JP3520652B2 - 半導体力センサ - Google Patents

半導体力センサ

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JP3520652B2
JP3520652B2 JP04798996A JP4798996A JP3520652B2 JP 3520652 B2 JP3520652 B2 JP 3520652B2 JP 04798996 A JP04798996 A JP 04798996A JP 4798996 A JP4798996 A JP 4798996A JP 3520652 B2 JP3520652 B2 JP 3520652B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歪みを抵抗値に変
化させる半導体ゲージ抵抗から成るブリッジ回路を備え
た半導体力センサに関し、特に、感度の温度補償を行う
半導体力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体基板上に半導体ゲージ抵抗
がブリッジ回路を形成して構成された半導体圧力センサ
では、ブリッジ回路に並列に補償抵抗を接続してブリッ
ジ回路の感度を温度補償していた。その回路構成を図4
に示す。このブリッジ回路は、ゲージ抵抗RA 〜RD
構成されている。各ゲージ抵抗RA 〜RD は、温度に対
する抵抗の変化率としての温度係数δと、圧力に対する
抵抗の変化率としての圧力係数aとを有している。この
圧力係数aは温度に対して変化し、その変化率としての
圧力温度係数βを有している。各ゲージ抵抗RA 〜RD
は、温度係数δ及び圧力温度係数βがいずれも正に設定
されている。このブリッジ回路の感度は、圧力温度係数
βが正のため、正の温度係数を有する。このブリッジ回
路に対して抵抗値の温度係数cがほぼゼロのCrSiから成
る温度特性補償抵抗R2 を並列に接続することで、ブリ
ッジ回路全体の抵抗値の温度係数を低減させ、ブリッジ
回路の感度を温度補償していた。
【0003】この他にはブリッジ回路への印加電流を変
化させることで感度が調整された半導体圧力センサがあ
り、その回路構成を図5に示す。ゲージ抵抗RA 〜RD
で構成されたブリッジ回路への電流の供給は、カレント
ミラー回路101により行われる。カレントミラー回路
101は、それぞれのベース間が電気的に接続されたト
ランジスタTr1及びTr2から構成されている。このカレ
ントミラー回路101のトランジスタTr2のコレクタが
ブリッジ回路に接続され、このコレクタを介してブリッ
ジ回路に電流Ig が供給される。カレントミラー回路1
01のトランジスタTr1のコレクタは、トランジスタT
r3のコレクタと接続され、トランジスタTr3のエミッタ
は温度特性を有しない抵抗R11に接続されている。この
抵抗R11の他端は接地されている。トランジスタTr3
ベースには、演算増幅器Op1の出力端子が接続されてい
る。演算増幅器Op1の反転入力端子はトランジスタTr3
と抵抗R11との結合点と接続されており、非反転入力端
子はD/A変換器の出力端子Jと接続されている。この
構成では、D/A変換器の出力端子Jからの出力電圧V
K を制御し、抵抗R11に流れる電流Ig'を変化させるこ
とで、ブリッジ回路に供給される印加電流Ig を変化さ
せる。この電流Ig の変化によりブリッジ回路の印加電
圧を変化させ、ブリッジ回路の感度を調整する。ブリッ
ジ回路からの出力は増幅器A1 により増幅され、センサ
としての信号が出力される。この回路では、ブリッジ回
路に印加される電流Ig に任意の温度特性を持たせるこ
とができないため、ブリッジ回路を構成するゲージ抵抗
A 〜RD と温度係数の異なる温度特性補償抵抗R3
ブリッジ回路に並列に接続し、この抵抗R3をトリミン
グすることにより温度補償を行う構成としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示される構成では、ブリッジ回路の感度の温度係数βが
