及び一定部を
形成する処理を制御する制御信号を出力するコントロ
ール部と、コントロール部から供給される制御信号を
すると共に、記憶していた制御信号を出力する記憶部
と、記憶部から出力された制御信号とコントロール部か
出力された制御信号を比較する比較部と比較部
比較結果に基づいて、信号発生部から出力されるテスト
トーンに傾斜部及び一定部を形成すると共に、選択され
たスピーカに傾斜部及び一定部を有するテストトーンを
出力する演算部とを具備することを特徴としている。
【0016】また、請求項6記載の本発明は、請求項5
記載のレベル調整装置において、比較部は、記憶部から
出力された制御信号とコントロール部から出力された
御信号の組合せにより、演算部におけるテストトーンの
傾斜部及び一定部を形成する処理と傾斜部及び一定部を
有するテストトーンを選択されたスピーカに出力する処
理とを決定することを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、特徴的な部分
は、複数個配置された各スピーカからレベル調整用の信
号(テストトーン)を出力する場合、テストトーンの出
力レベルを可変して、テストトーンの出力信号に傾斜部
を設ける点と、テストトーンの出力レベルを一定レベル
にして、テストトーンの出力信号に平坦な一定部を設け
る点にある。この出力信号に傾斜部と一定部を具備した
テストトーンを用いるレベル調整について図を用いて説
明する。
【0018】ここで、本発明での出力信号の出力レベル
が変化する傾斜部及び出力レベルが一定である一定部
は、スピーカから出力される実際の出力信号が、一定部
及び傾斜部の出力レベルに達している部分と満たない部
分が混在するものであっても、スピーカから出力される
出力信号の出力レベルが一定部と傾斜部とを有するもの
であれば、本発明の作用効果が得られるものである。例
えば、出力信号が帯域制限されたノイズである場合、帯
域制限されたノイズの出力レベルは、前記一定部の出力
レベルに達している部分と出力レベルに満たない部分が
混在するが、実際にスピーカから出力されるテストトー
ンの出力信号の中の複数存在する最大出力レベルに達し
ている部分同士を結んだ線が、一定のレベルであれば本
発明の一定部であり、同様に最大出力レベル同士を結ん
だ線が、出力レベルが変化している部分であれば、本発
明の傾斜部であり、本発明の作用効果が得られる
【0019】図1は、本発明のレベル調整装置における
テストトーンを示す模式図である。(a)は、テストト
ーンの出力信号を示す模式図であり、(b)は、従来の
レベル調整の場合を示す模式図であり、(c)は、本発
明におけるレベル調整の場合を示す模式図である。図1
(a)において、テストトーンの出力レベルは、所定の
時間で出力0から一定となるレベル(以下、調整レベル
という。)まで、直線的に出力レベルが変化するものと
する。この出力レベルが一定となる調整レベルを一定
部、出力レベルが出力0から前記一定部まで直線的に変
化する部分を傾斜部とする。また、スピーカA及びスピ
ーカBは、図1(b)に示すような、入出力特性をもっ
ているものとする。このテストトーンによるスピーカの
出力レベルの調整は、視聴者或いは測定装置等を用い
て、各スピーカの出力レベルを調整して行う。
【0020】スピーカAからテストトーンを出力する。
この場合、図1(a)に示すテストトーンの傾斜部によ
り、スピーカAは、図1(b)に示す特性となる。テス
トトーンの出力レベルが直線的に可変するaの範囲で、
スピーカAの出力レベルの変化分を確認する。それと共
に、テストトーンの出力レベルが一定となるbの範囲
で、スピーカAの出力レベルを確認する。
【0021】スピーカBからもスピーカAと同様のテス
トトーンを出力する。この場合、図1(b)に示すテス
トトーンの傾斜部により、スピーカBは、図1(b)に
示す特性となる。スピーカBもスピーカAと同様に、テ
ストトーンのaの範囲でのスピーカBの出力レベルの変
化分と、テストトーンのbの範囲でのスピーカBの出力
レベルを確認する。
【0022】スピーカBの出力レベルをスピーカAの出
力レベルに調整する場合、図1(c)に示す実際使用す
る出力レベルの範囲であるcの範囲において、スピーカ
