JP3529944B2 - 繊維強化フェノール樹脂成形品の製法および硬化剤 - Google Patents

繊維強化フェノール樹脂成形品の製法および硬化剤

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JP3529944B2 JP16732996A JP16732996A JP3529944B2 JP 3529944 B2 JP3529944 B2 JP 3529944B2 JP 16732996 A JP16732996 A JP 16732996A JP 16732996 A JP16732996 A JP 16732996A JP 3529944 B2 JP3529944 B2 JP 3529944B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化フェノー
ル樹脂成形品の製法およびそれに用いる繊維強化フェノ
ール樹脂用硬化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フェノール樹脂とくにレゾール型
フェノール樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂に比べ耐熱
性、難燃性が優れているため、繊維強化樹脂に用いるマ
トリックス樹脂として使用されることが期待されてい
る。
【0003】レゾール型フェノール樹脂を低温、短時間
で硬化させるばあい、酸性硬化剤が用いられる。繊維強
化フェノール樹脂成形品はこの他に必要に応じて充填
剤、難燃剤、離型剤、着色剤などを配合したレゾール型
フェノール樹脂を繊維補強材に含浸し硬化させることに
より製造されている。その成形品は難燃性、低発煙性、
耐熱性、耐薬品性などの点で優れた特性を有することか
ら、たとえば電材、航空機部品、車両部品、ダクト、煙
突などにおける耐食用途などの各種用途に用いられるこ
とが期待できる。
【0004】しかしながら、液状のレゾール型フェノー
ル樹脂に酸性硬化剤として一般に知られている有機酸、
無機酸を使用すると作業性、配合液の安定性、硬化性の
バランスがわるく、金属機器に対する腐食性が大きい。
また成形品物性も満足するものがえられない。
【0005】一般の酸性硬化剤としては、たとえば硫
酸、塩酸、リン酸などの無機強酸類、パラトルエンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、
ナフタレンスルホン酸、スルホン化フェノール樹脂など
の有機酸類がよく知られている。
【0006】これらのうちでも、硫酸、塩酸などの無機
強酸類を硬化剤として液状のレゾール型フェノール樹脂
に配合し繊維補強材に含浸して硬化させようとすると、
配合時に短時間で増粘し安定性がわるく(すなわち、可
使時間が短い)、それに反し繊維補強材に含浸後の硬化
が遅く、極めて作業性がわるい。また、えられる成形品
の機械的物性が低く、成形品の金属たとえばボルト、鉄
枠に対する腐食性も大きい。また、硬化剤自身の金属に
対する腐食が大きく、使用する機器、容器が制約され、
取り扱うときの危険性も大きい。また、リン酸はリン酸
皮膜の形成などにより金属に対する腐食性は良好とされ
ているが、液状のレゾール型フェノール樹脂に配合した
あと、短時間で乳化して増粘し、その反面、繊維補強材
に含浸したのちの硬化が遅く実用的でない。
【0007】また、有機スルホン酸などの有機酸類は、
無機強酸類ほど配合時の増粘は少ないものの、繊維補強
材に含浸したのちの硬化が極めて遅く、そのため使用量
を増やすと配合したあと短時間で増粘し、作業性がわる
くなる。さらに、金属に対する腐食性は、無機強酸類ほ
どわるくはないが満足のいくレベルではない。
【0008】一方、これらの問題を解決するために、た
とえば特開昭61−136527号公報に、スルホン化
フェノール樹脂と酸性リン酸アルキルエステルからなる
硬化剤が記載されているが、配合時の安定性、硬化性、
成形品物性などのバランスはよくなるが、スルホン化フ
ェノール樹脂のスルホン基により使用する金属機器が腐
食する問題があり、硬化性、成形品物性にも改善が望ま
れている。
【0009】また、特開昭63−75039号公報に
は、アリルアシッドフォスフェートを酸性硬化剤として
用いる繊維強化フェノール樹脂成形物の製造方法が記載
されているが、まだ腐食性、強度、硬化性に問題があ
る。
【0010】したがって、液状のレゾール型フェノール
樹脂に配合したときに、増粘せず安定性がよく、繊維補
強材に含浸したのちの硬化が速く、成形品物性(とくに
強度)が優れており、各成形法に用いる金属機器の腐食
の少ない硬化剤の開発が求められている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ガラ
ス繊維、カーボン繊維などからなる繊維補強材を用いた
繊維強化フェノール樹脂成形品を製造するばあいの作業
性、安定性(ポットライフが適度に長い)、硬化性に優
