JP3529086B2 - 光走査装置 - Google Patents
光走査装置Info
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Description
し、より特定的には、例えばレーザプリンタや製版用出
力スキャナに用いられ、感材面を光走査することによっ
て画像を描く光走査装置に関する。
す斜視図である。図28の光走査装置は、例えばレーザ
プリンタや製版用出力スキャナに用いられ、感材面を光
走査することによって感材面上に2次元画像を形成す
る。図28において、支持台10の一方の端部付近に
は、光源11(例えばLD)、コリメートレンズ12
a、ミラー13および走査レンズ14が設けられてい
る。光源11、コリメートレンズ12aおよびミラー1
3はY方向に沿って配置され、さらに、ミラー13を通
りZ方向に向かう直線上に走査レンズ14が置かれる。
コリメートレンズ12a、ミラー13および走査レンズ
14は協働して、光源11から発せられた光を導いて被
走査位置(Y方向に平行な直線15上の任意の一点)で
結像させる作用を有し、これらをまとめて光学系と呼
ぶ。直線16は、光学系の光軸を示す。
から発せられた光(拡散光)は、コリメートレンズ12
aを通過することにより平行光もしくは概ね平行光とな
る。平行光もしくは概ね平行光は、ミラー13によって
その進行方向が曲げられ、走査レンズ14へと向かう。
そして走査レンズ14によって集光され、支持台10の
他方の端部付近で結像する。その際、ミラー13がX方
向に向かう直線を軸として回転され、応じて結像位置が
直線15に沿って移動していく(この結像位置が移動し
ていく方向を主走査方向と呼ぶ)。一方、直線15を含
みZ方向に垂直な平面上に感材面が置かれ、これがX方
向に沿って移動される(この感材面が移動していく方向
を副走査方向と呼ぶ)。こうして感材面上には、2次元
画像が形成されていく。なお、コリメートレンズ12a
は、1枚の凸レンズとそれを収納するためのレンズホル
ダとで構成されている。
光走査装置では、環境温度が下降した場合、支持台10
が収縮して走査レンズ14から感材面までの距離が長く
なる。一方、光源11からコリメートレンズ12aまで
の距離が短くなって走査レンズ14への入射光が拡散光
となるので、走査レンズ14から結像位置までの距離も
長くなる(以下では、光源および感材面の各位置は移動
しないと仮定する)。よって、走査レンズ14から感材
面までの距離の伸長量と、走査レンズ14から結像位置
までの距離の伸長量との差だけ、結像位置が感材面から
ずれる(図29参照)。環境温度が上昇した場合には、
支持台10が伸長して走査レンズ14から感材面までの
距離が短くなる。一方、光源11からコリメートレンズ
12aまでの距離が長くなって走査レンズ14への入射
光が集束光となるので、走査レンズ14から結像位置ま
での距離も短くなる。よって、走査レンズ14から感材
面までの距離の短縮量と、走査レンズ14から結像位置
までの距離の短縮量との差だけ、結像位置が感材面から
ずれる(図30参照)。
距離の変化量と走査レンズ14から結像位置までの距離
の変化量とが一致すれば、結像位置が感材面からずれる
ことはない。しかし図28の装置では、走査レンズ14
の焦点距離が長いので後者が前者よりも大きくなり、図
29および図30に示されるようなずれが生じている。
こうして結像位置が感材面からずれると、感材面上での
光のスポット径が拡がり、光走査によって得られる画像
の解像度が落ちる。つまり、図28の装置には、環境温
度が変わると結像位置が感材面からずれ、その結果、画
質が低下する問題点があった。
変わっても結像位置が感材面からずれることがなく、そ
の結果、環境温度に関わらず安定して高画質が得られる
光走査装置を提供することである。
発明は、感材面を光走査することにより当該感材面上に
2次元画像を描く光走査装置であって、感材面を光走査
する光学系と、光学系を搭載するための支持台とを備
え、光学系は、光源と、光源から発せられた拡散光を集
