JP3517250B2 - 光伝送路用ガラスファイバ母材の製造方法 - Google Patents
光伝送路用ガラスファイバ母材の製造方法Info
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B37/00—Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
- C03B37/01—Manufacture of glass fibres or filaments
- C03B37/012—Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
- C03B37/014—Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
- C03B37/01413—Reactant delivery systems
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B2201/00—Type of glass produced
- C03B2201/06—Doped silica-based glasses
- C03B2201/08—Doped silica-based glasses doped with boron or fluorine or other refractive index decreasing dopant
- C03B2201/12—Doped silica-based glasses doped with boron or fluorine or other refractive index decreasing dopant doped with fluorine
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- Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光伝送路用ガラスファイ
バ母材の製造方法、特には高品質の要求される光ファイ
バ用母材の製造における中間製品としての多孔質ガラス
プリフォームの製造方法の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】光ファイバ用母材の製造における多孔質
ガラスプリフォームの製造については、コア用のガラス
ロッドの外周部に燃焼バーナーにより生成したガラス微
粒子を堆積させ、コア用のガラスロッドまたは燃焼バー
ナーを1回以上トラバースする外付け法が公知とされて
いる(特開昭48‐73522号公報参照)。しかし、
この方法では上記したガラスロッドとその外周に生成さ
れるガラス微粒子との界面に気泡の発生することがよく
あることから、これについてはガラス微粒子を堆積する
前に、ガラスロッドを予熱する方法が提案されている
(特開昭60‐60935号公報、特開平2‐2435
31号公報参照)。 【0003】そして、これによれば上記ガラスロッドが
予熱されていることから、ガラスロッドに対するガラス
微粒子の付着具合いがよくなり、気泡の発生もなくなる
けれども、これにはその反面において、この加熱が予熱
バーナーを介して行なわれ、上記ガラスロッドの表面か
ら水分が浸入してOH基が生成されるので、このものは
伝送損失の大きいものになるという問題点が発生する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】そのため、このガラス
ファイバ用母材の製造方法については、ガラス原料にな
らない塩素または塩素化合物を含んだ火炎により上記ガ
ラスロッドを予熱し、その後ガラスロッドの外周にガラ
ス微粒子を堆積形成させる方法(特開昭60‐2643
38号公報参照)、また上記ガラス微粒子堆積中にガラ
ス生成用バーナーより塩素を流す方法(特開昭64‐9
829号公報参照)、さらには堆積面の温度(以下、堆
積温度と称する)を600〜650℃の低温に維持する
ことによって、OH基の拡散を防止しようとする方法
(特開平1−111747号公報参照)などが提案され
ているが、これらの方法ではOH基の生成は抑制できて
も、ガラス微粒子堆積中の火炎温度が低くなるので、ガ
ラス微粒子の密度が低くなり、ガラス微粒子堆積中また
は堆積後、ガラス微粒子堆積体の表面が割れるという問
題が発生するし、火炎温度が高いときにはOH基の生成
が活発となり、伝送損失が大きくなるという問題が起こ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、このような不
利を解決した光伝送路用ガラスファイバ母材の製造方法
に関するものであり、これは光ファイバ用母材の一部と
なるシリカを主成分とするガラスロッドの外周部に、火
炎加水分解反応により生成した主成分がシリカであるク
ラッド用のガラス微粒子層を堆積させて多孔質ガラスプ
リフォームとなし、ついでこの多孔質ガラスプリフォー
ムを脱水、透明ガラス化する光ファイバ母材の製造方法
において、前記クラッド用のガラス微粒子を堆積させる
工程で、原料ガスのけい素化合物1モルに対して、CH
F3,CF2Cl2,CF3Cl,C2F3Cl,C3F8から
少なくとも1種選択されるフッ素含有化合物ガスを0.