れ、成形機の腐食が少ない硬化剤および該硬化剤を用い
る耐熱性、難燃性、成形品物性に優れた繊維強化フェノ
ール樹脂成形品の製法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸性ピロリン
酸アリールエステルと酸性リン酸アリールエステルから
なる硬化剤であって、一般式(I):
【0013】
【化5】
【0014】[式中、R1およびR2は同じかまたは異な
りいずれも水素原子または炭素数1〜9のアルキル基、
1およびA2は同じかまたは異なりいずれも水素原子ま
たは一般式(II):
【0015】
【化6】
【0016】(式中、R1およびR2は前記と同じ)で表
わされるアリール基]で示される酸性ピロリン酸アリー
ルエステル10〜70モル%と、一般式(III):
【0017】
【化7】
【0018】(式中、R1およびR2は前記と同じ)およ
び一般式(IV):
【0019】
【化8】
【0020】(式中、R1およびR2は前記と同じ)で示
される酸性リン酸アリールエステル90〜30モル%と
からなるリン酸エステル混合物を主成分とする繊維強化
フェノール樹脂用硬化剤に関する。
【0021】また本発明は、液状のレゾール型フェノー
ル樹脂を繊維補強材に含浸して硬化する成形品の製法で
あって、前記硬化剤を用いることを特徴とする繊維強化
フェノール樹脂成形品の製法に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の硬化剤は、特定の酸性ピ
ロリン酸アリールエステルと特定の酸性リン酸アリール
エステル(以下、これらを単に「アリールエステル」と
もいう)をいずれも特定量含むことに最大の特徴があ
り、フェノール樹脂、そのうちでも液状のレゾール型フ
ェノール樹脂と混合したときのとくに安定性に優れ繊維
補強材に含浸して成形するときの成形機を腐食すること
が少ない(以下、「非腐食性」ともいう)硬化剤であ
る。なお、前記アリールエステルは、酸性ピロリン酸ア
ルキルエステルや酸性リン酸アルキルエステルに比べ
て、フェノール樹脂との相溶性、硬化性および成形品の
耐熱性に優れている点で好ましい。
【0023】前記特定の酸性ピロリン酸アリールエステ
ルは、一般式(I):
【0024】
【化9】
【0025】で示される酸性ピロリン酸アリールエステ
ルであり、また前記特定の酸性リン酸アリールエステル
は、一般式(III):
【0026】
【化10】
【0027】および一般式(IV):
【0028】
【化11】
【0029】で示される酸性リン酸モノおよびジアリー
ルエステルである。
【0030】前記一般式(I)において、とくに前記安
定性、非腐食性の点からR1およびR2は同じかまたは異
なりいずれも水素原子または炭素数1〜9のアルキル
基、A1およびA2は同じかまたは異なりいずれも水素原
子または一般式(II):
【0031】
【化12】
【0032】(式中、R1およびR2は前記と同じ)で表
わされるアリール基であることが好ましい。
【0033】前記一般式(III)において、R1およ
びR2は前記と同じである。
【0034】前記一般式(IV)において、R1および
2は前記と同じである。
【0035】前記一般式(I)で示される酸性ピロリン
酸アリールエステルの具体例としては、たとえば酸性ピ
ロリン酸フェニルエステル、酸性ピロリン酸クレジルエ
ステル、酸性ピロリン酸キシレニルエステル、酸性ピロ
リン酸(ブチルフェニル)エステル、酸性ピロリン酸
(ジブチルフェニル)エステル、酸性ピロリン酸(オク
チルフェニル)エステル、酸性ピロリン酸(ノニルフェ
ニル)エステルなどがあげられ、また酸性ピロリン酸ア
リールエステルには、モノ、ジおよびトリエステルがあ
げられるが、安定性、非腐食性の点から酸性ピロリン酸
モノ(およびジ)フェニルエステル、酸性ピロリン酸モ
ノ(およびジ)クレジルエステル、酸性ピロリン酸モノ
(およびジ)キシレニルエステル、酸性ピロリン酸モノ
(およびジ)(ブチルフェニル)エステルが好ましい。
【0036】前記一般式(III)で示される酸性リン
酸モノアリールエステルの具体例としては、たとえば酸
性リン酸モノフェニルエステル、酸性リン酸モノクレジ
ルエステル、酸性リン酸モノキシレニルエステル、酸性
リン酸モノ(ブチルフェニル)エステル、酸性リン酸モ
ノ(ジブチルフェニル)エステル、酸性リン酸モノ(オ
クチルフェニル)エステル、酸性リン酸モノ(ノニルフ
ェニル)エステルなどがあげられるが、安定性、非腐食
性の点から酸性リン酸モノフェニルエステル、酸性リン
酸モノクレジルエステル、酸性リン酸モノキシレニルエ
ステル、酸性リン酸モノ(ブチルフェニル)エステルが
好ましい。
【0037】前記一般式(IV)で示される酸性リン酸
ジアリールエステルの具体例としては、たとえば酸性リ
ン酸ジフェニルエステル、酸性リン酸ジクレジルエステ
ル、酸性リン酸ジキシレニルエステル、酸性リン酸ジ
(ブチルフェニル)エステル、酸性リン酸ビス(ジブチ
ルフェニル)エステル、酸性リン酸ジ(オクチルフェニ
