JP3529171B2 - 星型収縮チューブの製造方法 - Google Patents

星型収縮チューブの製造方法

Info

Publication number
JP3529171B2
JP3529171B2 JP29043494A JP29043494A JP3529171B2 JP 3529171 B2 JP3529171 B2 JP 3529171B2 JP 29043494 A JP29043494 A JP 29043494A JP 29043494 A JP29043494 A JP 29043494A JP 3529171 B2 JP3529171 B2 JP 3529171B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
shrinkable tube
heating
star
diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP29043494A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08127066A (ja
Inventor
忠男 近江屋
耕一 益子
清一 奥山
勝 倉田
治仁 矢内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP29043494A priority Critical patent/JP3529171B2/ja
Publication of JPH08127066A publication Critical patent/JPH08127066A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3529171B2 publication Critical patent/JP3529171B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ほぼ等間隔で放射方
向へ突出する複数の突出部を備えた所謂星型断面形状を
有する熱収縮チューブと、その製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】熱収縮チューブは、産業界のあらゆる分
野で使用されているが、比較的大きなサイズのものとし
ては、建築工事現場で行われている配管工事や電力・通
信ケーブルの接続工事に使用されているものがある。
【0003】例えば図13は、ゴム・プラスチック絶縁
ケーブル1の断面を示すもので、中心の導体2の外側
に、内部導電層3と絶縁体4と外部導電層5とが順に同
心円状に形成された構造となっている。このようなゴム
・プラスチック絶縁ケーブル1においては、長い線路を
布設する場合には、製造上、輸送上および布設上ケーブ
ル長が制約されるため、現場でケーブル相互の接続を行
う必要がある。
【0004】この現場で行われるゴム・プラスチック絶
縁ケーブル1のケーブル相互の接続は、図14に示すよ
うに、接続する両ケーブル1,1の端部の被覆をそれぞ
れ除去して導体2を露出させるとともに、互いの端面を
突き合わせた状態で両導体2,2の外周に導体接続スリ
ーブ6を被せて圧縮接続した後、この導体接続スリーブ
6の外側に、ケーブル1と同様の内部半導電層を構成す
る。その方法として未架橋の半導電性テープを所定の厚
さに巻き重ね、これを加熱モールドする方法や、内導用
半導電性チューブ7を被装する方法があり、この部分に
おいて内導用半導電性チューブ7として半導電熱収縮チ
ューブが従来より使用されている。また外部半導電層を
形成する場合には、ケーブルサイズによっては高収縮率
が要求されることがあり、このような場合にも半導電熱
収縮チューブを使用できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高収縮率の熱収縮チュ
ーブを製造する方法として、例えば、熱収縮チューブ材
を加熱した状態でチューブ内に高圧ガス等の高圧流体を
注入して膨張させ、この膨張させた状態で冷却して拡径
した状態に固定する方法が考えられる。しかし、高圧ガ
スを注入する方法では、熱収縮チューブ材の肉厚が均一
でなく、偏肉がある場合には、肉厚の薄い部分が先に膨
張してしまい、肉厚の厚い部分が膨張しないため、その
素材として肉厚が均一な熱収縮チューブ材を用いる必要
がある。しかし、偏肉を生じずに膨張できる程度に肉厚
が均一な熱収縮チューブ材を製造することは困難であ
り、製造できてもそのコストが高くなり、その結果、最
終的な製品コストも高くなるという問題があった。
【0006】そこで、従来においては、用いる熱収縮チ
ューブ材が若干偏肉していても、ほぼ均等に拡径可能な
方法として、例えば特公昭61−30897号公報に記
