JP3522780B2 - 摩擦材 - Google Patents

摩擦材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクラッチフェ−ジングや
ブレ−キパッド等に用いられる摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】アスベストの人体への悪影響が公知とな
ってからは、摩擦材におけるアスベストの使用が規制さ
れている。そこで、近年、炭素繊維を用いた摩擦材が開
発されている。炭素繊維を用いた摩擦材は、耐フェ−ド
性に優れ、特に高速回転域で使用される摩擦材として有
望であり、しかも軽量化にも有利である。
【0003】ところで、従来より、炭素繊維を用いた摩
擦材としては次の様なものが開示されている。即ち、特
開平3−194227号公報には、樹脂を含浸した炭素
繊維フィラメント束を短く切断したプリプレグを用い、
そのプリプレグを雌型のキャビティに装填した状態で、
雌型に雄型を嵌入することにより、炭素繊維を摩擦面に
対して角度をもって流動配向させ、その状態でプリプレ
グを型成形した成形品を用いた摩擦材が開示されてい
る。
【0004】また特開昭58−30537号公報には、
長い繊維を摩擦面と平行に配向すると共に、炭素短繊維
を摩擦面に対してランダムな向きに配向したブレーキデ
ィスクが開示されている。また特開昭58−29850
号公報には、炭素繊維チップとフェノール樹脂とを混合
した混合材を押出機で線状に押出し、この線材を渦巻き
状に巻き、型成形した摩擦材が開示されている。
【0005】ところで、炭素繊維は自己潤滑性をもつの
で、炭素系部材同士を摺動させない限り、摩擦係数が低
下する。そこで、特開平3−288029号公報に開示
されている様に、高摩擦係数化のために、セラミックス
粒子を分散させた炭素系摩擦材も開発されているが、セ
ラミックス粒子を均一に分散せねばならず、工程、価格
の面でも不利である。また、高摩擦係数化が行われてい
ない炭素系摩擦材では、相手材も炭素系に限られ、実用
化の妨げとなっている。かかる点から、相手材が炭素系
以外の鉄系等の金属の場合にも適用でき、高摩擦係数が
得られる摩擦材が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した実情
に鑑みなされたものであり、炭素長繊維及び炭素短繊維
を含む炭素繊維系撚紐を用いることにより、炭素繊維の
利点を生かしつつ、高摩擦係数化、摩擦係数の安定化を
図り得る摩擦材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦材は、基材
繊維束に結合剤を含浸させたのち型成形した摩擦材であ
って、基材繊維束は少なくとも炭素長繊維と炭素短繊維
とを含む撚紐で構成されていることを特徴とするもので
ある。長繊維とは所定長さ連続する繊維をいう。短繊維
とは長繊維よりも短いものをいい、例えば長さ1〜50
mm程度のものを採用できる。炭素長繊維は、バースト
強度の向上にも寄与するが、多すぎると炭素短繊維の割
合が減り、結合剤の含浸性が低下し、耐フェード性が著
しく低下する。従って、基材繊維束に占める炭素長繊維
の割合は、基材繊維束全体を100重量%としたとき、
例えば20〜80重量%にできる。但し、これに限定さ
れるものではない。
【0008】摩擦材全体の体積を100体積%としたと
き、基材繊維束が20〜80体積%、樹脂が5〜25体
積%、残部がSBR、カーボンブラック、添加剤からな
る構成にできる。ここで樹脂率を高くすると樹脂のガス
化が増し、耐フェード性が低下する。逆に基材繊維が多
ければ耐摩耗性、バースト強度が向上するが、多すぎる
と摩擦材にそりが発生し易くなるとともに基材繊維束間
のクラック発生を招く。
【0009】基材繊維束を構成する撚紐は、撚り数が5
0回/m〜200回/m、みかけの径が3.5mm以
下、重量が1.5g/m以下に撚られているものを採用
できる。ここで径や重量が大きすぎると樹脂含浸性が低
下する。また、径が細い方が、撚り角が同じでも撚りピ
ッチが短くなるので、摩擦面に対して立つ向きに配向す
