JP3523741B2 - 電解質成分分析装置 - Google Patents

電解質成分分析装置

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JP3523741B2 JP03967196A JP3967196A JP3523741B2 JP 3523741 B2 JP3523741 B2 JP 3523741B2 JP 03967196 A JP03967196 A JP 03967196A JP 3967196 A JP3967196 A JP 3967196A JP 3523741 B2 JP3523741 B2 JP 3523741B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血清や尿等の試料
液に含まれる複数種の電解質成分を定量分析する電解質
成分分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血清や尿等の試料液に含まれる複数種の
電解質成分(例えばNa(ナトリウム)イオン、K(カ
リウム)イオン、Cl(塩素)イオン等)を定量分析す
る手段として、イオン選択性電極を用いた電解質成分分
析装置が従来から知られている。この種の電解質成分分
析装置は試料液が流入する測定セル内に複数種のイオン
選択性電極と参照電極を有しており、これらのイオン選
択性電極と参照電極との電位差を測定して各成分の電解
質濃度を求めるようになっている。
【0003】ところで、このような電解質成分分析装置
により得られた各成分の分析データには、たとえば試料
液の希釈に起因する誤差や電極の劣化に起因する誤差あ
るいは外来ノイズに起因する誤差などが含まれており、
装置の分析精度を低下させる要因となっている。
【0004】電極の劣化による異常を検知する方法とし
ては、たとえばイオン選択性電極と参照電極との電位差
の時間に対する傾きを求め、この傾きを予め設定した値
と比較して異常を検知する方法(特開昭60−1642
44号)などが提案されており、また電極の劣化以外に
よる異常を検知する方法としては、電極間のインピーダ
ンスを測定して流路内における気泡の存在を推定する方
法(特開昭61−173150号)などが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は特定の原因に対してのみ有効であり、汎用性に
欠けるという難点がある。また、この種の分析装置には
分析精度の試験機能として、試料を連続して分析し、標
準偏差等の統計値を自動的に計算して表示する方法があ
るが、そのデータ解析には上述したように多くの誤差要
因が関与していることから、問題解決には熟練を要す
る。このため、分析精度上の問題に直面したときには、
オペレータが試行錯誤により疑わしい部品の交換や保守
を行なうため、原因にたどり着くまでに多くの時間を浪
費していた。
【0006】本発明は上記のような問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的は分析精度上の不良が生じた場合
に原因箇所の推定に役立つ情報や、その処置に関する情
報を得ることのできる電解質成分分析装置を提供せんと
するものである。
【0007】
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項に係る発明は、
被測定液に含まれる複数種の電解質成分を複数回定量分
析する定量分析手段と、得られた分析データに基づいて
前記複数種の電解質成分相互の関係を演算するととも
に、得られた分析データに基づき装置の状態を診断する
データ処理手段と、このデータ処理手段による診断結果
を告知する告知手段とを具備したことを特徴とするもの
である。請求項に係る発明は、請求項に係る発明に
おいて、前記被測定液が、試料液と標準液であることを
特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る
電解質成分分析装置の概略構成図であり、図中1は希釈
容器を示している。この希釈容器1は血清等の試料液2
を希釈液3で希釈するためのものであり、希釈液3で希
釈された試料液2は排液ポンプ8によりサンプル供給管
4を流通して測定セル5内に流入するようになってい
る。
【0010】前記測定セル5は血清等の試料液に含まれ
るNaイオンやKイオン等の電解質濃度を測定するため
のものであり、この測定セル5の内部にはNaイオン選
択性電極6a、Kイオン選択性電極6b、Clイオン選
択性電極6cおよび参照電極6dが設けられている。
