JP3522457B2 - ベクトル絶対値演算回路 - Google Patents

ベクトル絶対値演算回路

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JP3522457B2 JP22940296A JP22940296A JP3522457B2 JP 3522457 B2 JP3522457 B2 JP 3522457B2 JP 22940296 A JP22940296 A JP 22940296A JP 22940296 A JP22940296 A JP 22940296A JP 3522457 B2 JP3522457 B2 JP 3522457B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複素数の実数部と
虚数部などの直交した2つの信号からなる合成ベクトル
の大きさをアナログ処理により算出するためのベクトル
絶対値演算回路に関する。
【0002】
【従来の技術】直交した2つの信号の合成ベクトルの大
きさを算出する演算は各種の分野で行なわれている。例
えば、QPSK方式を使用したスペクトラム拡散通信シ
ステムの受信機においては、逆拡散後の信号が相関のピ
ークにあるか否かを判定するために、次の式(1)に示
すような、Iチャンネルの信号とQチャンネルの信号と
からなる複素数の絶対値を計算することが行なわれてい
る。
【数1】 ここで、Mag:複素数の絶対値である。
【0003】通常、このような演算を行なう場合には、
近似式を用いてDSP(Digital Signal Processor)に
より演算することが行なわれている。例えば、米国スタ
ンフォード・テレコム社は、次の式(2)に示す近似式
を内部で演算するデジタルLSIを開発しており、高い
評価を得ている。
【数2】 ここに、Max{}:最大値、Min{}:最小値、A
bs():絶対値である。
【0004】一方、本発明者等は、従来より、低消費電
力で高速かつ高精度の演算を実行することができるアナ
ログ処理による種々の演算回路やフィルタ回路を提案し
ている。ここで、このアナログ型演算回路(以下、「ニ
ューロ演算回路」という)について説明する。図15
(a)にこのニューロ演算回路の基本構成を示す。図1
5の(a)において、V1およびV2は入力端子、Vo
は出力端子である。また、Ampは反転増幅器である。
この反転増幅器Ampは、CMOSインバータの出力が
ハイレベルからローレベルあるいはローレベルからハイ
レベルに遷移する部分を利用して、インバータを増幅器
として使用しているものであり、奇数段、例えば図示す
るように3段直列に接続されたCMOSインバータ11
1、112、113により構成されている。
【0005】また、前記入力端子V1と前記反転増幅器
Ampの入力側の点Bとの間には入力キャパシタンスC
1が直列に挿入されており、前記入力端子V2と前記点
Bとの間には入力キャパシタンスC2が直列に挿入され
ている。さらに、前記反転増幅器Ampの出力端子Vo
と入力端Bとの間にはフィードバックキャパシタンスC
f が接続されている。なお、抵抗R1およびR2は増幅
器のゲインを制御するために、また、キャパシタンスC
g は位相調整のためにそれぞれ設けられているものであ
り、いずれも、この反転増幅器Ampの発振を防止する
ためのものである。
【0006】このように構成された回路において、前記
反転増幅器Ampの電圧増幅率は非常に大きいためこの
反転増幅器Ampの入力側のB点における電圧はほぼ一
定の値となり、このB点の電圧をVb とする。このと
き、B点は各キャパシタンスC1、C2、Cf およびC
MOSインバータ111を構成するトランジスタのゲー
トに接続された点であり、いずれの電源からもフローテ
ィング状態にある点である。
【0007】したがって、初期状態において、各キャパ
シタンスに蓄積されている電荷が0であるとすると、入
力電圧V1およびV2が印加された後においても、この
B点を基準としてみたときの各キャパシタンスに蓄積さ
れる電荷の総量は0となる。これにより、次の電荷保存
式が成立する。
【数3】
【0008】ここで、前記B点の電圧Vb を反転増幅器
Ampに印加される電源電圧の1/2となるように設定
しておくとダイナミックレンジを最大とすることができ
るため、前記電圧Vbは、電源が+Vddと接地電位(0
[V])により供給されているときはVb=Vdd/2と
され、電源が正負両電圧であるときはVb=0となるよ
うに設定される。ここでは、電源電圧が+Vddと接地電
位とされており、Vb=Vdd/2とされているものとす
る。したがって、前記式(3)より次の式(4)を導く
ことができる。
【数4】
【0009】すなわち、ニューロ演算回路からは、
((C1+C2+Cf)/(2Cf))Vddをオフセッ
ト電圧とし、各入力電圧V1、V2にそれぞれ入力キャ
パシタンスC1、C2とフィードバックキャパシタンス
Cf との比である係数(C1/Cf 、C2/Cf)を乗
算した電圧の和の大きさを有し、極性が反転された出力
電圧Vo が出力されることとなる。ここで、前記オフセ
ット電圧は、前記反転増幅器Ampの出力側にこれを相
殺する電圧をキャパシタンスを介して印加することによ
り容易に消去することができる。したがって、複数の入
力信号にそれぞれ所定の重み付けを行なって加算する重
み付け加算回路を構成することができる。
【0010】また、この加算回路を2段直列に接続し、
前段の加算回路に正入力を印加し、後段の加算回路に負
入力を印加することにより、減算回路を構成することが
できる。さらにまた、前記入力キャパシタンスC1、C
2の大きさを制御信号に応じて変更することにより、該
制御信号と入力アナログ信号との乗算回路とすることが
できる。なお、以上においては2つの入力端子V1、V
2を有する場合について説明したが、入力端子の数は任
意の個数とすることができる。
【0011】以上説明したように、前記ニューロ演算回
路を用いて種々の演算回路を構成することができ、ま
た、このニューロ演算回路は電圧のみで駆動しているた
め、非常に少ない消費電力で動作し、かつ、非常に高速
に演算動作を実行することができるものである。さら
に、キャパシタンスの比を利用しているが、キャパシタ
ンスの大きさは半導体基板上に形成される導体の面積に
より決定され、該導体の面積は高精度に制御することが
可能であるため、精度の良い演算回路を実現することが
できるものである。なお、以下、この明細書において、
煩雑さを避けるため、前記図15の(a)に代えて、図
15の(b)に示すような簡略化した記載を用いること
とする。
【0012】さて、このようなアナログ・アーキテクチ
ャを採用した回路はアナログ電圧を用いて演算を実行す
るものであるため、前述したようなDSPなどのデジタ
ルLSIとの適合性に問題がある。そこで本出願人は、
前記式(2)あるいはそれを改良した近似式を用いてア
ナログ処理によりベクトルの絶対値演算を実行する複素
数絶対値演算回路を提案している(特願平7−2748
39号)。図16にこの提案されている複素数絶対値演
算回路の一例のブロック図を示す。
【0013】この図において、121は複素数の実部に
対応するI成分の信号が入力される入力端子、122は
複素数の虚部に対応するQ成分の信号が入力される入力
端子、123は前記入力端子121から入力されるI成
分の信号の絶対値Abs(I)を出力する第1の絶対値
回路、124は前記入力端子122から入力されるQ成
分の信号の絶対値Abs(Q)を出力する第2の絶対値
回路である。また、125は前記第1の絶対値回路12
3の出力と前記第2の絶対値回路124の出力との差
(Abs(I)−Abs(Q))を出力する減算回路、
126は前記減算回路125の出力の絶対値(Abs
(Abs(I)−Abs(Q)))を出力する第3の絶
対値回路、127は前記第1の絶対値回路123、前記
第2の絶対値回路124および前記第3の絶対値回路1
26からの各出力に対しそれぞれ所定の重みを付けてそ
れらを加算する加算回路であり、図示するように、前記
第1の絶対値回路123の出力に対しては重みb、前記
第2の絶対値回路124の出力に対しては重みc、前記
第3の絶対値回路126の出力に対しては重みaが付加
されている。
【0014】また、この複素数絶対値回路における各演
算回路、すなわち、前記絶対値回路123、124、1
26、前記減算回路125および前記加算回路127
は、いずれも、前述したニューロ演算回路を用いて構成
されている。そして、前記絶対値回路123、124お
よび126は、いずれも同一の構成を有しており、その
構成を図17に示す。この図において、131はアナロ
グ入力信号電圧Vinが印加される入力端子、137は該
入力信号Vinの絶対値|Vin|に対応する信号が出力さ
れる出力端子である。
【0015】132は入力キャパシタンス(C1)、1
33はフィードバックキャパシタンス(Cf)、134
は前述した反転増幅器であり、これらにより前記ニュー
ロ演算回路が構成されている。ここで、入力キャパシタ
ンス132とフィードバックキャパシタンス133との
容量比は1(C1=Cf)とされているため、前記式
(4)より、この反転増幅器134の出力電圧は、前記
入力端子131から入力される信号電圧Vinの反転出力
(Vdd−Vin)となる。
【0016】135は例えばCMOS構成とされたイン
バータ回路であり、そのスレッシュホールド電圧Vthは
電源電圧Vddの1/2、すなわち、Vth=Vdd/2とさ
れている。したがって、入力信号電圧VinがVdd/2よ
り高いかまたは等しいときはその出力はローレベル(0
[V])となり、入力信号電圧Vinがスレッシュホール
ド電圧Vthよりも低いときはその出力はハイレベル(V
dd)となる。すなわち、このインバータ135は入力信
号電圧Vinと電圧Vdd/2とを比較するコンパレータと
して動作する。
【0017】136は例えば一対のCMOSトランスミ
ッションゲートなどにより構成されたマルチプレクサで
あり、前記インバータ135の出力がローレベルのとき
は前記反転増幅器134からの出力(Vdd−Vin)が選
択されて出力端子137に出力され、前記インバータ1
35の出力がハイレベルのときは前記入力信号Vinがそ
のまま出力端子137から出力されるようになされてい
る。
【0018】したがって、この絶対値回路は、入力信号
Vinが、Vin≧Vdd/2のときにはVdd−Vinを出力
し、Vin<Vdd/2のときはVinを出力するように構成
