JP3519799B2 - トレーラ用のリターダ - Google Patents

トレーラ用のリターダ

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JP3519799B2 JP24359494A JP24359494A JP3519799B2 JP 3519799 B2 JP3519799 B2 JP 3519799B2 JP 24359494 A JP24359494 A JP 24359494A JP 24359494 A JP24359494 A JP 24359494A JP 3519799 B2 JP3519799 B2 JP 3519799B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トレーラ用のリターダ
に関し、特にトレーラに設けられたリターダであってエ
キサイタを備えたトレーラ用のリターダに関する。
【0002】
【従来の技術】トレーラ又はトラクタとトレーラとから
なるセミトレーラ車両においては、従来、常用のブレー
キとは別に、補助ブレーキとしてのリターダがトレーラ
に設けられている。リターダは、補助制動により車両の
安全性の向上、ブレーキライニングの長寿命化等を図る
ために有効であり、電磁式と液体式が知られている。
【0003】図6乃至図9は従来技術説明図であり、従
来のトレーラに設けられたトレーラ用のリターダ及びそ
の取付け構造を示す。図6において、セミトレーラ車両
101はトラクタ102とトレーラ103とからなる。
トレーラ103は補助ブレーキとしてのリターダ104
を備える。リターダ104は、例えば電磁式リターダか
らなり、トレーラ103の後軸(後車軸)115に対し
て作動する。リターダ104が電磁式であるため、リタ
ーダ104内の渦流円筒に対して渦流を発生させるに必
要な大きい電力を供給するためのハーネス106が設け
られる。ハーネス106は、図示のように、トラクタ1
02のエンジン105の近傍(のトラクタ102の電装
系)からリターダ104へ延びる。
【0004】図7は、トレーラ103に備えられたリタ
ーダ107が例えば液体式リターダからなり、1台のラ
ジエター(エンジンラジエター108)をエンジン10
5とリターダ107とで共用する例を示す。この場合、
リターダ107が液体式であるため、冷却配管109が
設けられる。エンジンラジエター108は、本来トラク
タ102のエンジン105のためのものであるから、エ
ンジン105の近傍に設けられる。従って、2本の冷却
配管109は、図示のように、トラクタ102とトレー
ラ103との間の接続部110を介して、エンジンラジ
エター108からリターダ107へ延びる。なお、2本
の冷却配管109は、図示の便宜上2本の実線で示され
ているが、実際は図8における冷却配管113と同様の
太さを持つ配管とされる。
【0005】図8は、トレーラ103に備えられたリタ
ーダ107が例えば液体式リターダからなり、専用のラ
ジエター111を備える例を示す。なお、トラクタ10
2は図示を省略してある。この場合、リターダ107が
液体式であるため、図示のように、冷却水の循環のため
のポンプ112及び冷却配管113が設けられる。ラジ
エター111は、トレーラ103のリターダ107のた
めのものであるから、トレーラ103においてリターダ
107の近傍に設けられる。ポンプ112及び冷却配管
113も同様である。
【0006】図9は、トレーラ114が2本の後軸を有
する場合のリターダ104について示す。この場合、ト
レーラ114は2本の後軸として後前軸115Aと後後
軸115Bとを備える。リターダ104はトレーラ11
4の後前軸115Aに対してのみ作動する。このリター
ダ104は電磁式であり、図6に示した如きハーネス1
06を備えるが図示を省略してある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、トレー
ラ用のリターダ及びその取付け構造として従来から種々
