JP3518186B2 - 試し書き方法及びそれを用いた情報記録再生装置 - Google Patents

試し書き方法及びそれを用いた情報記録再生装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的情報記録媒
体への記録条件を定めるための試し書き方法及び情報処
理装置に関し、特に高密度情報記録に対応した試し書き
の方法とその機能を搭載した情報記録再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】記録型の光ディスクは大容量の情報を記
録でき、かつ媒体互換が可能な特徴を備えている。情報
の再生はレーザ光を情報記録面に集光し、記録マークに
よって変調された反射光を検出して行う。情報の記録は
再生光よりも大きなパワーのビームを情報記録面に照射
することによって、記録マークを熱的に形成して行う。
記録型の光ディスク媒体としては大きく(1)光磁気
型、(2)相変化型、(3)穴あけ型の3種類があり、
書き換え用途としては光磁気型が、1度だけ記録できる
ライトワンス用途としてはCD−Rに代表される有機色
素を用いた穴あけ型が広く普及している。
【0003】記録型光ディスクの高密度化には、より小
さなマークを精密に形成する必要があるため、記録パワ
ーの精密な制御が必要である。ところが、実際の光ディ
スク装置では周囲温度、レーザの波長、光スポットの歪
等の動的な変動の影響のために光源の出力を一定に保っ
たとしても、情報記録面に所定の温度分布を得ることは
難しい。このため、例えば特開平6−195713号公
報に記載されているように、ユーザデータを記録する前
にテスト領域において記録パワーの最適値を求める「試
し書き」と呼ばれる技術が従来より光磁気ディスク、C
D−Rに用いられている。
【0004】従来の試し書き方式は図2に示すように密
パターンと疎パターンを交互に記録し、再生信号から密
パターンと疎パターンの平均レベルの差、すなわちアシ
ンメトリΔVを検出して、それが略ゼロになる記録パワ
ーPoを最適記録条件として求めるものである。
【0005】図2に示すように、記録パワーPがPoよ
りも小さいときには記録マークが所定の形状よりも小さ
いためΔVは負の値となり、記録パワーPがPoよりも
大きいときには記録マークが所定の形状よりも大きくな
りΔVは正の値となる。従って、適当な範囲で記録パワ
ーを変化させてアシンメトリを検出することによって最
適記録パワーPoを求めることができる。この方法では
記録マーク長が変化しても記録マーク幅が一定であると
きに線形な応答を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のアシンメトリ検
出の試し書き方式を相変化光ディスクに適応した場合に
発生する課題について、以下に説明する。
【0007】相変化光ディスクは結晶とアモルファスの
反射率の差を用いて情報を再生できるため、CD−RO
M等の装置と同一の再生系を用いることができるため、
ROMディスクとの互換性に優れるという特徴がある。
記録マークは記録膜をレーザビームで一端溶融したのち
急冷して得られたアモルファスマークとして形成され
る。また、記録マークの消去は結晶化温度以上、融点以
下の温度に保持することによってアモルファスマークを
結晶化させておこなわれる。このため、記録時に一端溶
融しても冷却が遅ければ再び結晶に戻る「再結晶化」と
いう現象があり、記録マークの形状は到達温度の分布だ
けでなく、冷却条件も加味して決定されるという特徴が
ある。この点が相変化光ディスクと光磁気ディスク等と
の主な記録メカニズムの違いである。
【0008】ここで、相変化光ディスクの一例としてG
eSbTe系相変化記録材料を用いた光ディスクの記録
パワーと再生ジッターとの関係を図3に示す。ディスク
試料の構成としては、基板として直径120mm、厚さ
0.6mmのプラスチック基板を用い、その上にZnS
−SiO2第1光干渉膜、GeSbTe系相変化記録
膜、ZnS−SiO2第2光干渉膜、Al−Ti反射
膜、UV保護膜を順次積層したものを用いた。基板には
トラックピッチ約0.7μmのランド・グルーブ記録用
のトラック溝を形成した。記録波形は図3示すような3
つの記録レベルPw、Pe、Pbからなり、チャネルビ
ット周期をTwとして、nTwの記録マークを形成する
