JP3533331B2 - 産婦人科用怒責グリップ装置 - Google Patents

産婦人科用怒責グリップ装置

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JP3533331B2 JP15272298A JP15272298A JP3533331B2 JP 3533331 B2 JP3533331 B2 JP 3533331B2 JP 15272298 A JP15272298 A JP 15272298A JP 15272298 A JP15272298 A JP 15272298A JP 3533331 B2 JP3533331 B2 JP 3533331B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産婦人科において
分娩を行う場合に、患者が息張る時に把持する怒責グリ
ップであって、不使用時においては分娩台の裏面やベッ
ドの側面に収容しておき、使用時において引き出され、
かつ、引出し量を自由に設定できる産婦人科用怒責グリ
ップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における怒責グリップ装置として
は、予め分娩台やベッドの両側に固定したものや、分娩
台やベッドの両側に180度回転可能に取付け、使用時
に180ど回転させて分娩台やベッドの両側に起立させ
る2つのタイプのものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者のタイ
プにあっては、患者が分娩台やベッドに対して昇降する
時に怒責グリップが邪魔となり、患者一人での昇降が困
難なために看護婦の介助が必要となり、看護婦に不要な
労力をかけるといった問題があった。
【0004】また、後者の場合には、患者の昇降時には
怒責グリップが分娩台やベッドの下側に位置させておく
ことから、前者のような問題は解消できるが、しかし、
前者の場合も含めて怒責グリップの高さ調整ができない
ようになっているため、患者の身長差や体格の違いを吸
収できず、使いにくいといった問題があった。
【0005】本発明は前記した問題点を解決せんとする
もので、その目的とするところは、患者の分娩台やベッ
ドへの昇降に怒責グリップが邪魔になることがなく、か
つ、高さ調整が可能であることから、患者の身長差や体
格の違いにも適応できて使いやすい産婦人科用怒責グリ
ップ装置を提供せんとするにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の産婦人科用怒責
グリップ装置は前記した目的を達成せんとするもので、
その手段は、 患者の腰部を受ける座部と、該座部と一
体的あるいは別体に構成され、かつ、水平状態を維持
しあるいは起伏可能に形成された背凭れ部と、前記座部
から患者の少なくとも股を受ける支脚 器と、該支脚器
を開脚および閉脚位置に変更し得る支脚器開閉手段と、
前記支脚器に取付けら れた基板の軸受けに対して摺動
自在に一端側が軸支され、かつ、他端側が前記基板に取
付けら れたロック手段に対して挿入されたU字状に形成
されたグリップと、前記ロック手段のロック および解
除を行うための解除レバーとを具備し、解除レバーを操
作して解除した状態において 前記グリップを前記軸受
けに対して所望の位置に摺動させた後、前記解除レバー
をロック状態 とすることで所望の引き出し位置におい
て固定できるようにしたものである。
【0007】また、前記ロック手段としてメカニカルロ
ックを利用することが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る産婦人科用怒
責グリップ装置の第1の実施の形態を図1〜図8と共に
説明する。なお、この実施の形態は分娩台に取付けた場
合を示している。図1および図2は患者の導入前の水平
状態と、患者の検診あるいは分娩中の状態を示すもので
ある。
【0009】図において、1は床面に設置される基台、
2は該基台1に一端が取付けられ油圧等の駆動手段によ
って傾動する傾動部材、3は該傾動部材2の他端に取付
けられた支持台にして、該支持台3に背凭れ4、座部5
および支脚器6が取付けられている。
【0010】前記背凭れ4は支持台3に対して油圧シリ
ンダ(図示せず)によって座部5側を支点として起伏自
在となっており、また、座部5も油圧シリンダ51(図
9、図10に示す)によって背凭れ4側を支点として起
伏自在に形成されている。なお、背凭れ4の両側には1
80度回転し、何れの位置(図1および図2の位置)で
もロック可能なフェンス41が取付けられている。
【0011】前記した支脚器6は左右2つに分離され、
かつ、それぞれは股受け部61と踵受け部62とはくの
字状に変形できるように構成されている。以下、股受け
部61と踵受け部62とはくの字状に変形するための構
成について図3〜図5と共に説明する。なお、同図にお
