JP3531837B2 - X線発生装置の駆動方法及びx線回折装置の駆動方法 - Google Patents

X線発生装置の駆動方法及びx線回折装置の駆動方法

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JP3531837B2
JP3531837B2 JP22950993A JP22950993A JP3531837B2 JP 3531837 B2 JP3531837 B2 JP 3531837B2 JP 22950993 A JP22950993 A JP 22950993A JP 22950993 A JP22950993 A JP 22950993A JP 3531837 B2 JP3531837 B2 JP 3531837B2
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渉 林田
一 伊沢
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理学電機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線を発生するための
X線発生装置及びそのX線発生装置から発生するX線を
用いてX線回折測定を行うX線回折装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線発生装置は、一般に、真空雰囲気内
において互いに対向して配置されたフィラメント及びタ
ーゲットを有している。そして、加熱用電流をフィラメ
ントに流すことによってそのフィラメントを加熱して電
子を放出させ、さらにフィラメントとターゲットとの間
に管電圧を印加して上記のように放出された電子を加速
し、その電子をターゲットに衝突させることによってそ
のターゲットからX線を発生させる。
【0003】このようなX線発生装置には、封入管型及
び開放管型の2種類がある。封入管型というのは、フィ
ラメント及びターゲットを内部が真空状態のガラスチュ
ーブによって完全密封し、開放不能の状態になっている
X線発生装置のことである。一方、開放管型というの
は、フィラメント及びターゲットを密閉管の中に配置す
ると共に、稼動時にはその内部を真空ポンプによって排
気して真空にする形式のものである。
【0004】上記の開放管型のX線発生装置において
は、排気される密閉管の内部が安定した真空状態になる
まで正規のX線発生作業を実施することができない。従
って通常は、正規の稼動に入る前にかなり長い時間の慣
らし運転、いわゆるエージング処理を行うようにしてい
る。しかしながら、このエージング処理中、フィラメン
トとターゲットとの間に異常放電が発生することがあ
る。これは、密閉管を構成する物質からガスが発生した
り、管内にゴミが入った場合に特に発生し易い。このよ
うな異常放電が発生すると、ターゲットが損傷する。
【0005】従来、上記のような異常放電によるターゲ
ットの損傷を防止するため、次のような保安回路が用い
られている。すなわち、フィラメントとターゲットとの
間に流れる電流、いわゆる管電流を検出し、その管電流
値が異常に大きくなったことを検知して異常放電が発生
したものと判断し、そのときにフィラメントに供給する
加熱用電流及びフィラメントとターゲットとの間に印加
する管電圧の両方を遮断する。
【0006】しかしながら、この従来の保安回路では、
単発の放電が発生した場合でもX線発生装置の稼動が自
動的に停止してしまうので、そのようなときにX線発生
装置を再稼動させるためにエージング処理の間中、必ず
作業者がX線発生装置の動作を監視する必要があった。
仮に作業者が監視していないと、X線発生装置が長時間
停止したままの状態に放置され、エージング処理を再び
最初から始めなければならないというきわめて不都合な
問題が生じる。
【0007】また、フィラメントとターゲットとの間の
異常放電は、エージング処理の間だけに発生するものと
は限られず、X線発生装置が正規に稼動し出した後、す
なわち、例えばX線回折装置によるX線回折測定が開始
された後でも発生する場合がある。このようにX線回折
測定中にX線発生装置内で放電があると、X線発生装置
から放射されるX線は一時的に異常強度を示し、従っ
て、この異常強度のX線を用いて行われた測定はきわめ
て信頼性が低い。従来は、このような場合でも、何等の
補正処理は行われておらず、得られたデータが正常なも
のとして取り扱われていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解消するためになされたものであって、単発又は複
数回の異常放電が発生する場合でも、それがターゲット
に損傷を与えない程度のものであれば、フィラメントへ
の電流供給及びフィラメントとターゲットとの間の電圧
印加を遮断することなく継続させ、エージング処理のた
めの時間が不必要に長くなるのを防止することを第1の
目的とする。
【0009】また、X線回折測定の最中にX線発生装置
において放電があったときには、そのときに得られた測
定データを正規のデータとして取り扱わないようにし
て、測定データの信頼性を向上することを第2の目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明に係るX線発生装置の駆動方法は、フィ
ラメントを加熱するための加熱用電流をそのフィラメン
