JP3518626B2 - 微粉炭燃焼装置 - Google Patents
微粉炭燃焼装置Info
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Description
微粉炭燃焼装置に係り、特に難燃性燃料を用いたものや
負荷変化の著しいバーナを低NOxでかつ安定に燃焼す
るに好適な燃焼システムに関するものである。
粉炭焚きボイラの需要が急速に増加している。微粉炭焚
きボイラにおいて使用される補助燃料は着火性のよい軽
油、重油が主流であり、これらの油燃料も、主燃料に油
を使用した場合と比較するとその使用比率は低いもの
の、例えば発電用ボイラにおいては、近年石炭焚きボイ
ラも、他の油やガス焚きボイラと同様に中間負荷運用が
多発しており、点火起動の頻度も以前と比較すると高
く、その燃料費用の主燃料に対する比率も増加してい
る。
焼システムは、分級機が内蔵されている微粉砕機(以下
ミルと称する)を用いて粉砕、分級された石炭を微粉炭
バーナに直接供給する燃焼システムが実用化されてい
る。このシステムでは、ミルに供給される原炭の乾燥ミ
ル内部における分級およびバーナへの微粉炭の搬送用と
して加熱空気を導入する。従って、原炭の水分、粉砕性
や燃焼性に応じてPAF(押し込み送風機;一次空気用
ファン)からの空気量およびミル入口の1次空気の温度
が決定される。
燃焼系統図を示した。
装置の負荷に応じて石炭フィーダ37からミル36に送
られる。ミル36で粉砕された石炭は、微粉炭として1
次空気で微粉炭バーナ310まで微粉炭管38を経由し
て搬送される。
によって大気からの空気を加圧して、ボイラ燃焼排ガス
311と空気予熱器33で熱交換し、さらに空気用ダク
ト34を経由した後、風箱39に送られる。この風箱3
9には複数のバーナが設置されており、これらのバーナ
に対して燃焼用空気を供給する。31はボイラ火炉を示
す。
バーナの構造図を示す。
ーナまで搬送される。バーナの微粉炭ノズル46には、
逆火防止と微粉炭を分散させるためのベンチュリー49
を設けてある。バーナの中心部分には、起動用の油バー
ナ42が設置してあり、炉内の温度が上昇するまでは、
微粉炭バーナと言えども、微粉炭を流さずに油のみの運
転となる。燃焼用空気は、風箱413から、各々のバー
ナに送られる。バーナには通常、1次空気47の他に空
気のみを供給する2次空気45および3次空気44が送
り込まれる。
的で旋回器が設けられ、それぞれ、2次ダンパ調整装置
412、2次ベーン調整装置410、3次レジスタ調整
装置411によって、各々の流量調整と旋回力の調整を
行う。微粉炭火炎は、保炎器43の後方に形成される循
環域で流速が低くなることから、着火してその後方に微
粉炭火炎が形成される。なお、41は火炉、48は2次
空気旋回ベーンである。
炭バーナの断面図を示した。
方法は、内部濃縮器がない従来の微粉炭バーナにおける
方法と同じであるため、ここでは説明を省く。
とによって、高濃度粒子は、バーナの外側に流れ、図8
における外周保炎リング51で保炎する。一方、希薄粒
子は、バーナの中心部を流れる。バーナ負荷が低い場合
には、粒子速度が低下し、粒子濃度を高めなければない
ないために、プラグ駆動装置52を抜いた状態とする。
の微粉炭濃度は高くなるために、可動プラグ53を差し
込んだ状態とし、1次空気と微粉炭の全てがシリンダ5
4の外側を流れるようにする。
に高濃度微粉炭流を外周保炎器に送り込むことができる
ため、低品位炭から高燃料比炭まで幅広い炭種を燃焼し
た場合においても、幅広い負荷帯でも常に安定した燃焼
が可能となる。55はコーンを示す。
ナに供給される微粉炭Cと空気Aの重量比(以下C/A
と称する)を示す。
Aが低くなることが分かる。
ナ負荷との関係について示す。
量も低下するが、バーナ負荷50%以下になると、一定
の流量を保持する運用とする。
しないように、送炭管内部の空気流速を約15m/s以
上に保持する、(2)分級器の石炭粒子の分離性能を維
持する、(3)微粉炭の水分(付着水分)を蒸発させ
る、という3つの理由から、搬送用空気流量を確保する
ために止む得ない運転条件である。ボイラ等に一般的に
使用されている石炭の燃料比(固定炭素重量/揮発分重
量比率:FR)は0.8〜2.5程度であり、2.5以
上の高燃料比炭および8以上の無煙炭のようにFRが高
い石炭やバーナ低負荷では、C/Aを高くしないと安定