束して平行光もしくは概ね平行光とするためのコリメー
トレンズと、コリメートレンズから射出された平行光も
しくは概ね平行光を偏向させる偏向器と、偏向器によっ
て偏向された平行光もしくは概ね平行光を集束して感材
面上で結像させるための走査レンズとを含み、コリメー
トレンズには、光学系の光軸に沿って配置された凹レン
ズおよび凸レンズと、凹レンズおよび凸レンズのいずれ
か一方のレンズを光学系の光軸に沿って移動可能に保持
し、かつ他方のレンズを固定的に保持するためのレンズ
ホルダと、一端がレンズホルダに対して固定され、他端
は一方のレンズに当接されており、環境温度の変化に応
じて伸縮して凹レンズおよび凸レンズの間の距離間隔を
変化させることによって、当該環境温度の変化により支
持台が伸縮して生じる光学系の結像位置の感材面位置か
らのずれを補償する温度補償部材とが設けられているこ
とを特徴としている。
含まれる凹レンズおよび凸レンズの間の距離間隔を変化
させることによって走査レンズへと入射される光束の拡
がりを調節し、それによって環境温度の変化により支持
台が伸縮して生じる光学系の結像位置のずれを補償して
いるので、結像位置のずれが小さくなる。またその際、
コリメートレンズに環境温度の変化に応じて伸縮する温
度補償部材を設けることによって凹レンズおよび凸レン
ズの間の距離間隔を変化させているので、コストがかさ
むこともない。
補償部材は、環境温度の変化に応じて当該温度補償部材
が伸縮して凹レンズおよび凸レンズの間の距離間隔が変
化したことによる光学系の結像位置の移動によって、当
該環境温度の変化により支持台が伸縮して生じる光学系
の結像位置の感材面位置からのずれを過不足なく打ち消
すような線熱膨張率を有する素材で形成されたことを特
徴としている。
を最も小さくできる。
補償部材は、樹脂素材で、かつ一方のレンズと一体的に
形成されたことを特徴としている。
ズの製造コストを安くできる。
ズホルダは、樹脂素材とは異なる線熱膨張率を有する別
の樹脂素材で、かつ他方のレンズと一体的に形成された
ことを特徴としている。
ズの製造コストをさらに安くできる。
凹レンズおよび凸レンズの計4つの屈折面のうち少なく
とも1つの屈折面が、光学系の収差を抑制するような非
球面形状に形成されたことを特徴としている。
て焦点深度が深くなるので、高画質を得るために必要と
される結像位置のずれの許容値が大きくなる。
て、図面を参照しながら説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
係る光走査装置を示す斜視図である。図1の光走査装置
は、例えばレーザプリンタや製版用出力スキャナに用い
られ、感材面を光走査することによって感材面上に2次
元画像を形成する。図1の装置は、図28の装置におい
て、コリメートレンズ12aに代えて、コリメートレン
ズ12を備えている。図28の装置では、環境温度が変
わると結像位置が感材面からずれていた。コリメートレ
ンズ12は、この結像位置の感材面からのずれを補償す
る作用を有する。上記の点を除く図1の装置の基本的な
構成および動作は、図28の装置のそれらと同様である
(従来の技術の項目を参照)。
例を示す分解斜視図、図3は、図2のコリメートレンズ
の断面図である。図2および図3において、コリメート
レンズは、レンズホルダ20、凹レンズ21、コイルバ
ネ22、凸レンズ23、温度補償部材24、押さえ板2
5およびネジ26で構成される。レンズホルダ20には
凹レンズ21、コイルバネ22、凸レンズ23および温
度補償部材24が収納され、押さえ板25とレンズホル
ダ20とがネジ26で固着されている。
は、凹レンズ21および凸レンズ23が協働して、図1
の光源11から発せられた光(拡散光)を平行光もしく
は概ね平行光となるように集束する。なお、図2(およ
び図3)のコリメートレンズは、凹レンズ21側が光源
11と対向するように、図1の装置に搭載される。一
方、コイルバネ22および温度補償部材24は協働し
て、凹レンズ21と凸レンズ23との間隔を調節する。
