JP3526855B2 - スルホン酸基含有ポリエステル及びそれを用いたポリエステル水溶液 - Google Patents

スルホン酸基含有ポリエステル及びそれを用いたポリエステル水溶液

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、白色、粉末状で、耐水性が良好
なスルホン酸基含有ポリエステルを用いた保存安定性が
良好なポリエステル水溶液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、スルホン酸変性ポリエステル
は塗料、接着剤、バインダー等の用途に用いられてい
る。しかし、かかる用途に用いられている一般のスルホ
ン酸変性ポリエステルのスルホン酸基はいずれもスルホ
ン酸のナトリウム塩基である。一方、スルホン酸基がか
かるナトリウム塩型ではなく遊離酸型のものは、耐水
性、オレフィン樹脂等の乳化性、金属架橋による接着性
が良好であることから注目されているが、遊離のスルホ
ン酸基含有ポリエステルは特許文献上の記載はあるもの
の市販されているものは見あたらない。かかる遊離のス
ルホン酸基を有するポリエステルに関する従来技術とし
ては、少なくとも一つのスルホン酸基又はスルホン酸金
属塩をもつ化合物を共重合してなる芳香族ポリエステル
と特定の架橋高分子粒子からなるポリエステル組成物が
開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、
ポリエステルポリオールにスルトン化合物を反応させ
て、特定のスルホン酸基含有量と特定の水酸基価を有す
る遊離スルホン酸基含有ポリエステルを製造する方法が
開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平5-156145号公報
【特許文献2】特開昭59−75924号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
許文献1の開示技術では、文言上、スルホン酸基又はス
ルホン酸金属塩基という表現があり、遊離のスルホン酸
基の開示はあるものの、その具体的な化合物名について
は全く記載がない上、実際に使用されている化合物はい
ずれも金属塩型のものばかりである。その理由は遊離の
スルホン酸基をもつ化合物を用いてポリエステルを重縮
合法で製造しようとしても、その強酸性のため縮合成分
モノマーや触媒が分解を起こすことが多く、重縮合反応
自体が不可能であったり、仮に可能であっても工業的に
使用されるSUS等の金属反応缶等の装置では腐食等の
恐れがある上、重縮合反応を高温、高真空下で実施する
必要があるため、該腐食等で金属反応缶から溶出した微
量の金属により、製造したスルホン酸基含有ポリエステ
ルが架橋してゲル化することが多いからである。また、
上記特許文献2の開示技術では、ポリエステルをスルト
ン化合物で後変性してスルホン酸基含有ポリエステルを
製造しているが、かかるスルホン酸基含有ポリエステル
を収率よく製造するためには、反応を溶媒系中で行うこ
とが必要であったり、反応条件のコントロールを誤ると
着色やゲル化を起す恐れがある。もちろん市場では、ス
ルホン酸基含有ポリエステルは白色(着色がなく)で粉
末状のものが求められており、しかも応用分野において
それを一旦水溶液とすることが多いので、その水溶液の
保存安定性が良好なこと、またかかる水溶液から得られ
た塗膜が透明で着色がなく、耐水性が良好なことも更に
望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、水
媒体中でスルホン酸金属塩基含有ポリエステルのスルホ
ン酸金属塩基を鉱酸を用いてスルホン酸基にイオン交換
して、遊離のスルホン酸基含有ポリエステル粒子を析出
せしめた後、該粒子を分離して得られるスルホン酸基含
有ポリエステルをアンモニアで中和してなるポリエステ
ル水溶液は保存安定性に優れ、また、かかる水溶液から
得られる塗膜は透明で着色がなく、耐水性にも優れるこ
とを見いだし本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の原料となるスルホン酸金属塩基含有ポリエステ