されており、Vdd/2を基準レベルとして、該基準レベ
ルよりも高い入力信号Vinを基準電圧よりも低い方向に
反転した信号、すなわち、入力信号のVdd/2を基準レ
ベルとした絶対値信号の反転信号が出力される。
【0019】ここで、前記加算回路127における重み
係数として、a=5/22、b=c=15/22とする
ことにより、次の式(5)に示す近似式を用いて演算さ
れた複素数の絶対値Magが前記出力端子128から出
力される。
【数5】 この近似式(5)は、前述した式(2)よりも良好な近
似を与えるものであり、また、前記重み係数a、b、c
をその他の値に変更することにより、それに対応した近
似式を用いてベクトルの絶対値を算出することが可能と
なる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】前述した複素数絶対値
演算回路によれば、アナログ型の演算回路(ニューロ演
算回路)を用いて、高速かつ低消費電力で、複素数の絶
対値を精度よく近似計算することができるものである
が、多くのニューロ演算回路を必要としており、構成が
複雑なものとなっていた。例えば、前記図16に示した
回路においては、ニューロ演算回路が前記絶対値回路に
それぞれ1つずつ、前記減算回路に2つ、前記加算回路
に1つの合計6個のニューロ演算回路を必要としてい
る。
【0021】また、このようなアナログ型演算回路にお
いては、動作中に各キャパシタンスに電荷残留が生じ、
これによりオフセット電圧が発生して出力精度が低下す
るという問題点がある。この問題は、所定の期間ごとに
残留電荷を解消するいわゆるリフレッシュをおこなうこ
とにより解決することができるが、処理速度を低下させ
ることなくリフレッシュを行なうためには、各構成要素
を2重に設けて交替的にリフレッシュを行なわなければ
ならず、そのためには、構成要素数が2倍に増加すると
いう問題点がある。
【0022】そこで、本発明は、より簡単な構成で複素
数の実数部と虚数部などの直交した2つの信号からなる
合成ベクトルの絶対値を算出することのできるベクトル
絶対値演算回路を提供することを目的としている。ま
た、最小限のハードウエアの増加量でリフレッシュを行
なうことができるアナログ型のベクトル絶対値演算回路
を提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のベクトル絶対値演算回路は、2次元ベクト
ルの第1の要素に対応する第1の入力信号が入力され、
該第1の入力信号と振幅が同一で単一の極性とされた第
1の絶対値信号を出力する第1の絶対値回路と、2次元
ベクトルの第2の要素に対応する第2の入力信号が入力
され、該第2の入力信号と振幅が同一で単一の極性とさ
れた第2の絶対値信号を出力する第2の絶対値回路と、
前記第1の絶対値信号と前記第2の絶対値信号のうちの
大きい方の信号に対して第1の係数を乗算し、前記第1
の絶対値信号と前記第2の絶対値信号のうちの小さい方
の信号に対して第2の係数を乗算し、前記両乗算結果信
号を加算して出力する演算手段とを有するものである。
【0024】また、本発明の他のベクトル絶対値演算回
路は、2次元ベクトルの第1の要素に対応する第1の入
力信号が入力される第1の入力端子と、2次元ベクトル
の第2の要素に対応する第2の入力信号が入力される第
2の入力端子と、前記第1の入力端子に接続され、前記
第1の入力信号と振幅が同一で単一の極性とされた第1
の絶対値信号を出力する第1の絶対値回路と、前記第2
の入力端子に接続され、前記第2の入力信号と振幅が同
一で単一の極性とされた第2の絶対値信号を出力する第
2の絶対値回路と、前記第1の絶対値信号と前記第2の
絶対値信号とを比較する比較回路と、前記比較回路にお
ける比較の結果、前記第1の絶対値信号が前記第2の絶
対値信号よりも大きいかあるいは等しい場合には前記第
1の絶対値信号を選択し、前記第1の絶対値信号が前記
第2の絶対値信号よりも小さい場合には前記第2の絶対
値信号を選択して出力する第1の選択手段と、前記比較
回路における比較の結果、前記第1の絶対値信号が前記
第2の絶対値信号よりも大きいかあるいは等しい場合に
は前記第2の絶対値信号を選択し、前記第1の絶対値信
号が前記第2の絶対値信号よりも小さい場合には前記第
1の絶対値信号を選択して出力する第2の選択手段と、
前記第1の選択手段からの入力信号に対して第1の係数
を乗算し、前記第2の選択手段からの入力信号に対して
は第2の係数を乗算し、該両乗算結果信号を加算して出
力する重み付き加算回路とを有するものである。
【0025】さらに、本発明のさらに他のベクトル絶対
値演算回路は、2次元ベクトルの第1の要素に対応する
第1の入力信号が入力される第1の入力端子と、2次元
ベクトルの第2の要素に対応する第2の入力信号が入力
される第2の入力端子と、前記第1の入力端子に接続さ
れ、前記第1の入力信号と振幅が同一で単一の極性とさ
れた第1の絶対値信号を出力する第1の絶対値回路と、
前記第2の入力端子に接続され、前記第2の入力信号と
振幅が同一で単一の極性とされた第2の絶対値信号を出
力する第2の絶対値回路と、前記第1の絶対値信号に対
して第1の係数を乗算し、前記第2の絶対値信号に対し
て第2の係数を乗算し、該両乗算結果信号を加算して出
力する第1の重み付き加算回路と、前記第1の絶対値信
号に対して第2の係数を乗算し、前記第2の絶対値信号
に対して第1の係数を乗算し、該両乗算結果を加算して
出力する第2の重み付き加算回路と、前記第1の絶対値
信号と前記第2の絶対値信号とを比較する比較回路と、
前記比較回路における比較の結果、前記第1の絶対値信
号が前記第2の絶対値信号よりも大きいかあるいは等し
い場合には前記第1の重み付き加算回路の出力を選択し
て出力し、前記第1の絶対値信号が前記第2の絶対値信
号よりも小さい場合には前記第2の重み付き加算回路の
出力を選択して出力する選択手段とを有するものであ
る。そして、前記第1の係数は10/11とされ、前記
第2の係数は5/11とされている。
【0026】また、前記重み付き加算回路は、第1の入
力端子と、第2の入力端子と、一端が前記第1の入力端
子に接続された第1の入力キャパシタンスと、一端が前
記第2の入力端子に接続された第2の入力キャパシタン
スと、入力側に前記第1の入力キャパシタンスの他端と
前記第2の入力キャパシタンスの他端とが接続され、か
つ、出力側と入力側との間にフィードバックキャパシタ
ンスが接続された反転増幅器とを有するものである。
【0027】さらにまた、前記第1の重み付き加算回路
および前記第2の重み付き加算回路は、いずれも、前記
第1の絶対値信号と基準電位とが入力され、そのいずれ
か一方を出力する第1のマルチプレクサと、前記第2の
絶対値信号と基準電位とが入力され、そのいずれか一方
を出力する第2のマルチプレクサと、一端が前記第1の
マルチプレクサの出力に接続された第1の入力キャパシ
タンスと、一端が前記第2のマルチプレクサの出力に接
続された第2の入力キャパシタンスと、入力側に前記第
1の入力キャパシタンスの他端と前記第2の入力キャパ
シタンスの他端とが接続され、かつ、出力側と入力側と
の間にフィードバックキャパシタンスが接続された反転
増幅器と、前記フィードバックキャパシタンスに並列に
接続されたスイッチ回路とを有しており、前記選択手段
により出力として選択されない重み付き加算回路には前
記基準電位が入力され、当該スイッチ回路が閉成される
ように制御されるものである。
【0028】さらにまた、前記第1の絶対値回路は、前
記第1の入力信号が入力される入力端子と、前記第1の
入力信号の極性を反転した出力信号を出力する極性反転
回路と、前記第1の入力信号の極性に応じて、前記第1
の入力信号と前記極性反転回路の出力信号とを選択して
出力する選択回路とを有しているものである。さらにま
た、前記第2の絶対値回路は、前記第2の入力信号が入
力される入力端子と、第1および第2の出力端子と、前
記第2の入力信号の極性を反転した出力信号を出力する
極性反転回路と、前記第2の入力信号が第1の極性であ
るときに、前記極性反転回路の出力信号を前記第1の出
力端子に出力するとともに、前記第2の入力信号を前記
第2の出力端子に出力し、前記第2の入力信号が第2の
極性であるときに、前記第2の入力信号を前記第1の出
力端子に出力するとともに、前記極性反転回路の出力信
号を前記第2の出力端子に出力する選択回路手段とを有
するものである。
【0029】さらにまた、前記極性反転回路は、一端が
前記入力端子に接続され、他端が反転増幅器の入力端に
接続された入力キャパシタンスと、出力側と入力側との
間にフィードバックキャパシタンスが接続された前記反
転増幅器とを有しており、前記入力キャパシタンスと前
記フィードバックキャパシタンスとの容量比は1とされ
ているものであり、また、一方の入力が前記入力端子に
接続され、他方の入力に基準電位が印加され、制御信号
入力に応じて前記入力端子から入力される信号と前記基
準電位のいずれか一方を選択して出力するマルチプレク
サ回路と、該マルチプレクサ回路の出力に一端が接続さ
れ、他端が反転増幅器の入力端に接続された入力キャパ
シタンスと、出力側と入力側との間に前記入力キャパシ
タンスと同一の容量を有するフィードバックキャパシタ
ンスが接続された反転増幅器と、前記フィードバックキ
ャパシタンスに並列に接続され、前記制御信号に応じて
開閉制御されるスイッチ回路とを有しており、前記制御
信号は、前記第1の絶対値回路の出力信号とされている
ものである。
【0030】さらにまた、前記第2の絶対値回路は、前
記第2の入力信号が入力される入力端子と、第1および
第2の出力端子と、一方の入力が前記入力端子に接続さ
れ、他方の入力に基準電位が印加され、制御信号入力に
応じて前記入力端子から入力される信号と前記基準電位
のいずれか一方を選択して出力するマルチプレクサ回路
と、該マルチプレクサ回路の出力に一端が接続され、他
端が反転増幅器の入力端に接続された入力キャパシタン
スと、出力側と入力側との間に前記入力キャパシタンス
と同一の容量を有するフィードバックキャパシタンスが
接続された反転増幅器と、前記フィードバックキャパシ
タンスに並列に接続され、前記制御信号に応じて開閉制
御されるスイッチ回路とを有する第1および第2の極性
反転回路と、前記第2の入力信号が第1の極性であると
きに、前記第1の極性反転回路の出力信号を前記第1の
出力端子に出力するとともに、前記第2の入力信号を前
記第2の出力端子に出力し、前記第2の入力信号が第2
