JP3521519B2 - レーザ光発生装置 - Google Patents
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Description
光を基にしてより短波長の連続光として出射させるレー
ザ光発生装置に関する。
ィオ信号のようなデータの記録再生に用いられてきてい
る。光記録媒体には、大量なデータの記録が行われる
が、光記録媒体には、現在の記録容量よりも一層高い記
録容量のものが望まれている。
め、光記録媒体は、情報の記録密度を高くさせる必要に
せまられる。この高記録密度化のための技術の一つとし
ては、記録/再生時に用いるレーザ光の波長を短かくす
ることがある。
長のレーザ光が望まれている。特に、この紫外波長のレ
ーザ光の一つとして例えば波長 355nm近傍のレーザ光が
強く望まれている。この波長域のレーザ光の発生方法に
は、赤外波長のレーザ光を基本波にして、この基本波レ
ーザ光の第3高調波を発生させる方法がある。
(THG)は、例えば固体レーザであるNd:YAGやNd:YVO
4 等のレーザ媒質を用いる場合、光ポンピング法による
励起によって、これらの固体レーザの出射する基本波に
対する第3高調波、すなわち例えば紫外域内の波長355n
m 近傍のレーザ光として発生させている。
近傍のレーザ光は、パルスモードで生成されるレーザ光
である。第3高調波発生がパルス発振のモードになる原
因を簡単に説明すると、出射される基本波のレーザ光と
このレーザ光の第2高調波とを周波数混合させる際、第
3高調波のレーザ光は、非線形結晶に入射させるこれら
のレーザ光が一回だけしか通さないシングルパスで発生
させている。この結果、第3高調波発生の非線形変換効
率が1回の回数だけに限られてしまうことになる。
置は、共振器内で十分な増幅ができないので、このよう
にシングルパスによって第3高調波を発生させても連続
発振のレーザ光の強度が低くなってしまい、産業上、必
要とする光強度を得ることができない。
強度を高めるため、レーザ光発生装置は、入射するレー
ザ光のパワーに比例して変換効率が増加するという性質
を用いて、平均パワーとしてはそのままであるが、レー
ザ光発生装置に高出力のパルスを入力することにより、
第3高調波レーザ光として高出力パルスのレーザ光を得
ている。
スで生成することと変換効率を向上させる必要性によっ
て現在までレーザ光発生装置は、産業上で使用する第3
高調波のレーザ光をすべてパルスモードのレーザ光で得
てきている。
を用いて、このレーザ媒質から出射される基本波に対す
る第3高調波を発生させるレーザ光発生装置は、平均パ
ワーを保ったまま、パルスの尖頭値を高くして非線形変
換効率を向上させて基本波の波長1064nmのレーザ光とこ
のレーザ光に対する第2高調波発生(SHG)による波
長 532nmのレーザ光とを周波数混合させる方法で第3高
調波、すなわち波長355nm 近傍のレーザ光を得ている。
されるレーザ光がパルス光という性格上、連続光が必要
とされる光記録や光ディスプレイ等に応用することがで
きないので、このレーザ光の適用範囲が限定されてしま
う。
非線形変換効率を上げる方法としては、光共振器の光路
中に非線形結晶を配置する方法が提案されている。
(SHG)は、基本波の波長におけるレベル損失を抑
え、高フィネスという性質及びその基本波の半分の波長
で透過率の高い共振器を用いることで実現されてきてい
る。
する第3高調波を連続光で発生させるには、理論的に入
射波として基本波のレーザ光(周波数1ω)とSHGに
よる第2高調波のレーザ光(周波数2ω)の和周波混合
で得ることが考えられるが、実際には、これらレーザ光
の双方を共振させる必要がある等、クリアしなければな
らない技術的な問題があり非常に難しい。
は、前述したようなパルス状のため連続光が必要とされ
る分野に適用できないので、使用可能な範囲が非常に狭
い範囲にしか適用できない。
鑑みてなされたものであり、基本波に対する第3高調波
のレーザ光を連続光で出射させることのできるレーザ光
発生装置の提供を目的とする。
め、本発明に係るレーザ光発生装置は、レーザ媒質とし
てNd:YAGまたはNd:YVO4を用いた第1の波
長の連続波レーザ光を出射させる第1の光源と、第1の
波長の1/2の波長の連続波レーザ光を出射させる第2
の光源と、上記第1及び第2の光源から出射される各連
続波レーザ光が入射されると共に複数のミラーから成り
少なくとも1つのミラーが光軸方向に移動される共振手
