JP3533458B2 - 被覆金属微粒子の製造法 - Google Patents

被覆金属微粒子の製造法

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JP3533458B2
JP3533458B2 JP21927993A JP21927993A JP3533458B2 JP 3533458 B2 JP3533458 B2 JP 3533458B2 JP 21927993 A JP21927993 A JP 21927993A JP 21927993 A JP21927993 A JP 21927993A JP 3533458 B2 JP3533458 B2 JP 3533458B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属微粒子表面に被覆
形成物質を被覆した被覆金属粒子、この被覆金属粒子又
はこの被覆金属粒子を含む混合物を焼結する金属基焼結
体の製造法、及びこの方法で得られる金属基焼結体に関
する。
【0002】
【従来の技術】金属をベースとする金属基材料の高性能
化は、金属基材料の組成や組織の高度な複合化と、更に
その組織の微細化及び均質化が必要で、そのため粉末冶
金法は不可欠の製造法である。
【0003】粉末冶金法では、目的とする金属基材料を
製造するために最適な原料粉末を調製することが重要で
ある。
【0004】この原料粉末の段階で添加が可能な方法と
して、メカニカルアロイング法がある。この方法は、金
属とセラミックス、合金或いは金属間化合物等とを混合
後、アトライターと呼ばれる鋼球を入れた強力なボール
ミルで混練する方法であり、この混練時の金属粒子の破
砕、及び破砕粒子への他種の粒子の凝着の過程を経て金
属粒子内に他の粒子を分散添加させることが可能であ
り、更に粉末粒子の大きさや種類等の選択の自由度が大
きいという特徴から、従来多用されてきた。
【0005】しかし、メカニカルアロイング法は、一般
的な粉体混合法以上に不純物の混入が避けられないのみ
ならず、原理的に組織の均一化に限度があり、目的の金
属基材料とする同種又は異種の金属、セラミックス或い
は金属間化合物等の原料物質の粒子が微細であっても理
想的な均一な混合、即ち金属粒子に原料物質の粒子がむ
らなく行き渡る均一な分散は極めて困難である。仮にこ
の均一な分散が実現されたとしても、原料物質の粒子が
粒子単位で混合されるために、微視的に均一の意味にも
限界がある。特に相対的にその量が少ない場合、分布む
らが必然的に出来る。
【0006】現実には、多くの場合、金属粉体粒子や前
記原料物質の粒子が凝集して金属基材料の焼結体中に塊
状に存在したり、或いは焼結体中で偏在する。
【0007】従って、均質化を実現するためには、金属
粉体粒子一個一個に確実に目的の金属基材料とする原料
物質を分布させる必要があり、そのために、金属粉体粒
子一個一個に原料物質を被覆形成物質として被覆法によ
り均一に被覆した被覆金属粒子の製造、及び被覆金属粒
子を焼結することからなる高性能な金属基焼結体の製造
が求められている。
【0008】この金属粉体粒子上への被覆原料物質の被
覆法としては気相法、湿式メッキ法など種々の方法があ
るが、中でも気相法は、原理的に、(1)雰囲気の制御
が容易である、(2)基本的に目的の金属基焼結体とす
る前記原料物質を被覆形成物質とする被覆形成物質の選
択に制限がなく、活性金属を始めとする金属単体物質、
窒化物、炭化物、硼化物、酸化物など、いろいろな種類
の物質を被覆出来る、(3)目的とする被覆形成物質
を、不純物を混入することなく被覆出来る、(4)被覆
量を任意に制御出来るなど、他の被覆法では成し得ない
大きな特徴がある。
【0009】しかし気相法では、金属粉体粒子が、微粒
子芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子からなる芯粒子粉体
の粒子である個々の金属粒子への被覆は、以下の理由に
より不可能であった。
【0010】即ち、微粒子の金属粒子である芯粒子粉体
の粒子又は主に微粒子の金属粒子からなる芯粒子粉体の
粒子は、金属粒子同士の付着力が強いため凝集性が高
く、殆どの単一粒子が凝集体を形成する。そしてこの凝
集体は、その凝集力を上回る特別な作用を加えない限り
崩し壊すことができないために、凝集体をそのままで被
覆形成物質で被覆しても、一個一個の粒子表面への前記
被覆形成物質の被覆は不可能で、結局その表面が被覆形
成物質で被覆された被覆凝集体が生成することになる。
【0011】これにより凝集体を形成する個々の粒子
は、凝集体表面に位置する粒子では粒子表面は被覆量は
多いものの、被覆むらが生じたり凝集体内部に位置する
粒子では全く被覆されないという問題があった。
【0012】上記の問題を解決しようとして、被覆され
るべき微粒子の芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子からな
る芯粒子粉体の粒子の個々の表面に被覆する目的で粒子
を分散させて被覆するという試みは既になされていた。
【0013】例えば、特開昭58−31076号公報に
開示されている装置・方法によれば、PVD装置内に設
置された容器の中に芯粒子粉体の粒子を入れ、容器を電
磁気的な方法により振動させ、前記容器内の芯粒子を転
動させながらPVD法により被覆する。又、特開昭61
−30663号公報に開示されている装置によれば、P
VD装置内に設置された容器の中に芯粒子粉体の粒子を
入れ、容器を機械的な方法により振動させ、前記容器内
の芯粒子を転動させながらPVD法により被覆すること
ができるとされている。しかし、これらの容器の振動に
より芯粒子粉体の粒子を転動させながら被覆する装置或
いは方法では、実際には、微粒子芯粒子粉体の粒子又は
主に微粒子からなる芯粒子粉体の粒子である金属粒子の
凝集体を崩すに要するその凝集力を上回る作用を加える
ことができないため、凝集体を崩せずに、むしろ造粒作
用が働き、容器内に導入する前以上に、より多く、或い
はより大きな凝集体を形成するだけであった。
【0014】特開平3−153864号公報に開示され
ている装置及び方法は、内面に障壁及び/又は凹凸を備
えた回転容器内に粒子を入れ、この回転容器を回転させ
ながら蒸着法により芯粒子表面に被覆を行うことを目的
とするものであるが、このような装置或いは方法におい
ては、微粒子の芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子からな
る芯粒子粉体の粒子である金属粒子の凝集体を崩すのに
要する凝集力を上回る作用を加えることができないた
め、凝集体を壊すことができないばかりか、より多く、
或いはより大きな凝集体を形成するだけであった。
【0015】特開昭58−141375号公報には、反
応ガス雰囲気中に置かれた粉体を反応ガスの流れと重力
の作用とによって浮遊させて、反応ガスの化学反応によ
り生成される析出物質によって粉体の表面を被覆する装
置が開示されている。又、特開平2−43377号公報
には、微粒子を減圧下において流動化させながら、熱化
学反応処理を行い被覆を行う方法が開示されている。特
開昭64−80437号公報には、低・高周波合成音波
により芯粒子粉体の凝集体を崩して流動化させ被覆する
方法が開示されている。これらの気流による流動層を利
用する装置或いは方法では、微粒子芯粒子粉体の粒子又
は主に微粒子からなる芯粒子粉体の粒子一個一個を流動
化させることが事実上不可能で、微粒子の芯粉体の粒子
又は主に微粒子からなる芯粒子粉体の粒子である金属粒
子の凝集体を崩せなかった。
【0016】特開昭54−153789号公報には、金
属の蒸気を発生させた真空容器内を粉末材料を落下させ
金属を被覆する装置が開示されている。又、特開昭60
−47004号公報には真空槽中の高周波プラズマ領域
にモノマーガスと粉体粒子を導入し、プラズマ重合によ
り有機物の被覆膜を形成させる方法が開示されている。
これらの装置或いは方法の如く、単に導入するだけでは
微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子からなる芯粒子
粉体の粒子である金属粒子の凝集体を壊せなかった。
【0017】
【0018】特開昭62−250172号公報には、前
処理として、ジェットミル処理した粉体を、減圧加熱処
理室に滞留させ、ここで加熱処理を施した後、粉体フィ
ーダーでスパッタリング室に自然落下で導入し、ターゲ
ットを垂直に設けた円筒状のスパッタリング室に自然落
下させて被覆する装置及び方法が開示されている。又特
開平2−153068号公報には、前処理として、ジェ
ットミル処理した粉体を、減圧加熱処理室で滞留させ、
ここで加熱処理を施した後、粉体フィーダーでスパッタ
リング室のスパッタリング源を納めた回転容器に単一粒
子でない粉体状で導入し、容器を回転さた状態でスパッ
タリングする装置及び方法が開示されている。これらの
装置及び方法では、ジェットミル処理によりその時だけ
粉体は一時的に分散されるが、被覆前の加熱工程で、こ
の粉体を滞留させる構造であり、そのような方法のた
め、仮にジェットミル処理で一時的に一次粒子状態に分
散しても加熱工程でのこの粉体の滞留のため再凝集し、
結局、被覆工程に導入される時には凝集したままであ
る。
【0019】以上のように、これまでのものでは、いず
れも微粒子の金属粒子である芯粒子粉体の粒子又は主に
微粒子の金属粒子からなる芯粒子粉体の粒子に被覆する
装置或いは方法としての問題解決はなされておらず、微
粒子の金属粒子である芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子
の金属粒子からなる芯粒子粉体の粒子は、現実には凝集
体を形成していてこれを崩すことができず、そのために
単一粒子状態に分散した状態で微粒子の金属粒子の表面
に被覆形成物質で被覆を施した被覆された金属粒子の製
造方法及び装置は知られていなかった。そのため、この
金属粒子一個一個に結合材となる物質及び/又は焼結助
剤となる物質を被覆形成物質として、気相被覆法により
均一に被覆を施した被覆された金属粒子が作製できず、
前記高性能な金属基焼結体も製造できなかった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従って、現実に、被覆
されるべき金属粒子であって、例えば10μm以下の平
均粒子径の粒子である微粒子の芯粒子粉体の粒子又は主
に微粒子からなる芯粒子粉体の粒子の単一粒子単位に、
被覆形成物質で被覆を施した被覆された金属粒子の提供
と、この被覆された金属粒子による高性能な金属基焼結
体及びその製造方法の実現が強く求められている。
【0021】本発明は、微粒子の金属粒子である芯粒子
粉体の粒子又は主に微粒子の金属粒子からなる芯粒子粉
体の粒子の単一粒子単位に、被覆形成物質で被覆を施し
た被覆された金属粒子、及びこの被覆された金属粒子に
よる、組織が微細でかつ均質であり、そして高性能な金
属基焼結体及びその製造法を提供することを目的とす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者が鋭意研究を重ねた結果、微粒子の金属粒
子である芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子の金属粒子か
らなる芯粒子粉体の粒子の単一粒子単位に、目的の金属
基焼結体製造のための添加物質を被覆形成物質として被
覆させるためには、体積基準頻度分布で平均粒子径が1
0μm以下の金属粒子である芯粒子粉体の粒子が主に単
一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・
気体混合物中の芯粒子粉体の粒子に、分散度βが70%
以上である高い分散状態の被覆空間の被覆開始領域で、
被覆を開始しなければならないことを見い出した。
【0023】すなわち、本発明の被覆金属粒子は、金属
の微粒子からなる芯粒子粉体を被覆空間に投入し、気相
を経て生成する被覆形成物質前駆体及び/又は気相状態
の被覆形成物質前駆体を、この芯粒子粉体の粒子に接触
及び/又は衝突させて、芯粒子粉体の粒子の表面を被覆
形成物質で被覆して得られる被覆金属粒子であって、 (A) 微粒子高分散処理手段群の最終処理手段が、
(a) この芯粒子粉体の粒子を気中に分散させる分散
手段、および(b) 芯粒子粉体の粒子を気中に分散さ
せた芯粒子粉体の粒子と気体との混合物において低分散
芯粒子粉体部分を分離し、芯粒子粉体の粒子が主に単一
粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物を選択する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物選択手段とこの高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物
選択手段により選択分離された低分散芯粒子粉体部分を
微粒子高分散処理手段群中の分散手段の内の最終分散手
段及び/又は最終分散手段以前の処理手段に搬送するフ
ィードバック手段とを備えた高分散芯粒子粉体の粒子・
気体混合物選択手段、から選ばれる微粒子高分散処理手
段群により、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm
以下の微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子からなる
芯粒子粉体の粒子を、気中に分散させて高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物とする分散工程、 (B) この分散工程で分散させた芯粒子粉体の粒子
を、分散度βが70%以上の分散状態で、被覆空間の被