の構造が知られているが、前述した従来技術には、各
々、以下のような問題がある。
【0008】図6に示す従来技術においては、十分な制
動トルクを得ようとすると、電磁式であるリターダ10
4の励磁コイルに高い起磁力を必要とする。この結果、
リターダ104の消費電力が大きくなるために、トラク
タ102の電装系(バッテリ等)の負担が大きくなる。
このため、トラクタ102の電装系の容量の増強等を行
う必要があるという問題があり、また、リターダ104
へ電力を供給するために大容量で(即ち、図示のように
太い)かつ長いハーネス106が必要となるという問題
がある。更に、この結果、セミトレーラ車両101全体
の車重が重くなり、重量的に不利となるという問題があ
る。
【0009】また、図7に示す従来技術においては、エ
ンジンラジエター108をトラクタ102側のエンジン
105と共用しているため、エンジンラジエター108
から液体式であるリターダ107への冷却配管109が
長くなる。このため、冷却配管109の中にある冷却水
の総量が増加し、これによりセミトレーラ車両101全
体の車重が重くなり、重量的に不利となるという問題が
ある。
【0010】また、図8に示す従来技術においては、専
用のラジエター111を有するため、図7に示すような
長い冷却配管109は不要にできるが、別にポンプ11
2及び冷却配管113等の補助機材が必要となる。この
ため、トレーラ103においてリターダ107を設ける
ための構造が複雑になるという問題があり、更に、この
結果、重量の増加及び製造コストの増加が避けられない
という問題がある。
【0011】また、図9に示す従来技術においては、リ
ターダ104による補助制動がトレーラ114の後前軸
115Aに対してのみ作動するために、トレーラ114
の2本の後軸の内、後後軸115Bのブレーキライニン
グの摩耗が後前軸115Aのブレーキライニングの摩耗
に比較して大きくなるという問題があり、また、後後軸
115Bの常用の制動装置(ブレーキ)にフェード現象
を生じる可能性があるという問題がある。
【0012】本発明は、車両の電装系、冷却系等の負担
を増加させることなく、安定した補助制動を加え、ブレ
ーキライニングの摩耗を低減させることが可能なトレー
ラ用のリターダを提供することを目的とする。
【0013】また、本発明は、車両の重量を殆ど増加さ
せることなく、安定した補助制動を加え、車両の安全性
を向上することが可能なトレーラ用のリターダを提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明のトレーラ用のリターダは、その後軸とこ
れに対して作動する常用の制動装置とを備えたトレーラ
に、常用の制動装置とは別個に後軸に対して作動する補
助制動装置として設けられたリターダであって、エキサ
イタ付きのリターダからなる。
【0015】更に、本発明のトレーラ用のリターダは、
後軸が後前軸及び後後軸からなりかつ後前軸と後後軸と
の間に制動トルク伝達手段を有するトレーラに、後前軸
に対して作動するように設けられると共に、リターダか
らの制動トルクが制動トルク伝達手段を介して後後軸へ
も伝達されるように設けられる。
【0016】
【作用】本発明によれば、トレーラ用のリターダとして
エキサイタ付きのリターダを設け、これを常用の制動装
置とは別個に後軸に対して作動する補助制動装置として
用いる。これにより、十分な制動トルクを得るためにリ
ターダの消費電力を大きくして励磁コイルに高い起磁力
を得た場合であっても、エキサイタによってその消費電
力のかなりの部分を供給できるので、トラクタの電装系
(バッテリ等)の負担が大きくなることを防止できる。
このため、トラクタの電装系の容量の増強等を不要にで
き、また、リターダへ電力を供給するためのハーネスを
従来より極めて細くすることができる。この結果、セミ
トレーラ車両全体の車重を従来よりも軽くできる。一
方、エンジンラジエターからリターダへの冷却配管も不