段とを有し、この共振手段で同時に同期・共振させなが
らこの共振手段内に配された位相整合のとれた非線形光
学結晶素子によりこれらの出射光を和周波混合させるレ
ーザ光発生装置であって、上記共振手段は、上記第1及
び第2の光源から出射される各連続波レーザ光を結合さ
せる入力結合ミラーが和周波混合された光を出力する出
力ミラーと共用されていることを特徴としている。
〜1.07μm とする。
レーザ媒質には、例示したNd:YAG、Nd:YVO4 以外にLN
P、YLF、GGG、YAP等も使用できる。
光源の波長をλとするとき、この波長λに対して波長λ
/2の第2高調波を出射する。
射光の波長を1.064μmとし、第2のレーザ光源からの出
射光の波長を0.532μmとしている。
グされたミラーとインピーダンスマッチングさせる反射
率を有する入力結合ミラーとを有している。この誘電体
多層膜は、イオンスパッタ法あるいはイオンプレーティ
ング法等により作成する。この外部共振器のミラーの少
なくとも一つには、和周波混合による連続光を透過させ
る波長特性を有する出力ミラーが用いられている。この
入力結合ミラーは、出力ミラーとを共用させている。
光源には、少なくとも一方の光源に出射光の波長を制御
する波長制御機能が設けられている。
のグリーンレーザ光源の内の一方の光源からの出射光に
対して光路長を制御して上記一方の光源からの出射光に
同期させると共に、他方の光源からの出射光の発振波長
を制御して上記他方の光源からの出射光に同期させるよ
うにすることが好ましい。
少なくとも一方の光源内に位相変調器を有する光源とし
て注入同期レーザ光源あるいは第2高調波発生を行う外
部のレーザ光源からのレーザ光を用い、この一方の光源
の周波数側波帯を外部共振器との同期をとるために用い
るように構成してもよい。
子には、表面に第1のレーザ光源及び第2のレーザ光源
からの出射光の波長での反射率を抑えるコーティングが
施されている。
酸バリウム(BBO)結晶を用い、位相整合条件のタイ
プIを満足させる際にはBBOのθ=31.3゜程度の角度
で結晶をカットしたり、光軸に対する結晶の主軸とのな
す角を38.6゜あるいは59.7゜程度に設定して位相整合条
件のタイプIIを満足させてそれぞれ和周波混合した出
射光を得ている。
極反転を施すニオブ酸リチウム(PPLN)を用いても
よい。この非線形光学結晶素子は、分極反転周期を1.9
μmまたは3.6μmの奇数倍にして波長1.06μm と波長0.5
3μm の光を用いて疑似位相整合条件を満足させて和周
波混合した出射光を得ることができる。
少なくとも一方の光がS偏光とされた出射光を同一平面
内に設ける3つ以上のミラーで共振させるように構成す
ることが好ましい。
るようにして構成すると、外乱に強い構成にすることが
できより好ましい。
同時共振させた反射光とこの反射光に含まれる外部共振
器への2つの入射光成分の光を波長依存性に応じて空間
的に分離するビームスプリッタと、このビームスプリッ
タで分離した入射光成分の光を受光する受光素子とを有
し、受光素子から得られた信号を用いて同時共振を満足
させる制御が行われる。このビームスプリッタには、例
えばダイクロイックミラー等が用いられる。
らの反射光に含まれる外部共振器への2つの入射光成分
の光を検出する受光素子と、受光素子からの出力信号に
対して電気的に周波数弁別を行って所定の周波数成分だ
けを通過させるバンドパスフィルタとを有し、バンドパ
スフィルタは、出力される一方の周波数が他方の周波数
の整数倍となる関係を外した周波数の設定されるように
周波数の選択を行っている。
射光にビーム整形を施すアナモルフィックプリズムを設
けるようにしてもよい。
ーザ光源と第2のレーザ光源とそれぞれ独立に得られる
連続波レーザ光の基本波を外部共振器に入射させて少な
くとも一方の光源を同期させ、他方の光源の発振波長を
制御して同期させることにより、発生させた基本波と基
本波に対する波長を半分にした第2高調波とを一つの共
振器内で共振させた基本波の和周波として連続した第3
高調波を共通のミラー構成で効率よく発生させている。
施例について、図面を参照しながら説明する。
第3高調波の連続光がどのようにして得られるかについ
てレーザ光発光装置の構成を基に説明を行うことにす
る。
の短い高調波のレーザ光を得る場合、共振器内部の高い
パワー密度を利用して効率よく波長変換を行う方法が従
来から提案されている。