の極性であるときに、前記第2の入力信号を前記第1の
出力端子に出力するとともに、前記第2の極性反転回路
の出力を前記第2の出力端子に出力する選択手段を有す
るものである。
【0031】そして、前記反転増幅器は奇数段直列に接
続されたインバータ回路により構成されているものであ
り、また、前記第1の係数は前記フィードバックキャパ
シタンスと前記第1の入力キャパシタンスとの容量比に
より決定され、また、前記第2の係数は前記フィードバ
ックキャパシタンスと前記第2の入力キャパシタンスと
の容量比により決定されているものである。
【0032】
【発明の実施の形態】図1に、本発明のベクトル絶対値
演算回路の第1の実施の形態のブロック図を示す。本発
明のベクトル絶対値演算回路は、直交した2つの信号が
入力される場合であればどのような信号であっても適用
することができるものであるが、ここでは、前述の場合
と同様に、QPSK変調された信号のI成分とQ成分の
信号が入力信号とされている場合を例にとって説明す
る。
【0033】図1において、11はI成分の信号が入力
される入力端子、12はQ成分の信号が入力される入力
端子であり、それぞれI成分とQ成分のアナログ入力信
号が入力される。これらの入力信号は、いずれも、電源
電圧Vddの1/2の電圧を基準電位とし、該基準電位V
dd/2を中心として上下方向に変化する電圧とされてい
る。すなわち、I成分の入力信号電圧VI=I+Vdd/
2と、Q成分の入力信号電圧VQ=Q+Vdd/2とがそ
れぞれ対応する入力端子11および12から入力され
る。
【0034】また、13は前記入力端子11から入力さ
れるI成分の信号の絶対値Abs(I)を出力する第1
の絶対値回路(Abs1)、14は前記入力端子12か
ら入力されるQ成分の信号の絶対値Abs(Q)あるい
はその反転信号を第1の出力端子15あるいは第2の出
力端子16から出力する第2の絶対値回路(Abs2)
である。なお、これら絶対値回路Abs1およびAbs
2の詳細については後述する。
【0035】20は第1の比較回路(コンパレータ)で
あり、その詳細については後述するが、aおよびbの2
つの入力端子から入力される入力信号の大きさを比較
し、前記入力端子aから入力される信号電圧が入力端子
bから入力される信号電圧の極性を反転した信号の電圧
よりも高いかあるいは等しい電圧であるときには、出力
端子cにハイレベル、反転出力端子(反転c)にローレ
ベルの信号を出力し、一方、入力端子aからの入力電圧
が入力端子bからの入力電圧の極性が反転された電圧よ
りも低い電圧であるときには、出力cにローレベル、反
転出力(反転c)にハイレベルの信号を出力するもので
ある。
【0036】21は第1のマルチプレクサ回路であり、
前記第1の絶対値回路13の出力と前記第2の絶対値回
路14の第2の出力16とが入力され、前記コンパレー
タ20からの制御信号出力cがハイレベルであるときに
前記第1の絶対値回路1の出力を選択し、ローレベルで
あるときに前記第2の絶対値回路14の第2の出力16
を選択するように動作する。また、22は第2のマルチ
プレクサ回路であり、前記第1の絶対値回路13の出力
と前記第2の絶対値回路14の第2の出力16とが入力
され、前記コンパレータ20の反転出力(反転c)がハ
イレベルであるときに前記第1の絶対値回路13の出力
を選択し、ローレベルであるときに前記第2の絶対値回
路14の第2の出力16を選択して出力するものであ
る。
【0037】25は前述したニューロ演算回路を構成す
る反転増幅器であり、前記第1のマルチプレクサ回路2
1の出力が第1の入力キャパシタンス23を介して入力
され、前記第2のマルチプレクサ回路22の出力が第2
の入力キャパシタンス24を介して入力されている。ま
た、26は前記反転増幅器25に接続されたフィードバ
ックキャパシタンス、27は絶対値信号Magが出力さ
れる出力端子である。
【0038】図2は前記第1の絶対値回路13の一構成
例のブロック図である。この図において、28は前述し
たニューロ演算回路を構成する反転増幅器であり、入力
キャパシタンスCiを介して前記I成分入力端子11に
接続されている。ここで、前記入力キャパシタンスCi
とフィードバックキャパシタンスCfとの容量比は1と
されている。また、29は前記I成分入力端子11から
のI成分入力信号電圧と基準電位(Vdd/2)とを比較
する第2のコンパレータ(比較回路)、30はマルチプ
レクサ回路であり、該第2のコンパレータ29の出力は
前記マルチプレクサ回路30に制御信号として印加され
ている。この第2のコンパレータ29は入力信号と前記
基準電位(Vdd/2)とを比較するもので、入力信号が
基準電位(Vdd/2)よりも高いあるいは等しいときは
その出力端子からローレベルの信号が出力され、入力信
号が基準電位よりも低いときはハイレベルの信号が出力
される。すなわち、第2のコンパレータは入力信号の極
性が正のときはローレベルの信号を出力し、入力信号の
極性が負の時はハイレベルの信号を出力するものであ
り、入力信号の極性を判別する機能を有している。
【0039】前記マルチプレクサ回路30には、前記I
成分入力端子11が第1の入力として接続されており、
第2の入力として前記反転増幅器28の出力が印加され
ている。そして、前記第2のコンパレータ29の出力信
号が制御信号として印加されており、該第2のコンパレ
ータ29の出力がハイレベルであるときに前記I成分入
力端子11からの入力信号Iを選択し、ローレベルであ
るときに前記反転増幅器28の出力を選択して出力端子
31から出力する。
【0040】図3に前記第2の絶対値回路14の一構成
例のブロック図を示す。この図において、32は前記ニ
ューロ演算回路を構成する反転増幅器であり、入力キャ
パシタンスCiを介して前記Q成分入力端子12に接続
されている。なお、該入力キャパシタンスCiとフィー
ドバックキャパシタンスCfとの容量比は1とされてい
る。また、33はQ成分入力端子12からのQ成分入力
信号電圧と基準電位(Vdd/2)とを比較する第2のコ
ンパレータ、34はインバータ回路、35は第1のマル
チプレクサ、36は第2のマルチプレクサである。前記
第2のコンパレータ33の出力は第2のマルチプレクサ
36に制御信号c1として供給されるとともに、インバ
ータ回路34に入力されている。また、インバータ回路
34の出力は第1のマルチプレクサ35に制御信号c2
として入力されている。
【0041】さらに、前記第1のマルチプレクサ回路3
5および第2のマルチプレクサ回路36は、いずれも、
その第1の入力に前記Q成分の入力端子12が接続され
ており、その第2の入力に前記反転増幅器32の出力が
接続されている。そして、前記第1のマルチプレクサ回
路35は前記インバータ回路34からの制御信号c2が
ハイレベルのとき前記Q成分入力端子12から入力され
るQ成分信号を選択して第1の出力端子15に出力し、
c2がローレベルのとき前記反転増幅器32の出力を選
択して出力端子15に出力する。また、前記第2のマル
チプレクサ回路36は、前記第2のコンパレータ33か
らの制御信号c1がハイレベルのとき前記Q成分入力端
子12からのQ成分入力信号を選択して第2の出力端子
16に出力し、c1がローレベルのとき前記反転増幅器
32の出力を出力端子16に出力する。
【0042】前記第2のコンパレータ29および33の
一構成例を図4に示す。この図に示すように、前記第2
のコンパレータ29および33はスレッシュホールド電
圧VthがVth=Vdd/2(基準電位)とされているCM
OS構成などのインバータ38により構成することがで
きる。これにより、入力端子37からの入力電圧Vinが
Vdd/2よりも高い又は等しい電圧であるとき、すなわ
ち、Vin≧Vdd/2であるときは、インバータ38の出
力はローレベルとなり、出力端子39からはローレベル
の信号が出力される。一方、入力電圧VinがVdd/2よ
りも低いとき、すなわち、Vin<Vdd/2であるときは
インバータ38の出力はハイレベルとなり、出力端子3
9からはハイレベルの信号が出力される。このようにし
て、入力電圧Vinと基準電位(Vdd/2)とを比較する
コンパレータを構成することができる。
【0043】図5に前記第1のコンパレータ20の一構
成例を示す。この図において、直列に接続された41お
よび42はいずれもインバータ回路であり、例えばCM
OS構成のインバータ回路である。そして、これらイン
バータ回路41および42のスレッシュホールド電圧V
thは、いずれもVdd/2(=基準電位Vref )とされて
いる。また、第1のインバータ回路41の入力には、一
端が入力aに接続された第1のキャパシタンスCaと一
端が入力bに接続された第2のキャパシタンスCbの結
合点が接続されている。ここで、これらキャパシタンス
CaとCbは同一の容量とされており、その結合点に
は、前記入力aの電圧と前記入力bの電圧とを平均した
電圧(a+b)/2が現われることとなる。また、前記
第1のインバータ回路41の出力は反転出力(反転c)
に接続されるとともに、第2のインバータ回路42の入
力に接続され、該第2のインバータ回路42の出力は出
力端子cに接続されている。
【0044】このように構成された回路において、前述
したように、前記第1のキャパシタンスCaと前記第2
のキャパシタンスCbとの結合点の電圧は(a+b)/
2となり、前記第1のインバータ回路41にはこの電圧
(a+b)/2が入力されることとなる。したがって、
この入力電圧(a+b)/2が第1のインバータ回路4
1のスレッシュホールド電圧Vth(=Vdd/2)よりも
高いかあるいは等しい電圧であるときには、該インバー
タ回路41の出力はローレベルとなり、第2のインバー
タ回路42の出力はハイレベルとなる。したがって、こ
の場合には、出力cはハイレベル、反転cはローレベル
となる。一方、入力電圧(a+b)/2<Vthであると
きには、インバータ回路41の出力はハイレベルとな
り、インバータ回路42の出力はローレベルとなって、
出力cはローレベル、反転cはハイレベルとなる。
【0045】図6は、前記各回路において使用されてい
るマルチプレクサ回路MUXの一構成例を示す図であ
る。この図において、43は第1の入力端子、44は第
2の入力端子、45は制御信号入力端子、49は出力端
子である。また、46および47はCMOSトランスミ
ッションゲート、48はCMOSインバータである。こ
のように構成されたマルチプレクサ回路において、前記
制御信号入力端子45に供給される入力電圧がCMOS
