JP3518395B2 - 電磁駆動弁 - Google Patents

電磁駆動弁

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JP3518395B2
JP3518395B2 JP05417399A JP5417399A JP3518395B2 JP 3518395 B2 JP3518395 B2 JP 3518395B2 JP 05417399 A JP05417399 A JP 05417399A JP 5417399 A JP5417399 A JP 5417399A JP 3518395 B2 JP3518395 B2 JP 3518395B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁駆動弁に係
り、特に、弁体とアーマチャとの間に介装された油圧式
ゼロラッシュアジャスタを備える電磁駆動弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平10−2524
26号公報に開示される電磁駆動弁が公知である。この
電磁駆動弁は、内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能
する弁体と、弁体と連動するアーマチャと、アーマチャ
に弁体の開弁方向及び閉弁方向の電磁力をそれぞれ付与
する開弁用及び閉弁用の電磁石とを備えている。従っ
て、上記従来の電磁駆動弁によれば、各電磁石を交互に
励磁することにより弁体を全閉位置と全開位置との間で
往復移動させることができる。
【0003】また、上記従来の電磁駆動弁は、アーマチ
ャが閉弁用電磁石に吸引され、かつ、弁体がバルブシー
トに着座した状態で、アーマチャと弁体との間に隙間が
形成されるように構成されている。かかる構成によれ
ば、弁体の熱膨張や、弁体と弁座との着座面の摩耗によ
り弁体とアーマチャとの相対変位が生じた場合にも、上
記隙間によりその相対変位を吸収することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の電
磁駆動弁の如く弁体とアーマチャとの間に隙間が形成さ
れると、弁体を開弁させる際にアーマチャが弁体に衝突
することにより衝突音が発生し、電磁駆動弁の作動音が
増大してしまう。かかる作動音の増大を防止するため、
弁体とアーマチャとの間に油圧式ゼロラッシュアジャス
タを設けることが考えられる。ゼロラッシュアジャスタ
は、弁体とアーマチャとの相対変位に応じて伸縮する機
構である。かかるゼロラッシュアジャスタを設けること
で、弁体とアーマチャとの相対変位を吸収しつつ、弁体
とアーマチャとの間に隙間が生ずるのを防止して作動音
を低減することができる。
【0005】ところで、油圧式ゼロラッシュアジャスタ
として、外部から油圧を供給されることにより作動する
外部油圧供給式ゼロラッシュアジャスタがある。かかる
外部油圧供給式ゼロラッシュアジャスタは、弁体が所定
位置(例えば閉弁位置)に達した際に油圧が供給される
ことにより、弁体とアーマチャとの間隔変化に追従して
伸長し、これにより、弁体とアーマチャとの相対位置変
化を吸収しつつ両者間に隙間が生ずるのを防止する。
【0006】このような外部油圧供給式ゼロラッシュア
ジャスタにおいて、供給油圧が不足している場合にはゼ
ロラッシュアジャスタが十分に伸長せず、アーマチャは
通常時よりも弁体側に変位することになる。この場合、
アーマチャと電磁石との間の距離が変化し、かかる距離
変化に応じて、アーマチャに付与される電磁力も変化す
る。このため、外部油圧供給式ゼロラッシャアジャスタ
に十分な油圧が供給されていない状態で、通常時と同じ
電流を用いて電磁石に通電したのでは、弁体を適正に駆
動することができなくなる可能性がある。
【0007】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、外部供給式油圧ゼロラッシュアジャスタを備える
電磁駆動弁において、油圧式ゼロラッシュアジャスタへ
の供給油圧が不足してアーマチャの位置が変化した場合
にも弁体を適正に駆動することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く弁体と、該弁体と連動するアーマチャ
と、該アーマチャに電磁力を付与する電磁石と、前記弁
体と前記アーマチャとの間に介装され、油圧が供給され
ることにより前記弁体と前記アーマチャとの間隔変化に
追従して伸長するゼロラッシュアジャスタと、前記電磁
石への通電を行う通電手段とを備える電磁駆動弁におい
て、前記ゼロラッシュアジャスタへの油圧供給が開始さ
れた後、所定期間は、前記通電手段による前記電磁石へ
の通電量を通常時に対して変化させる通電量変化手段を
備える電磁駆動弁により達成される。
【0009】請求項1記載の発明において、ゼロラッシ
ュアジャスタは油圧が供給されることにより弁体とアー
マチャとの間隔変化に応じて伸長する。このため、ゼロ
ラッシュアジャスタへの油圧供給が開始された直後は、
ゼロラッシュアジャスタが十分に伸長しておらず、アー
マチャの位置は通常時(つまり、弁体とアーマチャとの
間の隙間が解消されるまでゼロラッシュアジャスタが伸
長した状態)よりも弁体側に変化する。一方、弁体に所
要の電磁力を付与するために必要な電磁石への通電量
は、アーマチャと電磁石との相対位置に応じて変化す
る。従って、本発明によれば、ゼロラッシュアジャスタ
への油圧供給が開始された後、所定期間は、通電量変化
手段が電磁石への通電量を通常時に対して変化させるこ
とで、アーマチャに適正な電磁力が付与される。
【0010】この場合、請求項2に記載する如く、請求
項1記載の電磁駆動弁において、前記アーマチャと前記
電磁石との相対位置に応じた相対位置関連値を検出する
相対位置関連値検出手段を備えると共に、前記通電量変
化手段は、前記相対位置関連値に応じて前記電磁石への
通電量を設定することとしてもよい。
【0011】請求項2記載の発明によれば、アーマチャ
と電磁石との相対位置に応じた相対位置関連値に応じて
電磁石への通電量が設定されるため、アーマチャにはよ
り適正な電磁力が付与される。また、請求項3に記載す
る如く、請求項2記載の電磁駆動弁において、前記相対
位置関連値は、前記ゼロラッシュアジャスタへの油圧供
給が停止された後、再開されるまでの経過時間であるこ
ととしてもよい。
【0012】ゼロラッシュアジャスタに油圧が供給され
ていない状態では、ゼロラッシュアジャスタから油が徐
々に漏出することで、ゼロラッシュアジャスタは時間の
経過と共に次第に収縮する。かかるゼロラッシュアジャ
スタの収縮に伴って、アーマチャと電磁石との相対位置
は変化する。従って、請求項3に記載する如く、相対位
置関連値として、ゼロラッシュアジャスタへの油圧供給
が停止された後、再開されるまでの経過時間を用いるこ
とができる。
【0013】また、請求項4に記載する如く、請求項2
記載の電磁駆動弁において、前記相対位置関連値は、前
記ゼロラッシュアジャスタに供給されている油圧値であ
ることとしてもよい。上記の如く、ゼロラッシュアジャ
スタは油圧が供給されることにより伸長する。この伸長
量は、ゼロラッシュアジャスタに供給される油圧に応じ
て変化する。従って、請求項4に記載する如く、相対位
置関連値としてゼロラッシュアジャスタに供給されてい
る油圧値を用いることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である電
磁駆動弁10の構成を示す。本実施例の電磁駆動弁10
は内燃機関の各排気弁及び各吸気弁に対応して設けられ
ている。電磁駆動弁10は電子制御ユニット(以下、E
CUと称す)11により制御される。図1に示す如く、
電磁駆動弁10は、吸気弁又は排気弁として機能する弁
体12を備えている。弁体12は、内燃機関の燃焼室1
4内に露出するようにロアヘッド16に配設されてい
る。ロアヘッド16にはポート18が形成されている。
ポート18の燃焼室14への開口部には、弁体12に対
する弁座20が形成されている。ポート18は、弁体1
2が弁座20から離座することにより導通状態となり、
また、弁体12が弁座20に着座することにより遮断状
態となる。
【0015】ロアヘッド16の上部には、断熱プレート
22を介してシリンダヘッドスペーサ24が配設されて
いる。断熱プレート22は、例えばベークライト等の断
熱材料から構成されたシート状の部材であり、燃焼室1
4で発生した高熱がロアヘッド16からシリンダヘッド
スペーサ24へ伝達されるのを抑制する機能を有してい
る。シリンダヘッドスペーサ24の更に上部には、アッ
パヘッド25が固定されている。
【0016】弁体12は上方に伸びる弁軸26を備えて
いる。弁軸26はバルブガイド28により軸方向に摺動
可能に保持されている。バルブガイド28はロアヘッド
16に保持されている。なお、後述する如く、バルブガ
イド28には弁軸26の位置検出を行うためのセンサ
(図1には示さず)が設けられている。ロアヘッド16
の弁軸26の略上半分を囲む部位には、円筒状に形成さ
れたスプリング保持空間30が設けられている。バルブ
ガイド28の上端部はスプリング保持空間30の内部に
露出している。スプリング保持空間30内のバルブガイ
ド28の上端部近傍の周囲には、バルブステムシール3
1が装着されている。
【0017】弁軸26の上端部近傍には、コッタ32が
装着されている。コッタ32は図1中上方ほど大径とな
るくさび状の外周面を有し、内周面には内向きの突起が