正の場合には温度補償が可能であるが、ブリッジ回路の
感度の温度係数βが負の場合には温度補償が不可能であ
る。これは、ブリッジ回路の感度の温度係数βが負で、
温度特性補償抵抗R2 の温度係数cがほぼゼロである
と、後述される式(6)及び式(7)に示されるように
各ゲージ抵抗RA 〜RD の温度係数δをブリッジ回路の
感度の温度係数βより小さくしないと温度補償できない
(温度係数cは式(6)及び式(7)中のαに相当)。
実際に、微圧測定のためにダイヤフラム部の肉厚をおよ
そ40μmから10数μmにまで薄肉化したり、シリコ
ン基板表面に保護膜として酸化膜や窒化膜等を形成する
ことによる影響により、感度の温度係数βが負の絶対値
の大きな値を持つブリッジ回路では、温度特性補償抵抗
2 の温度係数cをほぼゼロに設定し、各ゲージ抵抗R
A 〜RD の濃度を調整することだけでは、その温度係数
δは正であり、それをブリッジ回路の感度の温度特性β
(負の値)より小さい値に設定することができないた
め、その感度を温度補償することができない。また図5
に示される構成では、トリミングをレーザトリムで行う
ために、トリム後に防湿材としてシリコンゲルを塗布し
たり、パッケージングした後での調整が不可能であり、
シリコンゲルの塗布時に発生する応力やパッケージング
時の組付け応力の影響が回避できないという問題があ
る。
【0005】従って、本発明の目的は、上記課題に鑑
み、半導体ダイヤフラム上にゲージ抵抗でブリッジ回路
が形成された半導体力センサにおいて、感度の温度係数
が負の場合においても温度補償を可能とすることであ
り、合わせて感度の温度係数が正、負のいずれの場合に
も適用可能な半導体力センサを実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の手段を採用することができる。
この手段によると、半導体基板のダイヤフラム部上に正
の温度係数(δ)を有する半導体ゲージ抵抗を形成す
る。そして半導体ゲージ抵抗を用いてブリッジ回路を構
成し、ゲージ抵抗に定電流が印加された時の外力に対す
る感度が負の温度係数(β)を有する。このブリッジ回
路の給電端子に対して、(δ−β)の値より大きい温度
係数(α)を有する抵抗素子を並列に接続し、ブリッジ
回路と抵抗素子とを含めた回路の感度の温度温度係数が
ゼロとなるように温度補償する。これにより、ブリッジ
回路の感度が負の温度係数(β)を有する場合であって
も温度補償を行うことができ、温度の変化に係わらずに
正確なセンサ出力を得ることができる。
【0007】また請求項2に記載の手段によれば、ブリ
ッジ回路の給電端子からみた基準温度での合成抵抗値を
B としたとき、抵抗素子の基準温度での抵抗値R10
{(δ−α)/β−1}×rB の値に設定する。これに
よりブリッジ回路の感度を温度補償できる抵抗素子の抵
抗値R1 を容易に設定することができる。
【0008】請求項3に記載の手段によれば、半導体基
板上に不純物を拡散することにより抵抗素子を形成す
る。これにより通常IC内に形成されるベース抵抗など
は、ゲージ抵抗の温度係数(δ)より大きい温度係数を
有するため、抵抗素子の温度係数(α)がベース抵抗な
どの温度係数以内であれば、新たに工程を追加すること
なく半導体力センサを製造することができる。
【0009】請求項4に記載の手段によれば、半導体基
板のダイヤフラム部上に半導体ゲージ抵抗で構成された
ブリッジ回路に給電する定電流源を設け、その定電流源
にブリッジ回路の感度の温度係数(β)に対して(−
β)の値の電流温度係数(γ)を持たせることにより、
リッジ回路に供給される電流の温度係数を変化させる
ことで、ブリッジ回路の感度の温度補償を行うことがで
きる。更に、電流温度係数(γ)を正及び負の領域に可
変できる電流温度特性可変手段を定電流源に設けること
により、ブリッジ回路の感度の温度特性に係わらずその
