JP3530411B2 - 耐食性材料の塗装方法、耐食性部材の製造方法 - Google Patents

耐食性材料の塗装方法、耐食性部材の製造方法

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JP3530411B2 JP04232799A JP4232799A JP3530411B2 JP 3530411 B2 JP3530411 B2 JP 3530411B2 JP 04232799 A JP04232799 A JP 04232799A JP 4232799 A JP4232799 A JP 4232799A JP 3530411 B2 JP3530411 B2 JP 3530411B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、事業用ボイラ、産
業用ボイラ、石炭ガス化炉などにおいて、耐水蒸気酸化
性及び耐硫酸露点腐食などの耐食性が要求される部位に
好適に使用できる安価な耐食性材料の塗装方法、及び耐
食性材料のコーティング層を形成してなる耐食性部材の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】事業用ボイラ、産業用ボイラ、石炭ガス
化炉などにおいては、水蒸気酸化性及び硫酸露点腐食に
晒される部位が多く、従来は高Crステンレス鋼又はN
i基の耐食合金が大量に用いられてきた。しかしなが
ら、これらの材料(部材)は、Cr、Ni、Moなどの
稀少金属を大量に含むため素材コストが高価であり、こ
れらの材料を使用した装置自身の価格も必然的に高価な
ものになっていた。
【0003】しかしながら近年、産業上及び環境上の必
要性から、より安価な電力の供給が求められており、こ
れを実現するために設備費の低減が要望されるようにな
ってきた。このような観点から、前記のような高級材料
に代わり、より安価な材料の耐食用途への実用化が要望
されている。安価な材料の代表的なものとしては炭素鋼
があげられるが、これらの安価な材料の耐食性は、前記
のような耐水蒸気酸化性及び耐硫酸腐食性などの耐食性
が要求される部位に使用するには不十分であり、そのま
まの状態で使用することはできない。そこで、最も現実
的な対策としては、前記のような安価な材科を基材とし
て、耐食性が必要な表面(パイプの場合には外面及び内
面)にのみ耐食材料をコーティングする手法が考えられ
る。
【0004】この場合、必要な高級素材の量は、従来の
これらの素材を用いて一体に形成されたものに比べはる
かに少なくなるため、原理的には素材コストが大幅に低
減することを期待できるが、これを実現するためのキー
となる技術は、緻密なコーティング膜(被覆層)を形成
するコーティング技術とコーティング材料である。ま
た、この場合はコスト低減が目的であるため、コーティ
ング膜の施工法としては高効率で安価なものが必要であ
る。
【0005】従来より、耐食性を有する耐食材料を基材
の表面にコーティングする技術としては、肉盛り溶接、
溶射及びクロマイズ処理などがあった。これらの技術
は、いずれも下記に示すような問題を有しており、従っ
て、局所的小領域での使用はなされてきたが、大面積の
基材全体にわたって耐食性を付与するという前記のよう
な要望に応えることはできなかった。
【0006】(1)肉盛り溶接 コーティング速度が遅く、大面積のコーティングを行え
ば施工費用が高くなるため、高級素材の一体材とコスト
的に大差がなくなる。また、肉盛り溶接装置が大きいた
め、パイプ内面など狭い場所へのコーティングは困難で
ある。 (2)溶射 肉盛り溶接よりもコーティング速度は速いが、まだ不十
分である。また、溶射のままではコーティング層がポー
