JP3526369B2 - フルオロアルキル基含有リン酸トリエステルおよびその製造方法 - Google Patents

フルオロアルキル基含有リン酸トリエステルおよびその製造方法

Info

Publication number
JP3526369B2
JP3526369B2 JP12962196A JP12962196A JP3526369B2 JP 3526369 B2 JP3526369 B2 JP 3526369B2 JP 12962196 A JP12962196 A JP 12962196A JP 12962196 A JP12962196 A JP 12962196A JP 3526369 B2 JP3526369 B2 JP 3526369B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
fluoroalkyl group
formula
carbon atoms
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12962196A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09316088A (ja
Inventor
真司 矢野
毅 井原
克己 喜多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP12962196A priority Critical patent/JP3526369B2/ja
Publication of JPH09316088A publication Critical patent/JPH09316088A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3526369B2 publication Critical patent/JP3526369B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なフルオロアル
キル基含有リン酸トリエステルおよびその製造方法に関
する。詳しくは、分子中に少なくとも1つのフルオロア
ルキル基と少なくとも1つの直鎖もしくは分岐の1級ア
ルキル基又はアルケニル基を有する非対称のフルオロア
ルキル基含有リン酸トリエステルおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】フルオ
ロアルキル基含有リン酸エステルは、一般に表面張力が
小さく、撥水撥油性、潤滑性、耐薬品性に優れるため、
各種基材の表面処理剤として使用されている。これらの
中には、実際にはフルオロアルキル基含有リン酸トリエ
ステルが一部含まれているものが用いられている。例え
ば、特開平7−97586 号公報にはフルオロアルキル基含
有リン酸トリエステルを含む潤滑剤が開示されている。
しかしながら、これらはいずれも、3個のフルオロアル
キル基を有するリン酸トリエステル類であり、フレオン
等のフッ素系溶媒以外すなわちフッ素原子を含まない他
の溶剤や油剤、ポリマーなどの材料に溶解しないという
欠点があった。
【0003】一方、特開昭63−267792号公報には、フル
オロアルキル基含有リン酸ジエステルの合成中間体とし
て、炭素数3〜9の2級もしくは3級アルキル基を有す
る非対称型フルオロアルキル基含有リン酸トリエステル
が開示されている。しかしながら、これらは、いずれも
その目的がフルオロアルキル基含有リン酸ジエステルを
得ることにあることからわかるように、その合成中間体
であるフルオロアルキル基含有リン酸トリエステル中の
炭素数3〜9の2級もしくは3級アルキル基は塩基によ
り容易に加水分解されるため、該リン酸トリエステルは
化学的安定性において十分であるとはいえない。
【0004】従って、本発明の目的は、従来のフルオロ
アルキル基含有リン酸トリエステルの有する欠点を解消
した新たな非対称型のフルオロアルキル基含有リン酸ト
リエステルおよびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題解
決すべく鋭意研究の結果、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、一般式(I)で表されるフルオロアル
キル基含有リン酸トリエステル、及びその製造方法を提
供するものである。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Rfは炭素数5〜28のフルオロアル
キル基、R1は炭素数1〜24の直鎖又は分岐の1級アルキ
ル基又はアルケニル基、R2はRfと同一もしくは異なる炭
素数5〜28のフルオロアルキル基、あるいはR1と同一も
しくは異なる炭素数1〜24の直鎖又は分岐の1級アルキ
ル基又はアルケニル基を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0009】本発明の一般式(I)で表されるフルオロ
アルキル基含有リン酸トリエステルにおいて、Rfとして
示される炭素数5〜28のフルオロアルキル基としては、
式CF3(CF2)m(CH2)n− (式中、m は2〜15、好ましくは