05〜0.5モル含有する混合ガスを供給して堆積温度
700℃以下で、みかけ密度が0.3g/cm3以上のガラ
ス微粒子堆積体を得るようにしてなることを特徴とする
ものである。 【0006】すなわち、本発明者らは、伝送損失の少な
い光伝送路用ガラスファイバ母材の製造方法を開発すべ
く種々検討した結果、ガラスロッドの外周部に火炎加水
分解反応で生成したシリカを堆積させて多孔質ガラスプ
リフォームを形成する際に、この原料ガスに所定量のフ
ッ素含有化合物ガスを添加すると、原料ガスとしてのけ
い素化合物が火炎中でフッ素と反応してフッ化けい素化
合物となり、ガラス軟化点が下がり、ガラス微粒子堆積
体のみかけ密度が上昇して0.3g/cm3以上となる。こ
のため、ガラス微粒子堆積体の密度を下げることなく火
炎温度を下げることができ、これによって得られる多孔
質ガラスプリフォーム中におけるOH基含有量を下げる
ことができることを見出し、したがってこれによれば伝
速損失の小さい光伝送路用ガラスファイバ母材を容易に
得ることができることを確認して本発明を完成させた。
以下にこれをさらに詳述する。 【0007】 【作用】本発明は、光伝送路用ガラスファイバ母材の製
造方法に関するものであり、これはガラスロッドの外周
部に火炎加水分解反応で発生したシリカを堆積して多孔
質ガラスプリフォームを形成する際に、この原料ガスに
所定量のフッ素含有化合物ガスを供給して、堆積温度7
00℃以下で、みかけ密度が0.3g/cm3以上のガラス
微粒子堆積層からなるクラッドを設けることを特徴とす
るものである。 【0008】本発明における多孔質ガラスプリフォーム
の製造自体は公知の方法で行なわれる。すなわち、この
多孔質ガラスプリフォームの製造は公知の方法で作られ
た光ファイバ部材の一部となるシリカを主成分とする合
成石英ガラスなどからなるガラスロッドの外周に、四塩
化けい素などのけい素化合物をキャリアガスによって酸
水素火炎バーナーに送り、ここでの火炎加水分解反応で
生成したシリカを主成分とするガラス微粒子を堆積させ
ることによって行なわれる。 【0009】しかし、本発明においてはこの多孔質ガラ
スプリフォームを製造する際に使用される四塩化けい素
などのけい素化合物からなる原料ガス中に所定量のフッ
素含有化合物ガスが供給、添加され、この混合ガスが酸
水素火炎バーナーのような燃焼バーナーに供給されるの
であるが、ここに使用されるフッ素含有化合物ガスとし
てはCHF3,CF2C12,CF3C1,C2F3C1,C3F8
などが例示される。なお、このフッ素含有化合物ガスの
添加量は原料ガス1モルに対し0.05モル未満では少
なすぎて効果がみられず、0.5モルより多くすると堆
積効率が低下するので、これは0.05〜0.5モルの
範囲、特に好ましくは0.05〜0.2モルの範囲とす
ることがよい。 【0010】この燃焼バーナー中において原料ガスは火
炎加水分解反応によってシリカを主体とするガラス微粒
子となるのであるが、この原料ガスとしてのけい素化合
物はここにフッ素含有化合物ガスが添加されているので
火炎での反応でフッ化けい素化合物となり、この火炎加
水分解で発生したガラス微粒子はガラス軟化点が下がっ
てガラス微粒子の堆積により得られるガラス微粒子堆積
体の密度が上がるようになる。 【0011】したがって、これによればガラス微粒子堆
積体の密度を下げることなく、火炎温度を下げることが
でき、これによって堆積温度が下がり、ガラス微粒子堆
積時におけるガラスロッドとその外周に形成されるガラ
ス微粒子層との界面温度を下げることができるので、得
られる多孔質ガラスプリフォーム中における残留OH基
量を少なくすることができ、目的とする多孔質ガラスプ
リフォーム中におけるOH基量を著しく低下させること
ができるという効果が与えられる。 【0012】本発明の光伝送路用ガラスファイバ母材は
このようにして得られた多孔質ガラスプリフォームを定
法により脱水し、透明ガラス化して合成石英ガラス体と
し、線引きすることによって得ることができるが、この
多孔質ガラスプリフォームがOH基量の少ないものとさ
れているので、このガラスファイバもOH基量の少ない
ものとなり、したがって伝送損失の小さいものとするこ
とができるという有利性が与えられる。 【0013】つぎに本発明による多孔質ガラスプリフォ
ームの製造方法を図面にもとづいて説明する。図1は本
発明により多孔質ガラスプリフォームを製造するために
