JP3522272B6 - ポリエチレングリコールを用いた実質的に純粋なeg ▲iii▼セルラーゼの製造方法 - Google Patents

ポリエチレングリコールを用いた実質的に純粋なeg ▲iii▼セルラーゼの製造方法 Download PDF

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発明の背景
1. 産業上の利用分野
本発明は実質的に純粋なEG IIIセルラーゼ成分を含有するポリエチレングリコール溶液を製造する方法に関するものである。特に本発明の方法の一部は、特定のポリエチレングリコールを水性混合物に添加してEG IIIが多いポリエチレングリコール相とEG IIIが少ない水相とからなる2相系を調製してEG IIIが多いポリエチレングリコール相を分離することにより、EG III含有セルラーゼタンパク質の水性混合物からEG IIIセルラーゼ成分を分離する方法に関するものである。本発明はまた一部は、分画により、または上記2つの方法の組合せにより、実質的に純粋なEG IIIセルラーゼ成分を調製する方法に関するものである。本発明はまた一部は、キシラナーゼをも含有するセルラーゼタンパク質の水性混合物からキシナーゼ ポリエチレングリコール相を集積する方法に関するものである。
2. 従来技術
セルラーゼは、セルロース(β−1、4−グリカン結合)を加水分解し、それによって、グルコース、セロビオース、セロオリゴ糖等を生成させる酵素として従来技術において知られている。セルラーゼは、菌類、細菌等内で産生(発現)されるけれども、セルロースの結晶構造を分解することのできる完全セルラーゼ系が発酵方法により大量に容易に産生されるので、ある菌類、特に菌類網トリコデルマ spp.(Trichoderma spp.)(特にトリコデルマ リーセイ(Trichoderma reesei))により産生されたセルラーゼは最も注目を集めている。
上記点に関して、Schulein、“Methods in Enzymology"、160、25、234頁et seq.(1988)は、完全菌類セルラーゼ系が、エキソセロビオヒドロラーゼ(EC 3.2.1.91)(「CBH」)、エンドグルカナーゼ(EC 3.2.1.4)(「EG」)、およびβ−グルコシダーゼ(EC 3.2.1.21)(「BG」)として同定される酵素を含むいくつかの異なる酵素分類からなることを開示している。CBH、EGおよびBGの菌類セルラーゼ分類をさらに発展させて、各々の分類内に多数の成分を含むようにできる。例えば、多数のCBHおよびEGが様々な菌類源から単離されている。
CBH成分、EG成分およびBG成分からなる完全セルラーゼ系は、結晶性セルロースをグルコースに能率的に転化させるのに必要とされる。いやしくも、結晶性セルロースを加水分解する際には、単離された成分はほとんど効果的ではない。さらに、特にセルラーゼ成分が異なる分類のものである場合、セルラーゼ成分の間で相乗関係が観察される。
一方で、単独または組合せのいずれかにより使用するセルラーゼおよびその成分は、洗浄剤組成物に有用であることが従来技術において知られている。例えば、菌類セルラーゼのエンドグルカナーゼ成分は、柔軟剤として使用するための、そして綿織物等の感触を改善するのに使用するための、洗浄剤組成物の洗浄力を増強させる目的に使用されている。しかしながら、洗浄剤組成物中にトリコデルマ spp.そして特にトリコデルマ リーセイから由来したEG I成分およびEG II成分を使用するには問題がある。特に、そのような成分は酸性pHで最大活性を有しているが、ほとんどの洗濯洗浄剤組成物は中性またはアルカリ性(pH>7から約10まで)条件で使用するように配合されている。洗浄剤組成物中にトリゴデルマ リーセイの1種類以上の酸性エンドグルカナーゼ成分を使用すると、アルカリ性条件下で使用した場合でさえも、綿含有織物に対する感触、柔軟性および色の保持と復元を改良できることが米国特許出願第07/668,640号に開示されているが、トリコデルマ spp.のEG III成分は、トリコデルマ リーセイのEG I成分およびEG II成分と比較して、洗浄剤組成物において予期せぬ優れた利点を有することが米国特許出願第07/707,647号に開示されている。
特に、EG IIIセルラーゼ成分は、アルカリ条件下で著しい酵素活性を有することがわかっており、中性またはアルカリ性の洗浄剤洗濯媒質を用いた洗濯条件に使用するのにも特に適している。
洗濯洗浄剤に使用することに加えて、ここに記載する実質的に純粋なEG IIIセルラーゼ成分はさらに、1991年5月30日に出願され、ここに引用する米国特許出願第07/707,647号に記載されているように、色の保持と復元、柔軟性および感触を望ましく改良する十分な活性がある場合、中間のpHの適切な溶液中において予洗工程に使用することができる。
また、ここに記載する実質的に純粋なEG IIIセルラーゼ成分は、スポットリムーバーに使用できるだけでなく、また色褪せた織物に対して色を復元するのに適した孤立組成物(例えば、ここに全てを引用する、米国特許第4,738,682号を参照のこと)としての家庭用途に使用することもできると考えられている。
さらに、中性からアルカリ性の条件下でEG IIIセルラーゼ成分の大きい活性は、緑蔵飼料加工および/または堆肥化加工と同様に、綿含有織物を処理する繊維加工(ここに全てを引用する米国特許出願第07/677,385号および同第07/678,865号を参照のこと)にも有益であると考えられている。
上述した点は著しく異なって、本発明は、水性酵素混合物から、特に完全菌類セルラーゼ組成物からEG IIIセルラーゼ成分を分離して精製する、特に商業規模のEG IIIセルラーゼ成分の製造のための能率的な方法に関するものである。
発明の概要
特に、本発明は、EG IIIセルラーゼ成分を含むセルラーゼタンパク質を含有する水性混合物から、実質的に純粋なEG IIIセルラーゼ成分を含有するポリエチレングリコール溶液を製造する方法に関するものである。したがって、その方法の一面において、本発明は、EG IIIセルラーゼを含むセルラーゼタンパク質を含有する水性混合物からEG IIIを選択的に回収する方法に関し、その方法は、無機塩の存在下において効果的な量のポリエチレングリコール(PEG)の水性混合物を添加する工程を含んでいる。その混合物は、EG IIIが多いポリエチレングコール相およびEG IIIが少ない水相からなる二相液体混合物を形成している。この方法において、EG IIIが多い相には他のセルラーゼタンパク質は実質的に含まれず、EG IIIが多い相は後に分離される。
本発明の方法はまた一部には、無機塩の存在下において効果的な量のポリエチレングリコールを水性混合物に添加することにより、キシラナーゼも含有するセルラーゼタンパク質の水性混合物から実質的に純粋なキシラナーゼを単離する方法に関するものである。水性混合物がEG IIIも含有する場合には、回収したポリエチレングリコール相はEG IIIおよびキシラナーゼの両方を含有している。
別の方法において、本発明は、EG IIIを含有する水性セルラーゼタンパク質混合物からEG IIIセルラーゼを選択的に回収する方法に関し、その方法は、その水性混合物を陰イオン交換カラムにを通すことを含んでいる。陰イオン交換カラムに結合しなかったタンパク質分画はEG III成分を含有している。次いでこの分画を陽イオン交換カラムに通す。この陽イオン交換カラムは、EG IIIセルラーゼと結合し、後に塩溶液により樹脂から溶離せしめられる。
本発明の3番目の方法は、いずれかの順番で上記した2つの方法の組合せである。
水性セルラーゼタンパク質混合物は、全細胞抽出物、より好ましくは、野生型トリコデルマ spp.菌株、遺伝的に修飾されたトリコデルマ spp.または本発明の方法に適合しているEG IIIを含むセルラーゼタンパク質を含有する他の水性混合物からの全セルラーゼ組成物であり得る。
図面の簡単な説明
第1図は、CBH IおよびCBH IIを発現できないように形質転換したトリコデルマ リーセイの菌株由来のEGの多い菌類セルラーゼ組成物の40℃での所定のpH範囲におよぶRBB−CMC活性プロファイル、並びに40℃での所定のpH範囲におよぶトリコデルマ リーセイ由来のEG IIIの多いセルラーゼ組成物の活性プロファイルを示すグラフである。
第2図は、レーン1において、野生型トリコデルマ リーセイにより発現されたタンパク質を示し、レーン2において、EG IおよびEG II成分を発現できないように形質転換したトリコデルマ リーセイの菌株により発現されたタンパク質を示し、レーン3において、実施例1の方法により得られたタンパク質と同一の実質的に純粋なEG IIIセルラーゼ中に発見されるタンパク質を示す等電点電気泳動ゲルを示すものである。この図の左の余白に、CBH I、CBH II、EG I、EG II、EG IIIおよびキシラナーゼに帰するバンドを同定できるように印が付けてある。
第3図は、EG IIIの2つの断片から得られたアミノ酸配列である。
第4図は、pΔCBH I pyr4の構築を示す概略図である。
第5図は、トリコデルマ リーセイ染色体のうちの1つの染色体上のcbh1座にpΔCBH I pyr4からのより大きなEcoR I断片を組み込むことよるトリコデルマ リーセイ遺伝子の欠失を説明する概略図である。
第6図は、プローブとして32Pで標識したpΔCBH I pyr4を用いた、サザンブロット分析後のEcoR I切断pΔCBH I pyr4により形質転換したトリコデルマ リーセイ菌株GC69からのDNAのオートラジオグラフである。分子量マーカーの大きさを図面の左側にキロ塩基対で示している。
