JPH09293463A - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

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JPH09293463A
JPH09293463A JP10562696A JP10562696A JPH09293463A JP H09293463 A JPH09293463 A JP H09293463A JP 10562696 A JP10562696 A JP 10562696A JP 10562696 A JP10562696 A JP 10562696A JP H09293463 A JPH09293463 A JP H09293463A
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pigment
filter layer
color
ray tube
cathode ray
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JP10562696A
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English (en)
Inventor
Noritsuna Hashimoto
典綱 橋本
Takeshi Maekawa
武之 前川
Junichiro Hoshizaki
潤一郎 星崎
Sadaji Takahashi
貞治 高橋
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光体の発光色に対応したパターン形成の必
要がない共通フィルタ層を用いた場合、充分なコントラ
ストおよび輝度が得られない。 【解決手段】 フェイスガラス1内面と赤色、緑色およ
び青色の蛍光体層3r、3g、3bとの間に、前記3色
の蛍光体層に対して同一の顔料で構成されたフィルタ層
4が形成されているカラー陰極線管において、前記同一
の顔料はその粉末反射スペクトルが、波長460〜51
0nmの領域および波長560〜600nmの領域に反
射率のボトムを有し、かつ波長510〜560nmの領
域に反射率のピークを有するものである。また、同一の
顔料は、無水リン酸コバルト顔料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビ受像器やデ
ィスプレイに用いられるカラー陰極線管に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、画像表示装置として広く用いられ
ているカラー陰極線管では、輝度、解像度、コントラス
トなどの特性向上にさまざまな改良が加えられてきた。
【0003】コントラスト(C)は、次式で表される。 C=(Bon+Boff)/Boff ここで、Bonは全面白色表示のときの発光輝度、B
offはなにも表示していないときに照明などの光が表示
面で反射したときの輝度である。コントラストを向上さ
せるためには、Boffつまり外光反射を抑えるのが有効
であることが前式から分かる。
【0004】外光反射にはフェイスガラスの外表面での
反射に加えて、フェイスガラスを透過した光が蛍光体層
で反射され再びフェイスガラスを透過してくるものがあ
るが、フェイスガラス外表面での反射を抑えるために、
例えば、特開昭63−71801号公報ではフェイスガ
ラス側から連続的に屈折率が減少する反射防止膜を形成
することが提案されている。また、特開平1−1544
44号公報では高屈折率材料と低屈折率材料を積層した
2層反射防止膜が提案されている。しかし、このような
方法ではフェイスガラス外表面での反射を少なくするこ
とはできるが、フェイスガラスを透過した光の反射を抑
える効果はない。次に、フェイスガラスを透過して蛍光
面で反射される光を弱める方法として、フェイスガラス
の透過率を下げる、あるいは蛍光体層の反射率を低くす
る、という2つの方法がある。フェイスガラスの透過率
を下げる方法として、現在では平均透過率が約55%の
ティント、あるいは平均透過率が約45%のダークティ
ントと呼ばれるガラス生地が用いられている。さらに蛍
光体層の反射率を低くする方法として、刊行物(「蛍光
体ハンドブック」 蛍光体同学会編、オーム社、198
7年、P.257)に記載されているように、一般には
顔料付き蛍光体が用いられる。これは体色の白い青色お