【0011】なお、測定セル5内に流入した試料液2は
測定セル5内でイオン選択性電極6a,6b,6cと参
照電極6dとの間に排液管7を介して接続された排液ポ
ンプ8により排液絶縁部9に送られ、この排液絶縁部9
から測定系外へ排出されるようになっている。
【0012】前記Naイオン選択性電極6a、Kイオン
選択性電極6b、Clイオン選択性電極6cおよび参照
電極6dは電圧信号変換部10に接続されており、Na
イオン選択性電極6a、Kイオン選択性電極6bおよび
Clイオン選択性電極6cと参照電極6dとの間で発生
した電位差は、電圧信号変換部10で電圧信号に変換さ
れ、さらにA/D変換部11でデジタル信号に変換され
た後、データ処理手段25の演算部12に供給されるよ
うになっている。
【0013】前記演算部12はA/D変換部11からの
信号に基づいてNa、KおよびClの電解質濃度を下記
に示す式(1)に基づいて演算するものであり、この演
算部12の演算結果は記憶部13に格納されると共に表
示部14に表示され、さらに必要に応じてプリンタ部1
5から出力されるようになっている。
【0014】
【数1】
【0015】表1は演算部12により得られた分析デー
タの一例を示しており、同表から推察されるように、演
算部12は試料液2に含まれるNa、KおよびClの電
解質濃度を求めた後、その平均値と標準偏差およびCV
値を求めるようになっている。
【0016】
【表1】
【0017】なお、図1中16は試料液2を希釈容器1
に分注する試料分注器、17は希釈液3を希釈容器1に
分注する希釈液分注器、18は希釈容器1に分注された
試料液2と希釈液3を撹拌する撹拌機、19は標準液、
20は希釈容器1に標準液19を分注する標準液分注
器、21は参照電極液、22は測定セル5内に参照電極
液21を供給するための給液ポンプ、23は恒温槽を示
している。
【0018】前記記憶部13には、データ処理手段とし
ての自己診断部24が接続されている。この自己診断部
24は記憶部13に格納された分析データから装置の状
態をオペレータが適宜自己診断させるものであり、図2
に示すフローチャートに基づいて装置の状態を自己診断
するように構成されている。
【0019】すなわち、オペレータがキーボード等の入
力装置(図示せず)から自己診断部24に自己診断指令
を入力すると、自己診断部24は記憶部13に格納され
た同一試料におけるNa、KおよびClの分析データを
読み出し、K/Na、Cl/NaおよびCl/Kの相関
係数γ1 ,γ2 ,γ3 と相関傾きm1 ,m2 ,m3 を下
記に示す式(2)及び(3)に基づいて演算し、その演
算結果を表示手段としてのCRT14に表示させる(ス
テップST1)。
【0020】
【数2】
【0021】ここで、K/Naの相関演算を行なうとき
には、自己診断部24はNaの分析データをxi、Kの
分析データをyiとして相関演算を行なう。また、Cl
/Kの相関演算を行なうときには、自己診断部24はK
の分析データをxi、Clの分析データをyiとして相
関演算を行ない、Cl/Naの相関演算を行なうときに
はNaの分析データをxi、Clの分析データをyiと
して相関演算を行なう。
【0022】なお、相関傾きmは式(3)で求めること
が望ましいが、下記に示す式(4)〜(6)で近似して
も良い。 m=γ×σy /σx ……(4) m=σy /(σx ×γ) ……(5) m=σy /σx ……(6) 次に、自己診断部24はステップST1で得られたK/
Na、Cl/NaおよびCl/Kの相関係数γ1 ,γ2
,γ3 の絶対値を設定値(例えば0.5)と比較し、
相関係数γ1 ,γ2 ,γ3 の絶対値が設定値より大きい
か否かを判定する(ステップST2)。そして、相関係
数γ1 ,γ2 ,γ3 の絶対値が設定値より大きくない場
合には、自己診断部24はデータ間に相関がないと判断
し、その旨をCRT14に表示し、さらに診断結果に対
する処置の内容(図3参照)をCRT14に表示する
(ステップST3)。
【0023】また、相関係数γ1 ,γ2 ,γ3 の絶対値
が設定値より大きい場合には、自己診断部24は相関係
数γ1 ,γ2 ,γ3 が正の値であるか否かを判定する
(ステップST4)。そして、相関係数γ1 ,γ2 ,γ
3 が正の値である場合には、自己診断部24はステップ
ST1で得られた相関傾きm1 ,m2 ,m3 が1に近い
値であるか否かを判定する(ステップST5)。
【0024】ここで、相関傾きm1 ,m2 ,m3 が1に
近い値である場合には、自己診断部24はサンプルの希
釈系に問題があると判断し、その旨をCRT14に表示
し、さらに診断結果に対する処置の内容(図3参照)を
