JP3530093B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
樹脂組成物Info
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Description
た金属光沢(メタリック調)を付与することができる樹
脂組成物に関する。
より、樹脂成形品にメタリック調の外観を付与すべく種
々の方法が提案されている。その1つとして、樹脂成分
内に金属などからなる単一の平均粒子径を有する光沢粒
子を分散させた組成物を樹脂成形することにより、その
成形品にメタリック調の外観を付与する方法がある。こ
の方法は、安価かつ簡易に、成形品に対してメタリック
調の外観を付与できるといった利点がある反面、光沢粒
子として単一の平均粒子径を有するものを使用している
ため、メタリック調の外観とはいっても、金属に近い外
観を得ることができなかった。すなわち、光沢粒子とし
て比較的に平均粒子径の大きなもののみを使用した場合
には、成形品の表面において、スポット的に光が大きく
反射するため、全体としては金属光沢を呈しているもの
とは言い難かった。一方、光沢粒子として比較的に平均
粒子径の小さなもののみを使用した場合には、成形品の
表面全体において、光が比較的に小さく反射し、金属光
沢特有のスポット的な大きな光の反射が得られないた
め、全体としては金属光沢を呈しているものとは言い難
かった。
は、樹脂成形品の表面を金属により被覆する方法を採用
せざるを得なかった。すなわち、樹脂成形品の表面に塗
装やメッキにより金属皮膜を形成したり、あるいは樹脂
成形用の金型の表面に金属箔を密着させた状態で金型内
に樹脂を注入して成形を行うことにより、樹脂形成物の
表面に金属箔を一体化(熱融着)させる方法などを採用
せざるを得なかった。しかしながら、これらの方法で
は、塗装やメッキといった別工程が必要となったり、金
型に金属箔を密着させるための設備が別に必要となるな
ど、作業効率的にも製造コスト的にも不利なものとなっ
ている。
れたものであって、作業効率的にも製造コスト的にも有
利に、樹脂成形品に対して、より金属に近い外観を付与
することができる樹脂組成物を提供することをその課題
とする。
発明者らが鋭意検討した結果、意外なことに、金属光沢
を有する平均粒子径の異なる2種類以上の樹脂成分に含
有させた樹脂組成物を成形して得られた樹脂成形品が、
金属に近い金属光沢を有することを見いだし、本発明を
するに至った。
光沢を有する第1の光沢粒子と、この第1の光沢粒子よ
りも平均粒子径が大きく、かつ金属光沢を有する第2の
光沢粒子と、を含み、樹脂成分はポリプロピレンであ
り、第1の光沢粒子と第2の光沢粒子とは、少なくとも
表面が各々同種の金属により形成されていることを特徴
とする、樹脂組成物が提供される。
成形品は、樹脂成分内に平均粒子径の異なる2種類の光
沢粒子が分散されることとなる。このため、当該樹脂成
形品に光が照射された場合には、第1の光沢粒子および
第2の光沢粒子の双方によって、程度の異なる2種類の
反射形態が得られる。平均粒子径の小さい第1の光沢粒
子では、光を比較的に小さく反射するため、樹脂成形品
の表面全体でキラキラとした反射感が得られる。一方、
平均粒子径の大きい第2の光沢粒子では、光が比較的に
大きく反射するため、樹脂成形品の表面において、スポ
ット的に大きな光の反射が得られる。このように、当該
樹脂成形品では、その表面全体におけるキラキラ感と、
金属光沢特有のスポット的な大きな光の反射の双方が得
られるため、より金属光沢に近い外観が得られる。ま
た、このような金属光沢は、樹脂成形品の表面に金属皮
膜を形成するまでもなく、樹脂組成物内に平均粒子径の
異なる第1および第2の光沢粒子を含有させておくだけ
で達成することができる。このように、本発明の樹脂組
成物を用いれば、金属光沢を得るための塗装やメッキ、