よび赤色蛍光体の粉末粒子表面にそれぞれの色の発光波
長以外の領域に選択吸収特性をもつ微粒子の無機顔料を
付着させたものである。この顔料付き蛍光体を用いるこ
とで、各色の発光以外の波長の光を吸収して外光の反射
を抑えることができる。なお、緑色蛍光体は体色が黄色
であり、蛍光体自身が発光波長以外の光をある程度吸収
するため顔料は使われていない。
【0005】図4にこのような従来のカラー陰極線管の
蛍光面を示す。図において、1はフェイスガラス、2は
ブラックマトリックス、3r、3g、3bはそれぞれス
トライプあるいはドット状に形成された赤、緑および青
色蛍光体層、5はメタルバックである。このように構成
されたものにおいて、上記のように低透過率のガラス1
と顔料付き蛍光体層3r、3g、3bを組み合わせて輝
度とコントラストを決定している。しかし、これらの技
術には以下のような問題がある。
【0006】フェイスガラス1は外光を吸収すると同時
に蛍光体層3r、3g、3bからの発光も吸収するた
め、透過率の低いガラスでは蛍光体層3r、3g、3b
からの発光の利用効率が低くなる。また、フェイスガラ
ス1は真空容器としての構造から中央より周辺部が厚く
なる。ガラスの透過率が低い場合、厚みの変化に対する
透過率変化が大きいため、中央と周辺での透過率差が大
きくなり、輝度均一性が高透過率ガラスを用いた場合よ
りも悪くなる。
【0007】さらに、顔料付き蛍光体を用いた蛍光体層
3r、3g、3bでは、外光の吸収に有効に作用する顔
料はフェイスガラス1側に近い位置にあるものだけで、
それ以外の部分に存在する顔料、例えばメタルバック5
側に近い位置の蛍光体粒子に付着した顔料は外光の吸収
に寄与しない。また、顔料は蛍光体の発光に対して完全
に透明ではなく、ある程度吸収がある。そのため、外光
反射の低減に寄与しない顔料は輝度低下の作用しかな
い。
【0008】近年、これらの問題を解決する方法とし
て、特開平1−7457号公報や特開平5−27500
6号公報などに蛍光体層3r、3g、3bとフェイスガ
ラス1の間に超微粒子無機顔料でカラーフィルタを形成
し、高透過率のガラスと組み合わせることでコントラス
トを低下させることなく輝度を向上させる技術が提案さ
れている。図5に従来のカラーフィルタ付き蛍光面の断
面構成図を示す。図において、4r、4g、4bはそれ
ぞれ赤色、緑色および青色無機顔料フィルタ層である。
各蛍光体層3r、3g、3bおよび各無機顔料フィルタ
層4r、4g、4bはそれぞれストライプあるいはドッ
ト状に形成されている。各色蛍光体層3r、3g、3b
で発光した光はそれぞれのフィルタ層4r、4g、4b
を透過して表示画像を形成する。それぞれのフィルタ層
4r、4g、4bの透過率は、それぞれの発光色に対応
した波長領域で高く、それ以外の波長領域で低くなるよ
うに設定されている。
【0009】このように形成された蛍光面では、フェイ
スガラス1を透過して入射してくる外光は主にフィルタ
層4r、4g、4bで吸収される。一方蛍光体層3r、
3g、3bからの発光はフィルタ層4r、4g、4bを
透過するがそのときの減衰は少ない。このように、フィ
ルタ層4r、4g、4bで外光を吸収するため、図4の
場合に比べて高い透過率を有するフェイスガラス1を用
いることができる。
【0010】フィルタ層4r、4g、4bに用いる材料
として、赤色にFe23、青色にCoO・Al23、緑
色にTiO2・CoO・NiO・ZnOあるいはCoO
・CrO2・TiO2・Al23などの顔料が、刊行物
(SID(Society for Information Display) 95
DIGEST, 1995年 P25〜27)で提案され
ている。また、フィルタ層4r、4g、4bには透明性
が必要なため、これら顔料粒子の粒径は1μm以下であ
ることが開示されている。
【0011】カラーフィルタ層を形成する他の例とし
て、特開昭58−89765号公報では、赤色蛍光体層
3rに紫色系顔料、例えばコバルトバイオレット顔料あ
るいは群青バイオレット顔料、を導入することが開示さ
れている。また、特公昭63−48385号公報では、
赤色および青色蛍光体層3r、3bに対応して淡口コバ
ルトバイオレットあるいはマンガンバイオレット顔料で
フィルタ層を形成したものが開示されている。しかし、
いずれの場合でも、赤色蛍光体層3rあるいは青色蛍光
体層3bに対応した位置に露光・現像工程を用いてフィ
ルタを形成する必要がある。
【0012】しかし、前記のフィルタ層を設けるそれぞ
れの公知例には以下に述べるような問題がある。各色に
それぞれ対応したフィルタ層4r、4g、4bを設ける
ためには、ブラックマトリックス2を形成した後に感光
性樹脂に分散した顔料スラリーの塗布・乾燥工程さらに
はシャドウマスクを露光マスクとした露光と余分な部分
に付着した顔料を取り去る現像工程をそれぞれ3回追加
する必要がある。このプロセスは、その後工程である蛍
光体層3r、3g、3bの形成プロセスと基本的に同じ
であり、蛍光面形成プロセスが2倍になることを意味す
る。
【0013】また、フィルタ層4r、4g、4b形成の
ために露光と現像工程を繰り返すには、液注入装置、振
り切り乾燥装置、シャドウマスクの着脱装置や露光・現
像装置などの大幅な追加装置が必要である。さらにはシ
ャドウマスクの着脱を繰り返すときに生じる位置再現の
変動による位置ずれ、現像時の顔料粒子の残渣や脱落な
ど、歩留まりを低下させる要因が多くなる。したがっ
て、フィルタ層4r、4g、4b形成に必要なプロセス
の増加および顔料やインクなどの材料費の増加ととも
に、設備投資と歩留まり低下により製造コストが大幅に
上昇するという問題がある。
【0014】一方、蛍光体の発光色に対応したパターン
形成の必要がないフィルタとして、特開昭58−774
9号公報に3色蛍光体に対してネオジウム化合物からな
る共通のフィルタ層を形成することが開示されている。
さらに、特開平7−240156号公報に青色顔料と赤
色顔料の混合した顔料あるいは紫色顔料を用いて3色蛍
光体に対して共通のフィルタ層を形成することが開示さ
れている。紫色顔料として淡口コバルトバイオレットあ
るいはマンガンバイオレットが使われている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
蛍光体の発光色に対応したパターン形成の必要がない共
通フィルタ層を用いるものには次のような問題がある。
前記従来例特開昭58−7749号公報に示される酸化
ネオジウムの体色は白っぽく、白色光に対する反射率が
高い。つまり、ネオジウム元素の吸収部分以外の波長領
域での吸収が弱く、外光の吸収効果は小さい。フィルタ
層の平均透過率が、波長400〜500nmの領域で8
3%、波長500〜600nmの領域で70%、波長6
00〜800nmの領域で80%となり、外光に対する
透過率は平均で76%になる。したがって、酸化ネオジ
ウムで形成したフィルタ層と高透過率フェイスガラスと
の組み合わせでは十分なコントラストは得られない。
【0016】さらに前記従来例特開平7−240156
号公報に示されるような青色顔料と赤顔料を混合して形
成されたフィルタでは、緑色の領域つまり波長が500
nm〜600nmの領域で透過率が低くなってしまう。
そのため、緑色蛍光体からの発光がフィルタ層で吸収さ
れ輝度が低下する。また、同従来例では紫色顔料でフィ
ルタ層を形成する方法が述べられているが、その実施例
で示されるような淡口コバルトバイオレットやマンガン
バイオレットでも後で図3を用いて説明するようにやは
り緑色領域の透過率は低くなり、輝度低下をまねく。し
たがって紫色顔料として青色顔料と赤色顔料の混合ある
いは淡口コバルトバイオレットやマンガンバイオレット
のようなものでは輝度が十分取れないという欠点があ
る。
【0017】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、3色蛍光体に対して共通のフィ
ルタ層に用いる顔料として紫色顔料の中からある特定の
反射特性を持つものを選んだもので、緑色発光の利用効
率を向上して輝度を向上でき、しかもコントラストも損
なうことなく、低製造コストに優位なカラー陰極線管を
提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係わるカラ
ー陰極線管は、フェイスガラス内面と赤色、緑色および
青色の蛍光体層との間に、前記3色の蛍光体層に対して
同一の顔料で構成されたフィルタ層が形成されているカ
ラー陰極線管において、前記同一の顔料はその粉末反射
スペクトルが、波長460〜510nmの領域および波
長560〜600nmの領域に反射率のボトムを有し、
かつ波長510〜560nmの領域に反射率のピークを
有するものである。
【0019】第2の発明に係わるカラー陰極線管は、前
記フィルタ層を構成する顔料が、化学式(1) (Co1-x2x3(PO42 (0≦x≦1/3) (MはLi、K、Naのうちの少なくとも一種)または
化学式(2) (Co1-xM’x3(PO42 (0≦x≦0.5) (M’はSr、Ca、Baのうちの少なくとも一種)で
示される組成を有するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、本発明の実施の形態1を図に従っ
て説明する。図1は本発明の実施の形態によるカラー陰
極線管の蛍光面の断面構成図である。図において、1は
フェイスガラス、2はブラックマトリックス、3r、3
g、3bはそれぞれ赤色、緑色および青色蛍光体層、4
は3色の蛍光体に対して同一の顔料を有する共通のフィ
ルタ層、5はメタルバックである。ただし、フェイスガ
ラス1は図4で説明した従来例のティントガラスやダー
クティントガラスではなく、可視光に対する平均透過率
が約80%のクリアガラスである。
【0021】通常ブラックマトリックス2は次に述べる
ような方法で形成する。光硬化型レジストをフェイスガ
ラス1内面全体にスピンコートで塗布し、乾燥後、シャ
ドウマスク(図示せず)を介して赤色、緑色および青色
の蛍光体が形成される位置に紫外線を露光する。そうす
ると光の照射された部分のレジストが硬化して水に対し
て不溶になる。温水スプレーによりレジストを現像して
露光されなかった部分のレジストを除去する。次にブラ
ックマトリックス用のグラファイトを塗布して乾燥さ
せ、最後に過酸化水素などを成分とするエッチング液で
先ほどの露光で硬化したレジスト膜を除去する。このよ
うにして、赤色、緑色および青色蛍光体が形成される位
置以外のところにブラックマトリックス2が形成でき
る。なお、以上述べたブラックマトリックス2は、通常
TV管ではストライプ状であるが、ディスプレイ管でよ
く使われるドット状でもよい。
【0022】次にフィルタ層4に用いるインクを以下の
手順で作製する。Co3(PO42の顔料微粒子をポリ
カルボン酸アンモニウムを分散剤として0.5wt%の
ポリビニルアルコールを含む水溶液と混合する。固形分
濃度は約10wt%に設定する。アルミナボールおよび
ミルポットを用いて約24時間ボールミルを行い均一に
分散する。この溶液から粗大粒子を除くため定性濾紙を
用いて濾過する。最後に乾燥速度とガラスへのぬれ性を
よくするためにメチルアルコールを重量比で10%混合
する。
【0023】上記のような手順で作製したインク中のC
3(PO42粒子の粒度分布を測定したところ、平均
粒径は0.5μmであった。このインクをブラックマト
リックス2形成後のフェイスガラス1内面に注入し、フ
ェイスガラス1を回転してフィルタ層4を形成した。フ
ィルタ層4の膜厚は約1.8μmであった。乾燥後に次
工程である蛍光体塗布を行った。ただし、赤色および青
色蛍光体は顔料付着のない蛍光体を用いた。その後通常
のCRTの封着、排気工程を経てカラー陰極線管を作製
した。
【0024】図2にCo3(PO42を用いたフィルタ
層4の透過スペクトルを示す。赤色、緑色および青色蛍
光体3r、3g、3bの発光スペクトルのピーク位置
(それぞれ450、540、620nm)に対応した部
分で透過率が高くなり、それ以外の領域で透過率が低く
なっている。よって、表示面に外光が入射するとフェイ
スガラス1を透過した光の中で蛍光体3r、3g、3b
の発光波長以外の領域の光がフィルタ層4で吸収され
る。蛍光体3r、3g、3bの発光はフィルタ層4であ
る程度の吸収はあるが、フェイスガラス1の透過率が8
0%と従来のティントガラスやダークティントガラスよ
り高いため、結果的に輝度は高くなる。例えば、緑色の
発光のピーク波長540nmでのフィルタ層4の透過率
は80%であり、クリアガラスの透過率80%と合わせ
て全体の透過率は64%となる。一方、従来のティント
ガラスではその波長での透過率は55%である。そのた
め、蛍光体層3gからの発光の減衰は本実施の形態によ
るフィルタ層4を用いたものの方が少なくなる。上記の
ような効果は、赤色および青色の発光に対しても同様で
ある。これらの蛍光体3r、3bはフィルタ層4と組み
合わせる場合には顔料を含まない。そのため、顔料によ
る発光の吸収がないため輝度向上の効果は緑色発光の場
合よりさらに大きい。
【0025】次に外光の反射を考える。フィルタ層4を
用いた場合、波長500nmでの外光反射率はフェイス
ガラス1の透過率80%とフィルタ層4の透過率70%
の積の2乗、すなわち31.4%となる。一方、従来の
ティントガラスでは透過率55%の2乗すなわち30.