載されている製造方法が採用されていた。
【0007】この熱収縮チューブの製造方法は、拡径手
段として高圧流体を使用せず、熱収縮チューブ材の内周
側に多数のピンを挿通して円筒状に配列しておき、これ
らのピンの中心に、円錐状の拡大用芯型を挿入して、チ
ューブを加熱した状態で配列したピンを拡大用芯型で押
し広げて機械的に拡径する方法である。
【0008】この製造方法によれば、用いる熱収縮チュ
ーブ材に若干の肉厚のむらがあっても、ほぼ均等に拡径
することができるが、長尺な熱収縮チューブの拡径が困
難ため、量産が難しかった。
【0009】したがって、大径のケーブル類の接続を行
うためには、収縮率の高い半導電熱収縮チューブが必要
であるが、従来においては、半導電チューブ以外の一般
的な架橋熱可塑性樹脂製の熱収縮チューブの場合でも、
収縮率が60%以上のものの製作が困難で、ほとんど市
場に流通していない。特に、カーボン粉末の含有量の多
い半導電熱収縮チューブの場合には、高収縮率とするこ
とがさらに難しく、たとえば収縮率が70%以上の高収
縮率の製品の開発が望まれていた。また同様に、配管工
事においては、管径の差の大きな異径管の接続部の被覆
にも高収縮率の熱収縮チューブが必要とされるが、前述
したように高収縮率のものは調達が困難であった。
【0010】また、従来の熱収縮チューブは、円筒状に
拡径したものが多く、したがって、収縮前の口径は収縮
後の約2倍あり、軟質のものは梱包の際に板状に潰し、
また長尺のものはそれを巻き取った状態としていた。し
かし、チューブの材質によっては折り目の部分が開き難
くなり、ケーブル等の外周に被装するのに手間がかかる
という問題があった。また硬質で厚手のものは、単品ご
とに適当な養生を行いダンボール箱等に詰めているが、
重量の割合に容積が嵩み、効率的な運搬や保管方法等に
課題があった。
【0011】この発明は、上記の事情に鑑みなされたも
ので、用いる熱収縮チューブ材に若干の肉厚のむらがあ
っても、拡径手段に高圧流体を用いてもほぼ均一に拡径
できるとともに、機械式拡径手段を用いた場合と比べて
比較的長尺に製造することができ、さらに70%以上の
高収縮率の熱収縮チューブの製造を可能とするととも
に、同じ収縮率の円形断面あるいは多角形断面の熱収縮
チューブと比べて嵩張らずスペース効率の高い断面星型
の熱収縮チューブと、この星型収縮チューブの製造方法
とを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する手
段として請求項1の発明は、所定の温度以上に加熱され
ると縮径する熱収縮チューブの製造方法において、加
用マンドレルの外周に、断面円形の熱収縮チューブ材を
密着するように被せるとともに、この熱収縮チューブ材
の外周側に、この円周をほぼ等分する3箇所以上の点に
おいて、熱収縮チューブ材の拡径方向の伸展時にこの熱
収縮チューブ材の外面に接触してその接触点の移動を規
制する拡径規制部材を設け、この状態において前記加熱
用マンドレルによって前記熱収縮チューブ材を加熱しな
がら、前記拡径規制部材から外れた部分の熱収縮チュー
ブ材を、拡径手段によってそれぞれ放射方向に伸展させ
た後、冷却してこの伸展させた状態を固定することを特
徴としている。
【0013】
【0014】さらに、請求項2に記載の星型収縮チュー
ブの製造方法では、前記加熱用マンドレルが、ヒートパ
イプの凝縮部の外表面を加熱加工部とするとともに、そ
の蒸発部を加熱手段によって加熱可能に設けられたヒー
トパイプ式のマンドレルとすることができる。
【0015】また、請求項3に記載の星型収縮チューブ
の製造方法では、前記拡径手段が高圧流体で、この高圧
体を加熱用マンドレルと熱収縮チューブ材との間に注
入することができる。
【0016】また、請求項4に記載の星型収縮チューブ
の製造方法では、前記熱収縮チューブ材の材料は、ポリ
エステルと塩化ビニルとエチレンプロピレンラバーのう
ちのいずれか一つとすることができる。
【0017】
【0018】
【作用】上記のように構成された請求項1の製造方法に
よれば、断面円形の熱収縮チューブ材は、その円周をほ
ぼ等分する各点の外周側に、熱収縮チューブ材の拡径方
向への移動を規制する拡径規制部材が設けられているた
め、熱収縮チューブ材を加熱した状態で前記拡径規制部
材が設けられていない部分を拡径手段によってそれぞれ
放射方向へ拡径すると所謂星型に成形され、小さな外形
寸法の割合に周長が長く形成される。
【0019】
【0020】
【0021】また、加熱用マンドレルとして、ヒートパ
イプ式マンドレルを用いれば、熱収縮チューブ材が均一
に加熱され、この熱収縮チューブが均等に伸展される。
【0022】また、拡径手段として高圧流体を用いれ
ば、比較的長尺な星型収縮チューブが成形できる。
【0023】また、熱収縮チューブ材の材料を、ポリエ
