JP3517141B2 - リファイナー叩解刃およびそれを用いた紙の製造方法 - Google Patents
リファイナー叩解刃およびそれを用いた紙の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプの叩解操業
性に優れたリファイナー叩解刃およびそれを用いた紙の
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、リファ
イナー叩解刃の寿命が長く、操業安定性に優れ、均一な
パルプを製造することのできるリファイナー叩解刃およ
びそれを用いた紙の製造方法に関するものである。
性に優れたリファイナー叩解刃およびそれを用いた紙の
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、リファ
イナー叩解刃の寿命が長く、操業安定性に優れ、均一な
パルプを製造することのできるリファイナー叩解刃およ
びそれを用いた紙の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、リファイナー叩解刃は、耐水性、
耐塩性などの点から主としてステンレス鋼などのクロム
含有合金鋼から造られている。しかし、鋳鋼あるいはス
テンレス鋼よりなるリファイナー叩解刃にあっては、固
定叩解刃と回転叩解刃からなり、叩解刃の表面強度を硬
くするために、種々の表面処理を施したものが使用され
ている。
耐塩性などの点から主としてステンレス鋼などのクロム
含有合金鋼から造られている。しかし、鋳鋼あるいはス
テンレス鋼よりなるリファイナー叩解刃にあっては、固
定叩解刃と回転叩解刃からなり、叩解刃の表面強度を硬
くするために、種々の表面処理を施したものが使用され
ている。
【0003】近年、リファイナー叩解刃には表面加工が
施されているが、形成された表面加工層については、種
々の素材が検討されている。叩解開始からリファイナー
叩解刃が摩耗し、叩解能力が低下することでマシンを停
機させるが、リファイナー叩解刃の表面を硬質にするこ
とによって、リファイナー叩解刃の交換作業を行うまで
の時間を長くする延命化対策が行われてきた。しかしな
がら、これらの対策は充分とは言えず、より長い延命化
に向けて改良の余地があった。特に、リファイナー叩解
刃の表面加工方法には、格段の進歩が認められず、延命
化に向けて改良の余地があり、延命化を向上させること
ができれば生産性の向上に繋がるものと考えられる。
施されているが、形成された表面加工層については、種
々の素材が検討されている。叩解開始からリファイナー
叩解刃が摩耗し、叩解能力が低下することでマシンを停
機させるが、リファイナー叩解刃の表面を硬質にするこ
とによって、リファイナー叩解刃の交換作業を行うまで
の時間を長くする延命化対策が行われてきた。しかしな
がら、これらの対策は充分とは言えず、より長い延命化
に向けて改良の余地があった。特に、リファイナー叩解
刃の表面加工方法には、格段の進歩が認められず、延命
化に向けて改良の余地があり、延命化を向上させること
ができれば生産性の向上に繋がるものと考えられる。
【0004】従来のリファイナー叩解刃の表面処理方法
としては、種々の方法があるが、例えば、ダイヤモン
ド、窒化ホウ素などの超硬質砥粒をコーティングする方
法、炭化サーメット処理方法などが挙げられる。しか
し、これらの材質の表面強度、叩解品質も未だ充分とは
言えず、耐性向上、パルプの叩解方法に向けて改良の余
地がある。また、リファイナー叩解刃には、固定叩解刃
と回転叩解刃からなり、それぞれに表面処理されている
が、これらのリファイナー叩解刃母材の表面強度を向上
させることができれば、叩解刃自体の寿命の向上に繋が
るものと思われる。
としては、種々の方法があるが、例えば、ダイヤモン
ド、窒化ホウ素などの超硬質砥粒をコーティングする方
法、炭化サーメット処理方法などが挙げられる。しか
し、これらの材質の表面強度、叩解品質も未だ充分とは
言えず、耐性向上、パルプの叩解方法に向けて改良の余
地がある。また、リファイナー叩解刃には、固定叩解刃
と回転叩解刃からなり、それぞれに表面処理されている