要にでき、専用のラジエター、ポンプ及び冷却配管等の
補助機材は不要であるので、リターダを設けるための構
造は簡単であり、製造コストの増加は殆どない。
【0017】また、本発明によれば、後前軸と後後軸と
の間に制動トルク伝達手段を設け、リターダを後前軸に
対して作動させると共に、リターダからの制動トルクを
制動トルク伝達手段を介して後後軸へも伝達する。これ
により、リターダによる補助制動を後前軸及び後後軸の
双方に作動させることができるので、トレーラの2本の
後軸の内、後後軸のブレーキライニングの摩耗が後前軸
のブレーキライニングの摩耗に比較して大きくなること
を防止できる。また、後後軸の常用の制動装置(ブレー
キ)にフェード現象を生じることを防止できる。
【0018】
【実施例】図1及び図2は、各々、第1及び第2の実施
例構成図であり、本発明によるトレーラ用のリターダ4
が設けられたトレーラ3の底面の構成を示している。
【0019】まず、図1により、第1の実施例について
説明する。本発明によるトレーラ用のリターダ4を備え
たトレーラ3は、トラクタ(トラックトラクタ)2と共
に、セミトレーラ車両1を構成する。即ち、トレーラ3
の荷台の前半部分がトラクタ2の後輪11上に乗せられ
た構成である。トラクタ2は、セミトレーラ車両1の動
力源であるエンジン5と、動力伝達機構であるクラッチ
7、トランスミッション8、プロペラシャフト9及びリ
ア・アクスル10と、トラクタ2の後輪11とを備え
る。トレーラ3は、エキサイタ付きのリターダ4と、リ
ターダ4にトレーラ3側から、必要に応じてエキサイタ
のフィールドを形成させるに足りる程度の電力を供給す
るハーネス6(電線の束)と、動力伝達機構であるアク
スル・デフ(差動装置又は差動歯車)12、駆動歯車1
3及びプロペラシャフト14と、後軸15とを備える。
【0020】セミトレーラ車両1において、その動力
は、エンジン5からクラッチ7、トランスミッション
8、プロペラシャフト9及びリア・アクスル10を経
て、トラクタ2の後輪11に伝達される。トレーラ3は
トラクタ2に結合されて牽引される。トレーラ3の後軸
15は、動力伝達には関係なく、単にトラクタ2の後輪
11と共同で車重を支える役目をするいわゆる死軸であ
る。
【0021】このセミトレーラ車両1において、その制
動装置(ブレーキ装置)は、以下のようにされる。ま
ず、トラクタ2及びトレーラ3の各車輪(後軸15の車
輪を含む)内に設けられ、運転席内に設けられた足ペダ
ルによって操作される常用の制動装置が設けられる。ま
た、トレーラ3については、運転席内に設けられた手動
レバーによって操作され、トレーラ3の後軸15に対し
て単独に作動できる常用の制動装置が設けられる。常用
の制動装置はブレーキライニングを用いた摩擦ブレーキ
(ドラムブレーキ)からなる。
【0022】このような常用の制動装置とは別に、トラ
クタ2においてはエンジンブレーキ又はリターダが補助
制動装置(補助ブレーキ装置)として設けられ、また、
トレーラ3においてはリターダ4が補助制動装置として
設けられる。トレーラ3のリターダ4は、本発明に従
い、エキサイタ付きのリターダ4とされる。リターダ4
は、後軸15に対して作動する常用の制動装置とは別個
に、後軸15に対して作動する。リターダ4は、補助制
動により車両の安全性の向上、ブレーキライニングの長
寿命化等を図るために有効である。
【0023】リターダ4は、エキサイタを有するもので
あるから、電磁式のリターダからなる。従って、リター
ダ4に対しては、トレーラ3側の電装系からハーネス6
を介して電力が供給される。ハーネス6は、図示のよう
に、トラクタ2のエンジン5の近傍(のトレーラ3側の
バッテリ等の電装系)からリターダ4へ延びる。
【0024】リターダ4は、後軸15に取付けられ、後
軸15に対して作動する。リターダ4を後軸15に取付
ける手段としては、例えば駆動歯車13にプロペラシャ
フト14を介して取付ける構成が採られる。リターダ4
は、例えば周知の渦電流式からなり、磁極とこれに対向