Bにおけるaの範囲の入出力特性が、スピーカAにおけ
るaの範囲の入出力特性に、一致或いはなるべく接近す
るように調整する。
【0023】これは、調整レベルでスピーカA及びスピ
ーカBを調整した場合、図1(b)に示すように、入力
信号がcの範囲であると、スピーカAとスピーカBの入
出力特性が離れているため、複数のスピーカの出力レベ
ルのバランスが崩れてしまう。
【0024】したがって、図1(c)に示すように、ス
ピーカA及びスピーカBでのcの範囲において、スピー
カA及びスピーカBの入出力特性が、一致或いはなるべ
く接近するように調整することにより、入力信号がcの
範囲のとき、複数のスピーカの出力レベルのバランスが
良くなる。
【0025】この複数のスピーカにおいて、入出力特性
を考慮した出力レベルの調整を行うには、テストトーン
のaの範囲で確認した各スピーカの入出力特性が、一致
或いはなるべく接近するように、テストトーンのbの範
囲での出力レベルで、各スピーカを調整する。
【0026】このことにより、入力信号レベルの特定の
範囲において、複数のスピーカの出力レベルをバランス
良く調整できるため、効果的なサラウンド効果が得られ
る。
【0027】この調整は、スピーカへの入力信号レベル
が減少する場合に調整しても、前述した実施例と同様の
効果が得られる。つまり、テストトーンの出力終了時に
おける傾斜部からスピーカの入出力特性を確認し、その
入出力特性が一致或いはなるべく接近するように、複数
のスピーカの特定の範囲における出力レベルを調整す
る。
【0028】テストトーンの出力開始時は、出力開始と
同時に音が発生しているので、出力レベルのバランスの
悪さを認識することが難しいが、テストトーンの出力終
了時は、出力レベルが減少するので、出力レベルのバラ
ンスの悪さを認識しやすい。つまり、テストトーンの出
力開始時の入出力特性に基づいて、複数のスピーカの出
力レベルの調整を行うことにより、出力レベルのバラン
スの善し悪しを認識しやすくなる。また、出力レベルが
減少する部分でバランスよく調整できる。
【0029】また、テストトーンの出力開始時と出力終
了時に傾斜部を設けることにより、スピーカの入出力特
性におけるヒステリシス特性を考慮した出力レベル調整
が可能となる。つまり、テストトーンの出力開始時及び
出力終了時における傾斜部でスピーカの入出力特性を確
認し、そのヒステリシス特性が一致或いはなるべく接近
するように、複数のスピーカの特定の範囲における出力
レベルを調整する。
【0030】さらに、出力信号に一定部と傾斜部を具備
するテストトーンを、複数のスピーカを出力レベルの調
整に用いることにより、従来のテストトーンによるレベ
ル調整で発生していた聴感上のノイズも除去できる。
【0031】図2は、テストトーンの出力信号及び周波
数スペクトルを示す模式図である。(a)は、従来のテ
ストトーンの出力信号であり、(b)は、従来のテスト
トーンの周波数スペクトルであり、(c)は、本発明の
レベル調整装置におけるテストトーンの出力信号であ
り、(d)は、本発明のレベル調整装置におけるテスト
トーンの周波数スペクトルである。従来のテストトーン
は、図2(a)に示すように、出力レベルが矩形波状の
信号であり、その周波数スペクトルは、図2(b)に示
すように、帯域制限された周波数帯域の信号である。つ
まり、映画、音楽等のソフトで記録レベルが高く、恒常
的に発生する周波数成分を用いるため、500Hz〜2
kHzの周波数帯域で帯域制限されたノイズを用いてい
る。
【0032】このテストトーンを用いて複数のスピーカ
の出力レベルのレベル調整を行うとき、スピーカからテ
ストトーンが出力される瞬間の出力開始時、または、ス
ピーカからテストトーンの出力が切られる瞬間の出力終
了時は、帯域制限されたテストトーンのレベルが急激に
変化することになり、図2(b)に示すように、出力信
号の出力開始時及び出力終了時の部分で高調波成分が発
生する。この高調波成分が帯域制限されたテストトーン
の周波数帯域以外に発生することになり、テストトーン
以外の聴感上のノイズとなり、視聴者に聴こえる。
【0033】これに対し、本発明のレベル調整装置にお