覆開始領域において被覆形成物質前駆体と接触及び/又
は衝突させて被覆を開始する被覆工程、からなる被覆手
段によって調製された被覆金属粒子に関する。
【0024】更に本発明は、前記被覆金属粒子が、被覆
金属粒子の被覆形成物質を介して接触状態で集合塊を形
成した被覆金属粒子の集合塊を、解砕及び/又は破砕す
る被覆金属粒子集合塊の解砕・破砕工程、及び/又は被
覆金属粒子集合塊と一次粒子単位の被覆された金属粒子
とを選択分離する選択分離工程を更に経て調製されたも
のであることを特徴とする、被覆された金属粒子にも関
するものである。
【0025】更に本発明は、被覆された金属粒子が、体
積基準頻度分布で平均粒子径が10μm以下の芯粒子粉
体を、微粒子高分散処理手段群の最終処理により気中に
分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とし、
その芯粒子粉体の粒子の分散度βを70%以上とする分
散性能を有する微粒子高分散処理手段群による分散工程
を設け、微粒子高分散処理手段群により分散させた高分
散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を被覆工程に直接放出
するか、又は分散工程と被覆工程の間に、微粒子高分散
処理手段群により分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・
気体混合物を放出する放出部から、搬送に不可避の、中
空部材、中空を形成する部材からなる中間部材、及びパ
イプから選択される1種類またはそれ以上の部材を介し
て搬送するか、及び/又は、前記分散性能で気中に分散
させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物中の粒子の
気中分散状態を維持する気中分散維持手段、前記分散性
能で気中に分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混
合物中の粒子の気中分散状態を高める気中分散促進手
段、芯粒子粉体の粒子と気体との混合物の内の、低分散
芯粒子粉体部分を分離し、芯粒子粉体の粒子が主に単一
粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物を選択する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物選択手段の1種又はそれ以上を介して搬送して調製さ
れたものであることを特徴とする被覆金属粒子にも関す
るものである。
【0026】更に本発明は、被覆された金属粒子が、体
積基準頻度分布で平均粒子径が10μm以下の芯粒子粉
体を、微粒子高分散処理手段群の最終処理により気中に
分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とし、
その芯粒子粉体の粒子の分散度βを70%以上とする分
散性能を有する微粒子高分散処理手段群による分散工程
の一部以上と前記被覆工程の一部以上とを、空間を一部
以上共有して行うことにより調製されたものであること
を特徴とする、被覆金属粒子にも関するものである。
【0027】更に本発明は、被覆された金属粒子が、体
積基準頻度分布で平均粒子径が10μm以下の芯粒子粉
体を、微粒子高分散処理手段群の最終処理により気中に
分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とし、
その芯粒子粉体の粒子の分散度βを70%以上とする空
間領域の内の、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物中
の芯粒子粉体の粒子のすべての粒子が通過する面を含む
空間領域に、被覆空間の被覆開始領域を位置せしめる
か、又は体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm以下
の芯粒子粉体を、微粒子高分散処理手段群の最終処理に
より気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混
合物中とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度βを70%
以上とする空間領域の内の、回収手段の回収部に回収す
る全ての粒子が通過する面を含む空間領域に、被覆空間
の被覆開始領域を位置せしめることにより調製されたも
のであることを特徴とする被覆された金属粒子にも関す
るものである。
【0028】更に本発明は、使用する、芯粒子粉体の粒
子の粒度分布が、平均粒子径をDMとしたとき、体積基
準頻度分布で(〔DM/5,5DM〕,≧90%)である
ことを特徴とする被覆された金属粒子にも関するもので
ある。そして本発明は、上記した被覆された金属粒子又
は被覆された金属粒子を含む混合物を焼結することを特
徴とする金属基焼結体の製造法にも関する。そして本発
明はまた上記した金属基焼結体の製造法により製造した
金属基焼結体にも関する。
【0029】而して、本発明によれば、金属の微粒子か
らなる芯粒子粉体の粒子又は主に同微粒子からなる芯粒
子粉体の粒子であって、その表面が被覆形成物質で被覆
されたものを、焼結して金属基焼結体を製造するに際し
て、上記した表面が被覆形成物質で被覆された芯粒子の
金属粒子粉体として、気相法により気相を経て生成する
被覆形成物質前駆体及び/又は気相状態の被覆形成物質
前駆体と、微粒子高分散処理手段群の最終処理手段によ
り気中に分散させた平均粒子径が10μm以下の微粒子
からなる高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とを、被
覆空間の被覆開始領域で、高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物中の芯粒子粉体の粒子の分散度がβ≧70%で
ある分散状態で合流させ、接触及び/又は衝突させて金
属粒子の表面を被覆形成物質で被覆したものを用いるこ
とにより、これまでに得られなかった組織が微細で均質
でありそして高性能な金属基焼結体を得ることができ
た。そして、上記した被覆芯粒子の調製に際して、被覆
形成物質前駆体は、原子、分子、イオン、クラスター、
原子クラスター、分子クラスター、クラスターイオン等
からなる気相状態の、或は気相を経て生成したばかりの
もので、高分散状態の金属粒子と接触及び/又は衝突を
始めることにより、一次粒子状態の個々の芯粒子の表面
に被覆形成物質は強固に結合し、その結果、当該芯粒子
の表面を被覆形成物質により単一粒子単位で被覆を施し
た被覆された金属粒子が製造できるのである。
【0030】以下に本発明を詳細に説明する前に、本明
細書中に使用する用語をはじめに定義することにし、そ
して必要によってその用語の具体的内容を説明し、次い
で被覆形成物質で被覆された金属粒子の調製がどのよう
な技術的手段によって行なわれるものであるのかの説明
を行うことにする。
【0031】被覆された金属粒子 被覆された金属粒子とは、被覆が施された下記する金属
粒子をいう。例えば、具体的には、被覆形成物質が、超
微粒子状、島状、連続質状、一様な膜状、突起物状等の
内の一種以上の形態で芯粒子として金属粒子に被覆され
た粒子をいう。
【0032】金属粒子用原料粉体粒子 本発明に係る、金属粉体粒子が微粒子芯粒子粉体の粒子
又は主に微粒子からなる芯粒子粉体の粒子である金属粒
子は、一種類以上の被覆形成物質と反応及び/又は合金
化しない単体の金属、半金属、半導体等を始め、一種類
以上の被覆形成物質と反応及び/又は合金化等をして目
的とする無機化合物、合金、金属間化合物等を生成する
単体の金属、半金属、半導体等の一種類以上が選択でき
る。
【0033】気相被覆法 気相被覆法とは、被覆形成物質の原料が、分子流、イオ
ン流、プラズマ、ガス、蒸気、エアロゾルの一種以上か
らなる気相状態を少なくとも一度は経て被覆する方法、
又は気相状態の被覆形成物質の原料により被覆する方法
をいう。
【0034】芯粒子 芯粒子とは、被覆を施す対象物となる金属粒子をいう。
これはまた、母材粒子、種粒子或は被覆される粒子とも
いう。
【0035】この芯粒子を構成する物質は、周期律表第
1a、2a、3a、4a、5a、6a、7a、1b、2
b、3b、4b、5b、6b、7b、8族の金属、半導
体、半金属、希土類金属の一種類、またはこれらの二種
類以上を構成成分とする金属合金、金属間化合物からな
るもので、その具体例には例えばAl、B、Si、F
e、Ni、Co、Ti、Nb、V、Zr、Hf、Ta、
W、Re、Cr、Cu、Mo、Y、La、TiAl、T
Al、TiAl、TiNi、NiAl、Ni
lを挙げることができる。
【0036】芯粒子粉体 芯粒子粉体とは、芯粒子からなる粉体をいう。芯粒子粉
体の粒子とは、芯粒子粉体を構成する粒子をいう。本発
明において被覆に供する微粒子芯粒子粉体の粒子又は主
に微粒子からなる芯粒子粉体の粒子は、平均粒子径が体
積基準頻度分布で10μm以下である。
【0037】好ましくは、平均粒子径をDとしたと
き、Dが10μm以下で、粒度分布が体積基準頻度分
布で(〔D/5,5D〕,≧90%)のものであ
る。このような比較的分布の幅の狭い粉体では、平均粒
子径で粉体の分散特性又は凝集特性が特徴付けられ、D
の値に適した条件で微粒子高分散処理手段群を作動さ
せれば分散できる。
【0038】平均粒子径が10μm以下の芯粒子粉体の
粒子の粒度分布が、幅広い分布又は互いに離れた複数の
ピークを持つ分布の粉体では、好適には適当な選択分離
処理、例えば分級処理を行ってそれぞれ分級された粉体
ごとに、被覆処理を施す。これにより、それぞれ分級さ
れた粉体ごとに上記条件の下で、被覆空間の被覆開始領
域で分散度βが70%以上の状態で被覆が開始され、芯
粒子粉体の粒子一つ一つの粒子に被覆が可能となる。
【0039】被覆形成物質 被覆形成物質とは、被覆を施す対象物に被覆を形成する
物質をいう。例えば、具体的には、超微粒子状、島状、
連続質状、一様な膜状、突起物状等の一種以上からなる
形態で芯粒子粉体の粒子被覆を形成する物質をいう。
【0040】特に、被覆形成物質の形態が超微粒子状の
場合、この超微粒子の粒子径は、例えば0.005μm
〜0.5μmの範囲のものをいう。
【0041】この被覆形成物質は、被覆形成物質自体が
そのままで被覆を形成するか、又は被覆形成物質と芯粒
子の金属とが反応して及び/又は金属粒子に固溶して及
び/又は合金化して及び/又は二種類以上の被覆形成物
質同志が反応して及び/又は固溶して被覆を形成するた
めの目的とする無機化合物、合金、金属間化合物等の一
種類又はそれ以上を生成し、被覆された金属粒子の焼結
を促進する焼結助剤及び/又は結合材となる単体物質及
び又は化合物及び/又は金属粒子の表面改質剤となる単
体物質及び/又は化合物から選択される。この金属粒子
の粒界を制御する表面改質剤を被覆形成物質としても選
択可能である。例えば、金属粒子に表面改質剤を被覆形
成物質として被覆し、金属粒子の粒成長を抑止すること
ができる。また、金属粒子と反応及び/又は合金化及び
/又は固溶する被覆形成物質と金属粒子の間に表面改質
剤を被覆形成物質として被覆し、反応、固溶、合金化等
の速度を制御することができる。或は金属粒子の焼結を
促進する焼結助剤及び/又は結合材を被覆形成物質とし
て被覆する場合に、焼結助剤及び/又は結合材との化学
結合性を高めたり、又は個々の金属粒子を任意の物質か
ら隔離せしめ、これにより、金属粒子と任意の物質との
反応を抑止せしめることができる。何れも、被覆形成物
質の選択の幅が飛躍的に大きく広がり好適である。ま
た、金属基焼結体用被覆形成物質は、前記金属粒子より
も高融点の無機化合物、及び/又は前記金属粒子と反応
して及び/又は金属粒子に固溶して、及び/又は二種類
以上からなる被覆形成物質同士が反応及び/又は合金化
して生成する反応生成物が、この金属粒子よりも高融点
の無機化合物でなる、反応生成物を生成する被覆形成物
質が選択できる。
【0042】これらの被覆形成物質は、周期律表1a、
2a、3a、4a、5a、6a、7a、1b、2b、3
b、4b、5b、6b、7b、8族の金属、半導体、半
金属、希土類金属、非金属及びその酸化物、窒化物、炭
化物、酸窒化物、酸炭化物、炭窒化物、酸炭窒化物、硼
化物、珪化物の一種類又はそれ以上、例えばAl、B、
Si、Fe、Ni、Co、Ti、Nb、V、Zr、H
f、Ta、W、Re、Cr、Cu、Mo、Y、La、T
iAl、TiAl、TiAl、TiNi、NiA
l、NiAl、SiC、TiC、ZrC、BC、W
C、WC、HfC、VC、TaC、TaC、Nb
C、MoC、Cr、Si、TiN、Zr
N、SiO、AlN、HfN、VxN(x=1〜
3)、NbN、TaN、TaN、TiB、TiB
ZrB、VB、V、VB、NbB、Nb
、TaB、TaB、MoB、MoB、Mo
、MoB、WB、WB、W、LaB
13、MoSi、BP、Al、Zr
、MgAl(スピネル)、AlSiO
(ムライト)の一種類又はそれ以上を含む物質である
ことができる。この被覆された金属粒子表面を被覆する
被覆形成物質の被覆による添加量は、何れの焼結法を選
択しても特に制限はなく、微量から多量まで任意の量を
選択できる。
【0043】被覆空間に投入の定義 被覆空間に投入とは、例えば、自由落下等の落下によっ
て芯粒子粉体を被覆空間に導入することをいう。搬送ガ
スにより投入する場合には、芯粒子粉体を芯粒子粉体の
粒子・気体混合物の流れの方向に乗せて導入したり、気
体に乗って流れの方向へ、或いは気体に乗り方向が変え
られて導入することをいう。または、搬送ガスの作用を
受けて導入することをもいう。例えば、搬送ガスの波動
現象、具体的には非線系波動によって導入することをも
いう。或いは、ガス中の音波、超音波、磁場、電子線等
によって被覆空間に導入することをもいう。また、外
