JP3527164B2 - 高周波回路基板 - Google Patents

高周波回路基板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばマイクロ波
回路を構成する高周波回路基板に関し、特にインピーダ
ンス整合回路を有する高周波回路基板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の高周波回路基板の斜視図
であって、1は多層基板、2はキャビティ、3は高周波
能受動素子、4は高周波能受動素子3を駆動する素子駆
動電気回路、5はビアホール、6はストリップライン回
路、8はシールリング実装のためのシールリングベース
である。基板1は誘電体層の複数が積層した構造を有
し、その表面にキャビティ2が形成されており、このキ
ャビティ2内に高周波能受動素子3が配置されている。
高周波能受動素子3は、金ボンディングワイア45によ
り素子駆動電気回路4に電気的に接続され、それにより
駆動されて高周波信号の増幅あるいはその他の機能をな
す。
【0003】外部からの高周波信号を伝送するストリッ
プライン回路6は、基板1の表面に形成されており、金
ボンディングワイア606により高周波能受動素子3に
電気的に接続されている。基板1内には、ストリップラ
イン回路6の高周波グランドパターン層(図示せず)が
設けられている。なおシールリングベース8は、その上
面にメッキ層81を有し、したがってシールリングベー
ス8の直下に存在するストリップライン回路6の部分は
このメッキ層81と上記高周波グランドパターン層とか
らトリプレートストリップライン構造となっている。
【0004】従来の高周波回路基板は上記のような構成
を有し、高周波能受動素子3に必要な外部とのインピー
ダンス整合のための整合回路としては、使用する高周波
能受動素子3内にそれを作り込むMMICによる方法、
整合回路を有する誘電体基板を別途製造してそれをキャ
ビティ2内に高周波能受動素子3と一緒に実装する方法
などが知られている。しかしMMICは、一般的に高価
であって高周波回路基板のコストアップを招く問題があ
る。一方、整合回路を有する誘電体基板をキャビティ2
内に実装する方法は、上記誘電体基板自体の実装や組立
の際の作業上のバラツキに起因して整合性能を不安定と
なし、また高周波回路基板製造の多工程化や上記の実装
や組立のための領域マージンが必要となるなどの問題が
ある。さらに上記誘電体基板を実装するためのスペース
が必要であるために、高周波回路基板の小サイズ化を阻
害する問題点もある。
【0005】一方、特開平6−291520号公報に
は、ストリップライン回路と整合回路とを有する多層基
板が開示されているが、上記ストリップライン回路と整
合回路とは互いに異なる層上に形成されているために整
合性能が未だ不十分であり、また両回路を別の層に設け
るので多層基板の層数が増えて高周波回路基板の小サイ
ズ化を阻害する問題点もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術が孕んでいる諸問題を解決し、しかして少工程にて製
造可能でありながら整合性能が良好であり、しかも小サ
イズ化が可能な高周波回路基板を提供することを課題と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による高周波回路
基板は、(1)多層基板のキャビティ内に配置された高
周波能受動素子、この高周波能受動素子を駆動する素子
駆動電気回路、および上記高周波能受動素子に接続され
たストリップライン回路を有する高周波回路基板におい
て、上記ストリップライン回路の少なくとも一部は、
端が開放されたトリプレートストリップ構造のタブを含
むトリプレートストリップ構造のインピーダンス整合回
、および上記インピーダンス整合回路の両端に上記イ
ンピーダンス整合回路と一体的に構成されることにより
直列接続されたトリプレートストリップライン回路であ
り、さらに上記インピーダンス整合回路とその両端の上
記両トリプレートストリップライン回路とは上記ストリ
ップライン回路が形成された基板面と同一面に形成され
たものである。 (2)上記(1)において、多層基板は、素子駆動電気
回路を構成する電気回路パターンの少なくとも一部を層
内に有するものである。 (3)上記(1)または(2)において、多層基板は、
熱伝導性に優れた軽量のセラミックスにより形成された
ものである。 (4)上記(3)において、セラミックスは、窒化アル
ミニウムである。 (5)上記(1)において、高周波回路基板は複数の高
周波能受動素子を有し、ストリップライン回路は高周波
電力をそれら複数の高周波能受動素子に分配する電力分
配回路および/またはそれら複数の高周波能受動素子か
らの高周波電力を合成する電力合成回路を有するもので
ある。 (6)上記(1)または(5)において、高周波回路基
板は複数の高周波能受動素子を有し、それら複数の高周