のにn−1個のTw/2幅のパルスを照射するものを用
いた。図3では5Twの記録マークを形成するための記
録波形を示した。変調方式としては1Twが約0.2μ
mのEFM系の変調方式を用いた。最短マーク長は3T
w、最長マーク長は11Twである。記録に用いた光ス
ポットは波長680nmの半導体レーザを光源として開
口数0.6の対物レンズで集光したものである。図3に
示したグラフは記録パワーとランダム信号を記録再生し
たときのジッタの標準偏差量をTwで規格化した値であ
る。ここで、記録パワーの変化のさせ方はPw:Pe=
10.5mW:3.8mWの比率で一定に保ちながら変
化させた。Pbは0.5mWで一定とした。ジッターの
値が15%以下となる記録パワーPwの範囲は10.5
±2.0mWであるため、記録パワーマージンの中心値
として10.5mWが最適パワーPoである。
【0009】従来の試し書き方式をこの系に適応した場
合の再生波形を図4に示す。ここでは密パターンとして
3Tw、疎パターンとして8Twを選んだ。図中の記録
マークレベルは再生波形に対して下側である。図4に示
すように、記録パワーがPo(10.5mW/3.8m
W)の場合には3Twと8Tw信号の平均レベルはほぼ
等しく、記録パワーがPoの110%、119%と増加
するに従って3Tw信号の平均レベルが下側に移動して
おり、アシンメトリは増加している。記録パワーがPo
の143%に達するとPeレベルで記録開始温度に到達
してしまい、いわゆる、DC記録によって信号振幅が減
少する。記録パワーがPoよりも小さくなると8Twマ
ークの形状が前後非対称になる傾向が現れ、記録パワー
がPoの81%以下ではこの傾向が顕著になってくる。
低パワー側でのこうした現象は先に述べた記録時の再結
晶化の影響である。同時に記録開始パワー付近ではマー
ク長によってその形状が変化してしまう傾向が現れる。
疎パターンに比較して、密パターンではレーザの照射時
間が短いために熱のこもりも小さく、より急熱・急冷条
件になっており、密パターンの方が再結晶化量が小さい
ために、疎密パターンのマーク幅が変化する。また8T
wマークの再生波形の前後非対称性の原因としては、前
側のエッジでそれ以降にパルス列が続くのに対して後側
のエッジはそれ以降にパルスがないために相対的に後エ
ッジの方が冷却速度が早くなり形成される記録マークの
幅が前側に比較して太くなるためであると考えられる。
【0010】このとき記録パワーとアシンメトリΔVと
記録パワーの関係を図5に示す。図中の縦軸はアシンメ
トリ量ΔVを疎パターンの信号振幅で規格化したもので
ある。再生波形の特徴を反映して、アシンメトリ量はP
oよりも高パワー側では素直な直線性を示す。記録パワ
ーがPoの時のアシンメトリ量の値が約+3%である。
記録パワーがPoより低パワー側では傾きが緩やかにな
る傾向がみられ、記録開始点付近で逆転現象がある。記
録パワーに対してアシンメトリ量が一意に定まらない特
性から最適パワーPoを見つけるには複雑な処理が必要
になる。従って、もっと相変化光ディスクに適した試し
書き方法が必要である。
【0011】次に相変化光ディスクの書換え寿命の特性
について説明する。相変化光ディスクでも書換えを繰り
返すに従って劣化が進む。その主なものは(1)記録膜
の流動、(2)反射率変化の2点である。記録膜の流動
は記録時に記録膜を溶融させた状態での熱応力のために
起こると考えられている。反射率の変化は記録膜の流動
とも関わるが、熱的なストレスのために記録膜の組成の
偏折や干渉膜材料の溶け込み等が原因であると考えられ
ている。
【0012】一例として実験に用いた相変化光ディスク
の劣化特性を図6に示す。図6(a)は記録マーク長と
流動の大きさの関係を示すものである。ここでは記録パ
ワーをPoとして連続8万回のオーバライトを行った。
各パターンはそれぞれマークとスペースの等しい繰り返
しパターンであり、50バイトの間隔をあけて各々20
0バイトづつのブロックに分けての記録を行った。流動
は初期の信号振幅が1/2以下に低下した領域の長さを
各ブロックの始端と終端で測定した。図6(a)に示し
たのは始端との流動領域の長さである。図6(a)に見
られるように、マーク長さが短いほど流動領域の長さが
長く、3Twマークでは11Twマークに比較して2倍
以上の長さである。
【0013】また図6(b)は3Twパターンと8Tw