場、例えば電場、磁場、電子線等により導入することを
もいう。具体的には、電場、磁場、電子線等により粉体
粒子を帯電させ、または帯磁させ引力又は斥力により被
覆空間に導入することをもいう。また、ガスの背圧や減
圧によって吸い込まれ、導入することも含む。
【0044】被覆空間 被覆空間とは、被覆形成物質の原料から気相を経て生成
する被覆形成物質前駆体及び/又は気相状態の被覆形成
物質前駆体と芯粒子粉体の粒子が接触及び/又は衝突す
る空間をいう。あるいは、芯粒子粉体の粒子の表面を被
覆形成物質で被覆する空間領域をいう。
【0045】被覆室 被覆室とは、被覆空間を一部以上有する室をいう。より
具体的には、被覆室とは、被覆空間を含む仕切られた、
又は略仕切られた(略閉じた、半閉じた)室であって、
被覆空間を一部以上含む室である。
【0046】気中 気中とは、真空又は気相状態の空間内をいう。ここで、
本発明において、気相状態とは、分子流、イオン流、プ
ラズマ、ガス、蒸気、エアロゾルなどの状態をいう。真
空とは、技術的には、減圧状態をさす。どんな減圧下で
も、厳密にはガス、分子、原子、イオン等が含まれる。
【0047】被覆形成物質前駆体 被覆形成物質前駆体とは、被覆形成物質の前駆体であ
る。より詳しくは、気相状態の被覆形成物質の原料がそ
のまま、又は被覆形成物質の原料から気相を経て形成及
び/又は合成され、被覆を施す対象物となる粒子である
芯粒子に被覆を形成する直前までの物質をいう。被覆形
成物質前駆体は、被覆形成物質の原料から、気相を経て
形成及び/又は合成する限り、状態の制限はない。被覆
形成物質の原料が気相の場合、原料が被覆形成物質前駆
体にもなりうる。被覆形成物質前駆体そのものが気相で
あってもよい。また、被覆形成物質前駆体が反応性物質
の場合は、反応前でも良く、反応中でもよく、反応後で
もよい。被覆形成物質前駆体の具体例としては、イオ
ン、原子、分子、クラスター、原子クラスター、分子ク
ラスター、クラスターイオン、超微粒子、ガス、蒸気、
エアロゾル等が挙げられる。
【0048】被覆形成物質の原料 被覆形成物質の原料とは、気相を経て被覆を形成する物
質となる原料物質をいう。被覆形成物質の原料の形態の
具体例として、塊状の固体、粉体粒子、気体、液体等が
挙げられる。
【0049】分散度β 分散度βとは、粉体分散装置の分散性能を評価する指数
として増田、後藤氏らが提案(化学工学、第22回、秋
季大会研究発表講演要旨集、P349(1989)参
照)したように、全粒子の重量に対する、見かけの一次
粒子状態の粒子の重量の割合と定義する。ここで、見か
けの一次粒子状態の粒子とは、任意の分散状態の粉体粒
子の質量基準の頻度分布fm2と完全分散されている粉体
粒子の質量基準の頻度分布fm1のオーバーラップしてい
る部分の割合を示し、次の式のβで表される。
【0050】
【数1】 上式において、粒子径の単位(μm)は規定されるもの
ではない。
【0051】上式は質量基準で表した粒度分布を基準に
して分散度を評価しているが、本来分散度は体積基準で
表した粒度分布を基にして評価されるべきものである。
しかし粉体粒子密度が同じである場合には質量基準で表
した粒度分布と体積基準で表した粒度分布は同じにな
る。そこで実用上測定が容易な質量基準の粒度分布を測
定し、それを体積基準の粒度分布として用いている。従
って本来の分散度βは次の式及び図1(a)の斜線部分
の面積で表される。
【0052】
【数2】 上式において、粒子径の単位(μm)は規定されるもの
ではない。そして芯粒子粉体の分布及び平均粒子径は、
特に断らない限り基本的には体積基準を用いることとす
る。
【0053】体積基準頻度分布 体積基準頻度分布とは、粒子径の分布をある粒子径に含
まれる体積割合をもって表したものをいう。 (〔D1,D2〕,≧90%)の定義 (〔D1,D2〕,≧90%)分布とは、D1、D2を粒子
径、但しD1<D2とするとき、D1以上でD2以下の粒子
が体積で90%以上含まれる分布を表し、図1(b)のよ
うに斜線の部分の割合が90%以上である粒子からなる
粉体を表す。
【0054】体積基準頻度分布(〔DM/5,5DM〕,
≧90%)の定義 粒度分布が、体積基準頻度分布で(〔DM/5,5
M〕,≧90%)分布とは、DMを体積基準の平均粒子
径とするとき、DMの1/5倍の粒子径以上、DMの5倍
の粒子径以下の粒子を体積で90%以上含む分布を表
す。例えば、平均粒子径DMが5μmで体積基準頻度分
布が(〔DM/5,5DM〕,≧90%)とは、体積基準
の平均粒子径が5μmで、1μm以上且つ25μm以下
の粒子径の粒子が体積で90%以上含まれるような分布
を表す。ここで、体積基準の平均粒子径DMは、
【0055】
【数3】 f(D):体積基準頻度分布 又は技術的には、ある粒子径間隔をDi±△Di/2(△
iは区分の幅)内にある粒子群の体積をviとすると、 DM=Σ(vii)/Σvi と表される。
【0056】被覆開始領域 微粒子高分散処理手段群の最終処理後、初めて被覆が開
始される領域を被覆開始領域という。従って、微粒子高
分散処理手段群の最終処理以前では、始めて被覆が開始
される領域でも、ここでいう被覆開始領域ではない。
【0057】被覆開始領域での分散度β 本発明では、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm
以下の芯粒子粉体を、微粒子高分散処理手段群の最終の
分散処理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒
子・気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度β
を70%以上とした領域に被覆空間の被覆開始領域を位
置せしめる被覆室を設ける。この被覆空間の被覆開始領
域における分散度であれば、体積基準頻度分布で平均粒
子径が10μm以下の微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に
微粒子からなる芯粒子粉体の粒子を、実質的に粒子一個
一個の単位に気中に分散して被覆に供することができ、
被覆空間の被覆開始領域を通過する全ての芯粒子粉体の
粒子の表面の少なくとも一部と、被覆形成物質前駆体と
は接触及び/又は衝突するため、必ず粒子一個一個の単
位に被覆形成物質を付けることができる。
【0058】好適には、被覆空間の被覆開始領域におい
て、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm以下の芯
粒子粉体を、微粒子高分散処理手段群の最終処理により
気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物
とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度βを80%以上と
する。この被覆空間の被覆開始領域での分散度であれ
ば、芯粒子粉体の粒子が体積基準頻度分布で平均粒子径
が10μm以下の微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に微粒
子からなる芯粒子粉体の粒子に対して事実上芯粒子同士
による閉ざされた部分がなく、一個一個の粒子の表面の
いたるところに被覆形成物質前駆体を接触及び/又は衝
突させることが可能であり、一個一個の粒子表面にほぼ
一様に被覆できる。
【0059】より好適には、被覆空間の被覆開始領域に
おいて、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm以下
の芯粒子粉体を、微粒子高分散処理手段群の最終処理に
より気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混
合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度βを90%以
上とする。この被覆空間の被覆開始領域の分散度であれ
ば、芯粒子粉体の粒子が体積基準頻度分布で平均粒子径
が10μm以下の微粒子の芯粒子粉体の粒子又は主に微
粒子からなる芯粒子粉体の粒子であっても事実上凝集し
ておらず、一個一個の粒子の表面全てに事実上一様に被
覆できる。特に、処理能率が低くてもよいから、高品位
な被覆を行いたいときは、分散度は、95%以上がより
好ましい。この場合、微量の芯粒子粉体の粒子を処理し
て、完全分散の芯粒子粉体の粒子の気中個数濃度を低く
することにより可能となる。これにより、完全に一個一
個の粒子の全表面に一様に被覆できる。
【0060】微粒子高分散処理手段群 微粒子高分散処理手段群とは、 (A) 少なくとも分散手段を1以上有し、 (B) 最終の処理手段として、(a) 芯粒子粉体の
粒子を気中に分散させる分散手段、又は(b) 芯粒子
粉体の粒子を気中に分散させた芯粒子粉体の粒子と気体
との混合物において低分散芯粒子粉体部分を分離し、芯
粒子粉体の粒子が主に単一粒子状態で気中に存在する高
分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を選択する高分散芯
粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段とこの高分散芯粒
子粉体の粒子・気体混合物選択手段により分離された低
分散芯粒子粉体部分を微粒子高分散処理手段群中の分散
手段の内の最終分散手段及び/又は最終分散手段以前の
処理手段に搬送するフィードバック手段とを備えた高分
散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段、を有するも
のである。
【0061】好適には、体積基準頻度分布で平均粒子径
が10μm以下の芯粒子粉体を微粒子高分散処理手段群
の最終処理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度
βを70%以上とする分散性能を有するものである。
【0062】前記被覆開始領域における種々の分散度、
例えばβ≧70%、80%、90%に対応してそれらと
同等以上の分散性能の微粒子高分散処理手段群を設ける
ことにより、被覆開始領域において、各分散度に応じた
高品位な被覆を施すことができる。
【0063】最終処理手段 微粒子高分散処理手段群の最終の処理手段が分散手段の
場合、分散処理手段を微粒子高分散処理手段群の最終処
理手段という。又、微粒子高分散処理手段群の最終の処
理手段が、微粒子高分散処理手段の最終の分散手段へ、
高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択処理工程時に
於いて低分散状態であったために選択分離された部分を
搬送するフィードバック手段を備えた高分散芯粒子粉体
の粒子・気体混合物選択手段、又は最終の分散手段より
前の処理手段に、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物
選択処理工程時に於いて低分散状態であったために選択
分離された部分を搬送するフィードバック手段を備えた
高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段の場合、
この高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段を微
粒子高分散処理手段群の最終処理手段という。
【0064】尚、この微粒子高分散処理手段群の最終処
理手段であるフィードバック手段を備えた高分散芯粒子
粉体の粒子・気体混合物選択手段より前に設ける(例え
ば、このフィードバック手段を備えた高分散芯粒子粉体
の粒子・気体混合物選択手段と最終分散手段の間、或い
は最終分散手段より前)高分散芯粒子粉体の粒子・気体
混合物選択手段は、フィードバック手段の有無にかかわ
らず微粒子高分散処理手段群の構成要素である。
【0065】分散手段 微粒子を分散するために用いる手段を分散手段という。
この分散手段は、少しでも或いは僅かでも分散効果を有
するものは分散手段として使用可能であり、これを分散
手段とする。例えば、一般に供給手段として用いる空気
輸送用のロータリーフィーダーやインジェクションフィ
ーダー(粉体工学会編:“粉体工学便覧”、日刊工業新
聞社(1986)P568、P571)は、分散効果も
有するので、分散目的の手段として使用する場合は分散
手段である。後述の分散維持・促進手段も分散目的で
(βを高める目的で)使用する場合は分散手段となる。
そしてこの分散手段は単一の装置、機器である場合も、
複合された装置、機器である場合もあり、これらを総称
して微粒子高分散処理手段群と呼ぶ。
【0066】この微粒子高分散処理手段群は、芯粒子粉
体の粒子の加速及び/又は速度勾配に置く気流による分
散、芯粒子粉体の粒子の静止障害物及び/又は回転体で
なる障害物への衝突による分散、芯粒子粉体の粒子の流
動層及び/又は脈流及び/又は回転ドラム及び/又は振
動及び/又は掻取りからなる機械的解砕による分散等の
内の選択された一種類以上の分散の機構を備えたものを
いう。
【0067】具体的には、微粒子高分散処理手段群は、
エジェクタ型分散機、ベンチュリ型分散機、細管、撹拌
機、気流中の障害物を利用した分散機、ジェットの吹付
けを利用した分散機、螺旋管、回転羽根を利用した分散
機、回転するピンを利用した分散機(ケージミル)、流
動層型分散機、脈流を利用した分散機、回転ドラムを利
用した分散機、振動を利用した分散機、振動ふるい、ス
クレーパによる掻き取りを利用した分散機、SAEI、Gone
ll式分散機、中条式分散機、Roller式分散機、オリフィ
ス型分散機、B.M式分散機、Timbrell式分散機、Wright
式分散機等の内の選択された一種以上からなる分散手段
を備えたものである(粉体工学会編:“粉体工学便
覧”、日刊工業新聞社(1986)P430)。