ステルと塩化ビニルとエチレンプロピレンラバーのうち
の一つとすれば、高収縮率でかつ強靭な星型収縮チュー
ブとすることができる。
【0024】
【実施例】以下、この発明の星型収縮チューブと、この
星型収縮チューブの製造方法の実施例を、図1ないし図
12を参照して説明する。
【0025】図1ないし図9は、ヒートパイプ式の加熱
用マンドレルを用いるとともに拡径手段として高圧ガス
を用いたこの発明の製造方法の第1実施例を示すもの
で、以下、図面に基づいて説明する。
【0026】図1は、加熱して収縮させる前の断面形状
(製品形状)が、放射方向への突出部を6つ備えた星型
収縮チューブの製造装置の一例を示すもので、この製造
装置11は、その外側に、例えば架橋したポリエチレン
製、あるいは塩化ビニル製、またはエチレンプロピレン
ラバー製の熱収縮チューブ材W0 を被装するヒートパイ
プ式の加熱用マンドレル12と、この加熱用マンドレル
12の外周を6等分する位置に、それぞれの稜線部(拡
径規制部)13bを対峙させた6本の断面V字形のアル
ミ合金製のアングル材13aによって断面星形に配設さ
れた膨張ガイド部材13と、この膨張ガイド部材13の
外周を覆うとともに、前記加熱用マンドレル12と同心
状に設けられて、熱収縮チューブ材W0 の膨張限を規定
するとともに、塵芥等の付着を防止するカバーともなる
カバーパイプ14とを備えており、前記膨張ガイド部材
13とカバーパイプ14とは、それぞれ着脱可能に設け
られている。
【0027】また、前記加熱用マンドレル12は熱伝導
性に優れた銅あるいは銅合金等の金属パイプ製のコンテ
ナの内周面にウイック(図示せず)を設けるとともに、
その内部に凝縮性の作動流体のみを封入してヒートパイ
プ機能を持たせたもので、この加熱用マンドレル12の
両端は、外径を絞ってそれぞれ小径に形成されるととも
に、この小径に形成した一方の端部(図1において左
端)は、加熱用マンドレル12の加熱時に加熱されると
ともに冷却時には冷却される加熱兼冷却部15とされて
おり、また加熱用マンドレル12の中央部分には、両端
部より太い一定の外径の加工部16が形成されている。
【0028】そして、この加熱用マンドレル12の加工
部16の外周面には、カバーパイプ14および膨張ガイ
ド部材13を外した状態において、熱収縮チューブ材W
0 がほぼ密着状態に被装される。また加熱用マンドレル
12の加熱兼冷却部15の反対側の端部(図1において
右端)には、コネクタを備えたエア吹込み口17が設け
られ、前記加工部16には、一端をこのエア吹込み口1
7に連通し、他端を前記加工部16の表面に開口した通
気路17aが形成されている。
【0029】また、加熱用マンドレル12の加熱兼冷却
部15には、高周波電源に接続された高周波コイル18
が着脱可能に装着されており、加熱用マンドレル12を
加熱する際にこの高周波コイル18に通電して加熱兼冷
却部15を誘導加熱する。また加熱用マンドレル12を
冷却する際には、前記高周波コイル18を取外して露出
した加熱兼冷却部15に冷風を吹付けて冷却するように
なっている。
【0030】一方、前記カバーパイプ14は、機械的強
度および耐熱性に優れたポリカーボネート等の透明な樹
脂パイプで形成され、その内径は、膨張ガイド部材13
の星形に配設された各アングル材13aの両側縁部が当
接し、完成時の熱収縮チューブW1 の対角に一致する直
径寸法で、その周面には小径の空気抜き穴19が多数貫
通形成されている。そして、このカバーパイプ14は加
熱用マンドレル12の小径に形成された両端付近の段部
にそれぞれ係合するように取付けられたリング状のクラ
ンパ20,20に支持されて加熱用マンドレル12の外
周に同心状に装着されている。またクランパ20,20
の互いに対向する面には、膨張ガイドテーパ凹部20a
がそれぞれすり鉢状に形成されている。また、加熱用マ
ンドレル12の端部に設けられた前記エア吹込み口17
には、エアコンプレッサ21に接続された配管22の端
部が接続されている。
【0031】上記のように構成される製造装置11は、
加熱させる際には加熱兼冷却部15側が低くなるように
加熱用マンドレル12をセットした後、高周波コイル1
8を通電して誘導加熱すると、この加熱兼冷却部15が
ヒートパイプの蒸発部となり、加工部16が凝縮部とな
り、この加工部16の全体が急速かつ均一に加熱され
る。また加熱された加熱用マンドレル12を冷却する際
には、加熱兼冷却部15側が高くなるように加熱用マン
ドレル12をセットして、加熱兼冷却部15に冷風を吹
付けると、加熱兼冷却部15が凝縮部となり、高温の加
工部16の熱が作動流体の蒸気に運ばれて凝縮部で放熱
することによって加工部16の全体が急速に冷却される
ようになっている。
【0032】次に、高収縮率で星形断面の熱収縮チュー
