JP3522778B2 - 焼酎残渣の精製濃縮物 - Google Patents
焼酎残渣の精製濃縮物Info
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- Seasonings (AREA)
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Description
蛋白質や糖の含量が高く、飼料、肥料、調味料等として
有用な焼酎残渣の精製濃縮物及びその製造法並びにこれ
を含有する調味料に関する。
穀類、いも類、酒カス等の原料を発酵させて得られた発
酵生産物を単式蒸留機(本格焼酎)又は連続蒸留機(新
式焼酎)で蒸留し、アルコール分を取得することにより
製造されている。そのアルコール分を取得した残部、す
なわち蒸留残渣は特有の悪臭を有すること、ガスが発生
し、腐敗しやすいこと等から有効な利用法が見出せず、
廃棄されている。その廃棄も、悪臭、腐敗の問題がある
ため、通常の廃棄ができず、海洋投棄されているのが現
状である。
等の観点から制限され、また多額の費用を要する等の問
題があった。
て、悪臭の除去や腐敗防止が図られている。その手段と
して多重効用缶による蒸発濃縮法が試みられているが、
かかる方法では水分量が75〜80重量%になるまでし
か濃縮できず、悪臭の除去、腐敗の防止ともに不充分で
あった。また、微生物を利用した活性汚泥法やメタン発
酵法も考えられるが、蒸留残渣のBODが極めて高いた
めそのままでは処理できず、10倍以上に希釈してから
処理する必要があるため、設備面等で問題があり、実用
化に至っていない。また、この方法では処理後の液は希
釈されているため有効利用できず、廃棄量も増大すると
いう欠点があった。
は焼酎残渣より、悪臭がなく、腐敗せず、有効に利用す
ることのできる精製濃縮物を提供することにある。
明者らは焼酎残渣を有効利用すべく鋭意検討した結果、
所定の温度にて加熱処理後吸着剤処理し、さらに所定の
糖度になるまで濃縮することにより、悪臭がなく、腐敗
がおこらず、蛋白及び糖含量が高いため飼料や肥料だけ
でなく調味料として利用することのできる精製濃縮物が
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
の発酵生産物を蒸留して焼酎を分離した残渣を80〜9
5℃に加熱した後固形物を除去し、得られた液を吸着剤
処理した後ブリックス度が25〜50となるように濃縮
することにより得られる焼酎残渣の精製濃縮物、及びそ
の製造法を提供するものである。また、本発明は上記の
如くして得られた精製濃縮物を含有する調味料を提供す
るものである。
発明精製濃縮物」と略す)は、穀類及び/又はいも類の
発酵生産物を蒸留して焼酎を分離した残渣(以下、「蒸
留残渣」と略す)を80〜95℃に加熱した後固形物を
除去し、得られた液を吸着剤処理した後ブリックス度が
25〜50になるように濃縮することによって製造され
る。
/又はいも類の発酵生産物を蒸留して焼酎を分取した残
部であり、本格焼酎、新式焼酎いずれの蒸留残渣でもよ
い。また、穀類としては、大麦、そば、とうもろこし、
米などが挙げられるが、大麦が特に好ましい。かかる蒸
留残渣のブリックス度(Brix度;屈曲率計による糖
度テスト)は通常5〜10である。
くは85〜95℃で10分〜1時間行なう。80℃未満
では残存した生菌が増殖して腐敗するおそれがあり、長
期保存性が悪いため、好ましくない。なお、当該加熱処
理は攪拌下に行なうのが好ましい。
が、蒸留残渣を70〜200メッシュ、特に80〜11
0メッシュの篩で加圧下に濾過する方法が簡便かつ効率
的であり、好ましい。ここで、篩目が70メッシュ未満
に粗くなると、取り除きたい固形物まで通してしまう恐
れがあり、一方200メッシュを超えて細かくなると篩
を通過させたい蛋白質等までも取り除く恐れがあるので
好ましくない。なお、濾過に先立って蒸留残渣は60℃
以下、好ましくは50〜60℃まで冷却しておくのが好
ましい。
こで用いられる吸着剤としては、多孔質の粒子又は粉体
であれば特に制限されないが、カーボン粒子、カーボン
粉末、活性炭等が好ましい。これらの吸着剤は液の0.