いては、図1、図2に示すクッション材は示していない
が符号としては同一符号で説明する。
【0012】股受け部61は背凭れ4に近い側において
補助部61′が兆番等で折曲可能に連結され、該補助部
61′の裏面にはリンク61aの一端とスプリング61
bの一端が連結されている。また、股受け部61の前記
踵受け部62に近接した側は金具61cに回動自在に軸
支され、かつ、該金具61cに軸支された軸には第1ギ
ア61dが固定されている。なお、前記リンク61aの
他端は後述する支脚器開閉手段8の一部である股アーム
83に固定された支持杆83aに軸支され、また、スプ
リング61bの他端は前記金具61cに取付けられてい
る。
【0013】また、踵受け部62は前記金具61cに同
じく軸支され、該軸支された軸には前記第1ギア61d
と噛合する第2ギア62aが固定されると共に、前記第
2ギア62aと同軸で副ギア62bが固定されている。
踵受け部62の裏面には前記副ギア62bと噛合可能な
ストッパ用ギア62cが偏心位置で軸支され、巻きバネ
62dによって常時前記した副ギア62bと噛合するよ
うにストッパ用ギア62cに対してバネ付勢している。
【0014】また、踵受け部62の先端裏面には解除レ
バー62eが取付けられ、該解除レバー62eの先端は
ワイヤー62fを解して前記ストッパ用ギア62cの偏
心位置に連結されている。なお、62gは解除レバー6
2eを図3において右方向にバネ付勢するスプリングで
ある。
【0015】次に、前記した構成に基づいて動作を説明
する。図3、図4に示すように支脚器6が水平の状態
(図1)の状態において、踵受け部62側を押し上げる
と(時計方向に回動)、ストッパ用ギア62cは副ギア
62bの外周を噛合された状態で周囲を回動するので、
該副ギア62bと同心軸の第1ギア61dと噛合されて
いる第2ギア62aが回転され、従って、股受け61は
反時計方向に回動されると共にリンク61aによって股
受け部61の座部5側押し上げられ、図5に示すように
股受け部61と踵受け部62はV字状になって、患者の
足は膝が上方に押し上げられ、かつ、踵側が下に折曲さ
れる。
【0016】なお、踵受け部62の回動時において、ス
プリング61bのバネ力によって股受け部61が反時計
方向にバネ付勢されているので、前記回動力は弱い力で
も行うことができるので、看護婦等の非力な者でも容易
にセットすることができる。
【0017】また、図5の状態における支脚器6を図
3、図4のように水平状態にするには、解除レバー62
eをスプリング62gおよび巻きバネ62dのバネ力に
抗して引くと(図において左方向)、ストッパ用ギア6
2cは時計方向に回転されて副ギア62bとの噛合が解
除され、第1、第2ギア61d,62aとの回転が可能
状態となって水平状態となる。
【0018】前記した股受け部61の裏面には患者が分
娩時の息張る時に握る怒責グリップ7が取付けられてい
る。この怒責グリップ7の詳細を図6〜図8と共に説明
する。怒責グリップ7は略U字状に折曲されたグリップ
71と、該グリップ71の一端側71aを軸受けする基
板83bに取付けられた軸受72と、前記グリップ71
の他端側71bが挿入された前記基板83bに取付けら
れた公知のメカニカルロック73と、該メカニカルロッ
ク73のロックと解除を行うための解除レバー74とよ
り構成されている。
【0019】前記解除レバー74は、これを回転するこ
とにより、ワイヤー74aを介してメカニカルロック7
3のロックが解除され、図示の位置に戻すとロックが行
われるものである。すなわち、解除レバー74を回転す
るとグリップ71の他端側71bのロックが解除される
ので、グリップ71の引き出しが行え、かつ、引き出し
た状態において解除レバー74を戻すとロックが行われ
引き出した状態に保持される。従って、図2の状態の分
娩台において、患者はグリップ71を握って息張ること
ができる。
【0020】次に、患者導入から分娩に至る動作につい
て説明する。先ず、患者導入時には、図1に示す背凭れ
4、座部5および支脚器6は水平状態となっている。そ
して、ベッド状になっている本発明の分娩台に患者を寝
かせ、フェンス41を180度回転して患者がずれ落ち
ないようにセットする。
【0021】次いで、踵受け部62の先端側を押し上げ
ると第1、第2ギア61d,62aとが噛合されたまま
回転するので、股受け部61が反時計方向に回動され、
患者の股は股受け部61に支持され、かつ、踵部分は踵
受け部62に支持されてくの字状態となる。
【0022】この状態において、背凭れ4を図示しない
シリンダーによって起立し、かつ、座部5を図示しない
シリンダーによって支脚器側を押し上げると、患者は腰
部分からくの字状に折曲され、かつ、膝部分からもくの
状に折曲されるので分娩の待機状態となる。
【0023】次いで、患者の股関節を中心として股受け
部61は移動させ、さらに、怒責グリップ装置7の解除
レバー74を操作してロックを解除することにより、グ
リップ71を引き出して、患者にこのグリップ71を握
らせ息張らせることができるものである。
【0024】前記した実施の形態は、分娩台における股
受け部61の裏面側に怒責グリップ装置7を取付けたも
のであるが、ベッドに附帯設備としての怒責グリップ装
置7を取付けるようにもできる。以下、この実施の形態
を図9〜図11と共に説明する。なお、前記した実施の
形態と同一符号は同一部材を示し、説明は省略する。
【0025】この実施の形態は、コの字状をした取付部
材8における水平辺部81をベッド(図示せず)に載置
し、該水平分部81の両側から垂下された一対の垂直辺
部82をベッドの下方両側に垂下させるようにして固定
する。そして、垂直辺部82の外側面には前記股受け部
61に取付けたと同じ怒責グリップ装置7が取付けら
れ、かつ、グリップ71は上方に引き出されるように取
付けられている。
【0026】このように構成した本実施の形態にあって
も、患者がベッド上に横臥した状態で分娩を行う場合に
は、解除レバー74を回転することにより、ワイヤー7
4aを介してメカニカルロック73のロックが解除され
るので、グリップ71の引き出しが行え、かつ、引き出
した状態において解除レバー74を戻すとロックが行わ
れ引き出した状態に保持される。この場合において、グ
リップ71の引き出し量を患者の身長や体格に合わせて
患者が握りやすい位置でロックできるので、患者は非常
に握りやすくなるものである。
【0027】なお、前記した何れの実施の形態にあって
も、グリップ71を固定する手段としてメカニカルロッ
クを使用したものを示したが、このロック手段としては
メカニカルロックに限定されるものではなく、ラック・
アンド・ピニオン等の歯車機構による等、たのロック手
段も考えられる。また、前記した実施の形態のものは、
背凭れ4と座部5とがそれぞれ独立して起伏するものを
示したが、背凭れ4と座部5とは一体的に構成し、か
つ、背凭れは必ずしも起伏可能である必要はないもので
ある。
【0028】
【発明の効果】本発明は前記したように、分娩台の股受
けの裏面側、あるいは、ベッドの左右側に、グリップを
出入自在で、かつ、引出し量を自由に設定した状態でロ
ック可能に構成したので、患者の分娩台やベッドへの昇
降に怒責グリップが邪魔になることがなく、かつ、高さ
調整が可能であることから、患者の身長差や体格の違い
にも適応できて使いやすく、また、グリップのロック手
段としてメカニカルロックを使用することにより、構成
が簡単となり、かつ、コストの低減を図ることができる
等の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る産婦人科用怒責グリップ装置を取
付けた分娩台を水平状態とした斜視図である。
【図2】同上を分娩状態に移行した状態の斜視図であ
る。
【図3】(a) は支脚器部分を水平状態とした側面図、
(b) は同上の一部拡大側面図である。
【図4】同上の平面図である。
【図5】図3の支脚器部分を折曲した状態の側面図であ
る。
【図6】(a) は怒責グリップにおけるグリップを収納し
た状態側面図、(b) はグリップを引き出した状態の側面
図である。
【図7】同上の平面図である。
【図8】使用状態の側面図である。
【図9】他の実施の形態を示す正面図である。
【図10】同上の側面図である。
【図11】グリップを引き出した状態の側面図である。
【符号の説明】
4 背凭れ 5 座部 6 支脚器 61 股受け部 7 怒責グリップ 71 グリップ 72 軸受 73 メカニカルロック 74 解除レバー 8 ベッド 81 水平辺部 82 垂直辺部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者の腰部を受ける座部と、該座部と一
    体的あるいは別体に構成され、かつ、水平状態を維持し
    あるいは起伏可能に形成された背凭れ部と、前記座部か
    ら患者の少なくとも股を受ける支脚器と、該支脚器を開
    脚および閉脚位置に変更し得る支脚器開閉手段と、前記支脚器に取付けられた基板の軸受けに対して摺動自
    在に一端側が軸支され、かつ、他端側が前記基板に取付
    けられたロック手段に対して挿入されたU字状に形成さ
    れたグリップと、 前記ロック手段のロックおよび解除を行うための解除レ
    バーと、 を具備し、解除レバーを操作して解除した状態において
    前記グリップを前記軸受けに対して所望の位置に摺動さ
    せた後、前記解除レバーをロック状態とすることで所望
    の引き出し位置において固定できるように したことを特
    徴とする産婦人科用怒責グリップ装置。
  2. 【請求項2】 前記ロック手段としてメカニカルロック
    を利用したことを特徴とする請求項1記載の産婦人科用
    怒責グリップ装置。
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