【0068】また、特開昭56−1336号に記載の撹
拌羽根を利用した分散機、特開昭58−163454号
に記載の高速気流と分散ノズルを利用した分散機、特開
昭59−199027号に記載の回転羽根による分散作
用とプラズマイオンによる分散作用を利用した分散機、
特開昭59−207319号に記載のプラズマイオンに
よる分散作用を利用した分散機、特開昭59−2166
16号に記載のエジェクタとプラズマイオンによる分散
作用を利用した分散機、特開昭59−225728号に
記載のエジェクタとイオン流の分散作用を利用した分散
機、特開昭59−183845号に記載のプラズマイオ
ンの分散作用を利用した分散機、特開昭63−1664
21号に記載の分散羽根と圧力気体による分散作用を利
用した分散機、特開昭62−176527号に記載のラ
イン状又はリング状スリット型噴出口を用いた分散機、
特開昭63−221829号に記載の網状羽根を利用し
た分散機、特開昭63−1629号に記載の噴射ノズル
からの高速気流による分散作用を利用した分散機、実開
昭63−9218号に記載の多数の細孔を利用した分散
機、実開昭62−156854号に記載のエジェクタ型
分散機、実開昭63−6034号に記載の細孔とオリフ
ィスを利用した分散機等の公報に記載のものも使用可能
である。
【0069】微粒子高分散処理手段群に好適な分散手段
として、特願昭63−311358号、特願平1−71
071号、特願平2−218537号等に記載の装置が
挙げられる。
【0070】高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択
手段 高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段とは、芯
粒子粉体の粒子・気体混合物から、低分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物を分離し、主に単一粒子状態の微粒子
を含む高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を選択する
手段をいう。一次粒子の集合体である凝集粒子は、見か
けの粒子径が一次粒子の粒子径に比べ大きくなることか
ら、例えば乾式分級手段により分離が可能である。高分
散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段の例として
は、重力を利用した分級手段、慣性力を利用した分級手
段、遠心力を利用した分級手段、静電気を利用した分級
手段、流動層を利用した分級手段等から一種以上選択さ
れた乾式分級手段が挙げられる。
【0071】高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択
手段の例としては、重力分級機、慣性分級機、遠心分級
機、サイクロン、エアセパレータ、ミクロンセパレー
タ、ミクロプレックス、ムルチプレックス、ジグザグ分
級機、アキュカット、コニカルセパレータ、ターボクラ
シファイア、スーパセパレータ、ディスパージョンセパ
レータ、エルボジェット、流動層分級機、バーチュアル
インパクタ、O-Sepa、ふるい、バイブレーティングスク
リーン、シフタ(粉体工学会編:“粉体工学便覧”日刊
工業新聞社、P514(1986))等が挙げられる。
【0072】芯粒子粉体の粒子・気体混合物 芯粒子粉体の粒子・気体混合物とは、(a)芯粒子粉体の
粒子が気中に一様に浮遊した均質流れ(一様な浮遊流
れ)、(b)芯粒子粉体の粒子が気中のある領域で非一様
な分布を示す不均質流れ(非均質浮遊流れ)、(c)芯粒
子粉体の粒子の摺動層を伴う流れ(摺動流れ)、又は
(d)芯粒子粉体の粒子の静止層を伴う流れをいう。
【0073】低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物 低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とは、芯粒子粉体
の粒子・気体混合物の内、芯粒子粉体の粒子が主に単一
粒子状態以外の状態で気中に存在する芯粒子粉体の粒子
・気体混合物をいう。
【0074】高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物 高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とは、芯粒子粉体
の粒子が主に単一粒子状態で気中に存在する芯粒子粉体
の粒子・気体混合物をいう。高分散芯粒子粉体の粒子・
気体混合物は、極めて高分散であっても、実際には凝集
粒子を含む。低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物は、
実際には、凝集していない単粒子を含み、選択分離して
低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物と高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物に分けられる。低分散芯粒子粉体
の粒子・気体混合物は、凝集粒子の選択分離及び/又は
再分散により、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物と
なる。
【0075】回収手段 被覆空間で被覆した被覆粒子を取り出す手段を回収手段
という。回収手段の内で回収処理の行われる部分を回収
部という。被覆空間の被覆開始領域を通過して被覆した
被覆粒子は、気中から直接取り出して回収するか、又は
気中から取り出して一時的に蓄えてから回収するか、又
は、気体と共に回収される。
【0076】回収手段の回収部としては、隔壁(障害
物)を利用した回収手段の回収部、重力を利用した回収
手段の回収部、慣性力を利用した回収手段の回収部、遠
心力を利用した回収手段の回収部、帯電による引力を利
用した回収手段の回収部、熱泳動力を利用した回収手段
の回収部、ブラウン拡散を利用した回収手段の回収部、
ガスの背圧や減圧等による吸引力を利用した回収手段の
回収部等が利用可能である。
【0077】この回収手段の回収部の好適な例として、
重力集塵機、慣性集塵機、遠心力集塵機、濾過集塵機、
電気集塵機、洗浄集塵機、粒子充填層、サイクロン、バ
グフィルター、セラミックスフィルター、スクラバー等
が挙げられる。
【0078】次に、本発明で用いる被覆された金属粒子
を調製する場合に採用される微粒子高分散処理手段群を
添付の図面に基づいて説明することにする。
【0079】微粒子高分散処理手段群の図の説明 図2(a)は被覆金属粒子を調製する際の微粒子高分散処
理手段群の基本的な構成の一例を表すブロック図であ
る。芯粒子粉体の粒子を分散させる最終の分散手段A、
最終の分散手段以前の分散処理手段群の構成要素dで構
成されている。εは、芯粒子粉体の粒子の内、主に単一
粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物である。構成要素dとしては、分散手段、供給
手段、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段等
任意の処理手段を単独又は組み合わせて使用できる。構
成要素dは、必ずしも設けなくとも良い。微粒子高分散
処理手段群は、好適には最終の処理手段である分散手段
Aの処理後、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm
以下の芯粒子粉体に対し、分散度が分散度βで70%以
上を実現できる構成のものである。
【0080】図2(b)は、被覆金属粒子を調製する際の
微粒子高分散処理手段群の基本的な構成の第2の例を表
すブロック図である。芯粒子粉体の粒子を分散させる最
終の分散手段A、最終の分散手段Aへ芯粒子粉体の粒子
が、主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物、以外の低分散芯粒子粉体の粒子
・気体混合物ηをフィードバックさせるフィードバック
手段Cを備えた最終の高分散芯粒子粉体の粒子・気体混
合物選択手段B、最終の分散手段以前の分散処理手段群
の構成要素d、最終分散手段と最終選択手段の間の微粒
子高分散処理手段群の構成要素eで構成されている。ε
は、芯粒子粉体の粒子の内、主に単一粒子状態で気中に
存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物である。
構成要素dとしては、分散手段、供給手段、選択手段等
任意の処理手段を単独又は組み合わせて使用できる。構
成要素eとしては、分散手段以外の処理手段、例えば供
給手段、選択手段等任意の処理手段を単独又は組み合わ
せて使用できる。構成要素d及びeは、必ずしも設けな
くとも良い。微粒子高分散処理手段群は、好適には、最
終の処理手段である選択手段Bによる処理後、前記分布
の芯粒子粉体に対し分散度が分散度βで70%以上を実
現できる構成である。
【0081】図2(c)は、被覆された金属粒子を調製す
る際の微粒子高分散処理手段群の基本的な構成の第3の
例を表すブロック図である。芯粒子粉体の粒子を分散さ
せる最終の分散手段A、最終の分散手段Aより前の処理
手段へ芯粒子粉体の粒子が、主に単一粒子状態で気中に
存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物、以外の
低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物ηをフィードバッ
クさせるフィードバック手段Cを備えた高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物選択手段B、最終の分散手段以前
の微粒子高分散処理手段群の構成要素d、最終の分散手
段と最後の選択手段の間の微粒子高分散処理手段群の構
成要素eで構成されている。εは、芯粒子粉体の粒子の
内、主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物である。構成要素dとしては、分
散手段、供給手段、選択手段等任意の処理手段を単独又
は組み合わせて使用できる。構成要素dとしては、分散
手段以外の処理手段、例えば供給手段、選択手段等任意
の処理手段を単独又は組み合わせて使用できる。構成要
素d及びeは、必ずしも設けなくとも良い。微粒子高分
散処理手段群は、好適には、最終の処理手段である選択
手段Bによる処理後、前記分布の芯粒子粉体に対し分散
度が分散度βで70%以上を実現できる構成である。
【0082】なお、以上のような構成であるから、供給
槽、芯粒子生成手段等の粉体の供給源も本微粒子高分散
処理手段群の構成に含めてもよい。例えば図2(c)の場
合、フィードバック手段Cのフィードバック先を供給槽
とする構成も高分散処理手段群の構成として良いことは
言うまでもない。又、微粒子高分散処理手段群の分散工
程の前に、芯粒子粉体の粒子を解砕及び/又は粉砕する
解砕工程を入れても良いことは言うまでもない。
【0083】上記した微粒子高分散処理手段群の基本的
な構成の具体的な代表例をより詳細にしたブロック図に
基づいて更に詳しく説明することにする。
【0084】構成1 図3(a)は、被覆された金属粒子を調製する際の微粒子
高分散処理手段群の第1の構成を説明するブロック図で
あって図2(a)に対応するものである。本例は、被覆さ
れる芯粒子粉体を供給する供給槽100、被覆される芯
粒子粉体を分散させる最終分散手段Aから構成されてい
る。εは、芯粒子粉体の粒子の内、主に単一粒子状態で
気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物で
ある。
【0085】構成2 図3(b)は、被覆された金属粒子を調製する際の微粒子
高分散処理手段群の第2の構成を説明するブロック図で
あって図2(a)に対応するものである。本例は、被覆さ
れる芯粒子粉体を供給する供給槽100、被覆される芯
粒子粉体を分散させる分散手段a、被覆される芯粒子粉
体を分散させる最終分散手段Aから構成されている。ε
は、芯粒子粉体の粒子の内、主に単一粒子状態で気中に
存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物である。
【0086】構成3 図3(c)は、被覆された金属粒子を調製する際の微粒子
高分散処理手段群の第3の構成を説明するブロック図で
あって図2(a)に対応するものである。本例は、被覆さ
れる芯粒子粉体を供給する供給槽100、被覆される芯
粒子粉体を分散させる分散手段a、分散手段aで分散さ
せた芯粒子粉体の粒子・気体混合物のうちから主に単一
粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物、以外の低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物
ηを分散手段aへフィードバックさせるフィードバック
手段C、主に高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を最
終の分散手段Aへ導入する高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物選択手段b、被覆される芯粒子粉体を分散させ
る最終分散手段A、から構成されている。εは、芯粒子
粉体の粒子の内、主に単一粒子状態で気中に存在する高
分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物である。
【0087】構成4 図3(d)は、被覆された金属粒子を調製する際の微粒子
高分散処理手段群の第4の構成を説明するブロック図で
あって図2(b)に対応するものである。本例は、被覆さ
れる芯粒子粉体を供給する供給槽100、被覆される芯
