JP3534535B2 - グルタミン含有栄養液 - Google Patents

グルタミン含有栄養液

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグルタミン含有栄養
液ならびにその製造方法に関し、詳細にはグルタミン
を、用時、水または電解質、糖、アミノ酸等を含有する
栄養液中に溶解させるグルタミン含有栄養液およびその
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】消化器官疾患その他の原因により食餌等
の栄養源の経口摂取ができないか、または困難な患者に
おいて、完全静脈栄養法により容易に栄養管理を行なう
ことが可能になってきた。すなわち経静脈用アミノ酸栄
養輸液は、各種疾患時の栄養補給のため、あるいは術
前、術後などアミノ酸、タンパク質等を摂取する必要が
あるにもかかわらず、経口的に食事を摂取できないか、
あるいはその摂取量が不十分な場合の栄養管理のため広
く利用されている。更に近年においては、栄養輸液中の
アミノ酸組成の検討が積極的になされてきており、他の
アミノ酸と異なり主として肝臓以外の組織で代謝される
分枝鎖アミノ酸(BCAA:Branched-chain Amino Aci
ds) の栄養学的意義に基づく異化時用のアミノ酸製剤
や、各種疾患別のアミノ酸製剤等が開発されており、栄
養補給のみならず病状の緩和や治療を目的とした輸液が
使用されるようになってきている。
【0003】ところでこれまでに市販されているこれら
のアミノ酸栄養輸液においては、各種の必須アミノ酸を
含むものの、グルタミンは含まれていないのが現状であ
る。これはグルタミンが体内に豊富に存在する非必須ア
ミノ酸であり、体外から摂取しなくとも他のアミノ酸か
ら合成されること、さらにはグルタミンを製剤化する場
合にその難溶性ならびに化学的安定性の悪さがひとつの
原因となっていた。しかしながら近年の研究において
は、外科侵襲時、重症感染症の際に骨格平滑筋からの大
量のグルタミンの合成および放出が行われ、腸管粘膜や
免疫系の細胞エネルギー基質となること、更にグルタミ
ンの有する代謝上の重要性が明らかになり、体外から十
分なグルタミンを補給する必要があることが判明してき
た。しかるに前記した如く、グルタミンは各種水溶液に
対する溶解性が低く、更に溶液状態での化学的不安定性
のためグルタミンそのものを含むアミノ酸栄養輸液の調
製は不可能なものであった。そのため、グルタミンを安
定な形で十分量投与する製剤的工夫として、グリシル−
グルタミン(Gly-Gln) 、アラニル−グルタミン(Ala-Gl
n) 、アルギニル−グルタミン(Arg-Gln) 等のジペプチ
ド誘導体とし、必要量のグルタミンを投与する手段が提
案されている。
【0004】しかしながら、グルタミンをジペプチド誘
導体としアミノ酸栄養輸液中に含有させて投与する場合
には以下の問題点がある。すなわち、グルタミンは全身
の遊離アミノ酸総量の30〜50%と最も多く存在する
ため、通常のアミノ酸10%含有輸液製剤中に配合する
場合には、グルタミンとして3%程度(すなわち総アミ
ノ酸量の30%程度)を配合しなければならないことと
なる。この場合、グルタミンをジペプチド誘導体として
含有させれば、必然的にグルタミンと対になっている相
手方のアミノ酸も等モル配合されることとなり、当該ア
ミノ酸の過剰投与が生じ、アミノ酸全体のアンバランス
が発生する。加えて、グルタミンをジペプチド誘導体と
して含有させたうえでさらに必要とされる他のアミノ酸
をも配合させることは、輸液中の総窒素量からみても好
ましいものとはいえなくなり、その点でも配合されるア
ミノ酸のアンバランスが生じる。したがって、グルタミ
ン加栄養法の重要性が認識されている現況下で、アミノ
酸栄養液中にバランス良くグルタミンが含有された栄養
液の開発が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点を鑑
み完成されたものであり、従来提案されているグルタミ
ンを含有しないアミノ酸栄養輸液、電解質液等の中に、
用時に安定な形で十分量のグルタミンを溶解させ、投与
できるグルタミン含有栄養液を提案することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのための手段として本