設けられた略円筒状の部材である。コッタ32内周面の
突起は、弁軸26の外周面に設けられた凹部に嵌合され
ている。また、コッタ32の外周にはロアリテーナ34
が嵌着されている。
【0018】スプリング保持空間30の底面にはスプリ
ングシート36が配設されている。スプリングシート3
6とロアリテーナ34との間には、両者を離間させる向
きの付勢力を発生するロアスプリング38が配設されて
いる。ロアスプリング38はロアリテーナ34を介して
弁体12を上向き、即ち、弁座20に向かう方向に付勢
している。以下、弁体12が弁座20に向かう方向を閉
弁方向と称し、また、弁体12が弁座20から離れる方
向を開弁方向と称する。
【0019】弁軸26の上方には、ゼロラッシュアジャ
スタ40を隔てて、アーマチャシャフト42が弁軸26
と同軸に配設されている。ゼロラッシュアジャスタ40
の構成については後に詳細に説明する。アーマチャシャ
フト42の上端部には、上記コッタ31と上下対称の構
成を有するコッタ44が装着されている。コッタ44の
周囲には、アッパリテーナ46が嵌着されている。アッ
パリテーナ46の上面には、アッパスプリング48の下
端部が当接している。アッパスプリング48の周囲に
は、円筒状のアッパケース50が配設されている。アッ
パケース50の上部にはアジャスタボルト52が螺着さ
れている。アッパスプリング48の上端部はスプリング
ガイド54を介してアジャスタボルト52に当接してい
る。アッパスプリング48はアッパリテーナ46を介し
てアーマチャシャフト42を下向きに付勢している。
【0020】アーマチャシャフト42の軸方向中央部の
外周にはアーマチャ56が接合されている。アーマチャ
56は軟磁性材料により構成された円盤状の部材であ
る。アーマチャ56の上方にはアッパコイル58及びア
ッパコア60が配設されている。また、アーマチャ56
の下方にはロアコイル62及びロアコア64が配設され
ている。アッパコイル58及びロアコイル62はそれぞ
れ、アッパコア60及びロアコア64に形成された環状
溝60a及び64aに収容されている。
【0021】アッパコイル58及びロアコイル62は駆
動回路65に電気的に接続されている。駆動回路65
は、ECU11から付与される制御信号に応じた指令信
号をアッパコイル58及びロアコイル62にそれぞれ供
給する。アッパコア60及びロアコア64はそれぞれ、
その中央部を貫通する貫通穴60b及び64bを備えて
いる。アッパコア60の貫通穴60bの上端にはアッパ
ブッシュ66が配設されている。また、ロアコア64の
貫通穴64bの下端にはロアブッシュ68が配設されて
いる。アーマチャシャフト42はアッパブッシュ66及
びロアブッシュ68により軸方向に摺動可能に保持され
ている。また、アッパコア60の上端部及びロアコア6
4の下端部には、それぞれ、フランジ部60c及び64
cが設けられている。
【0022】シリンダヘッドスペーサ24には、その上
下を貫通する円筒状のラッシュアジャスタ保持空間24
aが、上記スプリング保持空間30と同軸に形成されて
いる。ラッシュアジャスタ保持空間24aの内部には、
上記したゼロラッシュアジャスタ40が保持されてい
る。シリンダヘッドスペーサ24の上面のラッシュアジ
ャスタ保持空間24aの開口部近傍には、上向きに隆起
した隆起部24bが設けられており、更に、隆起部24
bの頂部には円筒部24cが形成されている。
【0023】アッパヘッド25には、その上下を貫通す
る円筒状のコア保持空間25aが、上記スプリング保持
空間30及びラッシュアジャスタ保持空間24aと同軸
に形成されている。アッパコア60はそのフランジ部6
0cがシム70を介してアッパヘッド25に当接し、ま
た、ロアコア64はそのフランジ部64cがアッパヘッ
ド25に当接するように、それぞれコア保持空間25a
に挿入されている。アッパコア60のフランジ部60c
は、アッパヘッド25と、アッパケース50の下端部に
形成されたフランジ部50aとの間に挟持されている。
また、ロアコア64のフランジ部64cは、アッパヘッ
ド25とロアブラケット72との間に挟持されている。
そして、アッパケース50及びロアブラケット72が固
定ボルト74、76によりアッパヘッド25に固定され
ることで、アッパコア60とロアコア64とは所定の間
隔を隔てて固定されている。なお、アッパコア60及び
ロアコア64が上記の如く固定された状態で、シリンダ
ヘッドスペーサ24の隆起部24bとロアコア64の下
面との間には所定の隙間が形成されている。また、上記
したアジャスタボルト52は、アーマチャ56の中立位
置がアッパコア60とロアコア64との中間点となるよ
うに調整されている。
【0024】シリンダヘッドスペーサ24には、互いに
連通する油供給路80及び82が設けられている。油供
給路80には、油圧ポンプ83より油が供給される。油
圧ポンプ83は、例えば、内燃機関の出力軸の回転を動
力源として作動する。なお、油供給路82はラッシュア
ジャスタ保持空間24aの内壁面の所定位置に開口して
いる。
【0025】シリンダヘッドスペーサ24には、更に、
油回収穴84が設けられている。油回収穴84は、その
上端がシリンダヘッド24の隆起部24bの周囲近傍に
開口し、下端がスプリング保持空間30内へ開口するよ
うに、シリンダヘッドスペーサ24を上下に貫通してい
る。なお、油回収穴84の上部は、加工穴84a、84
bにより構成されることで、シリンダヘッドスペーサ2
4上面への開口面積が大きく確保されている。油回収穴
84は、ゼロラッシュアジャスタ40から上方へ漏出し
た油を集めてスプリング保持空間30へ流入させ、この
油をアーマチャシャフト42及び弁軸26の潤滑油とし
て供する役割を有している。
【0026】次に、電磁駆動弁10の動作について説明
する。アッパコイル58に電流が供給されると、アッパ
コイル58が発生する磁束によってアーマチャ56には
アッパコア60に向かう方向の電磁力が作用する。この
ため、図1に示される如く、アーマチャ56はアッパス
プリング48による付勢力に抗してアッパコア60に当
接するまで変位する。以下、アーマチャ56がアッパコ
ア60に当接する位置を、アーマチャ56、アーマチャ
シャフト42、又は弁体12の全閉位置と称する。この
状態では、弁体12がバルブシート20に着座すること
で、弁体12は閉弁状態となる。
【0027】このように弁体12が閉弁された状態で、
アッパコイル58への電流の供給が停止されると、アー
マチャ56を全閉位置に保持するのに必要な電磁力は消
滅する。このため、アッパコイル58への電流の供給が
停止されると、アーマチャシャフト42は弁体12と共
に、アッパスプリング48に付勢されることにより下方
へ向けて変位を開始する。このため、弁体12が弁座2
0から離座することで弁体12は開弁される。アーマチ
ャシャフト42の変位量が所定値に達した時点でロアコ
イル62に電流が供給されると、アーマチャ56をロア
コア64に向けて付勢する電磁力が発生する。
【0028】アーマチャ56に対して上記電磁力が作用
すると、アーマチャ56はロアスプリング38の発する
付勢力に抗してロアコア64に当接するまで変位し、弁
体12の開弁方向への変位量は最大となる。以下、アー
マチャ56がロアコア64に当接した位置を、アーマチ
ャ56、アーマチャシャフト42、又は弁体12の全開
位置と称す。
【0029】かかる状態で、ロアコイル62への電流の
供給が停止されると、アーマチャ56を全開位置に保持
するのに必要な電磁力が消滅する。このため、弁体12
及びアーマチャシャフト42はロアスプリング38の発
する付勢力により上方へ変位を開始する。これらの変位
量が所定値に達した時点でアッパコイル58に電流が供
給されると、アッパコイル58が発する電磁力によりア
ーマチャ56はアッパコア60へ向けて、アッパコア6
0に当接するまで変位する。アーマチャ56がアッパコ
ア60に当接した状態では、弁体12が弁座20に着座
することで、弁体12は再び閉弁状態となる。
【0030】このように、本実施例によれば、アッパコ
イル58とロアコイル62とに、交互に適当なタイミン
グで電流を供給することにより、弁体12を全閉位置と
全開位置との間で繰り返し往復運動させることができ
る。本実施例において、上記したゼロラッシュアジャス
タ40は、弁体12とロアヘッド16との間の熱膨張差
や弁体12とバルブシート20との着座面の摩耗による
弁体12とアーマチャシャフト42との相対変位を吸収
することにより、両部材間に隙間が生ずるのを防止する
機能を有している。以下、ゼロラッシュアジャスタ40
の構成及び動作について説明する。
【0031】図2は、ゼロラッシュアジャスタ40及び
その周辺部分を示す拡大断面図である。なお、図2は、
アーマチャ56及び弁体12が全閉位置にある状況下で
実現される状態を示す。図2に示す如く、ゼロラッシュ
アジャスタ40は、プランジャボディ100を備えてい
る。プランジャボデイ100は、ラッシュアジャスタ保
持空間24a内に軸方向に摺動可能に配設されている。
プランジャボディ100は一端(図2においては下端)
が閉じた略円筒状の部材である。プランジャボディ10
0は、その内部に、下端部に設けられたスプリング保持
部100aと、スプリング保持部100aに比して大径
に形成されたプランジャ保持部100bとを備えてい
る。
【0032】プランジャボディ100のプランジャ保持
部100bには、プランジャ102が軸方向に摺動可能
に配設されている。プランジャ102の図2における下
底面と、スプリング保持部100aの下底面との間に