ル)エステル、酸性リン酸ジ(ノニルフェニル)エステ
ルなどがあげられるが、安定性、非腐食性の点から酸性
リン酸ジフェニルエステル、酸性リン酸ジクレジルエス
テル、酸性リン酸ジキシレニルエステル、酸性リン酸ジ
(ブチルフェニル)エステルが好ましい。
【0038】本発明において、前記一般式(I)で示さ
れる酸性ピロリン酸アリールエステルと前記一般式(I
II)〜(IV)で示される酸性リン酸アリールエステ
ルを組み合せることにより、とくに前記安定性、非腐食
性があげられる。
【0039】前記一般式(I)で示される酸性ピロリン
酸アリールエステル(以下、「ピロリン酸エステル」と
もいう)は、通常の合成法によりえられ、たとえばフェ
ノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノー
ル、ジブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニル
フェノールなどのフェノール類と無水リン酸、ピロリン
酸などのポリリン酸などのリン酸系化合物を用いてえら
れる。なお、前記フェノール類のうちの一部は後述する
フェノール化合物としても用いることができる。
【0040】前記一般式(III)で示される酸性リン
酸モノアリールエステル(以下、「リン酸モノエステ
ル」ともいう)は、通常の合成法によりえられ、たとえ
ば前記フェノール類とリン酸、無水リン酸、オキシ塩化
リンなどのリン酸系化合物を用いてえられる。
【0041】前記一般式(IV)で示される酸性リン酸
ジアリールエステル(以下、「リン酸ジエステル」とも
いう)は、通常の合成法によりえられ、たとえば前記フ
ェノール類と無水リン酸、オキシ塩化リンなどのリン酸
系化合物を用いてえられる。
【0042】本発明の硬化剤は、前記各一般式で示され
る各エステルを通常の方法により混合してえられ、それ
らの混合割合は、前記ピロリン酸エステル10〜70モ
ル%、好ましくは15〜60モル%であり、前記リン酸
モノエステルおよびリン酸ジエステル二者の合計は90
〜30モル%、好ましくは85〜40モル%である(た
だし、これらの総計は100モル%である)。前記ピロ
リン酸エステルが10モル%未満になると硬化速度が遅
くなる傾向があり、70モル%を超えると作業性、安定
性が低下する傾向がある。
【0043】また、前記リン酸モノエステルとリン酸ジ
エステルの混合割合は、硬化速度と相溶性の点から20
〜80/80〜20モル%である(ただし、これらの合
計は100モル%である)ことが好ましい。
【0044】なお、本発明において、前記ピロリン酸エ
ステル、リン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルを
混合してそのままで硬化剤として用いることができる
が、たとえば水やメタノールなどの溶剤などを添加して
用いることもできる。
【0045】本発明において用いることができる液状の
レゾール型フェノール樹脂は、通常の方法によりえられ
るものがあげられるが、たとえばフェノール化合物1モ
ルとアルデヒド類0.5〜3.0モルをアルカリ性触媒
の存在下で反応させることによりえられるものが好まし
く、生成物を酸で部分的に中和してもよく、また生成物
中に含まれている水を適当な溶剤で置換してもよい。
【0046】前記フェノール化合物としては、たとえば
フェノールの他にクレゾール、エチルフェノール、キシ
レノールなどのアルキルフェノール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、レゾルシノールなどがあげられ
る。
【0047】前記アルデヒド類としては、たとえばホル
ムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、フルフラールなどがあげられる。
【0048】前記アルカリ性触媒は、フェノール化合物
とアルデヒド類を縮合反応するために用い、たとえば水
酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム
などのアルカリ土類金属水酸化物、水酸化カリウム、水
酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水
酸化物、アンモニア、トリメチルアミンなどの塩基性ア
ミンなどがあげられる。
【0049】本発明において用いることができる繊維補
強材としては、たとえばガラスチョップドストランドマ
ット、ガラスチョップ、ガラスクロス、ガラスロービン
グ、コンティニュアスマット、プリフォームマット、サ
ーフェースマットなどのガラス繊維補強材、カーボン繊
維補強材、アスベスト補強材、ウィスカー補強材などの
無機繊維補強材などがあげられる。
【0050】本発明の繊維強化フェノール樹脂成形品の
製法としては、たとえば前記液状のレゾール型フェノー
ル樹脂100重量部に対して、本発明の硬化剤1〜50
重量部、好ましくは5〜40重量部を通常の方法により