温度補償を行うことができる。
【0010】
【0011】請求項5に記載の手段によれば、電流温度
特性可変手段に、ブリッジ回路に電流を供給するカレン
トミラー回路と、カレントミラー回路への電流源と、カ
レントミラー回路から供給される電流温度係数(γ)を
任意に設定できる補償回路とを備える。そして補償回路
に印加される電圧を制御することで、ブリッジ回路の感
度の温度特性(β)がゼロとなるように、ブリッジ回路
に供給される電流の電流温度係数(γ)を任意に設定す
る。これによりカレントミラー回路から供給される電流
の電流温度係数(γ)を変化させることで、ブリッジ回
路の感度の温度係数(β)を補償することができる。ま
たゲージ抵抗の抵抗値を調整して温度補償を行う構成で
はなく、補償回路に印加される電圧を制御することで温
度補償を行うために、センサのパッケージング後におい
ても容易にブリッジ回路の感度を温度補償することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第一実施例)以下、本発明を具体的な実施例に基づい
て説明する。図1は、本発明に係わる第一実施例の構成
を示した回路図である。半導体圧力センサに用いられる
ブリッジ回路100は、抵抗値の温度係数がいずれも正
であるゲージ抵抗RA 〜RD (半導体ゲージ抵抗に相
当)から成り、それらがブリッジ状に結合されている。
このブリッジ回路100では、ゲージ抵抗RA とRC
の結合点B、及びゲージ抵抗RB とRD との結合点Cが
出力端子を構成し、定電流駆動される。尚、ゲージ抵抗
A とRB との結合点A、及びゲージ抵抗RC とRD
の結合点Dが給電端子を構成している。各ゲージ抵抗R
A 〜RD は、いずれも基準圧において抵抗値Zを有し、
基準圧に対する差圧力Δpの作用による抵抗値の変化を
ΔRとするとゲージ抵抗RA 及びRD における抵抗値は
Z+ΔRに変化し、ゲージ抵抗RB 及びRC における抵
抗値はZ−ΔRに変化するように作られている。ブリッ
ジ回路100には、(各ゲージ抵抗RA 〜RD の温度係
数−感度の温度係数)より大きい温度係数を有する温度
特性補償抵抗R1 (抵抗素子に相当)が、結合点A及び
Dと電気的に接続してブリッジ回路100に並列に結線
されている。
【0013】このブリッジ回路100を構成するゲージ
抵抗RA 〜RD 及び温度特性補償抵抗R1 は、n型のシ
リコン基板に形成される。その断面構成を図2に模式的
に示す。シリコン基板10の裏面10aにエッチングに
より凹部12を形成することにより、薄肉化されたダイ
ヤフラム部11が形成される。このダイヤフラム部11
に圧力が導入されると、その圧力の大きさに応じてダイ
ヤフラム部11が歪む。このダイヤフラム部11上に、
p型の不純物p+ を注入することによりゲージ抵抗RA
〜RD が形成され、それらが電気的に接続されている。
尚、図2中においてゲージ抵抗RD は、ゲージ抵抗RA
の奥または手前に形成されているために図示されていな
い。各ゲージ抵抗RA 〜RD に注入されるp型の不純物
+ は、2×1020ions/cm3程度の濃度に注入される。
これにより各ゲージ抵抗RA 〜RD の抵抗値の温度係数
は、1400〜1700ppm/℃程度となる。またシリコ
ン基板10のダイヤフラム部11を除いた部分には、p
型の不純物p+ の注入により温度特性補償抵抗R1 が形
成されている。これらゲージ抵抗RA 〜RD 及び温度特
性補償抵抗R1 の上にシリコン酸化膜(SiO2)22及び
シリコン窒化膜(SiN )21が形成され、酸化膜22と
窒化膜21とで保護膜20を構成している。
【0014】ここで、各ゲージ抵抗RA 〜RD は、温度
に対する抵抗の変化率としての温度係数δと、圧力に対
する抵抗の変化率としての圧力係数aとを有している。
このとき、ゲージ抵抗RA 〜RD のうち例えばゲージ抵
抗RA は式(1)で表すことができる。
【0015】