は、油圧室104が画成されている。プランジャ102
は、その外周面に、プランジャ保持部100bの内周面
に対して摺動する大径部102aと、図2における上端
部に設けられた小径部102bとを備えている。一方、
プランジャ収容部100bの内周面の上端には、ストッ
パリング106が圧入されている。ストッパリング10
6は、プランジャ102の大径部102aの外径に比し
て小さな内径を有している。従って、プランジャ102
のプランジャ保持部100b内部における上向きの変位
は、大径部102aと小径部102bとの間の段差と、
ストッパリング106とが当接することにより規制され
る。プランジャ102は、また、上方に向けて開口する
リザーバ室108、及び、リザーバ室108と油圧室1
04とを連通する連通路110を備えている。
【0033】油圧室104には、リテーナ112及びプ
ランジャスプリング114が配設されている。プランジ
ャスプリング114は、リテーナ112を介してプラン
ジャ102を上向きに付勢している。リテーナ112の
内側にはチェックボール116及びチェックボールスプ
リング118が配設されている。チェックボールスプリ
ング118は、チェックボール116を連通路110の
開口部に向けて付勢している。チェックボール116及
びチェックボールスプリング118は、油圧室104側
がリザーバ室108側に比して低圧になった場合にのみ
開弁するチェックバルブとして機能する。
【0034】ゼロラッシュアジャスタ40は、また、リ
ザーバキャップ120を備えている。リザーバキャップ
120は一端(図1における下端)が閉じた円筒状の部
材である。リザーバキャップ120は、その底面がプラ
ンジャ102の上端面に当接するように、ラッシュアジ
ャスタ保持空間24a内に摺動可能に配設されている。
リザーバキャップ120の下底面には、その一部が切り
欠かれてなるオーバフローリセス122が設けられてい
る。オーバーフローリセス122は、リザーバ室108
と常時連通している。
【0035】プランジャシャフト42の下端面は、リザ
ーバキャップ120の内側底面に当接している。一方、
弁軸26の上端面は、プランジャボディ100の外側底
面に当接している。また、油供給路82は、図2に示す
状態(すなわち、アーマチャ56及び弁体12が全閉位
置にある状態)で、オーバフローリセス122と連通す
るように、ラッシュアジャスタ保持空間24aの内周面
に開口している。
【0036】図2に示す状態から、アッパコイル58へ
の通電が遮断されると、上記の如く、アーマチャシャフ
ト42には開弁方向の付勢力が作用する。この開弁方向
の力はリザーバキャップ120からプランジャ102に
伝達される。プランジャ102に伝達される力がプラン
ジャスプリング114の付勢力を越えると、プランジャ
102が下向きに押圧されることで、油圧室104内の
油が加圧される。このため、油圧室104の油圧がリザ
ーバ室108の油圧に比して高圧となり、連通路110
はチェックボール116により閉塞される。連通路11
0が閉塞されると、油圧室104とリザーバ室108と
の間の油の授受は禁止される。このため、プランジャ1
02に伝達された駆動力は油圧室104を介してプラン
ジャボディ100に伝達され、ゼロラッシュアジャスタ
40は実質的に剛体となって、プランジャシャフト42
及び弁体12と共に開弁方向に変位する。ゼロラッシュ
アジャスタ40が開弁方向に変位する過程では、油圧室
104の油が加圧されることで、プランジャ102とプ
ランジャボディ100との摺動面を介して油圧室104
から油が徐々に漏出し、ラッシュアジャスタ40は油の
漏出分に相当する僅かな量だけ収縮する。
【0037】アーマチャ56がロアコア64に当接する
まで変位し、ロアコイル62への通電が停止されると、
アーマチャ56は閉弁方向に変位する。そして、弁体1
2がバルブシート20に着座すると、プランジャボディ
100にロアスプリング38の付勢力は作用しなくな
る。一方、弁体12がバルブシート20に着座した後
も、アーマチャ56は、弁体12が開弁方向に変位する
過程でのラッシュアジャスタ40の収縮分に相当する微
小量だけ更に閉弁方向に変位する。この場合、プランジ
ャ102は、プランジャスプリング114の付勢力によ
り、リザーバキャップ120に追従して、プランジャボ
ディ100に対して上向きに摺動しようとし、油圧室1
04内の油圧は低下する。そして、油圧室104がリザ
ーバ室108よりも低圧になると、チェックボール11
6が連通路110の開口部から離座することで、油圧室
104とリザーバ室108とが連通する。上述の如く、
弁体12がバルブシート20に着座した状態では、油供
給路82とオーバーフローリセス122とが連通する。
このため、油圧室104とリザーバ室108とが連通す
ると、油圧ポンプ83から油供給路80へ圧送された油
が、油供給路82からリザーバ室108を経て油圧室1
04に供給されることで、プランジャ102はリザーバ
キャップ120に当接した状態を維持しながら上向きに
摺動する。
【0038】このように、ゼロラッシュアジャスタ40
は、弁体12が開弁し、ロアスプリング38の付勢力に
対する反力として軸方向の圧縮力が作用する状態では、
実質的に剛体となってアーマチャシャフト42及び弁体
12と共に変位し、一方、弁体12がバルブシート20
に着座し、ゼロラッシュアジャスタ40に圧縮力が作用
しない状態では、プランジャ102がプランジャボディ
100に対して摺動するのを許容する。かかるゼロラッ
シュアジャスタ40の機能により、弁体12とロアヘッ
ド16との間の熱膨張差や弁体12とバルブシート20
との着座面の摩耗に起因して、リザーバキャップ120
とプランジャボディ100との間に相対位置変化が生じ
た場合にも、プランジャ102がプランジャボディ10
0に対して摺動することで、アーマチャシャフト42と
リザーバキャップ120とが当接した状態が維持され
る。従って、本実施例の電磁駆動弁10によれば、アー
マチャシャフト42と弁体12との間に隙間を生じさせ
ることなく、弁体12を全閉位置と全開位置との間で確
実に開閉させることができる。
【0039】ところで、内燃機関が搭載される車両のイ
グニッションスイッチがオフの状態では、電磁駆動弁1
0のアッパコイル58及びロアコイル62の何れにも通
電されていない。従って、イグニッションスイッチがオ
ンされた時点では、弁体12はアッパスプリング48及
びロアスプリング38により、全閉位置と全開位置との
間の中立位置に保持されている。この中立位置では、ア
ーマチャ56とアッパコイル58及びロアコイル62と
が離間しており、かつ、プランジャに作用するアッパス
プリング48及びロアスプリング38の付勢力は釣り合
っている。このため、弁体12が中立位置にある場合に
は、何れのスプリングの付勢力も利用できない状態で、
アッパコイル58及びロアコイル62から離間した弁体
を吸引しなければならず、弁体12を所要のタイミング
で駆動することは困難である。従って、内燃機関の円滑
な始動を確保するためには、イグニッションスイッチが
オンされた後、弁体12を全閉位置又は全開位置まで変
位させ、その位置に保持しておくことが必要である。
【0040】図3(A)及び(B)は、それぞれ、本実
施例においてイグニッションスイッチがオンされた後、
弁体12の開閉動作が開始されるまでにアッパコイル5
8及びロアコイル62にそれぞれ供給される指令電流の
波形を示す。また、図3(C)は、各コイルに上記指令
電流が供給された場合の弁体12のリフト波形を示す。
【0041】図3に示す如く、電磁駆動弁10の駆動
は、始動区間、保持区間、及び実動区間の3つの区間に
分けて行われる。先ず、始動区間では、図3(A)及び
(B)に示す如く、アッパコイル58には、「0」と所
定値IU との間を所定の周期Tで変化するパルスを有す
る指令電流が供給され、ロアコイル62には、アッパコ
イル58に供給される電流に対して位相が180゜遅れ
た状態で、「0」と所定値IL との間を所定の周期Tで
変化するパルスを有する指令電流が供給される。上記し
た周期Tは、電磁駆動弁10の可動部(すなわち、アー
マチャ56,及び、アーマチャ56と一体に運動する部
分)の質量と、アッパスプリング48及びロアスプリン
グ38のばね定数とによって定まるバネ−質量系の固有
振動周期に等しい値に設定されている。
【0042】従って、始動区間では、アーマチャ56
に、開弁側へ向かう電磁力と閉弁側へ向かう電磁力とが
交互に、固有振動周期に等しい周期Tで作用することと
なり、これにより可動部の固有振動が励起される。その
結果、図3(C)に示す如く、始動区間において、弁体
12の振動振幅は次第に増大し、最終的には、弁体12
が全閉位置に達する(すなわち、アーマチャ56がアッ
パコア64に当接する)ようになる。そして、保持区間
において、ロアコイル62に対する指令電流が「0」と
されると共にアッパコイル58に対する指令電流が所定
の保持電流IHとされることで、アーマチャ56及び弁
体12は全閉位置に保持される。以下、上記始動区間に
おいて可動部の固有振動を利用して弁体12を全閉位置
まで変位させるための処理を「初期駆動」と称す。
【0043】その後、実動区間において、アッパコイル
58に対する指令電流が「0」とされることにより弁体
12が開弁方向に変位を開始する。そして、適当なタイ
ミングで、ロアコイル62に対して、吸引電流IA 、遷
移電流IT 、及び保持電流I H からなるパターンの指令
電流が供給される。かかるパターンの電流によれば、吸