第7図は、プローブとして32Pで標識したpIntCBH Iを用いた、EcoR I切断pΔCBH I pyr4により形質転換したトリコデルマ リーセイ菌株GC69からのDNAのオートラジオグラフである。分子量マーカーの大きさを図面の左側にキロ塩基対で示している。
第8図は、野生型のトリコデルマ リーセイにより分泌されたタンパク質およびトリコデルマ リーセイの形質転換菌株により分泌されたタンパク質を示す等電点電気泳動ゲルである。具体的には第8図において、等電点電気泳動ゲルのレーンAは、部分的に精製したトリコデルマ リーセイからのCBH Iが作用したものである。レーンBは、野生型のトリコデルマ リーセイが作用したものである。レーンCは、cbh1遺伝子が欠失したトリコデルマ リーセイ菌株からのタンパク質が作用したものである。レーンDは、cbh1およびcbh2遺伝子が欠失したトリコデルマ リーセイ菌株からのタンパク質が作用したものである。第8図において、図面の右側には、1つ以上の分泌タンパク質に発見された単一タンパク質の座を示すように印付けてある。具体的には、BGはβ−グルコシダーゼを意味し、E1はエンドグルカナーゼIを意味し、E2はエンドグルカナーゼIIを意味し、E3はエンドグルカナーゼIIIを意味し、C1はエキソセロビオヒドロラーゼIを意味し、C2はエキソセロビオヒドロラーゼIIを意味するものである。
第9A図は、ゲノムDNA上の4.1kb EcoR I断片としてクローニングしたトリコデルマ リーセイcbh2座を示す概略図であり、第9B図は、cbh2遺伝子が欠失したベクターpPΔCBH IIを示す概略図である。
第10図は、プローとして32Pで標識したpΔCBH I pyr4を用いた、サザンブロット分析後のEcoR I切断pΔCBH IIにより形質転換したトルコデルマ リーセイ菌株P37PΔCBH I Pyr26からのDNAのオートラジオグラフである。分子量マーカーの大きさを図面の左側にキロ塩基対で示している。
第11図は、pΔEG I pyrG−3の構成を示す概略図である。
第12図は、トリコデルマ リーセイ染色体の1つのegl1座にpΔEG I pyrG−3からのHind III断片を組み込むことによるegl1遺伝子の欠失を説明する概略図である。
第13図は、pAΔEG II−1の構成を示す概略図である。
発明の詳細な説明
上述したように、本発明は概して、ポリエチレングリコール溶液中において、または回収したタンパク質として、実質的に純粋なEG IIIセルラーゼ成分を産生する方法に関するものである。
しかしながら、本発明をさらに詳細に説明する前に、以下の用語を最初に定義しておく。
1. 定義
本明細書に使用する場合、以下の用語は以下の意味を有するものである。
「EG IIIセルラーゼ」とは、トリコデルマ spp.由来のエンドグルカナーゼ成分、または約5.5から約6.0までの範囲pH最適値、約7.2から約8.0までの範囲の等電点(pI)、および約23キロダルトンから約28キロダルトンまでの範囲の分子量により特徴付けられる、トリコデルマ spp.により産生されるEG IIIと同等のタンパク質を産生する微生物由来のエンドグルカナーゼ成分を意味する。好ましくは、EG IIIセルラーゼは、トリコデルマ リーセイかまたはトリコデルマ ビリデ(Trichoderma viride)由来のものである。トリコデルマ リーセイ由来のEG IIIセルラーゼは、約5.5から約6.0までの範囲のpH最適値、約7.4の等電点(pI)および約25キロダルトンから約28キロダルトンまでの範囲の分子量を有する。トリコデルマ ビリデ由来のEG IIIセルラーゼは、約5.5のpH最適値、約7.7の等電点(pI)および約23.5キロダルトンの分子量を有する。さらに、EG IIIセルラーゼのアミノ酸配列が変更されていてもよいと考えられる。この酵素の活性部位を変更すると、pH最適値、最適温度または基質に対する親和性のような様々な特性を変化させてしまうかもしれない。
EG III成分は、pIが高いために、pIの高いキシラナーゼ、およびトリコデルマ spp.により発現されるpIの高い他の成分が一般的に発見される等電点電気泳動ゲルの領域に発見される。実際、第2図にEG IIIとして認識されているバンドはEG IまたはEG IIのうちいずれかの分解生成物であると、文献に仮定されている。しかしながら、EG IおよびEG IIが欠失したセルラーゼ(米国特許出願第07/770,049号および同第07/668,640号の方法により調製された)の等電点電気泳動ゲルは、このバンドはEG IまたはEG IIのうちのいずれの分解生成物にも起因するものではないことを示した(第2図)。
EG IIは以前には、ある著者による専門語の「EG III」により示されていたが、現在の専門語では、「EG II」と称している。いずれにしても、EG IIタンパク質は、以下に示す実施例2の表2に証拠付けられるように、分子量、pI、およびpH最適値について、EG IIIタンパク質とは実質的に異なる。
「実質的に純粋なEG IIIセルラーゼ」とは、セルラーゼタンパク質の総重量に対して、少なくとも50重量パーセント、より好ましくは少なくとも70重量パーセント、最も好ましくは少なくとも90重量パーセントのEG IIIセルラーゼ成分を含有するセルラーゼタンパク質の組成物(固体または液体)を意味する。
「他の全てのセルラーゼタンパク質を実質的に含まない」とは、EG III以外のセルラーゼタンパク質の少なくとも50重量パーセント、より好ましくは60重量パーセント、そして最も好ましくは少なくとも90重量パーセントが、元のセルラーゼ酵素の水性混合物から除去されている組成物を意味する。
「キシラナーゼが豊富」とは、少なくとも4倍、より好ましくは10倍、本発明の方法によってキシラナーゼの濃度が増大した水溶液または組成物、もしくはポリエチレングリコール相を意味する。
「セルラーゼタンパク質」とは、野生型菌類源、または野生型菌類源から得られるセルラーゼ遺伝子の全てまたは一部を包含し発現させるように遺伝子的に修飾した微生物由来の、エキソセロビオヒドロラーゼ(CBH)タンパク質、エンドグルカナーゼ(EG)タンパク質およびβ−グルコシダーゼ(BG)タンパク質のいずれかまたは全てを含有するセルラーゼタンパク質を意味する。集団的に、そのようなタンパク質(すなわち、CBH、EGおよびEGタンパク質)の全てを「セルラーゼタンパク質」と称する。これに反して、セルラーゼタンパク質は、キシラナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ等を含む、トリコデルマ spp.により発現される他のタンパク質を含まない。
「エンドグルカナーゼ(EG)成分」とは、トリコデルマ リーセイのEG I、EG IIおよび/またはEG III成分を含む、トリコデルマ spp.のEG成分を意味する。単体または組合せいずれかのトリコデルマ spp.のエンドグルカナーゼ成分(例えば、トリコデルマ リーセイのEG I、EG II、EG III)は、これらの成分を繊維処理媒質に含有させて、綿含有織物をこの媒質中で処理する場合には、その織物について、感触、外観、柔軟性、色、および/またはストーンウォッシュの外観を改良する(処理する前の織物と比較して)。上記した事項に加え、EG IIIは、多くの洗浄剤組成物が使用されるアルカリ性のpHで実質的な活性を有する。
「エキソセロビオヒドロラーゼ(CBH)成分」とは、トリコデルマ リーセイのCBH IおよびCBH II成分を含む、トリコデルマ spp.のCBH成分を意味する。トリコデルマ spp.のEG成分を含まない状態でトリコデルマ spp.のCBH成分を使用する場合、このCBH成分単体では、処理した綿含有織物の、色の保持/復元および感触が著しくは改良されない。さらに、そのようなEG成分と組み合わせてトリコデルマ リーセイのCBH I成分を用いる場合には、綿含有織物の強度損失を高め、洗浄することの利点を高めることができる。
「β−グルコシダーゼ(BG)成分」とは、BG活性を示すセルラーゼ成分を意味する。すなわち、そのような成分は、セロビオースおよび他の溶性セロオリゴ糖(「セロビオース」)の非還元末端から作用しはじめ、唯一の生成物としてグルコースを生成させる。BG成分は、セロビオース重合体上には吸着されず、または反応しない。さらに、そのようなBG成分は、グルコースにより競合的に阻害される(Kiはほぼ1mMである)。厳密に言えば、BG成分はセルロースを分解できないので、本当はセルラーゼではないが、これらの酵素は、CBH成分およびEG成分の組合せ作用によって生成される阻害セルロース分解生成物(特にセロビオース)をさらに分解することによりセルロースの全体的な分解を促進させるので、そのようなBG成分はセルラーゼ系の定義に含まれる。BG成分が存在しないと、結晶性セルロースの加水分解はわずかしか、またはほとんど行なわれない。BG成分はしばしば、p−ニトロフェノール B−D−グルコシド(PNPG)のようなアリール基質に特徴付けられる。あるアリール−グルコシダーゼはセロビオースを加水分解しないという点で、全てのアリール−グルコシダーゼがBG成分であるわけではないことに注意すべきである。
2. 方法論
A. ポリエチレングルコールによるEG IIIの回収