混合し、前記繊維補強材に含浸して成形する方法などが
あげられる。
【0051】この成形方法としては、たとえばハンドレ
イアップ法、スプレーアップ法、プリフォームマッチド
ダイ法、コールドプレス法、レジンインジェクション
法、真空バック法、フィラメントワインディング法など
のような、常温から高温までの広い温度範囲で行なわれ
る公知の各種プラスチックの成形方法があげられる。
【0052】前記硬化剤の量を前記範囲内とすることに
より、前記成形方法に適した作業性、ポットライフなど
がえられる。
【0053】前記成形方法における成形温度は、前記硬
化剤の量、硬化サイクル成形方法によって適宜選択する
ことができるが、常温から90℃までの範囲内の温度が
あげられ、必要に応じて60〜120℃の範囲内の温度
で後硬化を行なうこともできる。
【0054】なお、前記繊維強化フェノール樹脂成形品
中の繊維補強材の含有率は、10〜70重量%、好まし
くは20〜60重量%であり、この範囲内において含浸
性がよく、成形品の強度、難燃性がえられ、成形品の表
面状態もよくなる。
【0055】本発明の硬化剤としては、たとえばつぎの
ものが好ましくあげられる。 (A)一般式(I)で示される酸性ピロリン酸 アリールエステル 10〜70モル% (B)一般式(III)〜(IV)で示される酸性リン酸 アリールエステル 90〜30モル% (ただし、(A)と(B)の合計は100モル%である) からなる硬化剤は、作業性、安定性、硬化性、非腐食性
に優れており、耐熱性、難燃性、成形品物性に優れた繊
維強化フェノール樹脂成形品の製法を提供しうる。
【0056】
【実施例】つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されな
い。
【0057】実施例1〜4および比較例1〜4 それぞれ25℃に調整した表1に示す量の繊維強化用レ
ゾール型液状フェノール樹脂(昭和高分子(株)製 F
RL−200、粘度300〜500mPa・s)と各種
酸性硬化剤をビーカー内で1分間かけて混合して配合物
をえ、つぎに示す方法により粘度変化および乳化時間を
測定した。 粘度変化:前記フェノール樹脂と硬化剤をビーカー内に
入れて混合してから1、10、20および30分後の粘
度をビスメトロンB型回転粘度計を用いて25℃の雰囲
気中で測定した。 乳化時間:前記フェノール樹脂と硬化剤をビーカー内に
入れてから乳化するまでの時間を測定した。なお、乳化
したかどうかについては目視により判定した。 結果を表1に示す。
【0058】一方、前記と同様にしてえられた直後の配
合物と、ガラス板に敷いたマイラーフィルム上の目付4
50g/m2のガラスチョップドストランド(3PL
Y)とを用いてハンドレイアップ成形方法により、厚さ
3mmでガラス繊維含有率30重量%の平板に成形し、
つぎの方法により硬化状態を調べた。 室温で24時間後の硬化状態:前記平板をえてから室温
で24時間後の硬化状態を目視およびマイラーフィルム
との剥離性により観察し、マイラーフィルムが剥れない
ときを「硬化せず」、マイラーフィルムが剥れたときを
「硬化」とした。 60℃で2時間後の硬化状態:前記平板をえてから60
℃で2時間後の硬化状態を前記と同様にして調べた。 結果を表1に示す。
【0059】また、前記平板について、つぎの方法によ
りバーコール硬度および腐食性を調べた。 バーコール硬度:前記平板をえてから60℃で2時間後
にバーコール9341法に準じて測定した。 腐食性:前記平板をえてから60℃で2時間後にステン
レス板(SUS316)を貼り付け、縁をワックスでシ
ールし、サンシャインデューサイクルウェザオメーター
で120時間(相対湿度50%で60分間の照射、さら
に相対湿度100%で60分間の消灯を1サイクルとし
た)かけて処理し、平板とステンレス板を剥がしたのち
のステンレス板の表面を目視により観察し、変色してい
るときを「あり」(著しく変色しているときを
「大」)、わずかに変色しているときを「少々」、変色
していないときを「なし」として評価した。 曲げ強度:前記平板をえてから60℃で2時間後にJI
S K7055に準じて測定した。 結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】なお、表1において硬化剤A〜Dはつぎの
ものを示す(ただし、組成比はモル%である)。 A:酸性ピロリン酸フェニルエステル/酸性リン酸モノ
フェニルエステル/酸性リン酸ジフェニルエステル=4
2.6/24.6/32.8 B:酸性ピロリン酸クレジルエステル/酸性リン酸モノ
クレジルエステル/酸性リン酸ジクレジルエステル=6
6.7/17.3/16.0 C:酸性ピロリン酸キシレニルエステル/酸性リン酸モ
ノキシレニルエステル/酸性リン酸ジキシレニルエステ
ル=13.1/46.6/40.3 D:酸性ピロリン酸(オクチルフェニル)エステル/酸
性リン酸モノ(オクチルフェニル)エステル/酸性リン
酸ジ(オクチルフェニル)エステル=31.2/33.