引電流IA によりアーマチャ56はロアコア64の近傍
まで吸引され、その後、遷移電流IT によりアーマチャ
56は減速されつつロアコア64に当接するまで吸引さ
れ、最終的には保持電流IH によりアーマチャ56はロ
アコア64に吸引保持される。以後、アッパコイル58
とロアコイル62とに交互に上記パターンの指令電流が
供給されることにより、弁体12の開閉動作が行われる
こととなる。
【0044】ところで、上述の如く、ゼロラッシュアジ
ャスタ40は、弁体12が全閉位置近傍に達した際に、
油供給路80、82から油が供給されることでプランジ
ャボディ100がプランジャ102に対して摺動し、ア
ーマチャ56及び弁体12が全閉位置に達した際に弁体
12とアーマチャシャフト42との間に隙間が生ずるの
を防止する。なお、アーマチャ56及び弁体12が全閉
位置に達した際に弁体12とアーマチャシャフト42と
の間に生ずる隙間を、以下、タペットクリアランスと称
す。また、ゼロラッシャアジャスタ40が上記の機能を
発揮することによりタペットクリアランスがゼロとなっ
た状態を、以下、ゼロラッシュ状態と称す。更に、ゼロ
ラッシュ状態においてアッパコイル58及びロアコイル
62への通電が中止され、可動部がアッパスプリング4
8とロアスプリング38とに保持される状態でのアーマ
チャ56の位置を、以下、アーマチャ56の中立基準位
置と称す。
【0045】しかしながら、内燃機関のイグニッション
スイッチがオフの状態では、アッパコイル58及びロア
コイル62の何れにも通電が行われないため、アーマチ
ャ56は中立位置近傍に保持され、ゼロラッシュアジャ
スタ40に対する油圧供給は行われない。一方、アーマ
チャ56が中立位置近傍に保持された状態では、ゼロラ
ッシュアジャスタ40にはアッパスプリング48及びロ
アスプリング38により圧縮力が作用する。このため、
プランジャボディ102とプランジャ100との間の摺
動面を経て油圧室104から油が漏出することで、ゼロ
ラッシュアジャスタ40は軸方向に次第に収縮すること
となる。なお、油圧室104から油が漏出することによ
りゼロラッシュアジャスタ40が収縮する現象を、以
下、ゼロラッシュアジャスタ40のリークダウンと称す
る。リークダウンが生ずると、それに応じて、アーマチ
ャ56の位置は中立基準位置からロアコア64側に変化
する。従って、イグニッションスイッチがオンされた時
点での、アーマチャ56とアッパコア60及びロアコア
64との距離は、ゼロラッシュアジャスタ40のリーク
ダウン量に応じて変化することになる。
【0046】図4は、アーマチャ56の位置と、ロアコ
ア64からアーマチャ56に作用する電磁力との関係
を、ロアコイル62に供給する電流を、大、中、小の3
段階に変化させた場合について示す。図4に示す如く、
ロアコイル62に一定の電流が供給された場合にアーマ
チャ56とロアコア64との間に作用する電磁力は、ア
ーマチャ56がアッパコア60側に変位するほど小さく
なる。また、アーマチャ56の位置が一定である場合に
は、ロアコイル62に供給する電流が大きいほど、アー
マチャ56に作用する電磁力は大きくなる。かかる特性
により、アーマチャ56に開弁方向の所要の電磁力を付
与するためにロアコイル62に供給すべき電流は、アー
マチャ56がロアコア58側に変位するほど小さくな
る。同様に、アーマチャ56に対して所要の閉弁方向の
電磁力を付与するためにアッパコイル58に供給すべき
電流は、アーマチャ56がロアコア64側に変位するほ
ど大きくなる。
【0047】このため、初期駆動において、アッパコイ
ル58及びロアコイル62に対する指令電流IU 及びI
L としてアーマチャ56の位置にかかわらず一定の値を
用いることとすると、イグニッション・オン時にはアー
マチャ56がロアコア64側に変位しているため、アー
マチャ56をアッパコア60側へ駆動する際の電磁力が
不足して初期駆動が適正に行われなくなる可能性があ
る。また、この場合、ロアコイル62には必要以上の電
流が供給されるため、消費電力を不必要に増加させるこ
とにもなる。本実施例の電磁駆動弁10は、上記の点に
鑑みて、アーマチャ56の位置に応じて初期駆動におけ
る指令電流IU 及びIL を変化させるものである。
【0048】図5は、アーマチャ56の位置に応じて初
期駆動におけるロアコイル62及びアッパコイル58へ
の指令電流IL 及びIU を決定すべく参照されるマップ
の一例である。図5に示す如く、アーマチャ56がアッ
パコア60側へ変位するほど指令電流IL を大きくする
ことで、初期駆動においてアーマチャ56に作用するロ
アコア64側への電磁力を所要の大きさに確保すること
ができる。また、アーマチャ56がアッパコア60側へ
変位するほどアッパコイル58への指令電流I U を小さ
くすることで、アッパコイル58に必要以上に大きな電
流が供給されるのを防止でき、これにより、省電力化を
図ることができる。
【0049】図6は、本実施例において、アーマチャ5
6の位置検出を行うための構成を示す斜視図である。上
述の如く、アーマチャ56のロアコア64側への変位
は、ゼロラッシュアジャスタ40がリークダウンによっ
て収縮することにより生ずる。ゼロラッシュアジャスタ
40にリークダウンが生じた場合、ゼロラッシュアジャ
スタ40を挟んで、アーマチャシャフト42は下向きに
変位すると共に、その変位量とほぼ同じ量だけ弁体12
は上向きに変位する。そこで、本実施例では、弁軸26
の位置を検出することで、アーマチャ56の位置を間接
的に検出することとしている。
【0050】図6に示す如く、バルブガイド28には切
り欠き部28aが設けられている。切り欠き部28aに
は、弁軸26を径方向両側から挟むように設けられた一
対のギャップセンサ150、152がそれぞれセンサホ
ルダ154、156を介して装着されていると共に、ギ
ャップセンサ150、152の出力信号を外部に取り出
すためのターミナルフィルム158が装着されている。
なお、図6は、ギャップセンサ150、152、センサ
ホルダ154、156、及びターミナルフィルム158
が互いに分離された状態を示している。ギャップセンサ
150、152は例えば渦電流式のギャップセンサであ
り、弁軸26の外周面との間のギャップの大きさに応じ
た電気信号をターミナルフィルム158を介してECU
11へ出力する。ただし、ギャップセンサ150、15
2として静電式等の他の形式のギャップセンサを用いて
もよい 図7は、バルブガイド28及び弁軸26を軸方向に切断
した際の断面図である。図7に示す如く、弁軸26に
は、矩形状の断面形状を有する凹部160が全周にわた
って設けられている。ギャップセンサ150、152及
び凹部160は、弁体12が全閉位置にある場合にギャ
ップセンサ150、152の中央部が凹部160の下側
の段差部160aと対向し、かつ、弁体12が中立位置
にある場合にギャップセンサ150、152の中央部が
凹部160の上側の段差部160bと対向するように配
置されている。従って、凹部160の軸方向の長さは、
弁体12が全閉位置から全開位置まで変位する際のリフ
ト量の略半分に設定されていることになる。
【0051】ギャップセンサ150、152の出力電圧
Vは、ギャップセンサ150、152の全面が弁軸28
の凹部160以外の部位(以下、弁軸28の一般部と称
す)の外周面と対向する場合に、最小電圧Vmax とな
り、ギャップセンサ150、152の全面が凹部160
と対向する場合に最大電圧Vmax となる。なお、ギャッ
プセンサ150、152の出力電圧Vとは、両センサの
出力電圧の平均値を意味するものとする。
【0052】図8は、弁体12が全閉位置から全開位置
へ変位する場合の、ギャップセンサ150、152と凹
部160との位置関係の変化を(1) 〜(4) に示す。ま
た、図9は、弁体12が全閉位置から全開位置へ変位す
る場合の、ギャップセンサ150、152の出力電圧V
の変化を示す。図8の(1) に示す如く、弁体12が全閉
位置にある場合は、ギャップセンサ150,152の略
半分が弁軸28の一般部と対向し、残りの半分は凹部1
60と対向する。この状態では、ギャップセンサ15
0、152の出力電圧Vは、最大電圧Vmax と最小電圧
max との中間値Vs (≒(Vmax +Vmax )/2)と
なる。
【0053】弁体12が全閉位置から開弁方向に変位を
開始すると、ギャップセンサ150、152の凹部16
0と対向する部分の面積が大きくなることで、出力電圧
Vは次第に増加する(図9の期間I)。そして、図8の
(2) に示す如く、ギャップセンサ150、152の全体
が凹部160と対向するまで弁体12が変位した状態で
は、出力電圧Vは最大電圧Vmax に維持される(図9の
期間II)。
【0054】弁体12が中立位置近傍に達すると、図8
のに示す如く、ギャップセンサ150、152は凹部
160の上側の段差156bと対向するようになる。こ
のため、弁体12が変位するにつれて、出力電圧Vは次
第に減少する(図9の期間III )。そして、弁体12が
更に全閉位置へ向けて変位し、ギャップセンサ150、
152の全体が弁軸28の一般部と対向するようになる
と、以後、弁体12が全開位置に達するまで出力電圧V
は最小電圧Vmax に保たれる(図9の期間IV)。
【0055】上述の如く、弁体12が中立位置近傍にあ
る場合(図9の期間III )には、弁軸28の変位に応じ
て出力電圧Vが変化する。このため、イグニッションス
イッチがオンされた時点での出力電圧Vに基づいて、そ
の時点での弁軸28の位置を検出することができる。す
なわち、ゼロラッシュアジャスタ40のリークダウンに