は、基本波と第2高調波の双方のレーザ光を共振させな
ければならず、さらに、この共振させる際に用いるミラ
ーは、第3高調波のレーザ光に対して低反射でなければ
ならない。
光発生装置で発生させた基本波のレーザ光とこの基本波
の第2高調波のレーザ光とを共に一つの共振器で共振さ
せるために共振器内に入射した2つのレーザ光の波長分
散を同期させる必要が生じる。しかしながら、例えば基
本波のレーザ光に対する波長分散を決めてしまうと、同
期させることによって、この基本波に対する第2高調波
発生(SHG)のレーザ光の波長分散も決まってしま
う。従って、THGは、それぞれ独立にレーザ光を制御
することができない等の技術的な困難を有している。
本発明に係るレーザ光発生装置は、例えば図1に示すよ
うに、2つのレーザ光源L1、L2と、レーザ光源L
1、L2から出射されるレーザ光を取り込んで共振させ
る外部共振器1と、2つのレーザ光源L1、L2からの
出射光に位相変調を施す位相変調器2a、2bと、外部
共振器1からの反射光を検出する光検出部3と、光検出
部3からの出力により外部共振器1内のキャビティ長を
制御する共振器長制御部4と、共振器長制御部4からの
駆動信号に応じて光軸方向にミラーを移動させる電磁ア
クチュエータ5と、レーザ光源L1から外部共振器1へ
の入射するレーザ光の波長を制御する波長制御部6とを
有している。
ーザ光を出射させる光源である。このレーザ光源L1
は、外部の励起源として例えばNd:YAGをレーザ媒質とす
る半導体レーザ励起による波長1064nmの単一周波数発振
が基本波として得られるものである。このレーザ光源L
1は、外部からの制御により周波数制御することができ
る。
続波レーザ光を出射させる光源である。このレーザ光源
L2は、半導体レーザ励起によるグリーンレーザ光を出
射する。具体的に、半導体レーザ励起によるグリーンレ
ーザ光としては、レーザ媒質に例えばNd:YVO4 が用いら
れ、共振器内で固体レーザ光の基本波に対する第2高調
波を発生させることにより、レーザ光源L1からの基本
波レーザ光の波長に対して半分の波長、すなわち第2高
調波の波長532nm の単一周波数で安定なグリーン光を得
ている。しかしながら、このレーザ光源L2は、周波数
制御機能を持たない。
それぞれのレーザ光の光軸上には、位相変調器2a、2
bが配されている。これらの位相変調器2a、2bは、
いわゆるEO(電気光学)素子やAO(音響光学)素子
等を用いている。この位相変調器2aには、外部の発振
器7aから駆動するための変調信号(例えば周波数fm=
10MHz) を出力し、図示しないがドライバ(駆動回路)
を介して供給される。この変調信号として用いて位相変
調器2aは、波長1064nmのレーザ光に位相変調を施して
いる。また、位相変調器2bも、外部の発振器7bから
の変調信号に応じた位相変調を波長 532nmのレーザ光に
施している。
をたてて後述するように戻ってくるサイドバンドの位相
シフト量を2つの基本波とも合わせるパウンドドレーバ
ホールロック技術により、レーザ光発光装置では、2つ
の基本波を共振モードの中心に位置させることができる
ようになり、外部共振器1内に入射光をすべて入射させ
ることができる。この共振器の周波数制御を行う技術
は、具体的に、例えば、R.W.P.Drever et al. "Laser P
hase and Frequency Stabilization Using an Optical
Resonator", Applied Physics B 31.97-105(1983) 等に
おいて開示されている。
ー8で反射される。ミラー8は、レーザ光源L1から出
射されるレーザ光を後述するビームスプリッタ9を経て
外部共振器1に入射させるように反射させる。また、レ
ーザ光源L2から出射されたレーザ光も位相変調器2b
を経てビームスプリッタ9に送られる。
レーザ光の内、波長 532nmでレーザ光を反射させ、レー
ザ光の波長1064nmを透過させる光学特性を有している。
置は、レーザ光源L2からの出力光がレーザ光源L1か
らの出力光と同一の光軸に重ねられるような位置関係に
する。このビームスプリッタ9を経たレーザ光源L1、
L2からの出力光は、外部共振器1のミラーM1に同一
の光軸で入射させることになる。
リッタ9と外部共振器1のミラーM1との間には、空間
的に後段で詳述するように、ミラーM1〜M4で構成さ
れる外部共振器1の固有モードと重ね合わせられるよう
に光学系が選ばれる。