る繊維の割合が増し、少ない撚り数で済む。
【0010】本発明に係る摩擦材では、撚紐を構成する
長繊維や短繊維として、炭素繊維の他にレーヨン等の有
機繊維、黄銅線等の無機繊維を添加することもできる。
【0011】
【作用】本発明に係る摩擦材では、撚紐を構成する炭素
長繊維及び炭素短繊維が、摩擦面に対して立つ向きに配
向する割合が多くなるので、高摩擦係数化に貢献でき
る。一般的には、撚数が多いと、撚紐を構成する繊維が
摩擦面に対して立つ向きに配向する割合が増し、高摩擦
係数化、摩擦係数の安定化に寄与できる。但し、撚数が
多すぎると、撚紐の密度が高くなりすぎ、結合剤の含浸
性が低下する傾向にある。
【0012】本発明に係る摩擦材では、撚紐を構成する
繊維の径を小さくすれば、前述した様に、撚り角が同じ
でも、撚りピッチが小さくなるので、摩擦面に対して立
つ向きに配向する繊維の割合が増すことを期待できる。
また本発明に係る摩擦材では、撚紐は炭素長繊維の他に
炭素短繊維を含むので、基材繊維束の空隙が確保され易
くなり、樹脂等の結合剤の含浸性が確保され、結合剤が
奥方まで含浸し易い。この意味でも、摩擦係数の安定化
に寄与できる。また、繊維径を小さくすれば、樹脂等の
結合剤の含浸性が一層確保される。
【0013】更に本発明に係る摩擦材では、炭素短繊維
の保持性は、樹脂等の結合剤による他に、炭素長繊維に
よっても得られるので、炭素短繊維の分離、脱離が規制
される。
【0014】
【実施例】摩擦材としてのクラッチフェーシングに適用
した実施例を、試験例に基づき説明する。 (試験例1)以下、試験例1を説明する。炭素長繊維1
(東レ株式会社、トレカ Tー300)の1本と、炭素
短繊維2(大阪ガス、ドナカーボS210、長さ30〜
40mm)を綿状にした紡績糸3の4本とを用い、これ
らを図2に示す様に撚り合せ、1本の撚紐4とする。こ
こで、炭素長繊維1は、引張強度360kg/mm2
弾性率23500kg/mm2 、伸び1.5%である。
なお弾性率は引張弾性率を意味する。炭素短繊維2は、
引張強度80kg/mm2 、弾性率4000kg/mm
2 、伸び2%である。撚紐4は、撚糸条件が撚数90回
/m程度、みかけ太さ(引張をかけない状態での太さ)
が直径1.5mm、重量が0.6g/mである。撚紐4
に含まれる長繊維1の割合は、基材繊維を100重量%
としたとき、30重量%である。
【0015】そしてその撚紐4を基材繊維として用い、
その撚紐4に結合剤としてフェノ−ル樹脂を含浸後、1
00°Cで5分間硬化させる。その後、SBR、カーボ
ンブラック、BaSO4 を含む有機溶媒(トルエン)に
含浸し、100°Cで10分間硬化させる。そして、そ
の撚紐4をスパイラル状に多重に巻き取り、穴開き円板
状の巻取品を形成する。
【0016】更に、上記した巻取品を、型温が160
℃、圧縮面圧が100kg/cm2 に設定された熱成形
型のキャビティに配置し、5分間保持して、加熱成形
後、研磨して摩擦面を形成し、試験例1に係るクラッチ
フェーシングを得る。このクラッチフェーシングを図8
に示す。図8に示す様にクラッチフェーシングは円形リ
ング状をなし、摩擦面5をもつ。
【0017】なお、試験例1に係るクラッチフェーシン
グの組成は、クラッチフェーシング全体を100体積%
としたとき、基材繊維30体積%、フェノ−ル樹脂10
体積%、その他がSBR、カーボンブラック、BaSO
4 である。なおクラッチフェーシング中の樹脂率が高い
と、摩擦時に樹脂のガス化が進み、耐フェード性が低下
する傾向にあり、逆に、基材繊維の割合が多過ぎると、
クラッチフェーシングにそりが発生し易くなると共に、
繊維間のクラックを招来する傾向にある。
【0018】(試験例2)試験例1で用いたのと同様の
炭素長繊維1と炭素短繊維2を用いる。そして、図3に
示す様に、短繊維2を紡績する際に、短繊維2の中央寄
りに長繊維1を芯糸として合糸し、原糸6とした。この
原糸6を2本撚り合わせることで、長繊維2本と短繊維
2本とからなる撚紐7を得る。
【0019】ここで、撚紐7は、撚糸条件が撚数100
回/m程度、みかけ太さが直径2.0mm、重量が1.