が、これらのリファイナー叩解刃母材の表面強度を向上
させることができれば、叩解刃自体の寿命の向上に繋が
るものと思われる。
【0005】さらに、リファイナー叩解刃の表面形状
は、溝の深さ、溝の幅、刃の数、刃の角度などにより、
色々と目的とする紙自体の品質を得るためにパルプ叩解
に適合したものが選択される。リファイナー叩解刃間を
通過するパルプにより刃の切断作用部分が磨耗するた
め、パルプ叩解能力の低下の原因となることから、この
ようなトラブルを少なくするためにセラミック溶射など
の表面処理が検討されている。
は、溝の深さ、溝の幅、刃の数、刃の角度などにより、
色々と目的とする紙自体の品質を得るためにパルプ叩解
に適合したものが選択される。リファイナー叩解刃間を
通過するパルプにより刃の切断作用部分が磨耗するた
め、パルプ叩解能力の低下の原因となることから、この
ようなトラブルを少なくするためにセラミック溶射など
の表面処理が検討されている。
【0006】しかしながら、セラミック溶射などの表面
処理方法においては、溶射するべき粒子を表面に吹き付
けるため、リファイナー叩解刃のような凹凸のある表面
形状では、エッジ部分などに溶射するべき粒子の形成が
少なく、母材形状の通り形成することができない。多く
の場合、刃の水平面部分などに形成された余剰の部分を
研磨処理により希望する形状にしなければならず、その
工程が増加するという欠点を有する。したがって、鋳
鋼、ステンレス鋼製のリファイナー叩解刃を簡単かつ安
価な表面処理により耐磨耗性を持たすことができれば、
鋳鋼、ステンレス鋼製のリファイナー叩解刃よりも延命
性の点で優れていることになる。
処理方法においては、溶射するべき粒子を表面に吹き付
けるため、リファイナー叩解刃のような凹凸のある表面
形状では、エッジ部分などに溶射するべき粒子の形成が
少なく、母材形状の通り形成することができない。多く
の場合、刃の水平面部分などに形成された余剰の部分を
研磨処理により希望する形状にしなければならず、その
工程が増加するという欠点を有する。したがって、鋳
鋼、ステンレス鋼製のリファイナー叩解刃を簡単かつ安
価な表面処理により耐磨耗性を持たすことができれば、
鋳鋼、ステンレス鋼製のリファイナー叩解刃よりも延命
性の点で優れていることになる。
【0007】実開平2−10496号公報には、紙料に
機械的な叩解作用を与える機械的作用線とその近傍の作
用面にリファイナー叩解刃母材とは異なる硬度の高い加
工層を設けたリファイナーの紙料叩解刃が開示されてい
る。同公報では、加工層を設けることによって、叩解刃
の寿命が延長でき、鋼製叩解刃と弾性を有する樹脂性叩
解刃とを組み合わせることができ、叩解によって、強度
の高い製紙原料が得ることができるとしている。また、
鋼製叩解刃と弾性を有する樹脂製叩解刃または樹脂叩解
刃同士を組み合わせると、繊維の切断が少なく、強度の
高い製紙原料が得られることは公知であるが、樹脂製叩
解刃の寿命は短く、一般的に使用されることはなかった
と開示している。
機械的な叩解作用を与える機械的作用線とその近傍の作
用面にリファイナー叩解刃母材とは異なる硬度の高い加
工層を設けたリファイナーの紙料叩解刃が開示されてい
る。同公報では、加工層を設けることによって、叩解刃
の寿命が延長でき、鋼製叩解刃と弾性を有する樹脂性叩
解刃とを組み合わせることができ、叩解によって、強度
の高い製紙原料が得ることができるとしている。また、
鋼製叩解刃と弾性を有する樹脂製叩解刃または樹脂叩解
刃同士を組み合わせると、繊維の切断が少なく、強度の
高い製紙原料が得られることは公知であるが、樹脂製叩
解刃の寿命は短く、一般的に使用されることはなかった
と開示している。
【0008】また、特開平6−65880号公報には、
ダイヤモンド、窒化ホウ素などの超硬質砥粒を叩解刃表
面にコーティングすることにより、叩解刃は、その溝部
分のエッジだけでなく、表面や必要に応じて他の部分も
超硬質砥粒により、繊維フロックを解離する機能を持た
せたことから、エッジによる解離を主体とする機能によ
り、従来の叩解刃に比べて紙料の叩解、離解能力が著し
