JP3524712B2 - 荷電粒子ビーム装置 - Google Patents
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Description
いて試料からの信号を検出するようにした走査電子顕微
鏡等の荷電粒子ビーム装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図1に2つの検出器を用いて2次電子を
検出するようにした走査電子顕微鏡を示す。図中1は試
料であり、試料1には図示していない電子銃から加速さ
れた電子ビームEBが照射される。電子ビームEBは対
物レンズ2によって試料1上に細く集束される。試料1
の電子ビームEBの照射位置は、走査コイル3によって
2次元的に走査される。 【0003】試料1への電子ビームEBの照射によって
発生した2次電子は、試料1の横方向(対物レンズ2の
下部)に配置された第1検出器4と、対物レンズ3の上
部に電子ビームの光軸から離れて配置された第2検出器
5によって検出される。第1検出器4は試料1から横方
向に向かう2次電子e1を検出し、第2検出器5は試料
1の上方に向かい、対物レンズ2の磁場によって拘束さ
れる2次電子e2を検出する。 【0004】第1検出器4と第2検出器5は、それぞれ
加算器6に供給され、2種の検出信号は加算される。加
算器6によって加算された検出信号は、陰極線管7に輝
度変調信号として供給される。陰極線管7は走査コイル
3による電子ビームEBの走査と同期しており、その結
果、陰極線管7上には試料1の2次元領域の走査2次電
子像が表示される。 【0005】このような構成の走査電子顕微鏡では、第
2検出器5は実質的に一次電子ビームEBとほぼ同じ方
向に配置されるので、この第2検出器5に基づく観察像
は、無影照明像となる。このため、コンタクトホール等
のホール観察を行った場合には、ホール外側とホール底
部とで、検出信号に差が生じない。しかしながら、この
場合の欠点としては、無影照明像であるため、試料1の
凹凸が観察できないことがあげられる。 【0006】第1の検出器4は、一次電子ビームEBの
軌道から外れた横方向の位置に配置されるため、観察像
は片側照明像となり、検出器4から見えない試料位置の
信号は、検出されないか、極めて検出比が低い。そのた
め、観察像に影を生じ、凹凸感のある像が得られる。一
方、欠点としては、ホール観察の場合、ホール底部から
の信号は、検出器4に向かうことができず、ホール底部
の観察は困難となる。 【0007】このような現象により、第1検出器4と第
2検出器5の両者の信号を加算し、加算信号に基づいて
像の表示を行えば、2種の検出器の有する欠点を補間
し、ホール底部の観察もできて凹凸感のある像を得るこ
とができる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】走査電子顕微鏡では、
試料を大きく傾けて像の観察を行う場合がある。この場
合、試料1を第1検出器4により向かい合う方向に傾斜
させた場合、第1検出器4に検出される信号量が増大す
る。 【0009】この理由は、試料のエッヂ効果により、2
次電子発生領域が拡がり、拡がった領域から発生した2
次電子は、主に第1検出器に検出されるためである。こ
の第1検出器4に入射する2次電子の量は、試料1の傾
斜角に応じて変化する。そのため、観察像の像質は、試
料傾斜角に応じて変化することになる。 【0010】例えば、試料1が水平方向に配置されてい
る場合に、ホールの底部の像も適切に観察でき、また、
試料の凹凸感も観察しやすい状態であると、試料を傾斜
させるに従い、ホール底部の像は不明瞭となり、逆に、
試料の凹凸はより強調された像となる。 【0011】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、その目的は、試料の傾斜角が変わっても像質が
ほとんど変化しない荷電粒子ビーム装置を実現するにあ
る。 【0012】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明に基づく
荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビーム源からの荷電粒
子ビームを試料に照射し、試料から得られた信号を複数
の検出器で検出し、複数の検出器の出力信号を混合し、