トに流し、フィラメントとターゲットとの間に管電圧を
印加し、フィラメントから放射された電子をターゲット
に衝突させることによってそのターゲットからX線を発
生させるX線発生装置の駆動方法において、(a)フィ
ラメントとターゲットとの間に流れる管電流の大きさを
検出し、(b)その管電流値が異常放電に対応する値を
越えたときにフィラメント加熱用電流及び管電圧を下
げ、(c)その後、前記X線発生装置の動作を中断させ
ない時間内に、フィラメント加熱用電流及び管電圧を設
定値まで所定の立ち上げ時間で上昇させる処理を開始す
ることを特徴とする。
【0011】また、上記第1の目的を達成するため、本
発明に係るさらに他のX線発生装置の駆動方法は、フィ
ラメントを加熱するための加熱用電流をそのフィラメン
トに流し、フィラメントとターゲットとの間に管電圧を
印加し、フィラメントから放射された電子をターゲット
に衝突させることによってそのターゲットからX線を発
生させるX線発生装置の駆動方法において、(a)フィ
ラメントとターゲットとの間に流れる管電流の大きさが
異常放電に対応する値を越える回数、すなわち電流突発
回数を検出し、(b)その電流突発回数が設定回数を越
えたときにフィラメント加熱用電流及び管電圧を下げ、
(c)その後、前記X線発生装置の動作を中断させない
時間内に、フィラメント加熱用電流及び管電圧を設定値
まで所定の立ち上げ時間で上昇させる処理を開始するこ
とを特徴とする。
【0012】さらに、上記第2の目的を達成するため、
本発明に係るX線回折装置の駆動方法は、フィラメント
を加熱するための加熱用電流をそのフィラメントに流
し、フィラメントとターゲットとの間に管電圧を印加
し、フィラメントから放射された電子をターゲットに衝
突させることによってそのターゲットからX線を発生さ
せるX線発生装置を有しており、そのX線発生装置から
放射されたX線を試料に経時的に照射し、その試料で回
折した回折X線をX線検出手段によって経時的に検出
し、その検出データの経時的な変化を観察するようにし
たX線回折装置の駆動方法において、フィラメントとタ
ーゲットとの間に流れる管電流の大きさを検出し、その
管電流値が異常放電に対応する値を越えたときに次の2
つの処理、すなわち(1)フィラメント加熱用電流及び
管電圧を下げ、その後、前記X線発生装置の動作を中断
させない時間内に、フィラメント加熱用電流及び管電圧
を設定値まで所定の立ち上げ時間で上昇させる処理を開
始すること、及び(2)X線検出手段によって検出され
た検出データのうち、管電流値が異常放電に対応する値
を越えた後の所定時間の検出データを正規の検出データ
として扱わない非データ化処理を実行することを特徴と
する。
【0013】また、上記第2の目的を達成するため、本
発明に係る他のX線回折装置の駆動方法は、フィラメン
トを加熱するための加熱用電流をそのフィラメントに流
し、フィラメントとターゲットとの間に管電圧を印加
し、フィラメントから放射された電子をターゲットに衝
突させることによってそのターゲットからX線を発生さ
せるX線発生装置を有しており、そのX線発生装置から
放射されたX線を試料に経時的に照射し、その試料で回
折した回折X線をX線検出手段によって経時的に検出
し、その検出データの経時的な変化を観察するようにし
たX線回折装置の駆動方法において、フィラメントとタ
ーゲットとの間に流れる管電流の大きさが異常放電に対
応する値を越える回数、すなわち電流突発回数を検出
し、その電流突発回数が設定回数を越えたときに次の2
つの処理、すなわち(1)フィラメント加熱用電流及び
管電圧を下げ、その後、前記X線発生装置の動作を中断
させない時間内に、フィラメント加熱用電流及び管電圧
を設定値まで所定の立ち上げ時間で上昇させる処理を開
始すること、及び(2)X線検出手段によって検出され
た検出データのうち、電流突発回数が設定回数を越えた
後の所定時間の検出データを正規の検出データとして扱
わない非データ化処理を実行することを特徴とする。
【0014】また、上記第2の目的を達成するため、本
発明に係るさらに他のX線回折装置の駆動方法は、フィ
ラメントを加熱するための加熱用電流をそのフィラメン
トに流し、フィラメントとターゲットとの間に管電圧を
印加し、フィラメントから放射された電子をターゲット
に衝突させることによってそのターゲットからX線を発
生させるX線発生装置を有しており、そのX線発生装置
から放射されたX線を試料に経時的に照射し、その試料
で回折した回折X線をX線検出手段によって経時的に検
出し、その検出データの経時的な変化を観察するように
したX線回折装置の駆動方法において、フィラメントと
ターゲットとの間に流れる管電流の大きさを検出し、そ
の管電流値が異常放電に対応する値を越えたときに次の
2つの処理、すなわち(1)フィラメント加熱用電流及
び管電圧を下げ、その後、前記X線発生装置の動作を中
断させない時間内に、フィラメント加熱用電流及び管電
圧を設定値まで所定の立ち上げ時間で上昇させる処理を
開始すること、及び(2)試料の角度位置及びX線検出
手段の角度位置を互いに同期させて、管電流値が設定値
を越える前の状態まで引き戻し、その引き戻した状態か
ら、再度、試料へのX線の照射及びX線検出手段による
回折X線の検出を行う処理を実行することを特徴とす
る。
【0015】また、上記第2の目的を達成するため、本
発明に係るさらに他のX線回折装置の駆動方法は、フィ