3%となり、フィルタ層4を用いた場合でもコントラス
トは同等になる。
【0026】さらに、3,000時間連続して白色画面
を表示したが、フィルタ層4からのガス放出による電子
ビーム電流の減少や顔料フィルタ層4の色が変わるなど
の劣化は認められなかった。
【0027】図3に本実施の形態に使用したCo3(P
42と従来例の淡口コバルトバイオレットおよびマン
ガンバイオレット(MnNH427)の粉末反射スペ
クトルをそれぞれ曲線6、7、8で示す。曲線7で示さ
れる淡口コバルトバイオレットはCo3(AsO42
8H2OあるいはCo3(PO42・8H2Oで示される
8水和物であり曲線8で示されるマンガンバイオレット
同様、赤色および青色蛍光体3r、3bの発光スペクト
ルのピーク位置に対応した波長450および620nm
の近辺で反射率は高くなっているが、曲線6で示される
Co3(PO42に比べて緑色に対応した510〜56
0nmの領域で反射率が低くなっている。これはフィル
タ層を形成した場合に緑色成分の吸収が大きいためにそ
の部分の透過率が低くなることを示している。
【0028】上記のように本実施の形態によるカラー陰
極線管では、3色蛍光体、特に緑色蛍光体3gからの発
光の減衰が少なくなり、かつ赤色と緑色の間および緑色
と青色の間に相当する460〜510および560〜6
00nmの領域でフィルタ層4が外光の反射を効率よく
吸収するため、コントラストを損なうことなく輝度を向
上できる。また、フィルタ層4の形成に露光技術を用い
る必要がないため、設備の大幅な追加の必要がなく、歩
留まり低下の要因もなく、コストの急激な上昇を招かな
い。
【0029】実施の形態2.実施の形態1において、C
3(PO42の代わりにCoLiPO4用いて、以下実
施の形態1と同様にフィルタ層4を形成し、カラー陰極
線管を作製した。この場合も図2と同様な透過特性をも
つフィルタ層4が形成され、実施の形態1と同様の効果
があった。さらに、Coの一部をLiに置き換えること
で水系インク中での分散状態の安定性が向上する効果が
あった。
【0030】実施の形態3.実施の形態1において、フ
ィルタ層4に用いるインクを以下の手順で作製する。
(Co0.98Ca0.023(PO42の顔料微粒子をポリ
スチレン酸アンモニウムを分散剤として0.5wt%の
水ガラスを含む水溶液と混合する。固形分濃度は約15
wt%に設定する。ガラスビーズおよびガラスポットを
用いて約12時間ペイントシェイカーで均一に分散す
る。この溶液から粗大粒子を除くため定性濾紙を用いて
濾過する。
【0031】このインクを用いて、以下実施の形態1と
同様にフィルタ層4を形成し、カラー陰極線管を作製し
た。この場合も実施の形態1と同様の効果があった。さ
らに、実施の形態1のCoの一部をCaに置き換えるこ
とで波長600nmより長波長側の透過率が上がる効果
があった。
【0032】実施の形態4.実施の形態2において、フ
ィルタ層4の顔料をCo2.960.02PO4に変え、以下
の工程を実施の形態1と同様に行ってカラー陰極線管を
作製した。この場合も実施の形態1と同様な効果があっ
た。さらに、実施の形態1のCoの一部をKに置き換え
ることで実施の形態2と同様に水系インク中での分散状
態が長時間安定した。なお、Kの代わりにNaを用いた
場合でも同様な効果があった。
【0033】実施の形態5.実施の形態3において、フ
ィルタ層4の顔料組成のCaをSrに変え、以下の工程
を実施の形態3と同様に行ってカラー陰極線管を作製し
た。この場合も実施の形態1と同様な効果があった。さ
らに、実施の形態1のCoの一部をSrに置き換えるこ
とで実施の形態3と同様に波長600nmより長波長側
の透過率が上がった。なお、Srの代わりにBaを用い
た場合でも同様な効果があった。
【0034】なお、上記各実施の形態において、インク
組成として水を主成分とする分散溶媒の例を示したが、
エタノールを主成分とする分散溶媒など、溶剤系の分散
溶媒でもよい。また、分散剤としても上述した材料に限
定されず、使用する顔料に適した他の分散剤を使用して
よいことはいうまでもない。
【0035】さらに、上記各実施の形態ではフィルタ層
4を一種類の顔料で形成した例を示したが、二種類以上
の顔料を混合してフィルタ層4を形成しても同様の効果
が得られる。