混合された信号に基づいて像の表示を行うようにした荷
電粒子ビーム装置において、試料を傾斜させる手段を設
け、試料の傾斜角に応じて複数の検出器の出力信号の混
合比を変化させるように構成したことを特徴としてい
る。 【0013】請求項1の発明では、試料の傾斜角に応じ
て複数の検出器の出力信号の混合比を変化させる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施の形態を詳細に説明する。図2は本発明に基づく走
査電子顕微鏡を示しており、11は電子銃である。電子
銃11から発生し加速された電子ビームEBは、コンデ
ンサレンズ12によって集束される。コンデンサレンズ
12の下部には、電流量を制限する絞り13が配置され
ており、コンデンサレンズ12の励磁を調整することに
より、絞り13を通過する電子ビームの電流量が制御さ
れる。 【0015】コンデンサレンズ12によって集束された
電子ビームEBは、対物レンズ14によって試料15上
に細く集束される。試料15への電子ビームEBの照射
位置は、走査コイル16によって2次元的に走査され
る。 【0016】試料15への電子ビームEBの照射によっ
て発生した2次電子は、試料15の横方向(対物レンズ
14の下部)に配置された第1検出器17と、対物レン
ズ14の上部に電子ビームの光軸から離れて配置された
第2検出器18によって検出される。第1検出器17は
試料15から横方向に向かう2次電子e1を検出し、第
2検出器18は試料15の上方に向かい、対物レンズ1
4の磁場によって拘束される2次電子e2を検出する。 【0017】第1検出器17と第2検出器18は、それ
ぞれ信号混合制御回路19に供給され、2種の検出信号
は加算される。信号混合制御回路19によって加算され
た検出信号は、陰極線管20に輝度変調信号として供給
される。陰極線管20は走査コイル16による電子ビー
ムEBの走査と同期しており、その結果、陰極線管20
上には試料15の2次元領域の走査2次電子像が表示さ
れる。 【0018】前記電子銃11には、加速電圧制御回路2
1から加速電圧が印加される。また、コンデンサレンズ
12は、照射電流制御回路22により、所望の電子ビー
ムEBの照射電流に応じて制御される。更に、対物レン
ズ14は焦点制御回路24によりその励磁が制御され
る。 【0019】走査コイル16には倍率制御回路23から
の走査信号が供給される。また、試料15は図示してい
ない試料ステージ上に配置されており、試料15(試料
ステージ)は駆動装置25によって傾斜させられる。 【0020】上記加速電圧制御回路21、照射電流制御
回路22、焦点制御回路24、倍率制御回路23、駆動
装置25は、ホスト制御装置26によって制御(スケジ
ュール管理)されている。加速電圧制御回路21、照射
電流制御回路22、焦点制御回路24、倍率制御回路2
3、駆動装置25の各装置から各被制御要素に供給され
る信号に応じた信号は、信号混合比算出装置27に供給
される。 【0021】信号混合比算出装置27は、各装置からの
信号に基づいて、第1検出器17と第2検出器18の信
号の混合の割合を求め、信号混合制御回路19を制御す
る。ホスト制御装置26と信号混合比算出装置27は、
計算機28の内部に設置されている。このような構成の
動作を次に説明する。 【0022】加速電圧制御回路21から加速電圧が印加
されている電子銃11から発生し加速された電子ビーム
EBは、コンデンサレンズ12と対物レンズ14によっ
て試料15上に細く集束される。この時、電子ビームの
電流量は、照射電流制御回路22によって制御され、ま
た、電子ビームの焦点は、焦点制御回路24によって制
御される。 【0023】試料15の電子ビームEBの照射位置は、
走査コイル16によって2次元的に走査されるが、走査
倍率は倍率制御回路23によって制御される。試料15
への電子ビームEBの照射によって発生した2次電子
は、試料15の横方向(対物レンズ14の下部)に配置
された第1検出器17と、対物レンズ14の上部に電子
ビームの光軸から離れて配置された第2検出器18によ
って検出される。 【0024】第1検出器17は試料15から横方向に向
かう2次電子e1を検出し、第2検出器18は試料15
の上方に向かい、対物レンズ14の磁場によって拘束さ
れる2次電子e2を検出する。 【0025】第1検出器17と第2検出器18との出力
は、それぞれ信号混合制御回路19に供給され、2種の