0g/mである。撚紐7に含まれる長繊維の割合は、6
0重量%である。そしてその撚紐7を基材繊維として用
い、試験例1と同様な手順で、試験例2に係るクラッチ
フェーシングを得る。試験例2に係るクラッチフェーシ
ングの組成は、基材繊維40体積%、フェノ−ル樹脂1
2体積%、その他がSBR、カーボンブラック、BaS
4 である。
【0020】(試験例3)試験例1で用いた炭素長繊維
1を用いると共に、炭素短繊維2とレーヨン短繊維(3
0〜40mm)とを混紡した紡績糸8を用いる。そし
て、図4に示す様に、長繊維1の3本と、紡績糸8の4
本とを撚り、撚紐9とする。撚り紐は、長繊維3本がま
とまったものが1本と、短繊維4本とが組紐となってい
る。ここで、撚紐9は、撚糸条件が撚数110回/m程
度、みかけ太さが直径3.2mm、重量が1.3g/m
である。基材繊維を100重量%としたとき、撚紐9に
含まれる長繊維1の割合は、50重量%、レーヨンの割
合は5重量%である。
【0021】そしてその撚紐9を基材繊維として用い、
試験例1と同様な手順で、試験例3に係るクラッチフェ
ーシングを得る。この例では、レーヨン繊維が含まれて
いるので、炭素繊維と樹脂とのなじみ性がよくなり、撚
紐9への樹脂含浸性が一層向上する。試験例3に係るク
ラッチフェーシングの組成は、基材繊維(レーヨン短繊
維も含む)30体積%、フェノ−ル樹脂10体積%、そ
の他がSBR、カーボンブラック、BaSO4 である。
【0022】(試験例4)試験例1で用いたのと同様の
撚紐4を基材繊維として用い、試験例1と同様な手順
で、試験例4に係るクラッチフェーシングを得る。但
し、試験例4に係るクラッチフェーシングの組成は、基
材繊維60体積%、フェノ−ル樹脂18体積%、その他
がSBR、カーボンブラック、BaSO4 である。な
お、この例では、クラッチフェーシングに占める基材繊
維の割合が多いため、クラッチフェーシングのそりが若
干認められる。
【0023】(試験例5)試験例1で用いたのと同様の
炭素長繊維1と、炭素短繊維2を綿状にした紡績糸3と
を用いる。そして、図5に示す様に、1本の長繊維1を
撚らずに芯糸とし、その長繊維1の回りに、2本の紡績
糸3を撚り合わせることで、撚紐11を得る。
【0024】ここで、撚紐11は、撚糸条件が撚数16
0回/m程度、みかけ太さが直径2.6mm、重量が
1.4g/mである。撚紐11に含まれる長繊維の割合
は、15重量%である。なお長繊維1は撚られていない
ため、添加率は低い。そしてその撚紐11を基材繊維と
して用い、試験例1と同様な手順で、試験例5に係るク
ラッチフェーシングを得る。試験例5に係るクラッチフ
ェーシングの組成は、基材繊維30体積%、フェノ−ル
樹脂10体積%、その他がSBR、カーボンブラック、
BaSO4 である。
【0025】(試験例6)試験例1で用いたのと同様の
撚紐4を基材繊維として用い、試験例1と同様な手順
で、試験例6に係るクラッチフェーシングを得る。但
し、試験例6に係るクラッチフェーシングの組成は、樹
脂率が高く、基材繊維30体積%、フェノ−ル樹脂24
体積%、その他がSBR、カーボンブラック、BaSO
4 である。 (比較例1)試験例1で用いた炭素短繊維2(大阪ガ
ス、ドナカーボS210、長さ30〜40mm)を綿状
にした紡績糸3を3本を用い、これを図6に示す様に撚
り合せ、1本の撚紐20とする。ここで、撚紐20は、
撚糸条件が撚数160回/m程度、みかけ太さが直径
3.3mm、重量が1.9g/mである。
【0026】そしてその撚紐20を基材繊維として用
い、試験例1と同様な手順で、比較例1に係るクラッチ
フェーシングを得る。比較例1に係るクラッチフェーシ
