JP3521451B2 - 音像定位装置 - Google Patents

音像定位装置

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JP3521451B2 JP25886193A JP25886193A JP3521451B2 JP 3521451 B2 JP3521451 B2 JP 3521451B2 JP 25886193 A JP25886193 A JP 25886193A JP 25886193 A JP25886193 A JP 25886193A JP 3521451 B2 JP3521451 B2 JP 3521451B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、電子楽器、ゲーム機
器、オーディオ機器等に内蔵あるいは接続して使用され
る音像定位装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電子的に発音された音や再生された音の
音像を定位させることは従来から行われており、その1
つの方式にバイノーラル方式がある。このバイノーラル
方式とは等身大の人工頭(ダミーヘッドという)の右と
左の外耳道にマイクロホンを取付けて、このマイクロホ
ンにより目的とする歌や音楽を集音し、その出力をそれ
ぞれ右と左のヘッドホンで聴く方式である。この場合、
集音した音を一度磁気テープ等に記録し、記録した音を
再生してヘッドホンにより聴くようにしてもよい。な
お、ダミーヘッドは実際の人間に近づけるために人間の
平均的な頭の寸法及び形状とされていると共に、顔の皮
膚や耳殻の柔らかさに近づけるためシリコンゴム系等の
材料により作製されている。そして、このバイノーラル
方式に限らず音像定位装置には、最近のディジタル信号
処理技術の向上に伴いディジタル信号処理技術が採用さ
れるようになっている。 【0003】このようなディジタル信号処理技術を用い
た音像定位装置の一例を図5を参照しながら説明する。
この図に示す100は電子的に発生された音あるいはオ
ーディオ装置等で再生された音等の音源であり、101
は所定の位置に音像を定位させる音像定位回路であり、
FIR係数テーブル102とFIRフィルタ103,1
04とから構成されている。102は所定の位置に音像
を定位させるためのFIRフィルタ103,104の係
数を記憶するFIR係数テーブルである。また、105
はリバーブ(残響音)を発生させるリバーブ回路であ
り、このリバーブ回路105の出力が音像定位回路10
1の2系統の出力に加算器106,107において加算
され、アンプ108,109により増幅されて左チャン
ネル出力Lが出力端子110から、右チャンネル出力R
が出力端子111から出力されている。 【0004】なお、FIR係数テーブル102に記憶さ
れている係数は、予めインパルス音源を設置した定位位
置から聴取位置までのインパルス応答を測定することに
より求めた伝達関数のデータであり、その係数をディジ
タルフィルタであるFIR(Finite Impulse Response
)フィルタに設定すると、測定した伝達関数をシミュ
レーションすることができる係数である。この図に示す
音像定位装置において、所望の位置に音像を定位させる
には、まず音像定位位置の座標を定位座標入力端子11
2に入力する。すると、入力された座標に基づいてFI
R係数テーブル102から、その座標に音像を定位させ
る係数が読み出され、この係数がFIRフィルタ103
及びFIRフィルタ104にそれぞれ供給される。この
係数が設定されたFIRフィルタ103,104により
音源100からの信号の定位処理が行われ、これらのF
IRフィルタ103,104よりの出力信号をアナログ
信号に変換した後、ヘッドホンで聴くことにより所望の
位置に定位した音像として聴くことができる。 【0005】また、歌や音楽を室内で聴くと壁や天井及
び床等で反射した音は残響音として聞こえる。そこで、
この残響音をシミュレートするための回路としてリバー
ブ回路105を設け、このリバーブ回路105により発
生させた残響音を加算器106,107に印加すること
により残響音を付加するようにしている。 【0006】図6は室120の中で聴取者121にイン
パルス音源122からの音が伝達されるようすを示して
いる。SL ,SR はインパルス音源122からの直接音
であり、直接音SL はインパルス音源122から距離d
oを伝播して左耳に達し、直接音SR はインパルス音源
122から距離(do+d1)を伝播して右耳に達して
いる。さらに、室120の壁により反射されたインパル
ス音源122よりの音が破線で示すように聴取者121
の左耳及び右耳に達している。この反射音は室120の