けるテストトーンの出力信号は、図2(c)に示すよう
に、テストトーンの出力開始時及び出力終了時の出力レ
ベルが緩やかに変化することになり、出力レベルの急激
な変化による高調波成分が発生しなくなる。つまり、図
2(d)に示すように、本発明のレベル調整装置におけ
るテストトーンの場合、周波数スペクトルの帯域は、一
定の範囲(帯域制限された周波数帯域)であり、その周
波数帯域での信号レベルが変化することとなる。
【0034】したがって、本発明のレベル調整装置にお
けるテストトーンを、複数のスピーカの出力レベルの調
整に用いた場合、従来のテストトーンの出力開始時及び
出力終了時で発生する帯域制限した周波数帯域以外の聴
感上のノイズを除去することができる。
【0035】以上のような、出力信号に一定部と傾斜部
を具備するテストトーンを用いて、複数のスピーカの出
力レベルのバランスをとるレベル調整は、視聴者が聴感
により調整を行ってもよく、また、測定装置を用いて行
ってもよい。
【0036】視聴者が聴感的にレベル調整を行う場合、
テストトーンの一定部及び傾斜部の時間を長く、例え
ば、一定部が3sec、傾斜部が5secとして、複数
のスピーカのレベル調整を行い、その後、テストトーン
の傾斜部の時間を短縮し、例えば、傾斜部の時間が30
msecとして、出力するテストトーンとテストトーン
との間隔を短くし、順次スピーカから出力する。
【0037】このことにより、視聴者を中心に囲んで配
置されたスピーカからは、テストトーンが視聴者の周り
を回るように出力される。視聴者を回るようにテストト
ーンを出力されると、視聴者は、聴感的に各スピーカの
出力レベルの差を認識しやすくなる。つまり、どのスピ
ーカからも同じ音量で聴こえれば、バランスの良いレベ
ル調整が行われたことを確認できる。
【0038】また、テストトーンを測定装置を用いてレ
ベル調整を行う場合、レベル調整装置は、出力部(スピ
ーカ)から出力されたテストトーンの出力レベルを検出
する検出部と、検出した入出力特性を記憶しておく記憶
部と、記憶している入出力特性と検出部で検出した入出
力特性を比較する比較部とを設ける構成とする。
【0039】つまり、スピーカAからテストトーンを出
力し、その出力レベルを検出部で検出することにより、
スピーカAの入出力特性が得られる。この入出力特性
は、記憶部に記憶され、基準となる入出力特性となる。
次に、スピーカBからテストトーンを出力し、その出力
レベルを検出部で検出することにより、スピーカBの入
出力特性が得られる。
【0040】記憶部に記憶してあるスピーカAの入出力
特性と、検出部で検出されたスピーカBの入出力特性を
比較部で比較する。比較部では、予め設定された調整す
る範囲(スピーカで使用する出力レベルの範囲)での特
性が、一致或いはなるべく近接するように、テストトー
ンの一定部の出力レベルを可変して調整する。
【0041】以上のような測定装置を用いた場合は、本
発明のレベル調整装置におけるテストトーンの出力開始
時及び出力終了時の傾斜部を急勾配にしても、出力部の
入出力特性を確認して調整することが可能となり、複数
のスピーカのバランスをとるレベル調整の時間を短縮す
ることが可能である。つまり、テストトーンの傾斜部の
時間を30msec、一定部の時間を1secに設定し
てもレベル調整可能である。
【0042】次に、本発明のレベル調整装置におけるテ
ストトーンの発生部について説明する。従来のテストト
ーンの発生部は、信号発生部からの帯域制限された周波
数帯域をもつ信号を、コントロール部からの出力開始
「1」或いは出力終了「0」の制御信号に基づいて、出
力するスピーカを出力切換部で切り換えて、各スピーカ
からテストトーンを順次出力していた。従来のテストト
ーンの出力信号は、矩形波となる。
【0043】従来のテストトーンの発生部を用いて、前
述した本発明のレベル調整装置におけるテストトーンを
出力する場合、本発明におけるテストトーンが出力信号
に一定部と傾斜部を有しているため、「1」及び「0」
の制御信号だけでは本発明におけるテストトーンを出力
することができず、制御信号の数を増やして、テストト
ーンを出力するタイミングを指示する信号と、テストト
ーンに傾斜部を形成するための信号でテストトーンの出