検出信号は加算される。信号混合制御回路19によって
加算された検出信号は、陰極線管20に輝度変調信号と
して供給される。陰極線管20は走査コイル16による
電子ビームEBの走査と同期しており、その結果、陰極
線管20上には試料15の2次元領域の走査2次電子像
が表示される。 【0026】さて、試料15は駆動装置25によって適
宜傾斜されるが、この駆動装置25からは、試料の傾斜
角に応じた制御信号が信号混合比算出装置27に供給さ
れる。信号混合比算出装置27は、試料15の傾斜角に
応じて第1検出器17と第2検出器18の信号の検出の
際の検出感度比率を求める。 【0027】例えば、試料15が水平の状態では、両検
出器の検出感度の比率を1:1とする。また、検出器1
7の方向に試料を角度θ傾斜させた場合(この状態は図
中点線で示されている)、検出器17に向かう2次電子
の量が増えるので、例えば、検出器17と検出器18の
検出感度の割合を0.5:1.5とする。 【0028】この割合は、試料の傾斜角θに応じて変化
されており、傾斜角が大きくなるほど、第1検出器17
の割合は小さくなり、逆に第2検出器18の割合は大き
くなる。例えば、信号混合比算出装置27内には、各傾
斜角ごとに第1検出器17と第2検出18の検出器の感
度比がテーブルの形式で記憶されており、信号混合比算
出装置27は、傾斜角の信号に基づいてテーブルから両
検出器の感度比を求め、その感度比に基づいて信号混合
制御回路19を制御し、その感度比で両検出器で信号検
出を行うようにしている。 【0029】この結果、陰極線管20に表示される像
は、試料15の傾斜角度によらず、ほぼ一定の像質とな
り、コンタクトホール等の深い開孔を有した試料であっ
ても、開孔の底部も観察でき、また、凹凸感の優れた像
とすることができる。なお、信号混合比を求める際、試
料の傾斜角による検出器感度比設定のみならず、電子ビ
ームEBの加速電圧、照射電流量、電子ビームEBの焦
点の状態、倍率によって検出信号の混合比を変化させる
ようにしても良い。 【0030】次に、信号混合比算出装置27をファジイ
推論により構成した例を説明する。図3はファジイ推論
により混合比を求める際の算出装置27の具体例を示し
ている。信号混合比算出装置27内には、マンマシンイ
ンターフェース30が設けられ、更に、信号混合比をフ
ァジイ推論によって推論するファジイ推論手段31と、
ファジイ推論手段31に入力する変数を作成する前処理
手段32と、ファジイ推論手段31の出力を評価する後
処理手段33と、ファジイ推論手段31において信号混
合比を推論する際に、参照されるif/then形式で
記述されたルールが格納されているルールベース(記憶
装置)34と、ルールベース34に格納されているルー
ルを編集できるルールエディタ35とが構築されてい
る。 【0031】図4に信号混合比算出装置27内でのデー
タの入出力の状況を示す。図4において、加速電圧Va
と照射電流量Ipと焦点位置Ioと倍率Maと試料傾斜
角Tiとを,マンマシンインターフェース30を介して
前処理手段32に入力すると、前処理手段32は、加速
電圧内部変数#Vaと照射電流量内部変数#Ipと焦点
位置内部変数#Ioと倍率内部変数#Maと試料傾斜角
内部変数#Tiとをファジイ推論手段31に出力する。 【0032】ファジイ推論手段31は、加速電圧内部変
数#Vaと照射電流量内部変数#Ipと焦点位置内部変
数#Ioと倍率内部変数#Maと試料傾斜角内部変数#
Tiとから、ルールベース34に格納されているif/
then形式で記述されたルールを参照して、ファジイ
推論によって信号混合比内部変数#Smと、検出器感度
内部変数#Dgと、検出器輝度内部変数#Dbとを推論
し、それらを後処理手段33に出力する。 【0033】後処理手段33は、信号混合比内部変数#
Smと、検出器感度内部変数#Dgと、検出器輝度内部
変数#Dbとから、数値を評価して、信号混合比目標値
Smと検出器感度目標値Dgと検出器輝度目標値Dbと
を出力し、それらの値を信号混合制御回路19に供給す
る。なお、上記構成で、ルールエディタ35により、ル
ールベース34に格納されているif/then形式で
記述されたルールを編集することができる。 【0034】上記した実施の形態における動作を更に詳
細に説明する。前記したように、加速電圧Vaと照射電
流量Ipと焦点位置Ioと倍率Maと試料傾斜角Tiと