ブW1 を前述の製造装置11を用いて製造する場合につ
いて説明する。
【0033】高い収縮率の熱収縮チューブW1 を製造す
る際には、先ず、製造装置11のカバーパイプ14と膨
張ガイド部材13とを外した状態で、加熱用マンドレル
12の外周に、熱収縮チューブ材W0 を密着状態に被着
した後、この熱収縮チューブW0 の両端をクランパ2
0,20によって、加熱用マンドレル12の表面との間
に挟圧させてシールした後、膨張ガイド部材13とカバ
ーパイプ14とを装着する(図3および図5参照)。
【0034】次に、加熱用マンドレル12の加熱兼冷却
部15に高周波コイル18をセットし、誘導加熱を行う
と、加熱用マンドレル12がヒートパイプ作動して熱収
縮チューブ材W0 を均一に加熱する。そして、熱収縮チ
ューブ材W0 が溶融軟化点に達したところで、コンプレ
ッサ21によって圧縮した空気を、配管22からエア吹
込み口17および通気路17aを経由して加熱用マンド
レル12の表面と熱収縮チューブ材W0 との間に圧入す
ると、軟化した熱収縮チューブ材W0 が膨張を開始す
る。このとき、熱収縮チューブ材W0 の外周をほぼ6等
分する位置に、膨張ガイド部材13を構成している6本
のアングル材13aの各稜線部13bが近接配置されて
いるため、膨張する熱収縮チューブ材W0 は稜線部13
bに当接してその外周面を円周方向にほぼ6等分した状
態に支持される。したがって、以降は6等分されたそれ
ぞれの部分が膨張するため、熱収縮チューブ材W0 に肉
厚むらがあっても、6等分された各部分がほぼ均等に膨
張する(図6参照)。
【0035】そして、さらに膨張する熱収縮チューブ材
W0 は、隣接するアングル材13a,13aにガイドさ
れて楔状に膨張し、カバーパイプ14の内周面に当接す
る状態まで膨張し、6個のピークを備えた星形に成形さ
れる(図4および図7参照)。所定の形状に成形された
時点で、コンプレッサ21によって熱収縮チューブW1
内の圧力を一定に維持しながら、加熱用マンドレル12
の加熱兼冷却部15から高周波コイル18を外した後、
加熱兼冷却部15側が高くなるように逆に傾斜させ、こ
の状態で加熱兼冷却部15にブロア等によって冷風を当
てて冷却し、星形に成形された熱収縮チューブW1 の形
状を固定する。このとき、加熱用マンドレル12はヒー
トパイプであるため、傾斜を逆にして冷却することによ
り、加熱兼冷却部15が作動液の凝縮部となり、加工部
16の熱は加熱冷却部15へ移動するので、自然放熱に
比べて速く冷却することができる。
【0036】そして充分に冷却した後、カバーパイプ1
4および膨張ガイド部材13を除去し、クランパ20,
20を取外すとともに、その両端のテーパ部分を切離し
て加熱用マンドレル12から取外せば、6個のピークを
備えた星形断面に形成して外周長が延伸された熱収縮チ
ューブW1 が得られる。
【0037】この製造方法において、使用するチューブ
素材として、製造時に予め一次延伸加工が施された熱収
縮チューブ材を用いれば、これをヒートパイプ式の加熱
用マンドレル12で加熱して星形断面に形成して二次延
伸させることによって、さらに収縮率の高い熱収縮チュ
ーブを製造することができる。
【0038】また星形断面に形成するため、外周長が長
い割に外形寸法を小さくでき、したがって、同じ外周長
の円形断面の熱収縮チューブと比べて、ストックヤード
等の収納スペースの収納効率を高めることができ、また
輸送コストも低減できる。さらに、星形断面であるため
バンド等で絞って締結すれば、さらに外形寸法を小さく
することができる。また、複数のピークを有する星形断
面に形成するので、ケーブルや棒等の外周に被着した際
に、星形の谷部の尖端間によって自動的にセンタリング
できるため、再加熱して収縮させる際に、片手で熱収縮
チューブW1 を支持してセンタリングする必要がなく、
作業性が著しく向上でき、また、ホットブラスター等に
よる加熱時に、円筒形の従来の熱収縮チューブに比べ
て、熱風の受熱面積が広く、また熱が放散し難くいため
加熱効率が高く、作業時間を短縮できる等の効果を有し
ている。また、チューブの材質によっては、冬季等の低
温時には、星型から円筒状に戻し難い場合があるが、円
錐状の治具を用いることによって、大径のケーブル等の
外周に容易に被装することができる。
【0039】なお、上記実施例においては6個のピーク
を有する星形断面に形成した場合について説明したが、
7個以上のピークを備えた星形断面、あるいは図9に示
すように4個のピークを有する星形断面の熱収縮チュー
ブW2 、または3個あるいは2個のピークを有する星形
断面の熱収縮チューブ等の複数のピークを備えた断面形
状に形成すれば、本実施例とほぼ同様の作用および効果
を得ることができる。また、星形の各ピークの長さが同
