JP3530209B2 - 溶解汚染物質を含む懸濁汚水の処理方法及び装置 - Google Patents

溶解汚染物質を含む懸濁汚水の処理方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、特に溶解汚染物質を含
む液状流体の処理方法と装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】上記のような方法と装置は、重力分離手
段として、例えば、既知の種類の浄化器と既知のシステ
ムを使用する。とくに溶解汚染物質を含む液状流体の処
理には、吸着試薬（例えば、活性炭）、イオン交換剤、
並びに、錯化剤といった粉体活性試薬の添加が必要とな
ることが知られている。液状流体を処理するための試薬
の添加は、溶解汚染物質に含まれる不純物粒子の凝集、
凝縮、および重力分離を促進する他の試薬と同時に、頻
繁に実施されている。
【０００３】このような従来の単一処理作業では、処理
されるべき液状流体の流れから、不純物粒子とコロイド
状不純物並びに溶解不純物を取り除くことができるが、
全く効率的とはいえず、様々なプロセスの収率は１００
％に満たない。
【０００４】隔膜分離、特に例えば未処理水の溶解汚染
物質を含む液状流体の処理にマイクロ濾過とウルトラ濾
過を適用すれば、全体的な浄化収率の改善が可能であ
り、使用する隔膜の分離能よりも大きい粒子の場合に
は、１００％に等しい分離収率が得られるため、近頃は
仕上げ段階では重力分離手段と隔膜分離手段を含む処理
ラインが採用されるようになった。本発明はこのタイプ
の装置に関する。
【０００５】吸着剤、例えば、粉体活性炭を導入する隔
膜分離手段によって液状流体を浄化するプラントが既知
である（フランス特許第２，６２８，３３７号）。ここ
では吸着剤は、濾過隔膜の上流に導入される。
【０００６】汚染された水処理のため仕上げ処理に浄化
手段と隔膜分離手段を含むプラントも公知である（米国
特許第４，６１０，７９２号）。この公知のプラントで
は、未処理水処理のため粉体試薬、例えば活性炭が浄化
手段と隔膜分離手段の間の処理ライン中に導入され、粉
体試薬が浄化手段と隔膜分離手段の間の濾過ループの中
で再循環される。粉体試薬の添加の簡単なシステムも知
られており、それによれば、試薬は重力分離手段の直接
上流側の処理ラインの中に導入される。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の先行
技術にかんがみ、特に処理プラントを簡略化し、その収
率を改善できる、方法と装置を提供しようとするもので
ある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の最初の主題は、
懸濁汚染物質を含む液状流体、特に水を浄化し、濾過
し、さらに仕上段階において隔膜分離手段および重力分
離手段を用いて重力分離手段の下流および隔膜分離手段
の上流で処理されるべき液体流れ中に粉体試薬を導入す
る方法において、上記の粉体試薬が隔膜分離手段のパー
ジから重力分離手段の上流へとリサイクルされることを
特徴とする溶解汚染物質を含む液状流体の処理方法にあ
る。上記の粉体試薬は、隔膜分離手段のパージから重力
分離手段の上流へとリサイクルされる。本発明によれ
ば、粉体試薬は吸着剤、特に活性炭、イオン交換剤また
は錯化剤で構成される。
【０００９】本発明の他の主題は、特に重力分離手段
（１）および隔膜分離手段（２）を含む仕上げ段階で、
隔膜分離手段の上流で重力分離手段の下流に、粉体試薬
を導入する手段を含む処理ラインを構成する装置におい
て、隔膜分離手段のパージ（４）から処理されるべき液
状流体が移動するパイプの重力分離手段の上流に、粉体
試薬をリサイクルするためのループ（５）を含むことを
特徴とする溶解汚染物質を含む液状流体の処理装置にあ
る。本発明の他の特徴と利点は、添付の図面に基づく実
施例によって明らかになるであろう。しかし本発明はも
ちろんこれに拘束されるものではない。
【００１０】
【実施例】図１は本発明方法の実施に使用する処理装
置、図２および図３は既知の処理装置の説明図である。
図１から本発明による装置は、浄化器として形成される
参照番号１で示す重力分離手段と、例えばマイクロ、ま
たはウルトラ濾過装置として製作される隔膜分離装置２
とで構成されることが判る。本発明によれば、この装置
は、重力分離器１の下流側であって隔膜分離器２の上流
側に粉末試薬の導入を可能にし、この導入は再循環チャ
ンバー３を介して実施できる。この発明ではまた、隔膜
分離器のパージ４から、この粉末薬剤を供給するループ
５を使用して、重力分離器１の上流側の未処理の水を供
給するパイプ上の６の地点へと試薬がリサイクルされ
る。
【００１１】本発明は、先行技術、特に米国特許第４，
６１０，７９２号明細書に定義されているような、粉体
試薬が隔膜分離手段２のパージ４から重力分離手段１の
上流側に位置している地点へと再循環されるのとは異な
る。本発明の装置によれば、重力分離／隔膜分離のシス
テムは、懸濁粒子のための単一の出口だけを含み、この
出口は重力分離器のパージで構成される。
【００１２】その他既知の技術（フランス特許第２，６
３８，３３７号）に関しては、液状流体の流れに関して
粉体試薬を逆流に循環する一方では、上流の操作は従来
の重力分離操作（例えば、浄化）であり、そこにおいて
は、部分的に排出された粉体試薬は未処理の液状流体
（例えば、未処理の水）と接触し、一方ではそれを完全
に排出することを、他方では、フレーク（薄片状物質）
を自重で沈むことを可能にする。
【００１３】重力分離手段と隔膜分離手段の構成を利用
する他の既知の方法にたいして、本発明は特に次のよう
な利点を有している： 浄化される流出物（例えば、低い全有機炭素、すなわ
ちＴＯＣを持っている浄化された水）への粉体試薬の添
加は、急速な吸着速度を持っ化合物（殺虫剤）の吸着を
促進する。 ５０％まで飽和した液体試薬の隔膜分離手段から重力
分離手段（長い滞留時間を伴う）の上流側への再循環
は、この粉体試薬を飽和し、未処理水中に存在する、よ
り遅い吸着速度を持つ有機化合物の吸着の促進を可能に
する。 粉体試薬を含んでいる隔膜分離手段の隔膜から捨てら
れる素材は、重力分離器から生じるスラッジ（汚泥）へ