く増進されて、しかもこの機能は、超硬質砥粒が耐摩耗
性に優れるため長時間維持され、また、砥粒が摩耗して
叩解、離解の機能が低下してくれば、古い砥粒を脱離し
て、新砥粒をコーティングすることにより、叩解、離解
の機能を回復させ、反復使用を可能とすることができる
と開示されている。しかしながら、砥粒は超硬質で摩耗
することが少なくなるものの、コーティング層ははるか
に砥粒よりも弱いので、脱落により紙料中に混入し、製
紙される表面や内部に混入することによってトラブルが
発生する欠点がある。
ダイヤモンド、窒化ホウ素などの超硬質砥粒を叩解刃表
面にコーティングすることにより、叩解刃は、その溝部
分のエッジだけでなく、表面や必要に応じて他の部分も
超硬質砥粒により、繊維フロックを解離する機能を持た
せたことから、エッジによる解離を主体とする機能によ
り、従来の叩解刃に比べて紙料の叩解、離解能力が著し
く増進されて、しかもこの機能は、超硬質砥粒が耐摩耗
性に優れるため長時間維持され、また、砥粒が摩耗して
叩解、離解の機能が低下してくれば、古い砥粒を脱離し
て、新砥粒をコーティングすることにより、叩解、離解
の機能を回復させ、反復使用を可能とすることができる
と開示されている。しかしながら、砥粒は超硬質で摩耗
することが少なくなるものの、コーティング層ははるか
に砥粒よりも弱いので、脱落により紙料中に混入し、製
紙される表面や内部に混入することによってトラブルが
発生する欠点がある。
【0009】また、ビッカース硬度1000〜1200
Hv、かつ0.1〜0.5mmの炭化物サーメット表面
加工した鋳鋼あるいはステンレス鋼からなるリファイナ
ー叩解刃を用いて叩解し、紙を製造する方法が開示され
ている。
Hv、かつ0.1〜0.5mmの炭化物サーメット表面
加工した鋳鋼あるいはステンレス鋼からなるリファイナ
ー叩解刃を用いて叩解し、紙を製造する方法が開示され
ている。
【0010】特開平7−244353号公報には写真印
画紙用支持体、特開平7−301938号公報には電子
写真用透明転写紙、特開平8−13371号公報には光
学的文字読み取り用紙と、それぞれに開示されている。
しかしながら、炭化物サーメット表面加工においても連
続操業性が未だ不十分であり、また、叩解刃の先端部が
研磨においても充分な先鋭度が得られておらず、更なる
リファイナー叩解刃の延命化が検討されている。
画紙用支持体、特開平7−301938号公報には電子
写真用透明転写紙、特開平8−13371号公報には光
学的文字読み取り用紙と、それぞれに開示されている。
しかしながら、炭化物サーメット表面加工においても連
続操業性が未だ不十分であり、また、叩解刃の先端部が
研磨においても充分な先鋭度が得られておらず、更なる
リファイナー叩解刃の延命化が検討されている。
【0011】情報用紙、画像記録用紙などは、フルカラ
ー用途であるため、外観や画像の解像性、および金属粉
などの異物混入に対する要求が、印刷用紙などのいわゆ
る一般紙とは比較にならないほど品質が厳しい。このた
め、高度の平滑性と清浄性が必要とされている。一方、
最近の製造工程では省力化が進んでいるため、叩解機の
リファイナー叩解刃のような磨耗部品の交換周期を長く
すると共に、その間の製造条件を安定化させ、平滑性の
優れた情報用紙、画像記録用紙などを安定して製造する
ことが必要になってきている。
ー用途であるため、外観や画像の解像性、および金属粉
などの異物混入に対する要求が、印刷用紙などのいわゆ
る一般紙とは比較にならないほど品質が厳しい。このた
め、高度の平滑性と清浄性が必要とされている。一方、
最近の製造工程では省力化が進んでいるため、叩解機の
リファイナー叩解刃のような磨耗部品の交換周期を長く
すると共に、その間の製造条件を安定化させ、平滑性の
優れた情報用紙、画像記録用紙などを安定して製造する
ことが必要になってきている。
【0012】情報用紙、画像記録用紙などの場合、原紙
表面の凸凹に沿ってその用途により、例えば、インクジ
ェット記録用紙は記録層、熱転写受像紙は受像層、写真
用支持体は樹脂加工層が表面に施されても、原紙表面の
凹部を選択的に埋めることはない。このため、記録層、