使用される製造装置の縦断面図を示したものであるが、
この酸水素火炎バーナー1には原料ガスとしての四塩化
けい素がガス導水口2から供給され、これにはガス導入
口3からフッ素含有化合物ガスが供給される。また、こ
の酸水素火炎バーナー1にはガス導入口4から酸素ガ
ス、水素ガス、燃料用制御ガスが供給されているので、
この酸水素火炎バーナー1には酸水素火炎5が形成され
る。 【0014】この装置内には従来法で作られた石英ガラ
スロッドのようなガラスロッド6が設けられており、こ
れはこの上にガラス微粒子を均一に堆積させるために回
転させられているが、これに酸水素火炎5があてられる
と、酸水素火炎中での火炎加水分解反応で発生したシリ
カを主体とするガラス微粒子がこのガラスロッド6の周
囲に堆積されて堆積体7を形成するので、これにより目
的とする多孔質ガラスプリフォーム8を得ることができ
るが、このものは所定量のフッ素含有化合物ガスの導入
によりOH基量の少ないものとなる。 【O015】 【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例、比較例1〜2 図1に示した装置を使用し、酸水素火炎バーナーとして
石英製の同心円状5重管バーナーを使用し、これに原料
ガスとして四塩化けい素(SiC14)、水素ガス、酸素
ガス、キャリアガスとしてのアルゴンガス、フッ素含有
化合物ガスとしてのCHF3ガスを表1に示した量で供
給し、回転している石英ガラスロッドの上にこの酸水素
火炎中で発生したガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラ
スプリフォームを作ったところ、このもののガラス微粒
子密度、堆積温度およびその界面OH基量は表1に示し
たとおりの結果を示した。 【0016】しかし、比較のために表1に示したよう
に、実施例とはその水素量または酸素量を変えたほかフ
ッ素含有化合物ガスを供給せず、その他は実施例と同じ
方法で多孔質ガラスプリフォームを作ったところ、得ら
れた多孔質ガラスプリフォームのガラス微粒子堆積体の
密度、堆積温度および界面OH基量は表1に示したとお
りとなり、この場合にはOH基量が大巾に増加してい
た。 【0017】なお、この実施例、比較例1による方法を
条件を変えて繰り返し行なったところ、この堆積温度と
得られた多孔質ガラスプリフォームにおけるOH基含有
量(ppm)について、図2に示したとおりの結果が得ら
れた。 【0018】 【表1】 【0019】 【発明の効果】本発明は、光伝送路用ガラスファイバ母
材の製造方法に関するものであり、上記構成としたこと
により、ガラスロッドとその外周部に形成されたクラッ
ドとの界面に気泡の発生もなく、多孔質ガラスプリフォ
ームのOH基含有量は著しく低下し、これを脱水、ガラ
ス化し、線引きして得られる光伝送路用ガラスファイバ
は伝送損失が非常に小さいものになるという有利性が与
えられる。
バ母材の製造方法、特には高品質の要求される光ファイ
バ用母材の製造における中間製品としての多孔質ガラス
プリフォームの製造方法の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】光ファイバ用母材の製造における多孔質
ガラスプリフォームの製造については、コア用のガラス
ロッドの外周部に燃焼バーナーにより生成したガラス微
粒子を堆積させ、コア用のガラスロッドまたは燃焼バー
ナーを1回以上トラバースする外付け法が公知とされて
いる(特開昭48‐73522号公報参照)。しかし、
この方法では上記したガラスロッドとその外周に生成さ
れるガラス微粒子との界面に気泡の発生することがよく
あることから、これについてはガラス微粒子を堆積する
前に、ガラスロッドを予熱する方法が提案されている
(特開昭60‐60935号公報、特開平2‐2435
31号公報参照)。 【0003】そして、これによれば上記ガラスロッドが
予熱されていることから、ガラスロッドに対するガラス
微粒子の付着具合いがよくなり、気泡の発生もなくなる
けれども、これにはその反面において、この加熱が予熱
バーナーを介して行なわれ、上記ガラスロッドの表面か
ら水分が浸入してOH基が生成されるので、このものは
伝送損失の大きいものになるという問題点が発生する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】そのため、このガラス
ファイバ用母材の製造方法については、ガラス原料にな