本発明は一部は、特定のポリエチレングリコールを添加することにより、EG IIIを含有するセルラーゼタンパク質の水性混合物から、他のセルラーゼタンパク質を実質的に含まないEG IIIセルラーゼが得られるという発見に関するものである。驚くべきことに、これらの条件下において、EG III以外の実質的に全てのセルラーゼタンパク質が水相に残存するが、EG IIIは実質的に純粋な量でポリエチレングリコール相中に回収される。これらの条件下で、多量のキシラナーゼがポリエチレングリコール相中に回収されることも発見された。
本発明を実施する好ましい方法の1つにおいて、セルラーゼを含有する水性混合物を濾過して、細胞ブイヨン(cell debris)および他の固体を除去し、セルラーゼタンパク質を含むタンパク質の混合物を含有する濾液を作成した。より好ましくは、シトラーゼ123(CYTOLASE123)(カリフォルニア州、サウスサンフランシスコのジェネンカー インターナショナル社から市販されている)のような細胞を含まないセルラーゼタンパク質混合物を使用する。別の方法において、すでにEG IIIが多い相溶性水性混合物を含む相溶性供給源、より具体的には、「アルコールを用いた実質的に純粋なEG IIIセルラーゼを産生する方法」と題し、ここに全てを引用する代理人番号010055−107の本出願と同時に出願された米国特許出願に記載されたEG III溶液から水性混合物を得ることができる。
濾液を濾過段階にて得た後、その濾液をポリエチレングルコール(PEG)と接触させる前に、濾液に無機塩を加えてもよい。ある場合には、無機塩を添加すると、水相からポリエチレングリコール相中へのEG IIIセルラーゼ成分の分割を高めることができる。
次いで、有為な量のEG IIIをポリエチレングリコール相に運搬するのに十分な期間に亘りポリエチレングリコールと水性混合物を混合する。そのような特定の期間は、添加するポリエチレングリコールの量、添加する塩の量等により変化する。そのような要件は当業者により容易に確かめられる。しかしながら、好ましい実施態様においては、少なくとも約2時間、より好ましくは約4時間、そして最も好ましくは約18時間に亘りポリエチレングリコールを水性混合物と混合する。相が分離するのに十分な期間、好ましくは少なくとも約4時間、より好ましくは8時間、最も好ましくは約18時間に亘り、混合後にポリエチレングリコール水性混合物を放置する。2相混合液が形成される。EG IIIセルラーゼ成分はポリエチレングリコール相に存在している。次いでEG IIIが多いポリエチレングリコール相を水性相から分離する。回収したEG IIIが多い溶液は、これらのタンパク質のうち約50重量パーセントから約90重量パーセントをこえるまでの量がEG IIIであるセルラーゼタンパク質の混合物を含有している。
様々な方法によりポリエチレングリコール相からEG III成分を精製することができる。好ましい実施態様において、EG IIIセルラーゼ成分を冷たいエタノールにより沈殿させ、所望の水溶液中に再懸濁させる。適切な緩衝液は、pH5の50mMの酢酸ナトリウム、またはpH5の10mMのクエン酸リン酸のような、EG IIIセルラーゼ成分を変性しない従来技術で知られている緩衝液である。
本発明の本質的な特徴の1つは、ポリエチレングリコール(PEG)を使用することである。PEGは固有に活性であり、他のセルラーゼタンパク質を含有する水性混合物からEG IIIセルラーゼを回収するのに選択性を有することが分かった。この点に関して、「効果的な量のポリエチレングリコール」とは、有為な量のEG III成分を他のセルラーゼタンパク質から分割するのに必要な、水性混合物の添加される量を意味する。添加するポリエチレングリコールの量は、好ましくは0.5%(w/v)から10%(w/v)までの範囲にあり、より好ましくは4%(w/v)である。本発明の方法に使用するPEGの平均分子量は、約5,000から約10,000までの範囲に亘り、好ましくは約7,000から約9,000までの範囲に亘り、そして最も好ましくは約8,000である。
上述した方法に関して、実質的に約5,000未満の分子量を有するポリエチレングリコールを使用すると、他のセルラーゼ酵素から分離が好ましくなくなってしまう。一方約10,000より実質的に大きい分子量を有するポリエチレングリコールを使用すると、PEG相から捕獲するEG IIIセリラーゼ成分の量が減少してしまう。好ましい実施態様において、ポリエチレングリコールの分子量は約8,000である。
セルラーゼタンパク質の水性混合物は、EG IIIの百分率と比較して高い百分率の他のセルラーゼタンパク質を含有しているので、そのような水性混合物からEG IIIセルラーゼ成分を分離するのにポリエチレングリコールが特に有用であることが分かった。シトラーゼ123セルラーゼ系中のセルラーゼタンパク質の標準分布を以下に示す:
CBH I 45−55重量パーセント
CBH II 13−15重量パーセント
EG I 11−13重量パーセント
EG II 8−10重量パーセント
EG III 1−4重量パーセント
BG 0.5−1重量パーセント
本発明の方法により、有用な量のEG III成分が得られる。他の方法と比較した本発明のPEG抽出方法によるEG III成分の回収の損失は、EG III成分の回収速度により補償される。この方法には精製のための大規模な分画工程は必要ないが、所望であれば、さらなる精製のためにそのような工程を続いて行なうこともできる。
「無機塩」とは、ポリエチレングリコールとともに使用する場合に、タンパク質を変性させることなくEG IIIの精製を促進させる硫酸イオンまたはリン酸イオンを有する相溶性無機塩を意味する。そのような無機塩の例としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等が挙げられる。「効果的な量の無機塩」とは、ポリエチレングリコールを含有する水性混合物に添加するときに、EG III成分をポリエチレングリコール相中に優先的に分離し、水相中にEG III以外のセルラーゼタンパク質を保持する量を意味する。
無機塩の濃度を変更させて、所望の結果を得ることができる。約4%(w/v)から約20%(w/v)の濃縮塩溶液、より好ましくは約10%(w/v)から約14%(w/v)の濃縮塩溶液の存在下で、EG IIIセルラーゼ成分がPEG相中で最良に金属イオン封鎖されることが分かった。塩のレベルが約20%(w/v)より実質的に多い場合には、沈殿を生じてしまい、塩のレベルが約4%(w/v)より実質的に少ない場合には、分離が望ましくなくなるか、または溶液が1つの相のままとなってしまう。
B. 分画によるEG IIIセルラーゼの回収
本発明の方法を実施する別の好ましい方法において、分画によりシトラーゼ123のような、セルラーゼタンパク質を含有する濾過した水性混合物からEG IIIを回収する。適切な脱塩樹脂を用いて適切な段階で水性混合物を脱塩し、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂を用いてEG IIIを分離することにより、そのような分画を行なうことができる。具体的には、pH6.8の10mMのリン酸ナトリウム緩衝液を用いてセファデックスG−25ゲル濾過樹脂カラムにより水性混合物を最初に脱塩することによりEG IIIを回収した。次いで脱塩した溶液をQAトリスアクリルM陰イオン交換樹脂カラムに充填する。このカラム上に結合しなかった分画はEG IIIを含有している。この分画を、pH4.5の10mMのクエン酸ナトリウムで平衡状態にしたセファデックスG−25ゲル濾過樹脂カラムを用いて脱塩する。この溶液をSPトリスアクリルM陽イオン交換樹脂カラムに充填する。200mMの塩化ナトリウムの水溶液によりEG IIIセルラーゼ成分を溶離させる。
本発明の方法を実施する別の好ましい方法において、陽イオン交換カラムから得たEG III試料をさらに分画することができる。事前にpH4の10mMのクエン酸ナトリウムにより平衡状態にしたセファデックスG−25カラムによりEG III試料を脱塩する。モノ−S−HR5/5カラム(ニュージャージー州、ピスキャタウェイのファーマシアLKBバイオテクノロジーから得られる)を用いて、その溶液をFPLCシステムに供した。次いで、0.5ml/分の速度で塩化ナトリウム水溶液の0−200mMの勾配によりそのカラムを溶離させる。EG IIIセルラーゼ成分を回収した。ゲル電気泳動によってこのEG IIIセルラーゼ成分の純度は90%よりも大きいことが分かった。EG IIIのこの純度は、既知の技術によりN末端アミノ酸配列を求めるのに適している。
セファロース樹脂はよく知られた種類の樹脂である。ここに使用している「セファロース」とは、塩を保持するがEG IIIを排除するのに十分な排除サイズ(exclusion size)を有する任意のセファロース樹脂を意味する。ここに使用している「陰イオン交換樹脂」とは、EG IIIのpHより低いpHにおいて、EG III以外のセルラーゼタンパク質の少なくともいくらかと結合するのに十分な電荷密度を供する陽イオン官能基を有する任意の樹脂を意味する。適切な陰イオン樹脂は、アミノエチル(AE)官能基、ジエチルアミノエチル(DEAE)官能基および第4アミノエチル(QAE)官能基を有する。ここに使用している「陽イオン交換樹脂」とは、EG IIIのpIより低いpHでEG IIIと結合するのに十分な電荷密度を供する陰イオン官能基を有する任意の樹脂を意味する。適切な陽イオン樹脂は、スルホプロピル(SP)官能基、ホスホ(P)官能基およびカルボキシメチル(CM)官能基を有する。
上述したEG IIIセルラーゼ成分をさらに精製することが望ましい場合もある。例えば、最初のPEG抽出方法から得た物質を2番目の分画方法に用いることにより、またその逆に2番目の分画方法から得た物質を最初のPEG抽出方法に用いることにより、上述した方法において単離したEG IIIセルラーゼ成分をさらに精製することもできる。