ラスであるため、耐食性は不十分である。さらに、肉盛
り溶接の場合と同様に装置が大きいため、パイプ内面な
ど狭い場所でのコーティングは困難である。 (3)クロマイズ処理 Crなどを含む粉末中に基材を埋め込んで、高温に加熱
することによって基材表面にCrを拡散させ、表面Cr
濃度を増加させる手法である。パイプ内面にもコーティ
ング可能であるが、大面積になると非常に大量のCrが
必要となるため、コーティングコストは増加する。ま
た、Crの増加だけでは、硫酸腐食に対しての耐食性が
不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述した
従来の技術では、大面積の部材全体に適用不可能であ
り、しかも、種々の環境における耐食性が良好なコーテ
ィングを安価に施すことは困難である。従って、高級素
材の一体材を使用せざるを得ないというのが実状であ
り、このため、各種ボイラ、石炭ガス化炉、発電機など
の設備費用の低減を妨げていた。そこで、現在、上述し
た従来の問題を解決する技術として、緻密で基材との密
着性が良好であり、しかも大面積部材やパイプ内面など
コーティング困難とされる部位にもコーティング層を形
成できる耐食性材料が開発されており、例えば特開平1
0−324976号公報に開示されている。
【0008】しかしながら、この耐食性材料は、スラリ
化時に用いる希釈剤として有機溶剤を使用するので人体
に有害であり、また、エアスプレー及びエアレス塗装機
を用いた塗装においては、スラリ状の合金粉末が沈降
し、エアスプレー及びエアレス塗装機に詰まりが生じて
塗装不能になるという問題が発生するので、これらの問
題を解決することが望まれている。本発明は、上記事情
に鑑みてなされたものであり、大面積部及びパイプ内面
などのようにコーティングが困難な場所に対しても、安
価で安全に適用できる耐食性材料の塗装方法、及び耐食
性材料の被服層を形成してなる耐食性部材の製造方法を
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の
耐食性材料の塗装方法は、B及びSiの1種又は2種を
含有する低融点の耐食性アモルファス合金粉末、分散媒
及び安定剤を混合して粘度500〜2500cpのスラ
リ化した耐食性コ一ティング材料を被塗装金属面に塗布
することを特徴とするものである。この場合、耐食性ア
モルファス合金粉末の平均粒径は、10〜150μmの
範囲にあることが望ましい。また、耐食性コーティング
材料の塗布は、好適にはドブ浸け、刷毛塗りまたはスプ
レー塗装によりなされる。
【0010】このような耐食性材料の塗装方法によれ
ば、スラリ化した耐食性コーティング材料の塗布によ
り、被塗装金属面に緻密で均一な耐食性コーティング材
料の塗膜を形成することができる。
【0011】請求項4に記載の耐食性材料の塗装方法
は、B及びSiの1種又は2種を含有する低融点の耐食
性アモルファス合金粉末を粉体塗装により被塗装金属面
に塗布することを特徴とするものである。この場合、耐
食性アモルファス合金粉末の平均粒径は、10〜500
μmの範囲にあることが望ましい。
【0012】このような耐食性材料の塗装方法によれ
ば、分散媒及び安定剤が不要の粉体塗装によって、被塗
装金属面に緻密で均一な耐食性コーティング材料の塗膜
を形成することができる。
【0013】上記請求項1または4に記載の耐食性材料
の塗装方法は、前記耐食性アモルファス合金が、重量%
でCr15〜35%、Mo2〜12%、Cu0.5〜5
%、BおよびSiの1種又は2種で10%以下(ただ
し、0%を含まず)、残部Ni及び不可避適不純物から
なる組成を有するものが好ましい。
【0014】請求項7に記載の耐食性部材の製造方法
は、B及びSiの1種又は2種を含有する低融点の耐食