力を制御する必要があった。
【0044】また、コントロール部からの「1」及び
「0」の制御信号のみで、前述した出力信号に一定部と
傾斜部を有するテストトーンを出力する場合、テストト
ーンの出力信号を大容量の記憶部に記憶しておき、それ
を制御信号に基づいて順次出力しなければならず、テス
トトーンを記憶する大容量の記憶部が必要であった。
【0045】本発明のレベル調整装置におけるテストト
ーンを発生するテストトーン発生部は、コントロール部
からの制御信号として、従来の制御信号「1」及び
「0」を使用し、大容量の記憶部を用いることなくテス
トトーンを発生することができる。図3は、本発明のレ
ベル調整装置におけるテストトーン発生部の概略構成を
示す模式図である。図3において、テストトーン発生部
1は、信号発生部2と波形成形部3で構成され、波形成
形部3は、記憶部4、比較部5、演算部6で構成されて
いる。
【0046】コントロール部7は、テストトーンの出力
開始時及び出力終了時の出力信号に傾斜部を形成する処
理を施すと共に、出力部8の6個のスピーカのうち、ど
のスピーカからテストトーンを出力するかを決定する信
号を、「1」と「0」で表す6ビットの制御信号として
出力するものである。
【0047】信号発生部2は、帯域制限された信号(テ
ストトーン)を随時発生し出力するものである。そのテ
ストトーンは、波形成形部3に入力されている。
【0048】波形成形部3の記憶部4は、コントロール
部7から出力されてきた制御信号を一時記憶し、次の制
御信号が出力されてきたら、記憶してある制御信号を比
較部5に出力すると共に、出力されてきた制御信号を一
時記憶する。この処理を繰り返す。
【0049】波形成形部3の比較部5は、コントロール
部7から供給される制御信号と、記憶部4から供給され
る1つ前の制御信号から、「1」及び「0」の信号の組
み合わせを判断し、それらの組み合わせにより、後述す
る演算部6での演算処理を決定する信号を出力するもの
である。つまり、波形成形部3において、隣合った2つ
の制御信号が、「0」と「0」の場合は「0」を出力
し、「0」と「1」の場合は増加演算を行い、「1」と
「0」の場合は減少演算を行い、「1」と「1」の場合
は「1」を出力する。
【0050】波形成形部3の演算部6は、比較部5で比
較された結果に基づいて、信号発生部2から供給される
帯域制限されたテストトーンを出力する出力部8のスピ
ーカを選択すると共に、テストトーンに増加演算或いは
減少演算の処理を施すものである。
【0051】ここで、増加演算は、予め設定されている
出力0から調整レベルに達するまでの時間のあいだで、
出力レベルが直線的に変化するように演算する処理であ
る。また、減少演算は、予め設定されている調整レベル
から出力0に達するまでの時間のあいだで、出力レベル
が直線的に変化するように演算する処理である。
【0052】前述したテストトーン発生部1の処理につ
いて説明する。図4は、本発明のレベル調整装置におけ
る制御信号と出力信号の関係を示す模式図である。図4
に示すように、コントロール部7から出力されてくる制
御信号は、6ビットで構成される制御信号である。この
6ビットは、出力部8に6個のスピーカが用いられてお
り、それぞれ1ビットが各スピーカのチャンネル(c
h:Channle)に対応している。
【0053】記憶部4に1つ前の制御信号として「00
0000」が記憶されており、コントロール部7から1
番目の制御信号として「000000」が供給される
と、比較部5で1つ前の制御信号における各チャンネル
の「1」又は「0」と、供給された制御信号における各
チャンネルの「1」又は「0」を比較する。比較の結果
全てのチャンネルが、「0」と「0」の連続であるので
「0」を出力する。即ち、スピーカからテストトーンを
出力しないと判断する。
【0054】次に、2番目の制御信号として「0000
01」が供給されると、記憶部4は、1番目の制御信号
「000000」を比較部5に出力すると共に、新たに
「000001」を記憶する。
【0055】比較部5は、1番目の制御信号「0000
00」と2番目の制御信号「000001」を比較す
る。そうすると、2番目の制御信号で1チャンネル目に
