JP3533796B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置の製
造方法に係り、特に、半絶縁性基板の上面にHEMT等
の能動素子が配置されたマイクロ波集積回路(MMI
C)に適用すると好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、周波数資源の有効利用等の観点か
ら周波数の高い領域の電波利用が求められており、周波
数が3GHz以上のマイクロ波帯や、30GHz以上の
ミリ波帯が注目されている。周波数が高くなると、信号
の波長が短くなり、電気回路の配線の長さが回路の性能
を左右する。特に、ミリ波の領域では、波長は1cm以
下になるため、回路そのものをICに集積化したマイク
ロ波(ミリ波)集積回路、すなわちMMIC化が必須で
ある。
【0003】MMICは、トランジスタなどの能動素子
とキャパシタや抵抗等の受動素子と高周波を伝達する伝
送線路から構成される。伝送線路には、メッキ配線と下
層配線とがある。下層配線は、エアブリッジ(上下の配
線を空間を隔てて配置)やMIM(Metal−Insulator
−Metal)キャパシタなどでの配線が交差する部分に用
いられるものである。
【0004】又、能動素子のトランジスタに使用される
オーミック電極にはアロイオーミック電極がある。この
アロイオーミック電極はべースとなる金属とドーパント
としての金属を半導体上に被着させ、合金化のための熱
処理(アロイ処理)することにより、オーミックコンタ
クトを得るものである。アロイオーミック電極として
は、AuGe/NiやAuGe/Auといった構造のも
のが最もよく用いられている(例えば、特開昭62−1
94671号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、アロイオー
ミック電極では電極材料と半導体材料との合金化により
オーミックコンタクトを得ているため、電極内部の横方
向の抵抗は不均一であった。そのため、このアロイオー
ミック電極を配線として用いることは困難であった。
【0006】又、アロイ処理による基板組成元素の電極
表面への析出により、下層配線上にさらに配線を形成し
た場合においては、下層配線とその上の配線との間で剥
がれが心配される。
【0007】尚、これに関する技術として、例えば特開
平7−37908号公報においては、AuGe層の上
に、WやMoといった高融点金属をバリア層として形成
することが示されているが、30GHz以上の高い周波
数で動作するMMICでは、信号が配線の下層を流れる
ようになるため、Auに比べ比抵抗の高い金属をバリア
層として挿入することは配線抵抗の増加を引き起こす。
【0008】そこで、発明の目的は、半絶縁性基板上に
金属薄膜を配置した半導体装置の製造方法において性能
および信頼性の向上を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、組成元素と
してInを含む半絶縁性基板上に、酸素アッシング処理
により形成された酸化層を介して配線等のための金属薄
膜を配置したことを特徴としている。
【0010】よって、酸化層がバリア層となり、基板組
成元素であるInと金属薄膜の組成元素との相互拡散が
防止される。これにより、金属薄膜を配線として用いた
場合において配線の横方向の抵抗の増加および不均一が
低減される。又、金属薄膜表面への基板組成元素の拡散
が無いため、金属薄膜表面のモホロジーが良好となり、
その上に金属薄膜を配置する場合において剥がれが防止
される。
【0011】さらに詳しく言及すると、MMICにおけ
るエアブリッジやMIMキャパシタやパッド部等におい
て、金属薄膜の直ぐ下の半絶縁性基板に酸化層が形成さ
れているため、この酸化層がバリア層となり、基板組成
元素と金属薄膜の組成元素の相互拡散を防止できる。そ
のため、金属薄膜を配線として用いた場合において配線
抵抗の増加や不均一化が防止され、半導体装置の高性能
化、高信頼性化を図ることができる。また、酸化層によ
り基板組成元素の金属薄膜表面への拡散が防止されるた
め、金属薄膜とその上に配置した金属膜との間の剥がれ
を抑制することができる。