する導体板、即ち励磁コイルと渦流円筒とからなる。励
磁コイル及び渦流円筒は、その一方が固定され、他方が
プロペラシャフト14(即ち後軸15)の回転に従って
回転するようにされる。
【0025】このような構成において、励磁コイルの磁
界が、励磁コイルにハーネス6を介して電力を供給する
ことによって作られる。この励磁コイルの作る磁界中を
渦流円筒を相対的に運動させることにより、渦電流が渦
流円筒に誘導され、これによる相互作用により制動トル
クを得る。この制動トルクが補助制動として後軸15に
対して作動する。
【0026】ここで、補助制動として用いるのに十分に
大きな制動トルクを得るためには、励磁コイルに高い起
磁力を必要とするので、本発明に従い、リターダ4はエ
キサイタを備える。エキサイタはエキサイタアーマチュ
アとエキサイタフィールドとからなる。エキサイタアー
マチュア及びエキサイタフィールドは、その一方が固定
され(ステータとされ)、他方がプロペラシャフト14
の回転に従って回転するようにされる(ロータとされ
る)。プロペラシャフト14の回転によって得られるエ
キサイタアーマチュアの出力は、所定の整流手段を介し
て、リターダ4の励磁コイルに供給される。これによ
り、励磁コイルにおける大きな起磁力を実現し、渦流円
筒に大きな制動トルクを得る。
【0027】なお、エキサイタアーマチュアを磁極とこ
れに巻回されたコイルとで構成し、エキサイタフィール
ドを永久磁石とすれば、エキサイタに対するトラクタ2
の電装系からの電力の供給を不要にできる。
【0028】図3及び図4は、本実施例におけるリター
ダの構造を示す。特に、図3はリターダ4の要部縦断面
図であり図4におけるAOB矢視図を示し、図4は図3
のリターダ4の一部破断右側面図を示す。
【0029】このリターダ4は、前述のように渦電流式
からなり、励磁コイル53と渦流円筒47とを備え、励
磁コイル53に流れる励磁電流によりN極とS極とが交
互に磁化される複数の磁極を備えたポールコア51と当
該磁極に対向して設けられた渦流円筒47とを相対的に
回転させ、渦流円筒47に渦電流を発生させて制動トル
クを得るリターダである。
【0030】そして、このリターダ4において、常用の
制動装置(ブレーキ装置)であるドラムブレーキを構成
するブレーキドラム41の外側に、これと軸心を同一に
して渦流円筒47を設けると共に、ブレーキドラム41
と渦流円筒47とで形成される空間に、磁性体より成る
円筒状の支持部材48を設ける。円筒状の支持部材48
には、その外周面にポールコア51及び当該ポールコア
51に巻装された励磁コイル53が設けられ、また、そ
の内周面に励磁コイル53に励磁電流を供給するエキサ
イタコア54及び当該エキサイタコア54に巻装された
発電コイル55が設けられる。エキサイタコア54と発
電コイル55とで、エキサイタアーマチュアを構成す
る。ブレーキドラム41の外周面には、エキサイタコア
54及び発電コイル55に対向して、複数の永久磁石5
6が固着されている。これらの永久磁石56がエキサイ
タフィールドを構成する。
【0031】具体的には、図3及び図4において、ブレ
ーキドラム41は、図3に示すように、アクスル・デフ
12を構成する変速装置42の出力軸側フランジ42A
とプロペラシャフト14側のフランジ14Aとの間に回
転可能に設けられる。ブレーキドラム41は、その両側
がそれぞれ開口端を有する椀状に形成され、ボルト44
及びナット45とで変速装置42の出力軸側フランジ4
2Aとプロペラシャフト14側のフランジ14Aとの間
に同軸的に固着される。
【0032】ブレーキドラム41の外側には、取付け円
板46を介して、ブレーキドラム41と軸心を同一にし
て、渦流円筒47が配設されている。渦流円筒47は鉄
鋼材料からなる。なお、取付け円板46は渦流円筒47
と一体に形成されたものであってよい。
【0033】ブレーキドラム41の外側と渦流円筒47
とで形成される空間には磁性材の円筒状の支持部材48
が配置される。円筒状の支持部材48の一端は中央に凹