ル中の金属塩としては、通常ナトリウム塩、カリウム
塩、リチウム塩等が用いられる。また、イオン交換する
に当って水溶液とする場合、その水溶液濃度は5〜40
重量%が好ましく、更には10〜25重量%である。か
かる濃度が5重量%未満では析出させるスルホン酸基含
有ポリエステルの粒子が細かくなり過ぎて濾過性が悪く
なり、40重量%を越えるとスルホン酸金属塩基含有ポ
リエステルのイオン交換時に系の安定性が低下し該ポリ
エステルが一部析出することがあり好ましくない。
【0007】上記スルホン酸金属塩基含有ポリエステル
は公知の方法で得られ、通常、ジカルボン酸、グリコー
ル及びスルホン酸金属塩基を有する化合物を重縮合反応
させて製造される。
【0008】ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン
酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸等が挙げ
られ、かかる芳香族ジカルボン酸としては、主としてテ
レフタル酸及びその低級アルキルエステルが用いられ、
その他としてはイソフタル酸、フタル酸、2,5−ノル
ボナンジカルボン酸、1,4−ナフタル酸、1,5−ナ
フタル酸、4,4−オキシ安息香酸及びそれらの低級ア
ルキルエステル等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸と
してはフマル酸、無水マレイン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等
が挙げられる。脂環族ジカルボン酸としてはテトラヒド
ロ無水フタル酸、テトラヒドロテレフタル酸等が挙げら
れる。
【0009】ジカルボン酸中の芳香族ジカルボン酸と脂
肪族及び/又は脂環族ジカルボン酸の組成比は特に制限
されないが、得られるポリエステルの用途に耐候性を要
求される場合が多いことから、芳香族ジカルボン酸成分
割合を80モル%以上とすることが好ましい。
【0010】グリコールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノ
ール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビス
フェニールAのエチレンオキサイド及びプロピレンオキ
サイド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキ
サイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物、ポリテ
トラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール及びそれらの変性物等が挙げら
れる。
【0011】スルホン酸金属塩基を有する化合物として
は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−リチウム
スルホイソフタル酸、ナトリウムスルホブタンジオール
等が挙げられる。
【0012】更に必要に応じて3価以上の多塩基酸、例
えば(無水)トリメリト酸、(無水)ピメリト酸を併用
してもよい。
【0013】上記の重縮合反応においては、触媒が用い
られ、具体的には、テトライソプロピルチタネート、テ
トラ−n−ブチルチタネート等のチタン系、三酸化アン
チモン等のアンチモン系、酸化ゲルマニウム等のゲルマ
ニウム系の触媒、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、ジブチル錫
オキサイド等の触媒であり、好ましくはテトラ−n−ブ
チルチタネートが用いられる。またこれらの触媒は2種
以上併用してもよい。
【0014】上記のジカルボン酸、グリコールとスルホ
ン酸金属塩基を有する化合物を重縮合してスルホン酸金
属塩含有ポリエステルを得る製造工程としては、まず上
記の成分を仕込んで、昇温、撹拌開始、触媒添加により
エステル反応を行い、続いて縮合反応を行う。重縮合時