すなわち、温度補償部材24は、所定の線熱膨張率を有
し、環境温度の変化に応じて図中一点鎖線で示される光
軸に沿って伸縮する。コイルバネ22は、凹レンズ21
と凸レンズ23とを上記の光軸に沿って互いに逆向きに
押している。凸レンズ23は、コイルバネ22に押され
ることによって、温度補償部材24の端部と常に接触し
た状態にある。よって凸レンズ23は、環境温度の変化
に応じて、図中一点鎖線で示される光軸に沿って移動
し、その結果、凹レンズ21と凸レンズ23との間隔が
変わる。
23との間隔が変わると、走査レンズ14へと入射され
る光束の拡がりが変化し、その結果、結像位置が移動す
る。つまり、図2(および図3)のコリメートレンズ
は、凹レンズ21と凸レンズ23との間隔を変化させて
走査レンズ14へと入射される光束の拡がり(ビーム
幅)を調節し、それによって、前述のような環境温度の
変化による結像位置のずれを補償している。
トレンズ12によって上記のような温度補償が行われる
様子を説明する。図4は、図1の装置において環境温度
が下降した場合、結像位置のずれがどのようにして補償
されるかを直感的に説明するための図である。図4にお
いて、環境温度がある値のとき、図1の装置では結像位
置が感材面と一致しているとする(上段)。環境温度が
上記の値から下降すると、支持台10が収縮して走査レ
ンズ14から感材面までの距離が長くなる。一方、仮に
温度補償がなされないとすれば、光源11からコリメー
トレンズ12の凹レンズまでの距離および凹レンズから
凸レンズまでの距離が短くなって走査レンズ14への入
射光が拡散光となるので、走査レンズ14から結像位置
までの距離も長くなり、その結果、走査レンズ14から
感材面までの距離の伸長量と走査レンズ14から結像位
置までの距離の伸長量との差だけ、結像位置が感材面か
らずれるはずである(中段)。しかしコリメートレンズ
12では、(温度補償部材24が収縮して)凹レンズと
凸レンズとの間隔が拡がり、走査レンズ14へと入射さ
れる光束の拡がりが大きくなる(なお、拡散の度合いは
変わらない)ので、結像位置のずれは、温度補償が行わ
れない場合と比べて小さくなる(下段)。なお図4の各
段では、凹レンズにおける光線の入射位置(高さ)が互
いに同一である。
昇した場合、結像位置のずれがどのようにして補償され
るかを直感的に説明するための図である。図5におい
て、環境温度がある値のとき、図1の装置では結像位置
が感材面と一致しているとする(上段)。環境温度が上
記の値から上昇すると、支持台10が伸長して走査レン
ズ14から感材面までの距離が短くなる。一方、仮に温
度補償がなされないとすれば、光源11からコリメート
レンズ12の凹レンズまでの距離および凹レンズから凸
レンズまでの距離が長くなって走査レンズ14への入射
光が集束光となるので、走査レンズ14から結像位置ま
での距離も短くなり、その結果、走査レンズ14から感
材面までの距離の短縮量と走査レンズ14から結像位置
までの距離の短縮量との差だけ、結像位置が感材面から
ずれるはずである(中段)。しかしコリメートレンズ1
2では、(温度補償部材24が伸長して)凹レンズと凸
レンズとの間隔が縮まり、走査レンズ14へと入射され
る光束の拡がりが小さくなる(なお、収束の度合いは変
わらない)ので、結像位置のずれは、温度補償が行われ
ない場合と比べて小さくなる(下段)。なお図5の各段
では、凹レンズにおける光線の入射位置(高さ)が互い
に同一である。
ンズ12を備えた図1の装置では、温度補償部材24が
伸縮して凹レンズ21と凸レンズ23との間の距離が変
化したことに起因する結像位置の移動によって、支持台
10が伸縮して光源11と凹レンズ21との間の距離お
よび凹レンズ21と凸レンズ23との間の距離が変化し
たことに起因する結像位置のずれが相殺されたとき、結
像位置のずれはゼロとなる。一方、温度補償部材24の
温度変化に対する伸縮量は、その(光軸に沿う)長さと
線熱膨張率とに依存する。同様に、支持台10の温度変
化に対する伸縮量は、その(光軸に沿う)長さと線熱膨
張率とに依存する。よって、支持台10に応じて、適当
な線熱膨張率を有する素材(樹脂など)を選んで適当な
大きさに温度補償部材24を形成すれば、環境温度が変
わることによる結像位置のずれを十分小さくできる。な
お、異なる素材を混合して温度補償部材24を形成する
ことにより、線熱膨張率を調節してもよい。また異なる
素材でできた複数の温度補償部材を組み合わせて線熱膨
張率を調節してもよい。
量的に確かめる。図6は、図1の装置において結像位置
のずれがどのようにして補償されるかを近軸光線追跡に
よって定量的に確かめるための図である。図6におい
て、凹レンズの屈折力をφ1 (<0)、凸レンズの屈折
力をφ2 (>0)、走査レンズの屈折力をφ3 (>0)
とし、また、光源から凹レンズまでの距離をe1 、凹レ
ンズから凸レンズまでの距離をe’1 、凸レンズから走
査レンズまでの距離をe’2、走査レンズから結像位置
までの距離をe’3 とする。光源から発せられた光線
(近軸光線)が凹レンズへ入射する際、その入射位置
(光軸からの距離)をh1 、入射角をα1 、射出角を
α’1 とする。凹レンズから射出された上記光線が凸レ
ンズへ入射する際、その入射位置をh2 、入射角を
α2 、射出角をα’2 とする。凸レンズから射出された
上記光線が走査レンズへ入射する際、その入射位置をh
3 、入射角をα3 、射出角をα’3 とする。なおh1 、
φ1 、φ2 およびφ3 は、それぞれ定数である。
(1)〜(3)が成り立つ。 α’1 =α1 +h1 ・φ1 …(1) α2 =α’1 …(2) h2 =h1 −e’1 ・α’1 …(3) ここで上式(1)〜(3)を、次式(4)、(5)のよ
うに変形しておく。 α’1 =h1 ・{(1/e1 )+φ1 }…(4) h2 =h1 ・{1−(e’1 /e1 )−e’1 ・φ1 }…(5)
式(6)〜(8)が成り立つ。 α’2 =α2 +h2 ・φ2 …(6) α3 =α’2 …(7) h3 =h2 −e’2 ・α’2 …(8) さらにコリメートレンズ〜結像位置では、次式(9)、
(10)が成り立つ。 α’3 =α3 +h3 ・φ3 …(9) 0=h3 −e’3 ・α’3 …(10)
のように変形する。 e’3 =h3 /α3 …(11) そして上式(11)に、上式(4)〜(9)を適用する
と、次式(12)が得られる。 e’3 =(h2 −e’2 ・α’2 )/{α2 +h2 ・φ2 +(h2 −e’2 ・ α’2 )・φ3 }〔ただし、α2 =h1 ・{(1/e1 )+φ1 }、h2 =h1 ・{1−(e’1 /e1 )−e’1 ・φ1 }、α’2 =h1 ・{(1/e1 )+ φ1 }+h1 ・{1−(e’1 /e1 )−e’1 ・φ1 }・φ2 〕…(12)
像位置までの距離(e’3 )を、光源〜凹レンズ、凹レ
ンズ〜凸レンズ、凸レンズ〜走査レンズの間の各距離
(e1、e’1 、e’2 )と、凹レンズ、凸レンズおよ
び走査レンズの各屈折力(φ1、φ2 、φ3 )とを用い
て算出できる(なお、h1 は約分される)。
ンズを採用した図1の装置は現在、ある温度環境下に置
かれている。このとき走査レンズ14は、感材面から7
00mmの位置にあるとする。なお、支持台10は金
属、例えばアルミ製であり、2・10-5/℃の線熱膨張
率を有する。温度補償部材24は樹脂、例えばPMMA
(ポリメチルメタクリレート)製であって、6・10-5
/℃の線熱膨張率を有し、その長さは10mmである。
一方、φ1 =−1/90、φ2 =1/75、φ3=1/
700、e1 =295.7143mm、e’1 =6m
m、e’2 =500mmであるとし、上式(12)によ
って走査レンズ14から結像位置までの距離を計算すれ
ば、e’3 =700mmが得られる。つまり現在、結像
位置は感材面上にある。
る。応じて支持台10が{(700mm)・(2・10
-5/℃)・(10℃)}=0.14mmだけ伸長し、そ
の結果、走査レンズ14は、感材面から699.86m
mの位置まで移動する。一方e 1 は、{(295.71
43mm)・(2・10-5/℃)・(10℃)}=0.
059mmだけ伸長して295.77mmとなる。e’
1 は、{(6mm)・(2・10-5/℃)・(10℃)
−(6mm)・(6・10-5/℃)・(10℃)}=−
0.048mmだけ伸長(つまり0.048mmだけ短
縮)して5.952mmとなる。e’2 は、{(500
mm)・(2・10-5/℃)・(10℃)}=0.1m
mだけ伸長して、500.1mmとなる。従って上式
(12)により、走査レンズ14から結像位置までの距
離は699.862mmとなる。つまり環境温度が10
℃上昇しても、結像位置は感材面からほとんどずれない
(ずれは0.002mmのみ)。
ートレンズは、温度補償部材24として支持台10(の
サイズおよび材質)に応じた適当な長さおよび線熱膨張
率を有する素材が採用されたとき、図1の装置において
生じる、環境温度が変わることによる結像位置のずれを
十分小さくできる。
メートレンズに含まれる凹レンズおよび凸レンズの間の
距離間隔を変化させることによって走査レンズへと入射
される光束の拡がりを調節し、それによって環境温度の
変化により支持台が伸縮して生じる光学系の結像位置の
ずれを補償しているので、結像位置のずれが小さくな
る。またその際、コリメートレンズに環境温度の変化に
応じて伸縮する温度補償部材を設けることによって凹レ
ンズおよび凸レンズの間の距離間隔を変化させているの
で、コストがかさむこともない。
の実施形態に係る光走査装置の構成を示す斜視図であ
る。図7の光走査装置は、例えばレーザプリンタや製版
用出力スキャナに用いられ、感材面を光走査することに
よって感材面上に2次元画像を形成する。図7におい
て、支持台70の一方の端部付近には、光源71(例え
ばLD)、コリメートレンズ72、ミラー73、第1シ
リンドリカルレンズ74、ポリゴンミラー75および走
査レンズ76が設けられ、他方の端部付近には、第2シ
リンドリカルレンズ77が設けられている。光源71、
コリメートレンズ72およびミラー73はZ方向に沿っ
て配置され、ミラー73を通りY方向に向かう直線上に
第1シリンドリカルレンズ74およびポリゴンミラー7
5が配置され、さらに、ポリゴンミラー75を通りZ方
向に向かう直線上に走査レンズ76および第2シリンド
リカルレンズ77が置かれる。
シリンドリカルレンズ74、ポリゴンミラー75、走査
レンズ76および第2シリンドリカルレンズ77は協働
して、光源71から発せられたレーザビームを導いて描
画位置(Y方向に平行な直線78上の1点)で集束させ
る作用を有し、これらをまとめて光学系と呼ぶ。直線7
9は、光学系の光軸を示す。
発せられた光は、コリメートレンズ72を通過すること
により平行光もしくは概ね平行光となる。平行光もしく
は概ね平行光は、ミラー73によってその進行方向が曲
げられ、第1シリンドリカルレンズ74へと向かう。そ
して第1シリンドリカルレンズ74によってZX平面内
(すなわち子午面内)で集光された後、ポリゴンミラー
75で反射されて走査レンズ76へと入射される。ZX
平面内で集光されてポリゴンミラー75においていった
ん結像した光は、ZX平面内では走査レンズ76および
第2シリンドリカルレンズ77によって再び集光され、
YZ平面内(すなわち子午面と直行する水平面内)では
走査レンズ76により集光され、支持台70の他方の端
部付近において結像する。その際、ポリゴンミラー75
がX方向に向かう直線を軸として回転され、応じて結像
位置が直線78に沿って移動していく(この結像位置が
移動していく方向を主走査方向と呼ぶ)。一方、直線7
8を含みZ方向に垂直な平面上に感材面が置かれ、これ
がX方向に沿って移動される(この感材面が移動してい
く方向を副走査方向と呼ぶ)。こうして感材面上には、
2次元画像が形成されていく。
トレンズ12同様、例えば図2(および図3)に示され
るような構成を有し、環境温度の変化によるYZ平面内
における結像位置のずれを補償している。そしてその補
償動作は、第1の実施形態で説明したものと同様であ
る。なぜなら、上記の光走査装置では、仮に温度補償を
行わないとすれば、環境温度の変化に応じYZ平面内に
おいて第1の実施形態で説明したものと同様の結像位置
のずれが生じるが、ZX平面内においては第1の実施形
態で説明したものと比べて小さなずれしか生じないから
である。
温度が下降した場合、支持台70が収縮して走査レンズ
76から感材面までの距離が長くなる。一方、光源71
からコリメートレンズ72までの距離が短くなって走査
レンズ76への入射光が拡散光となるので、走査レンズ
76から結像位置までの距離も長くなる。よって、走査
レンズ76から感材面までの距離の伸長量と、走査レン
ズ76から結像位置までの距離の伸長量との差だけ、結
像位置が感材面からずれる(発明が解決しようとする課
題の項目を参照)。
は主としてシリンドリカルレンズ77であり、このシリ
ンドリカルレンズ77の焦点距離が走査レンズ76と比
べて短いので、走査レンズ76から結像位置までの距離
の伸長量が小さく、従って結像位置のずれは、YZ平面
内におけるそれよりも小さい。なお、環境温度の変化に
よるYZ平面内における結像位置のずれがZX平面内に
おけるそれと比べて大きいことは、環境温度が変わると
非点収差が増大することも意味する。
動作を行うことによって、図7の装置では、環境温度が
変わってもYZ平面内における結像位置のずれが生じな
くなる。その結果として非点収差の増大も防がれ、高画
質が得られるようになる。
器としてポリゴンミラーを用いた光学系において、コリ
メートレンズに含まれる凹レンズおよび凸レンズの間の
距離間隔を変化させることによって走査レンズへと入射
される光束の拡がりを調節し、それによって環境温度の
変化により支持台が伸縮して生じる光学系の水平面内に
おける結像位置のずれを補償しているので、水平面内に
おける結像位置のずれが小さくなる。その結果として非
点収差も抑制される。またその際、コリメートレンズに
環境温度の変化に応じて伸縮する温度補償部材を設ける
ことによって凹レンズおよび凸レンズの間の距離間隔を
変化させているので、コストがかさむこともない。
コリメートレンズ(12、72)の一例として、図2
(および図3)に示す構成のものを挙げたが、以下のよ
うな構成のものを採用してもよい。図8は、図1のコリ
メートレンズ12(または図7のコリメートレンズ7
2)の別の一例を示す断面図である。図8のコリメート
レンズでは、図2(および図3)のコリメートレンズに
おいて、凸レンズ23と温度補償部材24とが樹脂、例
えばPMMAで一体形成されている(参照番号80で示
されるている凸レンズ一体型温度補償部材)。これによ
って、図2(および図3)のコリメートレンズと比べ、
コストダウンが可能となる。
たは図7のコリメートレンズ72)のさらに別の一例を
示す分解斜視図、図10は、図9のコリメートレンズの
断面図である。図9(および図10)のコリメートレン
ズは、図2(および図3)のコリメートレンズにおい
て、温度補償部材24が凹レンズ21側に設けられ、さ
らにそれら凹レンズ21と温度補償部材24とが樹脂、
例えばPMMAで一体形成された(参照番号90で示さ
れるている凹レンズ一体型温度補償部材)ものである。
これによって、図2(および図3)のコリメートレンズ
と比べ、コストダウンが可能となる。なお、図9(およ
び図10)のように凹レンズ側を樹脂で形成する方が、
図8のように凸レンズ側を樹脂で形成する場合と比べ、
レンズにヒケや脈理が現れにくい。
(または図7のコリメートレンズ72)の他の一例を示
す断面図である。図11のコリメートレンズでは、図8
のコリメートレンズにおいて、さらに、凹レンズ21と
レンズホルダ20とが樹脂、例えばPMMAで一体形成
されている(参照番号110で示されるている凹レンズ
一体型レンズホルダ)。これによって、図8のコリメー
トレンズ、または図9(および図10)のコリメートレ
ンズと比べ、さらにコストダウンが可能となる。
(および図10)、および図11のコリメートレンズに
おいて、コイルバネ22の代わりに、ウェーブワッシャ
や皿バネ座金、ゴムなどを用いてもよい(つまり弾性体
であれば、形状や素材はどのようなものでもよい)。
(および図10)、および図11のコリメートレンズに
おいて、凹レンズ(21、90、110)および凸レン
ズ(23、80)の屈折面(計4面)のうちいずれか一
面、任意の2面または3面、あるいは4面全てを非球面
形状(たとえば回転放物面形状、回転双曲面形状など)
に形成してもよい。併せて各面の曲率半径、凹レンズお
よび凸レンズの厚みや材質、屈折率などを、走査レンズ
(14、76)、シリンドリカルレンズ(74、77)
等の特性も考慮して適切に選べば(そのいくつかの例を
図12〜図27に示す)、光学系の収差が抑制され、高
画質を得ることができる。換言すれば、収差が抑制され
た結果、焦点深度が深くなるので、高画質を得るために
必要とされる結像位置のずれの許容値が大きくなる。
おいて、コリメータレンズ72に含まれる凹レンズおよ
び凸レンズを共にガラスで製作した場合の、各光学素子
の特性の例が示されている。なお、このときコリメータ
レンズ72の構成は、図2(および図3)のものとな
る。
て、コリメータレンズ72に含まれる凹レンズをガラス
で、凸レンズを樹脂で製作した場合の、各光学素子の特
性の例が示されている(図17および図18では凸レン
ズの第2面が、図19では凸レンズの第1面がそれぞれ
非球面となっている)。なお、このときコリメータレン
ズ72の構成は、図8のものとなる。
て、コリメータレンズ72に含まれる凹レンズを樹脂
で、凸レンズをガラスで製作した場合の、各光学素子の
特性の例が示されている(図23では凸レンズの第2面
が非球面となっている)。なお、このときコリメータレ
ンズ72の構成は、図9(および図10)のものとな
る。
て、コリメータレンズ72に含まれる凹レンズおよび凸
レンズを共に樹脂で製作した場合の、各光学素子の特性
の例が示されている(図24では凸レンズの第2面が、
図25では凸レンズの第1面が、図26では凹レンズの
第2面が、図27では4面全部がそれぞれ非球面となっ
ている)。なお、このときコリメータレンズ72の構成
は、図11のものとなる。
す斜視図である。
斜視図である。
結像位置のずれがどのようにして補償されるかを直感的
に説明するための図である。
結像位置のずれがどのようにして補償されるかを直感的
に説明するための図である。
にして補償されるかを近軸光線追跡によって定量的に確
かめるための図である。
成を示す斜視図である。
リメートレンズ72)の別の一例を示す断面図である。
リメートレンズ72)のさらに別の一例を示す分解斜視
図である。
コリメートレンズ72)の他の一例を示す断面図であ
る。
に含まれる凹レンズおよび凸レンズを共にガラスで製作
した場合の、各光学素子の特性の一例を示す図である。
に含まれる凹レンズおよび凸レンズを共にガラスで製作
した場合の、各光学素子の特性の別の一例を示す図であ
る。
に含まれる凹レンズおよび凸レンズを共にガラスで製作
した場合の、各光学素子の特性のさらに別の一例を示す
図である。
に含まれる凹レンズおよび凸レンズを共にガラスで製作
した場合の、各光学素子の特性の他の一例を示す図であ
る。
に含まれる凹レンズをガラスで、凸レンズを樹脂で製作
した場合の、各光学素子の特性の一例を示す図である。
に含まれる凹レンズをガラスで、凸レンズを樹脂で製作
した場合の、各光学素子の特性の別の一例を示す図であ
る。
に含まれる凹レンズをガラスで、凸レンズを樹脂で製作
した場合の、各光学素子の特性のさらに別の一例を示す
図である。
に含まれる凹レンズをガラスで、凸レンズを樹脂で製作
した場合の、各光学素子の特性の他の一例を示す図であ
る。
に含まれる凹レンズを樹脂で、凸レンズをガラスで製作
した場合の、各光学素子の特性の一例を示す図である。
に含まれる凹レンズを樹脂で、凸レンズをガラスで製作
した場合の、各光学素子の特性の別の一例を示す図であ
る。
に含まれる凹レンズを樹脂で、凸レンズをガラスで製作
した場合の、各光学素子の特性のさらに別の一例を示す
図である。
に含まれる凹レンズを樹脂で、凸レンズをガラスで製作
した場合の、各光学素子の特性の他の一例を示す図であ
る。
に含まれる凹レンズおよび凸レンズを共に樹脂で製作し
た場合の、各光学素子の特性の一例を示す図である。
に含まれる凹レンズおよび凸レンズを共に樹脂で製作し
た場合の、各光学素子の特性の別の一例を示す図であ
る。
に含まれる凹レンズおよび凸レンズを共に樹脂で製作し
た場合の、各光学素子の特性のさらに別の一例を示す図
である。
に含まれる凹レンズおよび凸レンズを共に樹脂で製作し
た場合の、各光学素子の特性の他の一例を示す図であ