壁により一度だけ反射された音だけを示しており、この
ような反射音は初期反射音といわれており、室20のタ
イプにより特徴的な特性を示すと共に、二度三度壁によ
り反射された反射音とは区別して識別することができ
る。 【0007】この初期反射音の態様を図7のグラフに示
す。この図に示すグラフの横軸は時間tであり縦軸はレ
ベルである。この図の上側のLとして示したグラフに
は、図6に示すインパルス音源122から聴取者121
の左耳へ達する直接音SL と初期反射音とが示されてお
り、下側のRとして示したグラフには、図6に示すイン
パルス音源122から聴取者121の右耳へ達する直接
音SR と初期反射音とが示されている。 【0008】この図を見ると、直接音SL はインパルス
音が音源122から発射されてからtdo後に聴取者12
1の左耳に達しており、直接音SR はインパルス音が音
源122から発射されてからt (do+d1)後に聴取者12
1の右耳に達している。また、初期反射音は図に示すよ
うなレベルと遅延時間特性となっている。このように、
直接音SL と直接音SR との間には時間的なずれ及びレ
ベル差があると共に、初期反射音の間にも時間的なずれ
及びレベル差があることがわかる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】ところで、無響室で音
源が聴取者の真正面にあるとき(図6でいうならばSL
=SR のとき)、その音源の音が正面からのものなの
か、後方からのものなのか判別できない。逆に音源が後
方にある場合もその音源が正面にあるのか、後方にある
のか判別できないという現象がある。これはこの実験が
無響室で行われるものであり、反射音が発生しない状態
にあるためである。しかし、現実の生活空間においては
そのような現象は認識することは少ない。その理由とし
ては現実の生活空間では音源から直接音だけでなく反射
音も多く発生し、その反射音の方向を判別することによ
ってその音源の方向を判断できるためである。そのため
直接音はもちろんのこと反射音についても音像定位させ
ることが必要である。 【0010】しかしながら、従来の音像定位装置におい
ては、図5に示されるごとくリバーブ105で作られる
初期反射音、後部残響音の定位は行っておらず、前後の
定位間が不明瞭であるという問題点があった。そこで、
本発明はよりリアルな音場をシュミレーションし、特に
前後の定位感を明瞭にする音像定位装置を提供すること
を目的としている。さらに、従来と比べて回路規模がそ
れほど大きくならない音像定位装置を提供することを目
的としている。 【0011】 【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、入力信号を遅延させることによって
複数の反射音を作成する反射音作成手段と、所定位置に
音像を定位させることのできる複数の音像定位手段と、
前記反射音作成手段で作成された複数の反射音のそれぞ
れと、前記入力信号を直接音として前記複数の音像定位
手段に任意に割り当てる割当手段とを備えるようにした
ものである。 【0012】 【作用】本発明によれば、直接音と複数の反射音とを音
像定位装置によりそれぞれ定位するようにしたので、前
後の定位感を明瞭にすることができると共に、室の形状
等に依存する反射音の方向をシミュレートすることがで
きる。また、低域の周波数成分を少なくとも除いてFI
Rフィルタにより音像を定位させるようにしたため、F
IRフィルタの構成を簡単にすることができる。さら
に、FIRフィルタでシミュレーションする伝達関数は
人体の耳まわりだけの伝達関数であるためFIRフィル
タの次数を低い次数とすることができる。 【0013】 【実施例】本発明の音像定位装置を備える電子楽器を図
1に示す。この図において、1はCPUを備え各ブロッ
クを制御する制御部であり、このCPUのメインプログ
ラムやユーザの設定したデータ等が記憶部4に記憶され
ている。また、空間情報入力部3からは、音源位置、聴
取者位置、室の壁の反射係数、室の形状等が入力され、
これらの情報から反射音形成部6と音像定位装置7の係
数、読みだしアドレスを演算またはテーブルを参照する
ことにより得て、反射音形成部6及び音像定位装置7
に。制御部1により設定する。 【0014】そして、鍵盤部2の押鍵イベントが制御部
1により検出されると、制御部1はその押鍵イベントに
対応して音源5に発音指示を行い、音源5から音源デー
タを反射音形成部6に送る。この反射音形成部6によ
り、多数の反射音が作成されて直接音と共に音像定位装
置7に入力され、直接音と多数の反射音のそれぞれが空
間情報入力部3により入力された情報に基づいて設定さ
れた位置に定位するよう処理される。このようにして、