4〜10、更に好ましくは5〜7の整数、n は2〜12、好
ましくは2〜4の整数を示す)で表される基、式式 CF3
(CF2)mO(CH2)p− (式中、mは前記の意味を示し、p は2
〜12、好ましくは2〜4の整数を示す)で表される基な
どが挙げられるが、中でも式CF3(CF2)m(CH2)n− (式
中、m 及びn は前記の意味を示す。)で表される基が好
ましい。
【0010】かかるフルオロアルキル基の具体例として
は、ヘプタフルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル
基、ドデカフルオロヘプチル基、トリデカフルオロオク
チル基、ペンタデカフルオロノニル基、ヘプタデカフル
オロデシル基、ノナデカフルオロウンデシル基、ヘンエ
イコサフルオロドデシル基、ペンタコサフルオロテトラ
デシル基、ノナコサフルオロヘキサデシル基などが挙げ
られ、なかでもトリデカフルオロオクチル基、ヘプタデ
カフルオロデシル基が好ましい。
【0011】また、一般式(I)において、R1で示され
る炭素数1〜24の直鎖又は分岐の1級アルキル基又はア
ルケニル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル
基、n-ブチル基、iso-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキ
シル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、2−エチルヘキ
シル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-テトラデシル
基、n-ヘキサデシル基、n-オクタデシル基、2-ヘキシル
デシル基、2-ヘプチルウンデシル基、オレイル基、リノ
レイル基、メチル分岐イソステアリル基などが挙げられ
る。これらの中では炭素数6〜20の直鎖又は分岐の1級
アルキル基又はアルケニル基が好ましく、特に炭素数8
〜18の分岐1級アルキル基が好ましい。
【0012】一般式(I)において、R2は上記Rf基と同
一もしくは異なる炭素数5〜28のフルオロアルキル基、
もしくは上記R1基と同一もしくは異なる炭素数1〜24の
直鎖又は分岐の1級アルキル基又はアルケニル基を示す
が、上記Rf基と同一もしくは異なる炭素数5〜28のフル
オロアルキル基が好ましい。
【0013】かかる一般式(I)で表される本発明のフ
ルオロアルキル基含有リン酸トリエステルとしては、次
に示すような化合物が挙げられる。
【0014】
【化3】
【0015】かかる一般式(I)で表される本発明のフ
ルオロアルキル基含有リン酸トリエステルは、式(I
I)、(III) 又は (IV) Rf-OH (II) R1-OH (III) R2-OH (IV) (式中、Rf、R1及びR2は前記の意味を示す。)で表され
るヒドロキシ化合物を、Ti,Mg又はAlを含むルイス酸触
媒の存在下、順次もしくは同時にオキシハロゲン化リン
と反応させることにより製造することができる。
【0016】すなわち、Rf,R1およびR2で表される基が
それぞれ異なるときは、上記式(II)、(III) 及び (I
V) で表される3種のヒドロキシル化合物を順次オキシ
ハロゲン化リンに対し、0.8 〜1.2 当量倍ずつ反応させ
ることにより、目的の下記一般式(I−1)で表される
構造を有する非対称フルオロアルキル基含有リン酸トリ
エステルを得ることができる。
【0017】
【化4】
【0018】(式中、Rf及びR1は前記の意味を示す、R
2' はRf及びR1とは異なる炭素数5〜28のフルオロアル
キル基、あるいは炭素数1〜24の1級アルキル基又はア
ルケニル基を示す。) また、RfとR2、もしくはR1とR2が同一の基であるフルオ
ロアルキル基含有リン酸トリエステルは、上記式(II)
又は(III) で表されるヒドロキシル化合物のうちの一方
をオキシハロゲン化リンに対し、0.8 〜2.3 当量倍反応
させたのち、他方のヒドロキシル化合物を引き続きオキ
シハロゲン化リンに対し、0.8 〜2.3 当量倍反応させ
る。この場合、上記式(II)又は(III) で表されるヒド
ロキシル化合物のうちの一方を10℃〜−30℃の低温にお
いてオキシハロゲン化リンと反応させたのち、Ti,Mg又
はAlを含むルイス酸触媒を添加し、さらに、他方のヒド
ロキシル化合物を引き続き反応させることにより、目的
の下記一般式(I−2)又は(I−3)で表される構造
を有する非対称フルオロアルキル基含有リン酸トリエス
テルを、より選択性よく製造することができる。
【0019】
【化5】
【0020】本発明で用いられるTi, Mg又はAlを含むル
イス酸触媒としては、TiCl4、MgCl2、AlCl3 等の塩化
物、Ti(OC3H7)4、Ti(OC4H9)4、Al(OC3H7)3、Al(OC4H9)3
等のアルコキサイド等が挙げられ、これらのうちTi系ル
イス酸触媒が好ましく、なかでも特にTiCl4 が、少ない
添加量で高収率、高純度でしかも色相が良好な非対称フ
ルオロアルキル基含有リン酸トリエステルを得ることが