ラメントを加熱するための加熱用電流をそのフィラメン
トに流し、フィラメントとターゲットとの間に管電圧を
印加し、フィラメントから放射された電子をターゲット
に衝突させることによってそのターゲットからX線を発
生させるX線発生装置を有しており、そのX線発生装置
から放射されたX線を試料に経時的に照射し、その試料
で回折した回折X線をX線検出手段によって経時的に検
出し、その検出データの経時的な変化を観察するように
したX線回折装置の駆動方法において、フィラメントと
ターゲットとの間に流れる管電流の大きさが異常放電に
対応する値を越える回数、すなわち電流突発回数を検出
し、その電流突発回数が設定回数を越えたときに次の2
つの処理、すなわち(1)フィラメント加熱用電流及び
管電圧を下げ、その後、前記X線発生装置の動作を中断
させない時間内に、フィラメント加熱用電流及び管電圧
を設定値まで所定の立ち上げ時間で上昇させる処理を開
始すること、及び(2)試料の角度位置及びX線検出手
段の角度位置を互いに同期させて、電流突発回数が設定
回数を越える前の状態まで引き戻し、その引き戻した状
態から、再度、試料へのX線の照射及びX線検出手段に
よる回折X線の検出を行う処理を実行することを特徴と
する。
【0016】
【作用】本発明に係るX線発生装置の駆動方法のよう
に、フィラメントとターゲットとの間に流れる管電流の
大きさが異常放電に対応する値を越えたときにフィラメ
ント加熱用電流及び管電圧を下げ、その後、X線発生装
置の動作を中断させない時間内に、フィラメント加熱用
電流及び管電圧を設定値まで所定の立ち上げ時間で上昇
させる処理を開始するようにすれば、管電流が異常放電
に対応する値を越えた以降に放電が連続して発生するこ
とを防止できる。
【0017】また、本発明に係るX線発生装置の駆動方
法のように、電流突発回数が設定回数を越えたときにフ
ィラメント加熱用電流及び管電圧を下げるようにすれ
ば、X線発生装置内で異常放電が複数回発生する場合で
も、それがターゲットに損傷を与えない程度のものであ
れば、X線発生装置の稼動を停止することなくエージン
グ処理等を継続させることができる。
【0018】また、本発明に係るX線回折装置の駆動方
法のように、フィラメントとターゲットとの間に流れる
管電流が異常放電に対応する値を越えたときに次の2つ
の処理、すなわち(1)フィラメント加熱用電流及び管
電圧を下げ、その後、X線発生装置の動作を中断させな
い時間内に、フィラメント加熱用電流及び管電圧を設定
値まで所定の立ち上げ時間で上昇させる処理を開始する
こと、及び(2)X線検出手段によって検出された検出
データのうち、管電流値が異常放電に対応する値を越え
た後の所定時間の検出データを正規の検出データとして
扱わない非データ化処理を行えば、X線発生装置内で単
発の放電が発生した場合でも、X線回折測定を中断する
ことなく継続でき、しかもX線異常時に得られた測定デ
ータを誤って正規のデータとして考慮の対象としてしま
うおそれがない。
【0019】また、フィラメントとターゲットとの間に
流れる管電流の大きさが異常放電に対応する値を越える
回数、すなわち電流突発回数が設定回数を越えたときに
次の2つの処理、すなわち(1)フィラメント加熱用電
流及び管電圧を下げ、その後、X線発生装置の動作を中
断させない時間内に、フィラメント加熱用電流及び管電
圧を設定値まで所定の立ち上げ時間で上昇させる処理を
開始すること、及び(2)X線検出手段によって検出さ
れた検出データのうち、電流突発回数が設定回数を越え
た後の所定時間の検出データを正規の検出データとして
扱わない非データ化処理を行えば、X線発生装置内で放
電が連続して発生した場合でも、X線回折測定を中断す
ることなく継続でき、しかもX線異常時に得られた測定
データを誤って正規のデータとして考慮の対象としてし
まうおそれがない。
【0020】また、本発明に係るX線回折装置の駆動方
法のように、フィラメントとターゲットとの間に流れる
管電流の大きさが異常放電に対応する値を越えたときに
次の2つの処理、すなわち(1)フィラメント加熱用電
流及び管電圧を下げ、その後、前記X線発生装置の動作
を中断させない時間内に、フィラメント加熱用電流及び
管電圧を設定値まで所定の立ち上げ時間で上昇させる処
理を開始すること、及び(2)試料の角度位置及びX線
検出手段の角度位置を互いに同期させて、管電流値が設
定値を越える前の状態まで引き戻し、その引き戻した状
態から、再度、試料へのX線の照射及びX線検出手段に
よる回折X線の検出を行う処理を行えば、X線発生装置
内で単発の放電が発生した場合でも、X線回折測定を中
断することなく継続でき、しかもX線異常時には測定デ
ータが出力されることがなく、X線が正常状態に復帰し
た後に正常な測定データが再び出力される。これによ
り、信頼性の低いデータを誤って正規のデータとして考
慮の対象としてしまうおそれがない。
【0021】また、本発明に係るX線回折装置の駆動方
法のように、フィラメントとターゲットとの間に流れる
管電流の大きさが異常放電に対応する値を越える回数、
すなわち電流突発回数が設定回数を越えたときに次の2
つの処理、すなわち(1)フィラメント加熱用電流及び
管電圧を下げ、その後、X線発生装置の動作を中断させ
ない時間内に、フィラメント加熱用電流及び管電圧を設
定値まで所定の立ち上げ時間で上昇させる処理を開始す