受像層、樹脂加工層の表面平滑性は、原紙平滑性の影響
を強く受ける。従って、ベースたる原紙の平滑性改良が
情報用紙、または画像記録用紙の平滑性を改良するため
には必要になってくる。
表面の凸凹に沿ってその用途により、例えば、インクジ
ェット記録用紙は記録層、熱転写受像紙は受像層、写真
用支持体は樹脂加工層が表面に施されても、原紙表面の
凹部を選択的に埋めることはない。このため、記録層、
受像層、樹脂加工層の表面平滑性は、原紙平滑性の影響
を強く受ける。従って、ベースたる原紙の平滑性改良が
情報用紙、または画像記録用紙の平滑性を改良するため
には必要になってくる。
【0013】以上のように、インクジェット記録用紙、
熱転写受像紙、写真用支持体などの情報用紙、画像記録
用紙の平滑性を向上させる目的で、種々の方法により叩
解を行ったパルプを用いることが知られている。
熱転写受像紙、写真用支持体などの情報用紙、画像記録
用紙の平滑性を向上させる目的で、種々の方法により叩
解を行ったパルプを用いることが知られている。
【0014】外観に関係する平滑性には、原紙の地合な
どに起因する波長が数mm以上と比較的大きな凸凹の寄
与が大きい。この比較的大きな凸凹を改良するための技
術としては、特開昭58−68037号公報、特開昭6
2−54252号公報などに開示されているように、ス
クリーンメッシュ残留分を所定の範囲内に調節したパル
プ繊維を原紙に用いる方法や、特公昭64−59350
号公報に開示されているように、叩解により繊維長と保
水度を所定の範囲に調節したパルプを用いる方法などが
知られている。また、パルプを叩解する方法としては、
特開昭63−256788号公報に開示されているよう
に、所定の形状のリファイナー叩解刃を使用することな
どが知られている。
どに起因する波長が数mm以上と比較的大きな凸凹の寄
与が大きい。この比較的大きな凸凹を改良するための技
術としては、特開昭58−68037号公報、特開昭6
2−54252号公報などに開示されているように、ス
クリーンメッシュ残留分を所定の範囲内に調節したパル
プ繊維を原紙に用いる方法や、特公昭64−59350
号公報に開示されているように、叩解により繊維長と保
水度を所定の範囲に調節したパルプを用いる方法などが
知られている。また、パルプを叩解する方法としては、
特開昭63−256788号公報に開示されているよう
に、所定の形状のリファイナー叩解刃を使用することな
どが知られている。
【0015】しかしながら、それらいずれの場合におい
ても、良好な叩解操業性を維持しつつ優れた平滑性の情
報用紙または画像記録用紙を製造することはできなかっ
た。優れた平滑性を得るためには、叩解後のパルプを所
定の濾水度や繊維長、特に均一な繊維長分布が得るのに
正確に調節する必要があり、経時に伴って叩解機のリフ
ァイナー叩解刃が磨耗するため、最初の叩解状態が必ず
しも維持されるとは限らないことが品質を維持していく
上で非常に大きな問題であった。さらに、磨耗に伴って
発生する金属(鉄)粉が、品質性能に大きく悪影響を及
ぼすことも問題であった。
ても、良好な叩解操業性を維持しつつ優れた平滑性の情
報用紙または画像記録用紙を製造することはできなかっ
た。優れた平滑性を得るためには、叩解後のパルプを所
定の濾水度や繊維長、特に均一な繊維長分布が得るのに
正確に調節する必要があり、経時に伴って叩解機のリフ
ァイナー叩解刃が磨耗するため、最初の叩解状態が必ず
しも維持されるとは限らないことが品質を維持していく
上で非常に大きな問題であった。さらに、磨耗に伴って
発生する金属(鉄)粉が、品質性能に大きく悪影響を及
ぼすことも問題であった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、クロムを含
有するリファイナー叩解刃母材またはクロムを表面加工
したリファイナー叩解刃母材に窒化処理することによ
り、リファイナー叩解刃の寿命が長く、操業安定性に優
れ、均一なパルプを製造することのできるリファイナー
叩解刃およびそれを用いた紙の製造方法を提供するもの
である。
有するリファイナー叩解刃母材またはクロムを表面加工
