JP3526685B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、クリーム、乳液等
の化粧品等として皮膚に塗布して使用される皮膚外用
剤、特に真皮コラーゲンの産生促進、老化抑制及び老化
コラーゲンの分解促進によって肌の老化を抑制するのに
有効で、且つ安全性の高い皮膚外用剤に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、加齢による皮膚の老化現象とし
て、皮膚のはりが低下し,たるみが生じやがてしわがで
きる等の現象が挙げられるが、これらの原因は皮膚の真
皮層結合組織の主な構成成分であるコラーゲンの減少や
質的変化によるものであることが知られている。そのた
め、従来からコラーゲンが配合された化粧品や、或いは
コラーゲン産生促進剤が配合された化粧品が開発、研究
されていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コラー
ゲンを配合された化粧品を皮膚に外用しても、コラーゲ
ンは外部から投与されても、真皮まで到達せず、角質層
に止まり一時的に保湿作用を発揮するのみで、真皮層に
対しては何ら効果的な関与は認められなかった。 【0004】また、コラーゲン産生促進剤を配合した場
合にも、充分な効果を得ることはできず、老化防止作用
のある皮膚外用剤としては満足できるものではなかっ
た。 【0005】一方、真皮結合組織中に合成されたコラー
ゲンは、一度合成されたコラーゲンは結合組織を形成し
て代謝されることなく長期間真皮中に存在することにな
るが、このように真皮中に蓄積されたコラーゲンは加齢
によって架橋反応が起こり不溶化して、結合組織本来の
物性が低下して肌の弾性が低下する原因となっていた。 【0006】また、加齢によって新たなコラーゲンの産
生が低下するとともに、コラーゲン分解酵素であるコラ
ゲナーゼの活性が紫外線等の作用によって高まるため、
真皮中のコラーゲンは量的にも低下することが知られて
いた。 【0007】このコラーゲンの産生、分解は、健常な組
織では、両者が相互にバランス良く行われていることに
よって質的及び量的に皮膚のコラーゲンが維持されてい
ると考えられている。 【0008】そこで、前記のようなコラーゲン産生促進
剤とともに、コラーゲン分解促進剤を皮膚外用剤に配合
することによって、新たなコラーゲンの産生を促進する
と同時に老化したコラーゲンを分解してコラーゲンの質
的及び量的な維持を目的とするものが考えられた(例え
ば特開平5−32537号公報)。 【0009】しかし、加齢によって架橋・不溶化された
コラーゲンはコラゲナーゼに抵抗性を示し、容易に分解
することができずに、むしろ産生されたばかりの新しい
コラーゲンが代謝されてしまい、皮膚の老化防止には繋
がらないという問題点があった。 【0010】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたもので、真皮のコラーゲンの産生・分解
のバランスを保ち、皮膚の老化を防止できる皮膚外用剤
を提供することを課題とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の、このような課
題を解決するための手段としては、コラーゲン産生促進
剤としてのアスコルビン酸又はその誘導体、及び真皮コ
ラーゲンの架橋・不溶化抑制剤としてのビタミンB6
導体、及び真皮コラーゲン分解促進剤として絹加水分解
物のエステル誘導体を含有してなることにある。 【0012】(作用)このように、本発明の皮膚外用剤
には、コラーゲン産生促進剤とコラーゲン分解促進剤が
同時に配合されているため、コラーゲン産生が促進され
るとともに、コラーゲン分解酵素の前駆体であるプロコ
ラゲナーゼの産生も促進され、結果コラーゲンの分解も
促進されくことになる。また同時に、コラーゲン架橋・
不溶化抑制剤も配合されるためコラーゲン繊維の架橋反
応とそれによる不溶化を抑制する。従って、これら3つ
成分が含まれているため皮膚に連用塗布することによっ
て真皮結合組織のコラーゲンの合成と分解に至る代謝系
が加速されるとともにその架橋・不溶化の進行が抑えら
れる。また、配合される成分はいずれも安全性が高く、
皮膚への刺激が心配されるおそれがない。 【0013】 【発明の実施の形態】まず、コラーゲン産生促進剤とし
てのアスコルビン酸又はその誘導体について説明する。