らない塩素または塩素化合物を含んだ火炎により上記ガ
ラスロッドを予熱し、その後ガラスロッドの外周にガラ
ス微粒子を堆積形成させる方法(特開昭60‐2643
38号公報参照)、また上記ガラス微粒子堆積中にガラ
ス生成用バーナーより塩素を流す方法(特開昭64‐9
829号公報参照)、さらには堆積面の温度(以下、堆
積温度と称する)を600〜650℃の低温に維持する
ことによって、OH基の拡散を防止しようとする方法
(特開平1−111747号公報参照)などが提案され
ているが、これらの方法ではOH基の生成は抑制できて
も、ガラス微粒子堆積中の火炎温度が低くなるので、ガ
ラス微粒子の密度が低くなり、ガラス微粒子堆積中また
は堆積後、ガラス微粒子堆積体の表面が割れるという問
題が発生するし、火炎温度が高いときにはOH基の生成
が活発となり、伝送損失が大きくなるという問題が起こ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、このような不
利を解決した光伝送路用ガラスファイバ母材の製造方法
に関するものであり、これは光ファイバ用母材の一部と
なるシリカを主成分とするガラスロッドの外周部に、火
炎加水分解反応により生成した主成分がシリカであるク
ラッド用のガラス微粒子層を堆積させて多孔質ガラスプ
リフォームとなし、ついでこの多孔質ガラスプリフォー
ムを脱水、透明ガラス化する光ファイバ母材の製造方法
において、前記クラッド用のガラス微粒子を堆積させる
工程で、原料ガスのけい素化合物1モルに対して、CH
F3,CF2Cl2,CF3Cl,C2F3Cl,C3F8から
少なくとも1種選択されるフッ素含有化合物ガスを0.
05〜0.5モル含有する混合ガスを供給して堆積温度
700℃以下で、みかけ密度が0.3g/cm3以上のガラ
ス微粒子堆積体を得るようにしてなることを特徴とする
ものである。 【0006】すなわち、本発明者らは、伝送損失の少な
い光伝送路用ガラスファイバ母材の製造方法を開発すべ
く種々検討した結果、ガラスロッドの外周部に火炎加水
分解反応で生成したシリカを堆積させて多孔質ガラスプ
リフォームを形成する際に、この原料ガスに所定量のフ
ッ素含有化合物ガスを添加すると、原料ガスとしてのけ
い素化合物が火炎中でフッ素と反応してフッ化けい素化
合物となり、ガラス軟化点が下がり、ガラス微粒子堆積
体のみかけ密度が上昇して0.3g/cm3以上となる。こ
のため、ガラス微粒子堆積体の密度を下げることなく火
炎温度を下げることができ、これによって得られる多孔
質ガラスプリフォーム中におけるOH基含有量を下げる
ことができることを見出し、したがってこれによれば伝
速損失の小さい光伝送路用ガラスファイバ母材を容易に
得ることができることを確認して本発明を完成させた。
以下にこれをさらに詳述する。 【0007】 【作用】本発明は、光伝送路用ガラスファイバ母材の製
造方法に関するものであり、これはガラスロッドの外周
部に火炎加水分解反応で発生したシリカを堆積して多孔
質ガラスプリフォームを形成する際に、この原料ガスに
所定量のフッ素含有化合物ガスを供給して、堆積温度7
00℃以下で、みかけ密度が0.3g/cm3以上のガラス
微粒子堆積層からなるクラッドを設けることを特徴とす
るものである。 【0008】本発明における多孔質ガラスプリフォーム
の製造自体は公知の方法で行なわれる。すなわち、この
多孔質ガラスプリフォームの製造は公知の方法で作られ
た光ファイバ部材の一部となるシリカを主成分とする合
成石英ガラスなどからなるガラスロッドの外周に、四塩
化けい素などのけい素化合物をキャリアガスによって酸
水素火炎バーナーに送り、ここでの火炎加水分解反応で
生成したシリカを主成分とするガラス微粒子を堆積させ
ることによって行なわれる。 【0009】しかし、本発明においてはこの多孔質ガラ
スプリフォームを製造する際に使用される四塩化けい素
などのけい素化合物からなる原料ガス中に所定量のフッ
素含有化合物ガスが供給、添加され、この混合ガスが酸
水素火炎バーナーのような燃焼バーナーに供給されるの
であるが、ここに使用されるフッ素含有化合物ガスとし
てはCHF3,CF2C12,CF3C1,C2F3C1,C3F8
などが例示される。なお、このフッ素含有化合物ガスの
添加量は原料ガス1モルに対し0.05モル未満では少
なすぎて効果がみられず、0.5モルより多くすると堆
積効率が低下するので、これは0.05〜0.5モルの