【0012】このように、半絶縁性基板上に金属薄膜を
配置した半導体装置において、性能および信頼性の高い
ものとすることができる。特に、アロイオーミック電極
を用いた際において、アロイオーミック電極を配線とし
て使用しても、配線抵抗の増加を起こすことなく性能お
よび信頼性を確保することができることとなる。
【0013】又、酸化層の形成は酸素アッシング処理に
て行うことにより熱酸化法を用いる場合に比べ、高温雰
囲気を経ることなく容易に酸化層を形成することができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、この発明の第1の実施の形
態を図面に従って説明する。
【0015】本実施の形態においてはMMICに具体化
している。図1にはMMIC(Monolithic Microwave
Integrated Circuit)の一部領域の縦断面を示す。
半絶縁性のInP基板1の上面における所定領域にはメ
サ形状の半導体導電層30が形成されている。この島状
をなす半導体導電層30は、厚さ1000Åのi 型In
0.52Al0.48Asバッファ層2、厚さ200Åのi型I
0.53Ga0.47Asチャネル層3、厚さ50Åのi 型I
0.52Al0.48Asスペーサ層4、厚さ150Åのn型
In0.52Al0.48Asキャリア供給層5、厚さ100Å
のi 型In0.52Al0.48Asゲートコンタクト層6、厚
さ200Åのn型In0.53Ga0.47Asオーミックコン
タクト層7を順に積層したものである。半導体導電層3
0にはリセス(凹部)31が形成され、このリセス31
はn型In0.53Ga0.47Asオーミックコンタクト層7
を貫通しi 型In0.52Al0.48Asゲートコンタクト層
6に達している。リセス31内にはTi/Pt/Auか
らなるゲート電極8が配置されている。半導体導電層3
0の上面にはソース電極9とドレイン電極10とが形成
されている。電極9,10はAuGe/Ni/Auの薄
膜よりなり、半導体導電層30のオーミックコンタクト
層7とオーミックコンタクトがとられている。このよう
にして半導体導電層30にてHEMTが形成されてい
る。
【0016】一方、InP基板1の上面には、InPの
酸化層11が形成されている。つまり、基板1の組成元
素と酸素からなる酸化層11が配置されている。InP
の酸化層11の上には伝送線路としての下層配線12
a,12b,12c,12dが延設されている。下層配
線12a〜12dはAuGe/Ni/Auの薄膜よりな
る。ここで、ソース・ドレイン電極9,10と下層配線
12a,12bとは同一の材料よりなり、電極材(9,
10)を配線材(12a,12b)として使用してい
る。換言すれば、酸化層11上に、ソース・ドレイン電
極9,10を兼ねる下層配線(金属薄膜)12a,12
bが延設されている。
【0017】下層配線12a〜12dを含む酸化層11
の上面には絶縁膜としての窒化膜15が形成されてい
る。窒化膜15における下層配線12bの上面にはコン
タクトホール(開口部)16aが形成されている。又、
窒化膜15における下層配線12dの上面にはコンタク
トホール(開口部)16bが形成されている。コンタク
トホール(開口部)16a,16bを含めた窒化膜15
の上には伝送線路としての上層配線13が延設されてい
る。そして、ドレイン電極10が下層配線12bを介し
て上層配線13により下層配線12dと電気的に接続さ
れている。
【0018】又、下層配線12cと上層配線13とは直
交方向に延びており、下層配線12cと上層配線13と
はエアブリッジにて交差している。つまり、酸化層11
上に延設された下層配線12cに対し所定間隔の空間を
隔てて上層配線13が交差している。この配線が交差す
るエアブリッジ部Zにおける平面図を図2に示す。又、
図3には図2のA−A断面図を示す。図3からも分かる
ように、下層配線12cの上には、窒化膜15および所
定間隔の空隙(空間)を介在した状態で上層配線13が
配置されている。
【0019】次に、このように構成したMMICの製造
方法を、図4〜図7を用いて説明する。まず、図4に示
すように、半絶縁性のInP基板1を用意し、InP基
板1の上に厚さ1000Åのi 型In0.52Al0.48As