パターンの平均反射光量レベルを初期値を100%とし
て規格化して示している。書換え回数の増加とともに平
均反射光量レベルが低下するが3Twと8Twではその
低下のしかたが一致していない。これは流動とともに、
記録膜の劣化のスピードがマーク長に依存していること
を示す。平均反射光量レベルの差がアシンメトリである
ので、この図6(b)はマークの長さによって同じパワ
ーであってもアシンメトリ量が変化することを示してお
り、試し書きを行うテスト領域にて異なるマーク長のパ
ターンを記録した場合正しい記録パワーを設定できない
ことを示す。
【0014】このように、相変化光ディスクに従来のア
シンメトリ検出による試し書きを適応するには(1)検
出の線形性、(2)マーク長による記録膜の劣化の度合
いの違い、の2点の課題のために正確な試し書きができ
ない。
【0015】本発明の目的は、上記問題点を解決し、相
変化光ディスクに適した試し書き方法及びそれを用いた
情報記録再生装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記第1の
目的を達成するため、以下の手段を用いた。
【0017】(1) 密パターンよりも疎パターンの方
が急熱・急冷条件になりにくいため疎パターンを精密に
形成すればエラーのない記録が可能になること。
【0018】(2) パターンの長によって劣化の度
合いがことなることから、試し書きに用いるパターンは
1つにすること。
【0019】これらの点を考慮して、疎パターンを記録
してそのマーク長を記録する目標長さに等しくなるよう
な記録条件を選ぶ方式を考案した。マーク長を簡便に検
出するにはマークとスペースの長さが等しいパターンを
繰り返し記録してそのデューティを検出すればよい。再
生信号のデューティ検出の方法としては、再生信号をA
C結合して上エンベロープと下エンベロープの平均値と
AC結合のゼロ点レベルとの差をとる方法がある。また
は再生信号をデューティ・フィードバック型の量子化帰
還回路に入力して、得られたスライスレベル、すなわち
再生信号のマークとスペースの長さが等しくなる電圧レ
ベルをAC結合のゼロ点と比較してずれを検出すること
もできる。本発明のデューティ検出方式の試し書きを用
いれば、相変化光ディスク特有の劣化のマーク長依存性
に影響されて試し書きの誤差が発生することはない。ま
た、記録しきい値付近でマーク形状が前後非対称になっ
ても、再生信号の振幅方向の検出でなく、再生信号の時
間軸方向の長さを検出することになるため影響を受けに
くく、アシンメトリ検出に比較して線形性を向上するこ
とができる。
【0020】なお、本方式は相変化光ディスクだけでな
く光磁気ディスクや穴あけ型のライトワンス光ディスク
にも適応可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
《実施例1》 試し書き方式 デューティ検出方式の原理を図1を用いて説明する。上
段から下段へと記録パワーを高くして8Twの繰り返し
パターンを記録し、記録マーク形状と再生信号及び再生
信号をデューティが50%となるレベル(以下、オート
スライスレベルとしてASCレベルと記す)V2にて2
値化した信号を示す。また、上下エンベロープの平均値
をV1に示す。再生信号は光ディスクの記録膜上の反射
率の変化に対応し、記録マークの反射率は未記録部のそ
れより低いため、記録マークに対応した再生レベルは下
方に出力される。
【0022】記録パワーPが最適パワーPoより低い場
合(P<Po)、記録マークが所定の形状よりも小さく
なり、再生信号のデューティ比が大きくなるためV2は
高くなる。それに対しV1は、再生スポット径より十分
長い長さのマークを記録しているため、マークのエッジ
の部分の影響を受けずに、マークの長さ方向の中心部と
ギャップ(2つのマークの間)の中心部の再生信号のレ
ベルの平均レベルを表す。図1では再生信号はAC結合
しているため、GNDは再生信号のGNDレベルを境に
して上下の面積が等しいレベルを示している。そこで、
V1はGNDより低く、V2は高く出力される。
【0023】記録パワーPが最適パワーPoより高い場
合(P>Po)、記録マークが所定の形状より大きくな
り、V1はGNDより高く、V2は低く出力される。
【0024】PがPoと等しい場合には、V1、V2及
びGNDは略同レベルとなる。