ること、及び(2)試料の角度位置及びX線検出手段の
角度位置を互いに同期させて、電流突発回数が設定回数
を越える前の状態まで引き戻し、その引き戻した状態か
ら、再度、試料へのX線の照射及びX線検出手段による
回折X線の検出を行う処理を行えば、X線発生装置内で
放電が連続して発生した場合でも、X線回折測定を中断
することなく継続でき、しかもX線異常時には測定デー
タが出力されることがなく、X線が正常状態に復帰した
後に正常な測定データが再び出力される。これにより、
信頼性の低いデータを誤って正規のデータとして考慮の
対象としてしまうおそれがない。
【0022】
【実施例】図1は、本発明に係るX線発生装置及びそれ
を用いたX線回折装置の一実施例を示している。本実施
例では、開放管型で回転ターゲット方式のX線発生装置
に本発明を適用し、また粉末多結晶試料を測定対象とす
るθ−2θ系のゴニオメータを用いたX線回折装置に本
発明を適用している。
【0023】図1において、X線発生装置1は、内部が
密閉されたケーシング2と、そのケーシング2の内部に
配置されたフィラメント3と、そのフィラメント3に対
向して配置されたターゲット4とを有している。ターゲ
ット4は軸線Lを中心とした円盤形状に形成されてい
て、モータ5によって駆動されてその軸線Lを中心とし
て高速で回転する。この高速回転は、ターゲット4を冷
却するために行われるものである。
【0024】ゴニオメータ6は、紙面垂直方向に長い円
柱状のθ回転台7と、θ回転台7を取り囲むリング状の
2θ回転台8とを有している。θ回転台7には適宜の回
転伝達機構、例えばウオーム及びウオームホイールから
成る伝達機構を介してパルスモータ9が接続されてい
る。一方、2θ回転台8には同様の回転伝達機構を介し
てパルスモータ10が接続されている。測定対象である
粉末多結晶試料15は、図5に示すように、板状の試料
ホルダ16の上部に設けた方形状の開口に詰め込まれて
いる。試料ホルダ16をθ回転台7の上端に固着するこ
とにより、試料15がθ回転台7上に装着されている。
【0025】図1において、2θ回転台8の右側面には
検出器アーム11が固定されており、その検出器アーム
11上に受光スリット12、散乱線阻止スリット13及
びX線検出手段としてのX線カウンタ14が固定配置さ
れている。また、X線発生装置1と試料15との間には
発散スリット17が固定配置されている。
【0026】上記の各機械的構成要素を作動させるため
の電気制御系は、ホストコンピュータ18並びにそのホ
ストコンピュータ18によって動作制御される次の各機
器、すなわち高電圧印加回路19、ゴニオ制御回路2
0、計数回路21、そしてレコーダ22を有している。
ホストコンピュータ18は、CPU、記憶装置等を有す
る周知のコンピュータによって構成されており、その内
部の記憶装置には、X線回折測定を行うための所定のプ
ログラムが記憶されている。
【0027】ゴニオ制御回路20は、ホストコンピュー
タ18からの指令に基づいてθ回転用パルスモータ9及
び2θ回転用パルスモータ10へ駆動用パルス信号を供
給してそれらの各モータを回転させる。これらの回転に
より、θ回転台7は一定速度で正時計方向又は反時計方
向へ連続的又は間欠的に回転し(この回転は一般にθ回
転と呼ばれる)、一方、2θ回転台8はθ回転と同じ方
向へθ回転の2倍の速度で回転する(この回転は一般に
2θ回転と呼ばれる)。このゴニオ制御回路20は、検
出器アーム11の回転角度、すなわち回折角度(2θ)
を計測してその角度値を電気信号の形でレコーダ22へ
向けて出力する。
【0028】X線カウンタ14は、その内部にX線が取
り込まれたときに電気パルス信号を出力する。計数回路
21は、その出力信号を入力し、単位時間あたりのパル
ス数に比例した電気信号を出力する。この出力信号、す
なわちX線強度信号はレコーダ22に送り込まれる。レ
コーダ22は、入力した回折角度(2θ)及びX線強度
信号を図3に示すようなX線回折図形として記録する。
【0029】高電圧印加回路19は、図2に示すよう
に、商用電源22、例えば3相、200Vを入力する電
源部23と、電源部23の出力電圧を受ける高圧発生部
24とを有している。電源部23は、交流電圧を直流電
圧に変換するコンバータ25及びコンバータ25によっ
て直流化された電圧を高周波交流電圧に変換するインバ
ータ26を有している。インバータ26によって適宜の
周波数に交流化された電圧は高圧発生部24によって昇
圧される。高圧発生部24は、フィラメント3とターゲ
ット4との間に、例えば50KV程度の管電圧Vを印加
し、さらにフィラメント3に加熱用電流Ihを流す。電
流Ihの通電によりフィラメント3は発熱して電子を放
出し、その放出された電子が管電圧Vの働きによって加
速されてターゲット4に高速で衝突し、そのときにター
ゲット4にX線が発生する。このとき、フィラメント3
とターゲット4との間に、例えば200mA程度の管電
流Ik が電子流と反対方向に流れる。
【0030】高圧発生部24には、管電圧検出回路27
及び管電流検出回路28が付設されている。管電圧検出
回路27は、例えば複数の抵抗を直列に接続した、いわ
ゆる分圧回路によって構成されていて、フィラメント3
とターゲット4との間に印加される管電圧Vを検出し、
その検出信号は基準信号発生回路29へ送られる。一
方、管電流検出回路28は管電流Ik を検出し、その検
出信号は放電レベル検出回路30、保護回路31及び基