発明は、水または電解質、糖、アミノ酸等を含有する水
溶液を収納する容器と、凍結乾燥されたグルタミンを収
納する容器を無菌的に連結し、両容器を用時連通させ、
それにより凍結乾燥されたグルタミンを、水または電解
質、糖、アミノ酸等を含有する水溶液に溶解させること
を特徴とするグルタミン含有栄養液の製造法を提供す
る。
【0007】本発明において、用時溶解させるグルタミ
ンとしては、固形状のグルタミン、スプレードライした
グルタミン、顆粒状のグルタミン、凍結乾燥したグルタ
ミン等が挙げられるが、なかでも凍結乾燥されたグルタ
ミンが取り分け好ましいことが判明した。すなわち、本
発明者らの検討した結果では、グルタミンを凍結乾燥し
微粉末状態にした場合には、他の固形状のグルタミンに
比較してその溶解速度が極めて良好であり、また凍結乾
燥品でありながらその貯蔵安定性も優れていることが確
認された。したがって、かかる凍結乾燥グルタミンを別
の容器に収納させ、投与時に(用時に)水または電解
質、糖、アミノ酸等を含有する栄養液等の水溶液中に溶
解してやれば、グルタミンが速やかに溶解し、良好なグ
ルタミン含有栄養液となることが新規に見いだされた。
固形状のグルタミンを溶解させる場合には調製に長時間
かかり、また完全に溶解しないうちに静脈内投与を行う
ことは事故につながる危険性もある。したがって、凍結
乾燥グルタミンを用いれば、その溶解速度が極めて早い
ことよりかかる危険性を未然に防げる利点があり、この
ような手段はこれまでに知られていない全く新規なもの
である。したがって、より好ましい本発明の態様として
は、水または電解質、糖、アミノ酸等を含有する水溶液
を収納する容器と、凍結乾燥されたグルタミンを収納す
る容器を無菌的に連結し、両容器を用時連通させ、それ
により凍結乾燥されたグルタミンを、水または電解質、
糖、アミノ酸等を含有する水溶液中に溶解させることを
特徴とするグルタミン含有栄養液の製造法である。
【0008】一方、本発明において、グルタミンを溶解
させる水溶液としては、一般に水分補給、エネルギー補
給あるいは栄養補給として静脈内に投与されるいわゆる
輸液であり、水、注射用蒸留水、輸液用電解質液、アミ
ノ酸輸液等が挙げられる。これらの輸液等は、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、クロル及びリン酸等々の
細胞内外に存在する主な電解質;ブドウ糖、キシリトー
ル等のエネルギー源;更にはアルギニン、ヒスチジン、
イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニ
ルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、プ
ロリン等々のアミノ酸を含有するものであり、経口摂取
不能または不十分な場合の水分・電解質の補給・維持、
アミノ酸補給、エネルギーの補給に使用される輸液が好
ましい。
【0009】したがって、より好ましい本発明の態様と
しては、注射用蒸留水等の水または水溶液を収納する容
器と、グルタミンを収納する容器を無菌的に連結し、両
容器を用時連通させ、それにより凍結乾燥されたグルタ
ミンを、注射用蒸留水等の水に溶解させることを特徴と
するグルタミン含有栄養液の製造法を提供する。
【0010】更に別のより好ましい態様としては、本発
明は水または電解質、糖、アミノ酸等を含有する水溶液
を収納する容器と、凍結乾燥されたグルタミンを収納す
る容器を無菌的に連結し、両容器を用時連通させ、それ
により凍結乾燥されたグルタミンを、電解質、糖、アミ
ノ酸等を含有する水溶液中に溶解させることを特徴とす
るグルタミン含有栄養液の製造法を提供する。
【0011】なお本発明において、電解質、糖、アミノ
酸等を含有する水溶液を収納する容器としては、これら
電解質、糖、アミノ酸等の成分をひとつの容器内に収納
するシングルバッグタイプのものであってもよく、更に
電解質、糖、アミノ酸等の成分をそれぞれ個別に収納
し、用時に混合されるダブルバッグタイプあるいはマル
チバッグタイプのものであってもよい。この場合の本発
明にあっては、これら輸液等の水溶液に加えて、カロリ
ー補給を高めるために、脂肪分を補給すべく、脂肪乳剤
を別個に収納する容器をマルチバッグタイプとして連通