〜M4で構成され、入射する2つの基本波を用いて和周
波混合を行って基本波の波長1064nmに対して第3高調波
の波長355nm の紫外光を発生させている。
イプIの位相整合条件を用いている。このため、2つの
基本波レーザ光は、紙面に対して垂直、すなわち各ミラ
ーに対してS偏光になるように調整されている。このよ
うにS偏光を利用すると、各ミラーの反射率をP偏光で
用いた場合より高くすることができる。これにより、外
部共振器1内の損失を抑えることができる。
それぞれ2つのレーザ光を外部共振器1内に同じ光軸に
沿って同時に入射させる入力結合ミラーであり、和周波
混合により得られた第3高調波の反射光を出力する出力
ミラーである。このミラーM1は、曲率半径を30mmとす
る凹面鏡である。
チングを達成するため誘電体多層膜がコーティングされ
ている。誘電体多層膜は、例えば高品質ミラーを作成す
る際にイオンスパッタ法またはイオンプレーティング法
等によって作成することができるが、この方法以外の方
法で作成するようにしてもよい。
グにより、例えば図2に示すような透過スペクトルが得
られる。図2から明かなように、第1の連続波レーザ光
の波長1064nm及び第2の連続波レーザ光の波長 532nmに
おいて透過率は、約1%強であることから、両者の波長
に対して高反射であることが判る。また、基本波に対し
て第3高調波となる波長 355nmでの透過率は、90%程
度と高いので、外部共振器1内で生成された第3高調波
の反射光が透過して出力されることを示している。
べて2波長高反射ミラー(Dual HR)である。この2波
長とは、波長1064nmと波長 532nmである。ミラーM2〜
M4は、これら2つの波長で高反射である。
た、ミラーM4は、ミラーM1と同じ曲率半径30mmの凹
面鏡である。
M1間の距離は、32mm程度である。外部共振器1の固有
モードは、このミラーM4−M1間に小さなスポットを
持つ。外部共振器1は、ミラーM4とミラーM1との間
の光路が略々同一平面上にあるリング型共振器を構成し
ている。
の電磁アクチュエータ5にマウントされている。ミラー
M2の位置は、この電磁アクチュエータ5によって、こ
の共振器の共振器長を外部から供給される共振器長制御
信号に応じて微調整される。電磁アクチュエータ5は、
共振周波数を制御する機能を有している。共振器長の制
御については後段で詳述する。
光学結晶素子10が設けられている。この非線形光学結
晶素子10には、例えばベータホウ酸バリウム(BB
O)が用いられている。
角θが約31.3゜になるようにカットされている。このB
BO10には、外部共振器1に入射する基本波レーザ光
の波長1064nmと波長 532nmの両方で無反射になるような
コーティングが施されている。
の間の略々中央に配されている。このミラーM4とミラ
ーM1からなる平面共振器には、2つの波長がS偏光と
された入射光が供給されている。BBO10は、入射光
のスポット位置でこのS偏光された入射光の偏光方向と
BBO10の固有偏光とが一致するように配している。
すなわち、この偏光方向の一致は、例えばBBO10の
常光線の方向が入射光のS偏光の方向に合わせられるこ
とを意味している。
が一定でもBBO10の結晶に入射するパワー密度が高
くなるので、この外部共振器1は、この外部共振器1の
非線形変換効率を向上させることができる。
振器の損失、すなわち各ミラーの散乱、透過、吸収、非
線形光学結晶素子の結晶面での散乱、吸収、反射損及び
結晶内部での散乱、吸収に依存している。従って、損失
の少ない共振器ほど共振強度は、強められることにな
る。このようなことから、ミラーM2、M3にイオンス
パッタ法等によって低損失になる膜をコーティングする
ことにより、発生する第3高調波のパワーを向上させる
ことができる。
99.9%以上の反射率が要求される。実験において使用し
たミラーの反射率は、99.7〜99.8%程度であった。この
ミラー条件で、外部共振器1に約200mW の波長1064nmの
基本波レーザ光と約100mW の波長 532nmの基本波レーザ
光が入射されたとき、約2mW の波長 355nmの第3高調波
が得られている。
10mWの波長 355nmの第3高調波が得られ、さらに電磁ア
クチュエータ5にマウントされるミラーM2も低損失ミ
ラーにして、波長 532nmの基本波レーザ光を約300mW に
して入射させると、約48mWの波長 355nmの第3高調波が
得られている。
