JP3533604B2 - 車両用トルク感知装置 - Google Patents

車両用トルク感知装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両のパワーステア
リングシステムに適用されるトルク感知装置に係り、さ
らに詳しくはハウジング内に温度補償検出コイル組立体
とスペーサ及び磁気抵抗検出コイル組立体が順次に組み
立てられる車両用トルク感知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用トルク感知装置はステア
リングホイール(steering wheel)の回転力を補助する
ためのパワーステアリングシステム(Power steering s
ystem)に使われるもので、ステアリングホイールの回転
時トーションバーの捻れ状態を感知する機能を行う。
【0003】図1はこのような従来の車両用トルク感知
装置の内部仕組みを示した図である。
【0004】図1を参照すれば、従来の車両用トルク感
知装置は入力軸1aの下端とピニオン軸1bの上端を同
軸上に連結するトーションバー1cと、該入力軸1aと
ピニオン軸1bの連結部の外周に一定間隔に離隔配置さ
れる複数個の検出リング4、5、6と、入力軸1a及び
ピニオン軸1bが貫着されるハウジング2を備える。
【0005】ピニオン軸1bの下端は輪(図示せず)側と
連結され、入力軸1aの上端はステアリングホイール
(図示せず)と結合されることにより、ステアリングホイ
ールの回転によりトーションバー1cが捻れながらピニ
オン軸1bが回転する。
【0006】複数個の検出リング4、5、6は入力軸1
aの外周に結合されステアリングホイールと等角度に回
動する第1検出リング4と第2検出リング5、そしてピ
ニオン軸1bの外周に結合され輪とほぼ等角度に回動す
る第3検出リング6とに区別される。また、第1検出リ
ング4と第2検出リング5の下面及び第3検出リング6
の上面にはそれぞれ凹凸が繰り返されたのこ歯部4a、
5a、6aが形成されている。
【0007】そして、ハウジング2の内部には検出リン
グ4、5、6ののこ歯部4a、5a、6aを包みながら
これらと相互作用して磁気回路を形成するようにコイル
7a、8aが巻線された温度補償検出コイル組立体7と
磁気抵抗検出コイル組立体8が配置される。
【0008】温度補償検出コイル組立体7は第1検出リ
ング4と第2検出リング5との間を包み、磁気抵抗検出
コイル組立体8は第2検出リング5と第3検出リング6
の間を包むように配置されるが、これらの間にはスペー
サ9が介在される。
【0009】また、ハウジング2の下部には温度補償検
出コイル組立体7と磁気抵抗検出コイル組立体8を堅固
に位置決めするために所定厚さを有するリング状のスト
ッパスクリュー3が結合される。該ストッパスクリュー
3は外周に雄ねじが加工されハウジング2の下部に螺合
される。
【0010】このように構成された従来のトルク感知装
置つき車両において、運転者がステアリングホイールを
操作することにより入力軸1aとピニオン軸1bが一体
に回転するが、輪と路面との摩擦力によりトーションバ
ー1cが捻れる。すなわち、ステアリングホイール側と
結合されたトーションバー1cの上端が輪側と結合され
た下端より多く回転する。
【0011】従って、第1検出リング4と第2検出リン
グ5の対向面積は変らないが、第2検出リング5と第3
検出リング6ののこ歯部5a、6aの対向面積が変る。
【0012】かかる第2検出リング5と第3検出リング
6の対向面積の変化により磁気抵抗検出コイル組立体8
のインダクタンス値が変り、この変ったインダクタンス
値を測定してステアリングホイールと輪との回転偏差を
検出する。
【0013】しかし、従来のトルク感知装置はハウジン
グ2内に温度補償検出コイル組立体7とスペーサ9及び
磁気抵抗検出コイル組立体8を順次に挿入し、ストッパ
スクリュー3を介してこれらを加圧固定すべきなので、
各構成部品らの組立作業性が劣化する短所がある。
【0014】また、温度補償検出コイル組立体7とスペ
ーサ9及び磁気抵抗検出コイル組立体8は温度変化に伴
う熱膨張時変形空間を確保するためにハウジング2内で
やや動けるように配置されている。これにより外部から
振動や衝撃などが伝達されれば、温度補償検出コイル組
立体7及び磁気抵抗検出コイル組立体8の初期組立位置
が変り、トーションバー1cに働くトルクを正確に検出