させておくことも可能である。要は、グルタミンがこれ
ら水溶液と別個に収納され、投与時に(用時に)水また
は電解質、糖、アミノ酸等を含有する栄養液等の水溶液
中に溶解してやれるよう無菌的に連通されればよく、か
かる種々の変形例も本発明の主題中に包含されることは
いうまでもない。例えば、シングルバッグタイプにおい
て糖類を多く含有させようとする場合には安定性のため
に溶液のpHを下げなければならず、臨床的に血管痛、
静脈炎等の好ましからざる副作用が発生するが、セパレ
ートタイプとする変形例により、かかる欠点を防止する
ことができるのである。すなわち、本発明のグルタミン
含有栄養液は、その使用目的、例えば経腸成分栄養液と
しての経腸経管栄養法、高カロリー栄養液として中心静
脈栄養法、中カロリー栄養液としての末梢静脈栄養法等
の手段に応じた各種成分を配合させ、それぞれを一緒あ
るいは別個の容器に収納させておくような変形が可能で
ある。
【0012】また本発明は、グルタミンが効率よく溶解
されたグルタミン含有栄養液自体を提供するものであ
り、具体的には上記した製造方法を用いて製造された栄
養液を提供する。従来グルタミンが効率よく輸液中に溶
解されたグルタミン含有栄養液はなかった点を考慮する
と、本発明が提供する栄養液の医療上での有用性は極め
て大きなものであるといえる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で、いわゆる輸液等の水溶
液中に用時溶解させるグルタミンは、前記した如く凍結
乾燥されたグルタミンが好ましい。かかる凍結乾燥グル
タミンは、溶解性が著しく向上し、他の固形状のグルタ
ミンに比較して水溶液中に瞬時に溶解されるので、使用
に際しての安全性が確保される。したがって例えば、1
0%アミノ酸輸液にグルタミンを配合する場合であって
も、そのうちの3〜4%の量(総アミノ酸量の30〜4
0%)としてのグルタミンを配合することが可能となっ
た。しかして、本発明で凍結乾燥グルタミンを収納する
容器中には、グルタミンを溶解させる相手方の水溶液に
おけるアミノ酸含量によって異なるが、一般的に0.5
ないし50g、好ましくは2ないし20g、より好まし
くは6ないし12g程度の量を含有させることができ
る。
【0014】なお、グルタミンを収納する容器中には、
凍結乾燥グルタミンに加えて、その他の不安定なアミノ
酸、例えば、システインや、トリプトファン等、あるい
は溶解性の低いアミノ酸、例えば、チロシン、グルタミ
ン酸、アスパラギン酸等を、それぞれ単独、あるいはそ
のいくつかを同時に配合しておくことも可能である。こ
の場合、グルタミンと同時配合するアミノ酸も凍結乾燥
品であることが好ましい。なかでもグルタミンと一緒に
凍結乾燥されたシステインや、トリプトファンを含有さ
せることは好ましいものである。このグルタミンと同時
配合する他のアミノ酸を投与対象患者にあわせて所望に
より選択することにより、従来のアミノ酸輸液ではなし
得なかったアミノ酸バランスを調製することが可能とな
り、より効果の高い栄養輸液を調製することができる。
更に、グルタミンを収納する容器中には、凍結乾燥グル
タミンに加えて、ブドウ糖、果糖、キシリトール、マル
トース、ソルビトール等の糖類を配合しておくことも可
能である。更にまた、グルタミンに影響を与えないアミ
ノ酸以外の他の成分、例えば塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の電解質成
分;塩酸チアミン、リン酸リボフラビンナトリウム、塩
酸ピリドキシン、アスコルビン酸等のビタミンをも同時
に含有させることも可能である。
【0015】一方、グルタミンを溶解させる相手方の水
または電解質、糖、アミノ酸等を含有する水溶液として
は、前記した如く従来から水分補給、エネルギー補給あ
るいは栄養補給として静脈内に投与に使用されているい
わゆる輸液である。したがって、より具体的には、注射
用蒸留水、輸液用電解質液、アミノ酸輸液等が挙げら
れ、これらの輸液はすでに臨床的に市販、使用されてい
る輸液を組み合わせ使用することができる。この市販輸
液等にあっても、投与対象患者の疾患状態、栄養状態に
あわせて更に種々の電解質、糖、アミノ酸、脂肪乳剤、
ビタミン、繊維成分、微量元素等が選択され、配合でき