できることから好ましい。本発明において、ルイス酸の
使用量は、オキシハロゲン化リンに対し、1〜20モル%
が好ましく、1〜10モル%がさらに好ましく、2〜5モ
ル%が特に好ましい。
【0021】また、本発明においては、副生するハロゲ
ン化水素を反応系外に除去しながら反応を行うことが好
ましい。副生するハロゲン化水素を反応系外に除去する
方法としては、乾燥ガスを接触させる方法、あるいは減
圧下で系外に追い出す方法等が挙げられる。ここで用い
られる乾燥ガスとしては、オキシハロゲン化リンに対し
不活性なものであれば何れでもよく、窒素、アルゴン、
空気等を用いることができ、なかでも窒素が好ましい。
また減圧下で副生するハロゲン化水素を反応系外に除去
する場合、減圧度は低い程よいが、好ましくは100mmHg
以下、さらに好ましくは60mmHg以下である。
【0022】本反応は無溶媒下で行うことができるが、
溶媒を用いて反応を行ってもよい。用いることのできる
溶媒としては、反応に対し不活性でオキシハロゲン化リ
ンを溶解できるものであればよく、例えば、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、流動パラフィン等の脂肪族炭化水
素系溶媒、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素
系溶媒などが挙げられる。これら溶媒の使用量は、特に
限定されないが、一般には反応の効率を考えて、オキシ
ハロゲン化リンに対し20重量倍以下が望ましい。
【0023】一般式(I)で表される本発明のフルオロ
アルキル基含有リン酸トリエステルは、分子中に少なく
とも1つのフルオロアルキル基と少なくとも1つの直鎖
もしくは分岐の1級アルキル基もしくはアルケニル基と
を有しているので、それ自体表面張力が低く、また撥水
性、潤滑性、配合性等に優れている。特に、他の溶剤や
ポリマーとの相溶性に優れているので、口紅やファンデ
ーション等のメイクアップ化粧品用油剤の他、コーティ
ング剤、塗料、表面改質剤、難燃剤、離型剤、樹脂添加
剤等の分野において有用である。
【0024】
【実施例】以下、本発明を具体的に実施例を挙げて更に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0025】実施例1 ビス(トリデカフルオロオクチル)−2−ヘプチルウン
デシルホスフェート(a)の合成
【0026】
【化6】
【0027】1リットル4ツ口フラスコに、窒素流通
下、オキシ塩化リン15.3g (0.10mol)を入れて−10℃に
冷却した。そこへ2−ヘプチルウンデシルアルコール2
7.1g (0.10mol) を−5℃で滴下した。滴下終了後、さ
らに室温で3時間攪拌した。続いて塩化マグネシウム1.
1g (0.01mol)およびトリデカフルオロオクチルアルコー
ル72.8g (0.20mol) を加え、65℃、60mmHgで、50ml/分
の窒素を吹き込みながら8時間反応させた。反応終了
後、水洗により触媒を除去した。得られた生成物をフラ
ッシュカラムクロマトグラフィーにて精製して、目的の
ビス(トリデカフルオロオクチル)−2−ヘプチルウン
デシルホスフェートを主成分とするリン酸トリエステル
99.5g を無色透明オイルとして得た。収率95%。 1H−
NMRスペクトルから上記構造を確認した。また31P−
NMR分析より求めた純度は95%であった。
【0028】31P−NMR:−1.0 ppm1 H−NMR:4.4 (d,t,4H)、4.0 (d,d,4H)、2.5 (m,
4H)、1.6-1.7(br,1H)、1.2-1.4(br,28H) 、0.9 (t,6H) 実施例2 ビス(2−ヘプチルウンデシル)トリデカフルオロオク
チルホスフェート(b)の合成
【0029】
【化7】
【0030】1リットル4ツ口フラスコに、窒素流通
下、オキシ塩化リン23.0g (0.15mol)を入れて−10℃に
冷却した。そこへ2−ヘプチルウンデシルアルコール8
1.3g (0.30mol) を−5℃で滴下した。滴下終了後、さ
らに室温で6時間攪拌した。つづいて四塩化チタン2.0g
(0.01mol)およびトリデカフルオロオクチルアルコール
54.6g (0.15mol) を加え、70℃、200mmHg で、100 ml/
分の窒素を吹き込みながら5時間反応させた。反応終了
後、水洗により触媒を除去し、目的のビス(2−ヘプチ
ルウンデシル)トリデカフルオロオクチルホスフェート
を主成分とするリン酸トリエステル133.1gを無色透明オ
イルとして得た。収率91%。 1H−NMRスペクトルか
ら上記構造を確認した。また31P−NMR分析より求め
た純度は97%であった。
【0031】31P−NMR:−0.3 ppm1 H−NMR:4.3 (d,t,2H)、4.0 (d,d,4H)、2.5 (m,2
H)、1.6 (br,2H) 、1.2-1.4(br,56H) 、0.9 (t,12H) 実施例3 ビス(トリデカフルオロオクチル)−5,7,7 −トリメチ
ル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)オクチルホスフェ
ート(c) の合成
【0032】