音像定位の処理がされた信号はアナログ信号に変換され
て直接ヘッドホン11により発音されるか、あるいはク
ロストークキャンセル回路8によりクロストークのキャ
ンセルが行われLチャンネルのスピーカ9とRチャンネ
ルのスピーカ10により発音される。 【0015】なお、クロストークキャンセル回路8は一
方の耳から他方の耳へクロストークする信号成分をキャ
ンセルすることにより、キャンセル処理された信号がス
ピーカ9,10から発音された時に所定の定位位置に音
像を定位させるための回路である。このような回路は特
開昭4−150400号公報に記載されているように従
来から知られている回路である。次に、反射音形成部6
の詳細を図2に示す。 【0016】この図において、音源5より入力された音
源データはディレイライン21に印加される。このディ
レイライン21は例えばRAMにより構成されており、
定位位置から聴取者までの距離に相当する時間tdだけ
遅れてディレイライン21から出力ライン21−1に出
力されて直接音が形成され、さらに、時間tr遅れて最
初の初期反射音が出力ライン21−2に出力され、以下
順次所定の時間遅れて多数の初期反射音が出力ライン2
1−3〜21−nに出力される。これらの直接音及び多
数の初期反射音は係数器22−1ないし係数器22−n
により所定のレベルとされてそれぞれ音像定位装置7に
供給される。 【0017】また、ディレイライン21の後端から出力
された遅延出力は初期反射音に続く後部残響音を形成す
る回路に供給される。この後部残響音は室の壁,天井,
床等により二度以上反射されることにより発生される残
響音であり、反射回数が多いため初期反射音より遅れて
発生されている。このような後部残響音を作成するため
に、ディレイライン21の出力は縦続接続されたオール
パスフィルタAPF1,APF2,APF3に印加され
る。このオールパスフィルタの特性は従来から知られて
いるように、周波数減衰特性はフラットであるが周波数
に応じて位相がシフトするフィルタであり、インパルス
信号が供給されるとその信号を僅かずつ遅らせた信号が
時系列的に出力される。したがって、わずかずつ時間の
遅れを有する反射音を形成することができる。これを利
用して、遅延時間の異なるオールパスフィルタAPF
1,APF2,APF3により多数の僅かずつ遅れた反
射音を信号の直後に多数形成するようにしている。 【0018】さらに、このように形成した反射音を加算
器25−1〜25−m,ディレイライン26−1〜26
−m及びローパスフィルタ(LPF)27−1〜27−
m及び第3係数器28−1〜28−mよりなるコムフィ
ルタに供給する。このコムフィルタはディレイライン2
6−1〜26−mの時間毎に遅延された出力を出力する
と共に、フィルタのループを循環する毎にLPF27−
1〜27−mにより高域成分が減衰されると共に、第3
係数器28−1〜28−mによりレベルが減衰されるよ
うになされている。これは、音は反射されるたび毎にレ
ベルが減衰すると共に、高域の成分が減衰される特性を
有しており、この特性を模擬するためのものである。ま
た、これらのコムフィルタに前置する第2係数器24−
1〜24−mはオールパスフィルタAPF1〜APF3
より出力される反射音のレベルを調整して、後部残響音
らしくなるようそのレベルを調整するものである。 【0019】このようにして、後部残響音は形成されて
いるが、上記複数のコムフィルタのディレイライン26
−1〜26−mにより粗い遅延の反射音が形成され、そ
の間を埋めるようにオールパスフィルタAPF1〜AP
F3により細かい遅延の反射音が形成されている。そし
て、コムフィルタを形成するディレイライン26−1〜
26−mの各遅延時間をそれぞれ異ならせると共に、こ
のディレイライン26−1〜26−mの中途からも出力
を得るようにし、さらに、オールパスフィルタAPF1
〜APF3の遅延時間をそれぞれ異ならせるようにする
ことにより、さらに多数の反射音を形成するようにして
いる。 【0020】次に、直接音,初期反射音及び後部残響音
を定位させる音像定位装置7の詳細を図3を参照しなが
ら説明する。図3に示すように、音像定位装置7は分配
部40と定位回路41−1〜41−kから構成されてい
る。この分配部40は入力される直接音31と初期反射
音32及び後部残響音33のそれぞれを所望の定位位置
に定位させるように分配するものである。この分配は図
1に示す制御部1よりの制御信号により制御されてお
り、空間情報入力部3でユーザによって入力された音源
位置、聴取者位置、室の形状等により直接音31、初期
反射音32、後部残響音33を構成する複数の音は各音
毎に定位回路41−1〜41−kのいずれかに供給され
る。この分配部40からは定位回路41−1〜41−k