アスコルビン酸又はその誘導体として挙げられるものと
しては、L−アスコルビン酸の他、L−アスコルビン酸
ナトリウム等のアスコルビン酸塩や、リン酸L−アスコ
ルビルマグネシウム、L−アスコルビン酸硫酸エステル
二ナトリウム等のアスコルビン酸エステル又はその塩
や、或いはステアリン酸L−アスコルビル、パルミチン
酸L−アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル
等のL−アスコルビン酸脂肪酸エステル等が挙げられ
る。この中のものに特に限定されるものではなく、真皮
線維芽細胞のコラーゲン産生を高める作用を有するもの
であればどのようなアスコルビン酸又はその誘導体であ
ってもよいが、活性、経皮吸収性、安定性等の点からリ
ン酸L−アスコルビルマグネシウムが最も好ましい。 【0014】次に、コラーゲンの架橋・不溶化抑制剤と
してのビタミンB6 又はその誘導体について説明する
と、ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサール、
ピリドキサールリン酸等のビタミンB6 物質の他に、
3,4−ジパルミチン酸ピリドキシン、3,4−ジカプ
リル酸ピリドキシン等の脂溶性誘導体等が挙げられる。 【0015】上記ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリ
ドキサール、ピリドキサールリン酸はいずれもビタミン
6 物質と称されるが、生体内でビタミンB6 活性を示
し、アミノ酸転移酵素やアミノ酸脱炭酸酵素等の補酵素
として作用を有するのはピリドキサールリン酸のみであ
ることが知られており、ピリドキシン、ピリドキサミ
ン、ピリドキサールは生体内では酵素によって活性化さ
れる。 【0016】また、3,4−ジパルミチン酸ピリドキシ
ン、3,4−ジカプリル酸ピリドキシン等の脂溶性誘導
体等は、上記ビタミンB6 物質が水溶性で経皮吸収しに
くく、また安定性に欠けるという欠点を有するため、開
発されたもので、脂溶性で経皮吸収が良好で、且つ安定
性が高く、コラーゲンの架橋・不溶化の抑制の活性も有
する。 【0017】コラーゲンの架橋・不溶化の抑制は、非生
物的環境でこのような抑制活性を示すのはピリドキサー
ルリン酸のみであるため、他の物質も生体内ではすべて
活性型のピリドキサールリン酸を経て、コラーゲンの架
橋・不溶化を抑制するものと考えられるが、皮膚外用剤
に配合するのに最も適しているのは経皮吸収性及び安定
性から3,4−ジパルミチン酸ピリドキシン、3,4−
ジカプリル酸ピリドキシンが最も適している。 【0018】さらに、コラーゲン分解促進剤としては、
コラーゲンを分解する作用のある酵素のコラゲナーゼの
非活性前駆体プロコラゲナーゼの産生促進剤を応用する
方法が特開平3−29422号公報、特開平4−216
30号公報等に開示されている。 【0019】しかし、これらのように非活性前駆体プロ
コラゲナーゼの産生促進剤を上記のようなアスコルビン
酸又はその誘導体等のコラーゲン産生促進剤と併用した
場合には、必ずしもプロコラーゲンの産生が促進される
というコラーゲン産生促進作用が発揮されるものではな
いということが、ヒト正常線維芽細胞培養系で確認され
ているため、アスコルビン酸又はその誘導体と併用した
場合にもプロコラーゲン産生促進を阻害しないコラーゲ
ン分解促進剤を選択する必要がある。 【0020】このようなコラーゲン分解促進剤として、
絹加水分解物のエステル誘導体が挙げられ、特に絹加水
分解物のエチルエステルが最も適している。 【0021】この絹加水分解物のエチルエステルは、毛
髪用化粧品等に配合されて毛髪への吸着性等の機能は知
られていたが(特開平1−61412号公報)、プロコ
ラゲナーゼの産生促進の機能については従来未知の機能
であった。 【0022】本発明の皮膚外用剤への有効成分の配合量
は製剤の形態や吸収性によって異なるが、アスコルビン
酸又はその誘導体のコラーゲン産生促進剤は0.01〜
5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、ビタミンB6
又はその誘導体のコラーゲンの架橋・不溶化抑制剤は、
0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、絹
加水分解物のエステル誘導体のコラーゲン分解促進剤は
0.02〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%程度