【化8】
【0033】1リットル4ツ口フラスコに、窒素流通
下、トリデカフルオロオクチルアルコール72.8g(0.20mo
l)を入れ、そこへオキシ塩化リン15.3g (0.10mol) を10
℃で滴下した。滴下終了後、さらに50℃で3時間反応さ
せた。つづいて四塩化チタン1.0g (5mmol)および 5,7,7
−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)オクチ
ルアルコール27.2g (0.10mol) を加え、さらに60℃、60
mmHgで、50ml/分の窒素を吹き込みながら5時間反応さ
せた。反応終了後、水洗により触媒を除去し、目的のビ
ス(トリデカフルオロオクチル)−5,7,7 −トリメチル
−2−(1,3,3−トリメチルブチル)オクチルホスフェー
トを主成分とするリン酸トリエステル100.4gを無色透明
オイルとして得た。収率92%。 1H−NMRスペクトル
から上記構造を確認した。また31PNMR分析より求め
た純度は93%であった。
【0034】31P−NMR:−1.0 ppm1 H−NMR:4.4 (d,t,4H)、4.0 (d,d,2H)、2.5 (m,4
H)、1.0-1.9(m,11H)、0.9 (s,24H) 実施例4 実施例3において、四塩化チタンを最初に添加する以外
は実施例3と同様にして反応させ、ビス(トリデカフル
オロオクチル)−5,7,7 −トリメチル−2−(1,3,3−ト
リメチルブチル)オクチルホスフェートを主成分とする
リン酸トリエステルを得た。収率は60%であった。
【0035】実施例5 ビス(ヘプタデカフルオロデシル)−2−エチルヘキシ
ルホスフェート(d) の合成
【0036】
【化9】
【0037】2−ヘプチルウンデシルアルコールの代わ
りに2−エチルヘキシルアルコールを14.4g (0.1mol)、
トリデカフルオロオクチルアルコールの代わりにヘプタ
デカフルオロデシルアルコール92.8g (0.20mol) 、塩化
マグネシウムの代わりに四塩化チタン1.0g (5mmol) を
用い、65℃、60mmHgで、50ml/分の窒素を吹き込みなが
ら8時間反応させる代わりに、70℃、60mmHgで、50ml/
分の窒素を吹き込みながら5時間反応させる以外は実施
例1と同様にして、目的のビス(ヘプタデカフルオロデ
シル)−2−エチルヘキシルホスフェートを主成分とす
るリン酸トリエステル107.9gを無色透明オイルとして得
た。収率95%。1H−NMRスペクトルから上記構造を
確認した。また31P−NMR分析より求めた純度は92%
であった。
【0038】31P−NMR:−1.0 ppm1 H−NMR:4.4 (d,t,4H)、4.0 (d,d,2H)、2.5 (m,4
H)、1.6-1.7(m,1H) 、1.2-1.4(br,8H)、0.9 (t,6H) 実施例6 ビス(トリデカフルオロオクチル)−ステアリルホスフ
ェート(e) の合成
【0039】
【化10】
【0040】2−ヘプチルウンデシルアルコールの代わ
りにステアリルアルコールを27.1g(0.1mol)、塩化マグ
ネシウムの代わりに四塩化チタン1.0g (5mmol) を用
い、65℃、60mmHgで、50ml/分の窒素を吹き込みながら
8時間反応させる代わりに、70℃、60mmHgで、50ml/分
の窒素を吹き込みながら5時間反応させる以外は実施例
1と同様にして、目的のビス(トリデカフルオロオクチ
ル)−ステアリルホスフェートを主成分とするリン酸ト
リエステル100.1gを無色透明オイルとして得た。収率96
%。1H−NMRスペクトルから上記構造を確認した。
また31P−NMR分析より求めた純度は96%であった。
【0041】31P−NMR:−1.0 ppm1 H−NMR:4.4 (d,t,4H)、4.0 (d,t,2H)、2.5 (m,4
H)、1.6 (br,2H) 、1.2-1.4(br,30H) 、0.9 (t,3H) 実施例7 ビス(ドデシル)−ヘプタデカフルオロデシルホスフェ
ート(f) の合成
【0042】
【化11】
【0043】2−ヘプチルウンデシルアルコールの代わ
りにドデシルアルコールを37.2g (0.2mol)、トリデカフ
ルオロオクチルアルコールの代わりにヘプタデカフルオ
ロデシルアルコール46.4g (0.1mol)、塩化マグネシウム
の代わりに四塩化チタン1.0g(5mmol) を用い、65℃、6
0mmHgで、50ml/分の窒素を吹き込みながら8時間反応
させる代わりに、70℃、60mmHgで、50ml/分の窒素を吹
き込みながら5時間反応させる以外は実施例1と同様に
して、目的のビス(ドデシル)−ヘプタデカフルオロデ
シルホスフェートを主成分とするリン酸トリエステル8
4.5g を無色透明オイルとして得た。収率96%。1H−N
MRスペクトルから上記構造を確認した。また31P−N
MR分析より求めた純度は95%であった。
【0044】31P−NMR:−0.4 ppm1 H−NMR:4.3 (d,t,2H)、4.0 (d,t,4H)、2.5 (m,2
H)、1.6 (br,4H) 、1.2-1.4(br,36H) 、0.9 (t,6H) 試験例1 実施例1〜3及び5〜7で得られた化合物 (a)〜(f) 、