できなくて製品信頼性が低下する問題点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
を解決するために案出されたことで、その目的は検出コ
イル組立体の固定構造を改善して初期に組立てられた位
置を堅固に維持させることにより、トルク検出を正確に
行える車両用トルク感知装置を提供するところにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するための本発明は、ステアリングホイール側と結合さ
れる入力軸と、入力軸にトーションバーを媒介として同
軸上に連結されたピニオン軸と、ピニオン軸と入力軸の
連結部の外周に設けられた複数の検出リングと、検出リ
ングが内部に置かれるようにピニオン軸と入力軸が貫着
されるハウジングと、検出リング間の外郭を包むように
ハウジングに組み込まれる検出コイル組立体を備えた車
両用トルク感知装置において、ハウジング内壁と検出コ
イル組立体の外周との間には帯状のグルーブが設けら
れ、グルーブには検出コイル組立体を包むようにモール
ディングされ検出コイル組立体を位置決めするための弾
性材質の固定部材が設けられ、ハウジングには固定部材
を注入するためにグルーブと連通されるように注入口が
設けられることを特徴とする。
【0017】また、グルーブは検出コイル組立体の外周
と対向するハウジングの内壁に設けられることを特徴と
する。
【0018】また、ハウジングには検出コイル組立体と
接続されたケーブルの引き出しのための引出口が設けら
れ、引出口はグルーブと連通されこれらを通して固定部
材を注入することを特徴とする。
【0019】そして、グルーブは検出コイル組立体の外
周に円周方向に設けられ、ハウジングには固定部材を注
入するために検出コイル組立体を予備組立てた状態でグ
ルーブと連通されるように注入口が設けられることを特
徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基づき本発
明の望ましい実施例を詳細に説明する。
【0021】本発明の第1実施例による車両用トルク感
知装置は、図2に示した通り、トーションバー12を媒
介として同軸上に連なった入力軸10とピニオン軸1
1、該入力軸10とピニオン軸11との連結部の外周に
設けられた複数個の検出リング13、14、15、入力
軸10とピニオン軸11が貫着され複数個の検出リング
13、14、15を包むように設けられたハウジング2
0、該ハウジング20の外側に装着されインダクタンス
変化値を感知して制御部(図示せず)に電気的信号を伝え
るPCBユニット70を備えている。
【0022】入力軸10は上端が車両のステアリングホ
イール(図示せず)と結合され一体に回転する。ピニオン
軸11はハウジング20を貫通するように配置され、こ
の下端には輪(図示せず)側と結合されたラックバー(図
示せず)と噛合うようにピニオンギア11aが加工され
る。
【0023】そしてトーションバー12はピニオン軸1
1と入力軸10を同軸上に連結してステアリングホイー
ルの操作によりこれらを一体に連動させるが、このため
トーションバー12の上端は平行ピン12aを介して入
力軸10に固定され、この下端はピニオン軸11に押着
される。
【0024】複数個の検出リング13、14、15は磁
性体よりなり入力軸10とピニオン軸11の連結部に互
いに一定した間隔を維持するように配置されるが、入力
軸10の下端の外周に設けられ一体に動く第1検出リン
グ13と第2検出リング14、該第2検出リング14と
対応するようにピニオン軸11の上端の外周に配置され
た第3検出リング15とに区別される。このような第1
検出リング13と第2検出リング14の下面と第3検出
リング15の上面には多数の凹凸が交互になされたのこ
歯部13a、14a、15aが形成されている。
【0025】そして、ハウジング20は内部に上下部が
開放されるように収容空間22が形成された筒状よりな
されており、入力軸10が上側方向に、ピニオン軸11
が下側方向に露出されるようにこれらを結合すれば、第
1検出リング13と第2検出リング14及び第3検出リ
ング15は収容空間22の中心部に置かれる。この際、
入力軸11はローラ軸受22を介してハウジング20に
回転自在に設けられる。
【0026】また、ハウジング20内の収容空間22に
は、図3に示した通り、第1検出リング13と第2検出