CRT14に表示する(ステップST6)。また、相関
傾きm1 ,m2 ,m3 が1に近い値でない場合には、自
己診断部24は恒温、温度補正系に問題があると判断
し、その旨をCRT14に表示し、さらに診断結果に対
する処置の内容(図3参照)をCRT14に表示する
(ステップST7)。
【0025】一方、K/Na、Cl/NaおよびCl/
Kの相関係数γ1 ,γ2 ,γ3 が正の値でない場合に
は、自己診断部24はK/Naの相関係数γ1 が正の値
で且つCl/NaおよびCl/Kの相関係数γ2 ,γ3
が負の値であるか否かを判定する(ステップST8)。
そして、相関係数γ1 が正の値で且つ相関係数γ2 ,γ
3 が負の値でない場合には、自己診断部24はNaイオ
ン選択性電極6a、Kイオン選択性電極6bおよびCl
イオン選択性電極6cに問題があると判断し、その旨を
CRT14に表示し、さらに診断結果に対する処置の内
容(図3参照)をCRT14に表示する(ステップST
9)。
【0026】また、相関係数γ1 が正の値で且つ相関係
数γ2 ,γ3 が負の値である場合には、自己診断部24
は相関傾きm1 ,m2 ,m3 の絶対値が1に近い値であ
るか否かを判定する(ステップST10)。ここで、相
関傾きm1 ,m2 ,m3 の絶対値が1に近い値である場
合には、自己診断部24は参照電極6dまたは排液絶縁
部9に問題があると判断し、その旨をCRT14に表示
し、さらに診断結果に対する処置の内容(図3参照)を
CRT14に表示する(ステップST11)。
【0027】また、相関傾きm1 ,m2 ,m3 の絶対値
が1に近い値でない場合には、自己診断部24はNaイ
オン選択性電極6a、Kイオン選択性電極6bおよびC
lイオン選択性電極6cに外来ノイズが乗っていると判
断し、その旨をCRT14に表示し、さらに診断結果に
対する処置の内容(図3参照)をCRT14に表示する
(ステップST12)。
【0028】ところで、表1に示したNa、KおよびC
lの分析データを式(2)及び(3)に基づいて相関演
算すると、K/Na、Cl/NaおよびCl/Kの相関
係数と相関傾きは表2に示すような値となり、この表2
から相関係数の値がいずれの組合せでも+1に近く、3
つの成分間で正の相関がかなり高いことがわかる。
【0029】
【表2】
【0030】 また、表1に示した分析データからK/Na、Cl/N
aおよびCl/Kの相関図を作成すると、図4に示すよ
うな相関図となり、この図4からK/Na、Cl/Na
およびCl/Kに正の相関があることが理解できる。
【0031】表2に示した相関傾きmはNa、Kおよび
Clのデータ平均値が大きく異なっているため、直接評
価できる数値ではない。相関傾きmを相互に評価できる
ようにするため、表1の分析データを各データの平均値
で引き、その結果を各平均値で除した数値(以下、規格
化値と称する。)を用いることが望ましい。この規格化
値を式で表すと、次のようになる。
【0032】 規格化値=(分析値−平均値)/平均値 …… (7) 表1に示した分析データを式(7)により規格化した数
値を表3に示し、表3に示した規格化値を用いて相関演
算を行なった結果を表4に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】 表4に示すように、相関係数は表2のものと同じ値であ
るが、相関傾きは1に近い値となっている。これは相関
演算で用いた値が無次元数であるため、相互の比較が可
能になる。
【0036】ところで、このような電解質成分分析装置
において希釈系に異常がある場合は、その分析結果が例
えば表5に示すような値となる。この表5に示された各
成分の分析データを式(2)及び(3)で相関演算した
結果を表6に示し、またその相関図を図5に示す。
【0037】
【表5】
【0038】 表5に示した分析結果だけではデータの同時再現性が悪
いことしか判らないが、成分間の相関を図5のような相
関図として表示したり、あるいは表6に示すような相関
係数および相関傾きの値を求めることにより異常の特徴
が鮮明となる。すなわち、希釈系に異常がある場合はK
/Na、Cl/NaおよびCl/Kの相関が正の相関と
なっていることが図5の相関図からわかり、また表6か
らはK/Na、Cl/NaおよびCl/Kの相関係数が
+1に近い値となり、かつK/Na、Cl/Naおよび
Cl/Kの相関傾きも+1に近い値となることがわか
る。これにより試料液2に含まれるK、NaおよびCl
がともに共通して同じ割合だけ影響を受けているので、
データの誤差要因が希釈系にあることが推察される。一
方、電気測定系に異常がある場合は、その分析結果が例