インバータ48のスレッシュホールド電圧Vth(=Vdd
/2)よりも高い電圧(ハイレベル)であるときには、
前記トランスミッションゲート46がオン、トランスミ
ッションゲート47がオフとなり、前記第1の入力端子
43から入力されている信号が出力端子49に出力され
る。一方、前記制御信号入力端子45に入力される制御
信号が前記スレッシュホールド電圧Vthよりも低い電圧
(ローレベル)であるときには、前記トランスミッショ
ンゲート46がオフ、トランスミッションゲート47が
オンとなり、前記第2の入力端子44から入力されてい
る信号が前記出力端子49に出力されることとなる。
【0046】このように構成されたベクトル絶対値演算
回路の動作について説明する。前述したように、I成分
入力端子11からはI成分の入力信号電圧VI=I+V
dd/2が入力される。I成分入力端子13から入力され
た信号電圧は前記第1の絶対値回路(Abs1)13に
入力され、該第1の絶対値回路13の反転増幅器28
(図2)からは該I成分入力信号電圧VIの反転電圧V
dd−VI=Vdd/2−Iが出力される。また、I成分入
力信号VI(=I+Vdd/2)が基準電位(Vdd/2)
よりも大きいとき、すなわち、I≧0のときは、前記第
2のコンパレータ29からローレベルの制御信号がマル
チプレクサ回路30に印加され、前記図6に関して説明
したように、前記マルチプレクサ回路30は前記反転増
幅器28からの出力信号Vdd/2−Iを出力端子31に
選択して出力する。一方、前記I成分入力信号VIがV
dd/2よりも小さいとき、すなわち、I<0のときに
は、前記コンパレータ29からハイレベルの信号が出力
され、前記マルチプレクサ回路30からは前記I成分入
力端子11から入力される入力信号VI=Vdd/2+I
がそのまま出力端子31に出力される。このようにし
て、この第1の絶対値回路13からは、前記I成分信号
の絶対値|I|の反転信号、Vdd/2−|I|に相当す
る信号が出力される。
【0047】一方、Q成分入力端子12からはQ成分の
入力信号電圧VQ=Q+Vdd/2が入力される。該Q成
分入力端子12から入力されるQ成分入力信号電圧VQ
は、第2の絶対値回路14に入力される。該第2の絶対
値回路14における反転増幅器32(図3)からは前述
の場合と同様にして、その反転出力Vdd−VQ=Vdd/
2−Qが出力される。また、Q成分信号入力VQ(=Q
+Vdd/2)が基準電位(Vdd/2)よりも大きいと
き、すなわちQ≧0のときは、前記第2のコンパレータ
33の出力c1はローレベルとなり、前記インバータ回
路34の出力c2はハイレベルとなる。これにより、ハ
イレベルの制御信号c2が入力される第1のマルチプレ
クサ回路35は前記Q成分入力端子12から入力される
信号電圧VQ=Q+Vdd/2を選択して、第1の出力端
子15に出力し、一方、ローレベルの制御信号c1が入
力される第2のマルチプレクサ回路36は前記反転増幅
器32の出力Vdd/2−Qを選択して前記第2の出力端
子16に出力する。
【0048】また、前記Q成分の入力信号VQが基準電
位(Vdd/2)よりも低い電圧であるとき、すなわち、
Q<0であるときは、前記第2のコンパレータ33の出
力c1はハイレベル、前記インバータ回路34の出力c
2はローレベルとなり、前述の場合とは逆に、前記第1
のマルチプレクサ回路35は前記反転増幅器32の出力
Vdd/2−Qを選択して前記第1の出力端子15から出
力し、前記第2のマルチプレクサ回路36は前記Q成分
入力信号VQ=Q+Vdd/2を選択して、前記第2の出
力端子16から出力する。
【0049】このようにして、前記第2の絶対値回路1
4の第1の出力端15からは、Q成分の入力信号の絶対
値|Q|+Vdd/2が出力され、また、第2の出力端1
6からはQ成分の入力信号の絶対値の反転出力Vdd/2
−|Q|が出力される。
【0050】さて、前記図1において、前記第1の絶対
値回路13からのI成分の入力信号の絶対値信号Vdd/
2−|I|と前記第2の絶対値回路14の第1の出力端
15からのQ成分の入力信号の絶対値信号|Q|+Vdd
/2は、それぞれ、前記第1のコンパレータ20のa入
力およびb入力に印加される。前述したように、この第
1のコンパレータ20においては、前記a入力とb入力
の中間の電圧(a+b)/2と基準電位(Vdd/2)と
が比較される。今、入力a=Vdd/2−|I|、入力b
=|Q|+Vdd/2であるから、(a+b)/2=Vdd
/2+(|Q|−|I|)/2であり、結局、この第1
のコンパレータ20においては、|Q|−|I|が0
[V]よりも大きいか否かが判定されることとなる。
【0051】ここで、前記第1の絶対値回路13の出力
|I|が前記第2の絶対値回路14の第1の出力端の出
力|Q|よりも小さいかあるいは等しいとき、すなわ
ち、|Q|≧|I|のときは、|Q|−|I|≧0とな
り、前記入力電圧(a+b)/2は前記スレッシュホー
ルド電圧Vth(=Vdd/2)より高い電圧となり、第1
のコンパレータ回路20の出力cはハイレベル、反転出
力(反転c)はローレベルとなる。
【0052】したがって、このとき、前記第1のマルチ
プレクサ回路21に印加される制御信号がハイレベルと
なるため、前記第2の絶対値回路14の第2の出力16
が選択され、前記第1のマルチプレクサ回路21からは
前記第2の絶対値回路の第2の出力端17の出力Vdd/
2−|Q|が出力される。一方、前記第2のマルチプレ
クサ回路22にはローレベルの制御信号が印加されるた
め、前記第1の絶対値回路13の出力が選択され、前記
第2のマルチプレクサ回路22の出力は前記第1の絶対
値回路13の出力Vdd/2−|I|となる。これら第1
および第2のマルチプレクサ回路21および22の出力
はそれぞれ、入力キャパシタンス23および24を介し
て反転増幅器25に入力される。このとき、フィードバ
ックキャパシタンス26、第1の入力キャパシタンス2
3および第2の入力キャパシタンス24の容量比を、1
1:10:5となるように設定してあるものとすると、
前記式(4)から、出力端子27には次の式(6)に示
す出力が得られる。
【数6】
【0053】一方、|Q|<|I|のときは、前述の場
合とは逆に、前記入力電圧(a+b)/2は前記スレッ
シュホールド電圧Vth(=Vdd/2)よりも低い電圧と
なり、前記第1のコンパレータ20の出力cはローレベ
ル、反転出力(反転c)はハイレベルとなる。
【0054】したがって、このとき、前記第1のマルチ
プレクサ回路21の出力は前記第1の絶対値回路13の
出力Vdd/2−|I|となり、前記第2のマルチプレク
サ回路22の出力は前記第2の絶対値回路14の第2の
出力端17の出力Vdd/2−|Q|となる。したがっ
て、前記式(4)から、出力端子27には次の式(7)
に示す出力が得られる。
【数7】
【0055】このようにして、この図1の回路によれ
ば、Abs(Q)>Abs(I)のときは前記式
(6)、Abs(Q)<Abs(I)のときは前記式
(7)に示す出力が得られる。すなわち、この回路は、
次の式(8)に示す出力を得ることができる。
【数8】
【0056】この式(8)は前述した式(5)と数学的
に等価であり、前記式(5)による近似の場合と同一の
近似精度を有している。以下、この式(8)が前記式
(5)と等価であることについて説明する。前記式
(5)と式(8)とを簡単のために次のように書き替え
る。
【数9】
【0057】前記式(8)を|I|≧|Q|の場合と、
|I|<|Q|の場合とに分けて考える。すなわち、|
I|≧|Q|の場合には、前記式(8)は次の式(9)
のように表わすことができ、また、|I|<|Q|の場
合には次の式(10)のように表わすことができる。
【数10】
【0058】ここで、前記式(9)と式(10)とを加
算して2で割ると、次の式(11)が得られる。
【数11】 前記式(9)および(10)からそれぞれ前記式(1
1)を減算することにより、次の式(12)および(1
3)が導かれる。
【数12】
【数13】
【0059】したがって、|I|≧|Q|の場合には、
前記式(9)は前記式(11)と前記式(12)との和
により表わすことができる。
【数14】 また、|I|<|Q|の場合には、前記式(10)は前
記式(11)と前記式(13)との和により表わすこと
ができる。
【数15】
【0060】上記式(12)と式(13)とを統合する
と、次の式(16)が得られる。
【数16】 すなわち、前記式(9)は前記式(5)と同一の式であ
る。
【0061】このような絶対値演算回路による出力をシ
ミュレーションした結果を図14の(a)および(b)
に示す。これらの図は、いずれも種々の入力(約100
0個)に対する出力の理論値を横軸にとり、シミュレー
ションしたデータを縦軸にとって、理論値と近似値との
関係をプロットしたものである。なお、図中の直線は理
論値と近似値との一致を示すものであり、この直線に沿
っているほど近似値として優れていることを示す。図1
4の(a)は前記式(2)に示した近似式を用いた場合
のシミュレーション結果を示し、同図(b)は前記式
(5)に示した近似式によるシミュレーション結果を示
す。(a)図から明らかなように、式(2)の近似式に
よっても比較的優秀な近似結果を得ることができるが、
(b)図による場合には、より優秀な結果を得ることが
できる。
【0062】また、前述した実施の形態においては、フ
ィードバックキャパシタンス26、第1の入力キャパシ
タンス23および第2の入力キャパシタンス24の容量
比を、11:10:5となるように設定してあるものと
したが、これに限られることはなく、例えば、8:8:
3としても、非常によい近似結果を得ることができる。
この場合には、次の式(17)に示す近似式を用いるこ
ととなるが、この場合にも非常に良好な近似結果を得る
ことができる。
【数17】
【0063】次に、本発明の絶対値演算回路の第2の実
施の形態の構成を図7に示す。この実施の形態は、前記
図1に示した実施の形態において、ニューロ演算回路を
2つとし、マルチプレクサ回路を1つとしたものであ
る。
【0064】この図において、前記図1と同一の構成要
素には同一の記号を付し、説明の重複を避けることとす
る。53は前述した反転増幅器、51および52はそれ
ぞれ反転増幅器53の入力キャパシタンス、54は反転
増幅器53のフィードバックキャパシタンスであり、こ
れらにより第1のニューロ加算回路が構成されている。
この各キャパシタンス51、52および54の容量比
は、10:5:11となるように設定されている。ま