粒子粉体を分散させる最終分散手段A、最終分散手段A
で分散させた芯粒子粉体の粒子・気体混合物のうちから
主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物、以外の低分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物ηを分散手段Aへフィードバックするフィード
バック手段C、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を
放出する最終の高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選
択手段Bから構成されている。εは、芯粒子粉体の粒子
の内、主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子
粉体の粒子・気体混合物である。
【0088】構成5 図3(e)は、被覆された金属粒子を調製する際の微粒子
高分散処理手段群の第5の構成を説明するブロック図で
あって図2(b)に対応するものである。本例は、被覆さ
れる芯粒子粉体を供給する供給槽100、被覆される芯
粒子粉体を分散させる分散手段a、被覆される芯粒子粉
体を分散させる最終分散手段A、最終分散手段Aで分散
させた芯粒子粉体の粒子・気体混合物のうちから主に単
一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・
気体混合物、以外の低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物ηを分散手段Aへフィードバックするフィードバック
手段C、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を放出す
る最終の高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段
Bから構成されている。εは、芯粒子粉体の粒子の内、
主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物である。
【0089】構成6 図3(f)は、被覆された金属粒子を調製する際の微粒子
高分散処理手段群の第6の構成を説明するブロック図で
あって図2(b)に対応するものである。本例は、被覆さ
れる芯粒子粉体を供給する供給槽100、芯粒子粉体の
粒子・気体混合物のうちから主に低分散芯粒子粉体の粒
子・気体混合物を取り除き、主に高分散芯粒子粉体の粒
子・気体混合物を分散手段Aへ導入する高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物選択手段b、選択分離された芯粒
子粉体の粒子を分散させる最終分散手段A、最終分散手
段Aで分散させた芯粒子粉体の粒子・気体混合物のうち
から主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物、以外の低分散芯粒子粉体の粒子
・気体混合物ηを分散手段Aへフィードバックさせるフ
ィードバック手段C、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混
合物を放出する最終の高分散芯粒子粉体の粒子・気体混
合物選択手段Bから構成されている。εは、芯粒子粉体
の粒子の内、主に単一粒子状態で気中に存在する高分散
芯粒子粉体の粒子・気体混合物である。
【0090】構成7 図3(g)は、被覆された金属粒子を調製する際の微粒子
高分散処理手段群の第7の構成を説明するブロック図で
あって図2(c)に対応するものである。本例は、被覆さ
れる芯粒子粉体を供給する供給槽100、被覆される芯
粒子粉体を分散させる分散手段a、被覆される芯粒子粉
体を分散させる最終分散手段A、最終分散手段Aで分散
させた芯粒子粉体の粒子・気体混合物のうちから主に単
一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・
気体混合物、以外の低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物ηを分散手段aへフィードバックするフィードバック
手段C、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を放出す
る最終の高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段
Bから構成されている。εは、芯粒子粉体の粒子の内、
主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物である。
【0091】このようにして達成された微粒子の高分散
状態を維持するために、気中分散維持手段を微粒子高分
散処理手段群と被覆室の間に付加することもできる。こ
こでいう気中分散維持手段とは、気中に分散担持された
芯粒子粉体の粒子の再凝集を防止して分散度βを維持す
る手段をいう。又、このようにして達成された芯粒子の
高分散状態を促進するために、気中分散促進手段を微粒
子高分散処理手段群と被覆室の間に付加することもでき
る。ここでいう気中分散促進手段とは、気中に分散担持
された芯粒子粉体の粒子のうち主に再凝集した粒子の再
分散を促進し、分散状態の低下を鈍らせたり、一旦低下
した分散状態を元の高分散の状態まで回復するように再
分散を促す手段をいう。
【0092】この気中分散維持手段又は気中分散促進手
段の好適な例としては、パイプ振動装置、パイプ加熱装
置、プラズマ発生装置、荷電装置等が挙げられる。
【0093】パイプ振動装置は、発振器を設置したパイ
プの振動により、気中に分散している粒子に分散機とは
言えない振動を与えることで、再凝集を抑制し高分散状
態を維持する手段又は再凝集した粒子の分散を促進する
手段である。
【0094】パイプ加熱装置は、加熱したパイプにより
搬送気体の外側から熱を加えて搬送気体を膨張させ、分
散機とは言えないほどに流速を加速して再凝集を抑制
し、再凝集した粒子の分散を促進する手段である。
【0095】プラズマ発生装置は、芯粒子粉体を分散担
持している気中にプラズマを発生させ、そのプラズマイ
オンと芯粒子との衝突により、再凝集を抑制し高分散状
態を維持する手段又は再凝集した粒子の分散を促進する
手段である。
【0096】荷電装置は、芯粒子粉体を分散担持してい
る気中に、コロナ放電、電子ビーム、放射線等の方法で
単極イオンを発生させ、単極イオン雰囲気中を通過させ
ることで粒子を単極に帯電させ、静電気の斥力により再
凝集を抑制し高分散状態を維持する手段又は再凝集した
粒子の分散を促進する手段である。
【0097】このようにして形成された微粒子の高分散
状態の芯粒子粉体は粒子の表面を被覆形成物質で被覆す
るために被覆室に送られる。この被覆室には被覆開始領
域を含む被覆空間が設けられている。
【0098】微粒子高分散処理手段群と被覆室とは直結
することが望ましいが、搬送に不可避の中空部材及び/
又はパイプを使って接続しても良い。この場合にも、被
覆開始領域でのβ≧70%を実現することが不可欠であ
る。
【0099】微粒子高分散処理手段群と被覆室を別々に
置いてその間を連結する場合は、芯粒子粉体をその分散
状態のまま被覆室へ導入してやれば良い。そのために
は、この間に芯粒子粉体の分散状態を維持するための装
置である気中分散維持手段及び/又は分散状態を高める
ための装置である気中分散促進手段及び/又は芯粒子粉
体の粒子・気体混合物から、低分散芯粒子粉体部分を分
離し、主に単一粒子状態の粒子を含む高分散芯粒子粉体
の粒子・気体混合物を選択する高分散芯粒子粉体の粒子
・気体混合物選択手段を設けることもできる。
【0100】又、被覆された金属粒子を調製するに際し
て、微粒子高分散処理手段群が、(1)被覆室、又は(2)
被覆空間、又は(3)被覆開始領域と一部以上空間を有す
ることもできる。
【0101】例えば、微粒子高分散処理手段群中の分散
空間と被覆室とを、又は微粒子高分散手段群中の分散空
間と被覆開始領域を有する被覆空間とを、又は微粒子高
分散手段群中の分散空間と被覆開始領域とを、空間的に
共有することもできる。
【0102】ここで被覆開始領域とは、β≧70%の分
散状態で搬送された高分散状態の芯粒子粉体に気相を経
て生成する被覆形成物質前駆体及び/又は気相状態の被
覆形成物質前駆体が接触及び/又は衝突し、被覆を開始
する領域を指し、次の図4(a)〜(e)で示される態様が
考慮される。すなわち、図4(a)〜(e)において被覆開
始領域は2で示される領域である。
【0103】図4(a)において粉体に対してβ≧70%
の分散状態で被覆を始める被覆空間の被覆開始領域2を
微粒子高分散処理手段群又は微粒子高分散処理手段群の
放出部1を覆って設ける。
【0104】図4(b)において微粒子高分散処理手段群
又は微粒子高分散処理手段群の放出部1から放出される
芯粒子粉体の粒子4が全て通る前記β≧70%の分散状
態で被覆を始める被覆空間の被覆開始領域2を設ける。
【0105】上記の構成により、全ての芯粒子粉体の粒
子はβ≧70%の分散状態で被覆が始められる。
【0106】図4(c)において微粒子高分散処理手段群
又は微粒子高分散処理手段群の放出部1から放出される
芯粒子粉体の粒子4の内、回収部5に入る粒子が必ず通
過する前記β≧70%の分散状態で被覆を始める被覆空
間の被覆開始領域2を設ける。
【0107】図4(d)において回収部5を囲む前記β≧
70%の分散状態で被覆を始める被覆空間の被覆開始領
域2を設ける。
【0108】図4(e)において高分散芯粒子粉体の粒子
・気体混合物の粒子のみが到達可能な位置に回収部5を
設ける。従って、ここでの領域6は重力を利用した選択
手段となる。回収部に入る高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物の粒子が、必ず通過する前記β≧70%の分散
状態で被覆を始める被覆空間の被覆開始領域2を図の斜
線部のように設ける。
【0109】β≧70%の分散状態で被覆始めた芯粒子
のみ回収でき、被覆開始領域を通っていない芯粒子と被
覆開始領域を通過した被覆粒子とは混ざることはない。
【0110】上記したところから、被覆金属粒子を製造
するための装置は、微粒子高分散処理手段群と被覆室、
又は微粒子高分散処理手段群と被覆室と回収手段から構
成されるものであるが、これらの装置の構成要素は、種
々の組み合わせ方をすることが可能で、これらの装置の
構成例を図面にもとづいて説明するとつぎのとおりであ
る。
【0111】装置の構成1 図5(a)は、被覆された金属粒子を製造するための第一
の装置の構成を説明するブロック図である。本例のこの
装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室2−B
1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、微粒子
高分散処理手段群2−C1、回収手段2−Dから構成さ
れている。微粒子高分散処理手段群2−C1は、被覆室
2−B1に直結してある。
【0112】装置の構成2 図5(b)は、被覆された金属粒子を製造するための第二
の装置の構成を説明するブロック図である。本例のこの
装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室2−B
1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、微粒子
高分散処理手段群2−C1、不可避の中空部材2−C
2、回収手段2−Dから構成されている。微粒子高分散
処理手段群2−C1は、被覆室2−B1に不可避の中空
部材2−C2を介して接続してある。
【0113】装置の構成3 図5(c)は、被覆された金属粒子を製造するための第三
の装置の構成を説明するブロック図である。本例のこの
装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室2−B
1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、微粒子
高分散処理手段群2−C1、気中分散維持手段2−C
3、回収手段2−Dから構成されている。微粒子高分散
処理手段群2−C1は、被覆室2−B1に気中分散維持
手段2−C3を介して接続してある。
【0114】装置の構成4 図5(d)は、被覆された金属粒子を製造するための第四
の装置の構成を説明するブロック図である。本例のこの
装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室2−B
1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、微粒子
高分散処理手段群2−C1、回収手段2−Dから構成さ
れている。微粒子高分散処理手段群2−C1は、被覆室
2−B1と空間を共有している。
【0115】装置の構成5 図5(e)は、被覆された金属粒子を製造するための第五
の装置の構成を説明するブロック図である。本例のこの
装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室2−B
1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、微粒子
高分散処理手段群2−C1、回収手段2−Dから構成さ
れている。微粒子高分散処理手段群2−C1は、被覆室
2−B1中に設けている。
【0116】装置の構成6 図5(f)は、被覆された金属粒子を製造するための第六
の装置の構成を説明するブロック図である。本例のこの
装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室2−B
