JP3532816B2 - 発泡用組成物およびその製造方法、並びに、発泡同軸絶縁ケーブル - Google Patents

発泡用組成物およびその製造方法、並びに、発泡同軸絶縁ケーブル

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JP3532816B2 JP2000011919A JP2000011919A JP3532816B2 JP 3532816 B2 JP3532816 B2 JP 3532816B2 JP 2000011919 A JP2000011919 A JP 2000011919A JP 2000011919 A JP2000011919 A JP 2000011919A JP 3532816 B2 JP3532816 B2 JP 3532816B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発泡用組成物および
その製造方法、並びに、発泡同軸絶縁ケーブルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】CATVの幹線用や携帯電話などの移動
体通信用アンテナ給電線用の同軸ケーブルの製造に使用
される発泡用組成物として、従来、ポリエチレンやポリ
プロピレンなどのオレフィン系樹脂に代表される熱可塑
性樹脂と成核剤として4,4’−オキシビスベンゼンス
ルホニルヒドラジド(OBSH)やアゾジカルボンアミ
ド(ADCA)などの所謂有機系熱分解型発泡剤とから
なるものが、また発泡体としては上記の発泡用組成物を
各種の不活性ガスや炭化水素ガスなどを発泡剤として用
いて発泡させたものがそれぞれ知られている。またさら
に高電気特性を有する発泡体を得るために、成核剤とし
てフッ素樹脂粉末や窒化ホウ素粉末を用いることも知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが最近、移動体
通信用アンテナ給電線の小サイズ化や使用周波数帯域の
一層の高周波化により、従来の発泡体による電気絶縁層
(以下、電気絶縁発泡体層ともいう。)を有する発泡同
軸絶縁ケーブルでは、発泡体の電気特性が未だ不十分な
ために、ケーブルの減衰特性が要求レベルを満たし得な
くなるという問題がでてきた。
【0004】本発明は、上記事情に鑑み、高周波帯域に
おいて従来にない低減衰性の発泡同軸絶縁ケーブルを実
現し得る発泡用組成物及びその製造方法を提供し、さら
に該発泡用組成物を用いた発泡同軸絶縁ケーブルを提供
することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下の知見を
得た。 被発泡体たる熱可塑性樹脂中に、ケーブルの稼働中に
おける電気絶縁発泡体層の酸化及び金属害(特に銅害)
による劣化を防止するために酸化防止剤と金属不活性剤
とが比較的多量に添加されてきたが、かかる酸化防止剤
及び金属不活性剤の存在が電気絶縁発泡体層の高周波帯
域での電気特性を低下せしめる原因となること。 酸化防止剤及び金属不活性剤は発泡層の劣化を防止す
るために必要ではあるが、その使用量を従来よりもかな
り少なくしても十分に発泡層を構成する樹脂の劣化を防
止し得、さらに、成核剤をフッ素樹脂粉末に特定すれ
ば、電気絶縁発泡体層の高周波帯域での電気特性が大き
く改善されること。
【0006】本発明はかかる知見に基づき完成させたも
のであり、以下の特徴を有している。 (1)熱可塑性樹脂、フッ素樹脂粉末、酸化防止剤、お
よび金属不活性剤を含有し、酸化防止剤と金属不活性剤
との合計含有量が、上記成分の合計量に対して0.15
重量%以下であることを特徴とする発泡用組成物。 (2)酸化防止剤と金属不活性剤との合計含有量が、上
記成分の合計量に対して0.05重量%以下である上記
(1)記載の発泡用組成物。 (3)フッ素樹脂粉末の含有量が熱可塑性樹脂100重
量部に当たり0.001〜1重量部である上記(1)ま
たは(2)記載の発泡用組成物。 (4)熱可塑性樹脂が、密度0.91〜0.925g/
cm3 の低密度ポリエチレンおよび/または密度0.9
4〜0.97g/cm3 の高密度ポリエチレンである上
記(1)〜(3)のいずれかに記載の発泡用組成物。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の発泡用組
成物を発泡度70%以上に発泡させて形成された電気絶
縁発泡体層を有する発泡同軸絶縁ケーブル。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の発泡用組成物は、熱可塑
性樹脂、フッ素樹脂粉末、酸化防止剤、および金属不活
性剤を含有し、酸化防止剤と金属不活性剤との合計含有
量を、上記成分の合計量に対して0.15重量%以下に
したことを特徴としている。
【0008】本発明において、熱可塑性樹脂としては、