バッファ層2、厚さ200Åのi 型In0.53Ga0.47
sチャネル層3、厚さ50Åのi 型In0.52Al0.48
sスペーサ層4、厚さ150Åのn型In0.52Al0.48
Asキャリア供給層5、厚さ100Åのi 型In0.52
0.48Asゲートコンタクト層6、厚さ200Åのn型
In0.53Ga0.47Asオーミックコンタクト層7を順
次、例えばMBE法(Molecular Beam Epitaxial g
rowth method) にて形成する。
【0020】そして、膜厚1.4μmのメサのレジスト
パターン14を形成し、例えば硫酸と過酸化水素水の混
合液にてエッチングを行いメサ形状とする。これによ
り、基板1上に島状の半導体導電層30が形成される。
【0021】その後、図5に示すように、メサを形成し
たレジストパターン14をそのまま用い、レジスト開口
部のInP基板1の表面を酸素アッシングにて酸化し酸
化層11を形成する。酸素アッシングの条件は、レジス
トパターン14が完全にエッチングされない条件として
圧力2.0Toor、酸素流量4リットル/min、R
FPower800W、基板温度200℃、時間1mi
nとする。酸素アッシングによるレジストパターン14
のエッチングレートは約0.75μm/minである。
【0022】その後、図6に示すように、アセトン等で
レジストパターン14を剥離する。引き続き、AuGe
/Ni/Auの薄膜を電子ビーム蒸着法により形成し、
リフトオフ法によりソース電極9、ドレイン電極10及
び下層配線12a,12b,12c,12dを形成す
る。ここで、各膜厚は、それぞれ60nm、20nm、
150nmとする。さらに、360℃、2minの熱処
理(合金化処理)を行い、ソース電極9と島状の半導体
導電層30(メサ部)との間、およびドレイン電極10
と島状の半導体導電層30(メサ部)との間でオーミッ
クコンタクトをとる。ここで、360℃とはAuGeの
共晶温度に近い温度である。
【0023】このとき、InP基板1の上面におけるメ
サ部以外のInP基板1の露出領域には酸化層11を介
して下層配線12a,12b,12c,12dが形成さ
れているため、島状の半導体導電層30に対しソース電
極9及びドレイン電極10のオーミックコンタクトを得
るための合金化熱処理(アロイ)工程を経ても、前記酸
化層11がバリア層となり、InP基板1のInが下層
配線12a,12b,12c,12d中に拡散すること
がなく、下層配線12a,12b,12c,12dの抵
抗の増大や不均一化が防止される。
【0024】次に、島状の半導体導電層30の上面にお
けるソース領域とドレイン領域との間に、例えばクエン
酸と過酸化水素水の混合液でのウェットエッチングを行
いリセス31を形成する。そして、リセス31内に、T
i/Pt/Auからなるゲート電極8を電子ビーム蒸着
法とリフトオフ法により形成する。
【0025】このゲート電極形成の際の電子ビーム露光
におけるアライメント工程をより詳細に説明すると、メ
サエッチングおよび酸化層11を形成した後のInP基
板1上に、AuGe/Ni/Au、それぞれ60nm、
20nm、150nmからなるアライメントマークを電
子ビーム蒸着法とリフトオフ法より形成する。この後、
オーミック電極の合金化熱処理(アロイ処理)の工程を
行う。このとき、360℃の熱にさらされることになる
が、前述した酸化層11の効果によりアライメントマー
ク表面のモホロジーが良好であるため、電子ビーム露光
の際の位置合わせ精度が向上し、ゲート電極形成の生産
性を向上させることができる。
【0026】なお、このことは、電子ビーム露光におけ
るアライメント工程以外にも投影露光法に用いるアライ
メントマークにおいても同様な効果がある。このように
してゲート電極8を形成した後、図7に示すように、絶
縁膜としての窒化膜15を形成し、窒化膜15における
所定領域にコンタクトホール16a,16bを形成す
る。さらに、図1に示すように、上層配線13を例えば
メッキ法により形成する。このとき、前述したように、
オーミックコンタクトを得るための合金化熱処理(アロ
イ)工程を経ても、酸化層11がバリア層となり、配線
材料と基板材料の相互拡散が抑制され、Inの下層配線