性アモルファス合金粉末、分散媒及び安定剤を混合して
粘度500〜2500cpのスラリ化した耐食性コ一テ
ィング材料を被塗装金属面に塗布した後、拡散処理を施
すことを特徴とするものである。この場合、耐食性アモ
ルファス合金粉末の平均粒径は、10〜150μmの範
囲にあることが望ましい。また、耐食性コーティング材
料の塗布は、好適にはドブ浸け、刷毛塗りまたはスプレ
ー塗装によりなされる。
【0015】このような耐食性部材の製造方法によれ
ば、スラリ化した耐食性コーティング材料の塗布によっ
て被塗装金属面に緻密で均一な耐食性コーティング材料
の塗膜を形成した後、拡散処理を施すことで耐食性コー
ティング層が形成されるので、耐食性に優れた安価な耐
食性部材を製造することが可能となる。
【0016】請求項10に記載の耐食性部材の製造方法
は、B及びSiの1種又は2種を含有する低融点の耐食
性アモルファス合金粉末を粉体塗装により被塗装金属面
に塗布した後、拡散処理を施すことを特徴とするもので
ある。この場合、耐食性アモルファス合金粉末の平均粒
径は、10〜500μmの範囲にあることが望ましい。
【0017】このような耐食性部材の製造方法によれ
ば、分散媒及び安定剤の混合が不要となる粉体塗装によ
って、被塗装金属面に緻密で均一な耐食性コーティング
材料の塗膜を形成した後、拡散処理を施すことで耐食性
コーティング層が形成されるので、耐食性に優れた安価
な耐食性部材を製造することが可能となる。
【0018】上記請求項7または10に記載の耐食性部
材の製造方法は、前記耐食性アモルファス合金が、重量
%でCr15〜35%、Mo2〜12%、Cu0.5〜
5%、BおよびSiの1種又は2種で10%以下(ただ
し、0%を含まず)、残部Ni及び不可避適不純物から
なる組成を有するものが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る耐食性材料の
塗装方法、耐食性部材の製造方法に係る一実施形態を説
明する。本発明による耐食性材料の塗装方法では、B及
びSiの1種又は2種を含有する低融点の耐食性アモル
ファス合金粉末と、分散媒と、安定剤とを混合して、粘
度が500cp〜2500cpの間でスラリ化した耐食
性コ一ティング材料を被塗装金属面に塗布して塗膜を形
成するものである。
【0020】耐食性アモルファス合金粉末については、
重量%で15〜35%のCr、2〜12%のMo、0.
5〜5%のCu、1種又は2種で10%以下(ただし、
0%を含まず)のBおよびSi、残部Ni及び不可避適
不純物からなる組成を有するのが好ましい。このうち、
Crについては、含有率が15重量%以下になると耐食
性が低下するため好ましくなく、反対に含有率が35重
量%を超えると、他の添加元素の含有率が相対的に低く
なってしまうため好ましくない。Moについては、含有
率が2重量%以下では、耐腐食層の強度及び耐腐食性が
低下してしまうので好ましくなく、反対に含有率が12
重量%を超えると、他の添加元素の含有率が相対的に低
くなってしまうため好ましくない。Cuは耐硫酸性に有
効な添加元素であり、含有率が0.5重量%以下では充
分な耐硫酸性が得られないため好ましくなく、また、含
有率が5重量%を超えてもそれ以上の効果が得られな
い。
【0021】Bには、Ni合金の融点を下げる作用があ
るので、低温での拡散接合を可能にするという効果があ
る。このため、含有率が0重量%ではNi合金の融点を
低下させることができなくなり、高温でNi合金を拡散
接合させなければならなくなって、製造コストが高くな
るという問題が生じる。反対に、Bの含有率が10重量
%を超えると、MoBやCrBなどの固い析出物が析出
成長し、耐腐食層が脆くなるため好ましくない。Siに