と運ばれるため、これが処理ラインからのスラッジの処
理問題を簡略化する。
【００１４】本発明によつて得られる利点をより明かに
するために、本発明の方法を使用する装置（図１）を一
方とし、先行技術の方法を使用する装置（図２と図３）
を他方として、両者の比較試験を行った。図２と図３で
概略図を示したこれらの既知のプラントでは、粉体試薬
は、重力分離器１と隔膜分離器２（図２）の処理ライン
のおよび、重力分離器１（図３）の上流側にそれぞれ導
入された。この比較試験の結果は下表に示すとおりであ
った。比較試験は、セーヌの水について実施され、使用
された粉体試薬は新鮮な活性炭（ＰＡＣ）であった。
【００１５】
【表１】
【００１６】
【発明の効果】本発明の方法で得られる効果は、上記表
中の本発明の実施例から、明らかである。特に比較例１
で３０ｐｐｍの活性炭で得られるのと同等の結果が実施
例では１０ｐｐｍで得られれること並びに、実施例では
同じ活性炭の投与量で、比較例２（全有機炭素、ＴＯＣ
がずっと低い）よりも大きな流れ、少ない水の損失、並
びに、良質な水を得ることを可能にしていることが注目
される。本発明は、少なくとも上述の実施例に限定され
ず、全ての変形と修正を包含することはもちろんであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、本発明の方法を使用する処理装置の概
略説明図である。
【図２】図２は、従来技術の方法を使用する装置の概略
説明図である。
【図３】図３は、従来技術の方法を使用する装置の概略
説明図である。
【符号の説明】
１ 重力分離器 ２ 隔膜分離器 ３ 再循環チャンバー ４ パージ ５ ループ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ Ｃ０２Ｆ 9/00 Ｃ０２Ｆ 9/00 ５０２Ｐ Ｂ０１Ｄ 21/00 Ｂ０１Ｄ 21/00 Ｂ Ｃ０２Ｆ 1/28 Ｃ０２Ｆ 1/28 Ｄ 1/44 1/44 Ｄ (56)参考文献 特開 平２−253899（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−151100（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−371292（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−192694（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−185095（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−185093（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−68993（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−293196（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−7900（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−155798（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−52699（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−172597（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C02F 1/00 - 11/20 B01D 21/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 懸濁汚染物質を有する未処理水を受け入
    れるための入口を備えた重力分離手段； 清澄化された未処理水を容器に導入する重力分離手段の
    出口； 粉体試薬を、清澄化された水と混合するために前記容器
    に導入する手段； その粉体試薬粒子を水から分離するための隔膜分離手段
    の入口が、前記容器の出口に連結された隔膜分離手段； 処理される水の流れを与える隔膜分離手段の第一の出
    口； 前記容器に導入された粉体試薬をリサイクルして、前記
    粉体試薬と未処理水との接触時間を増大させるため、前
    記重力分離手段の入口に連結された隔膜分離手段の第二
    の出口；を含有して成り、リサイクルされた粉体試薬
    は、その重力分離手段のパージから完全に抜き出される
    水の浄化システム。
  2. 【請求項２】 重力分離手段が、清澄器である請求項１
    に記載のシステム。
  3. 【請求項３】 上記隔膜分離手段が、限外濾過又はマイ
    クロ濾過である請求項１に記載のシステム。
  4. 【請求項４】 下記工程を含有して成る水の浄化方法： 最初に、懸濁汚染物質を有する未処理水を重力分離させ
    て未処理水を清澄化する工程； 清澄化した水を容器に入れる工程； 収容された清澄水に粉体試薬を導入し、清澄水と混合す
    る工程； その試薬混合水を処理進路に沿って流動させる工程； 粉体粒子を混合水から分離するために、流動する試薬混
    合水を濾過する工程； 濾過水の主要部分を流出させて処理される水の流れを与
    える工程； 効力が部分低下した粉体試薬を含有する残りの処理水
    を、最初に清澄化される未処理水にリサイクルして混和
    し、粉体試薬と処理される水との接触時間を増大させる
    リサイクル工程；及びリサイクルされた粉体試薬を清澄
    化された水から完全に除去する工程。
  5. 【請求項５】 粉末試薬が、吸着剤，イオン交換剤及び
    錯化剤より成る群から選択される請求項４に記載の方
    法。
  6. 【請求項６】 吸着剤が、活性炭である請求項５に記載
    の方法。
  7. 【請求項７】 濾過工程が、限外濾過又はマイクロ濾過
    によって行われる請求項４に記載の方法。
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