リング14との間の外側の周りを包む温度補償検出コイ
ル組立体30と、第2検出リング14と第3検出リング
15との外側の周りを包む磁気抵抗検出コイル組立体4
0が順次に組み立てられる。温度補償検出コイル組立体
30と磁気抵抗検出コイル組立体40はコイル32、4
2が巻線されたボビン31、41と、ボビン31、41
が嵌着されるボビンハウジング33、43をそれぞれ備
え、これらは所定の厚さを有するように設けられたスペ
ーサ50を媒介としてハウジング20内に一定した間隔
を維持しながらやや動けるように配置される。
【0027】そして、温度補償検出コイル組立体30と
磁気抵抗検出コイル組立体40は外部に延びたケーブル
71を介してPCBユニット70と電気的に接続されて
いる。このためPCBユニット70が装着されるハウジ
ング20の壁面の一部領域にはケーブル71を外部に引
き出させるための引出口25が加工されている。未説明
符号“60”は検出コイル組立体30、40の離脱を防
止するためにハウジング20の下部に螺合方式で組立て
られるリング状のストッパスクリューである。
【0028】一方、順次に配置される温度補償検出コイ
ル組立体30とスペーサ50及び磁気抵抗検出コイル組
立体40を位置決めするため、ハウジング20内には弾
性材質の固定部材80(図2参照)が型込め機を通してモ
ールディングされているが、図3ないし図6を参照して
温度補償検出コイル組立体30と磁気抵抗検出コイル組
立体40の配置構造をさらに詳しく説明すれば次の通り
である。
【0029】図3を参照すれば、ハウジング20の内
周、すなわち収容空間21の壁面には2個のグルーブ(G
ROOVE)23、24が環状に加工されているが、これは温
度補償検出コイル組立体30と磁気抵抗検出コイル組立
体40がハウジング20内に予備組立てられた状態で各
ボビンハウジング33、43の外周中心部と対応する部
分に設けられる。
【0030】上側に置かれた第1グルーブ23は温度補
償検出コイル組立体30と対応する位置に、下側に置か
れた第2グルーブ24は磁気抵抗検出コイル組立体40
と対応する位置に所定深さを有するように帯状にそれぞ
れ設けられる。
【0031】また、ハウジング20の壁面には第1、第
2グルーブ23、24に溶融状態の固定部材80を注入
するための二個の注入口26、27が形成されている。
この注入口26、27らは引出口25と対応位置に開い
てあるが、上側に置かれた第1注入口26は第1グルー
ブ23と連通され、下側に置かれた第2注入口27は第
2グルーブ24と連通される。
【0032】従って、図4に示した通り、ハウジング2
0内に温度補償検出コイル組立体30とスペーサ50及
び磁気抵抗検出コイル組立体40を順次に予備組立てて
引出口25を介してケーブル71を外部に抜き取れば、
温度補償検出コイル組立体30の外周中央部は第1グル
ーブ23と、磁気抵抗検出コイル組立体40の外周中央
部は第2グルーブ24と対応して位置する。
【0033】このような状態で第1注入口26と第2注
入口27を介して自体弾性力を有する溶融状態の固定部
材80を強いて注入すれば、図5及び図6に示した通
り、これは第1グルーブ23と第2グルーブ24内に充
填されながら帯状に成形されると共に、温度補償検出コ
イル組立体30と磁気抵抗検出コイル組立体40の外周
中央部に密着される。本実施例において固定部材80は
ゴムの一種であってダンピング力に優れた“SANTOPLENE
MOLDER”であるが、これが硬化されながら温度補償検
出コイル組立体30と磁気抵抗検出コイル組立体40を
半径方向で支持固定する。
【0034】すなわち、弾性力を有する固定部材80が
順次に配置された温度補償検出コイル組立体30と磁気
抵抗検出コイル組立体40の外周と密着されながら第1
グルーブ23と第2グルーブ24内で硬化されるため、
構成部品らは収容空間21の壁面との隙間が無くなって
堅固に固着される。この際、外部からの衝撃及び振動が
加われば、温度補償検出コイル組立体30と磁気抵抗検
出コイル組立体40らは軸方向及び半径方向にやや動け
るが、これは固定部材80が自体弾性力を有しているか
らである。引き続き、ハウジング20の底部にストッパ
スクリュー60を締め付ければ、これに組み込まれた構
成部品らの離脱はさらに確実に防止される。
【0035】次はこのように構成された本発明の第1実
施例によるトルク感知装置の作用及び効果を説明する。
【0036】まず、本発明に係るトルク感知装置つき車