【数1】 RA =Z+ΔR =rB ×(1+δ×Δt+a×Δp) …… (1)
【0016】但し、rB は基準温度(Δt=0)、基準
圧(Δp=0)における抵抗値である。また、圧力係数
aは温度に対して変化し、その変化率としての圧力温度
係数β(βは負)を有している。このとき、基準温度及
び基準圧力のときの圧力係数をa0 とすると、圧力係数
aは式(2)で表すことができる。
【0017】
【数2】 a=a0 ×(1+β×Δt) …… (2)
【0018】また電流Iが供給されたときブリッジ回路
100の出力電圧の変化をΔVとすると、ΔV=I×Δ
Rであるからブリッジ回路100の感度Gは式(3)で
表すことができる。
【0019】
【数3】 G=ΔV/Δp=I×ΔR/Δp =I×rB ×a×Δp/Δp=I×rB ×a =I×rB ×a0 ×(1+β×Δt) …… (3)
【0020】ここで、rB は、基準圧、基準温度におけ
るブリッジ回路100の合成抵抗値でもある。また式
(3)から圧力温度係数βはブリッジ回路100の感度
の温度係数を意味する。ここで温度特性補償抵抗R
1 は、基準温度における抵抗値をR10とし、その温度係
数をαとすると式(4)で表される。この式(4)を用
いて、基準温度における電流値をI0 とすれば、ブリッ
ジ回路100に流れる電流Iは式(5)で表すことがで
きる。
【0021】
【数4】 R1 =R10×(1+α×Δt) …… (4)
【0022】
【数5】 I≒I0 ×R10/(rB +R10) ×{1 +α×Δt−(rB ×δ+R10×α) ×Δt/(rB +R10)} …… (5)
【0023】式(5)を式(3)に代入して整理し、感
度Gの温度係数がゼロとなるときの温度特性補償抵抗R
1 の基準温度での抵抗値R10が式(6)にて得られる。
【0024】
【数6】 R10={(δ−α)/β−1}×rB …… (6)
【0025】式(6)より右辺は正でなければならず、
これより温度特性補償抵抗R1 の温度係数αの条件が式
(7)にて得られる。
【0026】
【数7】 β<0のとき α>δ−β β>0のとき α<δ−β …… (7)
【0027】式(7)より温度特性補償抵抗R1 の温度
係数αは、各ゲージ抵抗RA 〜RDの温度係数δと、圧
力温度係数βとの差より大きくする必要がある。従来は
圧力温度係数が正であったため、温度特性補償抵抗の温
度係数をほぼゼロに設定し、ゲージ抵抗の温度係数を圧
力温度係数よりやや大きくすることで、ブリッジ回路の
感度の温度補償を行うことが可能であったが、圧力温度
係数が負になるとゲージ抵抗の濃度を調整するだけでは
温度補償を行うことは不可能である。本実施例では、式
(7)を用いて温度特性補償抵抗R1 の温度係数αを設
定し、式(6)を用いて温度特性補償抵抗R1 の基準温
度での抵抗値R10を設定することで、ブリッジ回路10
0と温度特性補償抵抗R1 とを含めた回路の感度の温度
係数をゼロにすることができ、温度変化による感度のず
れを補償することができるため、ブリッジ回路100を
備えた半導体圧力センサの出力の精度を向上させること
ができる。
【0028】また、通常のICなどで用いられるベース
抵抗では、p型の不純物p+ を1×1018ions/cm3程度
の濃度に注入して形成され、その抵抗値の温度係数は2
000〜2600ppm/℃であることから、ベース抵抗と
ゲージ抵抗RA 〜RD との差を利用することができるた
め、製造工程を追加することなく温度特性補償抵抗R1
を形成することができる。ベース抵抗以外では、例えば
IIL(Integrated Injection Logic)に用いられる抵
抗などの温度係数が、ゲージ抵抗RA 〜RD の抵抗値の
温度係数より大きいため、IILの製造工程を用いるこ
とも可能である。このようにゲージ抵抗RA 〜RD より
抵抗値の温度係数が大きい抵抗を、通常の製造工程を利
用して容易に形成することができる。
【0029】尚、上記各実施例では、ブリッジ回路を備