えば表7に示すような値となる。
【0039】
【表6】 表7に示された各成分の分析データを相関演算した結果
を表8に、またその相関図を図6に示す。
【0040】
【表7】
【0041】図6に示すように、電気測定系に異常があ
る場合には、Cl/NaおよびCl/Kの相関は負の相
関となることがわかる。また、表8からはK/Naの相
関傾きは+1に近い値であるが、Cl/NaおよびCl
/Kの相関傾きは−1に近い値でないことがわかり、さ
らに相関傾きの大きさで外乱の影響の受け易さを推察で
きる。
【0042】従って、表8に示す値からKおよびNaが
同程度の電気的影響を受けていることがわかり、またC
lはその半分しか影響を受けていないことがわかる。こ
のことから電極インピーダンスが比較的低いClは電気
的影響が少ないため、静電ノイズの可能性が高いことが
推測でき、参照電極にノイズが乗っている場合(測定セ
ル内に気泡が存在する場合に該当)には、相関傾きに差
が出ない。よって、K/Na、Cl/NaおよびCl/
Kの相関傾きを比較することにより、同じ電気的ノイズ
であっても原因の発生場所が違うことが推察できる。
【0043】また、温度変動により分析データの精度が
悪化している場合には、各電極の温度係数に対応した変
化が相関係数と相関傾きに現れるので、相関係数と相関
傾きの値から温度変動の影響を受けている電極を推察で
きる。
【0044】分析データの誤差要因と相関係数および相
関傾きとの関係を図7および図8に示す。すなわち、図
7および図8に示すような関係を照合させることによ
り、オペレータまたは分析装置が相関係数および相関傾
きから誤差要因を診断できる。オペレータが診断するた
めには、CRT14またはプリンタ部15が相関演算部
12からの相関演算結果を印刷したり、画面出力して表
示を行ない、この表示内容を見ながらオペレータが図7
および図8の関係に一致する誤差要因を検索すればよ
い。また、分析装置による自己診断は、記憶部13に記
憶された相関演算部12からの相関演算結果に基づい
て、例えば図2で示したようなフローチャートに沿って
誤差要因を絞り込むことによって達成される。ここで、
自己診断による診断結果は、オペレータに告知されるの
が好ましい。すなわち、表示手段としてのCRT14ま
たはプリンタ部15により表示されるか、場合によって
は、誤差要因の有無または要因の種類を、1種類以上の
音からなるブザーまたは1種類以上の光からなるランプ
若しくは音声等によって選択的に警報すれば、オペレー
タの告知が実行される。
【0045】図7および図8から明らかなように、K/
Na、Cl/NaおよびCl/Kの相関係数と相関傾き
が全て1に近い値である場合には、試料の希釈系に問題
があることがわかる。
【0046】また、K/Na、Cl/NaおよびCl/
Kの相関係数が全て1に近い値であってK/Na、Cl
/NaおよびCl/Kの相関傾きが全て1に近い値でな
い場合には、データの誤差要因が温度変動にあることが
わかる。
【0047】さらに、K/Naの相関係数が正の値であ
ってCl/NaおよびCl/Kの相関係数が負の値であ
り、且つK/Na、Cl/NaおよびCl/Kの相関傾
きの絶対値が全て1に近い値である場合には、データの
誤差要因が、電気測定系、特に参照電極の不良または廃
液絶縁系の不良によるものであることがわかる。
【0048】また、K/Naの相関係数が正の値でCl
/NaおよびCl/Kの相関係数がが負の値であり、且
つK/Na、Cl/NaおよびCl/Kの相関傾きの絶
対値が全て1に近い値でない場合には、データの誤差要
因が、電気測定系、特に静電ノイズによるものであるこ
とがわかる。
【0049】また、特定種の電極の測定結果が大きくば
らつく場合には、その特定種を含んだ相関は0に近くな
るため、データの誤差要因がその種の電極の劣化による
ものであることがわかる。
【0050】このように本発明の一実施形態では、キー
ボード等の入力装置から自己診断指令が入力されると、
自己診断部24が記憶部13に格納されたNa、Kおよ
びClの分析データを読み出し、これらデータ間の相関
演算を行ない、その演算結果に基づいて装置の状態を自
己診断するので、分析精度上の不良が生じた場合に原因
箇所の推定に役立つ情報や、その処置に関する情報を容
易に得ることができる。
【0051】なお、本発明は上述した一実施形態に限定
されるものではなく、種々の変形実施が可能であること
は勿論である。例えば、上述した実施形態では、設定値
を0.5としていたが、設定値は特に限定されないの
で、0.3にしたり、あるいは0.7にしたりする等、