一でなく、異なった長さのピークを複数形成しても同様
の作用および効果を得ることができる。
【0040】また図10ないし図12は、この発明の星
型収縮チューブを機械式拡径手段によって製造する第2
実施例を示すもので、以下、図面に基づいて説明する。
【0041】図10は、加熱して収縮させる前の断面形
状(製品形状)が、放射方向への突出部を6つ備えた星
型収縮チューブW3 の製造装置の一例を示すもので、こ
の製造装置26は、その外側に熱収縮チューブ材W0 を
被装するヒートパイプ式の加熱用マンドレル12がほぼ
垂直に設けられている。この加熱用マンドレル12の外
周面には、この円周を6等分する位置に、それぞれ上下
方向に連続する断面半円形の凹溝12aが形成されてお
り、各凹溝12aには、この凹溝12aに嵌合する円形
断面の6本の拡径ピン25が、それぞれの外周面のほぼ
半分をレール状に突出させた状態に嵌挿されている。そ
して、これら6本の拡径ピン25は、それぞれの両端を
図示していないアクチュエータによって放射方向に前進
後退駆動可能に構成されている。
【0042】また、前記6本の拡径ピン25が外周面に
装着された加熱用マンドレル12の加工部の外周には、
断面円形の熱収縮チューブ材W0 が密着するように被さ
れ、この熱収縮チューブ材W0 の外周側には、6本の拡
径規制ピン23が、前記6本の拡径ピン25の各配設位
置のほぼ中間となる各位置の放射方向外側に設けられて
いる。そして、これら6本の拡径規制ピン23は、それ
ぞれの両端を図示していない固定手段によって移動不能
に固定されている。
【0043】次に、高収縮率の星型収縮チューブW3 を
前述の製造装置26を用いて製造する場合について説明
する。
【0044】先ず、ヒートパイプ式の加熱用マンドレル
12を加熱して、外周に被着した熱収縮チューブ材W0
を均一に加熱し、この熱収縮チューブ材W0 が溶融軟化
点に達したところで、アクチュエータによって6本の拡
径ピン25をシンクロさせてほぼ同一速度で、それぞれ
拡径方向に前進駆動する(図11参照)。このとき、熱
収縮チューブ材W0 は、その外周側の6箇所に配設され
た各拡径規制ピン23によって拡径が規制されているた
め、放射方向へ突出する6つの突出部を備えた星型に形
成される。したがって、各拡径ピン25を放射方向に所
定距離駆動させた状態で、マンドレル12を冷却して、
星型に成形された熱収縮チューブの形状を固定する。そ
して、冷却後に拡径ピン25を中心方向に後退させて緩
め、拡径したチューブをマンドレル12の軸線方向に外
すことによって、図12に示す星型収縮チューブW3 が
得られる。
【0045】したがって、本実施例の製造方法によれ
ば、ヒートパイプ式の加熱用マンドレル12を使用する
ため熱収縮チューブ材でW0 を均一に加熱できるととも
に、加熱された熱収縮チューブ材W0 は、その外周側に
配設された拡径規制ピン23によって円周方向にほぼ6
等分した状態に支持されるため、6等分されたそれぞれ
の部分を伸展させるため、ほぼ均等に伸展することがで
き、前記第1実施例の場合と同様の作用および効果が得
られる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の製造方
法によれば、熱収縮チューブ材の膨張初期において、熱
収縮チューブ材の外周を等分割して支持できるため、チ
ューブ素材に肉厚にむらがあっても、拡径手段として流
体圧を用いてほぼ均等に膨張させることができる。ま
た、加熱用マンドレルとして均熱特性の優れたヒートパ
イプ式の加熱用マンドレルを用いれば、熱収縮チューブ
材をより均一に加熱でき、各部をより均一な厚さに伸展
することができる。また、拡径手段として高圧流体を用
いれば、拡径ピン等の機械的手段による場合よりも長尺
な星型収縮チューブが成形できる。さらに、熱収縮チュ
ーブ材の材料として、ポリエステルと塩化ビニルとエチ
レンプロピレンラバーのうちのいずれか一つを使用すれ
ば、高収縮率でかつ強靭な星型収縮チューブを製造する
ことができる。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の星型収縮チューブの製造方法の第1
実施例を行う高圧流体を拡径手段とする製造装置を示す
説明図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】この実施例の製造方法の加熱工程を示す要部拡
大断面側面図である。
【図4】同じく膨張工程を示す要部拡大断面側面図であ
る。
【図5】図3のV−V線拡大断面図である。
【図6】熱収縮チューブ材の膨張過程を示す断面正面図
である。
【図7】同じく膨張が完了した状態を示す断面正面図で
ある。
【図8】この実施例の製造方法により完成した星型収縮
チューブを示す断面正面図である。