準信号発生回路29へ送られる。
【0031】基準信号発生回路29は、スロースタート
回路32を介して、管電圧基準レベル信号Svr及び管電
流基準レベル信号Sirをパルス幅変調制御回路33へ送
る。パルス幅変調制御回路33は、送られてきたレベル
信号Svr,Sirに基づいて高圧発生部24へ送る電力量
を制御する。この制御により、X線発生装置1における
管電圧V及び管電流Ik が一定値に制御される。スロー
スタート回路32は、特に管電圧V等の立ち上げ当初に
働くものであって、図4に示すように、管電圧V及びフ
ィラメント加熱用電流Ih をいきなり設定値Vt 及びI
t に上げるのではなくて、所定の立ち上げ時間Tをかけ
てゆっくりと上げるようにするものである。
【0032】放電レベル検出回路30は、コンパレータ
34及び基準レベル用可変電位Vrlを有している。管電
流検出回路28によって検出された管電流Ik は、この
コンパレータ34によって基準レベルVrlと比較され、
基準レベルVrlよりも高いときにそのコンパレータ34
に出力が生じる。この出力信号は2つに分岐されて、そ
れぞれコンデンサ35によってパルス化され、さらにワ
ンショット・マルチバイブレータ36a及び36bによ
って希望パルス幅のパルス信号に形成される。
【0033】一方のワンショットマルチ36aの出力は
放電回数読取り回路37へ送られる。この放電回数読取
り回路37は、互いに並列に接続されたコンデンサ38
及び抵抗39から成る積算回路40と、その積算回路4
0の出力信号及び基準レベル用可変電位Vr2からの基準
レベルVr2を入力するコンパレータ41とを有してい
る。積算回路40の時定数によって決まる所定の時間内
に異常放電が複数回連続して起こるとワンショットマル
チ36aに連続して出力パルスが生じ、それらの出力パ
ルスは積算回路40において積算される。この積算値が
基準レベルVr2よりも高くなると、コンパレータ41の
出力端子に出力信号が現れ、この出力信号によりリレー
RYが作動する。リレーRYの接点は、アラーム42へ
の給電路及び電源部23への給電路に配置されている。
【0034】他方のワンショットマルチ36bの出力は
2つに分岐され、その一方はホストコンピュータ18へ
送られ、他方はスイッチングトランジスタ43のベース
に送られる。スイッチングトランジスタ43のコレクタ
は基準信号発生回路29に接続されている。
【0035】以下、上記構成より成るX線発生装置及び
X線回折装置についてその動作を説明する。
【0036】(X線発生装置のエージング処理) 図1において、X線発生装置1のケーシング2内を真空
ポンプ(図示せず)によって排気して、例えば10−6
orr程度の真空にする。真空処理が終了すると、エー
ジング処理が実行される。すなわち、必要な負荷、例え
ば管電圧が50KV、管電流が200mAになるまで1
0分以上の時間をかけて徐々に管電圧及び管電流を上げ
てゆく。エージング処理が完了してX線発生装置1が正
規の稼動状態にセットされると、X線回折測定が開始さ
れる。
【0037】(X線回折測定) ゴニオメータ6を初期位置に設定する。すなわち、試料
15に入射するX線の入射角度θ=0°に設定し、X線
カウンタ14を回折角度2θ=0°の位置に設定する。
この状態からθ回転用モータ9及び2θ回転用モータ1
0を作動させて、θ回転台7をθ回転させ、2θ回転台
8を2θ回転させる。以上のようなθ−2θ回転が行わ
れている間、X線発生装置1から放射されたX線は発散
スリット17によって発散角を制限された状態で試料1
5に入射する。
【0038】入射X線と試料15の結晶格子面との間で
ブラッグ条件が満足されると、その結晶格子面において
X線が回折し、その回折X線は焦点円P上に位置する受
光スリット12に集中する。集中した回折X線は、散乱
線阻止スリット13によって散乱X線と区別されてX線
カウンタ14内へ導かれ、そのX線カウンタ14の出力
端子にパルス信号が出力される。この出力信号は計数回
路21によって計数されて単位時間当たりのパルス数に
比例した電気信号として出力され、その出力信号がレコ
ーダ22に記録される。
【0039】レコーダ22は、ゴニオ制御回路20から
の回折角度(2θ)の情報も入力しているので、その記
録結果は図3に示すように、横軸に回折角度(2θ)を
とり、縦軸に回折X線強度をとった座標系上に周知の回
折線図形として表される。この回折線図形を観察するこ
とにより、試料15に関する種々の判定、例えば、その
試料15を構成する物質の判定が行われる。
【0040】(エージング処理時にX線発生装置内で放
電が発生した場合の処理) 1.単発放電の場合 図1において、X線発生装置1のケーシング2内にゴミ
が存在したり、ケーシング2から発生したガスがケーシ
ング2内に存在すると、フィラメント3とターゲット4
との間でしばしば異常放電が発生する。この異常放電が
発生すると、図2において、管電流検出回路28に異常
電流が検出され、この異常電流は放電レベル検出回路3
0において基準レベルVrlと比較され、それが基準レベ
ルVrlよりも大きい場合、コンパレータ34に出力信号
が現れる。
【0041】放電が単発である場合、コンパレータ34
の出力信号はワンショットマルチ36bで所定形状のパ
ルス信号に成形された後、トランジスタ43をパルス幅
に相当する所定時間ONとする。トランジスタ43がO