波能受動素子はストリップライン回路により直列および
/または並列に接続されたものである。 (7)上記(1)において、高周波能受動素子は、ヒー
トシンクを介してキャビティ内に配置されたものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明にお
ける実施の形態1の一部破断図を含む斜視図であり、図
2は図1のI−I線に沿った断面図である。図1〜図2
において、1は多層基板、2はキャビティ、3は高周波
能受動素子、4は高周波能受動素子を駆動する素子駆動
電気回路、5はビアホール、6はストリップライン回路
である。
【0009】多層基板1は、層11〜層15の5層構造
を有し、いずれの層もセラミックスなどの電気絶縁性に
優れた誘電体により形成されている。なお本発明におい
て、上記の誘電体としては通常のセラミックスよりも熱
伝導性に優れた軽量のセラミックス、例えば窒化アルミ
ニュウムなどが好ましい。かかるセラミックスを用いる
と多層基板1自体がヒートシンクの機能をなし、しかも
高周波回路基板の軽量化に繋がる。層11〜層14は互
いに同じ表面積を有するが、層15のみはその長さが層
11〜層14のそれらより短く、したがってその短い分
だけ層14の両端部の上面141が露出している。層1
1の下面にはベタ金属メッキ層16を有する。
【0010】キャビティ2は、多層基板1の層13、層
14の各層の上面の一部が露出する階段状に形成されて
いる。層13の露出表面上には高周波能受動素子3が配
置されている。高周波能受動素子3としては、トランジ
スタ、コンデンサ、抵抗などの素子、さらには必要に応
じてその他の素子を組合わせて構成したものであって、
増幅や変調などの能動的機能をなす高周波能動素子、あ
るいは検波や濾波などの受動的機能をなす高周波受動素
子であってもよい。
【0011】層14のキャビティ2内の露出表面142
上には、素子駆動電気回路4の一部である電気回路パタ
ーン41、42が設置されている。素子駆動電気回路4
は、上記電気回路パターン41、電気回路パターン4
2、および層12の上面に形成された電気回路パターン
43と層11の上面に形成された電気回路パターン4
4、および後記するビアホール5の一部とからなる。電
気回路パターン41、42は、ビアホール5の上記一部
により、それぞれ電気回路パターン43、44と電気的
に接続されている。また高周波能受動素子3と電気回路
パターン41、42とは金ボンディングワイア45によ
り電気的に接続されており、電気回路パターン43、4
4は外部電源(図示せず)に接続される。
【0012】ストリップライン回路6は、高周波能受動
素子3を中央にしてその両側に設けられており、その両
側のストリップライン回路部分61、62は互いに同じ
構造を有する。そこで図の向かって左側のストリップラ
イン回路部分61について、以下にその構造を説明する
と、それはマイクロストリップライン回路(以下、MS
L回路)611、トリプレートストリップライン回路
(以下、TSL回路)612、およびインピーダンス整
合回路(以下、整合回路)613とからなり、整合回路
613を中央にしてその両側にTSL回路612が、さ
らに二つのTSL回路612の各外側にMSL回路61
1が存在する構成となっている。換言するとストリップ
ライン回路部分61は、図の左からMSL回路611−
TSL回路612−整合回路613−TSL回路612
−MSL回路611の直列路(一部の符号付け省略)と
なっていて、しかしてTSL回路612を含み、またT
SL回路612はトリプレートストリップ構造の整合回
路613を含んでいる。同様にストリップライン回路部
分62は、図の左からMSL回路621−TSL回路6
22−整合回路623−TSL回路622−MSL回路
621の直列路(一部の符号付け省略)となっている。
なお図1においては上記直列路のうち、整合回路613
が存在する箇所を破断図で示す。
【0013】ストリップライン回路6は、多層基板1の
層14の上面に形成されており、このうちMSL回路6
11、621、TSL回路612、622は短冊形状を
呈するが、整合回路613、623は上記の短冊形状体
に図示する通り、一端が開放されたトリプレートストリ
ップ構造のタブ6131、6231をそれぞれ一体的に
結合した形状を有する。タブ6131、6231として
は、いずれも2個づつ形成した例が示されているが、タ
ブの大きさや形状は、回路整合のために必要なインピー
ダンスの程度に依存して適宜決定してよい。
【0014】604は多層基板1の層13の上面に形成
された高周波グランド下面パターン層であり、605は
多層基板1の層15の上面に形成された高周波グランド
上面パターン層であって、TSL回路612、622お
よび整合回路613、623は上記の高周波グランド上
下両面パターン層604、605により遮蔽されてい
る。ストリップライン回路6は、金ボンディングワイア
606により高周波能受動素子3と電気的に接続されて