【図9】完成した星型収縮チューブの別の例を示す断面
正面図である。
【図10】この発明の星型収縮チューブの製造方法の第
2実施例を行う機械的拡径手段による製造装置による加
熱工程を示す断面平面図である。
【図11】同じく拡径工程を示す断面平面図である。
【図12】この実施例の製造方法により完成した星型収
縮チューブを示す断面平面図である。
【図13】ゴム・プラスチック絶縁ケーブルの断面図で
ある。
【図14】ゴム・プラスチック絶縁ケーブル同士の接続
部の断面図である。
【符号の説明】 11、26…製造装置、 12…加熱用マンドレル、
13……膨張ガイド部材、 13a…アングル材、 1
3b…稜線部(拡径規制部)、 14…カバーパイプ、
15…加熱兼冷却部、 16…加工部、 17…エア
吹込み口、 17a…通気路、 18…高周波コイル、
20…クランパ、 21…エアコンプレッサ、 23
…拡径規制ピン、 25…拡径ピン、 W0 …熱収縮チ
ューブ材、 W1 ,W2 ,W3 …星型収縮チューブ(完
成品)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 23:00 B29L 23:00 (72)発明者 倉田 勝 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式 会社フジクラ内 (72)発明者 矢内 治仁 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式 会社フジクラ内 (56)参考文献 実開 平6−64852(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 61/08 B29C 55/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の温度以上に加熱されると縮径する
    熱収縮チューブの製造方法において、加熱用マンドレル
    の外周に、断面円形の熱収縮チューブ材を密着するよう
    に被せるとともに、この熱収縮チューブ材の外周側に、
    この円周をほぼ等分する3箇所以上の点において、熱収
    縮チューブ材の拡径方向の伸展時にこの熱収縮チューブ
    材の外面に接触してその接触点の移動を規制する拡径規
    制部材を設け、この状態において前記加熱用マンドレル
    によって前記熱収縮チューブ材を加熱しながら、前記拡
    径規制部材から外れた部分の熱収縮チューブ材を、拡径
    手段によってそれぞれ放射方向に伸展させた後、冷却し
    てこの伸展させた状態を固定することを特徴とする星型
    収縮チューブの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱用マンドレルが、ヒートパイプ
    の凝縮部の外表面を加熱加工部とするとともに、その蒸
    発部を加熱手段によって加熱可能に設けられたヒートパ
    イプ式のマンドレルであることを特徴とする請求項1に
    記載の星型収縮チューブの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記拡径手段が高圧流体で、加熱用マン
    ドレルと熱収縮チューブ材との間に注入されることを特
    徴とする請求項1に記載の星型収縮チューブの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記熱収縮チューブ材の材料が、ポリエ
    チレンと塩化ビニルとエチレンプロピレンラバーのうち
    のいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記
    の星型収縮チューブの製造方法。
JP29043494A 1994-10-31 1994-10-31 星型収縮チューブの製造方法 Expired - Lifetime JP3529171B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29043494A JP3529171B2 (ja) 1994-10-31 1994-10-31 星型収縮チューブの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29043494A JP3529171B2 (ja) 1994-10-31 1994-10-31 星型収縮チューブの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08127066A JPH08127066A (ja) 1996-05-21
JP3529171B2 true JP3529171B2 (ja) 2004-05-24