代理人番号010055−107として本出願とともに出願し、ここに全てを引用する、「アルコールを用いた、実質的に純粋なEG IIIセルラーゼを産生する方法」と題する米国特許出願に記載されている方法により、ここに回収したEG IIIをさらに精製することもできる。
上述した記載は本発明の方法を実施する好ましい方法に関するものであり、本発明の教示により上述した方法を様々に変更できることが分かるであろう。様々な方法の条件を変更することができ、使用する試薬を変更して、EG III成分を含有する任意の適した酵素の水性混合物からEG IIIセルラーゼ成分を回収する様々な所望のまたは最適な操作条件を供することができる。
当業者には理解されるように、本発明の方法の記載において上述した酸、塩基および塩を変更できるか、または本発明の操作を妨害せずに所望のpHまたは所望の塩含有量を供するが、EG IIIセルラーゼ成分を変性しない等価の酸、塩基または塩と置換できる。
さらに、本発明の分画方法の前に本発明の抽出方法を行なうこともできるが、その逆でもよい。本発明の分画方法によってさらに精製して実質的に純粋なEG IIIセルラーゼを含有する水溶液を供することができる、EG IIIが多いポリエチレングリコールの最初の相を提供するように、水性混合物をポリエチレングリコールにより抽出することができる。
適切な発酵条件下でEG IIIを産生するトリゴテルマ spp.の菌株を含む任意の供給源からEG IIIセルラーゼを精製できる。EG IIIの特定の供給源は重要ではないが、好ましい供給源は、トリコデルマ リーセイおよびトリコデルマ ビリデである。トリコデルマ リーセイからのEG IIIの特に好ましい供給源は、ジェネンカー インターナショナル社(94080、カリフォルニア州、サウスサンフランシスコ、180キンボールウェイ)から市販されてるシトラーゼ123である。トリコデルマ spp.由来の完全セルラーゼ系(「全セルラーゼ」)から実質的に純粋なEG IIIセルラーゼを得る適切な方法としては、以下に述べる実施例に記載された方法が挙げられる。これらの実施例は、全セルラーゼにPEG抽出および/または異なる分画物質(カラム)を用いた繰返しの分画工程を行なうことにより、実質的に純粋なEG IIIセルラーゼが容易に得られることを示している。
EG IIIの単離効率を高めるために、EG IIIを過剰発現(overexpress)するように、および/またはEG I成分、EG II成分、CBH I成分および/またはCBH II成分のうちの1つ以上を産生できないように、遺伝子的に修飾した微生物(例えば、トリコデルマ リーセイ)を用いることが望ましいと思われる。このようにすることにより必ず、例えば、上述したような分画および/またはPEG抽出によってEG IIIをより能率的に単離することができる。トリコデルマ リーセイのこれらの菌株のうちのいくつかの産生が、1991年3月13日に出願された米国特許出願第07/668,640号および下記の実施例に開示されている。
さらに、実質的に純粋なEG IIIセルラーゼを産生するように微生物を遺伝子的に修飾することにより、実質的に純粋なEG IIIセルラーゼを調製できると考えられる。例えば、下記の実施例に述べる分画方法により調製した実質的に純粋なEG IIIを使用して、既知の塩基配列決定法を用いてタンパク質の一部のアミノ酸配列を決定した(実施例4)。EG IIIセルラーゼ成分をコード化する遺伝子をクローニングするために、この情報を用いて合成DNAプローブを調製することができる。一度EG III遺伝子をクローニングしたら、既知の技術によりEG III遺伝子を操作し、最終的には様々なトリコデルマ spp.菌株中かまたは他の微生物中に挿入できる。例えば、1990年10月5日に出願された米国特許出願第07/593,919号の一部継続出願である、1991年10月4日に出願された米国特許出願第07/770,049号、および1991年3月13日に出願された米国特許出願第07/668,640号を参照のこと。それらの特許出願には、修飾した微生物が1つ以上のセルラーゼ遺伝子を発現できず、実際に別のセルラーゼ遺伝子を過剰産生し得るように、トリコデルマ リーセイを遺伝子操作する方法が開示されている。1991年10月4日に出願された米国特許出願第07/770,049号、1990年10月5日に出願された米国特許出願第07/593,919号、および1991年3月13日に出願された米国特許出願第07/668,640号の開示の全てを引用する。
これらの特許出願に記載された方法を用いて、他のセルラーゼタンパク質とともに、またはそれを除いてEG IIIを産生するようにトリコデルマ リーセイを遺伝子操作することができる。さらに、これらの出願に記載された方法では、どのような異種タンパク質をも産生しないトリコデルマ リーセイ菌株を調製している。
さらに、他の微生物中にEG IIIコード化遺伝子を発現することが可能である。そのような微生物の例としては、以下に限定されるものではないが、サッカロミセス セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピチア パストリス(Pichia pastoris)、ハンセニューラ ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、クルイベロミセス ラクチス(Kluyveromyces lactis)、ヤロウィア リポリチカ(Yarrowia lipolytica)、シャンニオミセス オクシデンタリス(Schanniomyces occidentalis)等のような酵母種が挙げられる。例えば、PCT特許出願第wo 85/04672号を参照のこと。非トリコデルマ宿主であるこれらの代替物において発現を行なうためには、EG IIIコード化DNA配列をその特定の宿主からの遺伝子より得られたプロモーター配列およびターミネーター配列に機能的に結合させる必要があることもある。また、EG III分泌信号配列をコード化するDNA配列の代わりに、代替宿主からの分泌信号配列をコード化するDNA配列を用いる必要があると思われる。他の生物内でEG IIIを産生および分泌することにより、実質的に純粋な形態でEG IIIを得ることができる。
上述した実質的に純粋なEG IIIセルラーゼをさらに、液体希釈物、顆粒、エマルジョン、ゲル、ペースト等に加工することもできる。そのような形態は当業者によく知られている。固体の洗浄剤組成物が望ましい場合、セルラーゼ組成物を好ましくは顆粒として調合する。好ましくは、セルラーゼ保護剤を含有するように顆粒を調合することができる。例えば、代理人番号第010055−073号として1991年1月17日に出願された、「酵素および酵素保護剤の両方を含有する顆粒並びにそのような顆粒を含有する洗浄剤組成物」と題する米国特許出願第07/642,669号を参照のこと。この出願の全てを引用する。同様に、顆粒の洗浄媒質中への溶解速度を遅くする物質を含有するようにその顆粒を調合することもできる。そのような物質と顆粒が、代理人番号第GCS−171−US1番として1991年1月17日に出願された、「顆粒組成物」と題する米国特許出願第07/642,596号に開示されており、その出願の全てをここに引用する。次いでEG IIIを含有する顆粒または他の洗浄剤配合物を織物の洗浄に用いて、柔軟特性を織物等に与えることができる。
以下の実施例は本発明を説明することを意図したものであり、本発明の範囲を制限するものとして考えるべきではない。
実施例
実施例1
EG IIIセルラーゼ酵素の大規模な抽出
A. 細胞を含まないセルラーゼの濾液100リットルを約30℃に加熱した。加熱した物質を、約4%(w/v)カーボワックス(登録商標)PEG8000(ポリエチレングリコール、約8000の平均分子量)(コネチカット州、ダンバリー、ユニオンカーバイド)および約10%(w/v)無水硫酸ナトリウムとして調製した。混合物を2相の液体混合物を形成した。SA−1ディスク スタック遠心分離機を用いて相を分離した。銀染色(silver staining)等電点電気泳動ゲルを用いて相を分析した。EG IIIおよびキシラナーゼについて分画と集積を行なった。回収した組成物は約20重量パーセントから約50重量パーセントまでの範囲のEG IIIを含有していた。ポリエチレングリコール相中に回収されたキシラナーゼの量は、少なくとも4倍キシラナーゼが豊富であった。
B. 細胞を含まないセルラーゼ濾液100リットルを、円錐形の底および底の中心に排出口を有する130リットルの容器に加えた。出発物質は、EG III以外のセルラーゼが欠失したおよび/またはEG IIIが過剰発現された菌株からのセルラーゼまたは全セルラーゼであってもよい。限外濾過は必要条件ではないけれども、タンパク質の濃度を約10g/lから約50g/lまでの範囲に保持すべきである。
次に、平均分子量8000のポリエチレングリコール4kgと硫酸アンモニウム10kgをセルラーゼ濾液に加えた。混合物を18時間に亘りオーバーヘッドミキサー中で混合した。混合後、18時間におよび相を分離させた。相を分離したままにするように底の排出口から底の相を除去した。PEG相を採集し、30分間に亘り5,000xgで遠心分離して不溶性物質を除去した。EG III活性はポリエチレングリコール溶液中において安定である。