したリファイナー叩解刃母材に窒化処理することによ
り、リファイナー叩解刃の寿命が長く、操業安定性に優
れ、均一なパルプを製造することのできるリファイナー
叩解刃およびそれを用いた紙の製造方法を提供するもの
である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に鑑
み鋭意研究した結果、本発明のリファイナー叩解刃およ
びそれを用いた紙の製造方法を発明するに至った。即
ち、本発明における第1の発明のリファイナー叩解刃
は、リファイナー叩解刃母材がクロムを含有する該母材
またはクロムを表面加工した該母材であって、該母材の
表面または表面から内部に窒化処理した窒化処理層を設
けたことを特徴とするものである。
み鋭意研究した結果、本発明のリファイナー叩解刃およ
びそれを用いた紙の製造方法を発明するに至った。即
ち、本発明における第1の発明のリファイナー叩解刃
は、リファイナー叩解刃母材がクロムを含有する該母材
またはクロムを表面加工した該母材であって、該母材の
表面または表面から内部に窒化処理した窒化処理層を設
けたことを特徴とするものである。
【0018】本発明において、好ましくはリファイナー
叩解刃母材として、クロムを3重量%以上含有してなる
ことを特徴とするものである。
叩解刃母材として、クロムを3重量%以上含有してなる
ことを特徴とするものである。
【0019】本発明において、クロムを含有するリファ
イナー叩解刃母材としては、ステンレス鋼であることが
好ましい。
イナー叩解刃母材としては、ステンレス鋼であることが
好ましい。
【0020】本発明において、窒化処理層が、800〜
1700Hvのビッカース硬度を有することが好まし
い。
1700Hvのビッカース硬度を有することが好まし
い。
【0021】また、本発明における第2発明のリファイ
ナー叩解刃は、リファイナー叩解刃母材がクロムを含有
する該母材またはクロムを表面加工した該母材であっ
て、該母材の表面または表面から内部に窒化処理した窒
化処理層を設け、さらに該窒化処理層上に蒸着被覆層を
設けたことを特徴とするものである。
ナー叩解刃は、リファイナー叩解刃母材がクロムを含有
する該母材またはクロムを表面加工した該母材であっ
て、該母材の表面または表面から内部に窒化処理した窒
化処理層を設け、さらに該窒化処理層上に蒸着被覆層を
設けたことを特徴とするものである。
【0022】本発明において、蒸着被覆層としては、窒
化クロム、窒化チタン、窒化アルミニウムチタンから選
ばれるいずれか1種の蒸着被覆層であることが好まし
い。
化クロム、窒化チタン、窒化アルミニウムチタンから選
ばれるいずれか1種の蒸着被覆層であることが好まし
い。
【0023】本発明において、好ましくはリファイナー
叩解刃母材が、クロムを3重量%以上含有することを特
徴とするものである。
叩解刃母材が、クロムを3重量%以上含有することを特
徴とするものである。
【0024】本発明において、クロムを含有するリファ
イナー叩解刃母材としては、ステンレス鋼であることが
好ましい。
イナー叩解刃母材としては、ステンレス鋼であることが
好ましい。
【0025】本発明において、窒化処理層が、800〜
1700Hvのビッカース硬度を有することが好まし
い。
1700Hvのビッカース硬度を有することが好まし
い。
【0026】さらに、本発明の紙の製造方法において、
上記のリファイナー叩解刃を用いて叩解したパルプを紙
料として紙を抄造することを特徴とするものである。
上記のリファイナー叩解刃を用いて叩解したパルプを紙
料として紙を抄造することを特徴とするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明は、リファイナー叩解刃に
使用されるリファイナー叩解刃母材(以下、単に母材と
称することもある。)が、クロムを含有する該母材また
はクロムを表面加工した該母材であり、これらの該母材
に対して、窒化処理を施すこと、または窒化処理した上
に蒸着被覆処理を施すことによって、表面硬度を高めた
リファイナー叩解刃とするものであり、さらには、それ
らのリファイナー叩解刃を用いた紙の製造方法である。