両が走行している状態で運転者がステアリングホイール
を操作すれば、入力軸10とトーションバー12及びピ
ニオン軸11を介して輪がステアリングされ走行方向が
変る。
【0037】この際、ステアリングホイールに一定以上
のステアリング力が作用すれば、輪と路面との摩擦力の
ためステアリングホイールを介して直接に回転する入力
軸10よりトーションバー12に連なったピニオン軸1
1の回転角が減ってトーションバー12が捻れる。
【0038】これにより第2検出リング14ののこ歯部
14aと第3検出リング15ののこ歯部15aの対向面
積が変り、磁気抵抗検出コイル組立体40のインダクタ
ンス値が変ると共にコイル42に流れる誘起電圧が変
る。
【0039】この誘起電圧の変化はコイル42の磁気抵
抗変化によることで、PCBユニット70を介して制御
部(図示せず)に入力され、引き続き制御部では入力した
信号に基づきステアリング偏差を測定判断し、動力手段
(図示せず)を稼働してこれを補償する。
【0040】このようなトルク感知装置の作動中に外部
から振動や衝撃などが加わるが、これは自体的に弾性復
元力を有している固定部材80により吸収される。
【0041】すなわち、外部から振動や衝撃が伝われれ
ばハウジング20内で温度補償検出コイル組立体30と
磁気抵抗検出コイル組立体40の外郭を堅固に包んでい
る固定部材80が弾性変形されながらダンピング作用を
行い、これにより温度補償検出コイル組立体30とスペ
ーサ50及び磁気抵抗検出コイル組立体50の組立位置
が軸方向及び半径方向に変らず初期状態のまま維持され
ることにより、トーションバー12に働くトルクを正確
に検出することができる。
【0042】また、トルク感知装置の作動中ハウジング
20の内部温度は125℃まで上昇し、温度変化により
各構成部品らは熱膨張することになる。このような温度
補償検出コイル組立体30と磁気抵抗検出コイル組立体
40の熱膨張時固定部材80が弾性変形しながら膨張空
間が十分に確保されることにより、各部品の損傷が防止
される。
【0043】次いで、本発明の第2実施例による車両用
トルク感知装置を説明する(本発明の第2実施例による
車両用トルク感知装置は固定部材がモールディングされ
るグルーブの構成位置を除けば第1実施例と実質的に同
一なので、同一な構成要素については同一符号を付し、
これに対する詳しい説明は省く)。
【0044】図7を参照すれば、本発明の第2実施例に
よる車両用トルク感知装置にはハウジング20の収容空
間21に温度補償検出コイル組立体30とスペーサ50
及び磁気抵抗検出コイル組立体40が順次に挿入される
が、これらを位置決めするために各検出コイル組立体3
0、40の外周に凹設された第1、第2グルーブ34、
44と、該第1、第2グルーブ34、44内で硬化され
る弾性材質の固定部材80(図8参照)を備えている。
【0045】第1グルーブ34は温度補償検出コイル組
立体30のボビンハウジング33の外側中心部に沿っ
て、第2グルーブ44は磁気抵抗検出コイル組立体40
のボビンハウジング43の外側中心部に沿って円周方向
に設けられるが、溶融状態の固定部材80が序定量注入
されながら硬化され得るように若干の深さと幅を有す
る。
【0046】そして、温度補償検出コイル組立体30と
スペーサ50及び磁気抵抗検出コイル組立体40がハウ
ジング20の収容空間21内に予備組立てられた状態で
第1、2グルーブ34、44と対応する位置のハウジン
グ20の壁面には溶融状態の固定部材80の注入のため
の第1注入口26と第2注入口27が開いてある。
【0047】これによりハウジング20の収容空間21
内に温度補償検出コイル組立体30とスペーサ50及び
磁気抵抗検出コイル組立体40を順次に予備組立てて引
出口25を介してケーブル71を外部に抜き取れば、温
度補償検出コイル組立体30の外周に形成された第1グ
ルーブ34は第1注入部26と、磁気抵抗検出コイル組
立体40の外周に形成された第2グルーブ44は第2注
入口27とそれぞれ連通される。
【0048】引き続き、第1、第2注入口26、27を
通して自体弾性力を有する溶融状態の固定部材80を強
いて注入すれば、図8及び図9に示した通り、これは第
1、第2グルーブ34、44内に充填されながら硬化さ
れると共に、ハウジング20の内壁に取付けられ、これ
により温度補償検出コイル組立体30と磁気抵抗検出コ
イル組立体40が位置決めされる。