た、57は前述した反転増幅器、55および56はその
入力キャパシタンス、58はそのフィードバックキャパ
シタンスであり、これらキャパシタンス55、56およ
び58の容量比は、5:10:11となるように設定さ
れている。そして、前記入力キャパシタンス51および
55は前記第1の絶対値回路13の出力に接続されてお
り、前記入力キャパシタンス52および56は前記第2
の絶対値回路14の第2の出力端16に接続されてい
る。また、59はマルチプレクサ回路であり、前記反転
増幅器53の出力と前記反転増幅器57の出力とが入力
信号とされており、前記第1のコンパレータ回路20の
反転出力(反転c)が制御信号として入力されている。
【0065】このように構成されたベクトル絶対値演算
回路において、前述したように、第1の絶対値回路13
からはI成分の入力信号の絶対値信号の反転出力Vdd/
2−|I|が出力され、前記第2の絶対値回路14の第
1の出力端16からはQ成分の入力信号の絶対値信号V
dd/2+|Q|が出力され、第2の出力端16からはQ
成分の入力信号の絶対値信号の反転出力Vdd/2−|Q
|が出力される。前述したように第1のコンパレータ回
路20は比較器として動作し、前記Q成分の入力信号の
絶対値|Q|がI成分の入力信号の絶対値|I|よりも
大きいまたは等しいとき、すなわち|Q|≧|I|のと
きに、その反転出力(反転c)はローレベルとなり、逆
のときはハイレベルとなる。
【0066】前述のように、前記反転増幅器53からは
(10/11)|I|+(5/11)|Q|+オフセッ
ト電圧が出力され、前記反転増幅器54からは(5/1
1)|I|+(10/11)|Q|+オフセット電圧が
出力される。前記I成分の入力信号の絶対値|I|≧前
記Q成分の絶対値|Q|で、前記第1のコンパレータ2
0の反転出力(反転c)からハイレベルの制御信号が前
記マルチプレクサ回路59に印加されたときは、前記反
転増幅器53の出力が選択され、出力端子60からはベ
クトルの絶対値信号Magとして(10/11)|I|
+(5/11)|Q|が出力される。一方、|I|<|
Q|のときは、前記第1のコンパレータ20の反転出力
(反転c)からローレベルの制御信号が前記マルチプレ
クサ回路59に印加され、前記反転増幅器54の出力
(5/11)|I|+(10/11)|Q|が前記出力
端子60から出力される。
【0067】このようにして、前記図1に示した実施の
形態と同様に、前記式(8)に示した近似式による近似
計算が実行される。この第2の実施の形態においては、
4つのニューロ演算回路を使用した構成となっており、
前記図15に示した従来技術の場合よりもニューロ演算
回路の数を2個少なくすることができる。
【0068】次に、前記式(8)に示した近似式に基づ
いてベクトルの絶対値を算出する本発明の第3の実施の
形態について説明する。図8は、この実施の形態の構成
を示すブロック図である。この図において、61は前述
したと同様のI成分入力端子、62はQ成分入力端子で
ある。また、63は前記I成分入力端子61から入力さ
れるI成分入力信号の絶対値|I|を出力する絶対値回
路、64は前記Q成分入力端子62から入力されるQ成
分入力信号の絶対値|Q|を出力する絶対値回路であ
る。65は前記I成分絶対値回路63の出力|I|と前
記Q成分絶対値回路64の出力|Q|とが入力され、そ
の大きい方を選択して出力する最大値回路MAX、66
は前記I成分絶対値回路63の出力|I|と前記Q成分
絶対値回路64の出力|Q|とが入力され、その小さい
方を選択して出力する最小値回路MINである。70は
前述した反転増幅器であり、67および68はその入力
キャパシタンス、69はフィードバックキャパシタンス
である。なお、ここで、前記キャパシタンス67、68
および69のキャパシタンス比は、10:5:11とさ
れている。また、前記最大値回路MAX65の出力は前
記入力キャパシタンス67に接続され、前記最小値回路
MIN66の出力は前記入力キャパシタンス68に接続
されている。さらに、71は前記反転増幅器70の出力
に接続された出力端子である。
【0069】このように構成されたベクトル絶対値演算
回路において、前記I成分絶対値回路63からはI成分
入力信号の絶対値|I|が出力され、前記Q成分絶対値
回路64からはQ成分入力信号の絶対値|Q|が出力さ
れる。これらの信号はともに最大値回路65および最小
値回路66に入力されて、前記最大値回路65からはM
ax(|I|,|Q|)が出力され、前記最小値回路6
6からはMin(|I|,|Q|)が出力される。これ
ら最大値回路65と最小値回路66の各出力は前記反転
増幅器70からなるニューロ演算回路において前記キャ
パシタンス比に対応する重みを付けて加算され、前記式
(8)に示す出力が出力端子71に得られることとな
る。このようにして、前記式(8)に示す近似式による
近似計算を実行することができる。
【0070】図9の(a)に前記絶対値回路Abs63
および64の構成を示す。この図において、72はアナ
ログ信号電圧が印加される入力端子、77は出力端子で
ある。また、75は前述したと同様の反転増幅器、73
は前記入力端子72と前記反転増幅器75との間に接続
された入力キャパシタンス、74は前記反転増幅器75
のフィードバックキャパシタンスであり、前記入力キャ
パシタンス73と前記フィードバックキャパシタンス7
4との容量比は1とされている。さらに、76は前記反
転増幅器75の出力と前記入力端子72からの入力信号
とが入力され、電圧が高い方の信号を出力端子77に出
力する最大値回路である。
【0071】このように構成された絶対値回路Absに
おいて、前記反転増幅器75からは入力端子72からの
入力信号の極性を反転した信号が出力される。したがっ
て、前記最大値回路76には、前記入力信号とその極性
を反転した信号が入力され、そのうちの電圧の高い方の
信号が選択された出力されることとなる。したがって、
入力信号が正の極性を有する信号であるときは、前記反
転増幅器75からは負の極性を有する信号が出力され、
前記最大値回路76からは正の極性を有する前記入力信
号が出力されることとなる。また、前記入力信号が負の
極性を有するときには、前記反転増幅器75からは正の
極性を有し、前記入力信号と同じ大きさを有する信号が
出力され、前記最大値回路76からは前記反転増幅器7
5からの正の極性を有する信号が選択されて出力される
こととなる。したがって、前記出力端子77からは前記
入力信号の絶対値に相当する信号が出力されることとな
る。
【0072】次に、前記最大値回路MAX65および7
6の構成例を図9の(b)に示す。この図において、7
8および79はともにn型のMOSFETであり、nM
OSFET78のゲートには第1の入力aが接続されて
おり、nMOSFET79のゲートには第2の入力bが
接続されている。また、前記各nMOSFET78およ
び79のドレインはともに電源Vddに接続されており、
また、ソースは共通に接続されて、高抵抗R3を介して
接地されている。そして、前記各FETのソースを前記
抵抗R3の接続点が出力端子outに接続されており、
いわゆるソースフォロワ構成とされている。
【0073】このように構成された最大値回路MAXに
おいて、MOSFETのゲート電圧はそのままソースに
生じるため、前記入力電圧aおよびbのうちの高い方の
電圧が前記FET78および79の共通に接続されたソ
ースに生じることとなる。したがって、低い方の入力電
圧がゲートに印加されているがFETはゲートソース間
が逆バイアスとなって遮断され、高い方の入力電圧がゲ
ートに印加されているFETのみが導通して、そのソー
ス電位は前記高い方の入力電圧となり、出力端子out
から該高い方の入力電圧が出力されることとなる。
【0074】次に、前記最小値回路MIN66の一構成
例を図9の(c)に示す。この図において、80および
81はいずれもp型のMOSFETであり、各ゲートに
は入力cおよびdが印加されている。また、前記各FE
T80および81のドレインはともに接地されていると
ともに、各ソースは共通に接続されて高抵抗R4を介し
て電源Vddに接続されている。そして、前記共通に接続
されたソースと前記高抵抗R4との接続点が出力端子o
utに接続されている。
【0075】このように構成された最小値回路MINに
おいて、MOSFETのゲートの電圧はソースにそのま
ま生じるため、前記入力cおよびdの電圧は前記p型M
OSFET80および81のソースにそのまま発生する
こととなる。したがって、前記p型MOSFET80お
よび81の共通に接続されたソースには入力cおよびd
のうち低い方の電圧が発生することとなり、高い方の入
力電圧がゲートに印加されているFETはゲートソース
間が逆バイアスされることとなって遮断される。これに
より、低い方の入力電圧がゲートに印加されているFE
Tが導通し、前記出力端outからは該低い方の入力電
圧が出力されることとなる。
【0076】ところで、ニューロ演算回路のようなアナ
ログ型演算回路を使用する場合には、前述したように電
荷残留によりオフセット電圧が発生し、そのため演算精
度が劣化するという問題点がある。このような問題を解
決するためには、前記図1あるいは図7に示したベクト
ル絶対値演算回路を2セット用意し、一方の絶対値演算
回路を用いて処理を実行中に、他方の回路のリフレッシ
ュ動作を行なうようにすることが考えられる。しかしな
がら、この場合には回路規模が倍増するという問題点が
ある。例えば、3個のニューロオペアンプを有する前記
図1に記載した実施の形態においては、合計6個のニュ
ーロオペアンプを必要とすることとなり、また、4個の
ニューロオペアンプを有する前記図7に示した実施の形
態においては合計8個のニューロオペアンプを必要とす
ることとなってしまう。さらに、リフレッシュ制御用の
制御信号を外部から供給しなければならないという問題
点もある。
【0077】このような問題点を解決することができる
本発明の第4の実施の形態について図10を参照して説
明する。この実施の形態は、前記図1に記載したベクト
ル絶対値演算回路を基本として、これをリフレッシュ可
能な回路に変更したものである。この実施の形態におい
ては、前記図1および図2における第1の絶対値回路
(Abs1)13を図11に示すリフレッシュ可能とさ
れた第1の絶対値回路(Abs1r)83に置き換える
とともに、前記図1および図3における第2の絶対値回
路(Abs2)14を図12に示すリフレッシュ可能と
された第2の絶対値回路(Abs2r)84に置き換