高周波帯域での低誘電損失性に優れる点から、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましく、
特にポリエチレンが好ましい。ポリエチレンは、低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ンなどの各種のポリエチレンを制限なく使用できるが、
それらの内でも発泡セルの均一性と発泡の高度性に優れ
た発泡体を得る観点からは、密度0.91〜0.925
g/cm3 (好ましくは0.915〜0.922g/c
3 )の低密度ポリエチレンや、密度0.94〜0.9
7g/cm3 (好ましくは0.960〜0.965g/
cm3 )の高密度ポリエチレンなどが好ましい。低密度
ポリエチレンとしては、さらにSR比(スェーリング
比)が20〜80(好ましくは40〜60)であり、M
FRが0.1〜10(好ましくは1〜7、特に好ましく
は5未満)であるのが好ましい。
【0009】高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレン
とは、それらの混合物(以下、ポリエチレン混合物と称
す)として使用されるのが発泡性の点から好ましく、そ
の場合の高密度ポリエチレンとしては、そのSR比が一
緒に用いられる低密度ポリエチレンのそれより小さい、
好ましくは20〜50程度小さく、より好ましくは30
〜40程度小さく、且つMFRが該低密度ポリエチレン
のそれより大きい、好ましくは5〜9程度大きく、より
好ましくは6〜7程度大きいものが好ましい。高密度ポ
リエチレンのSR比は通常20〜50、好ましくは30
〜40である。低密度ポリエチレンのSR比は通常20
〜80、好ましくは40〜60である。
【0010】高密度ポリエチレンのMFRは、一般的に
は5以上、好ましくは5〜9、より好ましくは7.5〜
8.5である。低密度ポリエチレンのMFRは、一般的
には20以下、好ましくは0.1〜10、より好ましく
は1〜7である。
【0011】ポリエチレン混合物における低密度ポリエ
チレンと高密度ポリエチレンとの使用比率については、
両者の合計量中での高密度ポリエチレンの量が好ましく
は50重量%以上、特に好ましくは60重量%以上、と
りわけ好ましくは70重量%以上である。ポリエチレン
混合物は発泡性の点から、剪断粘度(温度:170℃、
剪断速度:1216秒−1)が3150ポアズ以下であ
るのが好ましく、特に好ましくは3100ポアズ以下、
とりわけ好ましくは3050ポアズ以下である。
【0012】上記ポリエチレンの密度、SR比、MF
R、および剪断粘度はそれぞれつぎに示す方法で測定し
た値である。 〔密度〕:JIS−K−7112に規定する方法により
20℃における値を測定する。 〔MFR〕:JIS−K−7210に規定するメルトイ
ンデクサーを用い、且つそこに規定する方法により温度
190℃、荷重2.16kgの条件にて測定する。 〔SR比〕:上記の条件にてMFRを測定する際、押出
されたストランドの外径Sとメルトインデクサーのオリ
フィスの内径Rとから下式にてSR比(%)を算出す
る。 SR比(%)=〔(S−R)/R〕×100 〔剪断粘度〕:JIS−K−7199に規定する方法に
より東洋精機社製のキャピログラフ1Bを用い、剪断速
度1216秒−1下での温度170℃における値を測定
する。
【0013】本発明で使用される酸化防止剤とは、熱可
塑性樹脂の酸化を抑制する化合物であり、かかる作用を
有するものであれば熱可塑性樹脂用(特にポリエチレン
用)として周知のものを用いることができる。酸化防止
剤は、二種以上を併用してもよい。
【0014】酸化防止剤の好ましい例としては、以下の
ものを挙げることができる。 (A)モノフェノール系:2,6−ジ−第三−ブチルフ
ェノール、2,6−ジ−第三−ブチル−4−エチルフェ
ノール、2,6−ジ−第三−ブチル−4−メチルフェノ
ール、2,6−ジ−第三−ブチル−α−ジメチルアミノ
−p−クレゾール、2,4,6−トリ−第三−ブチルフ
ェノール、オルト−第三−ブチルフェノールなど。 (B)ビス、トリス、ポリフェノール系:2,2’メチ
レン−ビス−(4−メチル−6−第三−ブチルフェノー
ル)、2,2’メチレン−ビス−(4−エチル−6−第
三−ブチルフェノール)、4,4’メチレン−ビス−
(2,6−ジ−第三−ブチルフェノール)、4,4’ブ
チリデン−ビス−(4−メチル−6−第三−ブチルフェ
ノール)、アルキル化ビスフェノール、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、など。 (C)ヒンダード・フェノール系:テトラキス−〔メチ
レン−3−(3’,5’−ジ−第三−ブチル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、n−オク
タデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−
第三−ブチル・フェニル)プロピオネート、ヒンダード
フェノール、ヒンダードビスフェノール、など。 (D)チオビスフェノール系:4,4’チオビス−(6
−第三−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’チ
オビス−(6−第三−ブチル−o−クレゾール)、ビス
(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)スルフィド、ジアルキル・フェノール・スルフィ
ド、など。 (E)りん系 トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(混合
物−およびジ−ノニル−フェニル)ホスファイト、な
ど。 (F)その他:ジラウリル・チオジプロピオネート、ジ
ステアリル・チオジプロピオネート、ジステアリル−
β,β−チオジブチレート、ラウリル・ステアリル・チ
オジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジ
プロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロ
ピオネート、含硫黄エステル系化合物、アミル−チオグ
リコレート、1,1’−チオビス−(2−ナフトー
ル)、2−メルカプトベンズイミダゾール、ヒドラジン
誘導体、など。
【0015】本発明で使用される金属不活性剤とは、熱
可塑性樹脂の金属害(特に銅害)を抑制する化合物であ
り、かかる作用を有するものであれば熱可塑性樹脂用
(特に、ポリエチレン用)として周知のものを用いること
ができる。金属不活性剤は、二種以上を併用してもよ
い。
【0016】金属不活性剤の好ましい例としては、以下
のものを挙げることができる。3−(N−サリチロイ
ル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、イソフタル酸
ビス(2−フェノキシプロピオニル−ヒドラジッド)、
2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−(α−メチル
シクロヘキシル)−5,5’−ジメチル・ジフェニルメ
タン、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第
三−ブチルフェニル)ブタン、2−メルカプトベンズイ
ミダゾールとフェノール縮合物との混合物などである。
【0017】本発明において、発泡用組成物中における
酸化防止剤と金属不活性剤の含有量は、両者の合計量と
して、熱可塑性樹脂、フッ素樹脂粉末、酸化防止剤、お
よび金属不活性剤の合計量に対して0.15重量%以下
であり、好ましくは0.15重量%以下であり、より好
ましくは0.02〜0.08重量%である。0.15重
量%を越えると、高周波帯域での誘電損失(tanδ)
が大きくなって、好ましい結果が得られなくなる。
【0018】本発明の発泡用組成物は、酸化防止剤およ
び金属不活性剤を含有するが、酸化防止剤の含有量は熱
可塑性樹脂、フッ素樹脂粉末、酸化防止剤および金属不
活性剤の合計量に対して0.01重量%以上が好まし
く、特に好ましくは0.02重量%以上である。また、
金属不活性剤は熱可塑性樹脂、フッ素樹脂粉末、酸化防
止剤、および金属不活性剤の合計量に対して0.01重
量%以上が好ましく、特に好ましくは0.02重量%以
上である。
【0019】成核剤としてのフッ素樹脂粉末は、含フッ
素モノマーの単独重合体やその他のモノマーとの共重合
体などの粉末である。フッ素樹脂の例を挙げると、ポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロ
エチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオラ
イド(PVdF)、ポリクロロトリフルオロエチレン
(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレ
ン共重合体(ECTFE)などであり、PTFE、PF
A、およびETFEが好ましく、特にPTFEが好まし
い。
【0020】フッ素樹脂粉末の配合量は組成物全体当た
り0.001〜1重量%程度が好ましく、特に好ましく
は0.005〜0.01重量%程度であり、フッ素樹脂
粉末の粒径は、平均粒径0.05〜50μm程度が好ま
しく、特に好ましくは0.2〜10μm程度である。フ
ッ素樹脂粉末の配合量が組成物全体当たり、0.001
重量%未満の場合、発泡体のセル径が大きくなりすぎる
おそれがあり、1重量%を超える場合は、高発泡度が得
られなくなるおそれがある。また、フッ素樹脂粉末の平
均粒径が0.05μm未満では、粒子の凝集により発泡