伴って弁体12が上向きに変位すると、出力電圧Vはリ
ークダウンが生じていない状態(ゼロラッシュ状態)に
おける値(以下、基準電圧V0 と称す)よりも増加する
こととなる。従って、ECU11は、イグニッションス
イッチがオンされた時点での出力電圧Vを基準電圧V0
と比較することにより弁軸28の位置を検出し、これに
基づいて、アーマチャ56の中立基準位置からロアコア
64側への変位量を検出することができる。
【0056】なお、弁体12が全閉位置に保持された状
態でのギャップセンサ150、152の出力電圧V
s は、アーマチャ56と弁体12との相対位置に応じて
変化する。従って、初期駆動が完了した時点での出力電
圧Vs に基づいて、ゼロラッシュ状態が実現されたか否
かを判定することができる。そして、初期駆動が完了し
た時点で未だゼロラッシュ状態が実現されていないと判
定された場合は、実動区間が開始された後も一定期間は
アッパコイル58への指令電流を通常時よりも大きくす
ることにより、弁体12の開閉駆動を確実に行うことと
してもよい。
【0057】また、弁体12に熱膨張が生ずると、それ
に応じて弁軸28の凹部160の位置が変化する。従っ
て、全閉位置における上記出力電圧Vs に基づいて、弁
体12の熱膨張を検出することもできる。更に、上述の
如く、ギャップセンサ150、152の出力電圧の平均
値を出力電圧Vとして用いることで、弁軸28が径方向
に変位して各センサの出力電圧が変化した場合にも、そ
の影響を相殺して弁体12の位置を正確に検出すること
ができる。
【0058】図10は、初期駆動における指令電流IL
及びIU を決定すべくECUが実行するルーチンのフロ
ーチャートである。図10に示すルーチンは、イグニッ
ションスイッチがオンされた直後に一度だけ実行され
る。図10に示すルーチンが起動されると、先ずステッ
プ200の処理が実行される。ステップ200では、上
記の手法により、ギャップセンサ150、152の出力
電圧Vに基づいてアーマチャ56の位置検出が行われ
る。
【0059】ステップ202では、検出されたアーマチ
ャ56の位置に基づいて、上記図5に示すマップを参照
することにより、初期駆動における指令電流IL 及びI
U が決定される。ステップ204では、ステップ202
で決定された指令電流IL 及びIU を用いた初期駆動を
開始するための処理が行われる。ステップ204の処理
が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0060】上述の如く、本実施例では、初期駆動開始
前のアーマチャ56の位置に応じて初期駆動におけるロ
アコイル62及びアッパコイル58への指令電流IL
Uが決定される。従って、本実施例の電磁駆動弁10
によれば、ゼロラッシュアジャスタ40のリークダウン
によりアーマチャ56の位置が変化した場合にも、初期
駆動を適正に行うことができると共に、初期駆動での消
費電力を抑制することができる。
【0061】なお、上記実施例では、ゼロラッシュアジ
ャスタ40のリークダウンに伴って弁軸28及びアーマ
チャ56がほぼ同じ距離だけ変位することに基づいて、
弁軸28の位置を検出することによりアーマチャ56の
位置検出を間接的に行うこととした。しかしながら、ア
ーマチャ56の位置を直接的に検出することとしてもよ
い。
【0062】図11は、ギャップセンサ250によりア
ーマチャ56の位置を直接的に検出する構成の一例を示
す。図11に示す構成では、アーマチャシャフト42
に、アジャスタボルト52を上向きに貫通する延長部4
2aが設けられ、延長部42aの先端に測定ターゲット
252が固定される。測定ターゲット252の上方には
例えば渦電流式センサであるギャップセンサ250が固
定されている。ギャップセンサ250は、測定ターゲッ
ト252との間の距離に応じた信号をECU11に向け
て出力する。従って、図11に示す構成によれば、ギャ
ップセンサ252の出力信号に基づいて、アーマチャ5
6の位置を直接的に検出することができる。
【0063】図12は、レーザ式距離センサ260によ
りアーマチャ56の位置を直接的に検出する構成を示
す。レーザ式距離センサ260は、半導体レーザが発し
たレーザ光を測定対象に照射し、その反射光の位置を検
出することにより三角測量の原理で測定対象までの距離
を測定する。図11に示す構成と同様に、アーマチャシ
ャフト42にはアジャスタボルト52を上方に貫通する
延長部42aが設けられ、延長部42aの先端面にレー
ザ式距離センサ260からのレーザ光が照射される。こ
のレーザ光のスポット径は小さく、渦電流式ギャップセ
ンサの場合に比べて小さな被測定面しか必要とされない
ため、図11に示す構成のように測定ターゲット252
を設けることは不要である。
【0064】次に本発明の第2実施例について説明す
る。本実施例では、初期駆動が完了した時点でゼロラッ
シュ状態が実現されていない場合にも弁体12の開閉駆
動を適正に行うべく、実動区間の開始後の所定期間は、
アッパコイル58及びロアコイル62への指令電流を通
常時に対して変化させる。図13は、アーマチャ56が
全開位置にある状態の電磁駆動弁10を、(A)ゼロラ
ッシュアジャスタ40にリークダウンが生じていない場
合、及び、(B)ゼロラッシュアジャスタ40にリーク
ダウンが生じている場合について、それぞれ示す。
【0065】図13(A)、(B)に示す如く、リーク
ダウンが生じている場合は、リークダウンが生じていな
い場合と比べて、弁体12はアーマチャ56側へ変位す
る。従って、リークダウンが生ずると、その分だけロア
スプリング38の収縮量が小さくなる。この場合、弁体
12に作用する閉弁方向の弾性力が減少するため、弁体
12を閉弁させるためにアッパコイル58に供給すべき
電流が増大する。また、リークダウンが生じている場合
には、弁体12を全閉位置から開弁方向に駆動する際、
タペットクリアランスの分だけアーマチャ56が弁体1
2を駆動すべき距離は短くなる。このため、弁体12を
全閉位置から全開位置まで駆動するためにロアコイル6
2に供給すべき電流は小さくなる。
【0066】このように、ゼロラッシュアジャスタ40
にリークダウンが生じている場合は、リークダウンが生
じていない場合と比較して、アッパコイル58に供給す
べき電流が増加すると共に、ロアコイル62に供給すべ
き電流は減少する。そこで、本実施例では、初期駆動完
了後も所定期間は、ロアコイル62への指令電流をアッ
パコイル58への指令電流よりも大きくすることで、消
費電力を抑制しつつ弁体12を全閉位置と全開位置との
間で確実に作動させる。
【0067】図14(A)及び(B)は、それぞれ、本
実施例においてアッパコイル58及びロアコイル62に
供給される指令電流の波形を示す。なお、図14におい
て、通常時(すなわち、ゼロラッシュ状態が実現されて
いる場合)に用いられる指令電流を破線で示す。図14
に示す如く、実動区間の開始後、所定のNサイクルの間
は、ロアコイル62に対する吸引電流IA 及び保持電流
H が、それぞれ、基準値(すなわち、ゼロラッシュ状
態における電流値)IA0及びIH0よりも小さな値IA1
びIH1に設定されると共に、アッパコイル58に対する
吸引電流IA 及び保持電流IH が、それぞれ、基準値I
A0及びIH0よりも大きな値IA2及びIH2に設定される。
なお、1サイクルとは、アーマチャ56及び弁体12の
全閉位置と全開位置の間での一往復を意味するものとす
る。上記のサイクル数Nは、ゼロラッシュアジャスタ4
0に対して十分に油圧が供給され、ゼロラッシュ状態が
実現されるまでに要するサイクル数となるように設定さ
れている。Nサイクルが終了した後は、更に所定のN2
サイクルにわたり、アッパコイル58に対する吸引電流
A 及び保持電流IH がIA0及びIH0に向けて徐々に減
少させられると共に、ロアコイル62に対する吸引電流
A 及び保持電流IH がIA0及びIH0に向けて徐々に増
加させられる。なお、基準値IA0及びIH0として、アッ
パコイル58とロアコア62とで異なる値が用いられて
もよい。
【0068】図15は、上記の動作を実現すべくECU
11が実行するルーチンのフローチャートである。図1
5に示すルーチンは、初期駆動が完了した時点で起動さ
れる。図15に示すルーチンが起動されると、先ずステ
ップ300の処理が実行される。ステップ300では、
弁体12の動作サイクル数を示す変数nが「1」に初期
化される。
【0069】ステップ302では、弁体12の開弁要求
が発せられているか否かが判別される。ステップ302
の処理は、弁体12の開弁要求が発せられるまで繰り返
し行われる。ステップ302において弁体12の開弁要
求が発せられていれば、次にステップ304の処理が実
行される。ステップ304では、ロアコイル62に通常
時よりも小さな電流を供給するための処理、すなわち、
ロアコイル62に対して、吸引電流IA をIA1、保持電
流IH をIH1とした指令電流を供給するための処理が実
行される。
【0070】ステップ306では、弁体12の閉弁要求
が発せられているか否かが判別される。ステップ306
の処理は、弁体12の閉弁要求が発せられるまで繰り返
し行われる。ステップ306において弁体12の閉弁要
求が発せられていれば、次にステップ308の処理が実
行される。ステップ308では、アッパコイル58に通
常時よりも大きな電流を供給するための処理、すなわ
ち、アッパコイル58に対して、吸引電流IA をIA2
保持電流IH をIH2とした指令電流を供給するための処
理が実行される。