Nとなると、基準信号発生回路29がアースに導通し、
よってパルス幅変調制御回路33によって制御されてX
線発生装置1に印加される管電圧V及びフィラメント加
熱用電流Ih が異常放電を発生させないような低いレベ
ルに下げられる。例えば、V=Ih=0に遮断される。
これにより、今問題となった単発放電の後に別の放電が
連続して発生することが防止される。
【0042】その後、ワンショット・マルチ36bの出
力パルス信号のパルス幅に相当する時間が経過すると、
トランジスタ43がOFFとなり、再び基準信号発生回
路29とパルス幅変調制御回路33とが導通して、X線
発生装置1への管電圧Vの印加及びフィラメント加熱用
電流Ihの給電が再開される。但し、このとき、管電圧
V及びフィラメント加熱用電流Ihはスロースタート回
路32の働きにより、図4に示すように、設定値Vt及
びItまで時間Tをかけてゆっくりと立ち上げられる。
従って、再び放電が発生する心配はない。
【0043】以上のように、単発放電が発生しても、X
線発生装置1のエージング処理は中断することなく継続
される。しかも、管電圧V及びフィラメント加熱用電流
Ihはゆっくりと立ち上げられるので、放電が連続して
発生する心配はない。
【0044】2.連続放電の場合 X線発生装置1内で放電が連続して発生する場合、それ
ら個々の放電に対応してワンショットマルチ36aの出
力端子に連続してパルス信号が出力される。これらのパ
ルス信号はコンデンサ38を含む積算回路40に順次蓄
積されてゆく。放電が複数回繰り返して発生し、積算回
路40の固有の時定数に対応した所定の時間内に積算さ
れた上記パルス信号の積算電圧値がコンパレータ41の
基準レベルVr2よりも高くなると、コンパレータ41の
出力端子に出力信号が現れ、これによりリレーRYが作
動する。
【0045】リレーRYが作動すると、アラーム42が
作動して測定者に警報し、さらに電源部23に対する給
電路に配置したリレー接点RYがOFFとなって給電が
遮断される。これにより、X線発生装置1における放電
の発生が防止される。このように放電回数読取り回路3
7は、放電に対応して発生するパルス信号の積算値が基
準値を越えるか否かによって放電回数が許容値を越えた
か否かを判定し、越えた場合には警報を発して給電を停
止する。
【0046】なお、コンパレータ41の出力端子をリレ
ーRYに導くのではなくて、スイッチングトランジスタ
43のベースへ導くようにすれば、X線発生装置1にお
ける放電回数が許容値を越えたときに、既述のように、
管電圧V及びフィラメント加熱用電流Ihを一旦下げ、
そしてその後、スロースタート方式(図4)によって再
び設定値までゆっくりと立ち上げるように措置すること
もできる。
【0047】(X線回折測定時にX線発生装置内で放電
が発生した場合の処理) X線発生装置1内における放電はエージング処理時に発
生するだけではなく、X線回折測定が開始された後にも
発生することがある。このような場合、X線発生装置1
から発生するX線の強度は異常値を示し、よってこのと
きにX線カウンタ14によって得られた測定データは信
頼性が低い。本実施形態では、測定結果の信頼性を向上
するため以下の措置を講じている。
【0048】1.測定データの非データ化処理(図3の
A) 図3において、X線回折測定が開始された後、回折角度
θ1の位置でX線発生装置1内において放電があったも
のとする。すると、図2においてワンショットマルチ3
6bに出力信号が現れ、それがホストコンピュータ18
へ送られる。信号を受けたホストコンピュータ18は、
図1において、レコーダ22に指令を送り、放電発生時
θ1から所定時間T1の間のデータを正規のデータとし
て取り扱わないように指示するための表示を行う。この
ような表示としては、例えば、その範囲にアンダーライ
ンを引いたり、その範囲の測定データを削除、すなわち
紙上に記録しないようにしたりすることができる。
【0049】2.測定条件のバック処理(図3のB) 上記の非データ化処理に代えて次のような測定条件のバ
ック処理を行うこともできる。すなわち、図3におい
て、回折角度θ1の位置でX線発生装置1内において放
電があると、図1において、ホストコンピュータ18は
ゴニオ制御回路20及びレコーダ22に指令を送り、X
線カウンタ14の角度位置、すなわち2θ回転台8の角
度位置をθ1よりも手前側のθ2に引き戻し、それに対
応させて試料15の角度位置、すなわちθ回転台7の角
度位置も手前側に引き戻す。そして、この引き戻した状
態からθ−2θ回転を再開して再度、X線回折測定を開
始する。このような操作により、放電発生時θ1におけ
る測定データ(異常値)は回折線図形上に現れることが
なくなる。
【0050】以上の説明では、ワンショットマルチ36
bに出力信号が現れた場合、すなわち単発放電があった
場合に、測定データの非データ化処理や、測定条件のバ
ック処理等を行うものとした。しかしながら、放電回数
読取り回路37の出力端子をホストコンピュータ18に
導くように回路構成すれば、許容回数を越えた放電があ
ったときにそれらの処理を実行するようにすることもで
きる。
【0051】以上、好ましい実施例を用いて本発明を説
明したが、本発明はそれらの実施例に限定されるもので
はなく、請求の範囲に記載した技術的範囲内で種々に改
変できる。
【0052】例えば、上記実施例では粉末多結晶試料を
測定対象とするθ−2θ系ゴニオメータを用いたX線回