ポリエチレングリコールからのタンパク質の除去は、ポリエチレングリコールはエタノールに溶性であり、タンパク質は溶性ではないという事実を利用するものである。この段階において、ある塩も除去し、タンパク質を濃縮させている。PEG相のアリコート200mlおよび冷たい(−20℃)エタノール800mlを1リットルの遠心分離ボトル中でよく混合し、−20℃で約18時間に亘り放置した。混合物を30分間に亘り5,000xgで遠心分離し、溶液にデカンテーションを行ない、沈殿物を脱イオン水で濯いだ。
沈殿したタンパク質を溶解させる緩衝液の選択は、それに続くクロマトグラフィー工程か、または最終工程の場合にはEG IIIが多い溶液を調製する工程に依存する。一般的に、緩衝液は、陽イオン交換クロマトグラフィーの調製において、pH5の50mM酢酸塩、またはpH4の10mMクエン酸リン酸のいずれかである。
PEG抽出物の回収は、RBB−CMC活性に基づいて測定でき、合計容量を以下に示す。RBB−CMC活性を測定する方法を実施例3に記載する。
表 1
試 料 希釈 OD590 OD/ml 容量ml 合計OD% 回収
ブイヨン 40 .299 12.0 4000 47840 100
PEG 100 .193 19.3 510 9843 21
抽残液 40 .234 9.36 3490 32666 68
活性の回収はPEG相中への15パーセントから30パーセントまでの範囲におよぶ。この工程は、出発物質がEG IおよびIIの欠失したセルラーゼである場合、合計のエンドグルカナーゼ活性の百分率としての最高損失を示している。各々のクロマトグラフィーの工程による損失は、各々の工程について比較により約20%以下、小さくなる傾向にある。
クロマトグラフィー
10mM、pH5のクエン酸/リン酸緩衝液に対してオメガシリーズ接線流動8,000限外濾過膜(omega series tangential flow 8,000 ultra filtration membrane)(マサチューセッツ州、ノースボロー、フィルトン テクノロジー社)を用いて、実施例Iから得たEG IIIが多い溶液であるパート(b)を完全に濾過した(diafiltered)。溶液を、平衡状態にある(pH5、10mM クエン酸/リン酸)SPトリスアクリルカラムに装填し、通過した溶液(flow−through)を集積し、0.5Mのクエン酸によりpHを4に調節した。通過した溶液を平衡状態にある(pH4、10mM クエン酸/リン酸)SPトリスアクリルカナムに装填した。EG III成分を250mMの塩化ナトリウムにより溶離させた。
実施例2
分画によるEG IIIの精製
野生型トリコデルマ リーセイにより産生される完全菌類セルラーゼ組成物(シトラーゼ123、カリフォルニア州、サウスサンフランシスコ、ジェネンカー インターナショナル社から得られる)を分画することにより、EG IIIの精製を行なう。具体的には、以下の樹脂:シグマケミカル社(ミズーリ州、セントルイス)から得られるセファデックスG−25濾過樹脂、IBFバイオテクニクス社(メリーランド州、サベージ)から得られるQAトリスアクリル陰イオン交換樹脂およびSPトリスアクリル陽イオン交換樹脂を含有するカラムを用いて分画を行なう。10mM リン酸ナトリウム緩衝液によりpH6.8に緩衝された3リットルのセファデックスG−25ゲル濾過樹脂のカラムを用いて0.5gのシトラーゼ123セルラーゼを脱塩させる。次いで脱塩した溶液を、10mM リン酸ナトリウム緩衝液によりpH6.8に緩衝された20mlのQAトリスアクリルM陰イオン交換樹脂のカラムに装填する。このカラムに結合した分画はCBH IおよびEG Iを含有していた。このカラムに結合しなかった分画はCBH II、EG IIおよびEG IIIを含有している。10mM クエン酸ナトリウムによりpH4.5に緩衝したセファデックスG−25ゲル濾過樹脂のカラムを用いて、これらの分画を脱塩する。この溶液200mlを、20mlのSPトリスアクリルM陽イオン交換樹脂のカラムに装填する。200mM 塩化ナトリウムの水溶液100mlによりEG IIIを溶離させた。
EG IIIをさらに精製する方法の1つは、この実施例2により得られたEG III試料をさらに分画することにより行なわれる。Mono−S−HR 5/5カラム(ニュージャージー州、ピスキャタウェイ、ファーマシア LKBバイオテクノロジー社から得られる)を用いてFPLCシステムにより分画を行なった。FPLCシステムは、液体クロマトグラフィーコントローラ、2つのポンプ、二重通路モニター、分画コントローラおよびチャートレコーダ(全てニュージャージー州、ピスキャタウェイ、ファーマシア LKBバイオテクノロジー社から得られる)からなる。事前に10mM クエン酸ナトリウムによりpH4に緩衝しておいた20mlのセファデックスG−25カラムを用いてこの実施例2で調製した5mlのEG III試料を脱塩することにより分画を行なった。事前に10mM クエン酸ナトリウムでpH4.0に緩衝しておいたMono−S−HR 5/5カラムにその溶液を装填し、0.5ml/分の速度で0−200mMのNaClの水溶液勾配により溶離させ、1mlの分画に試料を集積した。分画10および11においてEG IIIを回収した。ゲル電気泳動によりこのEG IIIは90%より大きく純粋であることが測定された。この純度のEG IIIは既知の技術によるN末端アミノ酸配列を決定するのに適している。
実質的に純粋なEG IIIは、トリコデルマ リーセイから単離した他のエンドグルカナーゼと匹敵する以下の特性を有している。
表 2
分 子 量 pI pH最適値
EG I 〜47−49 kD 4.7 〜5
EG II 〜35 kD 5.5 〜5
EG III 〜25−28 kD 7.4 〜5.5−6.0
1.下記の実施例3によるRBB−CMC活性により求められたpH最適値
上記表から分かるように、トリコデルマ リーセイの他のエンドグルカナーゼ成分と比較して、EG IIIは大きいpH最適値および大きいpIの両方を有する。下記の実施例3において、EG IIIはアルカリpHの条件下で相当なRBB−CMC活性を保持することが分かる。
同様に、他の菌株を含む他の供給源から得たEG IIIセルラーゼも上記方法により精製することができる。トリコデルマ ビリデ由来のEG IIIセルラーゼが、Voragen等のMethods in Enzymology、160:243−249に記載されている。この参考文献は、約23.5キロダルトンの分子量、5.5のpH最適値、および7.7のpIを有するEG IIIセルラーゼを記載している。
EG IIIの単離効率を高めるために、EG IIIを過剰発現するようにおよび/または1つ以上のEG I成分、EG II成分、CBH I成分および/またはCBH II成分を産生できないように、遺伝子的に修飾したトリコデルマ リーセイを用いることが望ましいと思われる。
同様に、上述したEG III組成物をさらに精製することが望ましいと思われる。例えば、実施例1において単離したEG IIIタンパク質を、上述した方法によりさらに精製することもでき、またはその逆を行なうこともできる。
実施例3
あるpH範囲に亘るセルラーゼ組成物の活性
以下の方法を用いて、2つの異なるセルラーゼ組成物のpHプロファイルを求めた。最初のセルラーゼ組成物は、CBH I成分およびCBH II成分を産生できないように、以下に記載する方法と同様な方法で遺伝子的に修飾したトリコデルマ リーセイから調製したCBH IおよびIIの欠失したセルラーゼ組成物であった。約58パーセントから約70パーセントまでの範囲のトリコデルマ リーセイ由来のセルラーゼ組成物から一般的になるこのセルラーゼ組成物は、CBH IおよびCBH IIを含有しないかぎり、このセルラーゼ組成物は必然的にEG成分を多く含んでいる。EG IIIはトリコデルマ リーセイのエンドグルカナーゼ成分の最も少ない成分であるので、この組成物においてはEG I成分およびEG II成分が優位を占めている。
第2のセルラーゼ組成物は、実施例2と同様な精製方法によりトリコデルマ リーセイ由来のセルラーゼ組成物から単離したEG IIIの約20−40%の純粋な分画であった。
これらのセルラーゼ組成物の活性を40℃で測定した。この測定は以下の方法を用いて行なったものである。
必須の量の酵素を提供するのに十分な濃度の、5μlから20μlまでの範囲の適切な酵素溶液を最終溶液に加える。pH4、5、5.5、6、6.5、7、7.5および8で0.05M クエン酸/リン酸緩衝液中に、2重量パーセントの250μlのRBB−CMC(レマゾル ブリリアント ブルー R−カルボキシメチルセルロース;オーストラリア国、2151、N.S.W.、ノースロック、6アルトナプレース、メガザイムから市販されている)を加える。
ボルテックス混合(vortex)し、30分間に亘り40℃で定温放置する。氷浴中で5分間から10分間までの期間に亘り冷却する。0.3Mの酢酸ナトリウムおよび0.02Mの酢酸亜鉛を含有する1000μlのメチルセロソルブを加える。ボルテックス混合し、5分間から10分間までの期間に亘り放置する。遠心分離し、キュベット中に上澄を注ぎ入れる。
各々のキュベット中において溶液の光学密度(OD)を590nmで測定することにより、相対酵素活性を求めた。光学濃度が高いほど、酵素活性が高い。
この分析の結果を第1図に示す。この図面は、EG IIIセルラーゼ組成物と比較したCBH IおよびIIが欠失したセルラーゼ組成物の相対活性を示すものである。この図面より、CBH IおよびCBH IIの欠失したセルラーゼ組成物は、pH5.5付近でRBB−CMCに対して最適セルロース分解活性を有し、アルカリ性のpH、すなわち、7を越えて8までのpHにおいてある程度活性を有することが分かる。一方で、EG IIIの多いセルラーゼ組成物はほぼpH5.5−6において最適セルロース分解活性を有し、アルカリ性のpHでも相当な活性を有している。