の基本波レーザ光を和周波混合することにより、連続光
の第3高調波レーザを得ることができる。
リッタ11に入射させられる。ビームスプリッタ11
は、入射光の内の波長 355nmのレーザ光を反射させ、波
長1064nmと波長 532nmのレーザ光をそのまま透過させる
光学特性を有している。
リッタ11により光路を90゜曲げるように反射させら
れる。この第3高調波のビームには、ウオークオフ効果
により細長く歪が生じることがある。この歪を補正する
ビーム整形用の光学素子として、この第3高調波のビー
ムの光軸上に例えばアナモルフィックプリズムやシリン
ドリカルレンズを配設するようにしてもよい。
nmと波長 532nmを含む光が、ビームスプリッタ12に入
射される。ビームスプリッタ12は、例えば波長 532nm
の光を反射させ、波長1064nmの光を透過させる光学特性
を有している。
ビームスプリッタ12で反射させた波長 532nmの光の光
軸上に受光素子13aが設けられ、波長1064nmの光の光
軸上には、受光素子13bが設けられている。受光素子
13a、13bからの検出信号に波長選択性を持たせる
ため、それぞれ受光素子13aとビームスプリッタ12
との間に赤外光を吸収するフィルタ14を配し、受光素
子13bとビームスプリッタ11との間にグリーン光を
吸収するフィルタ15を配している。
13a、13bには、それぞれ波長1064nm、 532nmが入
射しなくなる。従って、受光素子13a、13bには無
用のクロストークの発生を避けることができるようにな
る。
前述した位相変調器2a、2bにより、位相変調された
サイドバンドが共振器内で反射されたことによる位相の
変化の情報を含んだ信号を検出する。この受光素子13
a、13bでの検出信号が、それぞれ共振器長制御部4
と波長制御部6に供給される。
ばミキサ機能を有している。共振器長制御部4と波長制
御部6には、それぞれ外部の発振器7a、7bから変調
信号が供給されている。この変調信号は、必要に応じて
波形整形や位相遅延等が施される。共振器長制御部4と
波長制御部6では、検出信号とこの変調信号とが乗算さ
れることにより、同期検波が行われている。共振器長制
御部4と波長制御部6は、レーザ光源L1、L2の光周
波数と外部共振器1の共振周波数とのずれをそれぞれ求
めている。
された検波出力信号をローパスフィルタを介することに
よって得られるこのずれを誤差信号として電磁アクチュ
エータ5を駆動するドライバに供給される。このドライ
バは、駆動信号を電磁アクチュエータ5で外部共振器1
のミラーM2の反射面を光軸方向に移動させて誤差信号
を0とするようなサーボ制御を行わせている。
なるように制御されレーザ光源L1からの出力光に同期
させると共に、レーザ光源L1からの出力光が、外部共
振器1内で共振を続けるようになる。
光に対して位相変調器2bにより周波数fmの位相変調が
施され、サイドバンドfc±fmが立てられている。波長制
御部6では、共振周波数がf0の外部共振器1からの光に
ついて周波数fc、fc±fm間のビートを検出することによ
り、極性を持った誤差信号が得られる。
元の変調信号に適当な位相を与えた信号として受光素子
13aからの検出信号とを乗算して同期検波し、例えば
ローパスフィルタで変調キャリア成分を除去することに
より、誤差信号を得ている。波長制御部6は、この誤差
信号をレーザ光源L2の周波数制御信号としてレーザ光
源L2に供給してサーボ制御している。このような制御
により、レーザ光源L2からの出力も外部共振器1の周
波数に同期される。
2の同期が同時になされるようになる。従って、外部共
振器1内部には、2つの基本波連続レーザが同時に循環
することになる。外部共振器1では、共振によって強め
られる強度を持ったこれら2つの基本波連続レーザが、
BBO10に入射して和周波混合により、第3高調波の
連続したレーザが発生する変換効率を高めている。
造の一例を示す図3の一部切欠斜視図及び図4の渦巻き
状板バネの概観斜視図を参照しながら説明する。
セラミック等の絶縁物で作られたコイルボビン32に嵌
合固定されている。このコイルボビン32の周囲にコイ
ル(いわゆるボイスコイル)がソレノイド状に巻回され
ている。このコイルボビン32は、例えば図4に示すよ
うに渦巻き状の板バネ33に取り付けられている。この
板バネ33は、マグネット35を介してリング状のヨー
ク36に固定支持されている。マグネット35は、コイ
ルボビン32の円筒状に巻回されたコイル33を取り囲
