JP3531942B2 - 軽合金製鏡面仕上材の製造方法 - Google Patents

軽合金製鏡面仕上材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウム合金や
マグネシウム合金等の軽合金からなる素材の表面に鏡面
仕上を行なった,軽合金製鏡面仕上材の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】素材の表面に鏡面仕上面を形成した鏡面
仕上材は、一般に熱処理等により均質に調整された素材
を用いて、その素材の表面に順次高精度の加工を行い、
最終的にバフ研摩等の極めて高精度の鏡面仕上加工を行
なうことにより製造されている。
【0003】これは、素材が軽合金製である場合でも同
様である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、軽合金製素
材を用いて鏡面仕上材を製造する場合、素材が均質に調
整されていても所定の面精度に鏡面仕上げを行なうこと
ができない場合があり、この場合には、高価な作業コス
トが無駄となるので好ましくない。
【0005】本願発明者は、このような従来技術を鋭意
研究の結果、アルミニウム合金等の軽合金製素材の鏡面
仕上げにおいては、素材表面での結晶の周囲に存在する
粒界が鏡面の形成に重要な影響を有することを察知し、
この粒界を破砕することによって、確実に良好な鏡面を
形成できることに想到した。
【0006】また、鏡面仕上材としての素材には種々の
形状のものが用いられ、鏡面仕上面は素材中の種々の部
分に形成されるので、前記粒界の破砕は自由度の高い加
工法により行なうことが必要である。
【0007】この発明は、このような背景に基づいてな
されたもので、作業コストの高価な鏡面仕上加工が無駄
となることを少なくするとともに、鏡面仕上材の形状等
の如何にかかわらず,良好な鏡面を備えた軽合金製鏡面
仕上材を安定的に製造することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、鋳造された軽合金製素材を
溶体化処理した後に、前記軽合金製素材の表面に、ショ
ットピーニング加工を施し、その加工面に鏡面仕上加工
を行なうことを特徴とする。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明によれば、鋳造され、溶体
化処理された軽合金製素材の表面にショットピーニング
を施すので、確実に良好な鏡面仕上を行なうことができ
る。
【0010】そして、このショットピーニング加工は、
種々の形状の素材に対しても施すことのできる自由度の
高い加工法であるので、鏡面仕上材の形状等の如何にか
かわらず,良好な鏡面を備えた軽合金製鏡面仕上材を安
定的に製造することができる。
【0011】
【実施例】以下に、まず、軽合金材料の鏡面仕上げのメ
カニズムを図1,図2により説明し、その後、具体例を
説明する。
【0012】図1において、1は鋳造された鏡面仕上用
軽合金素材としてのアルミニウム合金素材(以下、単に
素材という)、2は結晶粒、3は粒界であり、粒界3は
結晶粒2の周囲部分に析出している。
【0013】そして、粒界3は、SiやMg等を含んでお
り、軽合金の常として結晶粒2の内部より硬さの大きい
ものである。
【0014】このような素材1の表面をバフ研摩加工等
により鏡面仕上加工を行なうと、コンパウンドの塗着さ
れたバフは、結晶粒2の内部部分と粒界3との区別なく
同様に接触し、素材1の表面を研摩する。
【0015】しかし、前述のように粒界3は結晶粒2の
内部より硬さが大きく、逆に結晶粒2の内部は粒界3よ
り硬さが小さいので、結晶粒2の内部と粒界3との間で
のバフによる加工能率が相違し、所要の鏡面仕上加工を
行なった後には、素材1の表面において粒界3が上方に
突出し,結晶粒2の内部部分に下方に凹んだ凹部4が形
成される(図2参照)。なお、図中において、Sは素材
1の表面に仮想した真直平面である。
【0016】したがって、軽合金からなる素材1におい
て、一定の鏡面仕上加工により確実に良好な鏡面を得る
には、前記粒界3の上端位置から凹部4の底までの深さ
Lを小さくすることが重要な要素となる。
【0017】このような軽合金製素材の鏡面仕上げのメ
カニズムを考慮して、本願発明の実施例は、次のように
行なわれるものであり、鏡面仕上加工に先立って行なわ
れる溶体化処理およびショットピーニング加工に最大の
特徴がある。
【0018】すなわち、以下に説明する実施例は、アル
ミニウム合金(AC4C材)の鋳造により形成された自動車