1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、微粒子
高分散処理手段群2−C1、回収手段2−Dから構成さ
れている。微粒子高分散処理手段群2−C1の分散空間
中に、被覆室2−B1を設けている。
【0117】装置の構成7 図5(g)は、被覆された金属粒子を製造するための第七
の装置の構成を説明するブロック図である。本例のこの
装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室2−B
1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、微粒子
高分散処理手段群2−C1、回収手段2−D、再被覆供
給手段2−Eから構成されている。回収手段2−Dから
被覆後の被覆粒子を高分散処理手段群2−C1に再被覆
供給手段2−Eにより搬送して、繰り返して被覆処理が
行える。かかる構成の装置のいずれかにより、被覆金属
粒子が製造されるものである。
【0118】上記のようにして金属粒子である芯粒子粉
体を被覆形成物質で被覆した被覆粒子について、再び被
覆形成物質で被覆すること、またはこの再被覆を反復す
ることもできる。この場合、被覆粒子は再被覆供給手段
に送られる。ここで、再被覆供給手段とは、再被覆を行
うために被覆後の被覆粒子を微粒子高分散処理手段群へ
搬送する手段をいう。具体的には、(a)被覆粒子を回
収する回収手段、及び(b)この回収手段から微粒子高
分散処理手段群に被覆粒子を搬送する被覆粒子搬送手段
を備えた手段である。または、(a)被覆粒子を回収す
る回収手段、(b)この回収手段から微粒子高分散処理
手段群に被覆粒子を搬送する被覆粒子搬送手段、(c)
及び被覆後の被覆粒子を分級する被覆粒子分級手段を備
えた手段である。被覆量が多い場合、被覆前の芯粒子粉
体の粒子の粒度分布と被覆後の被覆粒子の粒度分布は変
わってしまう。そこで、被覆後の被覆粒子の粒度分布を
被覆粒子分級手段により調整し、再被覆処理を行えば効
果的である。
【0119】この再被覆処理は、必要によって繰り返す
ことが出来、そして被覆形成物質の被覆量を所望のもの
に設定することが出来る。更に、この被覆形成物質の種
類を変えてこの被覆処理を繰り返すことが出来、このよ
うにして複数成分の物質を被覆形成物質として多重被覆
することも出来る。
【0120】
【0121】本発明で用いる被覆粒子の製造装置は、被
覆形成物質が、気相を経る気相法によって、芯粒子粉体
の粒子表面に被覆される被覆粒子の製造装置であれば制
限はない。例えば、化学蒸着(CVD)装置としては、
熱CVD装置、プラズマCVD装置、電磁波を利用した
CVD(可視光線CVD、レーザCVD、紫外線CV
D、赤外線CVD、遠赤外線CVD)装置、MOCVD
装置等、或いは、物理蒸着(PVD)装置としては、真
空蒸着装置、イオンスパッタリング装置、イオンプレー
ティング装置等が適用可能である。より具体的には、例
えば、特開平3−75302号公報の超微粒子で表面が
被覆された粒子およびその製造方法に記載の被覆粒子製
造装置が好適である。
【0122】
【0123】以上述べた通り、本発明では金属粒子であ
る微粒子芯粒子粉体、又は主に微粒子からなる芯粒子粉
体の粒子を被覆空間に投入し気相を経て生成する被覆形
成物質前駆体及び/又は気相状態の被覆形成物質前駆体
をこの芯粒子粉体の粒子に接触及び/又は衝突させてこ
の芯粒子粉体の粒子の表面を被覆形成物質で被覆する被
覆金属粒子が製造されるが、本発明の基本的な工程を要
約すると次の通りである。
【0124】I (A) 微粒子高分散処理手段群により、体積基準頻度
分布で平均粒子径が10μm以下の微粒子芯粒子粉体の
粒子又は主に微粒子からなる芯粒子粉体の粒子を、気中
に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とす
る分散工程、(B) この分散工程で分散させた高分散
芯粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体の粒子を、
分散度βが70%以上の分散状態で、被覆空間の被覆開
始領域において被覆形成物質前駆体と接触及び/又は衝
突させて被覆を開始する被覆工程、を設けた被覆法。
【0125】II (A) 体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm以下
の微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子からなる芯粒
子粉体の粒子を、微粒子高分散処理手段群により分散さ
せた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体
の粒子の分散度βが70%以上を実現する微粒子高分散
処理手段群により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物とする分散工程、(B) この分散工
程で分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の
芯粒子粉体の粒子を、分散度βが70%以上の分散状態
で、被覆空間の被覆開始領域において被覆形成物質前駆
体と接触及び/又は衝突させて被覆を開始する被覆工
程、を設けた被覆法。
【0126】III (A) 体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm以下
の微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子からなる芯粒
子粉体の粒子を、微粒子高分散処理手段群により分散さ
せた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体
の粒子の分散度βが70%以上を実現する微粒子高分散
処理手段群により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物とする分散工程、(B) この分散工
程で分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の
芯粒子粉体の粒子を、被覆工程に直接搬送する搬送工
程、(C) この搬送工程で搬送した高分散芯粒子粉体
の粒子・気体混合物の芯粒子粉体の粒子を、分散度βが
70%以上の分散状態で、被覆空間の被覆開始領域にお
いて被覆形成物質前駆体と接触及び/又は衝突させて被
覆を開始する被覆工程、を設けた被覆法。
【0127】IV (A) 体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm以下
の微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子からなる芯粒
子粉体の粒子を、微粒子高分散処理手段群により分散さ
せた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体
の粒子の分散度βが70%以上を実現する微粒子高分散
処理手段群により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物とする分散工程、(B) この分散工
程で分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の
芯粒子粉体の粒子を、搬送に不可避の、中空部材、中空
を形成する部材からなる中間部材、及びパイプから選択
される1種類又はそれ以上の部材を介して搬送する搬送
工程、(C) この搬送工程で搬送した高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体の粒子を、分散度β
が70%以上の分散状態で、被覆空間の被覆開始領域に
おいて被覆形成物質前駆体と接触及び/又は衝突させて
被覆を開始する被覆工程、を設けた被覆法。
【0128】V (A) 体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm以下
の微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子からなる芯粒
子粉体の粒子を、微粒子高分散処理手段群により分散さ
せた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体
の粒子の分散度βが70%以上を実現する微粒子高分散
処理手段群により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物とする分散工程、(B) この分散工
程で分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の
芯粒子粉体の粒子を、この分散性能で気中に分散させた
高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体の粒
子の気中分散状態を維持する気中分散維持手段、この高
分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体の粒子
の気中分散状態を高める気中分散促進手段、芯粒子粉体
の粒子と気体との混合物において低分散芯粒子粉体の粒
子・気体混合物を分離し、芯粒子粉体の粒子が主に単一
粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物を選択する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物選択手段の1種類又はそれ以上を介して搬送する搬送
工程、(C) この搬送工程で搬送した高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体の粒子を、分散度β
が70%以上の分散状態で、被覆空間の被覆開始領域に
おいて被覆形成物質前駆体と接触及び/又は衝突させて
被覆を開始する被覆工程、を設けた被覆法。
【0129】以上、I〜Vの全てにおいて、好適には、
体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm以下の微粒子
芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子からなる芯粒子粉体の
粒子を、微粒子高分散処理手段群により分散させた高分
散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体の粒子の
分散度βが70%以上を実現する空間領域の内の、高分
散芯粒子粉体の粒子・気体混合物中の芯粒子粉体の粒子
の全ての粒子が通過する面を含む空間領域に、被覆空間
の被覆開始領域を位置させるか、又は、体積基準頻度分
布で平均粒子径が10μm以下の微粒子芯粒子粉体の粒
子又は主に微粒子からなる芯粒子粉体の粒子を、微粒子
高分散処理手段群により分散させた高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物の芯粒子粉体の粒子の分散度βが70
%以上を実現する空間領域の内の、回収手段の回収部に
回収する全てに粒子が通過する面を含む空間領域に、被
覆空間の被覆開始領域を位置させるか、又は、前記I及
びIIにおいて、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μ
m以下の微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子からな
る芯粒子粉体の粒子を、微粒子高分散処理手段群により
分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒
子粉体の粒子の分散度βが70%以上を実現する微粒子
高分散処理手段群により気中に分散させて高分散芯粒子
粉体の粒子・気体混合物とする分散工程の一部以上と前
記被覆工程の一部以上とを、空間を一部以上共有して行
うものである。
【0130】本発明で用いる被覆された金属粒子は、上
記したように気相法によりその表面を被覆するので基本
的に被覆形成物質に制限はない。金属基焼結体を、用途
に応じて任意に材料設計する上で必要に応じて、被覆を
施す前に、金属粉体粒子表面に事前に、同種及び/又は
異種の被覆形成物質を同種及び/又は異種の被覆方法に
より被覆を施してもよい。
【0131】例えば、金属粒子表面に、目的とする金属
の炭化物からなる被覆を形成する場合、事前に炭素を被
覆した被覆金属粒子を使用すればよい。事前に物質を被
覆する方法は、特に制限するものではないが、例えば、
特開平2−252660号公報に記載の溶融塩浸漬法を
始め、電気メッキ法、無電解メッキ法、クラッド法、物
理蒸着法(スパッタリング法、イオンプレーティング法
等)や化学蒸着法等が好適である。目的とする金属化合
物の金属の種類は、本発明の結合材及び/又は焼結助剤
として適用可能の範囲であれば特に制限されない。
【0132】前記、被覆された金属粒子は、被覆された
粒子の被覆形成物質を介して、接触状態で集合塊を形成
する場合がある。この被覆された金属粒子からなる粉体
は、単一粒子状態の被覆された粒子と、この単一粒子状
態の被覆された粒子が数個から数十個接触した集合塊、
更に多数個の単一粒子状態の被覆された粒子が接触した
集合塊から構成され、その形状及び大きさが不均一で不
規則になる。この単一粒子状態の被覆された粒子からな
る集合塊は、解砕及び/又は破砕してから成形又は焼結
処理に供するのが好ましい。この被覆された金属粒子の
集合塊の解砕及び/又は破砕には、種々の解砕手段、例
えば、ボールミル、振動ボールミル、乳鉢、ジェットミ
ル等が利用可能である。また、単一粒子状態の被覆され
た粒子と、この単一粒子状態の被覆された粒子の集合塊
