JP3524576B2 - ロケット制御装置 - Google Patents

ロケット制御装置

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JP3524576B2
JP3524576B2 JP07452494A JP7452494A JP3524576B2 JP 3524576 B2 JP3524576 B2 JP 3524576B2 JP 07452494 A JP07452494 A JP 07452494A JP 7452494 A JP7452494 A JP 7452494A JP 3524576 B2 JP3524576 B2 JP 3524576B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、2段式ロケットエンジ
ンを初回燃焼と再着火燃焼の2回に分けて燃焼させる燃
焼方式を用いたロケットにおいて、初回燃焼後、機体姿
勢の異常の有無を判断して再着火制御を行なうロケット
制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ロケットの2段式ミッション(1
段+2段+衛星(ペイロード))では、2段エンジンを
初回燃焼と再着火燃焼の2回に分けて燃焼させることに
よって衛星を所望の軌道に投入するようにしている。こ
のように2段ロケットエンジンを2回に分けて燃焼させ
る理由は、ロケットの打上げ能力(所望の軌道に投入し
得る衛星の重量が標定となる)を向上させ得るからであ
る。例えば高度500Kmの円軌道に衛星を投入する場
合、再着火なしでは2段エンジンの初回燃焼終了時に高
度500Kmに達していなければならず、速度と共に必
要な高度を得るためにエネルギが必要となる。一方、再
着火方式を採用すれば、遠地点高度500Kmの楕円軌
道に一旦投入した後、遠地点で再着火することにより円
軌道に投入できるので、トータルエネルギが同じであれ
ば初回燃焼終了時の高度が低い分だけ重い衛星を打上げ
ることができる。 【0003】しかして、上記のように2段エンジンを初
回燃焼と再着火燃焼の2回に分けて燃焼させることによ
り衛星を所望の軌道に投入する方式において、再着火燃
焼前の機体姿勢に異常が生じた場合、そのまま着火する
と本来増速すべきところを減速してしまい、ロケットが
地上へ落下する可能性がある。 【0004】このため従来では、飛行経路作成時に極
力、地上落下区域の範囲が広がらないように工夫するこ
と、姿勢異常発生の要因となる搭載機器の故障発生確率
を見直すことで解決するようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法では、
地上落下の発生確率を下げることに限界があり、地上落
下そのものを防止する対策が必要となる。本発明は上記
実情に鑑みてなされたもので、2段ロケットエンジンを
初回燃焼と再着火燃焼の2回に分けて燃焼させる方式を
用いて衛星を所望の軌道に投入する場合において、搭載
機器の故障等により異常姿勢を発生した際の再着火燃焼
によるロケットの地上落下を確実に防止し得るロケット
制御装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、2段式ロケッ
トエンジンを初回燃焼と再着火燃焼の2回に分けて燃焼
させる方式を用いて衛星を所望の軌道に投入するロケッ
ト制御装置において、エンジン再着火前の慣性飛行中、
レート・ジャイロ出力信号及び姿勢センサ出力信号に基
づいて姿勢異常の有無を検出し、姿勢異常が検出されな
かった場合は所定のシーケンスに従ってエンジン点火信
号を出力し、姿勢異常信号が検出された場合は上記エン
ジン点火信号の出力を中止するようにしたものである。 【0007】 【作用】2段式エンジンのロケットが打ち上げられ、初
回燃焼を終了すると、ロケットは楕円軌道に投入され
る。このエンジン再着火前の慣性飛行中において、レー
ト・ジャイロ出力信号及び姿勢センサ出力信号に基づい
て姿勢異常の有無が検出される。姿勢異常が検出された
場合は、エンジン点火信号の出力が禁止され、エンジン
の再着火は行なわれない。ロケットが楕円軌道に投入さ
れている状態で、再着火を中止した場合は、ロケットは
姿勢が異常であってもその軌道上を飛行し続けることに
なり、地上への落下が防止される。従って、この楕円軌
道上において、再着火後に計画されている衛星分離等の
シーケンスを実行することができる。 【0008】 【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1は慣性誘導計算機(IGP)による姿勢異
常検出と再着火中止処理に関連する機能インタフェース
部分のみを示したものである。図1において、11はロ
ケットの機体/エンジン部で、この機体/エンジン部1
1の機体姿勢は、慣性センサ・ユニット(Inertial M
easurement Unit )12により検出される。この慣性
センサ・ユニット12は、姿勢検出用センサ(ジャイ
ロ)と加速度計が組み込まれており、ロケットの姿勢検
出及び航法計算(現在位置と速度の算出)に必要な情報
を搭載計算機、即ち、慣性誘導計算機(IGP)13に
出力する。 【0009】また、上記機体/エンジン部11の機体角
速度は、レート・ジャイロ14により検出され、レート
・ジャイロ信号としてデータ・インタフェース・ユニッ
ト15に送られる。このデータ・インタフェース・ユニ
ット15は、A/D(アナログ/ディジタル)変換及び
D/A(ディジタル/アナログ)変換機能を備え、上記
レート・ジャイロ14からのレート・ジャイロ信号をデ
ジタル信号に変換して慣性誘導計算機13に出力する。
この慣性誘導計算機13は、初回燃焼終了後、慣性セン
サ・ユニット12からの姿勢情報及びデータ・インタフ
ェース・ユニット15からのレート・ジャイロ信号に基