むように配置されており、このマグネット35は、例え
ば内周側がN極、外周側がS極となるように着磁されて
いる。マグネット35の外周は、鉄等の強磁性体のヨー
ク36に接着等により固定されている。板バネ33は、
例えばコイルボビン32の上下面に接着等により固定さ
れ、これらの板バネ33の外周がヨーク36で支持さ
れ、これらのすべての部品が2枚の鉄等の強磁性体のシ
ールド板37、38で挟み込まれている。このシールド
板37、38は、ヨーク36と共に、マグネット35か
らの磁束のリターン磁路としての機能も有している。こ
のシールド板37、38ですべての部品が囲まれている
ので、取扱いも極めて良好である。
タ5によれば、コイル33の内側に金属のような導電
体、磁性体を一切配置していないにもかかわらず、磁気
回路が概ね閉磁路となっているため、光軸方向への駆動
力が大きく、位相回りの少ない伝達特性が得られる。ま
た、コイルボビン32にセラミックを用いて移動部分を
軽量化すること等により、複共振周波数を100kHz以上に
まで持っていける。
ことにより、従来の基本波に対して出されるパルス状の
第3高調波に比べて広い用途で使用できる連続波のレー
ザ光を得ることができる。
らの基本波レーザを外部共振器1で二重共振させること
に主眼があるので、2つの基本波が共に周波数制御機能
を持っていれば、必ずしも外部共振器1が一方の基本波
レーザに同期させる必要はない。これら2つの基本波レ
ーザの個々の周波数を外部共振器1の共振周波数に同期
させればよい。
源として使用するマスタレーザ光の発生装置には、注入
同期されたレーザ光を出射する注入同期レーザ光発生装
置やレーザ光源内に外部共振器を設けたレーザ光発生装
置を用いるようにしてもよい。
ザ光源L1に対応する連続した基本波レーザ光を出射
し、この外部共振器を有するレーザ光発生装置は、例え
ばレーザ光源L2に対応させて外部共振器において変換
された第2高調波の波長の連続したレーザ光を出射す
る。レーザ光源L1、L2には、この注入同期レーザ光
発生装置と外部共振器を有するレーザ光発生装置のいず
れか一方を適用したりあるいはこれらの両方を適用する
ようにしてもよい。
する装置の自走周波数に近い周波数の信号を入力するこ
とによってこの装置の発振周波数が入力信号の周波数に
引き込まれる現象を用いて、この入力信号と同一周波数
で振幅の大きなレーザ光に増幅する。
て図5の概略的な構成を参照しながら、例えばレーザ光
源L2に注入同期レーザ光発生装置を用いる場合を説明
する。
うための基本波レーザ光を出射するレーザ光源41が設
けられている。レーザ光源41からの基本波レーザ光
は、位相変調器42で位相変調が施され、共振器反射光
検出用の反射面43を介し、集光用のレンズ44を介し
て外部共振器45に入射されるようになっている。
面と平面鏡47の反射面との間に非線形光学結晶素子4
8が配置されている。この外部共振器45の一対の凹面
鏡46と平面鏡47の反射面の間の光路長LR が所定の
長さとなって光路位相差Δが2πの整数倍となるとき共
振し、共振位相付近で反射率及び反射位相が大きく変化
する。共振器45の一方の反射面46、47の少なくと
も一方、例えば反射面47は、電磁アクチュエータ49
により光軸方向に駆動されるようになっている。
ための変調信号を出力し、この変調信号がドライバ52
に送られる。共振器45に送られるレーザ光の反射光が
反射面43を介して光検出器53により検出され、反射
光検出信号として同期検波回路54に供給される。
変調信号が供給され、反射光検出信号と乗算されること
により、同期検波が行われている。同期検波回路54の
検波信号は、LPF55を介すことによって共振器光路
長の誤差信号となる。この誤差信号が、ドライバ56を
介して電磁アクチュエータ49の駆動信号となる。電磁
アクチュエータ49では、この駆動信号に応じて反射面
17を光軸方向に移動させて誤差信号を0とするような
サーボ制御を行うことにより共振器長の制御が行われて
いる。
レーザ光発生装置への入力信号の周波数を外部共振器1
の共振周波数に設定するように制御すれば、外部共振器
1に入射させる際のマスタレーザだけに与えられている
位相変調をそのまま和周波混合を行わせる外部共振器1
と同期をとる信号源とすることができる。
力光に位相変調を施す位相変調器2aの代わりに注入同
期のためにマスタレーザに与えられている位相変調を用
いても、位相変調器2b、発振器7bを用いることな