実施例4
等電点電気泳動ゲル
この実施例の目的は、異なるEG IIIセルラーゼ組成物の等電点電気泳動ゲルを説明することにある。具体的には、野生型トリコデルマ リーセイにより産生されたセルラーゼ;EG IおよびEG IIのセルラーゼタンパク質を発現できないように実施例16および17の方法により形質転換したトリコデルマ リーセイ菌株由来のセルラーゼ;および実施例1の方法と同様な方法により産生した実質的に純粋なEG IIIセルラーゼを等電点電気泳動ゲルを用いて分析した。
製造者の説明にしたがって、ファーマシアIEFシステム(ニュージャージー州、ピスキャタウェイ、ファーマシア社、FBE−3000)およびpH3−10プレキャストゲル(ドイツ、カールベルグ、サーバから得られるサーバリト プレコテ)を用いて、これらのセルラーゼ試料を等電点電気泳動により分析した。ゲルをエフォルテック(登録商標)染料(11590ニューヨーク州、ウエストバリー、サーバ ファイン バイオケミカルス社から得られるサーバブルーW)により染色し、タンパク質のバンドを視覚化した。得られたゲルを第2図に示す。第2図のレーン1は、野生型トリコデルマ リーセイ菌株由来のセルラーゼの等電点電気泳動ゲルを示している。レーン2は、EG IおよびIIを発現できないように遺伝子的に修飾したトリコデルマ リーセイ菌株由来のセルラーゼの等電点電気泳動ゲルを示している。レーン3は、実質的に純粋なEG IIIセルラーゼの等電点電気泳動ゲルを示している。この図面において、レーン1に隣接する縁に、タンパク質を同定するようにセルラーゼタンパク質に対応するバンドを記載している。
この図面から、EG IIIのpIが大きいので、このタンパク質は、pIの大きいキシラナーゼ、pIの大きいβ−グルコシダーゼのような他のpIの大きい成分と通常関連する領域に見られるのが分かる。さらに、この図面のレーン2には、EG IおよびIIのタンパク質は存在しないがEG IIIタンパク質は存在するので、EG IIIはEG IまたはEG IIのタンパク質のいずれの分解生成物ではないことがこの図面から分かる。
実施例5
EG IIIのペプチド配列決定
0.9mlのアセトンを0.1mlのタンパク質溶液(1mg/mlの濃度で)に加えることによりEG III成分を沈殿させ、−20℃で10分間に亘り定温放置した。遠心分離によりタンパク質を集積し、集積物を乾燥させてペレット化し、88%のぎ酸中に溶解させた8M 尿素溶液0.01mlおよび88%のぎ酸中に溶解させた臭化シアン(200mg/ml)溶液0.01ml中に再懸濁させた。混合物を4時間に亘り室温で定温放置した。
個々のペプチドをHPLC(高圧液体クロマトグラフィー)カラムを用いて精製した。シンクロパックRP−4カラムを、脱イオンしたミリQ水(milliQ)中で0.05%のTEA(トリエチルアミノ)および0.05%のTFA(トリフルオロ酢酸)により平衡状態させた。試料をHPLCカラムに装填し、100%のアセトニトリルおよび0.05%のTEA並びに0.05%のTFAにより、1分当たり1%の勾配で溶離を行なった。単離したペプチドのアミノ末端領域を、全自動装置を用いたエドマンの方法により配列分析した。EG III成分の2つの断片から得られたアミノ酸配列を第3図に示す。
実施例6
トリコデルマ リーセイのpyr4-誘導体の選択
pyr4遺伝子は、ウリジンの生合成に必要な酵素であるオロチジン−5′−モノホスフェートデカルボキシラーゼをコード化する。毒性阻害因子5−フルオロオロチン酸(FOA)を野生型細胞によりウリジン中に取り込み、細胞を被毒させる。しかしながら、pyr4遺伝子が欠けた細胞は、この阻害因子に対して抵抗性を有するが、成長のめたにウリジンを必要としている。したがって、FOAを用いてpyr4誘導体菌株を選択することが可能である。実際、トリコデルマ リーセイ菌株RL−37の芽胞(Sheir−Neiss,G.およびMontenecourt,B.S.、Appl.Microbiol.Biotechnol.20、46−53頁(1984))を、2mg/mlのウリジンおよび1.2mg/mlのFOAを含有する凝固培地の表面に広げた。任意のFOA抵抗性コロニーが3日から4日以内に現れ、成長のためにウリジンを必要としたそれらのFOA抵抗性誘導体を続いて同定することが可能であった。欠損pyr4遺伝子を有するそれらの誘導体を同定するために、プロトプラストを産生し、野生型pyr4遺伝子を含有するプラスミドにより形質転換した(実施例8および9を参照のこと)。形質転換後、ウリジンを欠いた培地上にプロトプラストを平板固定(plate)した。形質転換したコロニーの成長は、プラスミドボーン(plasmid−borne)pyr4遺伝子により欠損pry4遺伝子の相補性を示した。このようにして、菌株GC69を菌株RL−P37のpyr4-誘導体として同定した。
実施例7
CBH I欠失ベクターの調製
CBH Iタンパク質をコード化するcbh1遺伝子を、既知のプローブ合成方法(Shoemaker等、1983b)を用いてこの遺伝子の公表されている配列に基づいて設計したオリゴヌクレオチドプローブによる雑種形成により、トリコデルマ リーセイ菌株RL−P37のゲノムDNAからクローニングした。cbh1遺伝子は6.5kbのPst I断片上にあり、Pst Iにより切断したpUC4K(ニュージャージー州、ピスキャタウェイ、ファーマシア社から購入した)中に挿入し、従来技術で知られている技術を用いてこのベクターのKanΓを置換した。この技術は、Maniatis等(1989)に述べられており、ここに引用する。得られたプラスミドpUC4K::cbh1をHind IIIにより切断し、約6kbの大きな断片を単離し、再度連結してpUC4K::cbh1ΔH/Hを得た(第4図を参照のこと)。この方法により、全縁cbh1暗号配列および上流の約1.2kbのフランキング配列(flanking sequence)ならびに下流の約1.5kbのフランキング配列を除去した。元のPst I断片のいずれかの末端からほぼ1kbのフランキングDNAが残っている。
Maniatis等(前出)の方法にしたがって、pUC18中のゲノムDNAの6.5kb Hind III断片としてトリコデルマ リーセイpyr4遺伝子をクローニングしてpTpyr2(Smith等、1991)を形成した。プラスミドpUC4K::cbh IΔH/HをHind IIIにより切断し、末端をウシ腸アルカリ性ホスファターゼにより脱リンした。この末端脱リンDNAを、トリコデルマ リーセイpyr4遺伝子を含有する6.5kbのHind III断片と連結し、pΔCBH I pyr4を得た。第4図はこのプラスミドの構築を示している。
実施例8
プロトプラストの単離
約5×107のトリコデルマ リーセイGC69芽胞(pyr4-誘導体菌株)を有する500mlのフラスコ中の100mlのYEG(0.5%の酵母抽出物、2%のグルコース)を接種することにより、菌糸を得た。約16時間に亘り振とうさせながらフラスコを37℃で定温放置した。2,750xgでの遠心分離により菌糸を収穫した。収穫した菌糸をさらに1.2Mのソルビトール溶液中で洗浄し、5mg/mlのノボザイム(登録商標)234溶液(コネチカット州、ダンバリー、ノボ バイオラボ社から得られる、1,3−アルファ−グルカナーゼ、1,3−ベータ−グルカナーゼ、ラミナリナーゼ、キシラナーゼ、キチナーゼおよびプロテアーゼを含有する多成分酵素系の商標名である);5mg/mlのMgSO4・7H2O;0.5mg/mlのウシ血清アルブミン;1.2Mのソルビトールを含有する40mlの溶液中に再懸濁させた。ミラクロス(カリフォルニア州、ラジョラ、カルバイオケム社)を通過させる濾過により、細胞ブイヨン(cellular debris)からプロトプラストを除去し、2,000xgでの遠心分離により採集した。プロトプラストを1.2Mのソルビトール中で3回洗浄し、さらにもう一度1.2Mのソルビトール、50mMのCaCl2中で洗浄し、遠心分離し、1.2Mのソルビトール、50mMのCaCl2の1ml当たり約2×108のプロトプラストの密度で再懸濁させた。
実施例9
菌類プロトプラストのpΔCBH I pyr4による形質転換
実施例8において調製した200μlのプロトプラスト懸濁液を、TE緩衝液(10mMのトリス、pH7.4;1mMのEDTA)中のEcoR I切断pΔCBH I pyr4(実施例7で調製した)20μlおよび25%のPEG4000と、0.6MのKClと、50mMのCaCl2とを含有するポリエチレングリコール(PEG)溶液50μlに加えた。この混合物を20分間に亘り氷上で定温放置した。この定温放置の後、2.0mlの上述したPEG溶液をそこに加え、得られた溶液をさらに混合し、5分間に亘り室温で定温放置した。この第2の定温放置後、1.2Mのソルビトールおよび50mMのCaCl2を含有する溶液4.0mlをその溶液に加え、これにより得られた溶液をさらに混合した。そのプロトプラスト溶液を、1%のグルコース、1.2Mのソルビトールおよび1%のアガロースを含有するボゲルの培地Nの溶融アリコート(1リットル当たり、3gのクエン酸ナトリウム、5gのKH2PO4、2gのNH4NO3、0.2gのMgSO4・7H2O、0.1gのCaCl2・7H2O、5μgのα−ビオチン、5mgのクエン酸、5mgのZnSO4・7H2O、1mgのFe(NH4・6H2O、0.25gのCuSO4・5H2O、50μgのMnSO4・4H2O)にただちに加えた。プロトプラストと培地の混合物を、上述したボゲルの培地を含有する固体培地上に注いだ。ウリジンは培地中には存在せず、したがって、pΔCBH I pyr4中の野生型pyr4遺伝子挿入物による菌株GC69のpyr4突然変異の補完の結果として形質転換コロニーのみが成長できた。これらのコロニーを続いて形質転換し、添加剤として1%のグルコースを含有する固体のボゲルの培地N上で精製し、安定な形質転換体をさらなる分析のために選択した。