折測定を行う場合に本発明を適用した。しかしながら本
発明は、試料にX線を経時的に照射すると共にその試料
で回折したX線、すなわち回折X線をX線カウンタによ
って経時的に検出するようにした、あらゆる種類のX線
回折測定に対しても適用可能である。
【0053】
【発明の効果】本発明に係るX線発生装置の駆動方法に
よれば、管電流値に異常があったり、電流突発回数に異
常があった場合に、フィラメント加熱用電流及び管電圧
の両方を下げるようにしたので、X線発生装置内で単発
又は複数回放電が発生したときでも、それに引き続く連
続放電の発生を防止しつつ、しかも管電圧印加及びフィ
ラメント加熱用電流の供給を遮断することなく継続させ
ることができる。この結果、エージング処理のための時
間が不必要に長くなるのを防止できる。
【0054】また、本発明に係るX線発生装置の駆動方
法によれば、フィラメント加熱用電流及び管電圧を下げ
ることの判定基準を電流突発回数としたので、X線発生
装置内で複数回の放電が発生する場合でも、それがター
ゲットを損傷させない程度の許容限度以内の回数であれ
ば、管電圧印加及びフィラメント加熱用電流の供給を遮
断することなく継続させることができる。この結果、エ
ージング処理のための時間が不必要に長くなるのを防止
できる。
【0055】また、本発明に係るX線回折装置の駆動方
法によれば、X線発生装置において異常放電があったと
きには、そのときに得られた測定データを正規のデータ
として取り扱わないようにして、測定データの信頼性を
向上することができる。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線発生装置の駆動方法及びX線
回折装置の駆動方法を用いたX線装置の一実施例を示す
平面図である。
【図2】同X線装置における電気制御系の要部を示す回
路図である。
【図3】同X線装置によって求められる回折線図形の一
例を示すグラフである。
【図4】管電圧印加時及びフィラメント加熱用電流供給
時に実行されるスロースタート方式の立ち上げ状態を示
す図である。
【図5】試料の支持状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 X線発生装置 2 ケーシング 3 フィラメント 4 ターゲット 6 ゴニオメータ 7 θ回転台 8 2θ回転台 9 モータ 10 モータ 11 検出器アーム 14 X線カウンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−136198(JP,A) 特開 昭58−209898(JP,A) 特開 昭57−162299(JP,A) 特開 平3−210799(JP,A) 特開 平3−48160(JP,A) 特開 平3−10161(JP,A) 特開 平2−5398(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05G 1/00 - 2/00 特許ファイル(PATOLIS) 実用ファイル(PATOLIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィラメントを加熱するための加熱用電流
    をそのフィラメントに流し、フィラメントとターゲット
    との間に管電圧を印加し、フィラメントから放射された
    電子をターゲットに衝突させることによってそのターゲ
    ットからX線を発生させるX線発生装置の駆動方法にお
    いて、 (a)フィラメントとターゲットとの間に流れる管電流
    の大きさを検出し、 (b)その管電流値が異常放電に対応する値を越えたと
    きにフィラメント加熱用電流及び管電圧を下げ、 (c)その後、前記X線発生装置の動作を中断させない
    時間内に、フィラメント加熱用電流及び管電圧を設定値
    まで所定の立ち上げ時間で上昇させる処理を開始するこ
    とを特徴とするX線発生装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】 フィラメントを加熱するための加熱用電流
    をそのフィラメントに流し、フィラメントとターゲット
    との間に管電圧を印加し、フィラメントから放射された
    電子をターゲットに衝突させることによってそのターゲ
    ットからX線を発生させるX線発生装置の駆動方法にお
    いて、 (a)フィラメントとターゲットとの間に流れる管電流
    の大きさが異常放電に対応する値を越える回数、すなわ
    ち電流突発回数を検出し、 (b)その電流突発回数が設定回数を越えたときにフィ
    ラメント加熱用電流及び管電圧を下げ、 (c)その後、前記X線発生装置の動作を中断させない
    時間内に、フィラメント加熱用電流及び管電圧を設定値
    まで所定の立ち上げ時間で上昇させる処理を開始するこ
    とを特徴とするX線発生装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】 フィラメントを加熱するための加熱用電流
    をそのフィラメントに流し、フィラメントとターゲット
    との間に管電圧を印加し、フィラメントから放射された
    電子をターゲットに衝突させることによってそのターゲ
    ットからX線を発生させるX線発生装置を有しており、 そのX線発生装置から放射されたX線を試料に経時的に