【0071】ステップ310では、n>Nが成立するか
否かが判別される。その結果、n>Nが不成立であれ
ば、次にステップ312において変数nがインクリメン
トされた後、再び上記ステップ302の処理が実行され
る。一方、ステップ310において、n>Nが成立する
場合は、次にステップ314の処理が実行される。ステ
ップ314では、変数nが再び「1」に初期化される。
【0072】ステップ316では、弁体12の開弁要求
が発せられているか否かが判別される。ステップ316
の処理は弁体12の開弁要求が発せられるまで繰り返し
行われる。ステップ316において弁体12の開弁要求
が発せられていれば、次にステップ318の処理が実行
される。ステップ318では、ロアコイル62に対し
て、吸引電流IA をIA1+n・ΔIA1、保持電流IH
H1+n・ΔIH1とした指令電流を供給するための処理
が実行される。なお、ΔIA1及びΔIH1は、それぞれ、
ΔIA1=(IA0−IA1)/N1、ΔIH1=(IH0
H1)/N1となるように設定されている。ステップ3
18の処理によれば、ロアコイル62に対する吸引電流
A 及び保持電流IH がそれぞれ通常時の値IA0及びI
H0に向けて徐々に増加させられる。
【0073】ステップ320では、弁体の閉弁要求が発
せられているか否かが判別される。ステップ320の処
理は弁体12の閉弁要求が発せられるまで繰り返し行わ
れる。ステップ320において弁体12の閉弁要求が発
せられていれば、次にステップ322の処理が実行され
る。ステップ322では、アッパコイル58に対して吸
引電流IA をIA2−n・ΔIA2、保持電流IH をIH2
n・ΔIH2とした指令電流を供給するための処理が実行
される。なお、ΔI2 及びΔIH2は、それぞれ、ΔI2
=(IA2−IA0)/N1、ΔIH2=(IH2−IH0)/N
1となるように設定されている。ステップ322の処理
によれば、アッパコイル58に対する吸引電流IA 及び
保持電流IHがそれぞれ通常時の値IA0及びIH0に向け
て徐々に減少させられる。
【0074】ステップ324では、n>N1が成立する
か否かが判別される。その結果、n>N1が不成立であ
れば、次にステップ326において変数nがインクリメ
ントされた後、再び上記ステップ316の処理が実行さ
れる。一方、ステップ324においてn>N1が成立す
る場合は、以後、ステップ328において、通常の開閉
動作、すなわち、開弁要求及び閉弁要求が発せられる毎
に、それぞれ、ロアコイル62及びアッパコイル58に
対して、吸引電流IA をIA0、保持電流IH0とする指令
電流を供給するための処理が実行される。
【0075】上述の如く、本実施例では、初期駆動の完
了後に、所定のNサイクルだけアッパコイル58に通常
時よりも大きな吸引電流IA 及び保持電流IH を供給す
ることで、ゼロラッシュアジャスタ40のリークダウン
が生じた状況下で、アーマチャ56をアッパコア60に
当接するまで駆動することができ、これにより、電磁駆
動弁10を確実に開閉動作させることができる。また、
アーマチャ56が吸引電流によってアッパコア60に当
接するまで吸引されず、遷移電流IT 又は保持電流IH
によってアッパコア60に再吸引された場合には、アー
マチャ56がアッパコア60に高い速度で当接すること
で、大きな当接音が生じてしまう。これに対して、本実
施例では、上記のようにアーマチャ56をアッパコア6
0に当接するまで確実に吸引できるため、上記の如き当
接音の発生を防止することができる。
【0076】また、上記Nサイクルの間は、ロアコイル
62に通常時よりも小さな吸引電流及び保持電流を供給
することで、アーマチャ56に開弁方向の過大な電磁力
が作用するのを防止することができる。このため、アー
マチャ56がロアコア64が高い速度で当接して大きな
当接音が発生するのを防止することができると共に、ロ
アコイル62側での消費電力を小さく抑制することがで
きる。
【0077】なお、上記実施例では、内燃機関の始動時
に行われる初期駆動の後、各コイルへの指令電流を変化
する場合について説明した。しかしながら、電磁駆動弁
10に脱調(弁体12の開閉駆動中に、アーマチャ56
をアッパコア60又はロアコア64まで吸引し切れなく
なり、アーマチャ56が中立位置に保持されて駆動され
得なくなる現象)が生じた場合にも、初期駆動と同様の
処理によりアーマチャ56及び弁体12を全閉位置まで
駆動し、電磁駆動弁10を脱調状態から回復させること
が行われる。従って、かかる脱調からの回復処理が行わ
れた後、弁体12の開閉駆動を開始する際にも、上記実
施例と同様に、所定サイクルの間は、各コイルへの指令
電流を変化させることとすればよい。
【0078】また、上記実施例では、実動区間開始後の
Nサイクルの間は吸引電流IA 及び保持電流IH を共に
変化させることとしたが、これに限らず、保持電流IH
については基準値IH0を用い、吸引電流IA のみを変化
させることとしてもよい。更に、上記実施例では、Nサ
イクルの間は、吸引電流IA 及び保持電流IH をそれぞ
れIA1、IA2及びIH1及びIH2に固定し、次のN1サイ
クルにおいて基準値IA0、IH0に向けて徐々に変化させ
るものとしたが、これに限らず、実動区間開始直後か
ら、吸引電流IA 及び保持電流IH を基準値IA 0 、I
H0に向けて徐々に変化させることとしてもよい。
【0079】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。本実施例では、弁体12の開閉駆動が停止された後
の経過時間に応じてゼロラッシャジャスタ40のリーク
ダウン量が変化することに鑑みて、上記経過時間に応じ
て上記第2実施例における吸引電流IA1、IA2及び保持
電流IH1、IH2を設定する。上述の如く、ゼロラッシュ
アジャスタ40のリークダウンは、アーマチャ56及び
弁体12が中立位置近傍に保持された状態、つまり、ゼ
ロラッシュアジャスタ40に油圧が供給されない状態
で、油圧室104から油が徐々に漏出する現象である。
従って、アーマチャ56及び弁体12が中立位置近傍に
保持されていた時間(例えば、イグニッションスイッチ
がオフされていた時間)が長いほどゼロラッシュアジャ
スタ40のリークダウン量は大きくなる。そこで、本実
施例では、ゼロラッシュアジャスタ40への油圧供給が
停止された後の経過時間(以下、弁停止時間Ts と称
す)に応じて、アッパコイル58及びロアコイル62に
対する吸引電流IA1、IA2及び保持電流IH1、IH2を定
めることとしている。
【0080】図16は、弁停止時間Ts と、アーマチャ
56の中立位置からロアコア64側への変位量との関係
を例示する。なお、図16に示す関係は、種々の弁停止
時間Ts に対するアーマチャ56の位置を実験的に求め
ることにより得られたものである。また、図17は、弁
停止時間Ts から上記の吸引電流IA1、IA2及び保持電
流IH1、IH2を決定すべく参照されるマップを示す。
【0081】図16に示す如く、弁停止時間Ts が長い
ほど、アーマチャ56の中立位置からロアコア64側へ
の変位量は大きくなる。これに対応して、図17に示す
如く、弁停止時間Ts が長いほど、アッパコイル58に
対する吸引電流IA2及び保持電流IH2を大きくすると共
に、ロアコイル62に対する吸引電流IA1及び保持電流
H1を小さくすることで、弁体12の開閉駆動を適正に
行うことができる。
【0082】図18は、上記の如く吸引電流IA1、IA2
及び保持電流IH1、IH2を決定すべくECU11が実行
するルーチンのフローチャートである。図18に示すル
ーチンは、イグニッションスイッチがオンされた時点で
起動される。なお、本実施例では、図18に示すルーチ
ンと共に、上記図15に示すルーチンが実行される。図
18に示すルーチンが起動されると、先ずステップ40
0の処理が実行される。
【0083】ステップ400では、イグニッションスイ
ッチがオフされていた時間、すなわち、弁停止時間Ts
が検出される。ECU11は、単位時間が経過する毎に
カウントアップされるカウンタを備えており、イグニッ
ションスイッチがオフされた時点で「0」にリセットす
ることにより弁停止時間Ts を検出する。ステップ40
2では、上記図17に示すマップを参照して弁停止時間
s から各コイルに対する吸引電流IA1、IA2及び保持
電流IH1、IH2が決定される。ステップ404では、初
期駆動を実現するための処理が実行される。ステップ4
04の処理が終了すると本ルーチンは終了され、以後、
ステップ402で決定されたIA1、IA2、IH1、IH2
用いて、上記図15に示すルーチンが実行される。
【0084】なお、上記第3実施例では、初期駆動完了
後の実動区間開始時に、弁停止時間Ts に応じて各コイ
ルに対する吸引電流IA 及び保持電流IH を変化させる
ものとしたが、これに限らず、初期駆動において各コイ
ルに供給される指令電流IU及びIL を弁停止時間Ts
に応じて変化させることとしてもよい。また、上記実施
例では、イグニッション・オフの状態でゼロラッシュア
ジャスタ40のリークダウンが生ずることから、イグニ
ッション・オフとされていた時間に応じて各コイルへの
電流値を決定するものとした。しかしながら、ゼロラッ
シャジャスタ40のリークダウンが生ずる状態として
は、イグニッション・オフ状態の他、電磁駆動弁10に
脱調が生じた状態が考えられる。従って、脱調が検出さ
れた時点からの経過時間を弁停止時間Ts とし、脱調か
ら回復した後の実動区間において、この経過時間Ts