え、さらに、前記図1における反転増幅器25により構
成されるニューロオペアンプをリフレッシュ可能なタイ
プのものとして、2つ並列に設けたものである。
【0078】図10において、前記図1と同一の構成要
素には同一の番号を付して説明の重複を避けることとす
る。この図において、82は基準電位Vref (=Vdd/
2)が印加されている基準電位入力端子、83はリフレ
ッシュ型の第1の絶対値演算回路(Abs1r)、84
はリフレッシュ型の第2の絶対値演算回路(Abs2
r)である。なお、これら83および84の詳細につい
ては後述する。
【0079】また、85および86はそれぞれ前記入力
キャパシタンス23および24に接続されたマルチプレ
クサ回路であり、それぞれ、その第1の入力には前記マ
ルチプレクサ回路21および22の出力が印加されてお
り、第2の入力には前記基準電位入力端子82から基準
電位Vref が印加されている。また、前記マルチプレク
サ85および86には制御信号として、リフレッシュ制
御信号ref が印加されている。また、前記反転増幅器2
5のフィードバックキャパシタンス26には並列にスイ
ッチ回路87が接続されており、該スイッチ回路87に
は前記リフレッシュ制御信号ref が印加されている。そ
して、前記リフレッシュ制御信号ref がハイレベルとさ
れたときに、前記マルチプレクサ85と86は前記基準
電位Vref を選択し、前記スイッチ回路87は導通して
前記フィードバックキャパシタンス26を短絡する。こ
れにより、前記反転増幅器25の入力点は基準電位Vre
fリセットされて、残留電荷を解消することができる。
このように反転増幅器25からなるニューロオペアンプ
はリフレッシュ可能型のものとされている。
【0080】さらに、88および89は前記マルチプレ
クサ85および86と同一のマルチプレクサであり、そ
れぞれ、その第1の入力には前記マルチプレクサ21お
よび22の出力が接続されており、その第2の入力には
前記基準電位入力端子82が接続されている。また、9
2は前述した反転増幅器、90および91は前記マルチ
プレクサ88および89の出力に一端が接続された第1
および第2の入力キャパシタンス、93は前記反転増幅
器92の入力側と出力側との間に接続されたフィードバ
ックキャパシタンス、94は前記フィードバックキャパ
シタンス93に並列に接続されたスイッチ回路である。
そして、前記マルチプレクサ88、89およびスイッチ
回路94には前記リフレッシュ制御信号ref の反転信号
(反転ref )が制御信号として印加されている。
【0081】また、95は前記反転増幅器25の出力と
前記反転増幅器92の出力が入力され、前記リフレッシ
ュ制御信号の反転信号(反転ref )が制御信号として印
加されているマルチプレクサ回路であり、リフレッシュ
状態では無い方の反転増幅器の出力を選択して出力端子
27に出力するためのものである。
【0082】以上のように、この実施の形態において
は、全く同一構成とされたニューロオペアンプが2重に
設けられており、一方がリフレッシュされているとき
に、他方を用いて演算処理を実行することができる。す
なわち、前記リフレッシュ制御信号ref がハイレベルと
なって、前記反転増幅器25からなるニューロオペアン
プがリフレッシュされているときに、前記マルチプレク
サ88および89が前記マルチプレクサ21および22
を選択することとなり、前記反転増幅器92、入力キャ
パシタンス90および91、フィーバックキャパシタン
ス93により構成されたニューロオペアンプにおいて前
記反転増幅器25等により構成されたニューロオペアン
プにより実行されていた演算を代替して実行することが
できる。
【0083】図11は、前記リフレッシュ可能とされた
第1の絶対値回路(Abs1r)83の構成を示す図で
ある。この図において、前記図2と同一の構成要素には
同一の符号を付し、説明の重複を避ける。図11におい
て、82はリフレッシュ時にニューロ演算回路に印加さ
れる基準電位Vref (=Vdd/2)が入力される基準電
位入力端子、96は前記I成分信号入力端子11から入
力されるI成分の入力信号と前記基準電位入力端子82
から入力される基準電位Vref とを選択して入力キャパ
シタンスCiに接続するマルチプレクサ回路、97はフ
ィードバックキャパシタンスCfに並列に接続されたス
イッチ回路である。そして、これらマルチプレクサ回路
96とスイッチ回路97には前記第2のコンパレータ2
9の出力が制御信号として入力されている。
【0084】このように構成された、リフレッシュ型の
第1の絶対値回路83において、前記図2に関して説明
したように、前記I成分入力端子11から入力されるI
成分の信号のレベルが基準電位(Vdd/2)よりも小さ
いときには、前記第2のコンパレータ29からはハイレ
ベルの信号が出力され、前記マルチプレクサ回路30は
前記I成分入力端子11を選択して出力端子31に接続
するように動作し、反転増幅器28からなるニューロ演
算回路の出力は使用されないので、この期間にこのニュ
ーロ演算回路をリフレッシュすることができる。したが
って、前記第2のコンパレータ29のハイレベル出力に
より、前記マルチプレクサ回路96を基準電位入力端子
82側に切り替えるとともに、前記スイッチ回路97を
閉成することにより、入力キャパシタンスCiとフィー
ドバックキャパシタンスCfに蓄積されている残留電荷
を解消して、リフレッシュを行うようにしている。この
ように、このリフレッシュ型の第1の絶対値回路83に
おいては、外部からのリフレッシュ制御信号ref を必要
とすることなく、内部の状態信号(第2のコンパレータ
29の出力)によりリフレッシュの制御を行うことがで
きる。
【0085】図12は、前記リフレッシュ型の第2の絶
対値回路(Abs2r)84の構成を示す図である。こ
の図において、前記図3と同一の構成要素には同一の符
号を付して説明の重複を避ける。図12において、82
は前述した基準電位が入力される基準電位入力端子、9
8および101はいずれもQ成分信号入力端子12から
のQ成分入力信号と前記基準電位入力端子82からの基
準電位とをそれぞれ制御信号に基づいて選択して出力す
るマルチプレクサ回路であり、第3のマルチプレクサ回
路98には前記インバータ回路34の出力(c2)が制
御信号として印加されており、第4のマルチプレクサ回
路101には前記第2のコンパレータ33の出力(c
1)が制御信号として印加されている。
【0086】100は第1のニューロ演算回路を構成す
る反転増幅器であり、入力キャパシタンスCi1を介して
前記第3のマルチプレクサ回路98の出力が接続されて
おり、そのフィードバックキャパシタンスCf1にはスイ
ッチ回路99が並列に接続されている。103は第2の
ニューロ演算回路を構成する反転増幅器であり、その入
力キャパシタンスCi2を介して前記第4のマルチプレク
サ回路101の出力が接続されており、また、そのフィ
ードバックキャパシタンスCf2にはスイッチ回路102
が並列に接続されている。前記第1のニューロ演算回路
の反転増幅器100の出力と、前記第2のニューロ演算
回路の反転増幅器103の出力は第5のマルチプレクサ
回路104に入力され、その出力は前記第1および第2
のマルチプレクサ回路35および36の第2の入力端に
それぞれ接続されている。
【0087】そして、前記第3のマルチプレクサ回路9
8と前記第1のニューロ演算回路におけるスイッチ回路
99には前記インバータ回路34の出力(c2)が印加
されており、また、前記第4、第5のマルチプレクサ回
路101および104と前記第2のニューロ演算回路の
スイッチ回路102には制御信号として前記第2のコン
パレータ33の出力信号(c1)が印加されている。こ
のように、この図に示したリフレッシュ型の第2の絶対
値回路84においては、前記図3に示した第2の絶対値
回路14の場合と比較して、ニューロ演算回路を2個並
列に設けている点で相違している。
【0088】このように構成された第2の絶対値回路
(Abs2r)において、前記Q成分信号の入力端子1
2から入力されるQ成分の入力信号電圧VQが前記基準
電位Vref (=Vdd/2)よりも小さいときは、前記第
2のコンパレータ33の出力電圧c1はハイレベルとな
り、前記インバータ回路34の出力電圧c2はローレベ
ルとなる。このため、制御信号c2により、前記第3の
マルチプレクサ回路98は前記Q成分信号入力端子12
からのQ成分の入力信号を選択して前記第1のニューロ
演算回路の入力キャパシタンスCi1に印加し、前記スイ
ッチ回路99は解放状態とされる。すなわち、反転増幅
器100からなる第1のニューロ演算回路は通常動作状
態となり、前記図3に関して説明したようにVdd/2−
Qを出力する。
【0089】一方、前記制御信号c1により、前記第4
のマルチプレクサ回路101は前記基準電位入力端子8
2から入力される基準電位Vref を選択して前記第2の
ニューロ演算回路の入力キャパシタンスCi2に印加
し、前記スイッチ回路102は導通状態とされる。した
がって、この第2のニューロ演算回路はリフレッシュ状
態とされ、各キャパシタンスに蓄積されていた残留電荷
が解消されることとなる。また、前記制御信号c1によ
り前記第5のマルチプレクサ回路104は通常動作状態
にある前記反転増幅器100の出力を選択するように制
御され、その出力は前記第1のマルチプレクサ回路35
を介して前記第1の出力端子15に導かれ、一方、前記
第2のマルチプレクサ回路36により前記Q成分入力端
子からのQ成分入力信号が第2の出力端子16から出力
される。
【0090】前記Q成分入力端子12から入力されるQ
成分入力信号電圧VQが基準電位Vref (=Vdd/2)
よりも高いときには、上述の場合とは反対に、第1のニ
ューロ演算回路がリフレッシュ動作状態となり、第2の
ニューロ演算回路が通常動作状態となる。そして、前記
第5のマルチプレクサ回路104は前記第2の反転増幅
器103の出力を選択するように制御され、前記第1の
マルチプレクサ回路35を介して前記Q成分入力端子か
らのQ成分信号が前記第1の出力端子15から出力さ
れ、前記第2のニューロ演算回路の反転増幅器104か
らの出力信号Vdd/2−Qが前記第2の出力端子16か
ら出力されることとなる。このように、このリフレッシ
ュ型の第2の絶対値回路(Abs2r)においては、内
部の状態信号によりそのリフレッシュを行なうことがで
きる。
【0091】以上のように、この実施の形態によれば、
処理速度を低下させることなく、各ニューロ演算回路の