は、前述したBと同様にNi合金の融点を下げる作用に
加えて、原料粉末であるNi合金の液相の粘度を低下さ
せるという作用があり、Ni合金が溶融した場合に、耐
腐食層の厚さ及び組成の均一性を高める効果がある。こ
のため、含有率が0重量%ではNi合金の融点及び液相
の粘度を低下させることができなくなり、結果的に耐腐
食層の厚さ及び組成の均一性が損なわれてしまうため好
ましくない。反対に、Siの含有率が10重量%を超え
ると、Si化合物の形成により脆くなるので好ましくな
い。また、上述したように、B及びSiについては共に
含有されているのが好ましいのであるが、何れか一方の
みでも含有されていれば、それぞれNi合金の融点を低
下させる効果、及びNi合金の液相の粘度を低下させる
作用が得られる。なお、B及びSiを共に含有する場合
には、その含有率が合計で10重量%を超えると、他の
添加元素の割合が相対的に低下するので好ましくない。
【0022】分散媒としては、水及びアルコールを用い
ることができる。特に、水の使用が可能であることは、
人体に有害な溶剤の使用と比較して安全面で優れている
ため好ましい。また、安定剤としては、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム(CMC)又は他の親水性の天
然高分子、加工澱粉、水溶性合成高分子を使用するが、
特に、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CM
C)が好適である。
【0023】上述したアモルファス合金粉末は、分散媒
及び安定剤を混合して、粘度が500cp〜2500c
pのスラリ化した耐食性コーティング材料となる。この
場合、耐食性コーティング材料の粘度が500cp以下
では、粘度が低すぎて塗膜不良の原因となるため好まし
くない。また、耐食性コーティング材料の粘度が250
0cp以上になると、粘度が高すぎてスラリをスプレー
できなくなるため好ましくない。
【0024】上述した耐食性コーティング材料の被服層
を被塗装金属面に形成する方法としては、ドブ浸け、刷
毛塗りまたはスプレー塗装が有効である。なお、スプレ
ー塗装の方法としては、エアスプレーガン及びエアレス
ガンによる塗装の何れであってもよい。この場合、アモ
ルファス合金粉末は、平均粒径が10〜150μmの範
囲にあるものを使用する。この理由は、粒径が平均10
μmより小さいと、スラリ化の過程で凝集結合して不均
一な大粒子となるため好ましくなく、平均粒径が150
μm以上に大きいと、スラリのスプレー時にチップが閉
塞する原因となって好ましくないためである。
【0025】また、上述した耐食性コーティング材料の
塗膜を被塗装金属面に形成する他の方法としては、粉体
塗装が有効である。この粉体塗装では、分散媒や安定剤
との混合はなく、B及びSiの1種又は2種を含有する
低融点の耐食性アモルファス合金粉末を直接被塗装金属
面に塗布して、耐食性コーティング材料の塗膜を形成す
る。この場合、アモルファス合金粉末は、平均粒径が1
0〜500μmの範囲にあるものを使用でき、ドブ浸
け、刷毛塗りまたはスプレー塗装による塗装方法と比較
して広範囲のものを使用できる。すなわち、平均粒径が
10μmより小さいと、製造困難、コスト高及び小さな
粒子が結合し、不均一な組織となるため好ましくなく、
平均粒径が500μm以上に大きい場合には、気泡がで
きやすいため好ましくない。しかも、分散媒や安定剤が
不要であるため、スラリ粘度の管理を伴う混合工程も必
要ない。
【0026】このような塗装方法、すなわちドブ浸け、
刷毛塗り、スプレー塗装及び粉体塗装を採用すれば、被
塗装金属の面積が非常に大きい場所やパイプ内面などの
ように作業スペースが限られてコーティング困難な場所