の数kだけの出力が出力されており、このk本の出力ラ
インの1本あるいは複数本(最大k本)に直接音31,
初期反射音,後部残響音33のそれぞれを割り当てるこ
とができるようにされている。このk個の定位回路41
−1〜41−kの各々の定位位置は、例えば図4に示す
位置とされており、この定位置のいずれにも音像を定位
させることができるようにされている。 【0021】定位回路41−1〜41−kはすべて同じ
構成とされており、その内の定位回路41−1の詳細だ
けを図3において示している。この定位回路41−1に
おいて、ディレイ回路42と他の回路部分とでは異なる
定位処理を行うようにされている。このことを前記図6
を用いて説明すると、例えば図6に示すインパルス音源
122の位置に音像を定位させようとすると、この定位
位置121から聴取者121への直接音SL とSR との
共通した距離はdoであり、聴取者121の右耳までは
さらに距離d1だけ余分に伝播させる必要があることが
わかる。そこで、この定位位置122に対する聴取者の
向きに応じた距離d1に相当する遅延時間をディレイ回
路42により得るようにし、定位位置121に音像を定
位させる聴取者121の耳まわりの伝達関数をシミュレ
ートする処理を他の回路部分で行うようにしている。 【0022】すなわち、分配部40より供給された直接
音31及び初期反射音32と後部残響音33はディレイ
回路42により遅延されて、定位位置に対する聴取者の
左側と右側との距離差d1に対応する時間差を有するL
チャンネルとRチャンネルとの出力がライン42−Lと
ライン42−Rとから得られる。そして、このライン4
2−Lとライン42−Rからの出力はローパスフィルタ
(LPF)43−L,43−Rとバンドパスフィルタ
(BPF)45−L,45−R及びハイパスフィルタ4
8−L,48−Rに入力される。この、LPF43−
L,43−Rにより抽出された20〜1000Hzの周
波数成分の信号は第4の係数器44−L,44−Rによ
り、距離の差d1に基づくレベルの減衰量が調整されて
加算器51−L,51−Rに出力される。このようにL
PF43−L,43−Rにより抽出された低域の成分に
ついてはレベル差の処理だけを行うようにしている。こ
の理由は低域の信号の波長は長いため回り込みが大きく
なり音像定位処理をする効果が薄れてしまうと共に、波
長の長い信号を定位させるには音像を定位させるための
フィルタが極めて大きくなり、コストを上昇させる要因
となるためである。 【0023】次に、BPF45−L,45−Rにより抽
出された1000〜8000Hzの周波数成分の信号は
ノッチフィルタ46−L,46−Rで周波数成分の一部
が除去されて、距離の差d1に基づくレベルの減衰量が
第5の係数器47−L,47−Rにより調整されて加算
器51−L,51−Rに出力される。このノッチフィル
タ45−L,45−Rは上下に音像を定位させるための
フィルタであり、このノッチフィルタ45−L,45−
Rによりエリミネートされる周波数成分に応じて音像の
定位が上下に変化することを利用している。このよう
に、BPF45−L,45−Rで抽出された成分につい
ては上下方向の音像定位のための処理だけを行うように
している。 【0024】次に、HPF48−L,48−Rにより抽
出された8000Hz以上の周波数成分はFIR(Fini
te Impulse Responce)フィルタ49−L,49−Rに印
加されて聴取者の耳まわりの伝達関数がシミュレーショ
ンされ、さらに距離の差に基づくレベルの減衰量が第6
係数器50−L,50−Rにより調整されて加算器51
−L,51−Rに出力されている。このFIRフィルタ
49−L,49−Rは図4に示す複数の定位位置の一つ
に音源を置いて聴取者の位置で測定したその定位置の伝
達関数をシミュレーションできる係数が制御部1から供
給されて設定されている。なお、この伝達関数は無響室
で測定した伝達関数、すなわち人体の耳たぶや肩及び顔
等の耳まわりのだけ伝達関数であってリバーブを含んで
いないため、FIRフィルタ49−L,49−Rの次数
をかなり低いものとすることができる。 【0025】このように定位回路41−1で定位処理さ
れて加算器51−L,51−Rから出力されたLチャン
ネルの信号とRチャンネルの信号は、他の定位回路41
−2〜41−kの出力と加算器52−L,52−Rによ
り加算されてLチャンネルの信号とRチャンネルの信号
とされる。本発明はこのように、直接音,初期反射音,
後部残響音をそれぞれ定位させるようにしたため、前後
の定位感を明瞭にすることができるようになった。ま
た、これらの音を定位させるに当たり、FIRフィルタ
により音像を定位する信号を、HPFで抽出した高域の
信号だけとしたためFIRフィルタの構成を簡略化する