いる。
【0015】ビアホール5は、ビアホール部分51〜5
5および半割ビアホール部分56からなる。電気回路パ
ターン41、42と電気回路パターン43、44とは、
それぞれビアホール部分51、52により、高周波能受
動素子3の下面とベタ金属メッキ層16とはビアホール
部分53により、高周波グランド下面パターン層604
とベタ金属メッキ層16とはビアホール部分54によ
り、また高周波グランド上面パターン層605とベタ金
属メッキ層16とはビアホール部分55および半割ビア
ホール部分56により、それぞれ電気的に接続されてい
る。
【0016】実施の形態1においては、トリプレートス
トリップ構造を有する整合回路613がTSL回路61
2内に形成されるので、図7に示す従来の高周波回路基
板のように高価なMMICを採用する必要がなく、ある
いは整合回路を有する誘電体多層基板をキャビティ2内
に実装する場合における組立による特性バラツキや高周
波回路基板製造の多工程化などの問題が解消される。さ
らに整合回路613はTSL回路612と同一面上に形
成されるので、両者を互いに別の面上に形成する場合に
みられる整合不良の問題も解消し、しかも多層基板の層
数を減らすことができて高周波回路基板の小サイズ化が
可能となる。また素子駆動電気回路4のうちの電気回路
パターン43、44を多層基板1内に形成することによ
り、高周波回路基板の表面の電気回路パターン41、4
2を簡略化できて、この点からも高周波回路基板を小サ
イズ化する上で有利となる。
【0017】実施の形態2.図3は本発明における実施
の形態2の斜視図であり、図4は図3の一部を破断した
斜視図である。即ち、層15の大部分を除去して層14
の上面の大部分を露出した状態の斜視図である。図3〜
図4においては、図1〜図2と同じ部分は同じ符号を付
している。実施の形態2は、高周波能受動素子3が高周
波能受動素子部分31、32の2部分からなり、それら
は一つのキュビティ2内に並列配置されており、またス
トリップライン回路6は、図4に示すような二つのY字
状を呈するストリップライン回路部分61、62からな
る。ストリップライン回路部分61は、その三つの各先
端部はMSL回路611であり、その中間部は整合回路
613を含むTSL回路612となっている。ストリッ
プライン回路部分62も同様にその三つの各先端部はM
SL回路621(符号付け省略、以下同様)であり、そ
の中間部は整合回路623を含むTSL回路622とな
っている。
【0018】高周波能受動素子部分31、32は互いに
同じまたは異なる機能を有し、ストリップライン回路部
分61は高周波電力を2個の高周波能受動素子部分3
1、32に分配し、一方、ストリップライン回路部分6
2は2個の高周波能受動素子部分31、32からの高周
波電力を合成する。あるいはその逆にストリップライン
回路部分62は高周波電力を2個の高周波能受動素子部
分31、32に分配し、一方、ストリップライン回路部
分61は2個の高周波能受動素子部分31、32からの
高周波電力を合成する。なお607は、多層基板1内に
形成された抵抗であって、その抵抗値は上記の高周波電
力を所望の比率で分配および合成するように設定され
る。
【0019】実施の形態2は、前記した実施の形態1の
効果に加えてストリップライン回路6がY字状路を有す
るので、高周波電力の分配や合成が可能になると共にス
トリップライン回路6の簡素化、ひいては高周波回路基
板の一層の小サイズ化や製造コストの低減を可能にす
る。
【0020】実施の形態3.図5は本発明における実施
の形態3の斜視図であって、図1と同じ部分は同じ符号
を付している。実施の形態3は、前記実施の形態1とは
長尺の多層基板1に多数のキャビティ2を設けてそれぞ
れのキャビティに高周波能受動素子3を配置した点にお
いて異なる。即ちキャビティ2は、キャビティ部分2
1、22、・・・、2i、・・・、2nのn個のキャビ
ティ部分からなり、それぞれのキャビティ部分には高周
波能受動素子部分31、32、・・・、3i、・・・、
3nがそれぞれ配置されている。またストリップライン
回路6は、ストリップライン回路部分61、62、・・
・6i、・・・、6nからなり、これらいずれのストリ
ップライン回路部分とも前記実施の形態1において用い
られたストリップライン回路6と同じ構造並びに機能を
有し、しかしてMSL回路、TSL回路、および整合回
路を内蔵する。なおストリップライン回路部分6iは、
その両側に位置する高周波能受動素子部分3(i−1)
と3(i+1)とを直列接続する。
【0021】高周波能受動素子部分31、32、・・
・、3i、・・・、3nは、互いに同じあるいは異なる
機能を有するものであってもよい。同じ機能を有するも
の、例えば、増幅機能を有するものを複数用いると、高
利得高出力の高周波特性を有する高周波回路基板を得る
ことができる。あるいは例えば、高周波能受動素子部分
31を濾波の機能をなす高周波受動素子とし、高周波能