とを選択分離して、単一粒子状態の被覆された粒子のみ
を成形又は焼結処理に供してもよい。
【0133】金属基焼結体 本発明の金属基焼結体は、被覆された金属粒子又は被覆
された金属粒子を含む混合物を焼結することにより製造
される。この金属基焼結体は、被覆された金属粒子又は
被覆された金属粒子を含む混合物を、好ましくは射出成
形、型押し、泥漿鋳込み、熱間押し出し、冷間押し出し
等の選択される一種以上で成形される。
【0134】こうして成形された被覆された金属粒子又
は被覆された金属粒子を含む混合物は、射出成形、型押
し、熱間押し出し、冷間押し出し等の成形後、必要に応
じて塑性加工、鍛造加工、切削加工等の二次の成形を行
うことができる。或いは予備焼結を施して仮焼結体と
し、これを更に加工した後、本焼結に供することもでき
る。
【0135】この成形されてなる被覆された金属粒子又
は被覆された金属粒子を含む混合物は、従来公知の焼結
法により焼結される。具体的には真空焼結法又は雰囲気
焼結法、又はホットプレス法、カプセルHIP法、擬H
IP法、カプセル・フリーHIP法、カプセル超高圧H
IP法、カプセル・フリー超高圧HIP法、超高圧焼結
法等の一種以上で焼結される。この焼結法の一例として
HP法について述べると、先ず、金属粉体粒子表面に被
覆形成物質を被覆を施した被覆された金属粒子を、HP
装置のSiC製の型に入れてパンチをセットする。10
-3torrの脱気を数回繰り返す。その後Arガスを流しな
がら加圧し、所定の焼結温度まで加熱して所定時間、圧
力、温度を保持して焼結する。しかる後、炉冷し、圧力
を開放して、焼結体を取り出すことからなる。
【0136】焼結温度は使用する個々の金属によって異
なり、例えばアルミニウムの400°程度の温度からタ
ングステンの2000℃またはそれ以上に至る温度が使
用される。或いはまた上記した成形を行うことなく、ホ
ットプレスを用いて焼結と成形を同時に行うこともでき
【0137】このようにして、結合材及び/又は焼結助
剤の分布が制御された、均一で緻密で、高度に制御され
た微組織を有する、特徴的な被覆された金属微粒子から
構成された高性能な金属基焼結体を得る。
【0138】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明する。 実施例1 平均粒子径Dが1μmで、体積基準頻度分布が(〔D
/5,5D〕,≧90%)のタングステン粒子を窒
化チタンで被覆した。使用した装置は、図6及びその部
分拡大図である図7に示したものであり、図5(a)に
示した構成の具体例である。
【0139】本例の装置は、プラズマトーチ3−A、プ
ラズマ室3−a、被覆形成物質前駆体生成室の冷却槽3
−B、被覆形成物質前駆体生成室3−b、狭義の被覆室
冷却槽3−C、狭義の被覆室3−c、被覆粒子冷却室の
冷却槽3−D、被覆粒子冷却室3−d、被覆形成物質の
原料の供給側に、供給装置3−E1、芯粒子粉体の供給
側に、撹拌式分散機3−F1とエジェクター式分散機3
−H1、細管分散機107及び被覆粒子回収部3−Gよ
り成る。供給装置3−E1は被覆形成物質の原料粉体の
供給槽を備えた供給機112に、撹拌式分散機3−F1
は芯粒子粉体の供給槽を備えた供給機111にそれぞれ
結合される。本例における被覆室は、定義ではプラズマ
室3−a、被覆形成物質前駆体生成室3−b、狭義の被
覆室3−c、被覆粒子冷却室3−dから構成されてお
り、ここではこれらを広義の被覆室と称する。広義の被
覆室の内、主に被覆処理の行われる室3−cを狭義の被
覆室と称する。
【0140】本例における微粒子高分散処理手段群α
は、供給槽を備えた供給機111、撹拌式分散機3−F
1とエジェクター式分散機3−H1及び内径4mmのス
テンレス製細管分散機107で構成されており、図2
(a)に示したものであり、図3(b)に示した構成に
属する微粒子高分散処理手段群の具体例である。微粒子
高分散処理手段群は、D=1μmの(〔D/5,5
〕,≧90%)の金属粒子の芯粒子粉体に対して出
力時β≧70%を実現できるように構成されている。微
粒子高分散処理手段群の最終処理手段である細管107
は被覆室3−cに直結してあり、被覆空間の3−L2の
被覆開始領域3−L1においてβ≧70%を実現できる
ように構成されている。
【0141】プラズマトーチ3−Aの上部に設けられた
ガス噴出口101に供給源102からアルゴンガスを2
0リットル/分の割合で供給する。このアルゴンガスは
印加された高周波によってプラズマ化され、プラズマト
ーチ3−A内プラズマ室3−aでプラズマ焔を形成す
る。
【0142】被覆形成物質の原料の供給槽を備えた供給
機112から供給した被覆形成物質の原料である平均粒
子径2μmの窒化チタンの粉末は、5リットル/分のキ
ャリアガス103に担持されて、プラズマトーチ3−A
の下部に設けられた被覆形成物質の原料の投入口104
から、プラズマ焔中に0.8g/分の割合で導入され、
プラズマ焔の熱により蒸発して気相を経て、被覆形成物
質前駆体生成室3−bで被覆形成物質前駆体となる。
【0143】芯粒子粉体の供給槽を備えた供給機111
から10.0g/分で供給される平均粒子径1μmのタ
ングステンの芯粒子を、撹拌式分散機3−F1により分
散させ、5リットル/分の割合で供給されるキャリアガ
ス105により担持され、10リットル/分の流量の分
散ガス106によるエジェクター式分散機3−H1及び
細管分散機107により分散度β=82%の分散状態に
分散させ、被覆室に導入する。
【0144】高分散状態のタングステン粒子は、被覆空
間の3−L2の被覆開始領域3−L1において被覆形成
物質前駆体とβ=82%の分散状態で接触及び/又は衝
突し始める。
【0145】このようにして生成した、被覆形成物質で
表面に被覆が施された被覆された金属粒子は、気体と共
に被覆粒子冷却室3−dを降下し、被覆粒子回収部3−
Gに至る。被覆粒子からなる製品は、フィルター110
により気体と分離し、集められ取り出される。このよう
にして、タングステン粒子に体積で20%の窒化チタン
が被覆された被覆金属粒子が得られた。
【0146】得られた被覆された金属粒子である、窒化
チタンで表面に被覆を施したタングステン微粒子を走査
型電子顕微鏡で観察したところ、図8に示す通り、個々
の粒子は、いずれも、一様に0.005μm程度の窒化
チタンが超微粒子状に被覆したものであった。
【0147】実施例2 平均粒子径Dが2μmで、体積基準頻度分布が(〔D
/5,5D〕,≧90%)のニッケル粒子をアルミ
ニウムで被覆した。使用した装置は、図9及びその部分
拡大図である図10に示したものであり、図5(d)に
示した構成の具体例である。本例の被覆形成物質前駆体
を生成する装置の構成は実施例1と同一である。微粒子
高分散処理手段群αは、供給槽を備えた供給機214、
撹拌式分散機5−F1、細管分散機211及び衝突板を
利用した分散機5−H2で構成されており、図2(a)
に示したものであり、図3(b)に示した構成に属する
微粒子高分散処理手段群の具体例である。細管分散機2
11は、内径4mmのステンレス製である。微粒子高分
散処理手段群αの最終分散手段である衝突板を利用した
分散機5−H2は、SiC製の衝突板213がステンレ
ス製のホルダー212により設置された構成である。衝
突板を利用した分散機5−H2は狭義の被覆室5−cの
中に設けられており、微粒子高分散処理手段群αと狭義
の被覆室5−cは共有の空間を有している。また、被覆
空間5−L1及び被覆空間の被覆開始領域5−L2は、
狭義の被覆室5−c内に設けてある。本装置の微粒子高
分散処理手段群は、平均粒子径Dが1μmで、体積準
備頻度分布が(〔D/5,5D〕,≧90%)の芯
粒子粉体の粒子を、最終の分散処理である衝突板を利用
した分散機5−H2の衝突板213を衝突直後、分散度
β≧70%に分散できる。したがって、分散度β≧70
%の状態で被覆が開始される。
【0148】プラズマトーチ5−Aの上部に設けられた
ガス噴出口201に供給源202から20リットル/分
のアルゴンガスを供給する。このアルゴンガスは印加さ
れた高周波によってプラズマ化され、プラズマトーチ5
−A内プラズマ室5−aでプラズマ焔を形成する。
【0149】被覆形成物質の原料の供給槽を備えた供給
機215から0.3g/分で供給した被覆形成物質の原
料である平均粒子径2μmのアルミニウムの粉末は、5
リットル/分のキャリアガス203に担持されて、プラ
ズマトーチ5−Aの下部に設けられた被覆形成物質の原
料の投入口204から、プラズマ焔中に導入され、プラ
ズマ焔の熱により蒸発して気相を経て、被覆形成物質前
駆体生成室5−bで被覆形成物質前駆体となる。
【0150】芯粒子粉体の供給槽を備えた供給機214
から2.0g/分で供給されるニッケルの芯粒子は、撹
拌式分散機5−F1により分散させ、20リットル/分
の割合で供給されるキャリアガス205により担持さ
れ、細管分散機211を経て、被覆室中に設けた衝突板
を利用した分散機5−H2によって、分散度β=82%
に気中に分散させる。
【0151】高分散状態のニッケルの芯粒子は、被覆空
間5−L2の被覆開始領域5−L1において被覆形成物
質前駆体とβ=82%の分散状態で接触及び/又は衝突
し始める。
【0152】このようにして生成した、被覆形成物質で
表面に被覆が施された被覆された金属粒子は、気体と共
に被覆粒子冷却室5−dを降下し、被覆粒子回収部5−
Gに至る。被覆された金属粒子からなる製品は、フィル
ター210により気体と分離し、集められ取り出され
る。
【0153】得られた被覆粒子である、アルミニウムで
表面を被覆したニッケル微粒子を、走査型電子顕微鏡で
観察したところ、個々の粒子は、いずれも、一様に0.
005μm程度のアルミニウムが超微粒子状に被覆した
ものであった。アルミニウムの被覆量は、モルで25%
(体積で13.3%)であった。
【0154】実施例3 平均粒子径Dが2μmで、体積基準頻度分布が(〔D
/5,5D〕,≧90%)のニッケル粒子をアルミ
ニウムで被覆した。使用した装置は、図11及びその部
分拡大図である図12に示したものであり、図5(b)
に示した構成の具体例である。本例の被覆形成物質前駆
体を生成する装置の構成は実施例1と同一である。微粒
子高分散処理手段群αは、供給槽を備えた供給機31
3、分散手段である撹拌式分散機6−F1、高分散芯粒
子粉体の粒子・気体混合物選択手段であるサイクロン6
−Iで構成されており、図2(b)に示したものであ
り、図3(b)に示した構成の具体例である。サイクロ
ン6−Iの高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の放出
部は、搬送に不可避のパイプ307で狭義の被覆室6−
cへ接続してあり、低分散芯粒子粉体部分の放出部は、
ホッパー6−J、ロータリーバルブ6−Kを介して搬送
管310で撹拌式分散機6−F1へ接続してある。本装
置の微粒子高分散処理手段群によれば、体積基準の粒度
分布として、平均粒子径Dが1μmで、体積基準頻度
分布が(〔D/5,5D〕,≧90%)の芯粒子粉
体の粒子を、最終の処理手段であるサイクロン6−Iの
高分散芯粒子粉体流の放出部で、分散度β≧75%に分
散できる。狭義の被覆室6−cに図11及び図12のご
とく被覆空間6−L2及び被覆空間の被覆開始領域6−
L1が設けてある。6−Cと6−Dを結合するフランジ
部の制約による搬送に不可避のパイプ307による分散
度βの低下は少なくとどめられる。したがって、被覆開
始領域において、分散度β≧70%で被覆が開始され
る。
【0155】プラズマトーチ6−Aの上部に設けられた
ガス噴出口301に供給源302からアルゴンガスを2
0リットル/分で供給する。このアルゴンガスは印加さ
れた高周波によってプラズマ化され、プラズマトーチ6
−A内プラズマ室6−aでプラズマ焔を形成する。
【0156】被覆形成物質の原料の供給槽を備えた供給
機314から0.3g/分で供給した被覆形成物質の原
料であるアルミニウム粉末は、5リットル/分のキャリ
アガス303に担持されて、プラズマトーチ6−Aの下
部に設けられた被覆形成物質の原料の投入口304か
ら、プラズマ焔中に導入され、プラズマ焔の熱により蒸
発して気相を経て、被覆形成物質前駆体生成室6−bで
被覆形成物質前駆体となる。
【0157】芯粒子粉体の供給槽を備えた供給機313
から2.0g/分で供給されるニッケルの芯粒子は、撹
拌式分散機6−F1により分散させ、15リットル/分
のキャリアガス305により担持されパイプ306を介
してサイクロン6−Iに搬送される。サイクロン6−I
は、微粉側の最大粒子径が1.5μmとなるように調節
されており、主に単一粒子からなるβ=85%の分散状
態の高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を、搬送に不
可避のパイプ307を介し放出口308から狭義の被覆
室6−cに放出させる。一方、サイクロン6−Iにより
選択分離した低分散芯粒子粉体部分は、ホッパー6−
J、ロータリーバルブ6−Kを経て、10リットル/分
のキャリアガス309によりパイプ310中を搬送さ
れ、撹拌式分散機6−F1へフィードバックする。
【0158】高分散状態のニッケルの芯粒子は、被覆空
間6−L2の被覆開始領域6−L1において被覆形成物
質前駆体とβ=82%の分散状態で接触及び/又は衝突
し始める。
【0159】このようにして生成した、被覆形成物質で
表面に被覆を施された被覆された粒子は、気体と共に被
覆粒子冷却室6−dを降下し、被覆粒子回収部6−Gに
至る。被覆された粒子からなる製品は、フィルター31
2により気体と分離し、集められ取り出される。
【0160】得られた被覆された粒子である、アルミニ
ウムで表面を被覆したニッケル微粒子を、走査型電子顕
微鏡で観察したところ、個々の粒子は、いずれも、一様
に0.005μm程度のアルミニウムが超微粒子状に被