あるいは金箔の熱融着が不要となって、作業効率および
製造コストが著しく改善される。
第2の光沢粒子における少なくとも表面は、金属光沢を
有する金属により構成されている。すなわち、第1およ
び第2の光沢粒子は、各々、金属光沢を有する金属によ
り全体が構成されているか、或は、金属光沢を有しない
コア材と、金属光沢を有して当該コア材の表面を被覆す
る金属とからなる。
くとも表面の金属と、第2の光沢粒子の少なくとも表面
の金属とが同種の金属である。また、本発明における樹
脂組成物はポリプロピレンである。
付与するためには、本発明の樹脂組成物においては、第
1の光沢粒子としては、平均粒子径が5〜90μmのも
の、第2の光沢粒子としては、平均粒子径が30〜18
0μmのものを使用するのが好ましい。
種類の光沢粒子を含有しており、これらの光沢粒子の相
乗効果によって、その成形品に金属光沢により近い外観
を付与できるため、所望とする金属光沢を得るために必
要とされる各光沢粒子の含有量は、光沢粒子として単一
の平均粒子径のもののみを含有させた場合に比べて少な
くてすむ。たとえば、第1の光沢粒子の含有量(X)を
0<X<2.0wt%、第2の光沢粒子の含有量(Y)
を0<Y<2.0wt%とするとともに、第1の光沢粒
子と第2の光沢粒子との合計含有量(X+Y)を0<X
+Y≦2.0wt%とすれば、樹脂成形品に対して十分
に金属光沢に近い外観を付与することができる。そし
て、第1の光沢粒子と第2の光沢粒子の重量比は、0.
3:1.7〜1.7:0.3の範囲とするのが好まし
い。第1および第2の光沢粒子のいずれか一方が少な過
ぎ、あるいは多過ぎる場合には、成形品に対して十分な
金属光沢を付与することができないからである。
図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明
らかとなろう。
態を図1を参照して具体的に説明する。ここで、図1は
本発明に係る樹脂組成物の概念図である。
1は、樹脂成分2内に、少なくとも第1の光沢粒子3お
よび第2の光沢粒子4を分散させたものである。
が5〜90μmであり、その含有量(X)は、上記組成
物1の全体重量に対して、たとえば0<X<2.0wt
%とされる。
りも平均粒子径が大きく、たとえば平均粒子径が30〜
180μmであり、その含有量(Y)は、上記組成物1
の全体重量に対して、たとえば0<Y<2.0wt%と
される。
合計含有量(X+Y)は、たとえば0<X+Y≦2.0
wt%とするのが好ましく、また第1の光沢粒子と第2
の光沢粒子の重量比は、0.3:1.7〜1.7:0.
3範囲とするのが好ましい。そして、第1の光沢粒子3
が全体的な光沢感を示すという機能を十分に果たすとと
もに、第2の光沢粒子4がスポット的な光沢感を示すと
いう機能を十分に果たすように、第1の光沢粒子3の平
均粒子径に対する第2の光沢粒子4の平均粒子径の比
は、1.2〜5.0の範囲とするのが好ましく、さらに
好ましくは1.5〜3.0の範囲とされる。
が金属光沢を有する金属により形成されていてもよく、
また金属光沢を有しない材料をコア材として、その表面
に金属光沢を有する金属により被覆層を形成したコア・
シェル構造のものであってもよい。つまり、本発明で使
用される第1および第2の光沢粒子3,4においては、
少なくとも表面が、金属光沢を有する金属により構成さ
れていればよい。
とも表面を構成する金属としては、アルミニウム、ニッ
ケル、すず、銅、鉄、金、銀、および白金などが挙げら
れる。そして、軽量、安価といった観点から、とくにア
ルミニウムが好ましく使用される。
してコア・シェル構造のものを採用する場合には、被覆
層を形成する方法としては、種々の公知を方法を採用す
ることができるが、たとえばコア材に金属メッキを施す
方法が採用される。
コア材料としては、たとえばガラス粒子、カーボン粒子
の他、各種の樹脂粒子を使用することができる。樹脂と