えた半導体圧力センサの感度の温度補償について説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲージ
抵抗を定電流駆動する半導体加速度センサなどに適用し
てもよく、その適用対象を限定するものではない。
【0030】(第二実施例)図3は本発明に係わる第二
実施例の構成を示した回路である。第一実施例ではブリ
ッジ回路を構成するゲージ抵抗の(温度係数−感度の温
度係数)より大きい温度係数を有する抵抗を、ブリッジ
回路に並列結線することでセンサの温度補償を行うこと
を特徴としたが、本実施例の特徴は、ブリッジ回路に供
給される電流に温度特性を持たせて、センサの温度補償
を行うことを特徴とする。半導体圧力センサ110は、
ブリッジ回路100、カレントミラー回路101、温度
特性補償回路102(補償回路に相当)などから構成さ
れる。ブリッジ回路100は、ゲージ抵抗RA 〜RD
ら成り、それらがブリッジ状に結合されている。このブ
リッジ回路100では、ゲージ抵抗RA とRC との結合
点B、及びゲージ抵抗RB とRD との結合点Cが出力端
子を構成し、増幅器A1 に接続されている。ブリッジ回
路100への電流の供給は、カレントミラー回路101
により行われる。カレントミラー回路101は、それぞ
れのベース間が電気的に接続されたトランジスタTr1
びTr2から構成されている。このカレントミラー回路1
01のトランジスタTr2のコレクタが、ゲージ抵抗RA
とRB との結合点Aと電気的に接続され、ブリッジ回路
100に電流Ig を供給する。
【0031】カレントミラー回路101のトランジスタ
Tr1のコレクタは、トランジスタTr3のコレクタと接続
され、トランジスタTr3のエミッタは温度特性を有しな
い抵抗R11に接続されている。この抵抗R11の他端は接
地されている。トランジスタTr3のベースには、演算増
幅器Op1の出力端子が接続されている。演算増幅器Op1
の反転入力端子はトランジスタTr3と抵抗R11との結合
点Iと接続されており、非反転入力端子はD/A変換器
の出力端子Jと接続されている。
【0032】結合点Iは、カレントミラー回路101の
トランジスタTr3を流れる電流Ig'の温度補償を得るた
めの温度特性補償回路102と接続されている。この温
度特性補償回路102には、演算増幅器Op2の出力端子
と演算増幅器Op3の反転入力端子との間に、温度特性の
ない抵抗R21が設けられている。演算増幅器Op2は、出
力端子と反転入力端子とが接続され、非反転入力端子が
D/A変換器の出力端子Kに接続されている。演算増幅
器Op3の出力端子と反転入力端子との間には、温度特性
を有する抵抗R22が設けられ、非反転入力端子がD/A
変換器の出力端子Jと接続されている。演算増幅器Op3
の出力端子は、温度特性のない抵抗R23と接続され、抵
抗R23の他端は結合点Iと接続されている。また演算増
幅器Op3に並列に、温度特性のない抵抗R24が結合点
L、Mにて接続されている。
【0033】図3に示される構成においてブリッジ回路
100に供給される電流Ig を変化させることにより、
式(3)からもわかるようにブリッジ回路100の感度
が変化する。よってブリッジ回路100の感度の温度特
性を補償するためには、電流Ig の温度特性を任意に変
化させることができればよい。電流Ig の温度係数をε
とし、基準温度のときの電流値をIg0とすると、温度変
化Δt のとき式(8)が成立する。この式(8)を式
(3)中の電流Iに代入し、感度Gの温度係数がゼロと
なる条件を導けば、式(9)が得られる。尚、他のパラ
メータは第一実施例と同様とする。
【0034】
【数8】 Ig =Ig0×(1+ε×Δt ) …… (8)
【0035】
【数9】 ε=−β …… (9)
【0036】式(9)より電流値Ig の温度係数εと、
ブリッジ回路100の感度の温度係数βとの和がゼロと
なるように温度係数εを設定することで、ブリッジ回路
100の感度の温度を補償することができる。ここで、
カレントミラーにより電流Ig は、電流Ig'によってコ
ントロールされているため、電流Ig と電流Ig'との間
にはIg =Ig'という関係式が成立する。D/A変換器
の出力端子Jからの出力電圧をVK とすれば、電流値I
g'は式(10)で表される。尚、式(10)において電
流I1 は温度特性補償回路102に流れ込む電流I1
示す。
【0037】
【数10】 Ig = Ig' = VK /R11 + I1 ……(10)
【0038】式(10)において、右辺の第一項は感度
補正の項であり、D/A変換器の出力端子Jからの出力
電圧VK により補正される。またD/A変換器の出力端
子Kの出力電圧をVT とすると、温度特性補償回路10
2に流れ込む電流値I1 は式(11)で表すことができ
る。
【0039】
【数11】 I1 ={ (1/R24)−(R22/(R21×R23))} ×(VK-T ) ……(11)
【0040】式(11)における抵抗R21、R22
23、R24のうち抵抗R22のみが温度特性を有し、他の
抵抗R21、R23、R24は温度特性を有していない。各抵
抗R21、R22、R23、R24の初期値は、基準温度でI1
=0となるように予め決定しておく。同様に式(11)
を温度tで微分すれば式(12)が得られる。
【0041】
【数12】 dI1/dt=−(R220/( R21×R23))×γ×(VK - VT ) ……(12)
【0042】式(12)においてγは抵抗R22の温度係
数で、R220 は基準温度での抵抗値を示す。ここで、式
(8)を整理し、温度係数εで整理すれば、式(13)
が得られる。
【0043】
【数13】 ε=(1/Ig0)× dIg/dt =(R11/VK )× dI1/dt =−(R11/VK )×(R220/( R21×R23))×γ×(VK-T ) ……(13)
【0044】式(13)に示されるように、(V
K-T )の符号を変化させることによりブリッジ回路1
00に供給される電流値Ig の温度係数を正、負のいず
れにも変化させることができ、式(9)を満たすように
(VK-T )の値を調整することで、ブリッジ回路10
0の感度の温度特性に係わらず温度補償することができ
る。また温度補償条件の式(7)を満たすためのVK
T との関係は、式(7)と式(11)とを用いて整理
すると、式(14)の関係式で表される。
【0045】
【数14】 VT = {1-(β×R21×R23)/ (R11×R220 ×γ) }×VK ……(14)
【0046】最初にVK を設定して基準温度における感
度を調整した後に、式(14)を満たすようにVT を設
定することでブリッジ回路100の感度の温度補償を行
うことができる。また抵抗値を調整するのではなく、電
圧を変化させることで温度補償を行うため、半導体圧力
センサ110のパッケージング後の調整が容易である。
【0047】上記に示されるように本発明によれば、感
度が負の温度係数を有するブリッジ回路に並列に、ブリ
ッジ回路を構成するゲージ抵抗の温度係数より大きい温
度係数を有する補償抵抗を結線することによりブリッジ
回路の感度の温度補償を行うことができる。またブリッ
ジ回路に供給される電流に温度特性を持たせることによ
り、ブリッジ回路の感度の温度特性に係わらず、容易に
温度補償を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第一実施例の構成を示した回路
図。
【図2】本発明に係わる第一実施例の断面構成を示した
模式図。
【図3】本発明に係わる第二実施例の構成を示した回路
図。
【図4】抵抗値の温度係数がほぼゼロの補償抵抗をブリ
ッジ回路に並列に接続した従来構成を示した回路図。
【図5】ブリッジ回路に供給される電流量を制御すると
共に、ブリッジ回路に並列に接続された補償抵抗をトリ
ミングにより調整する従来構成を示した回路図。