に対しても容易に塗膜を形成することが可能であり、し
かも施工コストの面でも安価である。また、特に粉体塗
装の場合には、使用可能なアモルファス合金粉末の平均
粒径範囲が広がるうえ、粘度管理も不要になるという利
点がある。
【0027】上述した塗装方法で被塗装金属面に耐食性
コーティング材料の塗膜を形成した後には、例えば高周
波加熱を施すことにより、例えば炭素鋼などの金属表面
に、B及びSiの1種又は2種を含有する低融点の耐食
性アモルファス合金粉末を拡散接合し、緻密で均一な耐
食性コーティング層が形成された、耐食性部材(素材)
を製造することができる。このようにして製造された耐
食性部材、すなわち耐食性に優れたコーティング層を表
面に有する構造用の部材(素材)は、ボイラなど水蒸気
酸化性及び硫酸露点腐食に晒される部位にも採用可能と
なる。
【0028】この溶融処理では、基材表面を基材の融点
以下、アモルファス合金粉末の融点以上の温度に加熱す
ることによって、アモルファス合金粉末のみを溶融させ
る。ここで、加熱温度、所要加熱時間は、使用するアモ
ルファス合金粉末の組成により異なるが、通常は110
0〜1300℃の温度で1〜10分間程度の処理をすれ
ば充分である。この場合、あまり温度を上げすぎると、
基材の性質が劣化するため好ましくなく、加熱は必要最
小限の温度に止める必要がある。また、加熱の際の酸化
を防止するために、局所的にArガスなどの不活性ガス
雰囲気として加熱することが望ましい。
【0029】加熱溶融処理の工程において、アモルファ
ス合金粉末の融点以上で基材の融点以下の温度に保持す
ると、アモルファス合金粉末のみが溶融し、耐食性コー
ティング材料の塗膜を形成させた基材の表面は全て液相
で覆われることになる。その後、等温で保持するとBが
固液拡散によって基材の表面から基材内部に拡散してい
く。そして、最後に等温まで冷却すると、全て固相の部
材(本発明に係る耐食性部材)が得られる。
【0030】このプロセスでは、いったん液相を経るた
め、最終的に固相となる耐食性コーティング層は隙間が
なく緻密である。また、基材と耐食性コーティング層と
は、Bの拡散によって原子レベルでの融合が生じるため
密着性は非常に良好となる。他の合金成分の拡散速度は
Bに比べると圧倒的に遅いため、基材へはほとんど拡散
しない。従って、加熱溶融処理後の耐食性コーティング
層の組成は、原料組成からBのみが減少した組成とな
る。なお、耐食性コーティング層内のBの残存量は、加
熱温度と加熱保持する時間とによって決まり、1100
℃においても約5分間以上保持すると、Bのほとんどは
基材中に拡散し、耐食性コーティング層には残らないこ
とになる。
【0031】
【実施例】以下、好適な実施例として具体的な4種類の
実験例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。 [実験例1]この実験例1では、塗装方法としてスプレ
ーガンによるスプレー塗装を採用した。この実験におい
て使用したエアースプレーガンの型式は、イワタ塗装ワ
イダー88であり、エアー圧を3kg/cm2 に設定し
て塗装試験をおこなった。スプレーガンによるスプレー
可能な粘度を確認するため、下記に示すアモルファス合
金粉末200gに対し、混合するカルボキシメチルセル
ロースナトリウム(CMC)を100〜200gまで変
化させ、CMC水溶液の濃度を0.6〜0.8%とし
た。こうしてスラリの粘度変化を調査し、実際にスプレ
ーガンを用いてスプレー塗装を実施した。 アモルファス合金の組成 :20重量%Cr、9重量
%Mo、2重量%Cu3重量%B、1重量%Si、Ni
bal アモルファス合金の平均粒径:80μm
【0032】この実験結果の1つとして、0.73%濃