く、この位相変調を外部共振器1と同期させることがで
きる。
置のように第2高調波発生を別の外部共振器に同期させ
る構成をとって位相変調を施し位相変調器2b、発振器
7bを用いることなく、基本波レーザ光を外部共振器1
に出射するようにしてもよい。
期レーザ光発生装置と外部共振器付きレーザ光発生装置
をレーザ光源L1、L2の一方または両方に用いること
により、外部共振器1からの第3高調波の連続波レーザ
の出力をより一層高めることができ、外部共振器1から
の反射光を高出力にすることができる。
係について簡単に説明する。
学結晶素子では、例えば約31.3゜で切り出したBBO1
0を用いることによって、タイプIの位相整合条件に基
づいて第3高調波発生が行われている。位相整合条件は
タイプIに限定されるものでなく、BBO10の結晶の
切り出し角度を約38.6゜あるいは約59.7゜とすることに
より、例えば連続光の基本波の波長1064nm及び 532nmの
和周波光を発生させるための位相整合条件をタイプII
で行わせることができる。
角度の設定により、第3高調波発生の位相整合条件を選
択することができ、第3高調波発生の自由度を高めるこ
とができる。
定されるものでなく、周期的分極反転ニオブ酸リチウム
(Periodically Poled Lithium Niobate:以下PPLN
という)を用いてもよい。実際に必要とされる分極反転
の周期は、非線形光学係数d33またはd31を用いる相互
作用の場合、それぞれ約1.9μmまたは約3.6μmの奇数倍
とする。
と、疑似位相整合が達成され、材料定数である非線形光
学係数が大きいので、非線形変換効率を向上させること
ができる。この外部共振器1内の非線形変換を高めるこ
とで入力結合鏡としてのミラーM1の最適反射率を低め
ることにより、成膜プロセスの条件を緩和させることが
できる。
らの反射光にウォークオフが存在しないので、略々円形
のビームパターンを持った出力光が得られる。これによ
り、ビーム整形用の光学部材をレーザ光発生装置に設け
る必要がなく、製造部品の削減を行うことになり、装置
を小型化することができるようになる。
レーザ媒質には、Nd:YAG、Nd:YVO4以外にLNP、YL
F、GGG、YAP等も使用できる。
図6を参照しながら説明する。ここで、共通する部分に
同じ参照番号を付して説明を省略する。
すように、外部共振器1からの反射光がビームスプリッ
タ11を透過した透過光を受光する受光素子13aと、
受光素子13aで光電変換して得られた検出信号に対し
て電気的なキャリア周波数弁別を行うバンドパスフィル
タ(以下、BPFという)15、16とを有している。
1、L2からのそれぞれの出力光に異なる周波数で位相
変調器2a、2bを与えて外部共振器1内で同じ光軸上
で同時共振を起こすように共振制御を行っている。これ
により、外部共振器1からの反射光の一部がビームスプ
リッタ11を透過して受光素子13aに供給される。こ
の受光素子13aには、波長1064nm、 532nmの光が含ま
れている。受光素子13aは、これらの波長を含めて光
電変換して検出信号をBPF15、16にそれぞれ供給
する。
する周波数がBPF16での帯域通過周波数の整数倍の
関係にならないように周波数の選択が行われる。このよ
うに周波数の選択を行うことにより、BPF15、16
の高調波歪の信号に重なりが生じないようにすることが
でき、個々の波長に対する信号検出を行うことができ
る。これにより、2つの波長に対する検出信号のクロス
トークを避けることができる。
部4に供給され、BPF16を通過した信号が波長制御
部6にそれぞれ供給される。共振器長制御部4と波長制
御部6は、それぞれ共振器長制御信号と周波数制御信号
とを電磁アクチュエータ5とレーザ光源L1に出力して
いる。
したビームスプリッタ11をなくし、受光素子を1つで
済ませることができ、部品点数を少なくすることができ
る。
レーザ励起等の高効率で、安定で、信頼性も高い固体レ
ーザに基づいてそれぞれ独立に得られる連続波レーザ光
の基本波を外部共振器に入射させて少なくとも一方の光
源を同期させ、他方の光源の発振波長を制御して同期さ
せることにより、従来の基本波に対して得られるパルス
状の第3高調波発生に比べて一つの共振器内で共振させ
た基本波の和周波として連続した第3高調波を効率よく
発生させることができる。
レーザ光の適用範囲に比べて本発明による第3高調波相
当の連続光では、例えば光記録、ディスクのマスタリン