に着火できない。
ミルを使用すると、FRの高い石炭やバーナ低負荷域で
のC/Aの低い状態では、着火が不安定になり、ボイラ
の安全運転上問題がある。
慣性力等を利用して、高C/A流体(微粉濃厚)と低C
/A流体(希薄)に分岐し、前者をバーナ部での安定燃
焼に利用する方法が有効である。この考え方を具体化し
たもので、ミルからの燃料配管にサイクロン分離器を設
置し、遠心力で高C/Aになった側の流路配管を濃厚バ
ーナに接続し、一方、低C/A側は希薄側バーナに接続
する。もしくは、ベントとして炉内へ噴出する構造等が
ある(特開昭61−192113号公報、実開昭62−
24209号公報等)。
すればこのようなサイクロンを用いなくても容易に濃縮
できることが実験でも分かってきた。
の濃縮の関係について述べる。微粉炭で低NOx燃焼を
行う際に重要なことは、如何に高温で還元領域を広く取
るかに尽きる。他の燃料と比較して、石炭には燃料中に
N分が多く含まれており、固体から気相に放出される際
に、NO,HCNやNH3 などNを含んだガスとして存
在することになる。O2 が多く含まれる環境では、これ
らのうちHCNやNH3 とO2 が反応してNOxになり
易いが、O2 が少ない状態では、NOと反応してN2 ま
で還元され易い。
O2 を減らす方法がNOx低減に効果的である。このた
めには、微粉炭搬送用の空気を減らすことが重要な手段
となる。特にバーナ負荷が50%以下になると、急速に
微粉炭濃度が希薄になることから、その濃縮技術が重要
となる。
をとることが知られているので、還元反応を進行させる
ためには周囲温度と滞留時間が必要であり、温度を維持
するには粒子が炉内に投入された場合、早い時期に昇温
する、即ち、着火の促進が重要となる。
抑制が必要であり、バーナ近傍における還元領域の拡大
と着火の促進のためには、微粉炭の濃縮が低NOx化の
ためには不可欠であることが分かる。
きのバーナの欠点は、以下の通りである。
焼時における安定着火が十分に確保できない。
製作や調整が難しい。
空気と微粉炭粒子の流れが複雑であることから、この部
分における圧力損失が大きく、1次空気を搬送するファ
ンの動力が増加する。
極低負荷において微粉炭の濃縮が十分に行われない点に
ある。
いて、バーナ入口部分における微粉炭濃度を横軸にとっ
て濃縮率との関係で示した。
における局所微粉炭濃度)をバーナ入口部分におけるC
/Aで割った値を示す。図中、安定燃焼を維持するため
に必要なC/A>0.25の領域を示したが、この濃縮
器ではバーナ負荷15%が限界であることが分かる。
ち、バーナ負荷15%以上のバーナ負荷としては、低負
荷から中間負荷においては、粒子は静電凝集しやすく見
掛けの粒子直径が大きくなることから、これら造粒した
粒子の慣性力が粉砕粒子各々の粒子の慣性力と比較して
増加する傾向が見られ、粒子の慣性を利用した比較的簡
単な濃縮装置でも濃縮が期待できたのであるが、バーナ
負荷15%以下の極低負荷時においては、粒子濃度が希
薄であり、バーナ負荷15%以上の粒子群と比較する
と、粉砕粒子径に近い状態で搬送されていると推測され
るからである。
を向上させることが必要となる。しかし、図12に、図
11と対応させて圧力損失とバーナ負荷との関係につい
て示したが、この図から濃縮率を増加させようとする
と、濃縮器における圧力損失が増加することが分かる。
従って、1次空気の圧力増加をできるだけ抑制して濃縮
効率も増加できる方法が望まれている。
れたものであり、ボイラ低負荷燃焼時に微粉炭濃度が希
薄になることで、着火が不安定になったり、NOxが増
加する現象を回避することができる微粉炭燃焼装置を提
供することを目的とするものである。
する微粉炭バーナの1次空気流路に燃焼用空気の一部を
導入することで解決される。
同じような濃縮効果を得ようとするならば、濃縮器入口
部分における粒子の速度を増加してやればよい。しか
し、単純に粒子搬送用の1次空気の流量を増やして流速
を確保した場合、平均粒子濃度が希薄になることから、
十分な濃縮効果は期待できない。
較してあまり増加しないで、粒子のみの速度増加を図る
手段として、1次空気より高圧で供給される2,3次空
気を1次空気の流路に導く方法が有効である。微粉炭バ
ーナ入口部分の元圧が濃縮器を設置した場合、最大でも
70mmAqにしかならないのに対して、2,3次空気
は最低でも150mmAqあるからである。