を前処理手段32に入力すると、前処理手段32は、加
速電圧内部変数#Vaと照射電流量内部変数#Ipと焦
点位置内部変数#Ioと倍率内部変数#Maと試料傾斜
角内部変数#Tiとをファジイ推論手段31に出力す
る。上記各内部変数は、次式によって求められる。 【0035】#Va=Va/(Va・norm) #Ip=Ip/(Ip・norm) #Io=Io/(Io・norm) #Ma=Ma/(Ma・norm) #Ti=Ti/(Ti・norm) 上記した式において、Va・normは加速電圧正規化係
数、Ip・normは照射電流正規化係数、Io・normは焦
点位置正規化係数、Ma・normは倍率正規化係数、Ti
・normは試料位置正規化係数である。前記{#Va,#
Ip,#Io,#Ma,#Ti}の入力空間は、それぞ
れ複数のファジイ集合によって分割されている。この入
力変数空間のファジイ集合による分割例を図5に示す。 【0036】図5(a)はVaの分割例を示しており、
ここでは、#Vaの領域{#Va・min ,#Va・max
}を16個のファジイ集合{0.5kV,1kV,2
kV,3kV,4kV,5kV,6kV,7kV,8k
V,9kV,10kV,11kV,12kV,13K
V,14KV,15kV}で分割した。また、図5
(b)に示すように、#Ioの領域{#Io・min ,#
Io・max }を8個のファジイ集合{0.2A,0.4
A,0.6,0.8,1.0A,1.2A,1.4A,
1.6}で分割した。 【0037】更に、図5(c)に示すように、#Ipの
領域{#Ip・min ,#Ip・max }を16個のファジ
イ集合{Ip・1,Ip・2,Ip・3,Ip・4,I
p・5,Ip・6,Ip・7,Ip・8,Ip・9,I
p・10,Ip・11,Ip・12,Ip・13,Ip
・14,Ip・15,Ip・16}で分割した。また、
図5(d)に示すように、#Maの領域{#Ma・min
,#Ma・max }を5個のファジイ集合{×100 ,×1
000,×10000 ,×100000,×400000}で分割した。ま
た、図5(e)に示すように、#Tiの領域{#Ti・
min ,#Ti・max }を7個のファジイ集合{0°,1
0°,20°,30°,40°,50°,60°}で分
割した。 【0038】上記した各分割において、ファジイ集合同
志が関わりを持つことに特徴がある。また、図5で示し
た各ファジイ集合は、要素のその集合における属性の度
合(メンバーシップ値)を示すメンバーシップ関数で表
現されている。すなわち、図5(a)に示すように、あ
る#Va(三角印部)が入力されたとき、ファジイ集合
{1kV}に属するメンバーシップ値は、μ(1kV|
#Va)であり、ファジイ集合{2kV}に属するメン
バーシップ値はμ(2kV|#Va)となることを示し
ている。 【0039】同様に、図5(b)には、ある#Ioのフ
ァジイ集合{0.4#Io}に属するメンバーシップ値
μ(0.4|#Io)を、図5(c)には、ある#Ip
のファジイ集合{Ip・1}に属するメンバーシップ値
μ(Ip・1|#Ip)とファジイ集合{Ip・2}に
属するメンバーシップ値μ(Ip・2|#Ip)とを、
図5(d)には、ある#Mgのファジイ集合{×10000
0}に属するメンバーシップ値μ(×100000|#Mg)
とファジイ集合{×400000}に属するメンバーシップ値
μ(×400000|#Mg)とを、図5(e)には、ある#
Tiのファジイ集合{0°}に属するメンバーシップ値
μ(0°|#Ti)とファジイ集合{10°}に属する
メンバーシップ値μ(10°|#Ti)とを示してい
る。 【0040】前記ルールベース34には、前記{#V
a,#Ip,#Io,#Ma,#Ti}から、前記{#
Sm,#Dg,#Db}を決定するルールが、次のよう
にif/then形式で記述されている。なお、このル
ールは単なる一例である。 【0041】前記ファジイ推論手段31においては、ルールベース3
4に格納されているルールを参照して、入力変数{#V
a,#Ip,#Io,#Ma,#Ti}から、出力変数
{#Sm,#Dg,#Db}をファジイ推論する。上述
したif/thenルール例は、then部(後件部)
の出力変数を数値で記述した場合であるが、次のよう
に、then部の出力変数をファジイ集合で記述するこ
とができる。この例を次に示す。 【0042】 上記した例で、F100.0,F223.0,F70.