【0025】そこで、記録パワーを変えて光スポット系
より十分長いマークを記録しV1−V2を検出した場
合、V1−V2が0クロスする記録パワーをもって最適
記録パワーとすることができる。
【0026】実際にデューティ検出方式の試し書きを上
に述べたのと同じ試料ディスクに適応したときの測定結
果を図7に示す。図7(a)は上下エンベロープの平均
レベルV1とASCレベルV2を記録パワーに対してプ
ロットした結果である。用いたパターンは8Twの繰り
返しパターンである。パターンの選択には自由度がある
が、マークの長さが記録再生に用いる光スポットの大き
さ(=波長/対物レンズの開口数)に比較して小さすぎ
ると光スポットでマークのデューティを分解しにくくな
るため、光スポットの大きさよりも大きなマーク長を選
択することが望ましい。ここで、再生信号振幅は記録パ
ワーPoにおいて1Vppにした。再生信号振幅が小さ
すぎるとエンベロープ検出回路等において、トランジス
タまたはダイオードの動作電圧を下回り非線形な応答と
なってしまい好ましくない。図7(a)より、記録パワ
ーの増加に対して上下エンベロープの平均レベルV1は
増加し、ASCレベルV2は減少する。両者は最適パワ
ーPoにおいてゼロ、すなわちAC結合のゼロ点に一致
する。従って、記録パワーに対してV1またはV2がゼ
ロになるような記録パワーを選べば最適パワーPoを得
ることができる。
【0027】ただし、記録パワーが小さく信号が全く記
録されない場合にも両者はゼロとなるため、一定値以上
の振幅の信号が記録されたことを別の方法で検出して、
データ処理を行う必要がある。その方法としては例えば
(1)信号振幅が所定の値以上になっていること、また
は(2)再生信号からPLL(Phase Locke
d Loop)回路を用いてクロックを抽出してそのク
ロックが一定値にロックされていること、等がある。こ
れらの情報を合わせて処理すれば最適記録パワーPoを
求めることができる。
【0028】図7(b)は上下エンベロープの平均レベ
ルV1とASCレベルV2の差V1−V2を記録パワー
に対してプロットしたものである。記録パワーに対する
変化の極性が両者で反転しているため、差を検出するこ
とによって検出感度を向上することができる。本発明の
デューティ検出方式の試し書きを従来のアシンメトリ検
出方式と比較した場合、図7(b)と図5を見れば本発
明の方式が線形性、解の一意性において優れていること
が明らかである。
【0029】また、一般に試し書きのためのパターンは
用いる変調規則からはずれる場合も多いが、その場合パ
ターンをメモリ内に保存しておく必要がある。従来のア
シンメトリ検出では疎密パターンがそれぞれ数10バイ
ト以上でそれが数組から10組程度必要であった。本発
明ではパターンが単一なので例えば8Twの繰り返しパ
ターンを用いた場合必要なメモリ量は1バイト程度でよ
い。メモリを記録系のLSIに内蔵するときにはメモリ
量を少なくすることによりLSIの低コスト化あるいは
限られたメモリの有効活用が可能になり、メモリ節約の
効果は大きい。
【0030】次に、検出に用いた回路のブロック構成に
ついて図8を用いて説明する。ここで用いた検出回路は
次の3つのブロックに分かれており、それぞれの動作は
以下に示すとおりである。
【0031】(1)デューティ・フィードバック・回路 デューティ・フィードバック・回路200は量子化帰還
型のASC回路である。先ず再生信号10を2値化器2
01に入力してパルス化し、積分器202によって2値
化信号のデューティずれを電圧レベルに変換し、LPF
(ローパスフィルタ−)203を介して2値化器のスラ
イスレベルにフィードバックする。こうすることによっ
て、スライスレベルV2は再生信号のディーティが50
%になるレベルに制御される。
【0032】(2)エンベロープ平均検出回路 エンベロープ平均検出回路210では先ず再生信号10
から上下エンベロープをそれぞれ211、212で別々
に検出しそれを加算器213で加算した後アッテネータ
214で1/2倍してエンベロープの平均レベルV1を
検出する。
【0033】(3)試し書き信号検出回路 試し書き信号検出回路220では減算器221でV1−
V2を算出する。
【0034】ここでは、この回路を用いてV1、V2、
V1−V2をそれぞれオシロスコープ250を用いて測
定した。本発明のデューティ検出方式の試し書きを実際