部を有する支持板49に固着される。支持板49は変速
装置42の端部にボルト50で固定される。なお、支持
板49は支持部材48と一体に形成されたものであって
よい。
【0034】ブレーキドラム41の外側と渦流円筒47
とで形成される空間に配置された円筒状の支持部材48
の外周面には、磁性材のポールコア51がボルト52を
介して取付けらる。ポールコア51と渦流円筒47の内
周面との間には、エアギャップが形成される。ポールコ
ア51には励磁コイル53が巻装される。また、支持部
材48の内周面にはエキサイタコア54が固着される。
エキサイタコア54に設けられたスロットにはそれぞれ
発電コイル55が巻装される。
【0035】ブレーキドラム41の外周面には、例えば
アークセグメント状に形成された永久磁石56が、交互
に異極となるような順に等間隔で配置される。永久磁石
56とエキサイタコア54との間にはエアギャップが形
成される。エキサイタコア14に巻装された発電コイル
55と永久磁石56とでエキサイタを構成する。
【0036】このエキサイタにおいて、その磁束は、永
久磁石56,エアギャップ,エキサイタコア54,エア
ギャップ,隣の永久磁石56及びブレーキドラム41の
円筒部の磁気回路を通って流れ、ブレーキドラム41が
磁気回路の一部を構成するようにされる。即ち、このエ
キサイタは、ブレーキドラム41を利用し、その一部が
磁気回路を構成するような構造を有する。
【0037】発電コイル55に発生した交流電圧は整流
手段で整流され、スイッチの投入により励磁コイル53
に供給され、これに励磁電流を流すようにされる。な
お、遮熱板57により、渦電流損の発熱による渦流円筒
47からの輻射熱を遮蔽して、励磁コイル53の温度上
昇を抑制するようにされる。放熱用フィン58は渦流円
筒47に発生した渦電流損による発熱を空中に放熱す
る。ブレーキシュー59はブレーキドラム41の内部に
設けられる。ブレーキシュー59の摩擦面にブレーキラ
イニングが設けられる。
【0038】このように、ブレーキドラム41及びその
外部を利用してリターダ4を形成し、かつ、ブレーキド
ラム41を磁気回路の一部とすることにより、新たにリ
ターダ4を装着するスペースがいらなくなる。これによ
り、軸方向、つまりスラスト方向の寸法の短縮化が可能
となり、同時に軽量小型化が可能となる。また、ブレー
キドラム41の取付け円板46側の出張り幅も狭く出来
るので、取付け円板46のプロペラシャフト14側の間
隙が確保され、プロペラシャフト14に設けられるグリ
ース注入口(図示せず)に容易にグリースの注入ができ
るようになる。なお、図1においてはリターダ4のみを
示しているが、本実施例のリターダ4は、実際は前述の
ようにブレーキドラム41の装着スペースを利用してト
レーラ3に取付けられている。
【0039】次に、以上のように構成されているリター
ダ4の動作を説明する。運転席内に設けられた手動レバ
ーの操作によって、後軸15に対して単独に作動できる
常用の制動装置を開放する。即ち、この制動装置を構成
するブレーキドラム41の内周面に圧接されているパー
キング用のブレーキシュー59を開放する。これによ
り、変速装置42の出力軸、すなわち当該出力軸側フラ
ンジ42Aを回転させると、ブレーキドラム41,永久
磁石56,取付け円板46及び渦流円筒47は一体とな
って回転する。この時、プロペラシャフト14側のフラ
ンジ14Aにもこの回転が伝達される。
【0040】リターダ4を作動させるために、図示され
ていないスイッチを投入することにより、エキサイタの
発電コイル55に発生している交流電圧を所定の整流手
段で整流して得た直流電圧が、当該スイッチを介してリ
ターダ4の励磁コイル53に供給され、これに励磁電流
を流させる。従って、ポールコア51が交互にN極とS
極との順に磁化され、渦流円筒47に渦電流が発生す
る。この渦電流とポールコア51が生成する磁界との間
で、変速装置42の出力に従って回転する渦流円筒47