範囲、特に好ましくは0.05〜0.2モルの範囲とす
ることがよい。 【0010】この燃焼バーナー中において原料ガスは火
炎加水分解反応によってシリカを主体とするガラス微粒
子となるのであるが、この原料ガスとしてのけい素化合
物はここにフッ素含有化合物ガスが添加されているので
火炎での反応でフッ化けい素化合物となり、この火炎加
水分解で発生したガラス微粒子はガラス軟化点が下がっ
てガラス微粒子の堆積により得られるガラス微粒子堆積
体の密度が上がるようになる。 【0011】したがって、これによればガラス微粒子堆
積体の密度を下げることなく、火炎温度を下げることが
でき、これによって堆積温度が下がり、ガラス微粒子堆
積時におけるガラスロッドとその外周に形成されるガラ
ス微粒子層との界面温度を下げることができるので、得
られる多孔質ガラスプリフォーム中における残留OH基
量を少なくすることができ、目的とする多孔質ガラスプ
リフォーム中におけるOH基量を著しく低下させること
ができるという効果が与えられる。 【0012】本発明の光伝送路用ガラスファイバ母材は
このようにして得られた多孔質ガラスプリフォームを定
法により脱水し、透明ガラス化して合成石英ガラス体と
し、線引きすることによって得ることができるが、この
多孔質ガラスプリフォームがOH基量の少ないものとさ
れているので、このガラスファイバもOH基量の少ない
ものとなり、したがって伝送損失の小さいものとするこ
とができるという有利性が与えられる。 【0013】つぎに本発明による多孔質ガラスプリフォ
ームの製造方法を図面にもとづいて説明する。図1は本
発明により多孔質ガラスプリフォームを製造するために
使用される製造装置の縦断面図を示したものであるが、
この酸水素火炎バーナー1には原料ガスとしての四塩化
けい素がガス導水口2から供給され、これにはガス導入
口3からフッ素含有化合物ガスが供給される。また、こ
の酸水素火炎バーナー1にはガス導入口4から酸素ガ
ス、水素ガス、燃料用制御ガスが供給されているので、
この酸水素火炎バーナー1には酸水素火炎5が形成され
る。 【0014】この装置内には従来法で作られた石英ガラ
スロッドのようなガラスロッド6が設けられており、こ
れはこの上にガラス微粒子を均一に堆積させるために回
転させられているが、これに酸水素火炎5があてられる
と、酸水素火炎中での火炎加水分解反応で発生したシリ
カを主体とするガラス微粒子がこのガラスロッド6の周
囲に堆積されて堆積体7を形成するので、これにより目
的とする多孔質ガラスプリフォーム8を得ることができ
るが、このものは所定量のフッ素含有化合物ガスの導入
によりOH基量の少ないものとなる。 【O015】 【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例、比較例1〜2 図1に示した装置を使用し、酸水素火炎バーナーとして
石英製の同心円状5重管バーナーを使用し、これに原料
ガスとして四塩化けい素(SiC14)、水素ガス、酸素
ガス、キャリアガスとしてのアルゴンガス、フッ素含有
化合物ガスとしてのCHF3ガスを表1に示した量で供
給し、回転している石英ガラスロッドの上にこの酸水素
火炎中で発生したガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラ
スプリフォームを作ったところ、このもののガラス微粒
子密度、堆積温度およびその界面OH基量は表1に示し
たとおりの結果を示した。 【0016】しかし、比較のために表1に示したよう
に、実施例とはその水素量または酸素量を変えたほかフ
ッ素含有化合物ガスを供給せず、その他は実施例と同じ
方法で多孔質ガラスプリフォームを作ったところ、得ら
れた多孔質ガラスプリフォームのガラス微粒子堆積体の
密度、堆積温度および界面OH基量は表1に示したとお
りとなり、この場合にはOH基量が大巾に増加してい
た。 【0017】なお、この実施例、比較例1による方法を
条件を変えて繰り返し行なったところ、この堆積温度と
得られた多孔質ガラスプリフォームにおけるOH基含有
量(ppm)について、図2に示したとおりの結果が得ら
れた。 【0018】 【表1】 【0019】 【発明の効果】本発明は、光伝送路用ガラスファイバ母
材の製造方法に関するものであり、上記構成としたこと
により、ガラスロッドとその外周部に形成されたクラッ
ドとの界面に気泡の発生もなく、多孔質ガラスプリフォ
ームのOH基含有量は著しく低下し、これを脱水、ガラ