づいて姿勢異常の有無を検出し、異常が無ければ所定の
シーケンスに従ってエンジン点火信号をデータ・インタ
フェース・ユニット15に出力する。このデータ・イン
タフェース・ユニット15は、慣性誘導計算機13から
のエンジン点火信号をアナログ信号に変換して機体/エ
ンジン部11に出力する。また、上記慣性誘導計算機1
3は、姿勢情報及びレート・ジャイロ信号から姿勢異常
を検出すると、エンジン点火信号の出力を中止する。こ
の再着火中止処理を行なった場合、再着火後に計画され
ているシーケンス例えば衛星分離は実行される。 【0010】次に上記実施例の動作を説明する。2段式
エンジンのロケットが打ち上げられ、初回燃焼を終了す
ると、ロケット即ち図2に示す機体11aは、楕円軌道
に投入される。このとき慣性センサ・ユニット12によ
り機体姿勢が検出され、その姿勢情報が慣性誘導計算機
13へ送られる。また、レート・ジャイロ14により機
体角速度が検出され、レート・ジャイロ信号がデータ・
インタフェース・ユニット15によりデジタル信号に変
換されて慣性誘導計算機13へ送られる。この慣性誘導
計算機13は、上記姿勢情報及びレート・ジャイロ信号
に基づいて図3のフローチャートに示す処理を実行す
る。 【0011】慣性誘導計算機13は、ステップA1 に示
すように上記姿勢情報及びレート・ジャイロ信号を取り
込み、ステップA2 において次に示す姿勢異常の検出を
行なう。即ち、 .慣性センサ・ユニット12からの姿勢情報のリミッ
ト・チェック .慣性センサ・ユニット12からの姿勢情報とレート
・ジャイロ14からのレート・ジャイロ信号との相対比
較を行ない、図2に示すように姿勢基準に対する機体姿
勢との角度θB 、及び目標姿勢との角度θG を求め、正
常範囲内か否かのチェック .姿勢角誤差計算結果のリミット・チェックを行な
う。そして、上記ステップA3 において、上記〜の
何れかの方法で異常が検出されたか否かを判定し、異常
がない場合には所定のシーケンスに従ってエンジン点火
信号をデータ・インタフェース・ユニット15に出力す
る。このデータ・インタフェース・ユニット15は、慣
性誘導計算機13からのエンジン点火信号をアナログ信
号に変換して機体/エンジン部11に出力する。 【0012】また、上記ステップA3 で異常有りと判定
された場合は、ステップA4 に示すようにデータ・イン
タフェース・ユニット15へのエンジン点火信号の出力
を中止する。ロケットが楕円軌道に投入されている状態
で、エンジンの再着火を中止した場合、ロケットはその
軌道上を飛行し続ける。そして、上記再着火中止処置を
行なった場合、ロケットが楕円軌道上を飛行している状
態で、再着火後に計画されている例えば衛星分離等のシ
ーケンスが実行される。 【0013】 【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、2
段式ロケットエンジンを初回燃焼と再着火燃焼の2回に
分けて燃焼させる方式を用いて衛星を所望の軌道に投入
する場合、再着火前の慣性飛行中、レート・ジャイロ信
号及び姿勢情報に基づいて姿勢異常の有無を検出し、姿
勢異常が検出された場合にエンジン再着火信号の出力を
禁止するようにしたので、搭載機器の故障等により姿勢
異常が発生した際の再着火燃焼によるロケットの地上落
下の発生確率を大幅に下げることができる。 【0014】また、ロケット自身で異常故障診断及び処
置を行なうので、地上側からのロケットに対する指令等
は一切不要であり、運用上の影響が生じないという利点
もある。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例に係るロケット制御装置の構
成を示すブロック図。 【図2】同実施例におけるロケットの姿勢状態を示す
図。 【図3】同実施例の動作を説明するフローチャート。 【符号の説明】 11 機体/エンジン部 12 慣性センサ・ユニット 13 慣性誘導計算機 14 レート・ジャイロ 15 データ・インタフェース・ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−88397(JP,A) 特開 平1−306397(JP,A) 特開 平4−222400(JP,A) 特開 平6−11298(JP,A) 特開 平6−94399(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B64G 1/24 B64C 17/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 2段式ロケットエンジンを初回燃焼と再
    着火燃焼の2回に分けて燃焼させる方式を用いて衛星を
    所望の軌道に投入するロケット制御装置において、エン
    ジン再着火前の慣性飛行中、レート・ジャイロ出力信号
    及び姿勢センサ出力信号に基づいて姿勢異常の有無を検
    出する姿勢異常検出手段と、この手段により姿勢異常が
    検出されなかった場合は所定のシーケンスに従ってエン
    ジン点火信号を出力し、姿勢異常信号が検出された場合
    は上記エンジン点火信号の出力を中止する制御手段とを
    具備したことを特徴とするロケット制御装置。
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WO2022116652A1 (zh) * 2020-12-02 2022-06-09 西安航天动力研究所 液体火箭发动机冲击载荷结构响应预示方法
CN114035422B (zh) * 2021-10-09 2023-07-28 北京控制工程研究所 一种基于多源信息的异构陀螺故障定位及处理方法

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