の回転方向とは反対方向に制動トルクが発生し、当該制
動トルクが出力軸側フランジ42Aの回転に対しブレー
キ作用を及ぼす。
【0041】以上のように、本発明によれば、エキサイ
タ付きのリターダ4を設け、これを常用の制動装置とは
別個に後軸15に対して作動する補助制動装置として用
いることにより、十分な制動トルクを得るためにリター
ダ4の消費電力を大きくして励磁コイルに高い起磁力を
得る場合であっても、エキサイタによってその消費電力
のかなりの部分を供給できる。この結果、補助制動とし
て用いるのに十分な制動トルクを得ることができる。ま
た、トラクタ2の電装系からリターダ4に対して大きな
電力を供給する必要がないので、トラクタ2の電装系の
負担が大きくなることを防止できる。このため、トラク
タ2の電装系の容量の増強等を不要にできる。また、図
6との比較から判るように、リターダ4へ電力を供給す
るためのハーネス6を従来より極めて細くすることがで
きる。更に、この結果、セミトレーラ車両1全体の車重
を従来よりも軽くできる。
【0042】なお、本発明によれば、リターダ4は電磁
式であるから、エンジンラジエターからリターダ4への
冷却配管は不要であり、また、専用のラジエター、ポン
プ及び冷却配管等の補助機材は不要であるので、リター
ダ4を設けるための構造は簡単であり、製造コストの増
加は殆どない。
【0043】従って、本発明によれば、セミトレーラ車
両1の電装系、冷却系等の負担を増加させることなく、
後軸15に対して安定した補助制動を加え、ブレーキラ
イニングの摩耗を低減させることができる。また、セミ
トレーラ車両1の重量を殆ど増加させることなく、後軸
15に対して安定した補助制動を加え、セミトレーラ車
両1の安全性を向上することができる。
【0044】次に、図2により、第2の実施例について
説明する。この実施例のセミトレーラ車両1において、
図2に示すように、トレーラ3は2本の後軸15として
後前軸15Aと後後軸15Bとを備える。後前軸15A
と後後軸15Bとの間には、リターダ4から後後軸15
Bへ制動トルクを伝達する手段である制動トルク伝達手
段としてのインタ・アクスル・デフ16が設けられる。
本実施例のリターダ4は、例えば第1の実施例に示した
構成とされる。リターダ4は後前軸15Aに対して作動
させられる。これと共に、リターダ4からの制動トルク
が、インタ・アクスル・デフ16を介して後後軸15B
へも伝達される。
【0045】これにより、本実施例においては、トレー
ラ3の2本の後軸15の内、後後軸15Bのブレーキラ
イニングの摩耗が後前軸15Aのブレーキライニングの
摩耗に比較して大きくなることを防止できる。また、リ
ターダ4による補助制動が後前軸15A及び後後軸15
Bの双方に働くために、後後軸15Bの常用の制動装置
(ブレーキ)にフェード現象が生じることを防止でき、
安定した補助制動が可能となる。
【0046】ここで、インタ・アクスル・デフ16の近
傍の構造を図5に示す。図5において、リターダ4から
の制動トルクはシャフト19(14)に図中矢印方向の
回転として与えられる。シャフト19にはスリーブ21
付きのギヤ20が取り付けられる。シャフト19の回転
により、スリーブ21を介して、ドライブ・ギヤ22の
円錐面が円板27の伝達部28Aへ押し付けられ、更
に、円板27の伝達部28Bがフランジ29の円錐面へ
押し付けられる。
【0047】シャフト19へ与えられた制動トルクは、
シャフト19に取付けられた円板27に伝達され、円板
27が回転する。円板27は、その両面の先端(外周
縁)に伝達部28A及び伝達部28Bを備える。伝達部
28Aはドライブ・ギヤ22の円錐面と摩擦し、伝達部
28Bはフランジ29の円錐面と摩擦する。円板27へ
与えられた制動トルクとしての回転は、円板27の伝達
部28Aを介してドライブ・ギヤ22へ伝達され、ま
た、同様に円板27の伝達部28Bを介してフランジ2
9へも伝達される。これにより、ドライブ・ギヤ22が
回転し、フランジ29も回転する。なお、図中一点鎖線