相当するビットが「1」であり、「0」と「1」の連続
であるので、増加演算と判断する。
【0056】すると、演算部6では、6つのチャンネル
のうち、1チャンネル目だけに信号発生部2からのテス
トトーンに増加演算を行い、出力部8のスピーカからテ
ストトーンを出力する。
【0057】次に、コントローラ部7から3番目の制御
信号として「000001」が出力されると、記憶部4
は、2番目の制御信号「000001」を比較部5に出
力すると共に、3番目の制御信号「000001」を記
憶する。
【0058】比較部5では、2番目の制御信号「000
001」と3番目の制御信号「000001」を比較
し、1チャンネル目に相当するビットが「1」と「1」
の連続であるので、出力が「1」と判断する。「1」の
場合、スピーカからの出力は、増加演算が施されて決定
した出力レベルを維持して出力する。
【0059】次に、コントローラ部7から4番目の制御
信号として「000010」が出力されると、記憶部4
は、3番目の制御信号「000001」を比較部5に出
力すると共に、4番目の制御信号「000010」を記
憶する。
【0060】比較部5では、3番目の制御信号「000
001」と4番目の制御信号「000010」とを比較
する。2つの制御信号において、1チャンネル目に相当
するビットは、「1」と「0」の連続あるので、減少演
算であると判断する。それと共に、2チャンネル目に相
当するビットは、「0」と「1」の連続であるので増加
演算であると判断する。
【0061】そうすると、演算部6では、1チャンネル
目に対して減少演算を施すと共に、2チャンネル目に対
して増加演算を施す。したがって、1チャンネル目のス
ピーカは、テストトーンの出力レベルが減少して出力0
となり、2チャンネル目のスピーカは、テストトーンの
出力レベルが増加して出力1となる。
【0062】同様に、5番目の制御信号「00001
0」が供給されると、4番目の制御信号「00001
0」と比較し、2チャンネル目から「1」を出力する。
そして、6番目の制御信号「000100」が供給され
ると、5番目の制御信号「000010」と比較し、2
チャンネル目の出力を「0」にすると共に、3チャンネ
ル目から「1」を出力する。このような処理が、制御信
号に基づいて行われる。
【0063】以上のような場合、制御信号によりテスト
トーンの出力開始のタイミングと出力終了のタイミング
が制御されているが、テストトーンの傾斜部及び一定部
の値を予め設定しておき、制御信号は、テストトーンの
出力開始のタイミングのみを制御するものとしてもよ
い。つまり、前述した実施例では、1つの制御信号でテ
ストトーンを出力するスピーカの選択と、「1」或いは
「0」の出力の判断の処理を行っているため、例えば、
1チャンネル目の出力終了時と2チャンネル目の出力開
始時が、時間的に重なり合うことになる。このことによ
って、それぞれのチャンネルから出力されるテストトー
ンとテストトーンの間隔は離れ、視聴者が測定を行う場
合に、視聴者が自由にテストトーンの出力レベルの差を
認識する時間をもつことができる。
【0064】以上の処理動作により、出力信号に一定部
と傾斜部を有したテストトーンを出力することができる
が、前述した傾斜部の傾きは、視聴者が外部から自由に
設定できるようにしてもよく、視聴者による測定或いは
測定装置による測定のどちらにも対応できる。
【0065】このように、コントロール部7からの
「1」及び「0」で構成される制御信号により、出力信
号に一定部及び傾斜部を有したテストトーンを、コント
ロール部からの制御信号の数を変更することなく、ま
た、大容量の記憶部を用いることなく、複数のスピーカ
から選択して出力することが可能となる。
【0066】
【発明の効果】本発明のレベル調整装置によれば、複数
のスピーカを用いて臨場感のある音響を実現するオーデ
ィオシステムにおいて、各スピーカの入出力特性を考慮
したレベル調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレベル調整装置におけるテストトーン
を示す模式図である。(a)は、テストトーンの出力信
号を示す模式図であり、(b)は、従来のレベル調整の