用アルミホイール素材(以下、単にホイールという)1
1のデザイン面12に鏡面仕上げを行い、得られた鏡面
は、その後アルマイト被膜を形成するための下地として
用いられるものである。なお、デザイン面12とは、ホ
イール11を自動車に装着した場合に、車体外側を向く
面のことであり、自動車の外観の一部を構成する部分で
ある。
【0019】所定の形状に鋳造されたホイール11は、
所定の溶体化処理(T6)の後、ショットピーニング機械
によりショットピーニング加工が行なわれる(図3参
照)。
【0020】このショットピーニングの条件は、例えば
表1のようである。
【0021】
【表1】
【0022】 このような条件の下に図3に示すように、1本のショッ
ト用ノズルを用いて、ホイール11の全体に渡り、ショ
ットピーニング加工をおよそ20分行なうと、ショット
ピーニング加工を受けたホイール11のデザイン面12
の表面は、微細ななし地状の凹凸面となり、その表層部
分には塑性変形層が形成される。
【0023】この塑性変形層はショットの衝撃により形
成されたものであるので、アルミニウム合金の結晶の周
囲に形成されていた粒界は、破砕され,表面に均一に分
散されるとともに、一部は表層部分内に埋没し、また一
部はデザイン面12から脱落した状態となっている。
【0024】この実施例のショットピーニング加工は、
ショットの吹付速度が大きいので、ショットの有する運
動エネルギが高く、これにより前記塑性変形層の厚さは
1.5mm〜3.0mm程度となっている。
【0025】ショットピーニング加工は比較的自由度の
高い加工法であって、とくにこの実施例で用いている空
気吹付式ショットピーニングは、図3に示すように、工
作物に向けてショットを噴射する,ショット用ノズル1
3に、それぞれ可撓材からなる圧縮空気用ホース14と
ショット用ホース15を介して圧縮空気とショットとを
供給するので、ショット用ノズル13の向きや位置を自
由に調整することができ、デザイン面12に対する加工
の自由度がきわめて高いものである。
【0026】なお、このショットピーニング加工におい
てはショット用ノズル13を複数個設け、同時にホイー
ル11にショットを吹き付けることとすれば、このショ
ットピーニング加工の時間を短縮することができる。
【0027】このようにしてショットピーニング加工の
なされたホイール11は、機械加工されることにより所
要の形状に形成され、この後バレル研摩装置に供給され
てホイール11の全体表面にバレル研摩を行い表面を一
層平滑にする。
【0028】そして、このホイール11のデザイン面1
2は、一定の研摩荷重の下に所要のバフで適宜のコンパ
ウンドを用いてバフ研摩による,所定の鏡面仕上加工を
行なう。
【0029】これにより、デザイン面12が鏡面仕上げ
された鏡面仕上材としてのホイール11を得ることがで
き、これにアルマイト処理を行なってその表面をバフ等
で研摩することによりデザイン面12に表面の平滑なア
ルマイト被膜を有するホイール11が得られる。
【0030】このようなショットピーニング加工による
鏡面に対する効果を確認するために、次のような実験を
行なった。
【0031】この確認試験は、前記ホイールと同様に鋳
され、溶体化処理された2つのアルミ合金製ホイール
素材をテストピースとし、これらのホイール11のリム
溝16以外の表面全体に鏡面仕上を行なうものである。
【0032】なお、このテストピースはショットピーニ
ング加工による効果を確認することが目的であるので、
鋳造条件を調整して結晶の粒界が若干析出した金属組織
となっており、これらのテストピースはいずれも前記と
同様に所定の機械加工とバレル研摩加工がなされてい
る。
【0033】そして、このように形成された2つテスト
ピースのうちの一方の表面には、前記実施例と同様に所
定のショットピーニング加工を行い(テストピースAと
いう)、他方のテストピースにはショットピーニング加
工は行なわない(テストピースBという)。
【0034】これらのテストピースA,Bの表面を工具
顕微鏡で観察すると、ショットピーニング加工を行なっ
たテストピースAの表面においては、結晶の周囲に形成
されていた粒界は、ショットによる衝撃で破砕され、あ
たかも微小な結晶粒として再結晶したような金属組織を
呈しており、粒界は表面の全体に渡ってほぼ均一に微細
化して分散されていた。
【0035】他方、ショットピーニング加工を行なわな
かったテストピースBの表面においては、結晶の周囲に
は明瞭に多量の粒界が集中的に分布していることが確認
できた。
【0036】このようなテストピースA,Bの表面を、