は、1次空気流量の約5倍もあることから、当然ファン
の容量も大きく、その一部を1次空気系統に分岐して
も、ファンの動力増加に大きくは影響しないと考えられ
る。
粉炭の供給系統にうまく導入すれば、粒子の分離に有効
であると考えた。燃焼用空気の導入流量は最小にし、元
圧が高い特徴を利用して、その噴出流速を1次空気の流
速以上に設定して運動量を増加する。
率の増加に加えて、粒子温度が増加することから、着火
が促進され、低負荷時の安定燃焼は勿論、NOx濃度の
低減効果も期待できる。何故ならば、着火が早くなれ
ば、微粉炭粒子から揮発分が急速に放出され、特にHC
NやNH3 等のN化合物がガス相に燃焼過程の早い時期
に移行することから、NOと反応してN2 へ還元反応す
る時間が十分に取れるからである。従って、低NOx燃
焼が可能である。
する。
微粉炭装置の断面図である。
ほぼ同じである。濃縮原理も粒子の慣性力を利用したも
ので、プラグ13部分で微粉炭の流れ方向を変えて、保
炎器12が設置してある微粉炭ノズル113の管内壁に
近い部分の濃度を増加する。一度分離した粒子の再混合
を抑止するために、バーナ出口部分においては、流路分
割壁14を設けて、高濃度の微粉炭流を保炎器12の内
側に集める構造とした。
ーナ中心部分から炉内へ噴出される。バーナ負荷が50
%以下になった場合、燃焼用空気のうち2次空気18の
一部を分岐し、エジェクタ空気として1次空気112の
流路に導入する。
空気噴出ノズル15を設置して、プラグ13の表面に空
気を噴射して、その表面における空気および粒子の流速
を増加する。1次空気112および微粉炭粒子の流速と
比較して、エジェクタ15からの空気流速は高速に設定
する。その空気流量の調整は、エジェクタ空気調整ダン
パ110の開閉操作で行う。
ーン、19は3次空気、111はエジェクタ空気流路で
ある。
ろの内部濃縮器を設置した場合の内部濃縮器周りの微粉
炭流れについて概念図を示した。
速の空気22をプラグ24の表面に沿うように噴出す
る。この空気は周囲の微粉炭を同伴してプラグ24の表
面に沿って流れる。表面における粒子速度は、従来の内
部濃縮器を設けたバーナにおけるプラグ表面の粒子速度
よりも高速になるように、エジェクタの噴出流量と流速
を調整した構造とする。
れ、その慣性力で微粉炭管の壁面に近い領域の微粉炭濃
度が増加する。一方、微粉炭を搬送する1次空気は、流
路抵抗の少ないバーナ中心部の流路を通過して炉内へ噴
出する。このような微粉炭濃縮器構造によって、微粉炭
管の出口外壁に取り付けられた保炎器近傍の微粉炭濃度
が増加して着火が促進される。
23は空気噴出ノズル、25はベンチュリー、26は希
薄側空気、27は濃縮側空気、28は剥離部分、29は
起動用油バーナである。
炭濃縮率との関係について示す。
は対応しているものとして実験した。コールドモデルを
用いて従来の内部濃縮器を設置したバーナについて実験
し、そこで得られたデータを表した。従来型バーナの場
合、バーナ負荷が低下した場合、濃縮率も低下する。
ナ負荷の低下と共に濃縮率が低下する傾向を示すが、バ
ーナ負荷20%以下でエジェクタ空気を導入すること
で、濃縮率の増加傾向が得られた。
バーナ負荷との関係について示した。
るに連れて圧力損失も低下する傾向を示すが、本発明に
なるバーナの場合、バーナ負荷20%以下において若干
ではあるが圧力損失が増加する傾向が得られた。
ることが予測されるために、エジェクタ空気を1次空気
に噴射したために、微粉炭管内部におけるガス流量が若
干増加したことが直接原因である。
増加は僅かであり、システムのロスには大きく影響しな
いと考えられる。
増加することから、着火性能が向上して低負荷時におい
ても安定燃焼が持続できる。
インに導入すると、微粉炭粒子温度が増加する。従っ
て、着火性能の向上が期待された。実際に微粉炭流量が
5t/h程度のパイロット装置において、濃縮器なしの
バーナで瀝青炭を燃焼した際に、搬送用空気温度を80
℃から110℃に増加したところ、火炉出口のベースで
NOxが約8%、未燃分が約10%減った実績がある。
適量流量に対して導入空気のそれは僅かである(何故な
ら、ΔPの確保が主)ため、微粉炭の昇温はパイロット
実験程度になろうかと考えるが、同じように着火性の向
上によるNOx、未燃分の低減効果が期待できる。
ーナにおいて、高温の燃焼用空気を導入したことを特徴
としたバーナ構造を示す。
燃焼用空気111を導入した構造とする。