この段階では、より速い成長速度およびウリジンを欠如した固体培養物上のでこぼこの外形よりもむしろ滑らかな円形コロニーの形成により不安定な形質転換体とは区別される。ある場合には、固体の非選択性培地(すなわち、ウリジンを含有している)上で形質転換体を成長させ、続いて発芽してウリジンの欠如した選択的な培地上に成長するこれらの芽胞の百分率を求めた。
実施例10
形質転換体の分析
実施例9で得られた形質転換体を、1%のグルコースを含有するボゲルの培地Nの液体中で成長させた後、DNAをその形質転換体から単離した。これら形質転換体のDNA試料をさらにPst I制限酵素により切断し、これにアガロースゲルの電気泳動を行なった。そのゲルをニトラン膜フィルター上にブロットし、32P標識pΔCBH I pyr4プローブにより雑種形成させた。プローブを選択して、6.5kbのPst I断片としての天然cbh1遺伝子、天然pyr4遺伝子および形質転換DNA断片由来の任意のDNA配列を同定した。
雑種形成からの放射性バンドをオートラジオグラフィーにより視覚化した。オートラジオグラフを第6図に示す。5つの試料(すなわち、A、B、C、DおよびE)について上述したように実験した。レーンEは非形質転換菌株GC69であり、この分析においては対照として用いた。レーンA−Dは、上述した方法により得られた形質転換体を示すものである。オートラジオグラフの左側の数字は、分子量マーカーの大きさを示すものである。このオートラジオグラフから分かるように、レーンDは6.5kbのCBH Iバンドを有しておらず、cbh1遺伝子でのDNA断片の組込みによりこの遺伝子が形質転換体中で全体的に欠失されたことを示している。cbh1欠失菌株をP37PΔCBH Iと称する。第5図は、トリコデルマ リーセイ染色体のうちの1つのcbh1座でpΔCBH I pyr4からの大きなEcoR I断片を二重に交差させて組み込んだことによるトリコデルマ リーセイcbh1遺伝子の欠失について概略を説明したものである。分析した他の形質転換体は、非形質転換対照菌株と同一であるように思われる。
実施例11
pIntCBH Iによる形質転換体の分析
使用したプローブを32P標識pIntCBH Iプローブに変えたことを除いては、実施例10と同様に方法をこの実施例に用いた。このプローブは、pUC4K::cbh1ΔH/Hが欠失した領域内のcbh1座からの2kbのBgl II断片を含有するpUC型のプラスミドである。非形質転換菌株GC69である対照の試料Aおよび形質転換体P37PΔCBH Iの試料Bの2つの試料をこの実施例で分析した。第7図から分かるように、6.5kbでのバンドにより示したとおり、試料Aはcbh1遺伝子を有した。しかしながら、形質転換体である試料Bはこの6.5kbのバンドを有しておらず、したがって、cbh1遺伝子を有しておらず、pUCプラスミド由来の配列をなにも有していない。
実施例12
菌株P37PΔCBH Iによるタンパク質分泌
1%のグルコース、0.14%の(NH42SO4、0.2%のKH2PO4、0.03%のMgSO4、0.03%の尿素、0.75%のバクトトリプトン(bactotryptone)、0.05%のTween80、0.000016%のCuSO4・5H2O、0.001%のFeSO4・7H2O、0.000128%のZnSO4・7H2O、0.0000054%のNa2MoO4・2H2O、0.0000007%のMnCl・4H2Oを含有するトリコデルマ基本培地50ml中に産生したP37PΔCBH I菌株からの芽胞を接種した。約48時間に亘り250mlのフラスコ中で振とうさせながら培地を37℃で定温放置した。ミラクロス(カルバイオケム社)を通過させる濾過により、得られた菌糸を採集し、17mMのリン酸カリウムにより2、3回洗浄した。菌糸を最終的に1mMのソホロース(sophorose)を含む17mMのリン酸カリウムの溶液中に懸濁させ、さらに振とうさせながら30℃で24時間に亘り定温放置した。これらの培養液から上澄を採集し、菌糸を捨てた。製造者の説明にしたがって、ファーマシア ファストゲル システムおよびpH3−9プレキャスト ゲルを用いた等電点電気泳動により培養液の上澄の試料を分析した。ゲルを銀染料で染色し、タンパク質のバンドを視覚化した。第8図に示すように、cbh1タンパク質に対応するバンドは、菌株P37PΔCBH I由来の試料には存在しなかった。この等電点電気泳動ゲルは、トリコデルマ リーセイの異なる上澄培養液中に様々なタンパク質が存在することを示している。レーンAは部分的に精製したCBH Iである。レーンBは非形質転換トリコデルマ リーセイの培養液からの上澄である。レーンCは、本発明の方法により産生した菌株P37PΔCBH Iからの上澄である。様々なセルラーゼ成分の位置を、CBH I、CBH II、EG I、EG II、およびEG IIIと印付けた。CBH Iは全体の細胞外タンパク質の50%を構成するので、CBH Iは主要な分泌タンパク質であり、ゲル上で最も暗いバンドである。この等電点電気泳動ゲルは、P37PΔCBH I菌株においてはCBH Iタンパク質が除去されているのを示している。
実施例13
pPΔCBH IIの調製
CBH IIタンパク質をコード化するトリコデルマ リーセイのcbh2遺伝子を、第9A図に示すゲノムDNAの4.1kbのEcoR I断片としてクローニングした(Chen等、1987、Biotechnology、5:274−278)。この4.1kbの断片をpUC4XLのEcoR I部位の間に挿入した。後者のプラスミドはpUC誘導体である(ジェネンカー インターナショナル社のR.M.Berkaにより構築された)。このpUC誘導体は、EcoR I、BamH I、Sac I、Sma I、Hind III、Xho I、Bgl II、Cla I、Bgl II、Xho I、Hind III、Sma I、Sac I、BamH I、EcoR Iの順番で並んだ左右対称の制限エンドヌクレアーゼ部位を有する多数のクローニング部位を含んでいる。従来技術で知られている方法を用いて、Hind III部位(CBH II翻訳開始部位の74bpの3′)とCla I部位(CBH IIの最後のコドンの265bpの3′)との間のこの遺伝子の1.7kbの中央領域が除去され、トリコデルマ リーセイpyr4遺伝子を含有する1.6kbのHind III−Cla I DNA断片により置換されたプラスミドpPΔCBH II(第9B図)を構築した。
トリコデルマ リーセイpyr4遺伝子を1.6kbのNhe I−Sph I断片上のpTpyr2(実施例7参照)から切除し、pUC219のSph I部位とXba I部位との間に挿入し、p219Mを産生した(Smith等、1991、Curr.Genet、19 27−33頁)。pUC219の多重クローニング部位由来の一方の末端で7bpのDNAおよび他方の末端で6bpのDNAを有するHind III−Cla I断片としてpyr4遺伝子を除去し、cbh2遺伝子のHind III部位とCla I部位に挿入してプラスミドpPΔCBH IIを形成した(第9B図参照)。
このプラスミドをEcoR Iにより切断することによって、一方の末端においてcbh2座からの0.7kbのフランキングDNA、他方の末端においてcbh2座からの1.7kbのフランキングDNAおよび中間においてトリコデルマ リーセイpyr4遺伝子を有する断片が解放される。
実施例14
P37PΔCBH Iのpyr4-誘導体の産生
cbh1遺伝子が欠失した形質転換体(P37PΔCBH I)の芽胞を、FOAを含有する培地上に広げた。その後実施例6の方法を用いて、この形質転換体のpyr4-誘導体を得た。このpyr4-菌株をP37PΔCBH I Pyr-26と称した。
実施例15
事前にcbh1が欠失されている菌株中のcbh2遺伝子の欠失
実施例8および9において概説した方法にしたがって、菌株P37PΔCBH I Pyr4-26のプロトプラストを産生し、EcoR I切断pPΔCBH IIにより形質転換した。
精製した安定な形質転換体を実施例12のように振とうフラスコ中で培養し、等電点電気泳動により培養上澄中のタンパク質を調べた。CBH IIタンパク質をまったく産生しない1つの形質転換体(P37PΔΔCBH67と称する)を同定した。第8図のレーンDは、本発明の方法にしたがって産生されたcbh1遺伝子およびcbh2遺伝子の両方が欠失した形質転換体からの上澄を示している。
DNAを菌株P37PΔΔCBH67から抽出し、抽出したDNAをEcoR IおよびAsp718により切断し、この切断されたDNAについてアガロースゲル電気泳動を行なった。このゲルからのDNAをメンブレンフィルターにブロットし、32P標識pPΔCBH IIにより雑種形成させた(第10図)。第10図のレーンAは、非形質転換トリコデルマ リーセイ菌株からのDNAについて観察された雑種形成模様を示している。野生型cbh2遺伝子を含有する4.1kbのEcoR I断片が観察された。レーンBは、菌株P37PΔΔCBH67について観察された雑種形成模様を示している。単一の4.1kbバンドがなくなり、約0.9kbおよび約3.1kbの2つのバンドに置き換えられている。これは、pPΔCBH IIからのEcoR I断片の単一のコピーがcbh2座で正確に組み込まれた場合に予期される模様である。