1〜5重量%程度添加すればよい。また、これらの吸着
剤に加えて酸性白土、パーライト等の濾過助剤を併用す
れば、吸着剤の濾別が容易になり、好ましい。処理操作
は、液に吸着剤及び必要により濾過助剤を添加し40〜
60℃に液温を調整し、50〜120分程度攪拌した
後、吸着剤を濾別することにより行なわれる。濾過に用
いるフィルターの篩目は、用いる吸着剤の粒径により適
宜選択される。
〜50、好ましくは30〜40となるまで濃縮する。ブ
リックス度が25未満程度の濃縮では腐敗が生じ、悪臭
も消失せず、長期間保存ができない。ここで濃縮の手段
としては、被濃縮液を加熱された管の外面を上から下へ
流下させて水分を蒸発させ、濃縮する方法、特に被濃縮
液を水平蒸発管の外面を上から下へ流下させて水分を蒸
発させ、濃縮する方法が好ましい。この手段によれば、
濃縮が進行しても、順次上から下へ新しい液が流下する
ため、途中に濃縮した目的物が付着することなく、大量
処理が可能である。
白質、アミノ酸類、糖類等を主成分とし、飼料、肥料等
の他調味料として利用することができる。本発明精製濃
縮液は、食品に旨味を付与する作用を有するので、これ
を単独で調味料として用いることもできるが、他の調味
料と混合することにより調味料製剤とすることもでき
る。
他の調味料としては、アミノ酸液、粉末アミノ酸、魚し
ょう、動物性蛋白質加水分解物(HAP)、植物性蛋白
質加水分解物(HVP)、かつおぶし、乾燥たまねぎ、
乾燥にんじん、魚介エキス、酵母エキス、みりん、コン
ブエキス、しょうゆ、食塩、酒類、肉エキス、しいた
け、みそ、果物エキス等が挙げられる。本発明精製濃縮
物の配合量は、調味料全量中に0.1〜100重量%、
特に0.1〜50重量%が好ましい。
調味料を単に混合するだけでも製造できるが、混合後、
吸着剤処理することが好ましい。ここで吸着剤処理は、
前記の精製濃縮液製造の場合と同様にして行なわれる。
また、本発明調味料の剤型は、液状でもよいし、粉末
状、顆粒状等でもよい。なお、粉末状、顆粒状とする場
合には、必要に応じて賦形剤を添加することもできる。
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
に示す組成を有する焼酎廃液10kgを、攪拌装置付加熱
ステンレスタンクに投入し、90℃に加熱して30分間
攪拌した。50〜60℃になるまで冷却し、フィルター
プレス(自動圧濾圧搾機,70段、濾過剤は濾布)にて
濾過した。濾液にカーボン粒子1重量%及びパーライト
(三井金属鉱業(株)製)0.3重量%を添加し、45
〜60℃に保ちつつ攪拌した後、スーパーカーボンフィ
ルター(3枠20段、網径406m/m)にて濾過し
た。濾液を笹倉機械製作所製の水平管衝激流下式蒸発濃
縮装置によりブリックス度が35になるまで濃縮し、精
製濃縮液2kgを得た。また、得られた精製濃縮液の組成
を表2に示す。
ら臭いの発生、腐敗が生じなかった。これに対し、焼酎
廃液を70℃前後に加熱し、濾過により固形物を除去し
た後水分量が50重量%程度に濃縮したもの(比較濃縮
液)は、苦味、渋味があり、さらに1ケ月保存したとこ
ろ悪臭を生じ、調味料としては使用し得なかった。ま
た、この比較濃縮液は、他の調味料と配合して濾過しよ
うとしたところ、濾過性が悪く、均一な調味液の調製が
できなかった。
水分解物(コスモ食品(株)製)10kgを加え、これに
30%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを5.5に調
整した。これを攪拌装置付加熱ステンレスタンクに投入
し、カーボン粒子0.5重量%、パーライト0.5重量
%及び酸性白土1.0重量%を加え、60℃で30分間
攪拌した。40℃になるまで放冷し、多段式濾過機を用
いて濾過し、濾液を採取した。この濾液は食品に旨味を
付与するための調味料として優れていた。さらに、この
濾液をスプレードライしたところ粉末状の調味料が得ら
れた。得られた調味料の1.2%溶液を調製し、その旨
味を5名のパネラーにより検討した結果、本発明調味料
は植物性蛋白質加水分解物単独の場合に比べてその旨味
が格段に向上していた。
間保存しても何ら腐敗、悪臭を生じず、食品に旨味を付
与するための調味料として有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 穀類及び/又はいも類の発酵生産物を蒸
留して焼酎を分離した残渣を80〜95℃に加熱した後
固形物を除去し、得られた液を吸着剤処理した後ブリッ
クス度が25〜50となるように濃縮することにより得
られる焼酎残渣の精製濃縮物。 - 【請求項2】 穀類及び/又はいも類の発酵生産物を蒸
留して焼酎を分離した残渣を80〜95℃に加熱した後
固形物を除去し、得られた液を吸着剤処理した後ブリッ
クス度が25〜50となるように濃縮することを特徴と
する焼酎残渣の精製濃縮物の製造法。 - 【請求項3】 請求項1記載の精製濃縮物を含有するこ
とを特徴とする調味料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25108692A JP3522778B2 (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | 焼酎残渣の精製濃縮物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25108692A JP3522778B2 (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | 焼酎残渣の精製濃縮物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0698750A JPH0698750A (ja) | 1994-04-12 |
JP3522778B2 true JP3522778B2 (ja) | 2004-04-26 |
Family
ID=17217435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25108692A Expired - Fee Related JP3522778B2 (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | 焼酎残渣の精製濃縮物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3522778B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5496466B2 (ja) * | 2008-03-28 | 2014-05-21 | 株式会社鳥飼酒造 | 天然のカリウム保持性利尿活性用の組成物及び該組成物の製造方法 |
JP2018064483A (ja) * | 2016-10-18 | 2018-04-26 | ヤマサ醤油株式会社 | 旨味の増強された減塩醤油 |
-
1992
- 1992-09-21 JP JP25108692A patent/JP3522778B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
岡 啓次郎,貯蔵学,日本,朝倉書店,1981年 5月20日,第26〜第31頁 |
日本醸造協会誌,1941年,第36巻第7号,第500〜503頁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0698750A (ja) | 1994-04-12 |
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