12a,12b,12c,12d表面への析出が防止さ
れる。このため、コンタクトホール16a,16bを介
してコンタクトしている上層配線13と下層配線12
a,12cの密着性がよく、剥がれが防止される。
【0027】このように本実施例は、下記のような特徴
を有する。 (イ) Inを含む半絶縁性基板としてのInP基板1
上に、酸化層11を介して下層配線(金属薄膜)12
a,12b,12c,12dを延設した。より詳しく
は、メサエッチングによりInP基板1上に島状の半導
体導電層30を形成し、基板1の表面に酸化層11を形
成し、その上にソース・ドレイン電極9,10と下層配
線12a〜12dを兼ねる金属薄膜を形成し、熱処理に
より金属薄膜の電極部(9,10)と半導体導電層30
とを合金化しオーミックコンタクトをとるようにした。
よって、酸化層11がバリア層となり、基板組成元素で
あるInと下層配線12a,12b,12c,12dの
組成元素との相互拡散が防止され、下層配線12a,1
2b,12c,12dの横方向の抵抗の増加および不均
一が低減される。このように、半絶縁性基板1上に下層
配線(金属薄膜)12a,12b,12c,12dを配
置した半導体装置において配線抵抗の増加を抑え、性能
および信頼性の高いものとすることができる。特に、ア
ロイオーミック電極を用いた際において、アロイオーミ
ック電極を配線として使用しても、配線抵抗の増加を起
こすことなく性能および信頼性を確保することができる
こととなる。
【0028】又、下層配線12a,12b,12c,1
2dの表面への基板組成元素の拡散が無いため、配線表
面のモホロジーが良好となり、その上に上層配線(金属
膜)13を配置する場合においても剥がれを防止するこ
とができる。 (ロ) 酸化層11の形成は酸素アッシング処理により
行うことにより熱酸化法を用いる場合に比べ、高温雰囲
気を経ることなく容易に酸化層を形成することができ
る。 (第2の実施の形態)次に、この発明の第2の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0029】本実施の形態においては、第1の実施の形
態に対し、図13に示すように、配線の抵抗を下げるた
めに下層配線12a,12b,12c,12dの上に中
間配線17を積層している。
【0030】以下、その製造方法を詳細に説明する。な
お、本実施の形態においては酸化層18(第1の実施の
形態における酸化層11相当品)の形成手段としてウェ
ットプロセスを用いている。
【0031】図8に示すように、前記第1の実施の形態
と同様に膜厚1.4μmのメサのレジストパターン14
を形成し、例えば硫酸と過酸化水素水の混合液にてエッ
チングを行いメサ形状とし、島状の半導体導電層30を
形成する。
【0032】そして、図9に示すように、メサを形成し
たレジストパターン14をそのまま用い、例えば10%
過酸化水素水に3min浸漬してレジスト開口部のIn
P基板1表面を酸化し、酸化層18を形成する。さら
に、図10に示すように、アセトン等でレジスト剥離を
行った後、AuGe/Ni/Au、それぞれ60nm、
20nm、150nmからなるソース電極9、ドレイン
電極10及び下層配線12a,12b,12c,12d
を電子ビーム蒸着法とリフトオフ法により形成し、例え
ば360℃、2minの合金化熱処理(アロイ)を行
い、ソース及びドレイン電極のオーミックコンタクトを
得る。
【0033】このとき、ソース電極9及びドレイン電極
10と島状半導体導電層30とのオーミックコンタクト
を得るための合金化熱処理(アロイ)の工程を経ても、
前記酸化層18がバリア層となり、基板1のInが下層
配線12a,12b,12c,12dの表面に析出する
ことがない。
【0034】次に、図11に示すように、配線の抵抗を
下げるために下層配線12a,12b,12c,12d
の上に電子ビーム蒸着法とリフトオフ法により中間配線
17を形成する。さらに、島状の半導体導電層30の上
面におけるソース領域とドレイン領域との間に、例えば
クエン酸と過酸化水素水の混合液でのウェットエッチン
グによりリセス31を形成する。そして、リセス31内
に、Ti/Pt/Auからなるゲート電極8を電子ビー
ム蒸着法とリフトオフ法により形成する。