の光ディスクドライブに実装するためには試し書き信号
を何らかの形でデジタル化してCPUで処理するのが望
ましい。そのための方法としてはA/Dコンバータ23
0を用いるのが簡便である。図9を用いて試し書きのシ
ーケンスの一例を説明する。光ディスクにユーザデータ
を記録する場合には512バイト、または2048バイ
トなどの単位のセクタごとに分けてデータを記録する場
合が多い。ここではセクタのアドレス情報等を予めプリ
ピットの形で記録されたヘッダとデータ領域が交互に形
成されたフォーマットの光ディスクについて例にあげ
る。先ず、データ領域i、i+1、i+2、・・・に対
して、記録パワーをPi、Pi+1、Pi+2、・・・
のようにして記録パワーをセクタごとに切り替えて試し
書きパターンを記録する。次に記録した信号を再生して
試し書き信号を取り込む。実際には、システムのノイズ
や光ディスク媒体の感度むら、あるいはフォーカスやト
ラッキングサーボの状態によって、再生信号が変動をう
け、試し書き信号もセクタ内である変動を受ける。こう
したランダムな変動の中から信号を取り出すには複数点
のサンプリング結果を平均化するのがよい。図に示した
取り込み制御ゲートはA/Dコンバータの取り込み指令
として用いる。取り込み制御ゲートはヘッダ情報をもと
に再生クロックに基づいてカウントして簡単に生成でき
る。A/Dコンバータでデジタル化した信号はCPU等
で平均化処理を施し、上に述べた信号が記録されていな
い場合の測定結果を除外して処理すれば最適パワーを求
めることができる。
【0035】図8の測定系にはオシロスコープ250、
A/Dコンバータ230、の他にパルスカウンタ240
を示した。次にパルスカウンタを用いたデジタル化の方
法について図10を用いて説明する。
【0036】図10(a)の回路では図8の検出回路で
生成された信号エンベロープの平均レベルV1、ASC
レベルV2、及び2値化出力を用いる。エンベロープ平
均レベルV1とASCレベルV2を減算器310で引き
算し、加算器311でデジタル系の動作しきい値分のオ
フセツト50を加えると、記録パワーがPoよりも大き
いときにHigh、Poよりも小さいときにはLowと
なる疑似デジタル信号を得ることができる。これに上で
述べたような平均化の概念を取り入れて検出するため
に、ANDゲート312で2値化出力40とのANDを
とって分子カウンタ320でその数C2をカウントす
る。一方、分母カウンタ321では2値化出力そのもの
をカウントしてC1を得る。図9に示したような取り込
み制御ゲート330によってカウンタのセット、リセッ
ト、スタート、ストップを制御すれば、取り込み制御ゲ
ートの数だけカウントC1、C2を得ることができる。
ここでC2/C1を除算器340で算出すればこれが取
り込み制御ゲート内でデジタル化された試し書き信号で
ある。
【0037】この方法によれば、上に述べたような変動
要因によってエンベロープの平均レベルV1、ASCレ
ベルV2が揺らぐ現象をパルスのカウント数として読み
とることができる。また分母カウンタの値が例えば25
6カウントになった時に分子カウンタをストップするよ
うにすれば、C2/C1の除算は8ビットのビットシフ
ト処理にすることができ、簡素なロジックで実施でき
る。こうしたカウンタは高速のA/Dコンバータに比較
してLSIに組み込み易いので低コスト化が図れる。
【0038】また、減算器310及び加算器311の替
わりにコンパレータを用いることもできる。また減算器
310のゲインを変化させることによって、記録パワー
に対するC2/C1の値を図10(b)の摸式図に示す
ように変化させることができる。こうした特性は光ディ
スク媒体とドライブ装置の特性によって種々の変動に強
い特性となるように設定する事が望ましい。
【0039】《実施例2》情報記録再生装置 実施例1の試し書き方法を実装した情報記録再生装置の
一例を図11を用いて説明する。
【0040】光ディスク媒体8はSb-Te-Seの組成からな
る記録膜層と光学的干渉膜、保護膜層、基板のサンドイ
ッチ構造を有したものからなり、モータ162により光
ヘッド130の半径位置により、回転数が切り替わるよう
に制御することで、線速度が略6m/sで回転される。光源
の波長λが650nmから690nmと集光手段132のレンズの
開口数NA=0.6から0.63の光ヘッド130を用いた。ここ