グ、蛍光体ディスプレイ等、幅広い分野への応用を可能
にできる。
1及び第2の光源として例えば半導体レーザ励起等の高
効率で、安定で、信頼性も高い固体レーザに基づいてそ
れぞれ独立に得られる連続波レーザ光の基本波を共振手
段に入射させて少なくとも一方の光源を同期させ、他方
の光源の発振波長を制御して同期させることにより、従
来の基本波に対して得られるパルス状の第3高調波発生
に比べて一つの共振器内で共振させた基本波の和周波と
して連続した第3高調波を効率よく発生させることがで
きる。
レーザ光の適用範囲に比べて本発明による第3高調波相
当の連続光では、例えば光記録、ディスクのマスタリン
グ、蛍光体ディスプレイ等、幅広い分野への応用を可能
にできる。
を示す図である。
クトルを示す図である。
具体的な構造の一例を示す一部切欠斜視図である。
渦巻き状板バネを示す概観斜視図である。
ザの概略的な構成を示す図である。
略的な構成を示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 レーザ媒質としてNd:YAGまたはN
d:YVO 4を用いた第1の波長の連続波レーザ光を出
射させる第1の光源と、第1の波長の1/2の波長の連
続波レーザ光を出射させる第2の光源と、上記第1及び
第2の光源から出射される各連続波レーザ光が入射され
ると共に複数のミラーから成り少なくとも1つのミラー
が光軸方向に移動される共振手段とを有し、この共振手
段で同時に同期・共振させながらこの共振手段内に配さ
れた位相整合のとれた非線形光学結晶素子によりこれら
の出射光を和周波混合させるレーザ光発生装置であっ
て、 上記共振手段は、上記第1及び第2の光源から出射され
る各連続波レーザ光を結合させる入力結合ミラーが和周
波混合された光を出力する出力ミラーと共用されている
ことを特徴とするレーザ光発生装置。 - 【請求項2】 上記第1及び第2の光源には、少なくと
も一方の光源に出射光の波長を制御する波長制御機能が
設けられていることを特徴とする請求項1記載のレーザ
光発生装置。 - 【請求項3】 上記共振手段は、誘電体多層膜がコーテ
ィングされたミラーとインピーダンスマッチングさせる
反射率を有する入力結合ミラーとを有することを特徴と
する請求項1記載のレーザ光発生装置。 - 【請求項4】 上記共振手段のミラーの少なくとも一つ
に和周波混合による連続光を透過させる波長特性を有す
る出力ミラーが用いられていることを特徴とする請求項
3記載のレーザ光発生装置。 - 【請求項5】 上記非線形光学結晶素子には、表面に上
記第1及び第2の光源からの出射光の波長での反射率を
抑えるコーティングが施されていることを特徴とする請
求項1記載のレーザ光発生装置。 - 【請求項6】 上記共振手段は、2つの光源から出射さ
れる少なくとも一方の光がS偏光とされた出射光を同一
平面内に設ける3つ以上のミラーで共振させることを特
徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。 - 【請求項7】 上記共振手段内の非線形光学結晶素子
は、この非線形光学結晶素子に固有な偏光方向を上記S
偏光に一致させることを特徴とする請求項6記載のレー
ザ光発生装置。 - 【請求項8】 上記共振手段により同時共振させた反射
光とこの反射光に含まれる上記共振手段への2つの入射
光成分の光を波長依存性に応じて空間的に分離する光学
分離手段と、この光学分離手段で分離した上記入射光成
分の光を受光する受光手段とを有し、上記受光手段から
得られた信号を用いて同時共振を満足させる制御が行わ
れることを特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装
置。 - 【請求項9】 上記共振手段からの反射光に含まれる上
記共振手段への2つの入射光成分の光を検出する受光手
段と、該受光手段からの出力信号に対して電気的に周波
数弁別を行って所定の周波数成分だけを通過させるフィ
ルタ手段とを有し、上記フィルタ手段には、出力される
一方の周波数が他方の周波数の整数倍となる関係を外し
た周波数が設定されることを特徴とする請求項1記載の
レーザ光発生装置。 - 【請求項10】 上記共振手段からの反射光にビーム整
形を施すビーム整形手段が設けられていることを特徴と
する請求項1記載のレーザ光発生装置。
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