下記式(g) で表される比較化合物について、下記方法に
より撥水性、スクワランとの相溶性、シリコーンとの相
溶性及び化粧料にしたときの皮膚からのとれにくさを測
定した。結果を表1に示す。
【0045】
【化12】
【0046】<撥水性>水との接触角(各化合物の油膜
と水滴のなす角)が 100°以上を◎、70°以上100°未
満を○とした。
【0047】<スクワランとの相溶性>室温でのスクワ
ランに対する溶解性を調べ、10%以上溶解するものを
○、10%未満1%以上溶解するものを△、1%未満しか
溶解しないものを×とした。
【0048】<シリコーンとの相溶性>オクタメチルシ
クロテトラシロキサンに対する溶解性を室温で調べ、10
%以上溶解するものを○、10%未満1%以上溶解するも
のを△、1%未満しか溶解しないものを×とした。
【0049】<化粧料にした時の皮膚からのとれにくさ
>黒酸化鉄1gと上記各化合物1gを均一に練り込んだ
ペースト状のものを作り、このペースト状のものを男性
額部中央に薄く均一に塗布し、4時間後ティッシュペー
パーで塗布した部分を200g重/cm2 の圧力で押さえる。
ティッシュペーパーに移行した黒酸化鉄によりティッシ
ュペーパーが着色する程度で化粧料のとれにくさを評価
した。評価基準は、ほとんど着色しないを◎、やや着色
したを○、着色したを△、かなり着色したを×とした。
【0050】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−278969(JP,A) 米国特許5004825(US,A) Zhurnal Obshchei Khimii,1979年,Vol.49,N o.8,1764−8 Zhurnal Obshchei Khimii,1984年,Vol.54,N o.4,968 Zhurnal Obshchei Khimii,1988年,Vol.58,N o.12,2774−80 Zhurnal Obshchei Khimii,1986年,Vol.56,N o.1,69−72 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表されるフルオロアルキ
    ル基含有リン酸トリエステル。 【化1】 (式中、Rfは炭素数5〜28のフルオロアルキル基、R1
    炭素数〜24の直鎖又は分岐の1級アルキル基又はアル
    ケニル基、R2はRfと同一もしくは異なる炭素数5〜28の
    フルオロアルキル基、あるいはR1と同一もしくは異なる
    炭素数〜24の直鎖又は分岐の1級アルキル基又はアル
    ケニル基を示す。)
  2. 【請求項2】 Rfが式 CF3(CF2)m(CH2)n− (式中、m は
    2〜15の整数、n は2〜12の整数を示す)で表される基
    であり、R1が炭素数〜20の直鎖又は分岐の1級アルキ
    ル基又はアルケニル基である請求項1記載のフルオロア
    ルキル基含有リン酸トリエステル。
  3. 【請求項3】 式(II)、(III) 又は (IV) Rf-OH (II) R1-OH (III) R2-OH (IV) (式中、Rf、R1及びR2は前記の意味を示す。)で表され
    るヒドロキシ化合物を、Ti,Mg又はAlを含むルイス酸触
    媒の存在下、順次もしくは同時にオキシハロゲン化リン
    と反応させることを特徴とする請求項1又は2記載のフ
    ルオロアルキル基含有リン酸トリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記式(II)又は(III) で表されるヒド
    ロキシル化合物のうちの一方を10℃〜−30℃の低温にお
    いてオキシハロゲン化リンに対し、0.8〜2.3当量倍
    反応させたのち、Ti,Mg又はAlを含むルイス酸触媒を
    添加し、さらに、他方のヒドロキシル化合物を引き続き
    オキシハロゲン化リンに対し0.8 〜2.3 当量倍反応させ
    る請求項3記載の製造方法。
JP12962196A 1996-05-24 1996-05-24 フルオロアルキル基含有リン酸トリエステルおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP3526369B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12962196A JP3526369B2 (ja) 1996-05-24 1996-05-24 フルオロアルキル基含有リン酸トリエステルおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12962196A JP3526369B2 (ja) 1996-05-24 1996-05-24 フルオロアルキル基含有リン酸トリエステルおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09316088A JPH09316088A (ja) 1997-12-09
JP3526369B2 true JP3526369B2 (ja) 2004-05-10