度CMC水溶液の重量(g)とスラリ粘度(cp)との
関係を図1に示した。この実験結果によれば、耐食性材
料を塗布した後、高周波加熱により1150℃で1分保
持する溶融処理を行い緻密で均一なコーティング層を形
成することができるスラリ粘度は、1500cp〜23
00cpの範囲であった。なお、スラリ粘度が2300
cp以上の領域では、スプレーガンの使用が不可能であ
り、また、スラリ粘度が1500cp以下の領域では、
塗膜不良が生じることが確認できた。
【0033】[実験例2]この実験例2では、大面積用
として通常使用されているエアレス塗装機によるスプレ
ー塗装を採用して塗装試験を行った。図2に、本塗装試
験に用いた試験装置の概略構成図を示す。図2におい
て、符号の1はエアーを供給するコンプレッサー、2は
コンプレツサー1で製造されたエアーの水分を除去する
レギュレータであり、コンプレッサー1とエアレス塗装
機4との間はエアー配管3で接続されている。5は耐食
性コーティング材料で、エアレス塗装機4より耐圧ホー
ス6を介して搬送され、エアレススプレーガン7よりテ
ストピース8に塗装される。なお、符号の9はスプレー
ミストを回収するスプレーブースである。なお、この実
験で使用したアモルファス合金粉末は以下の通りであ
る。 アモルファス合金の組成 :20重量%Cr、9重量
%Mo、2重量%Cu3重量%B、1重量%Si、Ni
bal アモルファス合金の平均粒径:80μm
【0034】このような装置を用いたエアレススプレー
ガン7による塗装方法で、500cp〜2500cpの
粘度に調整して混合した耐食性コーティング材料5をテ
ストピース8に塗布した。具体的には、エアレス塗装機
4としてグラコ社製のものを使用し、圧縮比を30:1
とし、一次エアー圧力を5kg/cm2 に設定して、目
標膜厚300μmの塗布試験を行った。そして、耐食性
コーティング材料を塗布した後、高周波加熱により11
50℃で1分保持する溶融処理を行ったところ、緻密で
均一な被覆層を形成する良好な結果であった。なお、ス
ラリ粘度が500cp以下では塗膜不良が生じ、また、
スラリ粘度が2500cp以上ではスラリをスプレーで
きないことを確認できた。
【0035】[実験例3]この実験例3では、塗装方法
として刷毛塗り及びドブ浸けを採用して塗装試験を行っ
た。この実験結果の一例として、平均膜厚が約300μ
mとなるよう刷毛塗りを行った場合を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】この実験では、SUS材(100mm x
100mm x3mmt)のテストピースを用い、耐食
性材料として平均粒径が80μmで下記に示す組成のア
モルファス合金粉末を使用した。このアモルファス合金
粉末を100gで一定とし、この粉末に対して分散媒、
安定剤として精製水、カルボキシメチルセルロースナト
リウム(CMC)、工タノール、エアロジル、ポリビニ
ールアルコール(PVA)を用いて混合した。これらの
分散媒及び安定剤については、それぞれの配合比を適宜
変更することで、スラリ粘度を300cp〜3500c
pに調整して塗装試験を行った。 アモルファス合金の組成:20重量%Cr、9重量%M
o、2重量%Cu3重量%B、1重量%Si、Ni b
al
【0038】塗装試験後、高周波加熱により1150℃
で1分保持する溶融処理を行ったところ、緻密で均一な
被覆層を形成する良好な結果は、表1に示すように、本
発明で規定しているスラリ粘度の範囲内にある500c
p〜2000cpに調整した耐食性コーティング材料の
みであった。なお、スラリ粘度が500cp以下と小さ
い場合は、ダレが発生するという不具合があって好まし
くなく、また、スラリ粘度が2000cp以上の場合
は、塗膜にクラックが発生するという不具合があって好
ましくない。
【0039】[実験例4]この実験例4では、粉体塗装
による塗装方法を採用して塗装試験を行った。図3は、
本塗装試験に用いた試験装置の概略構成を示したもの
で、粉体塗装機14にはSFC‐H600(松尾産業
製)を使用している。この実験例では、図3に示すよう
に、被塗装金属として直管10を使用している。この直
管10は、径が150A(呼称)、肉厚tが5mmのパ
イプで、その長さは1mであり、これをブース11内で
パイプ支持ローラ12に設置する。そして、直管10の
内面へコロナガンPG13をセツトし、直管10を回転
させながら粉体塗装機14を起動する。これにより、ホ
ース15を介して耐食性材料のアモルファス合金粉末が
粉体塗装機14からコロナガンPG13へ供給され、同
コロナガンPG13より直管10の内面に塗布される。
【0040】この場合、下記組成のアモルファス合金粉
末には、平均粒径が10μm〜500μmの範囲にある
ものを使用している。その後、直管10の外面へコロナ
ガンPG13移動させ、内面と同様にアモルファス合金
粉末を塗布した後、高周波加熱により1150℃で1分
保持する溶融処理を行ったところ、直管10の内外両面
ともに均一なコーティング層が形成させる良好な結果を
得た。なお、粒径が10μmより小さい場合には、製造
困難、コスト高及び小さな粒子が結合し、不均一な組織
となるため好ましくなく、粒径が500μm以上に大き
い場合には、気泡ができやすいため好ましくない。 アモルファス合金の組成:20重量%Cr、9重量%M
o、2重量%Cu3重量%B、1重量%Si、Ni b
al
【0041】ここで、上述したアモルファス合金粉末の
製造方法を簡単に説明しておく。低融点のアモルファス
合金粉末は、ガスアトマイズにより作製される。まず、
用途に応じ必要な耐食性を有する合金組成に加えて、必
要量のB、Siを含有するアモルファス合金粉末を作製
する。アモルファス合金粉末の作成方法としては、例え
ば、重量%でNi−20Cr−9Mo−2Cu−3B−
1Siのような合金組成の原料に対して必要量のBを添
加し、高周波溶解などによって母合金を作製する。次
に、ガスアトマイズ装置を用いて母合金を溶解後、粉末
に急冷することによって、Bが均質に固溶したアモルフ
ァス粉末を得ることができる。なお、このアモルファス
合金粉末は、Cuを添加したことで耐硫酸露点腐食性が
良好であり、かつ、低融点化元素であるB及びSiを添
加したことにより基材の融点以下での溶融が可能とな
る。
【0042】本発明による耐食性コーティング材料の耐
食性試験を実施した結果を表2及び表3に示して説明す
る。この耐食性試験は、エアスプレーノズルを用いた塗
装方法により塗膜を形成し、高周波加熱により1150
℃で1分保持する溶融処理を行って製造した供試材を6
0%硫酸に晒すもので、60%硫酸に90℃で24時間
晒した結果を表2に、60%硫酸に70℃で24時間晒
した結果を表3にそれぞれ示している。この場合、供試
材の平均膜厚が約300μmとなるようにした。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】この試験結果を見ると、表2及び表3の何
れの試験でも、その腐食速度は他の供試材(比較材)と
比較して最も遅いことが確認できた。表2の試験結果に
おいて、本発明のコーティング材は平均腐食速度が
0.430g/m2・hrであるのに対し、比較材の中
で最も平均腐食速度の遅いハステロイC27は 0.6
87g/m2・hrとなっている。また、表3の試験結
果においても、本発明のコーティング材は平均腐食速度
が0.06095g/m2・hrであるのに対し、比較
材の中で最も平均腐食速度の遅いYUS270は 0.