で、記録する変調方式は8-16変調符号を用い、検出窓幅
Twが34nsとした。
【0041】中央制御手段151によって、ユーザデー
タを変調した後、指令された光強度になるように光強度
制御手段171は光発生手段131を制御して光122
を発生させ、この光122は集光手段132によって集
光され光スポット7を光ディスク媒体8上に形成する。
このとき、ディスク上に形成される記録マークの最短パ
ターン長は3Tw=0.62μmとなる。この光スポット7から
の反射光123を用いて、光検出手段133で検出す
る。この光検出手段は複数に分割された光検出器から構
成されている。再生手段191は、この光検出器からの
再生信号130を用いて、光ディスク媒体上に記録され
た情報を再生する。再生手段191には実施例1に示し
た試し書き信号の検出手段が内蔵されている。
【0042】試し書き時には中央制御手段151で実施
例1に示したように記録パワーを変化させながら試し書
きパターンの記録を行う機能と、試し書き信号検出手段
で検出された試し書き信号を取り込む機能、及び取り込
み結果を処理して最適パワーを決定する機能を有してい
る。このときの記録パターン長は、形成した記録マーク
の幅の情報と長さの情報を別々に検出できることが望ま
しく、前述した値からλ/NAを計算すると約1.1μmと
なり、スポット径1.1μm(5.27Tw)すなわち6T
wより長いことが必要である。実施例では、8Tw=1.6
4μmのマークの繰り返しパターンを記録した。
【0043】再生信号をデューティ・フィードバック型
の量子化帰還回路とエンベロープ検波回路に入力し、得
られたスライスレベルとの差を検出する。このとき、記
録パワーの1ステップ当たりの検出電圧変化は10mVと、1
Vのダイナミックレンジを持ったA/Dコンバータで十分
な精度でデジタル値に変換された。この値は、CPUによ
る平均化処理を行い、差信号がゼロとなる記録パワーを
求め、最適パワーの設定を行い、データ部にマークの記
録を行う。
【0044】本発明の情報記録再生装置を用いれば、感
度の違う媒体や光スポットの変動を補正して最適な記録
パワーを求めることができるため、ディスクや装置よら
ず均一な記録マークを形成でき、安定して高密度の情報
の記録再生が可能になる。
【0045】
【発明の効果】本発明では、デューティ検出方式の試し
書きによって、相変化光ディスクの特性に適した試し書
きが行えるため、最適記録条件が確実に得られるため、
安定した高密度記録再生を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の試し書き方式を示す摸式図。
【図2】 相変化光ディスクの記録パワーとジッターの
関係を示す図。
【図3】 従来のアシンメトリ方式の試し書きの摸式図
【図4】 従来のアシンメトリ方式を相変化ディスクに
適応した場合の再生信号を示す図。
【図5】 従来のアシンメトリ方式を相変化ディスクに
適応した場合の特性を示す図。
【図6】 相変化光ディスクの書換えによる流動と反射
率の変化を示す図。
【図7】 本発明の試し書き方式の特性を示す図。
【図8】 本発明の試し書き信号検出回路の構成を示す
図。
【図9】 本発明の試し書き方法をセクタ構成の光ディ
スクに適応したときの実施例。
【図10】 本発明のパルスカウンタの構成と動作を示
す図。
【図11】 本発明の情報記録再生装置の構成を示す
図。
【符号の説明】
7…光スポット、8…光ディスク媒体、10…再生信
号、131…光発生手段、132…集光手段、133…
光検出手段、151…中央制御手段、191…再生手
段、200…デューティ・フィードバック・回路、21
0…エンベロープ平均検出回路、220…試し書き信号
検出回路、230…A/Dコンバータ、240…パルス
カウンタ
フロントページの続き (72)発明者 宮本 治一 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 伏見 哲也 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株 式会社日立製作所映像情報メディア事業 部内 (72)発明者 鈴木 芳夫 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株 式会社日立製作所映像情報メディア事業 部内 (56)参考文献 特開 昭62−54831(JP,A) 特開 平9−282664(JP,A) 特開 平6−338065(JP,A) 特開 平4−263129(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/00 - 7/007 G11B 7/12 - 7/135 G11B 7/30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学的情報記録媒体に情報を記録する場合