ことができる。さらに、このFIRフィルタによりシミ
ュレーションする伝達関数は無響室で測定した聴取者の
耳まわりだけの伝達関数であるため、FIRフィルタの
次数を低いものとすることができる。 【0026】なお、直接音と初期反射音や後部残響音を
も含んだ信号をFIRフィルタに印加して音像の定位処
理を行うことも考えられるが、例えば約2秒の残響音ま
での音像定位を行おうとするとサンプリング周波数を4
8kHzとした時、FIRフィルタの段数は約9600
0段にもなるためその実現は難しい。また、図4に示す
定位位置は水平方向の位置だけであるが、本発明の定位
位置はこれに限定されるものではなく、上下の定位を行
う定位回路をさらに設けて上下の音像定位を行うように
しても良い。 【0027】 【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、直
接音と複数の反射音とを音像定位装置によりそれぞれ音
像定位することができ、このため前後の定位感を明瞭に
することができると共に、室の形状等に依存する反射音
の方向をシミュレートすることができる。また、信号の
低域の周波数成分を少なくとも除いてFIRフィルタに
より音像を定位させるようにしたため、FIRフィルタ
の構成を簡単にすることができる。さらに、FIRフィ
ルタでシミュレーションする伝達関数は人体の耳まわり
だけの伝達関数であるため、FIRフィルタの次数を低
い次数とすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の音像定位装置を電子楽器に適用したブ
ロック図である。 【図2】本発明の反射音形成部の詳細なブロック図であ
る。 【図3】本発明の音像定位装置のブロック図である。 【図4】直接音と反射音の音像定位置を示す図である。 【図5】従来の音像定位装置のブロック図である。 【図6】室の中で人体に音源からの音が伝達される様子
を示す図である。 【図7】直接音と初期反射音の到達時間を示すグラフで
ある。 【符号の説明】 1 制御部 2 鍵盤部 3 空間情報入力部 4 記憶部 5,100 音源 6 反射音形成部 7 音像定位装置 8 クロストークキャンセル回路 9,10 スピーカ 11 ヘッドホン 21,26−1〜26−m,42 ディレイライン 21ー1〜21ーn ディレイライン出力 22ー1〜22−n,24−1〜24−m,28−1〜
28−m,44−L,44−R,47−R,47−L,
50−L,50−R 係数器 23−1〜23−3 オールパスフィルタ 25−1〜25ーm,51−L,51−R,52−L,
52−R,106,107 加算器 27−1〜27−m ローパスフィルタ 31 直接音 32 初期反射音 33 後部残響音 34,42−L Lチャンネル出力 35,42−R Rチャンネル出力 40 分配部 41−1〜41−k 定位回路 43−L,43−R ローパスフィルタ 45−L,45−R バンドパスフィルタ 46−L,46−R ノッチフィルタ 48−L,48−R ハイパスフィルタ 49−L,49−R,103,104 FIRフィルタ 101 音像定位回路 102 FIR係数テーブル 105 リバーブ回路 108,109 アンプ 110,111 出力端子 120 室 121 聴取者 122 インパルス音源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04S 1/00 G10H 1/00 G10K 15/12 H03H 17/06 H04S 7/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 入力された信号を複数の周波数帯域に分
    割する分割手段と、 Lチャンネル及びRチャンネルの信号にレベル差を付与
    することにより音像を定位させる第1の定位手段と、 エリミネートされる周波数成分を変化させることによ
    り、音像を上下に定位させる第2の定位手段と、 音像定位位置と聴取者の左側とを結ぶ距離と、音像定位
    位置と聴取者の右側とを結ぶ距離との差を与えるような
    定位処理を行うディレイ回路と、人体の耳まわりの伝達
    関数をシミュレーションするFIRフィルタにより音像
    を定位させる第3の定位手段とを備え、 上記分割手段により分割された周波数帯域のうちの低域
    の周波数帯域の信号の音像を上記第1の定位手段により
    定位させ、中域の周波数帯域の信号の音像を上記第2の
    定位手段により定位させ、高域の周波数帯域の信号の音
    像を上記第3の定位手段により定位させることを特徴と
    する音像定位装置。
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