0,F200.0,F60.0は、それぞれファジイ集
合である。なお、then部の出力変数を数値で記述し
た場合と、ファジイ集合で記述した場合とでは、ファジ
イ推論のアルゴリズムが異なる。まず、then部の出
力変数を数値で記述した場合のアルゴリズムについて次
に述べる。 【0043】図6は2入力1出力のファジイ推論を行う
例を示しており、ここでは、2入力を加速電圧内部変数
#Vaと、照射電流量内部変数#Ipとし、1出力を信
号混合比#Smとしている。ここで、#Va=v、#I
p=pとし、図6(a)に示すように、nルール目のt
hen部で記述されているSmが「Sm is vsn」
(ただし、vsnは数値)で、図6(b)に示すように、
mルール目のthen部で記述されているSmが「Sm
is vsm」(ただし、vsmは数値)であったとき、
例えば、第nルール目が次のように記述されているとす
る。 【0044】 この場合、前記入力vのファジイ集合{2kV}に属す
るメンバシップ値は、μ(2kV|v)であり、入力p
のファジイ集合{Ip・3}に属するメンバシップ値
は、μ(Ip・3|p)であり、図6(a)のnルール
目のif部(前件部)の成立する確からしさμnをmi
n{μ(2kV|v),μ(Ip・3|p)}で評価す
る。すなわち、第nルール目のif部(前件部)の成立
する確からしさμnを次のようにする。 【0045】 μn=min{μ(Vn|p),μ(Ipn|p)} 上式で、VnとIpnはnルールに記述されている加速
電圧、照射電流量のファジイ集合である。同様にして、
入力変数が3以上のときも、各々のメンバシップ値の中
で最小となるものとを選択するものとする。この時、n
ルール目のthen部に記述されている数値vsnの確か
らしさをμn・vsnと評価する。上記の操作を全てのル
ールに対して行い、出力となる推論値§Smを次の通り
とする。 【0046】 【数1】 上記した推論の操作は、出力変数が2以上のときも同様
にして行う。 【0047】次に、then部の出力変数をファジイ集
合で記述した場合について、図7を用いて説明する。図
7は2入力1出力の例であり、2入力を加速電圧内部変
数#Vaと、照射電流量内部変数#Ipとし、1出力を
信号混合比内部変数#Smとしている。ここで、#Va
=v、#Ip=pとし、図7(a)に示すように、nル
ール目のthen部で記述されているSmが「Sm i
s vsn」(ただし、vsnはファジイ集合)で、図7
(b)に示すように、mルール目のthen部で記述さ
れているSmが「Sm is vsm」(ただし、vsmは
ファジイ集合)であったとき、例えば、第nルール目が
次のように記述されているとする。 【0048】 この場合、前記入力vのファジイ集合{2kV}に属す
るメンバシップ値は、μ(2kV|v)であり、入力p
のファジイ集合{Ip・3}に属するメンバシップ値
は、μ(Ip・3|p)であり、図7(a)のnルール
目のif部(前件部)の成立する確からしさμnをmi
n{μ(2kV|v),μ(Ip・3|p)}で評価す
る。すなわち、第nルール目のif部の成立する確から
しさμnを次のようにする。 【0049】 μn=min{μ(Vn|p),μ(Ipn|p)} 上式で、VnとIpnはnルールに記述されている加速
電圧、照射電流量のファジイ集合である。同様にして、
入力変数が3以上のときも、各々のメンバシップ値の中
で最小となるものとを選択するものとする。この時、n
ルール目のthen部に記述されているファジイ集合v
snを表現するメンバシップ関数μ(vsn)と、nルール
目のif部の成立する確からしさμnとから、新たにフ
ァジイ集合を評価したメンバシップ関数μBnを次式に
よって作り出す。 【0050】μBn=min{μn,μ(vsn)} 上記の操作を全てのルールに対して行い、新たに出力合
成関数μB*を次式によって作り出す。 【0051】 【数2】 この出力合成関数μB*から、μB*の重心を次式によ
って計算し、出力となる推論値§Smとする。 【0052】 【数3】 ここで、出力変数#Smをv=#Smとし、a,bは出
力変数空間の境界値である。同様にして、出力変数が2
以上のときも上記の操作を行う。 【0053】上述したthen部の出力変数を数値で記
述した場合、あるいは、ファジイ集合で記述した場合の
ファジイ推論が、図3で示したファジイ推論手段31で
実行され、信号量混合比目標値内部変数#Smと検出器
ゲイン比目標値内部変数#Dgと検出器輝度比目標値内
部変数#Dbとが、後処理手段33に出力される。後処
理手段33では、#Smと#Dgと#Dbとを適切な目
標値に変数変換して、信号量混合比目標値Smと検出器
ゲイン比目標値Dgと検出器輝度比目標値Dbとする。
変数変換の方法は、例えば、Sm=α#Sm, Dg=
β#Dg, Db=γ#Dbのように、パラメータα,
β,γを積算することが考えられる。なお、上記したル
ールベース34に格納されているルールは、ルールエデ
ィタ35によって修正、削除、追加ができる。 【0054】以上のように、本発明では、加速電圧や試
料の傾斜角等の各制御部の制御規則が数値の羅列ではな
く、if/then形式で記述されているため、その物
理的意味が分かりやすく、データハンドリングが容易と
なる。また、新たに制御規則を追加、削除したい場合で
も、ルールを追加、削除するだけで良く、従来のよう
に、数値計算のアルゴリズムまで変える必要はない。更
に、ルールで記述された制御点は、ファジイ集合で記述
されるため、出力変数空間全域においてファジイ推論さ