核として働きにくくなる傾向を示し、50μmを超える
と、単位体積当たりの粒子数が減少し、セルの均一性が
低下する傾向を示す。
【0021】ここでのフッ素樹脂粉末の平均粒径は、測
定対象とする粉末を水あるいはエタノールなどの有機液
体に投入し、35〜40kHz程度の超音波を付与した
状態にて約2分間分散処理して得た分散液を用い、且つ
その場合の粒状物の量は該分散液のレーザ透過率(入射
光量に対する出力光量の比)が70〜95%となる量と
し、ついで該分散液に就いて、マイクロトラック粒度分
析計にかけてレーザー光の散乱により個々の粒状物の粒
径(D1 、D2 、D3 ・・)、および各粒径毎の存在個
数(N1 、N2 、N3 ・・・)を計測する(個々の粒状
物の粒径(D)は、マイクロトラック粒度分析計によれ
ば種々の形状の粒状物毎に球相当径が自動的に測定され
る。)。しかして平均粒径(μm)は、視野内に存在す
る個々の粒子の個数(N)と各粒径(D)とから下式
(1)にて算出される。 平均粒径(μm)=(ΣND3 /ΣN)1/3 (1)
【0022】本発明の発泡用組成物は、熱可塑性樹脂、
フッ素樹脂粉末、酸化防止剤、および金属不活性剤以外
に、着色剤等の添加剤を配合してもよい。添加剤の配合
量は熱可塑性樹脂100重量部当たり0.05〜2.0
重量部が好ましく,特に好ましくは0.1〜1.0重量
部である。
【0023】本発明の発泡用組成物は、熱可塑性樹脂、
フッ素樹脂粉末、酸化防止剤、金属不活性剤、および必
要に応じて添加される上記した他の添加剤を互いに所定
の比率となるように計量して混合し、ついでバンバリー
ミキサー、熱ロール、高速混合機などの通常の混練機や
混合機を用いて製造することができる。好ましくは、フ
ッ素樹脂粉末、酸化防止剤および金属不活性剤を混練し
てなるマスターバッチのペレットを作製し、該ペレット
と熱可塑性樹脂のペレットとをドライブレンドしてか
ら、混練して発泡用組成物を得るようにするのがよい。
これにより、熱可塑性樹脂中に酸化防止剤および金属不
活性剤が均一に分散して、これらの添加による酸化防止
効果及び金属害防止効果が有効に作用して、熱可塑性樹
脂の耐酸化性及び耐金属害性がより一層向上する。さら
に、電気絶縁層の誘電損失(tanδ)の減少が、発泡
同軸絶縁ケーブルの低減衰性に有効であることが知られ
ているが、かかる方法で得られる組成物の誘電損失は、
23℃、1MHzでの誘電損失(tanδ)が0.00
5%以下にまで減少する。
【0024】上記23℃、1MHzにおける誘電損失
(tanδ)はJIS K 6922−2(附属書)49
(2)電圧上昇比法で測定した値である。
【0025】なお、熱可塑性樹脂のペレットは、二種以
上のポリエチレン、例えば前記した低密度ポリエチレン
と高密度ポリエチレンとの二種を用いる場合、二種以上
のポリエチレンの各ペレットを用いてもよく、あるいは
予め混練により二種以上のポリエチレンの均一混合物を
得、該均一混合物のペレットを用いてもよい。
【0026】本発明の発泡用組成物は、発泡剤として窒
素ガス、ヘリウム、アルゴンガス等の不活性ガス及び/
または炭酸ガスを、組成物中に圧入、機械的分散などの
手段で分散させて発泡させるのが好ましい。また、発泡
体は少なくとも70%以上、特に75%以上の高発泡度
を有するものとするのが好ましい。かかる発泡度を有す
ることで、得られる発泡同軸絶縁ケーブルの高周波帯域
(100M〜10GHz)での減衰特性がより一層向上
し、2000MHzで6.3dB未満の減衰量を実現し
得る。
【0027】上記発泡度は、被発泡体たる発泡用組成物
の発泡前の比重をSS 、その発泡体の比重をSF とし
て、下式(2)により算出される。比重SS や比重SF
は、JIS−K−7112に規定する水中置換法(A
法)により測定する。 発泡度(%)=(SS −SF )×100/SS (2)
【0028】図1は本発明の発泡用組成物を発泡させ
て、発泡同軸絶縁ケーブルを製造するの製造装置の一例
であり、1は導体供給部、2は導体予備加熱器、3は発
泡剤を充填したボンベ、31は後記する第一押出機4の
バレルに設置された発泡剤注入ノズル、32は減圧弁、
4は第一押出機、41は第一押出機4のホッパー、42
は第一押出機4の吐出口、5は第二押出機、51は第二
押出機5の吐出口、6は第二押出機5のクロスヘッド、
7は冷却装置である。第一押出機4は、その吐出口42
を介して第二押出機5とT字型に接続されている。
【0029】発泡用組成物の原料(ペレット)が、第一
押出機4のホッパー41に投入され、第一押出機4内で
溶融される。発泡剤は、ボンベ3から減圧弁32、発泡
剤注入ノズル31を経由して第一押出機4内に注入さ
れ、上記溶融物に圧入される。その後、第一押出機4内
で混合され発泡剤が圧入された組成物は、吐出口42を
経由して第二押出機5に移送される。移送された組成物
は、第二押出機5内で一層充分に混合され、吐出口51
を経由してクロスヘッド6に移送される。
【0030】第一押出機4と第二押出機5の各バレル内
の最適設定温度は、組成物の組成や発泡剤の種類により
多少異なるが、一般的には第二押出機5のバレル内温度
は第一押出機4のそれよりも低温度でかつ使用する熱可
塑性樹脂の溶融点より少し高温度になるように調節する
ことが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂として高密度ポ
リエチレンと低密度ポリエチレンの混合物を用いる場
合、ポリエチレン混合物の溶融点が132℃である場
合、第一押出機4のバレル内温度および圧力は180〜
210℃程度、50〜150気圧程度に調整し、第二押
出機5のバレル内温度および圧力は130〜140℃程
度、50〜150気圧程度である。なお、ここでの熱可
塑性樹脂の溶融点はDSCにて昇温速度10℃/分、重
量10mgの条件で測定したときの吸熱ピークトップを
溶融点とする。
【0031】導体供給部1から連続的に供給された導体
8は、予備加熱器2、クロスヘッド6、および冷却装置
7を順次通過して走行する。一方、第二押出機5内の組
成物は、吐出口51を経由してクロスヘッド6に移送さ
れて連続走行する導体8上に供給され、クロスヘッド6
の吐出口に設置されたダイス(図示せず)を通過して大
気中に押出されて発泡し、導体8上に電気絶縁発泡体層
を形成する。該電気絶縁発泡体層は、冷却装置7を通過
する間に冷却され、かくして発泡絶縁ケーブル9が製造
され、巻取装置10に巻き取られる。その後、かくして
製造された発泡絶縁ケーブル9に外部導体およびシース
を被覆して発泡同軸絶縁ケーブルが得られる。
【0032】本発明の発泡同軸絶縁ケーブルにおいて、
電気絶縁発泡体層の厚みは発泡度等によっても異なる
が、通常1〜20mm、好ましくは3〜13mmであ
る。導体としては、銅線が一般的であるが、銅以外の、
アルミニウム等の導体も使用可能である。また、導体は
概ね中空状であり、その外径は通常1〜20mmφ、好
ましくは5〜18mmφである。
【0033】外部導体としては、無酸素銅、アルミニウ
ム等が例示される。外部導体の厚みは通常0.1〜3m
m、好ましくは1〜2mmである。また、シース層とし
ては、ポリエチレンシースが一般的であるがポリウレタ
ン、ナイロン等の使用も可能である。シース層の厚みは
通常0.5〜3mm、好ましくは1〜2mmである。本
発明の発泡同軸絶縁ケーブルは、基本的に、導体、電気
絶縁発泡体層、外部導体、およびシース層を構成要素と
するが、他の機能層を有していてもよく、例えば、ガラ
ステープを発泡体層と外部導体の間に介在させてもよ
い。
【0034】発泡同軸絶縁ケーブルの完成品としての外
径(φ)は、使用用途によっても異なるが、通常1〜60
mm、好ましくは17〜51mmである。本発明の発泡
同軸絶縁ケーブルは、所謂、小サイズ化を意図したもの
で、移動体通信用アンテナ給電線、CATV用電線等の
用途に適している。
【0035】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をより具体的に
説明すると共に、比較例をも示して本発明の顕著な効果
を明らかにする。
【0036】前記図1に示した製造装置を用い、下記表
1の上段に示す組成の発泡用組成物を発泡剤にアルゴン
ガスを用いて発泡させて、外径9.1mmφの銅パイプ
(内径を外径22.4mmの発泡体層(電気絶縁発泡体
層)で被覆し、しかる後、該発泡体層を外径25.1m
mの外部導体(材質:無酸素銅)で被覆し、さらに、外
部導体を厚み1.5mmのポリエチレンシースで被覆し
て、実施例及び比較例の発泡同軸絶縁ケーブルを作製し
た。
【0037】なお、成核剤、酸化防止剤および金属不活
性剤はバンバリーミキサー等(装置)で140℃で混練
し、得られた混練物を約2mm角に細断してマスターバ
ッチペレットとし、該ペレットを約2mm角の熱可塑性
樹脂ペレットとドライブレンドしてから、ホッパーに投
入した。
【0038】表1の各原料の詳細は以下の通りである。 〔熱可塑性樹脂〕 PE−1:密度0.919g/cm3 、スエーリング比
57、MFR1.8の低密度ポリエチレン、 PE−2:密度0.963g/cm3 、スエーリング比
18、MFR8.0の高密度ポリエチレン、
【0039】〔酸化防止剤〕 A0−1:テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’
−ジ−第三−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕メタン A0−2:2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−
6−第三−ブチルフェノール A0−3:テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’
−ジ−第三−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕メタン
【0040】〔金属不活性剤〕 MI−1:3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,
4−トリアゾール、 MI−2:イソフタル酸ビス(2−フェノキシプロピオ
ニル−ヒドラジド) MI−3:2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−
(2−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル−ジ
フェニルメタン
【0041】〔成核剤〕 n−1:PTFE粉末(平均粒径:0.2μm) n−2:アゾジカルボンアミド
【0042】各実施例及び各比較例の発泡同軸絶縁ケー
ブルの初期(ヒートサイクル前)およびヒートサイクル
40回後の減衰量を測定した。ヒートサイクルはケーブ
ルを−30℃の低温空気室内に10時間放置し、ついで
70℃の高温空気室内に10時間放置することを1サイ
クルとした。また、ケーブルの減衰量は、ウィルトロン
(WILTRON)54111Aを使用して測定し、2GHzで
の減衰量が6.3dB/100m未満であるものを○
(極めて良好)、6.3dB/100m以上7.0dB
/100m未満であるものを△(良好)、7.0dB/
100m以上であるものを×(不可)とした。
【0043】表1の下段にこれらの結果と、酸化防止剤
と金属不活性剤の合計含有量(重量%)、発泡体絶縁層
の発泡度を併せて記載した。
【0044】
【表1】
【0045】表から、各実施例の同軸ケーブルは優れた
減衰特性を有するのに対して各比較例の同軸ケーブルは
減衰特性に劣ることがわかる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明の発泡用組成物は、酸化防止剤と金属不活性剤の含有
量が少量でありながら十分な耐酸化性及び耐金属害性を
有し、かつ、高周波帯域での電気特性が大きく改善され
たものとなり、かかる発泡用組成物を用いて得られる発
泡同軸絶縁ケーブルは、高周波帯域において従来にない
低減衰性を示すものとなる。よって、近年の移動体通信
用アンテナ給電線の小サイズ化や使用周波数帯域の一層
の高周波化にも十分に対応して、減衰量の少ない同軸絶
縁ケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡同軸絶縁ケーブルの製造装置例の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 導体供給部 2 導体予備加熱器 3 発泡剤を充填したボンベ 31 発泡剤注入ノズル 4 第一押出機 5 第二押出機 6 第二押出機のクロスヘッド 7 冷却装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 101:00 C08L 101:00 (56)参考文献 特開2001−31792(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/12 C08J 23/04 C08J 101/00 - 101/12 H01B 3/44

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂、フッ素樹脂粉末、酸化防
    止剤、および金属不活性剤を含有し、酸化防止剤と金属
    不活性剤との合計含有量が、上記成分の合計量に対して
    0.15重量%以下であることを特徴とする発泡用組成
    物。
  2. 【請求項2】 酸化防止剤と金属不活性剤との合計含有
    量が、上記成分の合計量に対して0.05重量%以下で
    ある請求項1記載の発泡用組成物。
  3. 【請求項3】 フッ素樹脂粉末の含有量が熱可塑性樹脂
    100重量部に当たり0.001〜1重量部である請求
    項1または2記載の発泡用組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が、密度0.91〜0.9
    25g/cm3 の低密度ポリエチレンおよび/または密
    度0.94〜0.97g/cm3 の高密度ポリエチレン
    である請求項1〜3のいずれかに記載の発泡用組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の発泡用
    組成物を発泡度70%以上に発泡させて形成された電気
    絶縁発泡体層を有する発泡同軸絶縁ケーブル。
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