覆したものであった。アルミニウムの被覆量はモルで2
5%(重量で13.3%)であった。
【0161】実施例4 実施例1で得られた粒子表面を窒化チタンで被覆した被
覆タングステン粒子をガラスカプセル法でカプセル化
し、これをHIP装置を用いて焼結して焼結体を製造し
た。
【0162】すなわち、この被覆タングステン粒子を、
直径16mm、厚さ5mmの円盤状に型押し成形し、この成
形体をh−BN粉体を充填したパイレックスガラス製の
カプセルに配置し、10-6torr、400℃で12時間脱
気後封入した。このカプセルをアルゴンガスを圧力媒体
とするHIP装置に配置し、焼結温度1800℃、焼結
圧力2000MPaで3時間保持して焼結した。その後、
冷却、圧力開放ののち、焼結体を取り出した。X線回折
により、実施例4の焼結体の結晶相を調べたところタン
グステンとTiNが検出されたが他の回折ピークは認め
られなかった。得られた焼結体は、密度が測定誤差内で
99%以上で大変緻密であった。ビッカース微小硬度は
Hv(0.5/10)700であった。
【0163】このようにして得られた焼結体の研磨面に
観察のための通常の金蒸着を施した研磨面の電子顕微鏡
写真(×5000)を図13に示す。図13から焼結体
には未焼結部や気孔、欠陥等は全くなく、タングステン
粒子の周りに窒化チタンがほぼ均一に分布した微細で高
度に制御された微組織からなることが分かる。
【0164】比較のために実施例1で用いたタングステ
ン粒子で窒化チタン未被覆のものと、相当する量の窒化
チタン微粒子とを混合した粉末を用いて実施例4と同一
の焼結条件で焼結を行った。このようにして得られた焼
結体の研磨面に同様の金蒸着を施し、電子顕微鏡でその
表面を観察したところ、図14を得た。この図から同一
の焼結条件にもかかわらず粒子は粒成長して粗大とな
り、窒化チタンが不規則に分布して微組織が全く制御さ
れてないことが分かる。
【0165】実施例5 実施例2で得られた粒子表面をアルミニウムで被覆した
被覆ニッケル粒子を、焼結温度を1200℃、焼結時間
を2時間とする以外は実施例4で行った操作と同一の条
件下に焼結した。得られた焼結体は密度100%、Hv
(0.5/10)700であった。X線回折によれば、N
3Alが認められた。第4実施例とほぼ同様に高度に
制御された微組織が得られた。
【0166】実施例6 実施例3で得られた粒子表面を更にアルミで体積で5%
を被覆した複合被覆ニッケル粒子を、焼結温度を120
0℃、焼結時間を2時間とする以外は実施例4で行った
操作と同一の条件下に焼結した。得られた焼結体は密度
100%、Hv(0.5/10)700であった。X線回
折によれば、Ni3Al及びα−Al23が認められ
た。第4実施例と同様、微細で高度に制御された微組織
が得られた。
【0167】実施例7 平均粒子径DMが6μmで、体積基準頻度分布が(〔DM
/5,5DM〕,≧90%)のTiAl粒子を実施例2
の操作でその表面をTiB2で被覆し、TiAl:Ti
2=95:5(vol%)のTiB2被覆TiAl粒子を
得た。
【0168】この被覆TiAl粒子を直径16mm、厚さ
5mmの円盤状に型押し成形し、この成形体を、h−BN
粉体を充填した黒鉛製の型を装備したホットプレス(H
P)装置に配置し、10-3torrで200℃に加熱して脱
気後アルゴンガスを流しながら焼結温度1200℃、焼
結圧力20MPaで2時間保持して焼結した。得られた焼
結体は、密度100%、Hv(0.5/10)約230
であった。X線回折によれば、TiAlとTiB2が認
められた。第4実施例と同様微細で高度に制御された微
組織が得られた。
【0169】実施例8 平均粒子径DMが6μmで、体積基準頻度分布が(〔DM
/5,5DM〕,≧90%)のTiAl粒子を実施例2
の操作でその表面をTiB2で被覆し、TiAl:Ti
2=95:5(vol%)のTiB2被覆TiAl粒子を
得た。
【0170】この被覆TiAl粒子にAlウイス
カーを被覆TiAl::Al=85:15(vo
l%)の割合で混合し、実施例7と同様に焼結した。得
られた焼結体は、密度100%、Hv(0.5/10)
230であった。X線回折によれば、α−Al
TiAl、TiBが認められた。TiAl粒子の周囲
にTiBが均一に分布し、更にAlウィスカー
がその周りに均一に分散した高度に制御された微組織が
得られた。
【0171】実施例9 平均粒子径DMが6μmで、体積基準頻度分布が(〔DM
/5,5DM〕,≧90%)のアルミニウム粒子を実施
例3の操作でその表面をTiB2およびTiで被覆し、
Al:TiB2:Ti=47:3:50(vol%)の被覆
アルミニウム粒子を得た。
【0172】この被覆アルミニウム粒子を実施例5で行
った操作と同一の条件下に焼結した。得られた焼結体は
TiAlが主成分で、密度100%、Hv(0.5/1
0)230であった。微細なTiAl粒子の周りがTi
2が均一に分布した高度に制御された微組織が得られ
た。
【0173】
【発明の効果】本発明によれば、体積基準頻度分布で平
均粒子径が10μm以下の金属微粒子からなる芯粒子粉
体を気中に分散させ、この分散した芯粒子粉体の粒子を
分散度βが70%以上である分散状態で被覆形成物質前
駆体と接触又は衝突させることによって、単一粒子状態
でその表面を被覆形成物質で被覆した被覆金属粒子が得
られる。この被覆金属粒子を焼結することにより、均一
で、緻密で、且つ強固に焼結された、高度に制御された
微組織を有する高性能な被覆金属焼結体が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉体粒子の分布図であり、(a)は分散度βを表
わし、(b)は粒径D1〜D2の範囲の粒子が体積で90%
を占める粉体の粒径対体積基準頻度を表わす。
【図2】(a)〜(c)は微粒子高分散処理手段群の基本構
成を示すブロック図。
【図3】(a)〜(g)は微粒子高分散処理手段群の構成を
より詳細に説明するブロック図。
【図4】(a)〜(e)は芯粒子粉体に被覆が開始される態
様を示す図。
【図5】(a)〜(g)は被覆された金属粒子を製造するた
めの装置の構成を説明するブロック図。
【図6】実施例1で用いる装置を示す図。
【図7】実施例1で用いる装置の部分拡大図。
【図8】実施例1で得られた被覆粒子の走査型電子顕微
鏡写真。
【図9】実施例2で用いる装置を示す図。
【図10】実施例2で用いる装置の部分拡大図。
【図11】実施例3で用いる装置を示す図。
【図12】実施例3で用いる装置の部分拡大図。
【図13】実施例4で得られた金属基焼結体の研摩面の
電子顕微鏡写真。
【図14】比較例の焼結体の研摩面の電子顕微鏡写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 粂 正市 愛知県津島市鹿伏兎町字二之割150番地 の2 (72)発明者 山田 幸良 埼玉県比企郡川島町八幡3丁目6番18号 (72)発明者 冬木 正 埼玉県入間郡大井町緑ヶ丘2丁目23番16 号 (72)発明者 秋山 聡 埼玉県川越市稲荷町17番22号 (72)発明者 濱田 美明 埼玉県川越市末広町3丁目4番8号 (72)発明者 黒田 英輔 埼玉県川越市西小仙波町2丁目16番4号 (56)参考文献 特開 平3−245835(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 1/02 C23C 16/44

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の微粒子からなる芯粒子粉体を被覆
    空間に投入し、気相を経て生成する被覆形成物質前駆体
    及び/又は気相状態の被覆形成物質前駆体を、この芯粒
    子粉体の粒子に接触及び/又は衝突させて、この芯粒子
    粉体の粒子の表面を被覆形成物質で被覆して得られる被
    覆金属微粒子の製造法であって、 (A)最終処理手段として、 (a)芯粒子粉体の粒子を気中に分散させる分散手段、
    及び (b)芯粒子粉体の粒子を気中に分散させた芯粒子粉体
    の粒子と気体との混合物において低分散芯粒子粉体部分
    を分離し、芯粒子粉体の粒子が主に単一粒子状態で気中
    に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を選択
    する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段とこ
    の高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段により
    選択分離された低分散芯粒子粉体部分を微粒子高分散処
    理手段群中の分散手段の内の最終分散手段及び/又は最
    終分散手段以前の処理手段に搬送するフィードバック手
    段とを備えた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択
    手段、 から選ばれる手段を有する微粒子高分散処理手段群によ
    り、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm以下の微
    粒子からなる芯粒子粉体の粒子を、気中に分散させて高
    分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とする分散工程、並
    びに (B)この分散工程で分散させた芯粒子粉体の粒子を、
    分散度βが70%以上の分散状態で、被覆空間の被覆開
    始領域において被覆形成物質前駆体と接触及び/又は衝
    突させて被覆を開始する被覆工程を備えることを特徴と
    する、被覆金属微粒子の製造法。
  2. 【請求項2】 前記被覆金属微粒子が、 被覆金属微粒子の集合塊を、解砕及び/又は破砕する工
    程及び/又はこの被覆金属微粒子集合塊と一次粒子単位
    の被覆金属微粒子とを選択分離する選択分離工程を更に
    経て調製されたものであることを特徴とする、請求項1
    に記載の被覆金属微粒子の製造法。
  3. 【請求項3】 前記芯粒子粉体の粒子が、溶融塩浴を用
    いる浸漬法により、浸漬法に由来する被覆物質で一層以
    上被覆された微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に微粒子か
    らなる芯粒子粉体の粒子であることを特徴とする、請求
    項1又は請求項2に記載の被覆金属微粒子の製造法。
  4. 【請求項4】 被覆金属微粒子が、 平均粒子径が10μm以下であり、分散度βが70%以
    上とする分散性能を有する微粒子高分散処理手段群の最
    終処理により気中に分散させる分散工程を設け、 (A)当該分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混
    合物を被覆工程に直接放出するか、又は (B)分散工程と被覆工程の間に、 当該分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を
    放出する放出部から、搬送に不可避の、中空部材、中空
    を形成せしめる部材からなる中間部材、及びパイプから
    選択される一種類又はそれ以上の部材を介して搬送する
    か、及び/又は、気中分散維持手段、気中分散促進手
    段、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段の一
    種類又はそれ以上を介して搬送して調製されることを特
    徴とする、請求項1に記載の被覆金属微粒子の製造法。
  5. 【請求項5】 被覆金属微粒子が、 平均粒子径が10μm以下であり、分散度βが70%以
    上とする分散性能を有する微粒子高分散処理手段群の最
    終処理により気中に分散させる分散工程の一部以上と前
    記被覆工程の一部以上とを、空間を一部以上共有して行
    うことにより調製されることを特徴とする、請求項1に
    記載の被覆金属微粒子の製造法。
  6. 【請求項6】 被覆された金属微粒子が、 平均粒子径が10μm以下であり、分散度βが70%以
    上とする空間領域の内の当該高分散芯粒子粉体の粒子・
    気体混合物中の芯粒子粉体の粒子の全ての粒子が通過す
    る面を含む空間領域に、被覆空間の被覆開始領域を位置
    せしめるか、又は 平均粒子径が10μm以下であり、分散度βが70%以
    上とする空間領域の内の、回収手段の回収部に回収する
    全ての粒子が通過する面を含む空間領域に、被覆空間の
    被覆開始領域を位置せしめることによって調整されるこ
    とを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の被覆
    金属微粒子の製造法。
  7. 【請求項7】 使用する芯粒子粉体の粒子の粒度分布
    が、平均粒子径をDMとしたとき、体積基準頻度分布で
    (〔DM/5,5DM〕,≧90%)であることを特徴と
    する、請求項1、4、5又は6のいずれかに記載の被覆
    金属微粒子の製造法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の製造法
    によって被覆された被覆金属微粒子又は同粒子を含む混
    合物を焼結することを特徴とする、被覆金属微粒子焼結
    体の製造法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の被覆金属微粒子焼結体
    の製造法により製造することを特徴とする、被覆金属微
    粒子焼結体。
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