クリーム等の皮膚外用剤に配合されることが望ましい。 【0023】また、このようなコラーゲン産生促進剤、
コラーゲン分解促進剤及びコラーゲンの架橋・不溶化抑
制剤を配合する皮膚外用剤としてはクリームの他、乳
液、化粧水、エッセンス、ローション、軟膏、パック等
適宜選択できる。 【0024】次に、上記コラーゲン産生促進剤、分解促
進作用の確認、及びコラーゲン架橋生成抑制作用の確認
を行った実験結果について説明する。 【0025】〔実験1 コラーゲン産生促進剤、分解促
進剤の培養細胞による確認〕ます、コラーゲン産生促進
剤としてのリン酸L−アスコルビルマグネシウム及びコ
ラーゲン分解促進剤としての加水分解シルクエチルエス
テルの効果について測定した。 【0026】(1)細胞培養 細胞はヒトから分離株化されて市販されている正常線維
芽細胞を用い、培地はEagle,s MEM (阪大微研製) に1
%非必須アミノ酸混合物を添加したもの(以下EMEM培地
という)を使用した。ヒト正常線維芽細胞を10%ウシ
胎仔血清を含むEMEM培地にて1×105 個/mlになる
ように調整し、マイクロプレートに0.8mlずつ播種
して、37°C、5%CO2 、飽和水蒸気下で培養し
た。 【0027】また、コラーゲン産生促進剤としてのリン
酸L−アスコルビルマグネシウム及びコラーゲン分解促
進剤としての加水分解シルクエチルエステルをそれぞれ
EMEM培地で希釈して各濃度の添加溶液とした。 【0028】上記ヒト正常線維芽細胞を48時間培養
後、培養液を除去し、EMEM培地でヒト正常線維芽細胞を
2回洗浄した後、各添加溶液0.8mlを加え、5日間
培養して培養上清液を得た。 【0029】(2)コラーゲン合成活性の測定 コラーゲンは細胞内でプロコラーゲンとして生合成さ
れ、細胞外に分泌されてコラーゲン繊維として重合する
ときに、プロコラーゲンのN末端およびC末端のプロペ
プチドがエンドペプチダ−ゼにより遊離されることが明
らかになっている。 【0030】従って、この遊離したC末端ペプチドを定
量することによって、I型コラーゲンの合成活性の程度
を知ることができる。そこでコラーゲン産生促進剤とし
ての機能を確認するために、その指標として、培養上清
中のコラーゲン合成活性を定量することとした。また、
その測定は、市販されているプロコラーゲン,タイプ
I,C−ペプチド測定キツト(宝酒造社製)を用いて行
った。 【0031】(3)コラーゲン分解活性の測定 コラゲナーゼは、前述したとおり,コラーゲンを特異的
に分解・代謝する酵素として知られており、その定量値
はコラーゲンの分解活性の程度を示す指標となることも
公知の事実である。 【0032】コラゲナーゼは、その前駆体であるプロコ
ラゲナーゼとして細胞内で産生されて細胞外に分泌さ
れ、生体内においてはプラスミンやストロムライシンな
どのタンパク質加水分解酵素により、コラゲナーゼに変
換されて活性化される。そこで、プロコラゲナーゼの定
量には、同じタンパク加水分解酵であるトリプシンを用
いてプロコラゲナーゼをコラゲナーゼに活性化しコラゲ
ナーゼとした後、その活性を定量する公知の方法(永井
ら,炎症,Vol4,247,1984)を使用し、その方法に沿っ
てプロコラゲナーゼ量を定量した。 【0033】さらには、線維芽細胞はプロコラゲナーゼ
の産生とともに、コラゲナーゼの活性を阻害してその活
性の定量を阻害する成分であるインヒビターを同時に産
生することが知られており(「細胞外マトリックスのバ
イオサイエンスとバイオテクノロジー」.藤本大三郎編
集, 株式会社アイピーシー出版('91 ).192 〜 219ペ
ージ)、活性測定に先立ち、永井らの方法(炎症,Vol
4,247 ,1984)により該インヒビターの除去を行っ
た。 【0034】(4)定量法 コラゲナーゼインヒビターの除去は、弱陽イオン交換樹
脂マクロプレップCMサポートを充填したエコノパックCM
(容量1ml:バイオラッド社製)を用いて以下のよう
に行った。即ち、10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
8:1mM塩化カルシウム、0.05%ポリオキシエチ
レン(20)ラウリルエーテルを含有)にて平衡化したエ
コノパックCMに培養上清を送液し、同緩衝液で洗浄、続
いて125mM塩化ナトリウムを含む同緩衝液にてイン
ヒビターを溶出し、さらに500mM塩化ナトリウムを