【0035】次に、図12に示すように、絶縁膜として
窒化膜15を形成し、コンタクトホール16a,16b
を形成する。さらに、上層配線13を例えばメッキ法に
より形成する。
【0036】このとき、酸化層18がバリア層となって
基板1のInが下層配線12a,12b,12c,12
dの表面に析出することがないため、下層配線12a,
12b,12c,12dと中間配線17とが密着する。
【0037】このように本実施の形態では、酸化層18
により基板組成元素の配線側への拡散が防止され、下層
配線(金属配線)12a,12b,12c表面に析出す
ることがない。そのため、下層配線12a,12b,1
2c,12dと中間配線17との密着性が向上し、その
上に配置した中間配線(金属膜)17との間の剥がれを
抑制することができる。 (第3の実施の形態)次に、この発明の第3の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0038】本実施の形態では、MMICに用いられる
MIMキャパシタに適用しており、図14にはMIMキ
ャパシタの平面図を示し、図15には図14のB−B断
面図を示し、図16には図14のC−C断面図を示す。
【0039】本実施の形態では、下部電極20と絶縁膜
21と上部電極23aとを積層してMIMキャパシタと
している。以下、MMICにおけるMIMキャパシタの
製造方法を詳細に説明する。
【0040】InP基板1上に酸化層19を形成する。
その後、AuGe/Ni/Auを60nm、20nm、
150nmの膜厚で被着し、パターニングしてMIMキ
ャパシタの下部電極20を形成する。
【0041】そして、第1の実施の形態で述べたよう
に、オーミック電極の合金化熱処理(アロイ処理)及び
ゲート電極を形成する。このとき、下部電極20がオー
ミック電極の合金化熱処理(アロイ)の工程で360℃
の熱にさらされることになるが、下部電極20直下のI
nP基板1表面に酸化層19が形成されているため、下
部電極材料と基板材料の相互拡散が抑制され、下部電極
20が高抵抗になることなく、良好なMIMキャパシタ
が得られる。
【0042】引き続き、MIMキャパシタの誘電体を兼
ねる絶縁膜21を成膜する。さらに、コンタクトホール
22を形成した後、MIMキャパシタの上部電極23a
および上層配線23b,23cをメッキ法により形成す
る。このとき、酸化層19により基板組成元素が下部電
極20表面に拡散するのが防止されるため、下部電極
(下層配線)20とその上に配置した上層配線(金属
膜)23cとの間の剥がれを抑制することができる。 (第4の実施の形態)次に、この発明の第4の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0043】本実施の形態では、MMICにワイヤボン
ディングする際のパッド部およびオンウェハで電気特性
を測定する際のプローブを当てるパッド部において、下
層配線をオーミック電極と同時に形成するMMICに適
用している。
【0044】図17にはMMICの接地線27および信
号線28のワイヤボンディング用のパッド部の平面図を
示す。図18には断面図を示す。パット部において下層
部(金属膜)24の上側の上層配線(27,28)がボ
ンディングやプローブされる部位となる。
【0045】以下、MMICにおけるパッド部の製造方
法を詳細に説明する。InP基板1の表面に酸化層11
を形成した後、酸化層11上にAuGe/Ni/Auを
各々60nm、20nm、150nmの膜厚で被着し、
パターニングすることによりパッド部の下層部(金属
膜)24を形成する。
【0046】そして、第1の実施の形態で述べたよう
に、オーミック電極の合金化熱処理(アロイ)及びゲー
ト形成を行い、さらに、絶縁膜25を成膜し、コンタク
トホール26を形成する。このとき、下層部24はオー
ミック電極の合金化熱処理(アロイ)の工程で360℃
の熱にさらされることになるが、下層部24直下のIn
P基板1の表面に酸化層11が形成されており、酸化層
11がバリア層となり、基板組成元素と下層部24の組
成元素の相互拡散を防止でき、Inが下層部24表面へ
析出することがない。
【0047】その後、接地線27および信号線28とな