のジカルボン酸成分とグリコール成分の配合比はジカル
ボン酸成分に対して、グリコール成分を1.1〜2.0
倍モルとすればよい。スルホン酸金属塩基を有する化合
物は、ジカルボン酸成分に対して0.01〜0.50倍
モルとすることが好ましく、0.01倍モル未満では充
分な水溶性が得られないことがあり、0.50倍モルを
越えると着色することがあり好ましくない。触媒の添加
量は、ジカルボン酸成分に対して0.0001〜0.0
1倍モルが好ましく、0.0001倍モル未満では重縮
合反応が充分に進行しないことがあり、一方0.01倍
モルを越えても反応時間短縮等の利点はない。エステル
化反応は温度や時間には特に制限されるものではなく、
公知の範囲で実施すればよいが、通常190〜200℃
程度で1〜10時間程度実施される。次に縮合反応が実
施され、かかる場合の反応条件も特に制限されるもので
はないが、通常上記触媒を更に同程度のモル数添加して
エステル化反応時よりも昇温して210〜250℃程度
で、更に、反応系を徐々に減圧して100〜500Pa
で1〜5時間程度反応させる。
【0015】上記で得られるスルホン酸金属塩基含有ポ
リエステルは、特に数平均分子量は3000以上が好ま
しく、更には3000〜100000である。数平均分
子量が3000未満ではイオン交換して製造されるスル
ホン酸基含有ポリエステルの物理的強度等に低下が起こ
り例えば、コート剤として用いた時の塗膜強度が劣るこ
とがあり好ましくない。またかかるポリエステルのガラ
ス転移温度は特に限定されるものではないが、25〜9
0℃程度である。
【0016】次に、上記で得られたスルホン酸金属塩基
含有ポリエステルを水媒体中で鉱酸を用いてイオン交換
するのであるが、鉱酸の使用量は、該ポリエステル水溶
液中のスルホン酸金属塩基に対して5倍モル以上が好ま
しく、更には5〜50倍モル、特には10〜40モルで
ある。鉱酸の使用量が5倍モル未満では得られたスルホ
ン酸基含有ポリエステルの粒子径が小さくなりすぎて濾
過性が著しく低下して、操作時間が長くなる傾向にあり
好ましくない。
【0017】イオン交換時に使用される鉱酸としては、
塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられるが、安価な点で塩酸が
好ましい。いずれも水溶液の状態で使用される。
【0018】上記のイオン交換反応を実施するに当り、
反応系中へのスルホン酸金属塩基含有ポリエステルと鉱
酸の仕込方法としては、特に制限されず、イ)鉱酸水溶
液にスルホン酸金属塩基含有ポリエステル水溶液を仕込
む方法、ロ)スルホン酸金属塩基含有ポリエステル水溶
液に鉱酸水溶液を仕込む方法のいずれでもよい。いずれ
の場合でも反応温度の制御の点から、分割あるいは滴下
仕込が好ましい。
【0019】イオン交換時の系内の温度は、スルホン酸
金属塩基含有ポリエステルのガラス転移温度(Tg)よ
り10℃以上、更には20℃以上低くするのが好まし
い。かかる温度がTgより10℃未満しか低くない場合
は、析出したスルホン酸基含有ポリエステル樹脂が一部
軟化して、系全体が増粘して撹拌しにくくなったり、析
出したスルホン酸基含有ポリエステルが一部加水分解す
る恐れがあり好ましくない。
【0020】かかるイオン交換においては、水媒体中で
スルホン酸金属塩基含有ポリエステルと鉱酸を混合し終
った時点で大部分の反応が終了するのでイオン交換時間
はそれほど長くとる必要はないが、イオン交換を完全に
行うために1〜3時間程度撹拌下に熟成してもよい。本
発明では、イオン交換時に塩以外の副生物は特に生成さ
れず、高収率でスルホン酸基含有ポリエステルが生成す
る。
【0021】上記のイオン交換終了後に析出したスルホ
ン酸基含有ポリエステルを分離するのであるが、分離の
方法としては、濾過、遠心分離等を単独あるいはそれら
を組合わせて実施する。濾過の場合は、ヌッチェ、ガラ
スフィルター等の装置で、濾布やフィルターを用いて行
い、遠心分離は、横型連続遠心分離機、スクリューデカ
ンタ、高速遠心分離機、ピラー型遠心分離機、デ・ラバ
ル型遠心分離機、ウエストファリア型遠心分離機、底部