リフレッシュを実行することができる。また、使用され
ているニューロ演算回路も5個であり、小さな回路規模
でリフレッシュ可能な回路を実現することができる。な
お、上記においては第1および第2の絶対値回路のリフ
レッシュを内部状態信号に基づいて行うようにしていた
が、これに限られることはなく、外部から所定のタイミ
ングで供給されるリフレッシュ制御用信号ref を用いて
これらの回路のリフレッシュを行うようにすることも可
能である。
【0092】上記第4の実施の形態においては、反転増
幅器25および92のリフレッシュを行なうためにこの
絶対値演算回路の外部からリフレッシュ制御信号ref を
印加することが必要であった。また、2重に構成された
ニューロ演算回路への入力及び出力を切り替えるための
マルチプレクサ回路を設けることも必要であった。そこ
で、このような必要性をなくした本発明のさらに他の実
施の形態について説明する。
【0093】図13に本発明の第5の実施の形態の構成
を示す。この実施の形態は前記図7に示した実施の形態
を基本としてリフレッシュ可能な構成としたものであ
る。図13において、前記図7に示した実施の形態と同
一の構成要素には同一の符号を付し、説明の重複を避け
る。この図において、83は前記図11に示したリフレ
ッシュ型の第1の絶対値回路(Abs1r)、84は前
記図12に示したリフレッシュ型の第2の絶対値回路
(Abs2r)、82は前述した基準電位Vref を入力
するための基準電位入力端子である。また、前記第1の
ニューロ演算回路を構成する第1の反転増幅器53の第
1の入力キャパシタンス51には第1のマルチプレクサ
回路105が、また、第2の入力キャパシタンス52に
は第2のマルチプレクサ回路106がそれぞれ接続され
ており、前記基準電位Vref と前記第1の絶対値回路8
3あるいは前記第2の絶対値回路84の出力とを選択し
て入力できるようになされている。
【0094】そして、第2のニューロ演算回路を構成す
る第2の反転増幅器57の第1の入力キャパシタンス5
5と第2の入力キャパシタンス56にもそれぞれ第3の
マルチプレクサ回路108および第4のマルチプレクサ
回路109が同様に接続されており、基準電位Vref と
前記第1の絶対値回路83あるいは第2の絶対値回路8
4の出力とを選択して前記第2のニューロ演算回路に入
力することができるようになされている。さらに、前記
第1の反転増幅器53のフィードバックキャパシタンス
54にはスイッチ回路107が並列に接続されており、
前記第2の反転増幅器57のフィードバックキャパシタ
ンス58にはスイッチ回路110が並列に接続されてい
る。
【0095】そして、前記第1のニューロ演算回路に設
けられた前記マルチプレクサ回路105、106および
前記スイッチ回路107には前記第1のコンパレータ2
0の出力(c)が制御信号ctl2として印加されており、
前記第2のニューロ演算回路に設けられた前記マルチプ
レクサ回路108、109および前記スイッチ回路11
0には前記第1のコンパレータ20の反転出力(反転
c)が制御信号ctl1として印加されている。
【0096】このように構成されたベクトル絶対値演算
回路において、前記図7に記載した実施の形態と同様
に、I成分入力端子11から入力されるI成分の絶対値
|I|がQ成分入力端子12から入力されるQ成分の絶
対値|Q|よりも大きいかあるいは等しい場合には、前
記第1のコンパレータ20の反転出力(反転c)がハイ
レベルとなり、前記第1のコンパレータ20の出力
(c)がローレベルとなる。これにより、ハイレベルの
制御信号ctl1が印加される第3および第4のマルチプレ
クサ回路108および109はいずれも基準電位入力端
子82から入力される基準電位を選択して前記第2のニ
ューロ演算回路の入力キャパシタンス55および56に
印加する。また、前記スイッチ回路110は導通状態と
され、これにより、第2のニューロ演算回路はリフレッ
シュされることとなる。
【0097】また、ローレベルの制御信号ctl2が印加さ
れる第1のマルチプレクサ回路105は第1の絶対値回
路83の出力を選択し、第2のマルチプレクサ回路10
6は第2の絶対値回路84の第2の出力16を選択し、
前記スイッチ回路107は非導通となる。したがって、
第1のニューロ演算回路は通常の動作状態となって、前
記反転増幅器53から前記式(9)に示した近似式に基
づく演算結果に対応する信号電圧が出力されることとな
る。また、第5のマルチプレクサ回路59に印加されて
いる制御信号ctl2はローレベルであるため、前記反転増
幅器53からの出力信号が選択されて出力端子60から
出力される。
【0098】一方、I成分入力端子11から入力される
I成分の信号の絶対値|I|がQ成分入力端子12から
入力される信号の絶対値|Q|よりも小さい値であると
きは、前記第1のコンパレータ20の出力(c)がロー
レベル、反転出力(反転c)がハイレベルとなり、前述
した場合とは逆に、第2のニューロ演算回路が通常動作
状態、第1のニューロ演算回路がリフレッシュ状態とな
る。そして、第5のマルチプレクサ回路59により前記
第1のニューロ演算回路において演算された絶対値信号
出力が選択されて出力端子60から出力されることとな
る。
【0099】このように、図13に記載した実施の形態
によれば、合計5個のニューロ演算回路を使用するだけ
で、リフレッシュ型の絶対値演算回路を構成することが
できる。また、内部の状態信号によりリフレッシュの制
御を行なうことができ、外部からリフレッシュ制御信号
ref を印加する必要がない。
【0100】なお、以上においては、直交する2つの信
号が、QPSK方式におけるI成分信号とQ成分信号と
である場合を例にとって説明してきたが、本発明は、こ
れに限られることなく、2次元ベクトルの大きさを算出
する場合であればいかなる場合でも適用することが可能
である。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のベクトル
絶対値演算回路によれば、必要とするハードウエア量が
少なく、高速かつ高精度のベクトル絶対値演算回路を提
供することができる。また、ハードウエア量を格別増加
させることなく、リフレッシュを行うことが可能とな
り、さらに、リフレッシュのための制御信号を外部から
供給することなくリフレッシュを実行することのできる
ベクトル絶対値演算回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のベクトル絶対値演算回路の第1の実
施の形態の構成を示す図である。
【図2】 本発明のベクトル絶対値演算回路における第
1の絶対値回路の構成を示す図である。
【図3】 本発明のベクトル絶対値演算回路における第
2の絶対値回路の構成を示す図である。
【図4】 第2のコンパレータ回路の一構成例を示す図
である。
【図5】 第1のコンパレータ回路の一構成例を示す図
である。
【図6】 マルチプレクサ回路の一構成例を示す図であ
る。
【図7】 本発明のベクトル絶対値演算回路の第2の実
施の形態の構成を示すブロック図である。
【図8】 本発明のベクトル絶対値演算回路の第3の実
施の形態の構成を示すブロック図である。
【図9】 本発明の第3の実施の形態における絶対値回
路、最大値回路および最小値回路の構成例を示す図であ
る。
【図10】 本発明のベクトル絶対値演算回路の第4の
実施の形態の構成を示す図である
【図11】 リフレッシュ型の第1の絶対値回路の構成
を示す図である。
【図12】 リフレッシュ型の第2の絶対値回路の構成
を示す図である。
【図13】 本発明のベクトル絶対値演算回路の第5の
実施の形態の構成を示す図である。
【図14】 本発明のベクトル絶対値演算回路における
出力のシミュレーション結果を示す図である。
【図15】 ニューロ演算回路を説明するための図であ
る。
【図16】 従来のベクトル絶対値演算回路の構成例を
示す図である。
【図17】 従来のベクトル絶対値演算回路における絶
対値回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
11、61 I成分入力端子 12、62 Q成分入力端子 13 第1の絶対値回路 14 第2の絶対値回路 15、16、37、39、43、44、45、49、7
2、77 端子 20 第1のコンパレータ 34、38、41、42、48、111〜113、13
5 インバータ 21、22、30、35、36、59、85、86、8
8、89、95、96、98、101、104、10
5、106、108、109、136 マルチプレクサ 23、24、51、52、55、56、67、68、7
3、90、91、132 入力キャパシタンス 25、28、32、53、57、70、75 反転増幅
器 26、54、58、69、74、94、133 フィー
ドバックキャパシタンス 27、60、71 出力端子 29、33 第2のコンパレータ 46、47 トランスミッションゲート 63、64、123、124、126 絶対値回路 65、76 最大値回路 66 最小値回路 78、79 nMOSFET 80、81 pMOSFET 82 基準電位入力端子 83 リフレッシュ型第1の絶対値回路 84 リフレッシュ型第2の絶対値回路 87、94、97、99、102、107、110 ス
イッチ回路 125 減算回路 127 重み付き加算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本橋 一則 東京都世田谷区北沢3−5−18 鷹山ビ ル 株式会社鷹山内 (72)発明者 山本 誠 東京都世田谷区北沢3−5−18 鷹山ビ ル 株式会社鷹山内 (72)発明者 高取 直 東京都世田谷区北沢3−5−18 鷹山ビ ル 株式会社鷹山内 (56)参考文献 特開 昭61−115169(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06G 7/25 G06F 17/16

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元ベクトルの第1の要素に対応す
    る第1の入力信号が入力され、該第1の入力信号と振幅
    が同一で単一の極性とされた第1の絶対値信号を出力す
    る第1の絶対値回路と、 2次元ベクトルの第2の要素に対応する第2の入力信号
    が入力され、該第2の入力信号と振幅が同一で単一の極
    性とされた第2の絶対値信号を出力する第2の絶対値回