る上層配線(金属膜)を形成する。このとき、オーミッ
ク電極の合金化熱処理(アロイ)の工程において酸化層
11により基板組成元素の下層部24表面への拡散が防
止されるため、下層部24とその上に配置した信号線
(金属膜)27,28との間の剥がれを抑制することが
できる。
【0048】これまでの説明においては、半絶縁性基板
の上に配置した半導体導電層に能動素子としてのHEM
Tを形成した場合について述べたが、これ以外の素子を
用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態におけるMMICの一部領
域の縦断面図。
【図2】 配線が交差するエアブリッジ部Zにおける平
面図。
【図3】 図2のA−A断面図。
【図4】 製造方法を説明するための断面図。
【図5】 製造方法を説明するための断面図。
【図6】 製造方法を説明するための断面図。
【図7】 製造方法を説明するための断面図。
【図8】 第2の実施の形態における製造方法を説明す
るための断面図。
【図9】 製造方法を説明するための断面図。
【図10】 製造方法を説明するための断面図。
【図11】 製造方法を説明するための断面図。
【図12】 製造方法を説明するための断面図。
【図13】 製造方法を説明するための断面図。
【図14】 第3の実施の形態におけるMIMキャパシ
タの平面図。
【図15】 図14のB−B断面図。
【図16】 図14のC−C断面図。
【図17】 第4の実施の形態におけるMMICの信号
線および接地線のワイヤボンディング用のパッド部の平
面図。
【図18】 図17のD−D断面図。
【符号の説明】
1…半絶縁性基板としてのInP基板、9…ソース電極
(金属薄膜)、10…ドレイン電極(金属薄膜)、11
…酸化層、12a,12b,12c,12d…下層配線
(金属薄膜)、13…上層配線(金属膜)、15…絶縁
膜としての窒化膜、17…中間配線(金属薄膜)、30
…半導体導電層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/28 301 H01L 21/338 H01L 29/812

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成元素としてInを含む半絶縁性基板
    の上に金属薄膜を形成した後に熱処理を施すようにした
    半導体装置の製造方法であって、 前記半絶縁性基板の表面に酸素アッシング処理により酸
    化層を形成し、その酸化層の上に前記金属薄膜を形成す
    るようにしたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 組成元素としてInを含む半絶縁性基板
    上に島状の半導体導電層を形成する工程と、 前記半絶縁性基板の表面に酸素アッシング処理により酸
    化層を形成する工程と、 前記酸化層の上に、電極と配線とを兼ねる金属薄膜を形
    成する工程と、 熱処理により前記金属薄膜の電極部と前記半導体導電層
    とを合金化しオーミックコンタクトをとる工程とを備え
    たことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記島状の半導体導電層は、前記半絶縁
    性基板上にレジストパターンを形成してエッチングを行
    うことにより形成するものであり、 前記酸化層を形成する工程において、前記レジストパタ
    ーンを、前記酸化層を形成する際のレジストパターンと
    してそのまま用いるようにしたことを特徴とする請求項
    2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属薄膜は、AuGeを有するもの
    である請求項1〜3のうち何れか一項に記載の半導体装
    置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属薄膜上に金属膜を形成する工程
    を含む請求項1〜3のうち何れか一項に記載の半導体装
    置の製造方法
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