排出型遠心分離機、上部排出型遠心分離機、連続式バス
ケット型遠心分離機等の遠心分離機で、500〜100
00×gの遠心力を掛けて行われる。その後、20〜1
00℃で乾燥(好ましくは減圧下で乾燥)することによ
り、粉末状のスルホン酸基含有ポリエステルが得られ
る。
【0022】また、かかるポリエステルには、必要に応
じて酸化防止剤、紫外線吸収剤等、難燃剤、充填剤を添
加して製品化してもよい。
【0023】上記のスルホン酸含有ポリエステルは吸湿
性を持つので、湿度の低い状態で保存するのが好まし
い。該ポリエステル粉末状)の水溶液の調整に当たっ
てはスルホン酸基含有ポリエステルをアンモニアで中和
してポリエステル水溶液とすると、保存性、取扱性の点
で有用である。この場合、アンモニアとして通常1〜4
0重量%濃度のアンモニア水溶液が用いられるが、液体
アンモニアを用いてもよい。アンモニアの添加量として
は、スルホン酸基に対して0.5〜2.0倍モル程度が
適当である。
【0024】本発明のポリエステル水溶液には、更に消
泡剤、レベリング剤、離型剤、界面活性剤、防腐剤、防
虫剤、防錆剤、増粘剤等を配合することができ、本発明
の効果を損なわない範囲で本発明以外の他の水溶性樹脂
等を配合することができる。本発明のポリエステル水溶
は、コート剤、接着剤、バインダー、ポリオレフィン
の乳化剤、ポリオレフィンの分散剤用途等に用いること
ができる。特に上記ポリエステル水溶液は塗工してから
40〜300℃で乾燥することによりアンモニアが揮発
してスルホン酸基含有ポリエステルの耐水性の被膜が形
成できるので、機能性コート剤(例えば制電コート剤、
導電コート剤、易印刷コート剤)等の用途に特に重要で
ある。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。尚、実施例中、「%」、「部」とあるの
は、特に断りのない限り重量部を意味する。 実施例1 撹拌機、温度計、ガス吹き込み口及び蒸留口を備えた反
応器に窒素ガス雰囲気下でテレフタル酸95g(0.6
モル)、イソフタル酸53g(0.32モル)、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸21g(0.08モル)、
エチレングリコール93g(1.5モル)を、触媒とし
てテトラブチルチタネートの10%のn−ブタノール溶
液1gをそれぞれ仕込み210℃で窒素ガス中で2時間
反応させ、水とメタノールを合計64g留出させた。続
いて該触媒溶液を更に1g追加して、更に210℃から
250℃まで90分で昇温し、同時に反応系の圧力を2
60Paの減圧状態になるまで徐々に減じて、かかる減
圧下で2時間反応させ、数平均分子量15000、ガラ
ス転移温度67℃、スルホン酸ナトリウム塩基を0.0
8モル%含有するポリエステルを得た。イオン交換を行
うためかかるポリエステルを水に溶解して20%のスル
ホン酸ナトリウム塩基含有ポリエステル水溶液を調製し
た。
【0026】次に、2Lの撹拌機付のガラスフラスコに
30℃に調整した10%塩酸水溶液700g(1.92
モル)を供給し(滴下されるスルホン酸ナトリウム塩基
含有ポリエステル水溶液中の全スルホン酸ナトリウム塩
基に対して24倍モルに相当)、これに上記のポリエス
テル水溶液1000gを15分かけて滴下して、30℃
で2時間熟成させた。析出したスルホン酸基含有ポリエ
ステル粉末をヌッチェで濾過した。濾過性は良好であっ
た。水洗を3回繰返して、白色の濾過ケーキ(固形分2
4%)417gを得た。かかるケーキを40℃、200
Paで減圧乾燥して194g(対ポリエステル水溶液の
収率98%)で白色のスルホン酸基含有ポリエステル粒
子を得た。更に、上記スルホン酸基含有ポリエステル1
00gに、水400gと25%アンモニア水溶液3.2
g(スルホン酸基に対して1.2倍モル)を添加してス
ルホン酸基含有ポリエステル水溶液とし、以下の保存安
定性の評価を行った。
【0027】(保存安定性)上記水溶液を25℃で30
日放置した時の水溶液の状態を目視観察して以下のよう
に評価した。 ○・・・変化無し ×・・・沈降物あり