使用されるリファイナー叩解刃母材(以下、単に母材と
称することもある。)が、クロムを含有する該母材また
はクロムを表面加工した該母材であり、これらの該母材
に対して、窒化処理を施すこと、または窒化処理した上
に蒸着被覆処理を施すことによって、表面硬度を高めた
リファイナー叩解刃とするものであり、さらには、それ
らのリファイナー叩解刃を用いた紙の製造方法である。
【0028】本発明において、リファイナー叩解刃母材
に対する窒化処理する方法としては、減圧炉による窒素
原子の拡散原理を利用した減圧ガス窒化処理方法を使用
するものである。
に対する窒化処理する方法としては、減圧炉による窒素
原子の拡散原理を利用した減圧ガス窒化処理方法を使用
するものである。
【0029】窒化処理する方法は、リファイナー叩解刃
母材を減圧炉内に装填し、減圧した炉内にアンモニアガ
スと窒化促進ガスを導入し、炉内温度を480〜550
℃に加熱し、3〜5時間保持して、該母材に窒素を拡散
させることで、クロムとの反応によって窒化処理層を生
成させる方法である。
母材を減圧炉内に装填し、減圧した炉内にアンモニアガ
スと窒化促進ガスを導入し、炉内温度を480〜550
℃に加熱し、3〜5時間保持して、該母材に窒素を拡散
させることで、クロムとの反応によって窒化処理層を生
成させる方法である。
【0030】また、本発明に使用する窒化処理する方法
は、リファイナー叩解刃母材の表面から内部に向かい、
窒素が浸透、拡散しながら、該母材中のクロムと結合
し、窒素拡散層を形成するものであるため、該母材表面
および該母材自体に、反りや、膨張などの寸法変化を生
ずることがほとんどない。
は、リファイナー叩解刃母材の表面から内部に向かい、
窒素が浸透、拡散しながら、該母材中のクロムと結合
し、窒素拡散層を形成するものであるため、該母材表面
および該母材自体に、反りや、膨張などの寸法変化を生
ずることがほとんどない。
【0031】この窒化処理する方法を行うことにより、
窒化処理層が生成されるが、ここで、「窒化処理層」と
は、母材表面で生成される窒素化合物による窒素化合物
層と、表面から内部に向かって生成される窒素拡散層と
を意味するものである。
窒化処理層が生成されるが、ここで、「窒化処理層」と
は、母材表面で生成される窒素化合物による窒素化合物
層と、表面から内部に向かって生成される窒素拡散層と
を意味するものである。
【0032】本発明において、窒化処理する方法では、
処理温度、処理時間を制御することによって硬化層、即
ち窒素拡散層の深さを制御することができる。また、複
雑なリファイナー叩解刃の刃型形状、溝部分の細かい形
状も均一に硬化することができる。また、上記窒化処理
する方法によれば、表面から内部への硬度低下がなだら
かなため、表面層の剥離や欠損を生ずることもないとい
う利点も有する。
処理温度、処理時間を制御することによって硬化層、即
ち窒素拡散層の深さを制御することができる。また、複
雑なリファイナー叩解刃の刃型形状、溝部分の細かい形
状も均一に硬化することができる。また、上記窒化処理
する方法によれば、表面から内部への硬度低下がなだら
かなため、表面層の剥離や欠損を生ずることもないとい
う利点も有する。
【0033】上述のように、窒化処理する方法は、母材
中に存在するクロムと、導入されるアンモニアとの反応
により、窒化クロムを形成させるものであるため、加工
に供される該母材は、クロムを含有するかクロムを表面
加工することが必要であり、窒化処理層を設ける母材部
位に、クロムが3重量%以上含有することが好ましい。
中に存在するクロムと、導入されるアンモニアとの反応
により、窒化クロムを形成させるものであるため、加工
に供される該母材は、クロムを含有するかクロムを表面
加工することが必要であり、窒化処理層を設ける母材部
位に、クロムが3重量%以上含有することが好ましい。
【0034】ここで、クロム含有量が3重量%未満であ
ると、窒化処理する方法に寄与するクロム含有量が少な
いために顕著な表面強度の向上効果が十分には得られに
くい。
ると、窒化処理する方法に寄与するクロム含有量が少な