Family

ID=15014011

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12962196A Expired - Fee Related JP3526369B2 (ja) 1996-05-24 1996-05-24 フルオロアルキル基含有リン酸トリエステルおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3526369B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6447797B1 (ja) * 2017-03-22 2019-01-09 ユニマテック株式会社 ポリフルオロアルキルリン酸エステルまたはその塩およびそれらを有効成分とする離型剤

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Zhurnal Obshchei Khimii,1979年,Vol.49,No.8,1764−8
Zhurnal Obshchei Khimii,1984年,Vol.54,No.4,968
Zhurnal Obshchei Khimii,1986年,Vol.56,No.1,69−72
Zhurnal Obshchei Khimii,1988年,Vol.58,No.12,2774−80

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09316088A (ja) 1997-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2059288C (en) Fluorine and phosphorous-containing amphiphilic molecules with surfactant properties
JP3888902B2 (ja) リン酸モノおよびジエステルの混合物を得る方法
EP1354932A1 (en) Stabilisers for perfluoropolyether oils
JP2004018394A (ja) 含フッ素両親媒性化合物
JPH01283235A (ja) トリメチロールメチル分岐アルカン
JP3526369B2 (ja) フルオロアルキル基含有リン酸トリエステルおよびその製造方法
JPH09309891A (ja) モノアルキルホスホニットを製造する方法
JP3052923B2 (ja) (メタ)アクリレート誘導体の製造方法
CN106916047B (zh) 一种二芳基乙炔的合成方法
JPH10139789A (ja) 重合性有機リン化合物、中間体、製造方法、重合体および生体適合性材料
US6060626A (en) Fluorine-containing ether compound
GB2183653A (en) Phosphoric esters
JPH07242675A (ja) 含フッ素ケイ素化合物の製造法
JPS61215398A (ja) リン酸エステル
US3980714A (en) 2,2,2-Trifluoro-1-chloroethyl ethers and process for preparing them
EP0716091B1 (en) Tris(substituted phenyl)bismuth derivative
JPS62123191A (ja) リン酸エステルの製造法
US2510033A (en) Manufacture of phosphoric acid esters
Timperley et al. The synthesis and properties of some fluorinated dialkyl phosphoramidates
JP3384932B2 (ja) リン酸トリエステルの製造方法
JP3388695B2 (ja) チタンの不飽和有機金属化合物と、その製造方法
JPH0660184B2 (ja) リン酸エステルの製造法
JPS5852295A (ja) リン酸エステルおよびその製造方法
JP3934167B2 (ja) 界面活性化合物
JP3328382B2 (ja) リン含有化合物およびその製法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040213

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110227

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140227

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees