JP3518159B2 - フェースパネル及びカラー陰極線管 - Google Patents

フェースパネル及びカラー陰極線管

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JP3518159B2
JP3518159B2 JP10735896A JP10735896A JP3518159B2 JP 3518159 B2 JP3518159 B2 JP 3518159B2 JP 10735896 A JP10735896 A JP 10735896A JP 10735896 A JP10735896 A JP 10735896A JP 3518159 B2 JP3518159 B2 JP 3518159B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高輝度で且つ高コ
ントラストな性能を有するカラー陰極線管およびその製
造方法に係り、特にフェースパネルの内面および外面に
形成する光選択吸収層の構造およびその形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カラー陰極線管のコントラストを向上さ
せる方法として、従来より様々な方法が提案されてい
る。例えば、一般的に行われている方法としては、その
内面に蛍光体層が形成されたフェースパネルとして、光
透過率が65%以上の高透過率ガラスに換えて、光透過
率が40〜45%程度の低透過率ガラスを使用する方法
がある。この場合、高透過率ガラスに比べて低透過率ガ
ラスは外光を多く吸収するので、コントラスト性能を向
上させることはできるが、同時に蛍光面からの発光も低
透過率ガラスにより多く吸収されるので、輝度が低下す
る。また、顔料付き蛍光体を蛍光体層に使用する方法も
よく知られているが、この方法では顔料濃度が高くなる
と蛍光体発光の一部が顔料に吸収され、やはり輝度が低
下する。
【0003】輝度を維持しつつ、高コントラスト化を図
る為の方法として、光透過率が50乃至60%程度の比
較的光透過率の高い中透過率ガラスをフェースパネルと
して用い、その外表面に3色蛍光体発光に対し高い光透
過率を有する光選択吸収層を設けることにより、効果的
に外光反射を低減させる方法も考えられている。通常、
この光選択吸収層は無機系あるいは有機系の顔料または
染料およびバインダーにより構成されるが、高輝度化を
図る為フェースパネルの光透過率を更に高くした場合に
は、外光反射の増大を抑えるために、これら顔料または
染料の濃度を増大させる必要がある。その結果、フェー
スパネルの外表面に形成された光選択吸収層の膜強度の
低下を招くことになり、膜に傷が入ったり剥離したりし
て外観を損ねるばかりでなく、映像品位にも影響を与え
る。
【0004】上記以外の方法として、フェースパネル内
面と蛍光体層との間に各色蛍光体と同色の顔料を含有す
る光選択吸収層を蛍光体各色それぞれに対し設ける方法
が考えられている。この方法は、フェースパネル内面に
フィルター層を設ける為、外表面に設けた場合にみられ
る様な、高顔料濃度域での膜強度低下の影響は受けな
い。従って、高光透過率フェースパネルと組み合わせれ
ば、高輝度化と高コントラスト化に非常に有効な方法で
ある。しかし、赤、緑、青の各色蛍光体層に対し、それ
ぞれ顔料フィルター層を設ける必要があり、そのため先
ず顔料フィルター層を写真製版法にてパタン形成し、そ
の後蛍光体層を写真製版法を用いて形成するので、工程
数が従来の2倍になる。 さらに、現像時の顔料粒子の
洗浄不良による混色や脱落あるいは露光時の位置ずれな
ど歩留まりを低下させる要因も多くなる為、製造コスト
が大幅に高くなるという欠点がある。
【0005】一方、パタン形成の必要がないフェースパ
ネル内面のフィルター層の形成方法として、特開平7−
240156号公報に青色顔料と赤色顔料との混合成分
あるいは単体の紫顔料からなる単層の光選択吸収層をフ
ェースパネル内面に形成する事が開示されている。とこ
ろで、フェースパネルの外面に単層の光選択吸収層を設
ける場合と同じく、高輝度化を図る為にフェースパネル
の光透過率を更に高くする場合、外光反射の増大を抑え
るために光選択吸収層を構成する顔料の濃度を増大させ
る必要がある。 その場合、特開平7−240156号
公報に開示されている方法では蛍光面が光選択吸収層の
透過率スペクトルにより規定される特定の色調を帯びて
しまう事は避け難く、陰極線管の表示性能上重要な黒色
の表現が困難になる。また、これを回避する為に顔料濃
度を同公報の実施例に示されている程度に低く設定した
場合、高光透過率フェースパネルとの組み合わせでは充
分なコントラストは得られない。即ち、特開平7−24
0156号公報に開示されている方法では輝度性能とコ
ントラスト性能の両方を向上させる事は困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた様に、高コ
ントラスト化を図る為の方策として、単に低透過率ガラ
スをフェースパネルに使用する方法あるいは顔料付き蛍
光体を用いる方法では輝度が低下し、外表面にのみ光選
択吸収層を設ける方法では顔料または染料濃度を増大さ
せた場合には形成された光選択吸収層の膜強度が低下す
るという問題点がある。また、フェースパネル内面と各
色蛍光体層との間に各蛍光体とそれぞれ同色の顔料フィ
ルター層を設ける方法では工程が増加し、製造コストが
大幅に高くなるという問題点がある。また、フェースパ
ネル内面のみに単層の光選択吸収層を設ける方法では顔
料濃度を増大させた場合には蛍光面が特定の色調を帯び
てしまうといった問題点がある。
【0007】本発明は、上述のような膜強度の低下や蛍
光面が特定の色調を帯びるという問題点を改善し、従来
とほとんど変わらない製造コストにて、高輝度で且つ高
コントラストな性能を有する高品位なカラー陰極線管あ
るいはその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るフェースパ
ネルは、高透過率ガラスと、当該高透過率ガラスの一面
に形成された赤色、緑色、青色の3色の蛍光体層と、当
該蛍光体層と上記高透過率ガラスとの間に形成され、赤
色蛍光体の主発光ピーク波長と緑色蛍光体の主発光ピー
ク波長の間に主吸収ピークを有する第1の光選択吸収層
と、上記高透過率ガラスの他面に形成され、赤色蛍光体
の主発光ピーク波長と緑色蛍光体の主発光ピーク波長の
間に主吸収ピークを有し、かつ、青色蛍光体の主発光ピ
ーク波長付近に副吸収ピークを有する第2の光選択吸収
層とを備え、上記第1の光選択吸収層と上記第2の光選
択吸収層とによる光透過率の低下が、前記高透過率ガラ
スにおける可視光波長域の光透過率全体の平均値に対し
て5%以上であることとしたものである。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、本発明の一実施の形態を図面に基
づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態1より得
られたカラー陰極線管の蛍光面の構成を示す部分断面図
である。図において、1はフェースパネル、2は黒色光
吸収層、3は内面光選択吸収層、4は蛍光体層、5は外
面光選択吸収層である。フェースパネル1の外表面には
多孔質シリカ(Si2)系の膜中に有機系顔料および染
料が分散混合された外面光選択吸収層5が形成されてい
る。一方、フェースパネル1の内面には従来のカラー陰
極線管の蛍光面と同様に黒色光吸収層2および赤色
(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の蛍光体層4
R、4G、4Bよりなる蛍光体層4が設けられている。
更に、フェースパネル1の内面と蛍光体層4との間に
は、単層の内面光選択吸収層3が設けられている。
【0016】図2は、フェースパネル1の内面に黒色光
吸収層1、内面光選択吸収層3、蛍光体層4を形成する
時の蛍光面形成の工程を示す図である。フェースパネル
1としては、光透過率の高いガラス(光透過率65%以
上)を用いている。まず、図2(a)に示すように、従
来より公知の写真製版や反転現像法を用いて、パターニ
ングされた黒色光吸収層2を形成する。次に、光吸収物
質として無機系の微粒子顔料である例えばアルミン酸コ
バルトBLUE顔料(平均粒径0.05μm)を分散さ
せ、かつ、適当なバインダーを含有させた下記の組成1
による懸濁液をフェースパネル1の内面に全面塗布し、
図2(b)に示すようにフェースパネル1の内面に対し
て内面光選択吸収層3を形成する。
【0017】組成1 アルミン酸コバルト顔料 7.5重量% コロイダルシリカ 0.4重量% 有機系分散剤 1.5重量% 水 90.6重量% 尚、無機系顔料分散液中に含有させるバインダーとして
は、コロイダルシリカに換えて、ポリビニールアルコー
ルあるいはアクリル樹脂等を用いてもよい。次に、図2
(c)に示すように、従来より公知の写真製版法を用い
て、3色の蛍光体層4R、4G、4Bよりなる蛍光体層
4を形成する。
【0018】更に、カラー陰極線管製造の最終工程にお
いて、下記に示す組成2の有機系顔料および染料分散液
をスピンコート法により塗布した後焼成し、フェースパ
ネル1の外面にシリカ(Si2)系膜の外面光選択吸収
層5を形成する。 組成2 ジオキサジンバイオレット 0.05重量% BasicYellow21 0.07重量% AcidRed52 0.05重量% シリコンアルコキシド 2.0重量% 水 10.0重量% エタノール 87.98重量%
【0019】図3は、上述した方法により得られたカラ
ー陰極線管のフェースパネル1の内面光選択吸収層3の
分光透過率スペクトルを示す図である。赤、緑、青の各
色の蛍光体発光スペクトルがそれぞれ625nm、53
5nm、450nmの波長に主発光ピークを有するのに
対し、本実施の形態による内面光選択吸収層3の分光透
過率スペクトルは、赤色および緑色の蛍光体発光の主発
光ピークの間の580nm付近の波長に主吸収ピ−クを
有している。この主吸収ピークの波長は人間の目の比較
的視感度の高い波長領域と一致しており、外光(白色
光)成分の内、この領域の光が吸収除去されるとコント
ラスト性能としては好ましいものとなる。
【0020】図4は、上述した組成2の塗布液を用いて
フェースパネル1の外表面に形成された外面光選択吸収
層5の分光透過率スペクトルを示す図である。内面光選
択吸収層3の分光透過率スペクトルと同様に、波長58
0nm付近に主吸収ピークを持っている。しかし、内面
光選択吸収層3の特性とは異なり、波長420nm付近
に副吸収ピークと波長535nm付近にショルダー(肩
部)を持っている。内面光選択吸収層3のこの副吸収ピ
ークおよびショルダーは、外面光選択吸収層5の波長5
80nm付近の主吸収ピークとバランスをとって蛍光面
を無彩色化するのに大きな役割を果たしている。すなわ
ち、内面光選択吸収層3と外面光選択吸収層5のそれぞ
れの分光等特性の組み合わせにより蛍光面の無彩色化を
有効に実現している。
【0021】上述したように本実施の形態においては、
フェースパネル1の内面とその内面に形成される3色蛍
光体層4との間に、3色蛍光体層4の発光に対して単一
の光学特性を有する単層の内面光選択吸収層3を形成す
るようにしているので、内面光選択吸収層3を形成する
ときに露光−現像プロセスを必要とせず、製造プロセス
が簡単で大幅な設備追加の必要がなくなる。さらに、露
光−現像プロセスを必要とする場合に予想されるような
歩留まりの低下も起こらず、製造コストの上昇が低く抑
えられる。また、光選択吸収層をフェースパネル内面と
外面の両方に形成しているので、高輝度化を図るために
フェースパネルに高い光透過率を有する高透過率ガラス
を用いた場合でも、外光反射の増大を抑えるための作用
を内面光選択吸収層3と外面光選択吸収層5の両方で受
け持てば良い。従って、片方の光選択吸収層のみに極端
に高濃度の吸光物質が必要とされる事がなく、外面のみ
に光選択吸収層を設けた場合にみられるような外面光選
択吸収層の膜強度の低下を防止することができる。
【0022】また、フェースパネル1の内面光選択吸収
層3および外面光選択吸収層5による輝度の低下率が、
内面光選択吸収層3および外面光選択吸収層5の分光透
過率スペクトルの掛け合わせによって得られるスペクト
ルの可視光波長域380nm〜730nmに於ける視感
度平均値に対し、3%以上高い範囲内にあるように設定
することにより各色蛍光体からの発光の減衰を少なくし
外光を効率よく吸収でき、コントラスト性能が向上す
る。ここで光選択吸収層による輝度の低下率が光選択吸
収層の分光透過率スペクトルの可視光波長域380nm
〜730nmに於ける視感度平均値に対し3%以上高い
範囲内にあるように設定すればよい理由は、この条件か
ら外れると、視感上のコントラスト性能向上の効果がな
くなるためである。
【0023】これは以下に説明する理由による。即ち、
コントラスト(C)は、次の式1により表される。 C=(Bon+Boff)/Boff ・・・ 式1 ここでBon は全面白色表示の時の発光輝度、Boffは何
も表示していないときの表示面での外光反射輝度であ
る。上式よりコントラストを向上させるためには、B
offつまり外光反射を低減させる事が有効である事が判
る。ここで光選択吸収層による輝度の低下率をx、光選
択吸収層の視感度平均光透過率をyとすると、光選択吸
収層を設けたカラー陰極線管のコントラスト(C’)は
次の式2により表される。 C’=(Bon×x+Boff×y2)/Boff×y2 ・・・ 式2
【0024】一方、従来より行われている通りフェース
パネルの光透過率を調整してコントラスト性能を向上さ
せる場合には、フェースパネルの光透過率を可視光波長
域に於いて均一に変化させる為、x=yとなりそのとき
のコントラスト(C”)は下式により表される。 C”=(Bon×y+Boff×y2)/Boff×y2 ・・・ 式3 ところで人間の目によりコントラストの優劣を識別する
ためには5%以上の差が必要である。従って、光選択吸
収層を設ける事によりフェースパネルの光透過率を調整
する以上のコントラスト性能を得る為にはC’≧1.0
5×C”で有る事が必要であり、これはx≧1.0×
yに相当する。
【0025】また、本実施の形態においては、フェース
パネル1の外表面に形成した外面光選択吸収層5は、内
面光選択吸収層3により決定される体色(ボデイカラー
とも称す)を無彩色化する様な吸収ピークをその分光透
過率スペクトル中に有する事により体色調整効果を持た
せている。この外面光選択吸収層5は、外光反射を吸収
する事によるコントラスト性能向上の効果に加えて蛍光
面の体色調整の効果を持つ。蛍光面の体色はカラーテレ
ビジョンあるいはディスプレイモニター等の画質の点か
らみれば無彩色である事か望ましく、蛍光面前面に光選
択吸収層を設けた場合、蛍光面がある特定の色調を帯び
てしまい純粋な黒の表現ができなくなり好ましくない。
【0026】これを改善する為には、光選択吸収層の分
光透過率スペクトルに於いて、主吸収ピークの他に適当
な副吸収ピークを設けて、これらの吸収の強度を調整し
て無彩色化する事が必要である。これを可能にするため
には2種類以上の吸光物質を混合して使用する必要があ
る。ところが、内面光選択吸収層3に使用できる吸光物
質は、カラー陰極線管の製造工程中で受ける4000
〜5000cの熱処理温度に対する安定性に加えて、カ
ラー陰極線管動作中に受ける電子線やX線に対する安定
性も要求され、無機系の顔料に限定される為、光吸収ス
ペクトルを変更あるいは調整する上で、使用できる材料
が少なく、内面光選択吸収層3のみで、体色を無彩色化
することが困難である。
【0027】一方、外面光選択吸収層5に使用する吸光
物質は、同層の形成工程がカラー陰極線管製造のほぼ最
終工程であるため、熱安定性を考慮する必要がない。ま
た、外表面に形成されているので、カラー陰極線管動作
中に受ける電子線やX線に対する安定性も考慮する必要
がない。これらの事から、外面光選択吸収層5には無機
系顔料に加え有機系顔料または染料が選択できる為、光
吸収スペクトルの変更や調整が比較的容易であり、内面
光選択吸収層3の色調とバランスさせて無彩色化する事
が可能となる。
【0028】蛍光面からの発光は、それぞれ625nm
(赤)、535nm(緑)、450nm(青)に主発光
ピークを有する。光選択吸収層により効果的にコントラ
スト性能を向上させるためには、人間の目の視感度が高
く、蛍光面からの発光に対する影響の少ない570〜6
10nm付近に主吸収ピークを置くとともに蛍光面から
の発光に出来るだけ影響しない波長帯に副吸収ピークを
設けて体色の調整を行うことが望ましい。こうした吸収
ピークを設けることにより蛍光面の輝度性能を維持しつ
つ、また体色に関しても無彩色をたもちながら、外光を
有効に吸収してコントラスト性能を向上させることが出
来る。本実施の形態は、上述の570〜610nm付近
の吸収ピークを主として内面光選択吸収層3に持たせ、
外面光選択吸収層5には上述の体色調整に適した吸収ピ
ークを持たせるようにしたものである。
【0029】実施の形態2.次にフェースパネル1の内
面に形成される内面光選択吸収層3の吸光物質に無機系
顔料の1つであるリン酸コバルトを用いた場合について
説明する。尚、製造方法等において、実施の形態1と同
様のものについては説明を省略し、本実施の形態におけ
る主要部分について説明する。本実施の形態では、リン
酸コバルトVIOLET顔料(平均粒径0.1μm)を
分散させた下記組成3の懸濁液をフェースパネル1の内
面全面に塗布し、図2(b)に示すように内面光選択吸
収層3を形成する。 組成3 リン酸コバルト顔料 15.0重量% コロイダルシリカ 0.8重量% 有機系分散剤 3.0重量% 水 81.2重量%
【0030】尚、使用される無機系顔料の平均粒径があ
る程度以上大きく(例えば、1.0μm以上に)なる
と、形成される内面光選択吸収層3に曇が生じ、光透過
率が低下し、輝度およびコントラスト性能の低下を招く
ことがある。従って、使用される無機系顔料の平均粒径
は、少なくとも1.0μm程度以下であることが望まし
い。このことは、実施の形態1の場合についても同様で
ある。また、本実施の形態におけるフェースパネル1の
外表面に形成される外面光選択吸収層5は、実施の形態
1と同じ材料・方法により形成される。
【0031】図5は、本実施の形態による方法で得られ
たカラー陰極線管の内面光選択吸収層3の分光透過率ス
ペクトルを示す図である。内面光選択吸収層3は蛍光面
からの発光の影響の少ない波長590nmおよび波長4
90nmに吸収ピークを有している。このうち特に波長
590nm付近の吸収ピークは人間の目の視感度の高い
領域と一致しており、また波長490nm付近の吸収ピ
ークにより前述の無彩色化の効果も得られるため、効果
的に外光反射が低減でき、高コントラスト化に有効であ
る事は明かである。
【0032】図6は、実施の形態1および2で得られた
カラー陰極線管の体色(ボディカラー)をCIE色度図
上で表現したものである。尚、体色とは、カラー陰極線
管の表示面に何も表示していない状態で照明等の光が表
示面で反射したときの反射率スペクトルにより規定され
る。図6において、実施の形態1で得られたカラー陰極
線管のボディカラーを□印(x=0.293、y=0.
307)、実施の形態2で得られたカラー陰極線管のボ
デイカラーを▽印(x=0.315、y=0.300)
で示す。また、比較の為にパネルガラスに中透過率ガラ
スを用い外面に光選択吸収層を設けた従来品1のボディ
カラーを○印(x=0.306、y=0.311)で、
またパネルガラスに低透過率ガラスを用いた従来品2の
ボディカラーを●印(x=0.321、y=0.33
2)で示す。
【0033】更に、△印は、x=0.319、y=0.
332の点を示しており、この点を中心に半径0.05
の領域を実線の円で示している。この円内は黒の表現に
適した領域である。この領域から外れると、その外れた
方向により蛍光面が特定の色調を帯び、純粋な黒が表現
できなくなる。例えば、◇印で示したボディカラー(x
=0.351、y=0.390)を持つテスト1のカラ
ー陰極線管では蛍光面が黄緑色の色調を帯び、また、◆
印(x=0.280、y=0.269)で示したボディ
カラーを持つテスト2のカラー陰極線管では蛍光面が青
色の色調を帯び、いずれも黒の表現に好ましくない。
【0034】図7は、実施の形態1および2により得ら
れたカラー陰極線管の特性をパネルガラスに低透過率ガ
ラスを用いた従来品(従来品2)を100として評価し
た結果を示すものである。尚、図7には比較のためにパ
ネルガラスに中透過率ガラスを用い、外表面に光選択吸
収層を設けた陰極線管(従来品1)の値も併せて記載し
てある。図7より判るように、実施の形態1あるいは2
によるカラー陰極線管では、従来品1に比べて、輝度性
能で7%、コントラスト性能で20および30%の性能
の向上が認められる。
【0035】また、従来品2と比較すれば輝度性能で2
0%、コントラスト性能で20および30%性能が向上
している。この性能向上は、従来品1の製造工程と比べ
ると、蛍光面形成工程において顔料分散液の塗布工程が
1工程増えるのみの工程変更にて、また、従来品2の製
造工程と比較しても同塗布工程と、最終工程にて無機系
または有機系の顔料または染料分散液を塗布する工程の
2工程が増えるのみの工程変更にて可能となったもので
ある。
【0036】
【発明の効果】この発明に係るフェースパネルによれ
ば、高透過率ガラスと、高透過率ガラスの一面に形成さ
れた赤色、緑色、青色の3色の蛍光体層と、蛍光体層と
高透過率ガラスとの間に形成され、赤色蛍光体の主発光
ピーク波長と緑色蛍光体の主発光ピーク波長の間に主吸
収ピークを有する第1の光選択吸収層と、高透過率ガラ
スの他面に形成され、赤色蛍光体の主発光ピーク波長と
緑色蛍光体の主発光ピーク波長の間に主吸収ピークを有
し、かつ、青色蛍光体の主発光ピーク波長付近に副吸収
ピークを有する第2の光選択吸収層とを備え、第1の光
選択吸収層と第2の光選択吸収層とによる光透過率の低
下が、高透過率ガラスにおける可視光波長域の光透過率
全体の平均値に対して5%以上であることしたたの
で、高輝度化を図るためにフェースパネルに高い光透過
率を有するガラスを用いた場合でも、外光反射の増大を
抑えるための効果(高コントラスト化)を内面光選択吸
収層と外面光選択吸収層の両方で分担して受け持てば良
い。従って、内面あるいは外面いずれか片方の光選択吸
収層のみに極端に高濃度の吸光物質が必要とされる事が
なく、例えば外面のみに光選択吸収層を設けた場合にみ
られるような外面光選択吸収層の膜強度の低下を防止す
ることができる。また、内面光選択吸収層を形成すると
きに露光−現像プロセスを必要としないので、製造プロ
セスが簡単になるとともに歩留まりの低下も防止でき、
製造コストの上昇が低く抑えられる。すなわち、外表面
の光選択吸収層の膜強度を維持できるとともに、高輝度
で且つ高コントラストな性能を有する高品位なカラー陰
極線管を安価な製造コストで提供できるという効果があ
る。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る陰極線管の蛍光面の構成を示す
部分断面図である。
【図2】 本発明に係る蛍光面の形成工程を示す工程図
である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る陰極線管の内面
光選択吸収層の光学特性を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係る陰極線管の外面
光選択吸収層の光学特性を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態2に係る陰極線管の内面
光選択吸収層の光学特性を示す図である。
【図6】 本発明に係る陰極線管の体色を示す図であ
る。
【図7】 本発明に係る陰極線管の特性を評価した結果
を示す図である。
【符号の説明】
1 フェースパネル 2 黒光色吸収層 3
内面光選択吸収層 4 蛍光体層 5 外面光選択吸収層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/28 H01J 29/32 H01J 29/88

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高透過率ガラスと、 当該高透過率ガラスの一面に形成された赤色、緑色、青
    色の3色の蛍光体層と、 当該蛍光体層と上記高透過率ガラスとの間に形成され、
    赤色蛍光体の主発光ピーク波長と緑色蛍光体の主発光ピ
    ーク波長の間に主吸収ピークを有する第1の光選択吸収
    層と、 上記高透過率ガラスの他面に形成され、赤色蛍光体の主
    発光ピーク波長と緑色蛍光体の主発光ピーク波長の間に
    主吸収ピークを有し、かつ、青色蛍光体の主発光ピーク
    波長付近に副吸収ピークを有する第2の光選択吸収層と
    を備え、 上記第1の光選択吸収層と上記第2の光選択吸収層とに
    よる光透過率の低下が、前記高透過率ガラスにおける可
    視光波長域の光透過率全体の平均値に対して5%以上で
    あることを特徴とするフェイスパネル。
  2. 【請求項2】 第1の光選択吸収層に使用される吸光物
    質は、 無機系顔料のみであることを特徴とする請求項1に記載
    のフェイスパネル。
  3. 【請求項3】 無機系顔料は、 リン酸コバルトであることを特徴とする請求項1又は2
    に記載のフェイスパネル。
  4. 【請求項4】 CIE色度図上の体色が、 x=0.319、y=0.332を中心とする半径0.
    05の円の領域内にあることを特徴とする請求項1から
    3のいずれか1項に記載のフェイスパネル。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    フェイスパネルを備え、 高透過率ガラスの一面を電子線が到来する内面側に、他
    面を外表面側として配設することを特徴とするカラー陰
    極線管。
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