JP3520613B2 - 放射線検出器の駆動方法 - Google Patents
放射線検出器の駆動方法Info
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Description
利用される放射線検出器の駆動方法に関する。 【0002】 【従来の技術】X線検出器としては化合物半導体検出器
が知られており、この半導体検出器のうち、特に、Cd
Te放射線検出器は常温で使用でき、高いエネルギが検
出できる等の利点があることから様々な開発が行われて
きた。 【0003】この種の半導体検出器は、一般に、化合物
半導体基板の両面に電極を形成し、これら電極間へのバ
イアス印加により結晶を空乏層化し、この状態の結晶内
部にX線光子が入射した際に発生する電荷を、電極を通
じて外部に取り出す構造となっており、その電荷パルス
の計数により入射したX線光子の量を知ることができ
る。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、CdTe等
の半導体検出器を医用X線撮像の分野で使用するために
は、高いX線光子量の領域でも作動する検出器であるこ
とが必要となる。 【0005】しかしながら、CdTe放射線検出器等
は、従来、専ら低いX線光子量の領域でのエネルギ分解
つまりスペクトル測定に使用されていることから、検出
器の動作条件(バイアス印加条件)も、結晶が空乏層化
されれば良い程度つまり電流電圧特性でいうところのオ
ーミック領域に設定されている。 【0006】従って、高いX線光子量領域での動作に関
しては不明ではあるものの、入射X線が高線量になると
空間電荷の発生等の原因により計数率が低下するのは明
らかで、また、実際に、動作条件をオーミック領域に設
定して高X線線量域での検出を行ったところ、計数率が
低下することが判明した。 【0007】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、CdTe等の半導体放射線検出器を、高いX線
光子量領域でも動作させることのできる駆動方法を提供
することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、CdTe等の化合物半導体結晶基板の表
裏両面にそれぞれ電極が形成された構造で、その表裏の
電極間にバイアスを印加した状態で放射線が入射したと
きに電荷パルスを発生する放射線検出器において、バイ
アス印加条件を、放射線検出器の電流電圧特性において
オーミック電流以上で電圧の2乗に比例して変化する電
流(暗電流)の領域(図2参照)であり、かつ電荷のト
ラップにより形成された空間電荷が速やかに解消される
空間電荷制限電流領域に設定することによって特徴づけ
られる。 【0009】 【0010】そして、このような空間電荷制限電流領域
で検出器を動作させることで、高線量のX線が検出器に
入射しても正常に動作する。その理由を以下に述べる。
まず、この種の放射線検出器では、X線入射により発生
した電荷は結晶中にトラップされ、このトラップされた
電荷が空間電荷を形成する。この空間電荷は、入射X線
が低線量で入射X線光子の時間間隔が充分に長い場合に
は、その入射間隔内で解消されるので問題はないが、入
射X線が高線量となると、空間電荷が解消されないうち
に次のX線光子が入射するため、結晶にバイアスがかか
らなくなってしまい、このことが、計数率の低下、計数
安定性の低下を引きおこす原因となる。 【0011】従って、高X線線量域での正常な検出を可
能とするには、電荷のトラップにより形成された空間電
荷が速やかに解消されるようにすればよく、これを達成
するため、本発明では、空間電荷制限電流領域(図2)
で動作させるといった方法を採っており、このような動
作条件により、電極から結晶内部に電荷が注入され、ト
ラップされた電荷と再結合する結果、結晶内部の空間電
荷が瞬時に解消され、結晶にバイアスがかかるようにな
る。 【0012】 【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態を示す
図である。この図1に示す放射線検出器は、化合物半導
体基板1の一面に、Auを一様に蒸着してなる共通電極
2が形成され、その反対側の面には、複数個の分割電極
(Niメッキ製)3・・3が行列状に形成された構造の検
出器で、その共通電極2に逆バイアス(−V)が印加さ
れ、この状態で、放射線が入射したときに電荷パルスを
発生するように構成されている。 【0013】なお、この図1の構造において分割電極3
・・3は接地側に置かれ、また、各分割電極3・・3には、
それぞれ前置増幅器3a・・3aが接続されている。そし
て、この実施の形態においては、動作条件つまりバイア
ス印加条件を、図2に示す電圧電流特性においてオーミ
ック電流以上となる空間電荷制限電流領域に設定する点
と、化合物半導体基板1として、垂直ブリッジマン法あ
るいは温度勾配法など、自然固化によって作製された塩
素ドープCdTe単結晶を用いている点に特徴がある。 【0014】このように放射線検出器を空間電荷制限電
流領域で動作させると、先に述べたように、高線量のX
線が入射した際の計数率が低下することがなく、さら
に、高X線線量域での計数安定性も良くなる。 【0015】また、化合物半導体基板1に塩素ドープC
dTe単結晶を用いると、図2に示す電流電圧特性にお