いために顕著な表面強度の向上効果が十分には得られに
くい。
【0035】一般的に、リファイナー叩解刃には比較的
延性があり、エッジが鋭く保たれるタイプと、延性がな
くエッジが丸みを帯び易いタイプとがある。それらの母
材には、鋳鋼やステンレス鋼などが用いられることが多
い。一般に、平滑性の優れた紙を得るためには、濾水度
と繊維長を正確に調節する必要があり、叩解刃の切断作
用部分が鋭いことが要求されるが、延性があるタイプの
材質では叩解刃の摩耗が著しく、延性がないタイプでは
脆いという欠点がある。
延性があり、エッジが鋭く保たれるタイプと、延性がな
くエッジが丸みを帯び易いタイプとがある。それらの母
材には、鋳鋼やステンレス鋼などが用いられることが多
い。一般に、平滑性の優れた紙を得るためには、濾水度
と繊維長を正確に調節する必要があり、叩解刃の切断作
用部分が鋭いことが要求されるが、延性があるタイプの
材質では叩解刃の摩耗が著しく、延性がないタイプでは
脆いという欠点がある。
【0036】一方、本発明においては、比較的延性のあ
るリファイナー叩解刃の母材表面を、ビッカーズ硬度が
800〜1700Hvの範囲内に入るように窒化処理を
施すことにより、リファイナー叩解刃の切断作用部分の
鋭さと寿命の両方を満足させることが可能になったので
ある。
るリファイナー叩解刃の母材表面を、ビッカーズ硬度が
800〜1700Hvの範囲内に入るように窒化処理を
施すことにより、リファイナー叩解刃の切断作用部分の
鋭さと寿命の両方を満足させることが可能になったので
ある。
【0037】以上の理由により、本発明に用いられる叩
解機のリファイナー叩解刃を表面加工する上で、表面加
工の指標とされるビッカース硬度を800〜1700H
vの範囲内にすることが好ましい。ここで、ビッカーズ
硬度が800Hv未満の場合には、磨耗によりリファイ
ナー叩解刃の寿命が短くなったり、操業により濾水度と
繊維長が広い分布を示すこともあり、このように叩解し
たパルプを使用して抄造した紙の平滑性が低下すること
もある。特に、平滑性がその品質に直接影響する情報用
紙、画像記録用紙などについては、操業により品質が低
下するという問題も出てくる。また、1700Hvを超
える場合には、リファイナー叩解刃自体が堅くなるが、
逆に脆くなる傾向にあり、また寿命も短くなる傾向にあ
り、経済性の面でも低下する方向である。
解機のリファイナー叩解刃を表面加工する上で、表面加
工の指標とされるビッカース硬度を800〜1700H
vの範囲内にすることが好ましい。ここで、ビッカーズ
硬度が800Hv未満の場合には、磨耗によりリファイ
ナー叩解刃の寿命が短くなったり、操業により濾水度と
繊維長が広い分布を示すこともあり、このように叩解し
たパルプを使用して抄造した紙の平滑性が低下すること
もある。特に、平滑性がその品質に直接影響する情報用
紙、画像記録用紙などについては、操業により品質が低
下するという問題も出てくる。また、1700Hvを超
える場合には、リファイナー叩解刃自体が堅くなるが、
逆に脆くなる傾向にあり、また寿命も短くなる傾向にあ
り、経済性の面でも低下する方向である。
【0038】本発明におけるビッカーズ硬度は、窒化処
理層を設けたリファイナー叩解刃表面についてのビッカ
ース硬度であり、JIS Z 2244に準拠して測定
した値である。
理層を設けたリファイナー叩解刃表面についてのビッカ
ース硬度であり、JIS Z 2244に準拠して測定
した値である。
【0039】本発明のリファイナー叩解刃の窒化処理層
の厚さは、10〜300μmであることが好ましい。さ
らに好ましくは、40〜100μmである。窒化処理層
が10μm未満の場合には、表面加工が非常に難しく、
かつ目的の表面硬度を均一に得ることも難しく、表面硬
度にムラが発生することにより、窒化処理層が脆弱にな
り、摩耗による叩解品質および操業性の両方を維持する
ことが難しく実用的ではない。
の厚さは、10〜300μmであることが好ましい。さ
らに好ましくは、40〜100μmである。窒化処理層
が10μm未満の場合には、表面加工が非常に難しく、
かつ目的の表面硬度を均一に得ることも難しく、表面硬