    照射し、その試料で回折した回折X線をX線検出手段に
    よって経時的に検出し、その検出データの経時的な変化
    を観察するようにしたX線回折装置の駆動方法におい
    て、 フィラメントとターゲットとの間に流れる管電流の大き
    さを検出し、 その管電流値が異常放電に対応する値を越えたときに次
    の2つの処理、すなわち (1)フィラメント加熱用電流及び管電圧を下げ、その
    後、前記X線発生装置の動作を中断させない時間内に、
    フィラメント加熱用電流及び管電圧を設定値まで所定の
    立ち上げ時間で上昇させる処理を開始すること、及び (2)X線検出手段によって検出された検出データのう
    ち、管電流値が異常放電に対応する値を越えた後の所定
    時間の検出データを正規の検出データとして扱わない非
    データ化処理を実行することを特徴とするX線回折装置
    の駆動方法。
  4. 【請求項4】 フィラメントを加熱するための加熱用電流
    をそのフィラメントに流し、フィラメントとターゲット
    との間に管電圧を印加し、フィラメントから放射された
    電子をターゲットに衝突させることによってそのターゲ
    ットからX線を発生させるX線発生装置を有しており、 そのX線発生装置から放射されたX線を試料に経時的に
    照射し、その試料で回折した回折X線をX線検出手段に
    よって経時的に検出し、その検出データの経時的な変化
    を観察するようにしたX線回折装置の駆動方法におい
    て、 フィラメントとターゲットとの間に流れる管電流の大き
    さが異常放電に対応する値を越える回数、すなわち電流
    突発回数を検出し、 その電流突発回数が設定回数を越えたときに次の2つの
    処理、すなわち (1)フィラメント加熱用電流及び管電圧を下げ、その
    後、前記X線発生装置の動作を中断させない時間内に、
    フィラメント加熱用電流及び管電圧を設定値まで所定の
    立ち上げ時間で上昇させる処理を開始すること、及び (2)X線検出手段によって検出された検出データのう
    ち、電流突発回数が設定回数を越えた後の所定時間の検
    出データを正規の検出データとして扱わない非データ化
    処理を実行することを特徴とするX線回折装置の駆動方
    法。
  5. 【請求項5】 フィラメントを加熱するための加熱用電流
    をそのフィラメントに流し、フィラメントとターゲット
    との間に管電圧を印加し、フィラメントから放射された
    電子をターゲットに衝突させることによってそのターゲ
    ットからX線を発生させるX線発生装置を有しており、 そのX線発生装置から放射されたX線を試料に経時的に
    照射し、その試料で回折した回折X線をX線検出手段に
    よって経時的に検出し、その検出データの経時的な変化
    を観察するようにしたX線回折装置の駆動方法におい
    て、 フィラメントとターゲットとの間に流れる管電流の大き
    さを検出し、 その管電流値が異常放電に対応する値を越えたときに次
    の2つの処理、すなわち (1)フィラメント加熱用電流及び管電圧を下げ、その
    後、前記X線発生装置の動作を中断させない時間内に、
    フィラメント加熱用電流及び管電圧を設定値まで所定の
    立ち上げ時間で上昇させる処理を開始すること、及び (2)試料の角度位置及びX線検出手段の角度位置を互
    いに同期させて、管電流値が設定値を越える前の状態ま
    で引き戻し、その引き戻した状態から、再度、試料への
    X線の照射及びX線検出手段による回折X線の検出を行
    う処理を実行することを特徴とするX線回折装置の駆動
    方法。
  6. 【請求項6】 フィラメントを加熱するための加熱用電流
    をそのフィラメントに流し、フィラメントとターゲット
    との間に管電圧を印加し、フィラメントから放射された
    電子をターゲットに衝突させることによってそのターゲ
    ットからX線を発生させるX線発生装置を有しており、 そのX線発生装置から放射されたX線を試料に経時的に
    照射し、その試料で回折した回折X線をX線検出手段に
    よって経時的に検出し、その検出データの経時的な変化
    を観察するようにしたX線回折装置の駆動方法におい
    て、 フィラメントとターゲットとの間に流れる管電流の大き
    さが異常放電に対応する値を越える回数、すなわち電流
    突発回数を検出し、 その電流突発回数が設定回数を越えたときに次の2つの
    処理、すなわち (1)フィラメント加熱用電流及び管電圧を下げ、その
    後、前記X線発生装置の動作を中断させない時間内に、
    フィラメント加熱用電流及び管電圧を設定値まで所定の
    立ち上げ時間で上昇させる処理を開始すること、及び (2)試料の角度位置及びX線検出手段の角度位置を互
    いに同期させて、電流突発回数が設定回数を越える前の
    状態まで引き戻し、その引き戻した状態から、再度、試
    料へのX線の照射及びX線検出手段による回折X線の検
    出を行う処理を実行することを特徴とするX線回折装置
    の駆動方法。
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