しては、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の双方を用い
ることができ、熱可塑性樹脂としては、たとえばナイロ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、AS
樹脂、およびメタクリル樹脂などを例示でき、熱硬化性
樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂な
どを例示できる。
成形品に必要とされる特性を確保すべく、また樹脂成形
時の取り扱いの便宜などを考慮して、第1および第2の
光沢粒子3,4以外に、たとえば難燃性付与剤、分散
剤、消泡剤、離型剤、あるいは粘度調整剤などといった
公知の種々の副資材を必要に応じて添加してもよい。
は、たとえば樹脂成分2、第1の光沢粒子3、および第
2の光沢粒子、必要に応じて他の副資材を混合機内に混
在させ、これらを混合することにより得られる。
存在下における溶融混練により各成分の混合が行われ、
必要に応じて混練物の造粒(ダブレット化)、あるいは
ペレット化などにより所望の形状とされる。このような
混合作業は、添加すべき副資材の種類に応じて1回また
は複数回行われる。混合機としては、バッチ式で混合作
業を行う場合には、たとえばニーダーミキサーやバンバ
リミキサーなどが使用され、連続式で混合作業を行う場
合には、たとえば1軸または2軸押出機などが使用され
る。
いはダブレットなどの形態として樹脂組成物1が得られ
る。得られた樹脂組成物1は、目的とする形状に応じた
キャビティが形成された金型を利用した射出成形やトラ
ンスファー成形によって、樹脂成形品とされる。
よび第2の光沢粒子4のそれぞれが分散されているか
ら、当該樹脂成形品は、より金属光沢に近い外観を呈し
ている。すなわち、平均粒子径の小さい第1の光沢粒子
3による比較的に小さな光の反射により樹脂成形品の表
面全体でキラキラとした反射感が得られる一方、平均粒
子径の大きい第2の光沢粒子によるスポット的な比較的
に大きな光の反射より、金属光沢特有のスポット的な大
きな光の反射が得られるため、当該樹脂成形品がより金
属光沢に近い外観を呈することとなる。
成形品それ自体が完成品として位置ずけられるものばか
りでなく、完成品の部品として使用される樹脂成形品を
形成する材料としても採用できる。この場合、完成品に
おいて目立たない部位に使用される部品はいうまでもな
く、完成品の外部に表れるような目立つ部位に配置され
る部品用の材料としても使用できる。このような部品
(樹脂成形品)としては、たとえば自動車の外装および
内装構成部品、あるいは各種電化製品などの部品などが
挙げられる。自動車の外装構成部品としては、たとえば
フェンダー、フード、トランクリッド、ピラー、ルー
フ、あるいはバンパーなどが例示でき、内装構成部品と
しては、たとえばメータークラスター、コンソール、あ
るいはピラーなどが例示できる。
られる樹脂成形品が、より金属に近い金属光沢を有する
か否かについては、定量的な評価が困難であるため、本
発明者らはモニター試験によりその確認を行った。ま
た、本発明の樹脂組成物1、およびこれにより得られる
樹脂成形品には、第1および第2の光沢粒子3,4が含
有されているから、その物性(とくに引張強度や衝撃強
度など)が低下してしまうことが懸念されるため、本発
明者らは本発明の樹脂組成物1、およびその樹脂成形品
の物性を評価した。
つのサンプルについて、10人のモニターに対して、ポ
リプロピレン(商品名:TSOP−GP5;グランドポ
リマー社製)の樹脂板の表面にアルミニウム箔を熱融着
させたサンプルAとの比較における官能試験により行っ
た。そして、モニターが、サンプルAに近い金属光沢を
感じた場合を〇、金属光沢を感じなかった場合を×、ど
ちらともいえないと感じた場合を△として評価してもら
った。その結果を表1に示した。なお、各サンプルの条