オペレータが適宜設定を変更することができる。
【0052】また、イオン選択性電極は必ずしもNaイ
オン選択性電極6a、Kイオン選択性電極6bおよびC
lイオン選択性電極6cのように3本に限定されるもの
ではなく、少なくとも2本以上あれば相互の組合せが1
種類は可能である。
【0053】なお、イオン選択性電極が2種類の場合で
も装置の診断は可能であるが、3種類以上のイオン選択
性電極の組合せのほうが精度が良い。さらに、例えばN
aイオン、Kイオン、Clイオン、Li(リチウム)イ
オンのようにイオン選択性電極が4本の場合は、その組
合せが多くなるので、適宜必要な相関の組合せを行なう
ことにより、装置の診断が行なえる。
【0054】また、上述した実施形態では相関演算する
ためのデータとして、試料液と標準液とによる分析デー
タを使用したので、電解質測定に重要な希釈誤差と電気
測定系の両方を診断できる。しかも、電気測定系につい
ては、誤差要因の種類までも診断できる。また、正常値
を予め設定したり、正常試料を測定する必要もないの
で、装置構成や制御方式を簡単にできる。
【0055】また、本発明は、試験的な精度不良の確認
を行なった後にのみ実施されるのではなく、必要ならば
試験的な精度不良の確認とは別に随時または定期的に実
施されても構わない。また、上述した実施形態では、同
一の試料を標準液とともに交互に夫々10回測定し、式
(1)に代入して得た10個の分析データを利用して相
関演算しているが、測定回数を3回以上、実用上4〜2
0回、好ましくは7〜15回の中から適宜選択しても構
わない。被測定液としては、試料液と標準液の組合せに
限らず、例えば未知濃度または既知濃度の第2の標準液
と本来の標準液との組合せでもよい。また、図2に示し
たフローチャートは、図7および図8に示した誤差要因
のいずれかが主な要因として誤差をもたらしている場合
であって、必要ならば、フローチャートの順番を変えた
り、判断項目を新設、変更または削除してもよい。
【0056】また、上述した実施形態では、被測定液を
測定セル5内に送液し、この測定セル5内に設けられた
Naイオン選択性電極6a、Kイオン選択性電極6b、
Clイオン選択性電極6cおよび参照電極6dで被測定
液の分析データを得るようにしたが、例えば希釈容器内
の被測定液にNaイオン選択性電極6a、Kイオン選択
性電極6b、Clイオン選択性電極6cおよび参照電極
6dを浸漬して被測定液の分析データを得るようにして
もよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、分
析精度上の不良が生じた場合に原因箇所の推定に役立つ
情報や、その処置に関する情報を得ることのできる電解
質成分分析装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電解質成分分析装置
の概略構成図。
【図2】同実施形態に係る電解質成分分析装置の作用を
説明するためのフローチャート。
【図3】同実施形態に係る電解質成分分析装置のCRT
に表示される診断結果と処置内容を示す図。
【図4】カリウム対ナトリウム、塩素対ナトリウムおよ
び塩素対カリウムの相関を示す図。
【図5】試料の希釈系に誤差要因がある場合のカリウム
対ナトリウム、塩素対ナトリウムおよび塩素対カリウム
の相関を示す図。
【図6】電気測定系に誤差要因がある場合のカリウム対
ナトリウム、塩素対ナトリウムおよび塩素対カリウムの
相関を示す図。
【図7】分析データの誤差要因と相関係数および相関傾
きとの関係を示す図。
【図8】分析データの誤差要因と相関係数および相関傾
きとの関係を示す図。
【符号の説明】
1…希釈容器 5…測定セル 6a…Naイオン選択性電極 6b…Kイオン選択性電極 6c…Clイオン選択性電極 6d…参照電極 10…電圧信号変換部 12…演算部 13…記憶部 14…CRT 24…自己診断部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定液に含まれる複数種の電解質成分を
    複数回定量分析する定量分析手段と、 得られた分析データに基づいて前記複数種の電解質成分
    相互の関係を演算するとともに、得られた分析データに
    基づき装置の状態を診断するデータ処理手段と、 このデータ処理手段による診断結果を告知する告知手段
    とを具備したことを特徴とする電解質成分分析装置。
  2. 【請求項2】前記被測定液が、試料液と標準液である請
    求項1記載の電解質成分分析装置。
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