Family

ID=17755987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29043494A Expired - Lifetime JP3529171B2 (ja) 1994-10-31 1994-10-31 星型収縮チューブの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3529171B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2841224B1 (fr) * 2002-06-19 2004-08-06 Sleever Int Enveloppe d'emballage d'objet(s) en materiau thermoretractable a motif en relief

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08127066A (ja) 1996-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4113813A (en) Method of preparing and belling thermoplastic pipe with thickened walls
US3922134A (en) Pipe bending mandrel
GB2319316A (en) Heat shrinkable member for connecting tubular sections
JP3529171B2 (ja) 星型収縮チューブの製造方法
US4032380A (en) Method of joining of insulated high-voltage cables
JP2619348B2 (ja) 熱収縮チューブの製造方法
JP3018147B2 (ja) 大口径管継手
JPH10146890A (ja) 熱収縮チューブの製造方法
KR950031452A (ko) 플라스틱 파이프 제조 방법 및 장치와 플라스틱 파이프
JP2900096B2 (ja) ゴム,プラスチック成形体の製造方法
JPH06190918A (ja) 熱収縮チューブとその製造方法
JP3013730B2 (ja) Cvケーブル用接続部におけるケーブル処理工法
JPS60100107A (ja) プラスチツクシ−ス形成方法
JP2884372B2 (ja) ゴム・プラスチック電力ケーブルの接続方法
JP2001171003A (ja) 熱収縮チューブの製造方法
JPH02142312A (ja) 電力ケーブル接続部の絶縁体形成方法
US3651197A (en) Method for fabricating elbow gores
JP3233028B2 (ja) Cvケーブルの接続方法
JP2822086B2 (ja) ゴム・プラスチック電力ケーブルの接続方法
JPS5815298B2 (ja) ベロ−ズ構造を有する熱収縮性チュ−ブの製造法
JPH0120047B2 (ja)
JPH09103015A (ja) Cvケーブルの絶縁接続方法
JPH06234157A (ja) 熱回復性成形物の製造方法
JPS6315729A (ja) 熱収縮チユ−ブの製法
JPH0655430B2 (ja) 仕切付管の湾曲方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20031125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040224

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090305

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090305

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100305

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100305

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110305

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110305

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120305

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120305

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 9