    路と、 前記第1の絶対値信号と前記第2の絶対値信号のうちの
    大きい方の信号に対して第1の係数を乗算し、前記第1
    の絶対値信号と前記第2の絶対値信号のうちの小さい方
    の信号に対して第2の係数を乗算し、前記両乗算結果信
    号を加算して出力する演算手段とを有することを特徴と
    するベクトル絶対値演算回路。
  2. 【請求項2】 2次元ベクトルの第1の要素に対応す
    る第1の入力信号が入力される第1の入力端子と、 2次元ベクトルの第2の要素に対応する第2の入力信号
    が入力される第2の入力端子と、 前記第1の入力端子に接続され、前記第1の入力信号と
    振幅が同一で単一の極性とされた第1の絶対値信号を出
    力する第1の絶対値回路と、 前記第2の入力端子に接続され、前記第2の入力信号と
    振幅が同一で単一の極性とされた第2の絶対値信号を出
    力する第2の絶対値回路と、 前記第1の絶対値信号と前記第2の絶対値信号とを比較
    する比較回路と、 前記比較回路における比較の結果、前記第1の絶対値信
    号が前記第2の絶対値信号よりも大きいかあるいは等し
    い場合には前記第1の絶対値信号を選択し、前記第1の
    絶対値信号が前記第2の絶対値信号よりも小さい場合に
    は前記第2の絶対値信号を選択して出力する第1の選択
    手段と、 前記比較回路における比較の結果、前記第1の絶対値信
    号が前記第2の絶対値信号よりも大きいかあるいは等し
    い場合には前記第2の絶対値信号を選択し、前記第1の
    絶対値信号が前記第2の絶対値信号よりも小さい場合に
    は前記第1の絶対値信号を選択して出力する第2の選択
    手段と、 前記第1の選択手段からの入力信号に対して第1の係数
    を乗算し、前記第2の選択手段からの入力信号に対して
    は第2の係数を乗算し、該両乗算結果信号を加算して出
    力する重み付き加算回路とを有することを特徴とするベ
    クトル絶対値演算回路。
  3. 【請求項3】 2次元ベクトルの第1の要素に対応す
    る第1の入力信号が入力される第1の入力端子と、 2次元ベクトルの第2の要素に対応する第2の入力信号
    が入力される第2の入力端子と、 前記第1の入力端子に接続され、前記第1の入力信号と
    振幅が同一で単一の極性とされた第1の絶対値信号を出
    力する第1の絶対値回路と、 前記第2の入力端子に接続され、前記第2の入力信号と
    振幅が同一で単一の極性とされた第2の絶対値信号を出
    力する第2の絶対値回路と、 前記第1の絶対値信号に対して第1の係数を乗算し、前
    記第2の絶対値信号に対して第2の係数を乗算し、該両
    乗算結果信号を加算して出力する第1の重み付き加算回
    路と、 前記第1の絶対値信号に対して第2の係数を乗算し、前
    記第2の絶対値信号に対して第1の係数を乗算し、該両
    乗算結果を加算して出力する第2の重み付き加算回路
    と、 前記第1の絶対値信号と前記第2の絶対値信号とを比較
    する比較回路と、 前記比較回路における比較の結果、前記第1の絶対値信
    号が前記第2の絶対値信号よりも大きいかあるいは等し
    い場合には前記第1の重み付き加算回路の出力を選択し
    て出力し、前記第1の絶対値信号が前記第2の絶対値信
    号よりも小さい場合には前記第2の重み付き加算回路の
    出力を選択して出力する選択手段とを有することを特徴
    とするベクトル絶対値演算回路。
  4. 【請求項4】 前記第1の係数は10/11とされ、
    前記第2の係数は5/11とされていることを特徴とす
    る前記請求項1〜3のいずれか1項に記載のベクトル絶
    対値演算回路。
  5. 【請求項5】 前記重み付き加算回路は、 第1の入力端子と、 第2の入力端子と、 一端が前記第1の入力端子に接続された第1の入力キャ
    パシタンスと、 一端が前記第2の入力端子に接続された第2の入力キャ
    パシタンスと、 入力側に前記第1の入力キャパシタンスの他端と前記第
    2の入力キャパシタンスの他端とが接続され、かつ、出
    力側と入力側との間にフィードバックキャパシタンスが
    接続された反転増幅器とを有するものであることを特徴
    とする前記請求項2に記載のベクトル絶対値演算回路。
  6. 【請求項6】 前記第1の重み付き加算回路および前
    記第2の重み付き加算回路は、いずれも、 前記第1の絶対値信号と基準電位とが入力され、そのい
    ずれか一方を出力する第1のマルチプレクサと、 前記第2の絶対値信号と基準電位とが入力され、そのい
    ずれか一方を出力する第2のマルチプレクサと、 一端が前記第1のマルチプレクサの出力に接続された第
    1の入力キャパシタンスと、 一端が前記第2のマルチプレクサの出力に接続された第
    2の入力キャパシタンスと、 入力側に前記第1の入力キャパシタンスの他端と前記第
    2の入力キャパシタンスの他端とが接続され、かつ、出
    力側と入力側との間にフィードバックキャパシタンスが
    接続された反転増幅器と、 前記フィードバックキャパシタンスに並列に接続された
    スイッチ回路とを有しており、 前記選択手段により出力として選択されない重み付き加
    算回路には前記基準電位が入力され、当該スイッチ回路
    が閉成されるように制御されることを特徴とする前記請
    求項3記載のベクトル絶対値演算回路。
  7. 【請求項7】 前記第1の絶対値回路は、 前記第1の入力信号が入力される入力端子と、 前記第1の入力信号の極性を反転した出力信号を出力す
    る極性反転回路と、 前記第1の入力信号の極性に応じて、前記第1の入力信
    号と前記極性反転回路の出力信号とを選択して出力する
    選択回路とを有していることを特徴とする前記請求項1
    〜6のいずれか1項に記載のベクトル絶対値演算回路。
  8. 【請求項8】 前記第2の絶対値回路は、 前記第2の入力信号が入力される入力端子と、 第1および第2の出力端子と、 前記第2の入力信号の極性を反転した出力信号を出力す
    る極性反転回路と、 前記第2の入力信号が第1の極性であるときに、前記極
    性反転回路の出力信号を前記第1の出力端子に出力する
    とともに、前記第2の入力信号を前記第2の出力端子に
    出力し、前記第2の入力信号が第2の極性であるとき
    に、前記第2の入力信号を前記第1の出力端子に出力す
    るとともに、前記極性反転回路の出力信号を前記第2の
    出力端子に出力する選択回路手段とを有することを特徴
    とする前記請求項1〜7のいずれか1項に記載のベクト
    ル絶対値演算回路。
  9. 【請求項9】 前記極性反転回路は、一端が前記入力
    端子に接続され、他端が反転増幅器の入力端に接続され
    た入力キャパシタンスと、出力側と入力側との間にフィ
    ードバックキャパシタンスが接続された前記反転増幅器
    とを有しており、前記入力キャパシタンスと前記フィー
    ドバックキャパシタンスとの容量比は1とされているも
    のであることを特徴とする前記請求項7あるいは8に記
    載のベクトル絶対値演算回路。
  10. 【請求項10】 前記極性反転回路は、一方の入力が
    前記入力端子に接続され、他方の入力に基準電位が印加
    され、制御信号入力に応じて前記入力端子から入力され
    る信号と前記基準電位のいずれか一方を選択して出力す
    るマルチプレクサ回路と、該マルチプレクサ回路の出力
    に一端が接続され、他端が反転増幅器の入力端に接続さ
    れた入力キャパシタンスと、出力側と入力側との間に前
    記入力キャパシタンスと同一の容量を有するフィードバ
    ックキャパシタンスが接続された反転増幅器と、前記フ
    ィードバックキャパシタンスに並列に接続され、前記制
    御信号に応じて開閉制御されるスイッチ回路とを有して
    おり、前記制御信号は、前記第1の絶対値回路の出力信
    号とされていることを特徴とする前記請求項7に記載の
    ベクトル絶対値演算回路。
  11. 【請求項11】 前記第2の絶対値回路は、 前記第2の入力信号が入力される入力端子と、 第1および第2の出力端子と、 一方の入力が前記入力端子に接続され、他方の入力に基
    準電位が印加され、制御信号入力に応じて前記入力端子
    から入力される信号と前記基準電位のいずれか一方を選
    択して出力するマルチプレクサ回路と、該マルチプレク
    サ回路の出力に一端が接続され、他端が反転増幅器の入
    力端に接続された入力キャパシタンスと、出力側と入力
    側との間に前記入力キャパシタンスと同一の容量を有す
    るフィードバックキャパシタンスが接続された反転増幅
    器と、前記フィードバックキャパシタンスに並列に接続
    され、前記制御信号に応じて開閉制御されるスイッチ回
    路とを有する第1および第2の極性反転回路と、 前記第2の入力信号が第1の極性であるときに、前記第
    1の極性反転回路の出力信号を前記第1の出力端子に出
    力するとともに、前記第2の入力信号を前記第2の出力
    端子に出力し、前記第2の入力信号が第2の極性である
    ときに、前記第2の入力信号を前記第1の出力端子に出
    力するとともに、前記第2の極性反転回路の出力を前記
    第2の出力端子に出力する選択手段を有することを特徴
    とする前記請求項1〜7のいずれか1項に記載のベクト
    ル絶対値演算回路。
  12. 【請求項12】 前記反転増幅器は奇数段直列に接続
    されたインバータ回路により構成されていることを特徴
    とする前記請求項5、6、9、10あるいは11のうち
    のいずれか1項に記載のベクトル絶対値演算回路。
  13. 【請求項13】 前記第1の係数は前記フィードバッ
    クキャパシタンスと前記第1の入力キャパシタンスとの
    容量比により決定され、また、前記第2の係数は前記フ
    ィードバックキャパシタンスと前記第2の入力キャパシ
    タンスとの容量比により決定されていることを特徴とす
    る前記請求項5あるいは6記載のベクトル絶対値演算回
    路。
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