    の記録条件を設定するための試し書き方法であって、前
    記記録条件を変化させながらマークとスペースの長さが
    等しい単一パターンの繰り返し信号を前記光学的情報記
    録媒体に記録する過程と、該記録された信号を再生し
    て、再生信号のマークとスペースの長さが等しくなる第
    1の電圧レベルを検出する過程と、該再生信号の上下の
    エンベロープ信号の平均電圧レベルである第2の電圧レ
    ベルを検出する過程と、該第1の電圧レベルと第2の電
    圧レベルが略等しくなる前記記録条件を検出する過程
    と、を有することを特徴とする試し書き方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の試し書き方法において、
    前記光学的情報記録媒体として、相変化光ディスクを用
    いることを特徴とする試し書き方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の試し書き方法において、
    前記記録条件を検出する過程として、前記第1の電圧レ
    ベルと第2の電圧レベルとの差をもとに前記記録条件を
    検出することを特徴とする試し書き方法。
  4. 【請求項4】光学的情報記録媒体に情報を記録・再生す
    る情報記録再生装置であって、光発生手段と、該光発生
    手段からの光を集光し前記光学的情報記録媒体に光スポ
    ットを形成する集光手段と、前記光学的情報記録媒体か
    らの反射光を前記集光手段を介して検出する光検出器
    と、該光検出器からの信号を用いて前記光学的情報記録
    媒体に記録された情報を再生する再生手段と、前記光発
    生手段の光強度を制御する光強度制御手段と、前記再生
    手段及び前記光強度制御手段とを制御する中央制御手段
    と、を有し、 前記中央制御手段は、前記光強度制御手段を制御して、
    前記光発生手段の光強度を変化させながらマークとスペ
    ースの長さが等しい単一パターンの繰り返し信号を前記
    光学的情報記録媒体に記録し、前記再生手段を制御し
    て、前記記録された信号を再生し、再生信号のマークと
    スペースの長さが等しくなる第1の電圧レベルを検出
    し、該再生信号の上下のエンベロープ信号の平均電圧レ
    ベルである第2の電圧レベルを検出すると共に、該第1
    の電圧レベルと第2の電圧レベルが略等しくなる前記光
    発生手段の光強度を検出することを特徴とする情報記録
    再生装置。
  5. 【請求項5】光学的情報記録媒体に情報を記録再生する
    ための記録条件を設定する情報再生記録装置であって、 前記情報記録媒体にマークとスペースの長さが等しい単
    一パターンの信号が繰り返し記録されるように前記情報
    記録媒体に光を照射し、前記情報記録媒体に記録された
    前記単一パターンからの反射光を検出して信号を出力す
    る光ヘッドと、該光ヘッドからの信号により前記光学的
    情報記録媒体に記録された情報を再生し、該再生信号の
    マークとスペースの長さが等しくなる第1の電圧レベル
    を検出し、該再生信号の上下のエンベロープの平均電圧
    レベルである第2の電圧レベルを検出し、前記第1の電
    圧レベルと前記第2の電圧レベルとに基づいて前記記録
    条件を検出する再生手段、とを有することを特徴とする
    情報記録再生装置。
  6. 【請求項6】前記記録条件は、前記情報記録媒体に情報
    を記録する前記光の記録パワーであることを特徴とする
    請求項4又は5のいずれかに記載の情報記録再生装置。
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