ス化し、線引きして得られる光伝送路用ガラスファイバ
は伝送損失が非常に小さいものになるという有利性が与
えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法により、多孔質ガラスプリ
フォームを製造するために使用される製造装置の縦断面
図を示したものである。 【図2】 本発明の実施例、比較例におけるガラス微粒
子の堆積温度とOH基量との関係を示すグラフである。
フォームを製造するために使用される製造装置の縦断面
図を示したものである。 【図2】 本発明の実施例、比較例におけるガラス微粒
子の堆積温度とOH基量との関係を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 神屋 和雄
群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越
化学工業株式会社 精密機能材料研究所
内
(56)参考文献 特開 昭59−162143(JP,A)
特開 昭62−252335(JP,A)
特開 昭59−78943(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 光ファイバ用母材の一部となるシリカを
主成分とするガラスロッドの外周部に、火炎加水分解反
応により生成した主成分がシリカであるクラッド用のガ
ラス微粒子層を堆積させて多孔質ガラスプリフォームと
なし、ついでこの多孔質ガラスプリフォームを脱水、透
明ガラス化する光ファイバ母材の製造方法において、前
記クラッド用のガラス微粒子を堆積させる工程で、原料
ガスのけい素化合物1モルに対して、CHF3,CF2C
l2,CF3Cl,C2F3Cl,C3F8から少なくとも1
種選択されるフッ素含有化合物ガスを0.05〜0.5
モル含有する混合ガスを供給して堆積温度700℃以下
で、みかけ密度が0.3g/cm3以上のガラス微粒子堆積
体を得るようにしてなることを特徴とする光伝送路用ガ
ラスファイバ母材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24262391A JP3517250B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | 光伝送路用ガラスファイバ母材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24262391A JP3517250B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | 光伝送路用ガラスファイバ母材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0558665A JPH0558665A (ja) | 1993-03-09 |
JP3517250B2 true JP3517250B2 (ja) | 2004-04-12 |
Family
ID=17091812
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24262391A Expired - Fee Related JP3517250B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | 光伝送路用ガラスファイバ母材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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---|---|---|---|---|
JP2002187733A (ja) * | 2000-12-14 | 2002-07-05 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 光ファイバ母材の製造方法および光ファイバの製造方法 |
-
1991
- 1991-08-28 JP JP24262391A patent/JP3517250B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH0558665A (ja) | 1993-03-09 |
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