【0049】つまり、弾性力を有する固定部材80が第
1、第2グルーブ34、44で硬化されながらハウジン
グ20の内壁に密着されるため、温度補償検出コイル組
立体30と磁気抵抗検出コイル組立体40はハウジング
20の内壁との間隙が無くなって堅固に固着される。引
き続き、ハウジング20の底部にストッパスクリュー6
0を締め付ければ、これに組み込まれた構成部品らの軸
方向離脱を確実に防止することができる。
【0050】この際も外部からの衝撃及び振動が加われ
ば、固定部材80が自体弾性力を有しているため温度補
償検出コイル組立体30と磁気抵抗検出コイル組立体4
0は軸方向及び半径方向にやや動ける。
【0051】このような本発明の第2実施例によるトル
ク感知装置の作用は第1実施例と実質的に同一なので、
これに対する説明は省く。
【0052】次は、本発明の第3実施例による車両用ト
ルク感知装置を説明する(本発明の第3実施例による車
両用トルク感知装置は固定部材の注入構造を除けば第1
実施例と実質的に同一なので、同一な構成要素について
は同一符号を付し、これに対する詳細な説明は省
く。)。
【0053】図10を参照すれば、本発明の第3実施例
による車両用トルク感知装置にもハウジング20の収容
空間21に順次に挿入される温度補償検出コイル組立体
30とスペーサ50及び磁気抵抗検出コイル組立体40
を位置決めさせるために、ハウジング20の内壁、すな
わち収容空間21の壁面に帯状に設けられた第1、第2
グルーブ23、24と、第1、第2グルーブ23、24
内にモルディング装置を通してモルディングされ成形さ
れる固定部材80を備えている。
【0054】第1グルーブ23は温度補償検出コイル組立
体30のボビンハウジング33の外側中心部と対応する
ように、第2グルーブ24は磁気抵抗検出コイル組立体
40のボビンハウジング43の外側中心部と対応して設
けられる。このような第1、第2グルーブ23、24の
一部領域はケーブル71の引き出しのために加工された
引出口25の上下側と連通されている。すなわち、第1
グルーブ23と第2グルーブ24は引出口25を介して
連通される。
【0055】これにより図11に示した通り、ハウジン
グ20の収容空間21内に温度補償検出コイル組立体3
0とスぺーサ50及び磁気抵抗検出コイル組立体40を
順次に予備組立てて引出口25を介してケーブル71の
外部に抜き取れば、温度補償検出コイル組立体30の外
周の中央部は第1グルーブ23と、磁気抵抗検出コイル
組立体40の外周の中央部は第2グルーブ24と対応し
て位置する。
【0056】このような状態で引出口25を介して溶融
状態の固定部材80を強いて注入すれば、図12及び図
13に示した通り、これは第1、第2グルーブ23、2
4内に充填されながら硬化されると共に、温度補償検出
コイル組立体30及び磁気抵抗検出コイル組立体40の
外壁に取付けられこれらを半径方向で固定する。
【0057】つまり、自体弾性力を有している固定部材
80を介して温度補償検出コイル組立体30と磁気抵抗
検出コイル組立体40はハウジング20の内壁との間隙
が無くなって堅固に固着される。引き続き、ストッパス
クリュー60を締め付ければ、これに組み込まれた構成
部品らの軸方向離脱が確実に防止される。
【0058】このような本発明の第3実施例によるトル
ク感知装置の作用も第1実施例と実質的に同一なのでこ
れに対する説明は省く。
【0059】一方、本発明に係るトルク感知装置におい
てストッパスクリュー60を組立てたことと実施例を説
明したが、自体弾性力を有している固定部材80のみを
通しても温度補償検出コイル組立体30と磁気抵抗検出
コイル組立体40の半径方向は勿論、軸方向にも堅固に
支持されることにより、ストッパスクリュー60を適用
しなくても各構成部品らの離脱を十分防ぐことができ
る。
【0060】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明に係る車両用ト
ルク感知装置によれば、ハウジング内壁と各検出コイル
組立体の外周との間に設けたグルーブ内に、該グルーブ
と連通されるように設けた注入口を通して、ダンピング
力に優れた弾性材質の固定部材が注入成形され、各構成
部品らが堅固に支持されることにより、外部から振動や
衝撃が伝わっても固定部材の自体ダンピング力により吸
収され、温度変化に伴ってハウジング内で構成部品らが
熱膨張する場合も固定部材が弾性変形され熱膨張空間を