それぞれ同一の研摩荷重の下に同一のバフで同一のコン
パウンドを用いたバフ研摩により鏡面仕上加工を行なっ
た。
【0037】なお、この鏡面仕上加工の時間を一定に設
定すると、各テストピースA,Bのテスト前の表面の良
否により影響を受けるおそれがあるので、無制限とし、
各テストピースA,Bのそれぞれが最良の仕上面となっ
た時点で鏡面仕上加工を終了することとした。
【0038】このようにして鏡面仕上加工が行なわれた
各テストピースA,Bの表面は、いずれも1μm以下の
面精度を有するものであるので、これらの各テストピー
スA,Bの仕上面の評価は、10名の観察者による目視観
察でテストピースA,Bの相対比較として行なった。
【0039】その評価結果は、次の表2のとおりであ
る。
【0040】
【表2】
【0041】 この表2に示す評価結果からすれば、ショットピーニン
グ加工を行なったテストピースAがテストピースBより
良好な鏡面に形成されていることを、観察者のいずれも
が認めるところである。
【0042】すなわち、鋳造され、溶体化処理された
ルミニウム合金製素材の表面にショットピーニングを施
した後、バフ研摩等の鏡面仕上加工を行なうことによ
り、良好な鏡面が確実に得られたことが確認されたもの
である。
【0043】そして、このショットピーニング加工は、
素材に向けてショットを吹き付けて行なうものであるの
で、種々の形状の素材に対しても比較的高い自由度をも
って加工することができ、鏡面仕上材の形状等の如何に
かかわらず,良好な鏡面を備えたアルミニウム合金製鏡
面仕上材を安定的に製造することができる。
【0044】なお、以上説明した実施例においては、鋳
物製アルミホイール素材のデザイン面等の表面を鏡面仕
上面とする場合をあげて説明したが、その他のアルミニ
ウム合金製鋳物であってもよく、またアルミニウム合金
に限らず、例えばマグネシウム合金等のその他の軽合金
であっても同様に実施することができる。。
【0045】一般にアルミニウム合金等の軽合金製鋳物
においては、結晶の周囲に析出する粒界が顕著であり、
本願によるショットピーニング加工による効果がとくに
大きいと考えられる。
【0046】
【0047】さらに、以上説明した実施例においては、
鏡面仕上加工としてはバフ研摩を行なうこととしたが、
精密切削や精密研削あるいはバレル仕上等のように鏡面
仕上加工としての公知の技術を用いることとしてもよ
い。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鋳造され、溶体化処理された軽合金製素材(特にアルミ
ニウム合金製素材)の表面にショットピーニングを施せ
ば、確実に良好な鏡面仕上を行なうことができる。
【0049】そして、このショットピーニング加工は、
種々の形状の素材に対しても施すことのできる自由度の
高い加工法であるので、鏡面仕上材の形状等の如何にか
かわらず,良好な鏡面を備えた軽合金製鏡面仕上材を安
定的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軽合金素材の表面模式図である。
【図2】図1のA−A線に沿う,断面図である。
【図3】本願実施例の製造方法におけるショットピーニ
ング加工の状況概略図である。
【符号の説明】
11 自動車用アルミホイール素材(ホイール) 12 デザイン面(加工面) 13 ショット用ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24C 1/10 C22F 1/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造された軽合金製素材を溶体化処理し
    た後に、前記軽合金製素材の表面に、ショットピーニン
    グ加工を施し、その加工面に鏡面仕上加工を行なうこと
    を特徴とする軽合金製鏡面仕上材の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の軽合金製鏡面仕上材の製
    造方法において、前記軽合金製素材をアルミニウム合金
    製素材としたことを特徴とする軽合金製鏡面仕上材の製
    造方法。
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JP2010269346A (ja) * 2009-05-22 2010-12-02 Asahi Tec Corp 鋳造品の表面加工方法及び製造方法
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