含む同緩衝液にてプロコラゲナーゼを溶出させ、プロコ
ラゲナーゼ分画として回収した. 【0035】また、TPCK−トリプシン(TPCK:L-1-tosy
lamide-2-Phenylethylethylchloromethylketone )によ
るプロコラゲナーゼの活性化法は、回収したプロコラゲ
ナーゼ画分240μlに対して1mg/mlTPCK−トリ
プシン96μlを加え、35°Cにて10分間加温した
後、3mg/mlダイズ由来トリプシンインヒビター1
44μlを加えて反応を停止した。 【0036】コラゲナーゼ活性の測定は、コラゲノキッ
トCLN-100 (コラーゲン技術研修会製)を用いて行っ
た。本キットは、コラゲナーゼの作用を受けた分解物と
コラーゲンの変性温度が異なる点に着目し、FITC(fluo
rescein isothiocyanate:蛍光発色性の化合物)標識コ
ラーゲンとコラゲナーゼを作用させ、生じた分解物のみ
を35°Cで熱変性させ、エタノールで抽出し、この抽
出された分解物の蛍光強度を測定することにより、コラ
ゲナーゼ活性を測定するものである。尚、1ユニットは
35°Cにおいて1分間に1μgのコラーゲンを分解す
る酵素量とする。 【0037】以上のように測定した、コラーゲン合成活
性及びコラーゲン分解活性について表1 に示す。 【0038】 【表1】 【0039】表1に示すようにコラーゲン代謝促進剤の
うちのコラーゲン産生促進剤としてリン酸L−アスコル
ビルマグネシウムを、コラーゲン分解促進剤として加水
分解シルクエチルエステルを、EMEM培地中にそれぞれ単
独又は同時に添加することにより、未添加の場合に比
べ、リン酸L−アスコルビルマグネシウムの添加によっ
ては正常線維芽細胞のコラーゲン合成量が増如し、加水
分解シルクエチルエステルの添加によってはプロコラゲ
ナーゼ産生量が増加した。また、両成分を同時に添加す
ることによっては、コラーゲン合成量とプロコラゲナー
ゼ産生量の両方が増加したことから、両成分を併用する
ことでコラーゲンの代謝を促進できることが示された。 【0040】〔実験2 コラーゲン架橋生成抑制作用の
確認〕コラーゲンタイプI溶液(ブタ皮膚製3mg/m
l希塩酸溶液, pH3.0)0.1ml、2M D−グ
ルコース0.1ml、0.5Mリン酸緩衝液(pH6.
0)0.1ml、蒸留水0.6ml及び2mMピリドキ
サールリン酸0.1mlを混合し、さらに抗菌剤として
トルエン5 μl を加え、37°Cで1週間インキュベー
トした。D−グルコース及びピリドキサールリン酸水溶
液を蒸留水に置き換えたものと、ピリドキサールリン酸
水溶液を蒸留水に置き換えたものを比較対照とした. 【0041】インキュベート後のサンプルを公知の分離
法であるドデシル硫酸ナトリウムーポリアクリルアミド
ゲル電気泳動法によって分離し、コラーゲンのα、β、
γ鎖の量的変化を観察した。すなわち、分析したタンパ
ク質の位置を確認するために常法であるクマシーブリリ
アントブルー染色したスラブゲル上のバンドをデンシト
メーターCS−9000(島津製作所製)により、透過吸光度
(560 nm)を測定しクロマトグラムとして表し、コラ
ーゲンのベプチド成分α、β、γ鎖(α、β、γ鎖の順
に分子量は多くなる)、及びγ鎖より高分子量である成
分のバンドを相対比で表した。 この結果を表2に示し
た。 【0042】 【表2】【0043】D−グルコースとピリドキサールリン酸の
双方を添加しない比較対照と、D−グルコースのみを添
加した対照を比較すると、D−グルコースの添加で架橋
が促進されて最も分子量が大きいγ鎖より高分子量の成
分が増加したが、D−グルコースとピリドキサールリン
酸の双方を添加した場合には、γ鎖より高分子量である
成分の増加は僅かで、α鎖ペプチドはむしろ増加したこ
とが示される。このことから、ピリドキサールリン酸が
コラーゲンの架橋・不溶化抑制剤として機能することが
確かめられた。 【0044】 【実施例】以下、上記のような皮膚外用剤をクリームと
して調整して使用した場合についての、より具体的な実
施例について説明する。まず、表3に示す組成のクリー
ム状の皮膚外用剤をそれぞれ調製する。 【0045】 【表3】 【0046】表3に示す本発明品及び比較品1〜4の調
整方法としては、それぞれ、油層成分を混合して溶解
し、85°Cに加温して攪拌しながら、これとは別に8
5°Cに加温した水層成分を少量ずつ油層成分に加えて
乳化した後、室温まで冷却することによってそれぞれ調