確保する。これにより各構成部品らが半径方向及び軸方
向に組立位置が変ることを防ぐことにより、トーション
バーに働くトルクを正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の車両用トルク感知装置を概略的に示した
断面図。
【図2】本発明の第1実施例による車両用トルク感知装
置の断面図。
【図3】図2に示されたハウジングの内部仕組みを抜粋
して示した概略図。
【図4】本発明の第1実施例による検出コイル組立体の
予備組立図。
【図5】本発明の第1実施例による検出コイル組立体の
組立状態を示した図。
【図6】図5の"A"部を抜粋して示した拡大図。
【図7】本発明の第2実施例による検出コイル組立体の
予備組立図。
【図8】本発明の第2実施例による検出コイル組立体の
組立状態を示した図。
【図9】図8の"B"部を抜粋して示した拡大図。
【図10】本発明の第3実施例によるハウジングの内部
仕組みを抜粋して示した概略図。
【図11】本発明の第3実施例による検出コイル組立体
の予備組立図。
【図12】本発明の第3実施例による検出コイル組立体
の組立状態を示した図。
【図13】図12の"C"部を抜粋して示した拡大図。
【符号の説明】
20 ハウジング 23、24、34、44 グルーブ 25 引出口 26、27 注入口 30、40 検出コイル組立体 33、43 ボビンハウジング 80 固定部材
フロントページの続き (72)発明者 南宮鑄 大韓民国 江原▲道▼ 原州市 丹丘洞 元興 4次 アパート 101洞 1603 號 (72)発明者 金智雄 大韓民国 京畿▲道▼ 軍浦市 山本洞 住公アパート 1005洞 205號 (72)発明者 金基元 大韓民国 京畿▲道▼ ▲平▼澤市 浦 升面 晩湖里 343−1 (56)参考文献 特開 平6−122454(JP,A) 特開2002−296128(JP,A) 特開 平5−118938(JP,A) 特開 平5−113377(JP,A) 実開 平4−38540(JP,U) 実開 平2−128931(JP,U) 実開 平6−47832(JP,U) 実開 平6−18935(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 5/04 G01L 3/10 G01L 5/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイール側と結合される入
    力軸と、前記入力軸にトーションバーを媒介として同軸
    上に連結されたピニオン軸と、前記ピニオン軸と入力軸
    の連結部位の外周に設けられた複数の検出リングと、前
    記検出リングが内部に置かれるように前記ピニオン軸と
    入力軸が貫着されるハウジングと、前記検出リング間の
    外郭を包むように前記ハウジングに組込まれる検出コイ
    ル組立体を備えた車両用トルク感知装置において、 前記ハウジング内壁と前記検出コイル組立体の外周との
    間には帯状のグルーブが設けられ、 前記グルーブには前記検出コイル組立体を包むようにモ
    ールディングされ前記検出コイル組立体を位置決めする
    ための弾性材質の固定部材が設けられ 前記ハウジングには固定部材を注入するために前記グル
    ーブと連通されるように注入口が設けられ ることを特徴
    とする車両用トルク感知装置
  2. 【請求項2】 前記グルーブは前記検出コイル組立体の
    外周と対向する前記ハウジングの内壁に設けられること
    を特徴とする請求項1に記載の車両用トルク感知装置。
  3. 【請求項3】 前記ハウジングには前記検出コイル組立
    体と接続されたケーブルの引き出しのための引出口が設
    けられ、 前記引出口は前記グルーブと連通されこれを介して前記
    固定部材を注入することを特徴とする請求項2に記載の
    車両用トルク感知装置。
  4. 【請求項4】 前記グルーブは前記検出コイル組立体の
    外周に円周方向に設けられ、前記ハウジングには前記固
    定部材を注入するために前記検出コイル組立体を予備組
    み立てた状態で前記グルーブと連通するように注入口が
    設けられることを特徴とする請求項1に記載の車両用ト
    ルク感知装置。
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