薄になって着火保炎が難しくなることから、微粉炭粒子
の初期温度を増加して着火までの遅れ時間を短くするこ
とを目的に、バーナ低負荷時においても、200度以上
の温度を維持できる、燃焼用空気の一部を微粉炭流路に
同伴する。
低負荷時の安定燃焼を維持できる。
微粉炭燃焼装置によれば、通常の微粉炭バーナでなし得
なかった次の効果を奏する。
石炭専焼が可能となる。
で上記(1)の実現ができる。
により、脱硝装置におけるアンモニア消費量を削減でき
る。
れることから、装置費用および、定期点検費用の大幅な
縮小が可能となる。
する必要が生じるが、燃焼用空気の運動量を確保するの
みの利用であることから、既設管の改造の場合、最小の
改造で済み、現状のバーナ周りのレイアウトを大幅に変
更することはない。従って、最小の設備投資で、既設ボ
イラが低NOx、広域負荷運用可能になる。
ことから、燃料比が4を越える高燃料比炭の専焼が可能
になる。さらに、瀝青炭の燃焼においても、ミル出口の
C/Aが低下する部分負荷運用においても、安定した燃
焼が可能となり、油、ガス等の補助燃料の使用頻度が低
下することから、運転経費の大幅な節減ができる。
粉炭装置の断面図である。
部濃縮器近傍の空気と微粉炭流れの模式図である。
図である。
す特性図である。
て、高温の燃焼用空気を導入したことを特徴としたバー
ナ構造を示す断面図である。
断面図である。
面図である。
である。
との関係を示す特性図である。
ナ負荷との関係を示す特性図である。
ーナ負荷との関係を示す特性図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 石炭粉砕機出口からバーナ出口の間の微
粉炭搬送用流路に、燃焼用空気の一部を噴出させる流路
を設けたことを特徴とする微粉炭燃焼装置。 - 【請求項2】 1次空気流路内に、濃縮微粉炭流を形成
するための濃縮装置を備えた微粉炭燃焼装置において、 前記濃縮装置の上流側に、燃焼用空気の一部をその濃縮
装置の傾斜面に沿って噴出させる流路を設けたことを特
徴とする微粉炭燃焼装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29304094A JP3518626B2 (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | 微粉炭燃焼装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29304094A JP3518626B2 (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | 微粉炭燃焼装置 |
Publications (2)
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JPH08152105A JPH08152105A (ja) | 1996-06-11 |
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Family
ID=17789716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP29304094A Expired - Fee Related JP3518626B2 (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | 微粉炭燃焼装置 |
Country Status (1)
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CN110645566B (zh) * | 2019-10-28 | 2024-10-01 | 江苏蓝创环保科技有限公司 | 一种燃煤锅炉三次风处理系统及工艺 |
CN112097250A (zh) * | 2020-10-15 | 2020-12-18 | 西安西热锅炉环保工程有限公司 | 一种基于烟气再循环的w火焰锅炉深度调峰系统和方法 |
-
1994
- 1994-11-28 JP JP29304094A patent/JP3518626B2/ja not_active Expired - Fee Related
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