いて、オーミック領域から空間電荷制限電流領域へと変
化する点Cpを、他のドーパントを用いた場合よりも低
い値とすることができ、これにより、結晶に高いバイア
スを印加することにより生じる弊害・影響を軽減するこ
とができる。 【0016】なお、以上の実施の形態のように、化合物
半導体基板1をCdTe単結晶とする場合、そのドーパ
ントとして塩素に代えて、例えばIn,Ge等の他の元
素を用いてもよいし、あるいはノンドープの単結晶を用
いてもよい。ただし、前記したように、空間電荷制限電
流領域で動作させるためのバイアス条件Cpを低く設定
できる点を考慮すると、塩素ドープCdTeを用いるこ
とが好ましい。 【0017】また、以上の実施の形態では、化合物半導
体基板1としてCdTe単結晶を用いた検出器に、本発
明を適用した例を示したが、これに限られることなく、
本発明は、例えばGaAsまたはHgI2 の結晶等の他
の化合物半導体を用いた放射線検出器にも適用できる。 【0018】ここで、本発明において検出器を空間電荷
制限電流で動作させるための条件、すなわち、図2に示
した点Cpは、基板に用いる化合物半導体の種類、ドー
パントの元素種、電極の材質(例えばAu,Ni,P
t,Ir,Se,In,CuまたはAl等)、並びに基
板と電極のコンタクト法、等のパラメータによって決ま
るので、それらの各パラメータを適当に選定することに
より、適正なバイアス印加条件つまり図2の点Cpが最
小値となる条件を決定することができる。 【0019】 【実施例】図1に示した構造のCdTe(塩素ドープ)
放射線検出器において、バイアス印加条件を、空間電荷
制限電流領域とした場合と、オーミック領域とした場合
について、それぞれ、入射X線線量を変化させて計数率
を測定したところ、図3に示すような計数特性が得られ
た。 【0020】この図3から明らかなように、オーミック
領域での動作条件では、高線量のX線入射において計数
率が低下するのに対し、空間電荷制限電流領域では、そ
のような計数率の低下が現れないことが確認できた。 【0021】また、同じくバイアス印加条件を、空間電
荷制限電流領域とした場合と、オーミック領域とした場
合について、それぞれ、高X線線量域と低いX線線量域
の二つの領域で計数率の時間安定性についての測定を行
ったところ、図4(A) と(B)に示す結果が得られた。 【0022】この測定結果から明らかなように、空間電
荷制限電流領域で放射線検出器を動作させることで、高
X線線量域でも計数安定性が良くなることが確認でき
た。 【0023】 【発明の効果】以上説明したように、本発明方法では、
放射線検出器に印加するバイアスの条件を、空間電荷制
限電流領域としているので、結晶内部で形成される空間
電荷の問題が解消され、これにより高線量のX線が入射
した場合でも検出器が正常に動作する。その結果、高い
X線光子量領域でも安定した計数測定が可能になり、例
えばCdTe放射線検出器を医用X線撮像の分野で使用
することが可能となる。
果を示すグラフ 【図4】同じく実施例の説明図で計数率の時間安定性の
高X線線域での測定(A) と低X線線域での測定(B) の各
測定結果を示すグラフ 【符号の説明】 1 化合物半導体基板(塩素ドープCdTe単結晶) 2 共通電極 3 分割電極
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 化合物半導体結晶基板の表裏両面にそれ
ぞれ電極が形成された構造で、その表裏の電極間にバイ
アスを印加した状態で放射線が入射したときに電荷パル
スを発生する放射線検出器において、バイアス印加条件
を、放射線検出器の電流電圧特性においてオーミック電
流以上で電圧の2乗に比例して変化する電流の領域であ
り、かつ電荷のトラップにより形成された空間電荷が速
やかに解消される空間電荷制限電流領域に設定すること
を特徴とする放射線検出器の駆動方法。
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JP18995795A JP3520613B2 (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 放射線検出器の駆動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP18995795A JP3520613B2 (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 放射線検出器の駆動方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP18995795A Expired - Fee Related JP3520613B2 (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 放射線検出器の駆動方法 |
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1995
- 1995-07-26 JP JP18995795A patent/JP3520613B2/ja not_active Expired - Fee Related
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