で示すように、円板27、伝達部28A及び28B、フ
ランジ29及びスルー・シャフト30はインタ・アクス
ル・デフ16を構成する。
【0048】ドライブ・ギヤ22へ与えられた制動トル
クは、ドライブ・ギヤ22と噛み合うギヤ23、ギヤ2
3が取付けられたシャフト24及びシャフト24の先端
のベベル・ギヤ25を介して、ベベル・ギヤ26に伝達
される。ベベル・ギヤ26はベベル・ギヤ25と噛み合
い、後前軸15Aに取付られる。これにより、後前軸1
5Aに対して制動トルクが加えられ、その回転が制動さ
れる。なお、ギヤ23、シャフト24及びベベル・ギヤ
25はフロント・アクスル・デフ17を構成する。
【0049】一方、フランジ29へ与えられた制動トル
クは、フランジ29の取付けられたスルー・シャフト3
0及び31を介して、シャフト32に伝達される。シャ
フト32へ与えられた制動トルクは、シャフト32の先
端のベベル・ギヤ33を介して、ベベル・ギヤ34に伝
達される。ベベル・ギヤ34はベベル・ギヤ33と噛み
合い、後後軸15Bに取付られる。これにより、後後軸
15Bに対して制動トルクが加えられ、その回転が制動
される。なお、シャフト32及びベベル・ギヤ33はリ
ア・アクスル・デフ18を構成する。
【0050】このように、本発明によれば、セミトレー
ラ車両1の重量を殆ど増加させることなく、後前軸15
Aと後後軸15Bとの双方に対して安定した補助制動を
加え、ブレーキライニングの摩耗を低減させることがで
き、またフェード現象の発生を防止して、車両の安全性
を向上することができる。
【0051】以上、本発明を実施例により説明したが、
本発明はその主旨に従う範囲において、種々変形可能で
ある。例えば、各実施例はセミトレーラ車両1を構成す
るトレーラ3について示したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、フルトレーラに対しても適用でき
る。また、リターダ4を後軸15に取付ける手段として
は、駆動歯車13に直接リターダ4を取付ける構成を採
用してもよい。また、ハーネス6を省略して、リターダ
4の消費電力の全てをエキサイタから供給するようにし
てもよい。また、第2の実施例のリターダ4は、第1の
実施例に示したリターダ4以外の構成を有するものであ
ってもよい。更に、第2の実施例においては、リターダ
4は、図6に示すようなエキサイタを有していない電磁
式のものであってもよく、図7に示すような液体式であ
ってもよく、図8に示すような専用のラジエターを備え
るものであってもよい。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
トレーラ用のリターダにおいて、常用の制動装置とは別
個に後軸に対して作動する補助制動装置であるリターダ
をエキサイタ付きのリターダとすることにより、十分な
制動トルクを得るためにリターダの消費電力を大きくし
て励磁コイルに高い起磁力を得た場合であっても、エキ
サイタによってその消費電力のかなりの部分を供給でき
るので、トラクタの電装系の負担が大きくなることを防
止できる。この結果、トラクタの電装系の容量の増強等
を不要にでき、また、リターダへ電力を供給するための
ハーネスを従来より極めて細くすることができる。この
結果、セミトレーラ車両全体の車重を従来よりも軽くで
きる。一方、エンジンラジエターからリターダへの冷却
配管も不要にでき、専用のラジエター、ポンプ及び冷却
配管等の補助機材も不要であるので、リターダを設ける
ための構造は簡単であり、製造コストの増加は殆どな
い。
【0053】また、本発明によれば、トレーラ用のリタ
ーダにおいて、後軸である後前軸と後後軸との間に設け
られた制動トルク伝達手段であるインタ・アクスル・デ
フにより、リターダを後前軸に対して作動させると共
に、リターダからの制動力をインタ・アクスル・デフを
介して後後軸へも伝達することができるので、リターダ
による補助制動を後前軸及び後後軸の双方に作動させる