【符号の説明】
10 シリコン基板 11 ダイヤフラム部 12 凹部 20 保護膜 21 シリコン窒化膜 22 シリコン酸化膜 100 ブリッジ回路 101 カレントミラー回路 102 温度特性補償回路 110 半導体圧力センサ RA 〜RD ゲージ抵抗 R1 〜R3 温度特性補償抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 1/00 G01B 7/16 G01L 19/04 G01D 3/00 G01R 15/00 - 17/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板に設けられ、測定する外力を受
    けて変形するダイヤフラム部上に、歪みにより抵抗値を
    変化させる半導体ゲージ抵抗で構成されたブリッジ回路
    を備え、前記ダイヤフラム部に作用する前記外力を前記
    半導体ゲージ抵抗の抵抗値に変換して前記ブリッジ回路
    からの出力電圧により前記外力を検出する半導体力セン
    サであって、 前記半導体ゲージ抵抗は、正の温度係数(δ)を有し、 前記ブリッジ回路の前記外力に対する前記出力電圧の比
    で与えられる感度は、前記ゲージ抵抗に定電流を印加し
    たとき負の温度係数(β)を有し、 前記温度係数(δ)と前記温度係数(β)との差(δ−
    β)より大きい温度係数(α)を有する抵抗素子を、前
    記ブリッジ回路の給電端子に並列に接続して、 前記ブリッジ回路の感度の前記温度係数(β)を補償す
    ることで、前記ブリッジ回路と前記抵抗素子とを含めた
    回路の感度の温度係数がほぼゼロにされたこと を特徴
    とする半導体力センサ。
  2. 【請求項2】前記ブリッジ回路の前記給電端子からみた
    基準温度での合成抵抗値をrB としたとき、前記抵抗素
    子の基準温度での抵抗値R10が、R10={(δ−α)/
    β−1}×rB で設定されたことを特徴とする請求項1
    に記載の半導体力センサ。
  3. 【請求項3】前記抵抗素子は、前記半導体基板上に不純
    物の拡散により形成された素子であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の半導体力センサ。
  4. 【請求項4】半導体基板に設けられ、測定する外力を受
    けて変形するダイヤフラム部上に、歪みにより抵抗値を
    変化させる半導体ゲージ抵抗で構成されたブリッジ回路
    を備え、前記ダイヤフラム部に作用する前記外力を前記
    半導体ゲージ抵抗の抵抗値に変換して前記ブリッジ回路
    からの出力電圧により前記外力を検出する半導体力セン
    サであって、 前記ブリッジ回路に給電する定電流源を有し、 前記定電流源は、前記ブリッジ回路の前記外力に対する
    前記出力電圧の比で与えられる感度の温度係数(β)に
    対して、(−β)の値の電流温度係数(γ)を有し、電
    流値を温度によって変化させる回路とし、 前記定電流源は、前記電流温度係数(γ)を正及び負の
    領域において可変できる電流温度特性可変手段を有する
    こと を特徴とする半導体力センサ。
  5. 【請求項5】前記電流温度特性可変手段は、前記ブリッ
    ジ回路に前記電流を供給するカレントミラー回路と、該
    カレントミラー回路への電流源と、前記カレントミラー
    回路から供給される前記電流温度係数(γ)を任意に設
    定できる補償回路とを備え、 前記補償回路に印加される電圧を制御することで、前記
    ブリッジ回路の感度の前記温度係数(β)を補償してゼ
    ロとなるように、前記電流温度係数(γ)を任意に設定
    できることを特徴とする請求項4に記載の半導体力セン
    サ。
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