応じた電流を用いることとしてもよい。
【0085】なお、脱調の検出は、例えば、アッパコイ
ル58又はロアコイル62に対する指令電流と、各コイ
ルに実際に流れる電流(実電流)とを比較することによ
り行うことができる。すなわち、アーマチャ56がアッ
パコア60又はロアコア64に当接していない場合(つ
まり脱調が生じている場合)には、当接している場合に
比べて各コイルのインダクタンスが小さくなり、指令電
流に対する実電流の追従性が高くなる。従って、例え
ば、保持電流IH の供給が遮断される際の実電流の変化
に基づいて脱調の有無を検出できるのである。
【0086】次に、本発明の第4実施例について説明す
る。本実施例では、ゼロラッシュアジャスタ40に供給
される油圧(以下、供給油圧Pと称す)に応じて、各コ
イルに対する指令電流を設定する。上述の如く、油圧ポ
ンプ83は内燃機関の出力軸の回転を動力源として作動
するため、内燃機関の始動後、油圧ポンプ83の吐出圧
が所期の圧力に達するまでにはある程度の時間を要す
る。また、油圧ポンプ83の吐出圧がゼロラッシュアジ
ャスタ40に供給されるまでにも、油圧の伝達に伴う遅
れ時間が生ずる。このため、初期駆動が終了して、アー
マチャ56及び弁体12が全閉位置に保持された後、一
定期間は、ゼロラッシュアジャスタ40に十分な油圧が
供給されず、タペットクリアランスが生ずることにな
る。
【0087】図19は、イグニッションスイッチがオン
される前後の(A)エンジン回転数の時間変化、(B)
ゼロラッシュアジャスタ40への供給油圧Pの時間変
化、(C)タペットクリアランスの時間変化、(D)ア
ッパコイル58に対する吸引電流IA2の時間変化、及び
(E)ロアコイル62に対する吸引電流IA1の時間変化
を、それぞれ示す。図19(A)に示す如く、時刻t0
においてイグニッションスイッチがオンされた後、クラ
ンキングを経て燃焼が開始されるのに応じて、エンジン
回転数が立ち上がっている。これに伴って油圧ポンプ8
3の吐出圧が上昇することで、図19(B)に示す如
く、ゼロラッシュアジャスタ40への供給油圧Pも上昇
する。そして、図19(C)に示す如く、供給油圧Pの
上昇に伴ってタペットクリアランスは次第に減少し、時
刻t1においてゼロラッシュ状態が実現されている。
【0088】このように、ゼロラッシュアジャスタ40
への供給油圧Pの増加に応じてタペットクリアランスが
減少することに鑑み、本実施例では、油供給路80又は
82内の油圧を検出する油圧センサを設けることによ
り、ゼロラッシュアジャスタ40への供給油圧Pを検出
し、図19(D)及び(E)に示す如く、供給油圧Pに
応じて、アッパコイル58に対する吸引電流IA を通常
時よりも増加させると共にロアコイル62に対する吸引
電流IA を通常時よりも減少させる。
【0089】図20は、本実施例において、アッパコイ
ル58及びロアコイル62に対する吸引電流を決定すべ
くECU11が実行するルーチンのフローチャートであ
る。図20に示すルーチンは所定の時間間隔で起動され
る。図20に示すルーチンが起動されると、先ずステッ
プ500の処理が実行される。ステップ500では、ゼ
ロラッシュアジャスタ40への供給油圧Pが検出され
る。
【0090】ステップ502では、供給油圧Pと所定の
基準圧P0(ゼロラッシュ状態を実現するためにゼロラ
ッシュアジャスタ40に供給すべき油圧)との偏差ΔP
(=P0−P)が演算される。ステップ504では、偏
差ΔPが正であるか否かが判別される。その結果、ΔP
>0が成立する場合は、次にステップ506の処理が実
行される。一方、ステップ504においてΔP>0が不
成立であれば、次にステップ508の処理が実行され
る。
【0091】ステップ506では、偏差ΔPに基づいて
ロアコイル62に対する吸引電流I A の補正値ΔI
1 (<0)が決定され、続くステップ510では、偏差
ΔPに基づいてアッパコイル58に対する吸引電流IA
の補正値ΔI2 (>0)が決定される。ステップ510
の処理が終了すると、ステップ512へ進む。ステップ
512では、ロアコイル62に対する吸引電流IA1がI
A1=IA1_base+ΔI1 として演算され、続くステップ
514では、アッパコイル58に対する吸引電流IA2
A2=IA2_base+ΔI2 として演算される。ステップ
514の処理が終了すると、今回のルーチンは終了され
る。なお、基準値IA1_base及びIA2_baseは、それぞ
れ、ゼロラッシュ状態が実現されている場合のロアコイ
ル62及びアッパコイル58に対する吸引電流IA であ
る。
【0092】図21は、上記ステップ506、510に
おいて、補正値ΔI1 及びΔI2 を決定すべく参照され
るマップの一例である。図21に示すマップは、種々の
偏差ΔPについて、各コイルに対して最適な吸引電流I
A を予め実験的に求め、それらの値と基準値IA1_base
及びIA2_baseとの偏差を演算することにより得られた
ものである。図21に示す如く、ΔPが大きいほど、補
正値ΔI2 は大きくなるように、また、補正値ΔI1
小さくなるように設定される。
【0093】一方、上記ステップ508では、補正値Δ
1 が「0」に設定され、続くステップ516において
補正値ΔI2 がゼロに設定された後、ステップ512の
処理が実行される。従って、偏差ΔP≦0が成立する場
合、すなわち、供給油圧Pが基準圧P0以上である場合
には、ロアコイル62及びアッパコイル58に対する吸
引電流IA として、それぞれ基準値IA1_base及びIA2
_baseが用いられる。
【0094】上述の如く、本実施例では、ゼロラッシュ
アジャスタ40への供給油圧Pが低いほど(つまり、偏
差ΔPが大きいほど)、アーマチャ56がロアコア64
側に変位することに鑑みて、偏差ΔPが大きいほどロア
コイル62に対する吸引電流IA1を小さく設定すると共
に、アッパコイル58に対する吸引電流IA2を大きく設
定している。このため、本実施例によれば、アーマチャ
56を全開位置及び全閉位置まで駆動するうえで最適な
吸引電流IA をそれぞれロアコイル62及びアッパコイ
ル58に供給することができ、これにより、電磁駆動弁
10の確実な動作を実現することができる。
【0095】次に、本発明の第5実施例について説明す
る。上記第4実施例で参照した図19に示す如く、イグ
ニッション・オン後の時間の経過に伴って供給油圧Pは
上昇し、これに応じてタペットクリアランスは次第に減
少する。そこで、本実施例では、供給油圧Pに応じて各
コイルへの吸引電流を決定することに代えて、イグニッ
ション・オン後の経過時間Tg に応じて各コイルへの吸
引電流を決定することとしている。
【0096】図22は、本実施例において、アッパコイ
ル58及びロアコイル62に対する吸引電流IA を決定
すべくECU11が実行するルーチンのフローチャート
である。なお、図22に示すルーチンにおいて、上記図
20に示すルーチンと同様の処理を行うステップについ
ては同一の符号を付してその説明を省略する。図22に
示すルーチンは所定の時間間隔で起動される。図20に
示すルーチンが起動されると、先ずステップ600の処
理が実行される。
【0097】ステップ600では、イグニッションスイ
ッチがオンされた後の経過時間Tgが検出される。ステ
ップ602では、経過時間Tg と所定の基準時間T0
(イグニッション・オン後、ゼロラッシュ状態が実現さ
れるまでに要する時間)との偏差ΔT(=T0−Tg
が演算される。
【0098】ステップ604では、偏差ΔTが正である
か否かが判別される。その結果、ΔT>0が成立する場
合は、次にステップ606の処理が実行される。一方、
ステップ604においてΔT>0が不成立であれば、次
にステップ508の処理が実行される。ステップ606
では、偏差ΔTに基づいてロアコイル62に対する吸引
電流I A の補正値ΔI1 (<0)が決定され、続くステ
ップ608では、偏差ΔTに基づいてアッパコイル58
BR>に対する吸引電流IA の補正値ΔI2 (>0)が決
定される。ステップ608の処理が終了すると、ステッ
プ512へ進む。
【0099】図23は、上記ステップ606、610に
おいて、補正値ΔI1 及びΔI2 を決定すべく参照され
るマップの一例である。図23に示すマップは、種々の
偏差ΔTについて、各コイルに対する最適な吸引電流I
A を予め実験的に求め、それらの値と基準値IA1_base
及びIA2_baseとの偏差を演算することにより得られた
ものである。図23に示す如く、ΔTが大きいほど、補
正値ΔI1 は小さくなるように、また、補正値ΔI2
大きくなるように設定される。
【0100】上述の如く、本実施例では、イグニッショ
ン・オン後の経過時間Tg が短いほど(つまり、偏差Δ
Tが大きいほど)、タペットクリアランスが大きくな
り、アーマチャ56の位置がロアコア64側となること
に鑑みて、偏差ΔTが大きいほどロアコイル62に対す
る吸引電流IA1を小さく設定すると共に、アッパコイル
58に対する吸引電流IA2を小さく設定している。この
ため、本実施例によれば、油供給路80、82の油圧を
検出する油圧センサを必要とすることなく、弁体12を
確実に開閉駆動することができる。
【0101】なお、上記第4及び第5実施例では、吸引
電流IA のみを変化させるものとしたが、上記第1〜第
3実施例の場合と同様に、吸引電流IA と共に保持電流
Hを変化させることとしてもよい。また、上記第4及
び第5実施例では、油圧ポンプ83が内燃機関の出力軸
の回転を動力源として作動するものとして説明した。し
かしながら、油圧ポンプ83がバッテリーを電源として