件は次の通りである。
レン(商品名:TSOP−GP5;グランドポリマー社
製)内に、第1の光沢粒子としての平均粒子径が30μ
mのアルミニウム粒子および第2の光沢粒子としての平
均粒子径が60μmのアルミニウム粒子のそれぞれを
1:1の割合で混合して樹脂組成物を調整した。第1お
よび第2の光沢粒子の総含有量は、樹脂組成物の全体重
量に対して1.5wt%とした。この樹脂組成物を用い
て、150×100×2mmの板状の樹脂成形品を作成
し、これをサンプルとした。
レン(商品名:TSOP−GP5;グランドポリマー社
製)内に、平均粒子径が30μmのアルミニウム粒子
を、樹脂組成物の全体重量に対して1.5wt%となる
ように混合して樹脂組成物を調整した。この樹脂組成物
を用いて、150×100×2mmの板状の樹脂成形品
を作成し、これをサンプルとした。
レン(商品名:TSOP−GP5;グランドポリマー社
製)内に、平均粒子径が60μmのアルミニウム粒子
を、樹脂組成物の全体重量に対して1.5wt%となる
ように混合して樹脂組成物を調整した。この樹脂組成物
を用いて、150×100×2mmの板状の樹脂成形品
を作成し、これをサンプルとした。
径が30μm(サンプル)、あるいは60μmのもの
を単独で使用すれば(サンプル)、それらから得られ
る樹脂成形品に対するモニターの評価は、金属光沢を感
じない(×)、どちらともいえない(△)が大部分を占
めた。それに対して、サンプルやサンプルと光沢粒
子の総含有量を同一とするとともに、光沢粒子として平
均粒子径が30μmのものと60μmのものを併用した
場合(サンプル)には、大部分のモニターがサンプル
Aに近い金属光沢を感じた(〇)と評価した。このよう
に、本発明の樹脂組成物から得られる樹脂成形品は、モ
ニターの官能的な試験により、より金属光沢に近いが外
観が得られているとの評価を得た。
で樹脂組成物の調整および試験片の作成を行い、この試
験片について引張強度およびアイゾット衝撃強度を測定
した。引張強度の測定結果を図2に、アイゾット衝撃強
度の測定結果を図3にそれぞれ示した。なお、引張強度
の測定はJIS K 7113に準じて行い、アイゾッ
ト衝撃強度の測定はJIS K 7110に準じて行っ
た。
ロピレン(商品名:TSOP−GP5;グランドポリマ
ー社製)内に、第1の光沢粒子としての平均粒子径が3
0μmのアルミニウム粒子および第2の光沢粒子として
の平均粒子径が60μmのアルミニウム粒子のそれぞれ
を1:1の割合で、かつ第1および第2の光沢粒子の総
含有量を、樹脂組成物の全体重量に対して0wt%、
0.6wt%、1.2wt%、および2.0wt%とし
た4種類の樹脂組成物を調整した。各樹脂組成物をそれ
ぞれ樹脂成形・加工して、引張強度の測定用としてJI
S K 7113に規定する1号型に対応する試験片を
作成し、アイゾット衝撃強度の測定用にJIS K 7
110に規定する2号Aに対応する試験片を作成した。
ロピレン(商品名:TSOP−GP5;グランドポリマ
ー社製)内に、平均粒子径が30μmのアルミニウム粒
子を単独で、樹脂組成物の全体重量に対して0wt%、
0.6wt%、1.2wt%、および2.0wt%とし
た4種類の樹脂組成物を調整した。各樹脂組成物を樹脂
成形・加工して、引張強度の測定用としてJIS K
7113に規定する1号型に対応する試験片を作成し、
アイゾット衝撃強度の測定用にJIS K 7110に
規定する2号Aに対応する試験片を作成した。
ロピレン(商品名:TSOP−GP5;グランドポリマ
ー社製)内に、平均粒子径が60μmのアルミニウム粒
子を単独で、樹脂組成物の全体重量に対して0wt%、
0.6wt%、1.2wt%、および2.0wt%とし
た4種類の樹脂組成物を調整した。各樹脂組成物を樹脂
成形・加工して、引張強度の測定用としてJIS K
7113に規定する1号形に対応する試験片を作成し、
アイゾット衝撃強度の測定用にJIS K 7110に