場合を示す模式図であり、(c)は、本発明におけるレ
ベル調整の場合を示す模式図である。
【図2】テストトーンの出力信号及び周波数スペクトル
を示す模式図である。(a)は、従来のテストトーンの
出力信号であり、(b)は、従来のテストトーンの周波
数スペクトルであり、(c)は、本発明のレベル調整装
置におけるテストトーンの出力信号であり、(d)は、
本発明のレベル調整装置におけるテストトーンの周波数
スペクトルである。
【図3】本発明のレベル調整装置におけるテストトーン
発生部の概略構成を示す模式図である。
【図4】本発明のレベル調整装置における制御信号と出
力信号の関係を示す模式図である。
【図5】スピーカの入出力特性の一例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 ・・・テストトーン発生部 2 ・・・信号発生部 3 ・・・波形成形部 4 ・・・記憶部 5 ・・・比較部 6 ・・・演算部 7 ・・・コントロール部 8 ・・・出力部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のスピーカからテストトーンを出力さ
    せ各スピーカの出力レベルを調整するレベル調整装置に
    おいて、前記テストトーンの出力信号は、出力レベルが
    変化する傾斜部と出力レベルが一定である一定部とを有
    することを特徴とするレベル調整装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のレベル調整装置において、
    前記テストトーンの傾斜部は、前記テストトーンの出力
    開始時又は出力終了時のいずれか一方に設けることを特
    徴とするレベル調整装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載のレベル調整装置において、
    前記テストトーンの傾斜部は、前記テストトーンの出力
    開始時及び出力終了時の両方に設けることを特徴とする
    レベル調整装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3記載のレベル調整装
    置において、前記テストトーンの傾斜部は、前記テスト
    トーンの出力開始時から前記一定部の出力レベルに達す
    るまでの時間又は前記一定部の出力レベルからレベルが
    変化した時点から前記テストトーンの出力終了時までの
    時間を設定することを特徴とするレベル調整装置。
  5. 【請求項5】複数のスピーカからテストトーンを出力さ
    せ各スピーカの出力レベルを調整するレベル調整装置に
    おいて、前記テストトーンの信号を発生する信号発生部
    と、前記テストトーンを出力するスピーカの選択とテス
    トトーンに傾斜部及び一定部を形成する処理を制御す
    る制御信号を出力するコントロール部と、該コントロー
    ル部から供給される前記制御信号を記憶すると共に記憶
    していた前記制御信号を出力する記憶部と、該記憶部か
    出力された制御信号と前記コントロール部から出力さ
    れた制御信号とを比較する比較部と前記比較部比較
    結果に基づいて前記信号発生部から出力される前記テス
    トトーンに傾斜部及び一定部を形成すると共に選択され
    たスピーカに傾斜部及び一定部を有するテストトーンを
    出力する演算部とを具備することを特徴とするレベル調
    整装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載のレベル調整装置において、
    前記比較部は、前記記憶部から出力された制御信号と
    記コントロール部から出力された制御信号の組み合わせ
    により、前記演算部における前記テストトーンの前記傾
    斜部及び前記一定部を形成する処理と前記傾斜部及び前
    記一定部を有するテストトーンを選択されたスピーカに
    出力する処理とを決定することを特徴とするレベル調整
    装置。
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