る。
る。
場合に結像位置が感材面からずれる様子を示す図であ
る。
場合に結像位置が感材面からずれる様子を示す図であ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 感材面を光走査することにより当該感材
面上に2次元画像を描く光走査装置であって、 前記感材面を光走査する光学系と、 前記光学系を搭載するための支持台とを備え、 前記光学系は、 光源と、 前記光源から発せられた拡散光を集束して平行光もしく
は概ね平行光とするためのコリメートレンズと、 前記コリメートレンズから射出された平行光もしくは概
ね平行光を偏向させる偏向器と、 前記偏向器によって偏向された平行光もしくは概ね平行
光を集束して前記感材面上で結像させるための走査レン
ズとを含み、 前記コリメートレンズには、 前記光学系の光軸に沿って配置された凹レンズおよび凸
レンズと、 前記凹レンズおよび凸レンズのいずれか一方のレンズを
前記光学系の光軸に沿って移動可能に保持し、かつ他方
のレンズを固定的に保持するためのレンズホルダと、 一端が前記レンズホルダに対して固定され、他端は前記
一方のレンズに当接されており、環境温度の変化に応じ
て伸縮して前記凹レンズおよび凸レンズの間の距離間隔
を変化させることによって、当該環境温度の変化により
前記支持台が伸縮して生じる前記光学系の結像位置の前
記感材面位置からのずれを補償する温度補償部材とが設
けられていることを特徴とする、光走査装置。 - 【請求項2】 前記温度補償部材は、前記環境温度の変
化に応じて当該温度補償部材が伸縮して前記凹レンズお
よび凸レンズの間の距離間隔が変化したことによる前記
光学系の結像位置の移動によって、当該環境温度の変化
により前記支持台が伸縮して生じる前記光学系の結像位
置の前記感材面位置からのずれを過不足なく打ち消すよ
うな線熱膨張率を有する素材で形成されたことを特徴と
する、請求項1に記載の光走査装置。 - 【請求項3】 前記温度補償部材は、樹脂素材で、かつ
前記一方のレンズと一体的に形成されたことを特徴とす
る、請求項2に記載の光走査装置。 - 【請求項4】 前記レンズホルダは、前記樹脂素材とは
異なる線熱膨張率を有する別の樹脂素材で、かつ前記他
方のレンズと一体的に形成されたことを特徴とする、請
求項3に記載の光走査装置。 - 【請求項5】 前記凹レンズおよび凸レンズの計4つの
屈折面のうち、少なくとも1つの屈折面が非球面形状に
形成されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか
に記載の光走査装置。
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JP18286098A JP3529086B2 (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | 光走査装置 |
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JP18286098A JP3529086B2 (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | 光走査装置 |
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JP2000019445A JP2000019445A (ja) | 2000-01-21 |
JP3529086B2 true JP3529086B2 (ja) | 2004-05-24 |
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JP (1) | JP3529086B2 (ja) |
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-
1998
- 1998-06-29 JP JP18286098A patent/JP3529086B2/ja not_active Expired - Fee Related
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