作動する電動ポンプの場合についても、イグニッション
・オン直後は、吐出圧が十分に立ち上がらないため、上
記第4及び第5実施例の場合と同様に、供給油圧P又は
イグニッション・オン後の経過時間Tg に応じて吸引電
流IA を変化させることで、弁体12の開閉駆動を適正
に行うことができる。
【0102】また、上記第1〜第5実施例では、アーマ
チャ56の位置等に応じて各コイルへの指令電流値を変
化させることとしたが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、各コイルへの通電時間を変化させることとし
てもよい。なお、上記第1〜第5実施例においては、駆
動回路65がECU11から付与される制御信号に応じ
てアッパコイル58及びロアコイル62に指令信号を供
給することにより特許請求の範囲に記載した通電手段
が、ECU11が図10に示すルーチン、図11に示す
ルーチンのステップ304、308、310、318、
322、324、図18に示すルーチンのステップ40
2、図20に示すルーチンのステップ506、510、
512、514、又は図22に示すルーチンのステップ
606、608、512、514を実行することにより
特許請求の範囲に記載した通電量変化手段が、それぞれ
実現されている。また、ECU11がギャップセンサ1
50、152の出力電圧V、ギャップセンサ250の出
力信号、若しくはレーザ式距離センサ260の出力信号
に基づいてアーマチャ56の位置を検出することによ
り、又は、ECU11が弁停止時間Ts 若しくは供給油
圧Pを検出することにより特許請求の範囲に記載した相
対位置関連値検出手段が実現されている。すなわち、上
記第1〜第5実施例においては、アーマチャ56の位
置、弁停止時間Ts 、及び、供給油圧Pが特許請求の範
囲に記載した相対位置関連値に相当している。
【0103】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、油圧式ゼ
ロラッシュアジャスタに供給される油圧が不足すること
に起因してアーマチャの位置が変化した場合にも、アー
マチャに所要の電磁力を適正に付与することができ、こ
れにより、弁体の開閉駆動を確実に行うことができる。
【0104】また、請求項2乃至4記載の発明によれ
ば、アーマチャと電磁石との相対位置に応じて電磁石へ
の通電量を設定することにより、アーマチャに付与され
る電磁力をより適正に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電磁駆動弁の全体構成
図である。
【図2】本実施例の電磁駆動弁が備えるゼロラッシュア
ジャスタ及びその周辺部分の拡大断面図である。
【図3】図3(A)は、本実施例の電磁駆動弁において
アッパコイルに供給される指令電流の波形を示す図であ
る。図3(B)は、本実施例の電磁駆動弁においてロア
コイルに供給される指令電流の波形を示す図である。図
3(C)は、図3(A)及び(B)に示す指令電流が各
コイルに供給された場合の弁体のリフト波形を示す図で
ある。
【図4】アーマチャの位置とアーマチャに作用するロア
コア側への電磁力との関係を、ロアコイルに供給される
電流が大、中、小と変化した場合について示す図であ
る。
【図5】アーマチャの位置から、初期駆動におけるロア
コイル及びアッパコイルへの指令電流IL 及びIU を決
定すべく参照されるマップである。
【図6】本実施例においてアーマチャの位置を検出する
ための構成を示す斜視分解図である。
【図7】図6に示す構成を弁軸の軸方向に沿って切断し
た断面図である。
【図8】弁体が全閉位置から全開位置へ変位する場合の
ギャップセンサと弁軸に設けられた凹部との位置関係の
変化を示す図である。
【図9】弁体の位置とギャップセンサの出力電圧Vとの
関係を示す図である。
【図10】本実施例において、初期駆動でのロアコイル
及びアッパコイルへの指令電流I L 及びIU を決定すべ
くECUが実行するルーチンのフローチャートである。
【図11】アーマチャ56の位置をギャップセンサによ
り直接的に検出する構成の一例である。
【図12】アーマチャ56の位置をレーザ式距離センサ
により直接的に検出する構成の一例である。
【図13】図13(A)は、ゼロラッシュ状態が実現さ
れた状況下でアーマチャ及び弁体が全開位置にある場合
の電磁駆動弁を示す図である。図13(B)は、ゼロラ
ッシュ状態が実現されていない状況下でアーマチャ及び
弁体が全開位置にある場合の電磁駆動弁を示す図であ
る。
【図14】図14(A)は、本発明の第2実施例におい
てアッパコイルに供給される指令電流の波形を示す図で
ある。図14(B)は、本発明の第2実施例においてロ
アコイルに供給される指令電流の波形を示す図である。
【図15】本実施例において、初期駆動が終了した後、
弁体12を開閉駆動すべくECUが実行するルーチンの
フローチャートである。
【図16】弁停止時間Ts と、アーマチャの中立基準位
置からロアコア側への変位量との関係を示す図である。
【図17】本発明の第3実施例において、弁停止時間T
s に基づいて、ロアコイル及びアッパコイルに対する吸
引電流IA1、IA2、及び、保持電流IH1、IH2を決定す
べく参照されるマップである。
【図18】本実施例において、吸引電流IA1、IA2、及
び、保持電流IH1、IH2を決定すべくECUが実行する
ルーチンのフローチャートである。
【図19】図19(A)は、イグニッション・オン後の
エンジン回転数の時間変化を示す図である。図19
(B)は、イグニッション・オン後のゼロラッシュアジ
ャスタへの供給油圧Pの時間変化を示す図である。図1
9(C)は、イグニッション・オン後のタペットクリア
ランスの時間変化を示す図である。図19(D)は、本
発明の第4実施例において、イグニッション・オン後の
ロアコイルに対する吸引電流の時間変化を示す図であ
る。図19(E)は、本発明の第4実施例において、イ
グニッション・オン後のアッパコイルに対する吸引電流
の時間変化を示す図である。
【図20】本実施例において、各コイルに対する吸引電
流を決定すべくECUが実行するルーチンのフローチャ
ートである。
【図21】本実施例において、偏差ΔPから吸引電流の
補正値ΔI1 、ΔI2 を決定すべく参照されるマップで
ある。
【図22】本発明の第5実施例において、各コイルに対
する吸引電流を決定すべくECUが実行するルーチンの
フローチャートである。
【図23】本実施例において、偏差ΔTから吸引電流の
補正値ΔI1 、ΔI2 を決定すべく参照されるマップで
ある。
【符号の説明】
10 電磁駆動弁 11 電子制御ユニット(ECU) 12 弁体 40 ゼロラッシュアジャスタ 42 アーマチャシャフト 56 アーマチャ 58 アッパコイル 60 アッパコア 62 ロアコイル 64 ロアコア 65 駆動回路 150、152、250 ギャップセンサ 260 レーザ式距離センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16K 1/32 F16K 1/32 A 31/06 305 31/06 305Z 310 310A 385 385A (72)発明者 田中 正明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 四重田 啓二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 西田 秀之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−4512(JP,A) 特開 平11−30113(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 13/02 F01L 1/24 F01L 9/04 F02D 41/20 F16K 1/32 F16K 31/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体と、該弁体と連動するアーマチャ
    と、該アーマチャに電磁力を付与する電磁石と、前記弁
    体と前記アーマチャとの間に介装され、油圧が供給され
    ることにより前記弁体と前記アーマチャとの間隔変化に
    追従して伸長するゼロラッシュアジャスタと、前記電磁
    石への通電を行う通電手段とを備える電磁駆動弁におい
    て、 前記ゼロラッシュアジャスタへの油圧供給が開始された
    後、所定期間は、前記通電手段による前記電磁石への通
    電量を通常時に対して変化させる通電量変化手段を備え
    ることを特徴とする電磁駆動弁。
  2. 【請求項2】 前記アーマチャと前記電磁石との相対位
    置に応じた相対位置関連値を検出する相対位置関連値検
    出手段を備えると共に、 前記通電量変化手段は、前記相対位置関連値に応じて前
    記電磁石への通電量を設定することを特徴とする請求項
    1記載の電磁駆動弁。
  3. 【請求項3】 前記相対位置関連値は、前記ゼロラッシ
    ュアジャスタへの油圧供給が停止された後、再開される
    までの経過時間であることを特徴とする請求項2記載の
    電磁駆動弁。
  4. 【請求項4】 前記相対位置関連値は、前記ゼロラッシ
    ュアジャスタに供給されている油圧値であることを特徴
    とする請求項2記載の電磁駆動弁。
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