ングの組成は、基材繊維30体積%、フェノ−ル樹脂1
0体積%、その他がSBR、カーボンブラック、BaS
4 である。 (比較例2)炭素長繊維(新日鉄株式会社、NG−04
C−03K−000)を用い、これを図7に示す様に4
本撚り合せ、1本の撚紐21とする。この炭素長繊維
は、引張強度90kg/mm2 、弾性率5000kg/
mm2 、伸び1.8%である。ここで、撚紐21は、撚
糸条件が撚数200回/m程度、みかけ太さが直径3.
3mm、重量が3.0g/mである。
【0027】そしてその撚紐21を基材繊維として用
い、試験例1と同様な手順で、比較例1に係るクラッチ
フェーシングを得る。比較例1に係るクラッチフェーシ
ングの組成は、基材繊維40体積%、フェノ−ル樹脂1
0体積%、その他がSBR、カーボンブラック、BaS
4 である。 (評価)上記した各例に係るクラッチフェーシングをフ
ルサイズダイナモ試験機に装着し、回転数2500rp
m、イナーシヤ0.12kgf・ms2 、試験温度20
0℃、係合回数2000回の条件で運転して、摩擦係
数、摩耗率を測定する。
【0028】摩耗率(mm3 /kg・m)は、(摩耗体
積/仕事量)=〔(S×t)/{(1/2)・I・w2
・N)}〕で算出する。Sはクラッチフェーシングの面
積(mm2 )、tはクラッチフェーシングの厚さ変化量
(mm)、Iは慣性モーメント(kg・m・s2 )、w
は回転数(rad/s2 )、Nは係合回数(回)を示
す。この試験では、相手材としてはいずれも鋳鉄材(F
C20)を用いる。更に、試験温度200°Cにてクラ
ッチフェーシングを高速回転させ、最高破壊回転数(バ
ースト強度)を測定する。
【0029】試験結果を表1、図1に示す。表1は摩耗
率、バースト強度、摩擦係数の安定度、最低摩擦係数を
試験条件と共に示す。図1は摩擦係数と係合回数との関
係を示す。クラッチフェーシングでは、摩擦係数が高い
方が好ましいが、一般に0.25以上あればよいと考え
られている。
【0030】
【表1】
【0031】表1、図1の特性線に示す様に、試験例1
〜5では、良好な摩擦係数が得られ、摩耗率も小さい。
しかし、炭素短繊維のみからなる撚紐を用いた比較例1
では摩耗率が9.0と大きく、しかも短繊維の分離、脱
離がめだち、更に最低摩擦係数が0.15程度と低い。
また、炭素長繊維のみからなる撚紐を用いた比較例2で
も最低摩擦係数は0.10程度と低い。即ち、比較例
1、2ともに最低摩擦係数は小さく、摩擦係数の安定度
も悪い。
【0032】またバースト強度は、試験例1〜6では引
張強度が大きな炭素長繊維を用いているため、良好であ
るが、比較例1では、バースト強度が9000rpmと
著しく小さい。更に比較例2では、長繊維を用いている
にもかかわらず、バースト強度は11000rpmとあ
まり大きくなく、更に長繊維と樹脂との分離が目立つ。
【0033】この様に本発明に係る試験例において高い
摩擦係数が得られる理由は、炭素長繊維と炭素短繊維と
で形成した撚紐を基材繊維としているため、炭素短繊維
の分離、脱離が規制されると共に、炭素長繊維及び炭素
短繊維が摩擦面に対して立つ向きに配向する割合が増
し、この結果、摩擦面におけるせん断抵抗が増加し、摩
擦係数が高くなると考えられる。
【0034】以上のように、炭素長繊維と炭素短繊維と
で形成された撚紐を用いて基材繊維束を形成すれば、高
摩擦係数が得られ、摩擦係数の安定化も図り得る。特
に、相手材が鉄系金属材(FC20)にも関わらず、こ
のように良好な摩擦磨耗特性が得られる意義は大きい。 (他の試験)さらに、撚紐の撚数がクラッチフェーシン
グの摩擦特性に及ぼす影響を調べるために、試験例1で