ることはいうまでもない。本発明の凍結乾燥グルタミン
が溶解された後のグルタミン含有栄養液は、静脈内に点
滴投与されるのが多く、したがって調製後の栄養液にあ
っては、そのpHが4ないし8、好ましくは5.5ない
し7.5であり、浸透圧比は一概には限定し得ないが、
7以下であるのが良く、末梢静脈から投与する場合には
3以下の浸透圧比が好ましい。
【0016】本発明のグルタミン含有栄養液は上記した
如く、水または電解質、糖、アミノ酸等を含有する水溶
液を収納する容器と、グルタミンを収納する容器を無菌
的に連結し、両容器を用時連通させ、それによりグルタ
ミンを、水または電解質、糖、アミノ酸等を含有する水
溶液中に溶解させることにより製造される。しかして当
該グルタミン含有栄養液の製造に適用できる各収納容
器、ならびに両容器を連通させる手段としては、従来か
ら提案かつ使用されている粉末〜凍結乾燥医薬品を用時
溶解液に溶解させ、点滴投与あるいは静脈内投与させる
べく構成されたキットをそのまま使用することができ
る。このようなキットとしては、例えば、点滴用セファ
ロスポリンキットとして実際の臨床治療に使用されてい
るセフチゾキシムナトリウム(エポセリン)キットまた
はセファゾリンナトリウム(セファメジン)キット、あ
るいは特許出願により種々提案されているキット例え
ば、特開昭63−13955号公報、特開平4−282
159号公報、特開平5−56998号公報、特公平5
−72830号公報等に開示されている輸液容器キット
をそのまま使用することができる。
【0017】具体的には、例えばこれらのキットにおけ
る薬剤収納容器中に本発明の凍結乾燥グルタミンを収納
させ、溶解液を収納する可撓性容器中に水または電解
質、糖アミノ酸等を含有する水溶液、より具体的には、
注射用蒸留水、輸液用電解質液、アミノ酸輸液を収納さ
せ、両容器を両頭針により無菌的連通を行い混合溶解さ
せることができる。なお、両容器の連通手段としては、
両頭針によるものが好ましいが、何もこれに限定され
ず、一方の容器の針ないし刃による切断あるいは破断、
バルブによる連通等を採用することが可能である。
【0018】かくして、本発明のグルタミン含有栄養液
が製造されるが、より具体的な製造を以下に記載する。調製例1 :キットとしては、特公平5−72830号公
報に記載のキットを使用した。凍結乾燥グルタミン15
gを、薬剤バイアルに無菌的に充填し、一方の容器であ
る可撓性容器中には輸液用電解質液であるソリタックス
(登録商標)−H(清水製薬製)500mlを充填し
た。両容器を両頭針を用いて無菌的に連通し、ソリタッ
クス−H中にグルタミンを溶解させた。両容器の両頭針
による連通と共に、バイアル中の凍結乾燥グルタミンは
ソリタックス−H中に瞬時に溶解し、所望のグルタミン
含有栄養液が調製された。得られたグルタミン含有栄養
液は、24時間後においてもグルタミン自体の分解が観
察されず、安定なものであった。
【0019】調製例2:キットとしては、特公平5−7
2830号公報に記載のキットを変形させて使用した。
すなわち、凍結乾燥グルタミン8gを、薬剤バイアルに
無菌的に充填し、一方の容器である可撓性容器をダブル
バッグタイプとさせ、第一のバッグ中には輸液用電解質
液であるソリタックス−H500mlを充填し、第二の
バッグ中には10%アミノ酸製剤であるアミニック(登
録商標)(森下ルセル製)120mlを充填した。第一
のバッグと第二のバッグを連通させ両液を混合させた。
その直後にグルタミン含有容器を両頭針を用いて連通
し、混合液中にグルタミンを溶解させた。両頭針による
連通と共に、バイアル中の凍結乾燥グルタミンはソリタ
ックス−Hとアミニックの混合溶液中に瞬時に溶解し、
所望のグルタミン含有栄養液が調製された。得られたグ
ルタミン含有栄養液の非蛋白質カロリーは250Kca
lであり、総アミノ酸含量は20gであって、そのうち
の40%がグルタミンであり、N量は3.2であった。
したがって、非蛋白質カロリー/N量は78となり、こ
の栄養液は、末梢静脈栄養法に基づく栄養液として好適
なものであった。なお、得られたグルタミン含有栄養液
も、24時間後においてもグルタミン自体の分解が観察
されず、安定なものであった。
【0020】調製例3:キットとしては、特公平5−7
2830号公報に記載のキットを変形させて使用した。