規定する2号Aに対応する試験片を作成した。
た樹脂組成物から得られる試験片は、図2および図3か
ら分かるように、その光沢粒子の総含有量が多くなった
としても、平均粒子径が30μmの光沢粒子のみ、ある
いは60μmの光沢粒子のみを含有させた場合と同様な
引張強度およびアイゾット衝撃強度が得られている。さ
らに、第1および第2の光沢粒子を併用した樹脂組成物
から得られる試験片の引張強度およびアイゾット衝撃強
度は、図2および図3から確認されるように光沢粒子を
全く含有していないピュアな樹脂と比較した場合であっ
ても、確かに強度低下が認められるものの、十分に実用
に耐えるものとなっていることが分かる。このように、
本発明の樹脂組成物から得られる試験片(樹脂成形品)
は、樹脂組成物の全体重量に対する総含有量が、少なく
とも0〜2.0wt%の範囲であれば、十分に実用に耐
え得る引張およびアイゾット強度を有する樹脂成形品が
得られることが確認された。
で樹脂組成物の調整および試験片の作成を行い、この試
験片について衝撃吸収エネルギ(高速衝撃試験)、アイ
ゾット衝撃強度、および曲げ弾性率をそれぞれ測定し
た。衝撃吸収エネルギの測定結果を図4に、アイゾット
衝撃強度の測定結果を図5に、曲げ弾性率の測定結果を
図6にそれぞれ示した。なお、衝撃吸収エネルギの測定
は後に特定する方法で行い、アイゾット衝撃強度の測定
はJIS K 7110に準じて行い、曲げ弾性率の測
定はJIS K 7171に準じて行った。
ピレン(商品名:TSOP−GP5;グランドポリマー
社製)内に、第1の光沢粒子としての平均粒子径が30
μmのアルミニウム粒子および第2の光沢粒子としての
平均粒子径が60μmのアルミニウム粒子のそれぞれを
1:1の割合で、かつ第1および第2の光沢粒子の総含
有量を、樹脂組成物の全体重量に対して0wt%、0.
6wt%、0.9wt%、および1.2wt%とした4
種類の樹脂組成物を調整した。各樹脂組成物をそれぞれ
樹脂成形・加工して、衝撃吸収エネルギの測定用に直径
100mmの円形で厚みが3mmの試験片を作成し、ア
イゾット衝撃強度の測定用にJIS K 7110に規
定する1号Aに対応する試験片を作成し、曲げ弾性率の
測定用にJIS K 7171に規定する標準試験片に
対応する試験片を作成した。
ギの測定は、高速衝撃試験(HSI:High Spe
edImpact)により行った。衝撃錘としては、直
径12.7mmのものを用い、試験片の両端部のそれぞ
れを治具により固定した状態で、衝撃錘の速度を5m/
sとして、衝撃錘により試験片に衝撃を加えた。そし
て、衝撃吸収エネルギは、衝撃錘が試験片を貫通すると
きの衝撃エネルギ(J)として評価した。
第1および第2の光沢粒子の総含有量を0〜1.2wt
%の範囲で増加させた場合であっても、衝撃吸収エネル
ギ、アイゾット衝撃強度、および曲げ弾性率のそれぞれ
は、光沢粒子が全く含まれていない場合(0wt%)と
比べても殆ど遜色ない。衝撃吸収エネルギやアイゾット
衝撃強度については、光沢粒子の含有量の増加に伴い、
若干の低下が認められるが、十分に実用に耐え得る物性
は確保されている。また、図4ないし図6からは、光沢
粒子の含有量が1.2wt%以上としても、さほど物性
(衝撃吸収性、強度、曲げ特性)が低下しないことがう
かがえる。したがって、本発明の樹脂組成物から得られ
る試験片(樹脂成形品)は、樹脂組成物の全体重量に対
する総含有量が、少なくとも0〜1.2wt%の範囲で
あれば、十分に実用に耐え得る物性を有する樹脂成形品
が得られ、その含有量が1.2wt%以上であっても、
その含有量が常識的な範囲であれば、十分に実用に耐え
得る物性を有する樹脂成形品が得られることがうかがえ
る。
で樹脂組成物の調整および試験片の作成を行い、この試
験片について表2に示した各項目について物性を評価し
た。その結果を表2に同時に示した。
ロピレン(商品名:TSOP−GP5;グランドポリマ