同一のDNA試料をEcoR Iにより切断し、サザーンブロット分析を上述したように行なった。この実施例においては、プローブには32P標識pIntCBH IIを用いた。このプラスミドは、プラスミドpPΔCBH IIにおいて欠失されたcbh2遺伝子のセグメント内からのcbh2遺伝子暗号配列の部分を含有している。菌株P37PΔΔCBH67からのDNAについては雑種形成は見られず、このことは、chh2遺伝子は欠失され、pUCプラスミド由来の配列はこの菌株内には存在しなかったことを示してる。
実施例16
トリコデルマ リーセイのpyr4欠失菌株の形質転換体およびpΔEG I pyr−3の構築
EG Iをコード化するトリコデルマ リーセイegl1遺伝子を、公表されている配列にしたがって合成したオリゴヌクレオチドによる雑種形成により、菌株RL−P37からのゲノムDNAの4.2kbのHind III断片としてクローニングした(Pentilla等、1986、Gene、45:253−263;van Arsdell等、1987、Bio/Technology、5:60−64)。
このDNA断片をpUC100のHind III部位で挿入した。EG I暗号配列の中間に近い位置から暗号配列の3′末端を越えた位置まで延長した内部の1kbのEcoR V断片を酵素切断により除去し、クローニングされた黒色アスペルギルスpyrG遺伝子を含有する2.2kbのBamH I−Hind III断片による連結によって置き換えて(Wilson等、1988、Nucl.Acids Res.16 2339頁)pΔEG I pyrG−3を得た(第11図)。実施例8および9に述べた方法によるトリコデルマ リーセイのpyr4欠失菌株(菌株GC69)をHind IIIにより切断し、いずれかの末端でegl1からのフランキング領域を備えたpyrG遺伝子を含有する断片を解放した後、その菌株をpΔEG I pyr−3により形質転換して、第12図に概説した機構によりゲノムegl1遺伝子が分断された形質転換体が得られた。DNAを形質転換体から抽出し、抽出したDNAをHind IIIにより切断し、この切断したDNAについてアガロースゲル電気泳動を行ない、メンブレンフィルター上にブロットした。そのフィルターを放射線標識pΔEG I pyr−3により雑種形成した。トリコデルマ リーセイの非形質転換菌株において、egl1遺伝子がDNAの4.2kbのHind III断片上に存在した。しかしながら、pΔEG I pyr−3からの所望の断片の取込みによるegl1遺伝子の欠失後、この4.2kbのHind III断片は消失し、約1.2kb大きなHind III断片により置き換えられた。この模様は1つの形質転換体について観察された。この形質転換体をΔEG I−3と称した。
実施例17
PAΔEG II−1の構築およびEG II遺伝子の欠失
公表された配列にしたがって合成したオリゴヌクレオチドによる雑種形成によって、EG II(文献には、EG IIIとも称されている)をコード化するegl3遺伝子を、4kbのPst IゲノムDNA断片としてトリコデルマ リーセイ菌株RL−P37からクローニングした(Saloheimo等、1988、Gene 63:11−21)。このDNA断片をpUC18のPst I部位に挿入した。このプラスミドpEG IIをEcoR Vにより切断し、EG II暗号領域の5′末端の約180bpの位置から暗号領域の末端を数百塩基対越えた位置まで延長した約2kbのセグメント上の全縁EG II暗号領域を除去した。このセグメントを、amdS遺伝子を含有するアスペルギルス ニジュランス(Aspergillus nidulans)ゲノムDNAのSsp I断片により置き換え(Corrick等、1987、Gene 53:63−71)、プラスミドPAΔEG II−1を産生した(第13図参照)。
トリコデルマ リーセイの野生型菌株は、唯一のニトロゲン供給源としてのアセトアミド上では成長できない。amdS遺伝子により形質転換を行なうと、このアセトアミド上で成長する能力が与えられ、このことがこの遺伝子を含有する形質転換体の選択システムの基礎となっている。
実施例10および11において記載した方法により、菌株ΔEG I−3のプロトプラストを、Hind IIIとEcoR Iにより切断したpAΔEG II−1により形質転換し、アセトアミド上で成長できる形質転換体を選択した。その後、DNAを安定な形質転換体から抽出し、抽出したDNAをPst Iにより切断し、切断したDNAについてアガロースゲル電気泳動を行ないメンブレンフィルター上にブロットした。そのフィルターを放射線標識pAΔEG II−1により雑種形成した。egl3フランキング領域およびamdSを含有した、pAΔEG II−1からのHind III−EcoR I断片の、形質転換体中のゲノムegl3座で同種組込みを行なうと、egl3遺伝子を含有する4kbのゲノムPst I断片が、長さで約1.0kbおよび約2.8kbである2つの遺伝子を含有する小さなPst1断片により置き換えられることになる。雑種形成のこの模様は、菌株ΔΔEG−1と称する1つの形質転換体に観察された。この菌株は、EG IおよびEG IIコード化遺伝子の両方が欠失しており、結果としてこれらのタンパク質のいずれも産生できない。
実施例7−17および1991年10月4日に出願された米国特許第07/770,049号(ここに全てを引用する)に記載された方法を用いて、以下のセルラーゼ成分(すなわち、EG I、EG II、CBH IおよびCBH II)およびキシナラーゼ成分のいくつかまたは全てを産生できないトリコデルマ リーセイの形質転換体を得てもよい。さらに、それらの記載された方法を用いて、EG IIIセルラーゼ成分を過剰に産生するトリコデルマ リーセイ形質転換体を得てもよい。
本発明を様々な好ましい実施態様に関して記載したが、本発明の精神と範囲から逸脱せずに、様々な変更、置換等を行ってもよいことが当業者に理解されよう。したがって、本発明の範囲は以下の請求の範囲のみにより制限される。

Claims (9)

  1. セルラーゼタンパク質を含有する水性混合物から、実質的に純粋なEG IIIセルラーゼ成分を得る方法であって:
    (a)EG IIIセルラーゼ成分以外の実質的に全てのセルラーゼタンパク質がEG IIIセルラーゼ成分の少ない水相に保持され、かつEG IIIセルラーゼ成分がEG IIIセルラーゼ成分の多いポリエチレングリコール相に保持されるように、セルラーゼタンパク質を含有する水性混合物に、無機塩、および0.5から10%(w/v)の約5,000から10,000までの分子量を有するポリエチレングリコールを添加する工程;および
    (b)前記EG IIIセルラーゼ成分の少ない水相から前記EG IIIセルラーゼ成分の多いポリエチレングリコール相を分離して、前記水性混合物中の他のセルラーゼタンパク質を実質的に含まない前記EG IIIセルラーゼ成分の多いポリエチレングリコール相を集める工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記EG IIIセルラーゼ成分の多いポリエチレングリコール相からEG IIIセルラーゼ成分を分離して、該EG IIIセルラーゼ成分を集める工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 沈殿によって、前記EG IIIセルラーゼ成分の多いポリエチレングリコール相からEG IIIセルラーゼ成分を分離することを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 低分子量のアルコールを前記EG IIIセルラーゼ成分の多いポリエチレングリコール相に添加して前記EG IIIセルラーゼ成分を沈殿させることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記低分子量のアルコールがエタノールであることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 前記無機塩が、前記ポリエチレングリコールを添加する前に、前記水性混合物に添加されることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の方法。
  7. 添加される前記無機塩が、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムからなる群より選択されることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 出発物質である前記水性混合物が、濾過された全細胞抽出物であることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の方法。
  9. 出発物質である前記水性混合物が、細胞を含まないセルラーゼ混合物であることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の方法。
JP1993517775A 1992-04-03 1993-04-05 ポリエチレングリコールを用いた実質的に純粋なeg ▲iii▼セルラーゼの製造方法 Expired - Lifetime JP3522272B6 (ja)

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