れ、従って、従来、固定加算されていた検出信号を少な
いルール数で行えることになる。 【0055】以上本発明の実施の一形態を詳述したが、
本発明はこれらの形態に限定されない。例えば、混合比
算出装置の構成を公知のエキスパートシステムで構成す
ることもできる。また、2種の検出器を例に説明した
が、2つ以上の検出器を有する装置にも適用することが
できる。 【0056】更に、2次電子信号の検出に限定されず、
反射電子、オージェ電子、透過電子、内部起電力、カソ
ードルミネッセンス、X線、吸収電子などの信号検出器
の制御、もしくは、異種信号検出器間の制御にも適用す
ることができる。 【0057】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明で
は、試料の傾斜角に応じて複数の検出器の出力信号の混
合比を変化させるように構成したので、試料の傾斜角
(観察条件)によらず、常に最適な像質で像の観察を行
うことができる。例えば、ホール観察の場合、試料の傾
斜角が異なっても、常に、ホール底部の観察もでき、ま
た、凹凸感のある像を得ることができる。
示す図である。 【図2】本発明に基づく走査電子顕微鏡を示す図であ
る。 【図3】ファジイ推論により混合比を求める際の算出装
置の具体例を示す図である。 【図4】図3の算出装置内でのデータの入出力の状況を
示す図である。 【図5】入力変数空間のファジイ集合による分割例を示
す図である。 【図6】then部の出力変数を数値で記述した場合の
ファジイ推論を説明するための図である。 【図7】then部の出力変数をファジイ集合で記述し
た場合のファジイ推論を説明するための図である。 【符号の説明】 11 電子銃 12 コンデンサレンズ 13 絞り 14 対物レンズ 15 試料 16 走査コイル 17 第1検出器 18 第2検出器 19 信号混合比制御回路 20 陰極線管 21 加速電圧制御回路 22 照射電流制御回路 23 倍率制御回路 24 焦点制御回路 25 駆動装置 26 ホスト制御装置 27 信号混合比算出装置 28 計算機
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 荷電粒子ビーム源からの荷電粒子ビーム
を試料に照射し、試料から得られた信号を複数の検出器
で検出し、複数の検出器の出力信号を混合し、混合され
た信号に基づいて像の表示を行うようにした荷電粒子ビ
ーム装置において、試料を傾斜させる手段を設け、試料
の傾斜角に応じて複数の検出器の出力信号の混合比を変
化させるように構成した荷電粒子ビーム装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07507597A JP3524712B2 (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 荷電粒子ビーム装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07507597A JP3524712B2 (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 荷電粒子ビーム装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003433780A Division JP2004140002A (ja) | 2003-12-26 | 2003-12-26 | 荷電粒子ビーム装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10270331A JPH10270331A (ja) | 1998-10-09 |
JP3524712B2 true JP3524712B2 (ja) | 2004-05-10 |
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ID=13565714
Family Applications (1)
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JP07507597A Expired - Fee Related JP3524712B2 (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 荷電粒子ビーム装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3524712B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
JP5525128B2 (ja) * | 2007-11-29 | 2014-06-18 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 荷電粒子線応用装置及び試料観察方法 |
JP6759021B2 (ja) * | 2016-09-09 | 2020-09-23 | 日本電子株式会社 | 電子検出装置及び電子顕微鏡装置 |
-
1997
- 1997-03-27 JP JP07507597A patent/JP3524712B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH10270331A (ja) | 1998-10-09 |
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