受動素子部分31を変調の機能をなす高周波能動素子と
し、高周波能受動素子部分33を増幅の機能をなす高周
波能動素子とするなどとしてもよい。
【0022】さらにストリップライン回路部分61、6
2、・・・6i、・・・、6nのうちの一部をY字など
の2分岐路あるいはそれ以上の多分岐路のものとし、高
周波能受動素子部分31、32、・・・、3i、・・
・、3nを並列に、あるいは直列に接続されたストリッ
プライン回路部分群を並列に接続してもよい。
【0023】実施の形態3は、前記した実施の形態1の
効果に加えて、ストリップライン回路により直列および
/または並列に接続された複数の高周波能受動素子を備
えているので、例えば高利得高出力の高周波特性を有す
る高周波回路基板や検波、濾波、増幅、変調などの多機
能を具備する高周波回路基板を得ることができる。
【0024】実施の形態4.図6は本発明における実施
の形態4の断面図である。図6においては、図1〜図2
と同じ部分は同じ符号を付しており、実施の形態4は前
記実施の形態3とは高周波能受動素子3がヒートシンク
7を介してキャビティ2内に配置されている点において
異なる。即ち、図7においてヒートシンク7は、ヒート
シンク部分71、72、・・・からなる。高周波能受動
素子部分31、32、・・・は、それぞれキャビティ部
分21、22、・・・に露出した多層基板1の層13の
上面に設置されたヒートシンク部分71、72、・・・
の上に設置されている。
【0025】ヒートシンク7としては、熱伝導性に優
れ、且つ高周波能受動素子3の下面をベタ金属メッキ層
16とビアホール部分53を介して電気的に接続できる
ように電導性のもの、例えば金コートダイアモンド、金
コート窒化硼素、銅などが用いられる。
【0026】実施の形態4は、前記した実施の形態1の
効果に加えて、高周波能受動素子をヒートシンクを介し
て配置しているので、多層基板1の熱伝導率が小さい場
合や高周波能受動素子3の発熱量が大きい場合に、高周
波能受動素子3の冷却が良好となる効果がある。
【0027】
【発明の効果】本発明の高周波回路基板は、以上説明し
た通り、多層基板のキャビティ内に配置された高周波能
受動素子、この高周波能受動素子を駆動する素子駆動電
気回路、および上記高周波能受動素子に接続されたスト
リップライン回路を有する高周波回路基板において、上
記ストリップライン回路の少なくとも一部は、一端が開
放されたトリプレートストリップ構造のタブを含むトリ
プレートストリップ構造のインピーダンス整合回路、お
よび上記インピーダンス整合回路の両端にそれぞれ上記
インピーダンス整合回路と一体的に構成されることによ
り直列接続されたトリプレートストリップライン回路で
あり、さらに上記インピーダンス整合回路とその両端の
上記両トリプレートストリップライン回路とは上記スト
リップライン回路が形成された基板面と同一面に形成さ
たものである。したがってインピーダンス整合のため
に高価なMMICを採用する必要がなく、あるいは整合
回路を有する誘電体多層基板をキャビティ内に実装する
場合における組立による特性バラツキや高周波回路基板
製造の多工程化などの問題が解消される。さらに整合回
路はトリプレートストリップライン回路などのストリッ
プライン回路と同一面上に形成されるので、両者を互い
に別の面上に形成する場合にみられる整合不良の問題も
解消し、しかも多層基板の層数を減らすことができて高
周波回路基板の小サイズ化が可能となる。
【0028】本発明の高周波回路基板は、さらにストリ
ップライン回路の少なくとも一部はトリプレートストリ
ップライン回路であり、インピーダンス整合回路は上記
トリプレートストリップライン回路と一体的に構成され
ていると、伝送される高周波信号に対して遮蔽が良好で
あるので伝送信号の波形の乱れなどの忌むべき問題が少
なく、また整合回路をトリプレートストリップライン回
路と一体構成とすることによりインピーダンス整合性が
一層良好となる。
【0029】また多層基板は素子駆動電気回路を構成す
る電気回路パターンの少なくとも一部を層内に有するも
のであると、高周波回路基板の表面の電気回路パターン
を簡略化できて、この点からも高周波回路基板の小サイ
ズ化に有利である。
【0030】さらに多層基板は、熱伝導性に優れた軽量
のセラミックス、例えば窒化アルミニウムにより形成さ
れると、多層基板自体がヒートシンクの機能をなし、且
つ高周波回路基板の軽量化を可能にする。
【0031】さらに高周波回路基板が複数の高周波能受
動素子を有し、ストリップライン回路は高周波電力をそ
れら複数の高周波能受動素子に分配する電力分配回路お
よび/またはそれら複数の高周波能受動素子からの高周
波電力を合成する電力合成回路を有すると、高周波電力
の分配や合成が可能となると共にストリップライン回路
の簡素化、ひいては高周波回路基板の一層の小サイズ化
や製造コストの低減が可能になる。
【0032】さらに複数の高周波能受動素子を有し、そ
れら複数の高周波能受動素子はストリップライン回路に