【0028】また、上記ポリエステル水溶液を乾燥後の
厚みが20μmとなるようにポリエチレンテレフタレー
ト上に塗布して、80℃で乾燥して塗膜を得て、その色
調及び耐水性を以下のように評価した。
【0029】(色調)上記塗膜を目視により観察して以
下のように評価した。 ○・・・透明で着色なし ×・・・黄色の着色部あり
【0030】(耐水性)上記塗膜を40℃の水中に3分
間浸漬して塗膜の変化を目視により観察し以下のように
評価した。 ○・・・透明のまま変化なし ×・・・一部白化あり
【0031】実施例2 実施例1において、10%塩酸水溶液に替えて5%塩酸
水溶液700g(0.96モル)を供給した(滴下され
るスルホン酸ナトリウム塩基含有ポリエステル水溶液中
の全スルホン酸金属塩基に対して12倍モルに相当)以
外は同様に処理して、白色のスルホン酸基含有ポリエス
テル粒子195g(対ポリエステル水溶液の収率98
%)を得た。かかるポリエステル粒子を実施例1と同様
に評価した。
【0032】実施例3 実施例1において、10%塩酸水溶液に替えて10%の
硫酸水溶液1890g(1.92モル)供給した(滴下
されるスルホン酸ナトリウム塩基含有ポリエステル水溶
液中の全スルホン酸金属塩基に対して24倍モルに相
当)以外は同様に処理して、白色のスルホン酸基含有ポ
リエステル粒子193g(対ポリエステル水溶液の収率
97%)を得た。かかるポリエステル粒子を実施例1と
同様に評価した。
【0033】実施例4 実施例1において、洗浄後の白色の濾過ケーキ(固形分
24%)417gのうち400gを乾燥せずにそのまま
水80gに分散させ25%アンモニア水溶液3.1gを
添加して溶解した。得られた水溶液を実施例1と同様に
評価した。又上記のケーキ17gを実施例1と同様の条
件で乾燥し、白色のスルホン酸基含有ポリエステル粒子
8.2g(対ポリエステル水溶液の収率97%)を得
た。
【0034】実施例5 実施例1で得られたスルホン酸ナトリウム塩基含有ポリ
エステル水溶液1000gを2Lの撹拌機付のガラスフ
ラスコに供給して、これに10%塩酸水溶液700gを
11分間かけて滴下して供給し(滴下されるスルホン酸
ナトリウム塩基含有ポリエステル水溶液中の全スルホン
酸ナトリウム塩基に対して24倍モルに相当)、30℃
で2時間熟成させた。析出したスルホン酸基含有ポリエ
ステル粉末を実施例1と同様に処理して、白色のスルホ
ン酸基含有ポリエステル粒子193g(対ポリエステル
水溶液の収率97%)を得た。かかるポリエステル粒子
を実施例1と同様に評価した。実施例1〜5の評価結果
を下記の表1に示した。
【0035】
【0036】
【発明の効果】本発明では、水媒体中でスルホン酸金属
塩基含有ポリエステルのスルホン酸金属塩基を鉱酸を用
いてスルホン酸基にイオン交換して、遊離のスルホン酸
基含有ポリエステル粒子を析出せしめた後、該粒子を分
離して得られるスルホン酸基含有ポリエステルが、白色
でしかも塗膜にした時に色調、耐水性が良好でしかも、
該ポリエステルを水溶液とした時は保存安定性が良好に
保持され、特にコート剤、接着剤、バインダー等に利用
することができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水媒体中でスルホン酸金属塩基含有ポリ
    エステルのスルホン酸金属塩基を鉱酸を用いてスルホン
    酸基にイオン交換して、遊離のスルホン酸基含有ポリエ
    ステル粒子を析出せしめた後、該粒子を分離して得られ
    スルホン酸基含有ポリエステルをアンモニアで中和し
    てなることを特徴とするポリエステル水溶液
  2. 【請求項2】 鉱酸の使用量がスルホン酸金属塩基に対
    して5倍モル以上であることを特徴とする請求項1記載
    ポリエステル水溶液
  3. 【請求項3】 イオン交換時の温度がスルホン酸金属塩
    基含有ポリエステルのガラス転移温度(Tg)より10
    ℃以上低いことを特徴とする請求項1あるいは2記載の
    ポリエステル水溶液
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