用いたクラッチフェーシングにおいて、撚紐を構成する
撚数を90m/回以外に、40m/回、120m/回に
変化させた撚紐を得、試験例1と同様な手順にてクラッ
チフェーシングを形成し、その摩擦特性を調べる。試験
結果を図9に示す。図9の特性線に示す様に、撚数が増
すにつれて最低摩擦係数が高まる。これは、撚紐の増加
に伴い、摩擦面に対する炭素繊維の垂直配向性が高まっ
たことに起因すると考えられる。但し、撚数が多すぎる
と、最低摩擦係数が低下する傾向にある。その理由は、
基材繊維束が高密度化するため樹脂含浸性が低下するた
めと考えられる。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る摩擦材によれば、炭素長繊
維と炭素短繊維とを含む撚紐を用いて基材繊維束を形成
しているので、高摩擦係数が得られ、摩擦係数の安定化
も図り得る。特に、相手材が鉄系等の金属材であって
も、良好な摩擦磨耗特性が得られる。 更に本発明に係
る摩擦材によれば、撚紐を構成する炭素長繊維によりバ
ースト強度も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】係合回数と摩擦係数との関係を示すグラフであ
る。
【図2】試験例1に係る撚紐を示す模式図である。
【図3】試験例2に係る撚紐を示す模式図である。
【図4】試験例3に係る撚紐を示す模式図である。
【図5】試験例5に係る撚紐を示す模式図である。
【図6】比較例1に係る撚紐を示す模式図である。
【図7】比較例2に係る撚紐を示す模式図である。
【図8】クラッチフェーシングの平面図である。
【図9】最低摩擦係数と撚数との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
図中、1は炭素長繊維、2は炭素短繊維、3は紡績糸、
4は撚紐を示す。
フロントページの続き (72)発明者 可児 春伸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 中川 喜照 大阪市中央区平野町4丁目1番2号 大 阪瓦斯株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−247233(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/14 C08J 5/14 F16D 69/00 - 69/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材繊維束に結合剤を含浸させたのち型成
    形した摩擦材であって、 前記基材繊維束は少なくとも炭素長繊維と炭素短繊維と
    を含む撚紐で構成されていることを特徴とする摩擦材。
  2. 【請求項2】基材繊維束全体の重量を100重量%とし
    たとき、炭素長繊維の比率が20〜80重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の摩擦材。
  3. 【請求項3】全体の体積を100体積%としたとき、基
    材繊維束が20〜80体積%、樹脂が5〜25体積%、
    残部がSBR、カーボンブラック、添加剤からなること
    を特徴とする請求項1または2に記載の摩擦材。
  4. 【請求項4】基材繊維束の撚紐は、撚り数が50回/m
    〜200回/m、みかけの径が3.5mm以下、重量が
    1.5g/m以下に撚られていることを特徴とする請求
    項1ないし3に記載の摩擦材。
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