ことができ、この結果、トレーラの2本の後軸の内、後
後軸のブレーキライニングの摩耗が後前軸のブレーキラ
イニングの摩耗に比較して大きくなることを防止でき、
また、後後軸の常用の制動装置(ブレーキ)にフェード
現象が生じることを防止できる。
【0054】従って、本発明によれば、車両の電装系、
冷却系等の負担を増加させることなく、安定した補助制
動を加え、ブレーキライニングの摩耗を低減させること
ができる。また、車両の重量を殆ど増加させることな
く、安定した補助制動を加え、車両の安全性を向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例構成図である。
【図2】第2の実施例構成図である。
【図3】リターダの要部縦断面図である。
【図4】リターダの一部破断右側面図である。
【図5】インタ・アクスル・デフの構成図である。
【図6】従来技術説明図である。
【図7】従来技術説明図である。
【図8】従来技術説明図である。
【図9】従来技術説明図である。
【符号の説明】
1 セミトレーラ車両 2 トラクタ 3 トレーラ 4 エキサイタ付きリターダ 5 エンジン 6 ハーネス 10 リア・アクスル 11 後輪 12 アクスル・デフ 14 プロペラシャフト 15 後軸 15A 後前軸 15B 後後軸 16 インタ・アクスル・デフ 17 フロント・アクスル・デフ 18 リア・アクスル・デフ 41 ブレーキドラム 47 渦流円筒 48 支持部材 49 支持板 51 ポールコア 53 励磁コイル 54 エキサイタコア 55 発電コイル 56 永久磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂木 繁 群馬県新田郡新田町大字早川字早川3番 地 澤藤電機株式会社 新田工場内 (56)参考文献 特開 平6−261412(JP,A) 特開 平6−261413(JP,A) 実開 平1−104441(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 63/00 B60T 1/10 B60T 13/74

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後軸(15)とこれに対して作動する常
    用の制動装置とを備えたトレーラ(3)と、当該トレー
    ラ(3)と結合されてエンジン(5)を搭載するトラク
    タ(2)とからなるトレーラ車両(1)において、前記
    トレーラ(3)に設けられるリターダであって、 前記常用の制動装置とは別個に前記後軸(15)に対し
    て作動する補助制動装置として設けられ、当該後軸(15)の回転に対応して回転するフィールド
    と当該フィールドに対向して間隙をへだてて設けられる
    発電コイル(55)とからなるエキサイタを内蔵し、か
    つ当該発電コイル(55)に誘起された電圧をもってリ
    ターダの励磁コイル(53)を附勢する エキサイタ付き
    のリターダ(4)からなり、 前記トレーラ(3)と、前記トレーラ(3)との間で、
    前記リターダの励磁コイル(53)を附勢する電力より
    も小さい電力の送受を行うに足る電線が配線されてなる
    ことを特徴とするトレーラ用のリターダ。
  2. 【請求項2】 前記トレーラ(3)は、前記後軸(1
    5)が後前軸(15A)及び後後軸(15B)からな
    り、かつ、前記後前軸(15A)と後後軸(15B)と
    の間に制動トルク伝達手段(16)を有し、 前記リターダ(4)は、前記後前軸(15A)に対して
    作動するように設けられると共に、前記リターダ(4)
    からの制動トルクが前記制動トルク伝達手段(16)を
    介して前記後後軸(15B)へも伝達されるように設け
    られることを特徴とする請求項1に記載のトレーラ用の
    リターダ。
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