すなわち、凍結乾燥グルタミン8gを、薬剤バイアルに
無菌的に充填し、一方の容器である可撓性容器をトリプ
ルバッグタイプ(マルチバッグタイプ)とさせ、第一の
バッグ中には20%脂肪乳剤であるイントラファット
(登録商標)(日本製薬製)100mlを充填し、第二
のバッグ中には輸液用電解質液であるソリタックス−H
750mlを充填し、第三のバッグ中には10%アミノ
酸製剤であるアミニック150mlを充填した。第一の
バッグ、第二のバッグならびに第三のバッグを連通さ
せ、それぞれの三液を混合させた。その直後にグルタミ
ン含有容器を両頭針を用いて連通し、混合液中にグルタ
ミンを溶解させた。両頭針による連通と共に、バイアル
中の凍結乾燥グルタミンは三液の混合溶液中に瞬時に溶
解し、所望のグルタミン含有栄養液が調製された。得ら
れたグルタミン含有栄養液の非蛋白質カロリーは575
Kcalであり、総アミノ酸含量は23gであって、そ
のうちの35%がグルタミンであり、N量は3.68で
あった。したがって、非蛋白質カロリー/N量は156
となり、この栄養液は、末梢静脈栄養法に基づく栄養液
として好適なものであった。なお得られたグルタミン含
有栄養液も、24時間後においてもグルタミン自体の分
解が観察されず、安定なものであった。
【0021】
【発明の効果】以上のようにして、本発明はこれまでグ
ルタミンを効率よく配合し得なかった栄養液を提供する
ものであり、グルタミン加栄養法の重要性が認識されて
いる現況下で、アミノ酸栄養液中にバランス良くグルタ
ミンが含有された栄養液を提供する利点は多大なもので
あるといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/29 - 1/305 A61K 31/195 A61K 9/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水または電解質、糖、アミノ酸等を含有
    する水溶液を収納する容器と、凍結乾燥されたグルタミ
    ンを収納する容器を無菌的に連結し、両容器を用時連通
    させ、それにより凍結乾燥されたグルタミンを、水また
    は電解質、糖、アミノ酸等を含有する水溶液に溶解させ
    ることを特徴とするグルタミン含有栄養液の製造法。
  2. 【請求項2】 凍結乾燥されたグルタミンを収納する容
    器に、更にシステイン及び/又はトリプトファンを含有
    させた請求項に記載のグルタミン含有栄養液の製造
    法。
  3. 【請求項3】 凍結乾燥されたグルタミンを収納する容
    器に、更に糖類を含有させた請求項1または2に記載の
    グルタミン含有栄養液の製造方法。
  4. 【請求項4】 水または電解質、糖、アミノ酸を含有す
    る水溶液を収納する容器に、さらに脂肪乳剤を収納する
    容器を無菌的に連通させ、両容器を用時連通させる請求
    1ないし3のいずれかに記載のグルタミン含有栄養液
    の製造法。
  5. 【請求項5】 連通手段が、両頭針を介して行う請求項
    1ないし4のいずれかに記載のグルタミン含有栄養液の
    製造法。
  6. 【請求項6】 水または電解質、糖、アミノ酸等を含有
    する水溶系を収納する容器と、凍結乾燥されたグルタミ
    ンを収納する容器を無菌的に連通し、両容器を用時連通
    させ、それにより凍結乾燥されたグルタミンを、水また
    は電解質、糖、アミノ酸等を含有する水溶液中に溶解さ
    せたことを特徴とするグルタミン含有栄養液。
  7. 【請求項7】 水または電解質、糖、アミノ酸等を含有
    する水溶系を収納する容器と、凍結乾燥されたグルタミ
    ンを収納する容器を無菌的に連通し、両容器を用時連通
    させ、それにより凍結乾燥されたグルタミンを、水また
    は電解質、糖、アミノ酸等を含有する水溶液中に溶解さ
    せたことを特徴とするグルタミン含有栄養液。
  8. 【請求項8】 水または電解質、糖、アミノ酸等を含有
    する水溶系を収納する容器に、凍結乾燥されたグルタミ
    ンを用時溶解させるべく連通する、凍結乾燥されたグル
    タミンを含有した収納容器。
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