より直列および/または並列に接続されると、例えば高
利得高出力の高周波特性を有する高周波回路基板や検
波、濾波、増幅、変調などの多機能を具備する高周波回
路基板を得ることができる。
【0033】またさらに高周波能受動素子は、ヒートシ
ンクを介してキャビティ内に配置されると、多層基板の
熱伝導率が小さい場合や高周波能受動素子の発熱量が大
きい場合に、高周波能受動素子の冷却が良好となる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における高周波回路基板の実施の形態
1についての一部破断図を含む斜視図である。
【図2】 図1のI−I線に沿った断面図である。
【図3】 本発明における高周波回路基板の実施の形態
2についての斜視図である。
【図4】 図3の一部破断斜視図である。
【図5】 本発明における高周波回路基板の実施の形態
3についての斜視図である。
【図6】 本発明における高周波回路基板の実施の形態
4についての断面図である。
【図7】 従来の高周波回路基板についての斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 多層基板、16 ベタ金属メッキ層、2 キャビテ
ィ、3 高周波能受動素子、4 素子駆動電気回路、4
3 電気回路パターン、44 電気回路パターン、5
ビアホール、56 半割ビアホール、6 ストリップラ
イン回路、604 高周波グランド下面パターン層、6
05 高周波グランド上面パターン層、611 マイク
ロストリップライン回路、612 トリプレートストリ
ップライン回路、613 インピーダンス整合回路。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−59004(JP,A) 特開 昭62−292007(JP,A) 特開 平11−340370(JP,A) 特開 平10−313078(JP,A) 特開 平9−135104(JP,A) 特開 平8−125464(JP,A) 特開 平6−112351(JP,A) 特開 平6−6151(JP,A) 特開 平2−32553(JP,A) 実開 昭53−151343(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/12 H01P 5/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多層基板のキャビティ内に配置された高
    周波能受動素子、この高周波能受動素子を駆動する素子
    駆動電気回路、および上記高周波能受動素子に接続され
    たストリップライン回路を有する高周波回路基板におい
    て、上記ストリップライン回路の少なくとも一部は、
    端が開放されたトリプレートストリップ構造のタブを含
    むトリプレートストリップ構造のインピーダンス整合回
    、および上記インピーダンス整合回路の両端に上記イ
    ンピーダンス整合回路と一体的に構成されることにより
    直列接続されたトリプレートストリップライン回路であ
    り、さらに上記インピーダンス整合回路とその両端の上
    記両トリプレートストリップライン回路とは上記ストリ
    ップライン回路が形成された基板面と同一面に形成され
    たことを特徴とする高周波回路基板。
  2. 【請求項2】 多層基板は、素子駆動電気回路を構成す
    る電気回路パターンの少なくとも一部を層内に有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の高周波回路基板。
  3. 【請求項3】 多層基板は、熱伝導性に優れた軽量のセ
    ラミックスにより形成されたことを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の高周波回路基板。
  4. 【請求項4】 セラミックスは、窒化アルミニウムであ
    ることを特徴とする請求項3記載の高周波回路基板。
  5. 【請求項5】 複数の高周波能受動素子を有し、ストリ
    ップライン回路は高周波電力をそれら複数の高周波能受
    動素子に分配する電力分配回路および/またはそれら複
    数の高周波能受動素子からの高周波電力を合成する電力
    合成回路を有することを特徴とする請求項1記載の高周
    波回路基板。
  6. 【請求項6】 複数の高周波能受動素子を有し、それら
    複数の高周波能受動素子はストリップライン回路により
    直列および/または並列に接続されたことを特徴とする
    請求項1または請求項5記載の高周波回路基板。
  7. 【請求項7】 高周波能受動素子は、ヒートシンクを介
    してキャビティ内に配置されたことを特徴とする請求項
    1記載の高周波回路基板。
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