【0036】また、Coの一部を一種類の元素で置換し
た例を示したが、複数種類の元素で同時に置換してもよ
い。ただし、全体の置換量が、Li、K、Naで置換す
る場合は化学式(1)で示されるxとして0以上1/3
以下であり、Sr、Ca、Baで置換する場合は化学式
(2)で示されるxとして0以上0.5以下であるのが
好ましい。化学式(1)で示されるものの場合に置換量
が上限値を超えると波長600nmより長波長側での透
過率低下が大きくなり、化学式(2)で示されるものの
場合に置換量が上限値を超えると異相が生じて顔料とし
ての着色力が低下する。
【0037】また、顔料の粒子径は1μm以下が望まし
く、それより大きな粒子径の顔料でフィルタ層4を形成
した場合、光の散乱が大きくなり、透過スペクトルのピ
ークとボトムとの差が小さくなり十分な外光吸収効果が
得られなくなる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、フェイ
スガラス内面と赤色、緑色および青色の蛍光体層との間
に、前記3色の蛍光体層に対して同一の顔料で構成され
たフィルタ層が形成されているカラー陰極線管におい
て、前記同一の顔料はその粉末反射スペクトルが、波長
460〜510nmの領域および波長560〜600n
mの領域に反射率のボトムを有し、かつ波長510〜5
60nmの領域に反射率のピークを有するものであるの
で、各色蛍光体特に緑色蛍光体からの発光の減衰が少な
くなり、かつ外光の反射を効率よく吸収できるため、コ
ントラストを損なうことなく輝度を向上できる。さらに
は、フィルタ層の形成に露光技術を用いる必要がないた
め、設備の大幅な追加の必要がなく、歩留まり低下の要
因もなく、製造コストの上昇も抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1によるカラー陰極線管
の蛍光面の断面構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態1におけるフィルタ層の
透過スペクトルを示す線図である。
【図3】 本発明および従来例に用いられる各顔料の粉
末反射スペクトルを示す線図である。
【図4】 従来のカラー陰極線管の蛍光面の断面構成図
である。
【図5】 別の従来のカラー陰極線管の蛍光面の断面構
成図である。
【符号の説明】
1 フェイスガラス、 2 ブラックマトリックス、
3r 赤色蛍光体層、3g 緑色蛍光体層、 3b 青
色蛍光体層、 4 共通フィルタ層、 4r赤色フィル
タ層、 4g 緑色フィルタ層、 4b 青色フィルタ
層、 5メタルバック。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 貞治 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェイスガラス内面と赤色、緑色および
    青色の蛍光体層との間に、前記3色の蛍光体層に対して
    同一の顔料で構成されたフィルタ層が形成されているカ
    ラー陰極線管において、前記同一の顔料はその粉末反射
    スペクトルが、波長460〜510nmの領域および波
    長560〜600nmの領域に反射率のボトムを有し、
    かつ波長510〜560nmの領域に反射率のピークを
    有するものであることを特徴とするカラー陰極線管。
  2. 【請求項2】 前記フィルタ層を構成する顔料が、化学
    式(1) (Co1-x2x3(PO42 (0≦x≦1/3) (MはLi、K、Naのうちの少なくとも一種)または
    化学式(2) (Co1-xM’x3(PO42 (0≦x≦0.5) (M’はSr、Ca、Baのうちの少なくとも一種)で
    示される組成を有するものであることを特徴とする請求
    項1記載のカラー陰極線管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7227302B2 (en) 2004-09-21 2007-06-05 Matsushita Toshiba Picture Display Co., Ltd. Color cathode-ray tube

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