696g/m2・hrとなっている。このように、何れ
の試験結果でも極めて良好な結果が得られており、特に
目標としてきたインコネル625との比較では、桁違い
の満足すべき結果を示している。
【0046】
【発明の効果】本発明による耐食性材料の塗装方法及び
耐食性部材の製造方法によれば、以下の効果を奏する。 (1) 大面積部及びパイプ内面などのようにコーティ
ングが困難な場所にも安価で安全に耐食性コーティング
材料を塗布できる塗装方法を提供でき、緻密で均一な塗
膜を形成することできる。 (2) 大面積部及びパイプ内面などのようにコーティ
ングが困難な場所にも安価で安全に耐食性コーティング
材料を塗布でき、この後拡散処理を施すことにより、緻
密で均一なコーティング層を形成することができるの
で、安価で耐食性に優れた耐食性部材を提供できる。 この結果、各種ボイラや石炭ガス化炉、発電機などのよ
うに、耐水蒸気酸化性及び硫酸露点腐食に晒される部位
の構成部材として容易に使用できるようになるため、設
備費の低減に大きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実験例1の試験結果を示すグラ
フで、CMC水溶液の重量(g)とスラリ粘度(cp)
との関係を示している。
【図2】 本発明に係る実験例2の試験装置概要を示す
構成図である。
【図3】 本発明に係る実験例4の試験装置概要を示す
構成図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサー 2 レギュレータ 3 エアー配管 4 エアレス塗装機 5 耐食性コーティング材料 6 耐圧ホース 7 エアレススプレーガン 8 テストピース 9 スプレーブース 10 直管 11 ブース 12 パイプ支持ローラ 13 コロナガンPG 14 粉体塗装機 15 ホース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 拓俊 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三菱重工業株式会社 長崎研究所内 (56)参考文献 特開 平7−3469(JP,A) 特開 平1−297474(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 28/00 B22F 1/00 C22C 45/04 C23C 24/10

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 B及びSiの1種又は2種を含有する低
    融点の耐食性アモルファス合金粉末、分散媒及び安定剤
    を混合して粘度500〜2500cpのスラリ化した耐
    食性コ一ティング材料を被塗装金属面に塗布することを
    特徴とする耐食性材料の塗装方法。
  2. 【請求項2】 前記耐食性アモルファス合金粉末の平均
    粒径が10〜150μmの範囲にあることを特徴とする
    請求項1に記載の耐食性材料の塗装方法。
  3. 【請求項3】 前記耐食性コーティング材料の前記被塗
    装金属面への塗布がドブ浸け、刷毛塗りまたはスプレー
    塗装によりなされることを特徴とする請求項1または2
    に記載の耐食性材料の塗装方法。
  4. 【請求項4】 B及びSiの1種又は2種を含有する低
    融点の耐食性アモルファス合金粉末を粉体塗装により被
    塗装金属面に塗布することを特徴とする耐食性材料の塗
    装方法。
  5. 【請求項5】 前記耐食性アモルファス合金粉末の平均
    粒径が10〜500μmの範囲にあることを特徴とする
    請求項4に記載の耐食性材料の塗装方法。
  6. 【請求項6】 前記耐食性アモルファス合金は、重量%
    でCr15〜35%、Mo2〜12%、Cu0.5〜5
    %、BおよびSiの1種又は2種で10%以下(ただ
    し、0%を含まず)、残部Ni及び不可避適不純物から
    なる組成を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の
    耐食性材料の塗装方法。
  7. 【請求項7】 B及びSiの1種又は2種を含有する低
    融点の耐食性アモルファス合金粉末、分散媒及び安定剤
    を混合して粘度500〜2500cpのスラリ化した耐
    食性コ一ティング材料を被塗装金属面に塗布した後、拡
    散処理を施すことを特徴とする耐食性部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記耐食性アモルファス合金粉末の平均
    粒径が10〜150μmの範囲にあることを特徴とする
    請求項7に記載の耐食性部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記耐食性コーティング材料の前記被塗
    装金属面への塗布がドブ浸け、刷毛塗りまたはスプレー
    塗装によりなされることを特徴とする請求項7または8
    に記載の耐食性部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 B及びSiの1種又は2種を含有する
    低融点の耐食性アモルファス合金粉末を粉体塗装により
    被塗装金属面に塗布した後、拡散処理を施すことを特徴
    とする耐食性部材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記耐食性アモルファス合金粉末の平
    均粒径が10〜500μmの範囲にあることを特徴とす
    る請求項10に記載の耐食性部材の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記耐食性アモルファス合金は、重量
    %でCr15〜35%、Mo2〜12%、Cu0.5〜
    5%、BおよびSiの1種又は2種で10%以下(ただ
    し、0%を含まず)、残部Ni及び不可避適不純物から
    なる組成を有する請求項7ないし11のいずれかに記載
    の耐食性部材の製造方法。
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