ー社製)内に、第1の光沢粒子としての平均粒子径が6
0μmのアルミニウム粒子および第2の光沢粒子として
の平均粒子径が90μmのアルミニウム粒子のそれぞれ
を1:1の割合で、かつ第1および第2の光沢粒子の総
含有量を、樹脂組成物の全体重量に対して0wt%、
0.6wt%、0.9wt%、および1.2wt%とし
た4種類の樹脂組成物(サンプル〜)を調整した。
ーレイトは、JIS K 7210に準じて測定した。
法(ピクノメーター法)に準じて測定した。
張降伏点強度および引張破断点伸びは、JIS K 7
113に準じて測定した。なお、試験片としては、当該
試験方法における1号形試験片を採用した。
び曲げ弾性率は、JIS K 7171に準じて測定し
た。なお試験片としては、当該試験方法における標準試
験片を採用した。
は、JIS K 7110に準じて、23℃および−3
0℃のそれぞれの温度下で測定した。なお、試験片とし
ては、当該試験方法における2号A試験片を採用した。
としてJIS K 7202に準じて測定した。
度としてJIS K 7207 A法(荷重18.5k
g/cm2 )に準じて測定した。なお、試験片として
は、当該試験方法における標準寸法のものを採用した。
じて60°鏡面光沢として測定した。
性評価と同様の条件で行った。ただし、衝撃錘が試験
片を貫通するときの衝撃エネルギばかりでなく、その破
壊形態(延性あるいは脆性)も同時に評価した。
法が長さ350×幅100×厚み3mmの金型内に、長
手方向の端部から樹脂注入を行う射出成形により得られ
た試験片(樹脂成形品)の樹脂流れ方向(長さ方向)お
よび樹脂流れと垂直な方向(幅方向)の寸法収縮率とし
て評価した。なお、MDは成形時の樹脂の流れ方向(長
さ方向)の収縮率を意味し、TDは樹脂の流れ方向と垂
直な方向(幅方向)の収縮率を意味しており、それぞれ
の収縮率は、キャビティ寸法をL、試験片寸法をL′と
したときに、(L−L′)/L×100に各値を代入し
て得られる値として評価した。
フローレイト、比重、引張降伏点強度、引張破断点伸
び、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、表面
硬度、熱変形温度、光沢、HIS、および成形収縮率の
いずれの物性項目についても、第1および第2の光沢粒
子を0.6〜1.2wt%の範囲で含有させたサンプル
〜の樹脂組成物、およびその成形品は、光沢粒子が
全く含有されていないピュアなポリプロピレン樹脂(0
wt%)、およびその成形品と同程度の物性を示してい
る。したがって、本発明に係る樹脂組成物、およびその
成形品は、第1および第2の光沢粒子を含有させること
により、物性の低下を懸念する必要はない。
業効率的にも製造コスト的にも有利に、樹脂成形性や成
型品の物性の大きな低下を伴うことなく、樹脂成形品に
対して、より金属に近い外観を付与することができる樹
脂組成物を提供することができる。
グラフである。
結果を示すグラフである。
果を示すグラフである。
結果を示すグラフである。
すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 樹脂成分と、金属光沢を有する第1の光
沢粒子と、この第1の光沢粒子よりも平均粒子径が大き
く、かつ金属光沢を有する第2の光沢粒子と、を含み、 樹脂成分はポリプロピレンであり、 第1の光沢粒子と第2の光沢粒子とは、少なくとも表面
が各々同種の金属により形成されている ことを特徴とす
る、樹脂組成物。 - 【請求項2】 上記金属はアルミニウムである、請求項
1に記載の樹脂組成物。
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JP2001181515A (ja) | 2001-07-03 |
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