4/35.4
【0062】実施例5〜6および比較例5〜7 実施例1において、表2に示す組成の酸性硬化剤を用い
たこと以外は、実施例1と同様にして粘度変化、乳化時
間、平板の物性を調べた。結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】なお、表2において硬化剤E〜Iはつぎの
ものを示す(ただし、組成比はモル%である)。 E:酸性ピロリン酸(ブチルフェニル)エステル/酸性
リン酸モノ(ブチルフェニル)エステル/酸性リン酸ジ
(ブチルフェニル)エステル=21.2/53.8/2
5.0 F:酸性ピロリン酸(ブチルフェニル)エステル/酸性
リン酸モノ(ブチルフェニル)エステル/酸性リン酸ジ
(ブチルフェニル)エステル=48.7/24.2/2
7.1 G:酸性ピロリン酸(ブチルフェニル)エステル/酸性
リン酸モノ(ブチルフェニル)エステル/酸性リン酸ジ
(ブチルフェニル)エステル=6.7/49.3/4
4.0 H:酸性ピロリン酸(ブチルフェニル)エステル/酸性
リン酸モノ(ブチルフェニル)エステル/酸性リン酸ジ
(ブチルフェニル)エステル=89.3/7.5/3.
2 I:酸性リン酸モノブチルエステル/酸性リン酸ジブチ
ルエステル=50/50
【0065】実施例7(腐食性試験) 本発明の硬化剤および表3に示す酸性硬化剤のステンレ
ス板に対する腐食性試験をつぎの条件で行なった。 テストピース:ステンレス板(SUS−316)t=
2、25×100mm 条件:25℃の硬化剤にテストピースを1日、全面浸漬
したのち、目視により表面を観察した。 結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】表1〜3の結果から明らかなように、本発
明の硬化剤は、作業性、配合物の安定性、硬化性、金属
機器に対する非腐食性に優れており、該硬化剤を用いて
えられる繊維強化フェノール樹脂成形品は耐熱性、難燃
性、成形品物性に優れ、金属に対する非腐食性に優れて
いる。
【0068】
【発明の効果】本発明の硬化剤は、作業性、安定性、硬
化性に優れ、成形機の腐食が少なく、該硬化剤を用いる
ことにより耐熱性、難燃性、成形品物性に優れた繊維強
化フェノール樹脂成形品の製法を提供しうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真清 武 群馬県安中市嶺1696 (56)参考文献 特開 昭63−75039(JP,A) 特開 昭61−136527(JP,A) 米国特許2330286(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 61/00 - 61/34 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性ピロリン酸アリールエステルと酸性
    リン酸アリールエステルからなる硬化剤であって、一般
    式(I): 【化1】 [式中、R1およびR2は同じかまたは異なりいずれも水
    素原子または炭素数1〜9のアルキル基、A1およびA2
    は同じかまたは異なりいずれも水素原子または一般式
    (II): 【化2】 (式中、R1およびR2は前記と同じ)で表わされるアリ
    ール基]で示される酸性ピロリン酸アリールエステル1
    0〜70モル%と、一般式(III): 【化3】 (式中、R1およびR2は前記と同じ)および一般式(I
    V): 【化4】 (式中、R1およびR2は前記と同じ)で示される酸性リ
    ン酸アリールエステル90〜30モル%とからなるリン
    酸エステル混合物を主成分とする繊維強化フェノール樹
    脂用硬化剤。
  2. 【請求項2】 液状のレゾール型フェノール樹脂を繊維
    補強材に含浸して硬化する成形品の製法であって、請求
    項1記載の硬化剤を用いることを特徴とする繊維強化フ
    ェノール樹脂成形品の製法。
JP16732996A 1996-06-27 1996-06-27 繊維強化フェノール樹脂成形品の製法および硬化剤 Expired - Fee Related JP3529944B2 (ja)

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