製した。 【0047】このように調製されたクリームを使用して
効果をテストする方法は、顔面の目じりに小じわがあ
り、肌のはり、弾力を気にしている35〜45才の女性
100名(各クリームの検体について20名ずつ)に3
カ月間に亘ってそれぞれ気になる部位に朝と就寝前に塗
布してもらった後、塗布部位の小じわの程度と、肌の弾
力やたるみに関連するパラメータを設定してスコア化し
て改善の程度を見た。 【0048】小じわの程度については、塗布部位の塗布
前後のレプリカを採取し、採取したレプリカを試料とし
て、該試料を水平に於いて水平面に対して角度20°で
一方向から投光して照明を当てながら、約15倍に拡大
してCCDカメラで画像を取込み、画像解析装置スピカ
II(日本アビオニクス社製)でしわによってできる陰影
部分(目じりのしわには方向性があるため、しわの方向
の直角方向から投光する)の1個当たりの面積を求めて
しわの断面積を算出(面積×tan20°)した。 【0049】さらに、このようにして得られた個々のし
わのうち、目視的に認識されやすい領域であり、断面積
の大きさとしては0.2〜0.5mm2 の範囲の小じわ
の1視野(約11×11mm)当たりの個数を求めた。
このようにして得られた「小じわ度数」の塗布開始時点
から、終了時の減少巾を表4に示す方法でスコア化し
た。 【0050】 【表4】 【0051】塗布部位皮膚の粘弾性の測定には、ダーマ
ルトルクメータ(英ダイアストロン社製)を用い、中心
の固定部位直径を10mmとし、付加トルク15mNm
で、負荷及び開放時間をそれぞれ10秒間として3回繰
り返して測定した。このようにして得られたヒステリシ
ス曲線から、1回目と3回目の付加0.05秒後のねじ
れ角度をそれぞれa,bとした時のa値(皮膚の弾力に
係り、数値が大きい程弾力があることを示す)と(b−
a)/a値(皮膚のたるみと関わり,数値が低い程はり
がありたるんでいない、従って傾向として皮膚が若いこ
とを示す)から、皮膚の粘弾性特性を示すパラメータと
して以下のパラメータを設定した。 【0052】 パラメータ=a値/(b−a)/a値 =a2 /(b−a) 【0053】このパラメータは、数値の増加は皮膚の粘
弾性特性が改善されたことを示し、該パラメータの塗布
開始時点から、終了後の増加巾を表5に示す方法でスコ
ア化した。 【0054】 【表5】 【0055】この他、塗布部位の小じわ、肌の弾力、た
るみの改善について自己評価してもらい、表6に示す方
法でスコア化した。 【0056】 【表6】 【0057】このようにして試験を行った各検体につい
てのモニターの平均値を表7に示す。 【0058】 【表7】 【0059】この表7が示すように、小じわ度数、粘弾
性パラメータ、及び各自己評価のいずれもが本発明品は
各比較品よりも高いスコア値を示し、本発明を使用した
場合の肌の改善度が高いことが判った。 【0060】 【発明の効果】叙上のように、本発明の皮膚外用剤は、
皮膚に塗布することによって、皮膚のしわやたるみ、は
りを失う等の皮膚の老化の進行を抑制ししかも皮膚への
刺激のない安全性が高い皮膚外用剤を得ることができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 康弘 大阪府大阪市北区豊崎3丁目21番3号 ピアス株式会社内 (72)発明者 矢山 亜由美 大阪府大阪市北区豊崎3丁目21番3号 ピアス株式会社内 (72)発明者 牧野 千恵 大阪府大阪市北区豊崎3丁目21番3号 ピアス株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−346936(JP,A) 特開 平5−32537(JP,A) 特開 平6−24935(JP,A) 特開 昭60−188306(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 A61K 7/32 - 7/50

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 コラーゲン産生促進剤としてのアスコル
    ビン酸又はその誘導体、及び真皮コラーゲンの架橋・不
    溶化抑制剤としてのビタミンB6 誘導体、及び真皮コラ
    ーゲン分解促進剤として絹加水分解物のエステル誘導体
    を含有してなることを特徴とする皮膚外用剤。
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