度にムラが発生することにより、窒化処理層が脆弱にな
り、摩耗による叩解品質および操業性の両方を維持する
ことが難しく実用的ではない。
【0040】また、窒化処理層が300μmを超えた場
合、製造する紙の種類にもよるが、一般的に叩解品質を
重視して平滑な紙が要求される時は、リファイナー叩解
刃の刃と刃の間隔を僅かな隙間にして叩解されることか
ら、表面からの窒化処理層が300μmを超えて厚い
と、リファイナー叩解刃自体の延性が低下し、硬度はあ
るもののリファイナー叩解刃自体は逆に脆くなる。
合、製造する紙の種類にもよるが、一般的に叩解品質を
重視して平滑な紙が要求される時は、リファイナー叩解
刃の刃と刃の間隔を僅かな隙間にして叩解されることか
ら、表面からの窒化処理層が300μmを超えて厚い
と、リファイナー叩解刃自体の延性が低下し、硬度はあ
るもののリファイナー叩解刃自体は逆に脆くなる。
【0041】本発明のリファイナー叩解刃における窒化
処理層は、表面硬度が、ビッカース硬度800〜170
0Hvの範囲にあることが好ましく、この範囲内で表面
から内部へのビッカース硬度の傾向をみた場合、表面か
ら20μmの深さでは表面の70%以上のビッカーズ硬
度を維持することができ、また表面から40μmの深さ
では30%以上のビッカーズ硬度を維持することができ
るものである。この条件であれば、最適な叩解品質と長
時間操業性を十分に確保することができる。ここで、表
面から20μmの深さで表面の70%未満、もしくは、
表面から40μmの深さで表面の30%未満である場合
には、窒化処理層と母材の硬度差が大きくなることか
ら、物理的に大きな応力がかかるリファイナー叩解刃全
体としての安定的な硬度を維持しにくくなり、リファイ
ナー叩解刃自体も脆くなる傾向にある。
処理層は、表面硬度が、ビッカース硬度800〜170
0Hvの範囲にあることが好ましく、この範囲内で表面
から内部へのビッカース硬度の傾向をみた場合、表面か
ら20μmの深さでは表面の70%以上のビッカーズ硬
度を維持することができ、また表面から40μmの深さ
では30%以上のビッカーズ硬度を維持することができ
るものである。この条件であれば、最適な叩解品質と長
時間操業性を十分に確保することができる。ここで、表
面から20μmの深さで表面の70%未満、もしくは、
表面から40μmの深さで表面の30%未満である場合
には、窒化処理層と母材の硬度差が大きくなることか
ら、物理的に大きな応力がかかるリファイナー叩解刃全
体としての安定的な硬度を維持しにくくなり、リファイ
ナー叩解刃自体も脆くなる傾向にある。
【0042】また、本発明における第2の発明は、クロ
ムを含有するリファイナー叩解刃母材に上述の窒化処理
する方法によって窒化処理層を施した上に、蒸着被覆層
を設けたリファイナー叩解刃である。
ムを含有するリファイナー叩解刃母材に上述の窒化処理
する方法によって窒化処理層を施した上に、蒸着被覆層
を設けたリファイナー叩解刃である。
【0043】蒸着被覆層は、好ましくは窒化クロム、窒
化チタン、窒化アルミニウムチタンから選ばれるいずれ
か1種の窒化処理層である。
化チタン、窒化アルミニウムチタンから選ばれるいずれ
か1種の窒化処理層である。
【0044】蒸着被覆層を設ける方法としては、リファ
イナー叩解刃母材に窒化処理層を施した上に、蒸着被覆
層を施す方法である。直接、リファイナー叩解刃母材に
蒸着被覆層を施す場合、リファイナー叩解刃母材と蒸着
被覆層の表面硬さの差が大きいために、リファイナー叩
解刃母材に直接蒸着被覆層を加工しても剥離などを生じ
やすく、蒸着被覆層の有する高い表面硬さを充分に生か
すことができない。そこで、窒化処理層を予めリファイ
ナー叩解刃母材に施すことにより、該母材の表面硬さを
高めることができ、それによって、窒化処理層を施した
該母材と蒸着被覆層の剥離を防止することができる。
イナー叩解刃母材に窒化処理層を施した上に、蒸着被覆
層を施す方法である。直接、リファイナー叩解刃母材に
蒸着被覆層を施す場合、リファイナー叩解刃母材と蒸着
被覆層の表面硬さの差が大きいために、リファイナー叩
解刃母材に直接蒸着被覆層を加工しても剥離などを生じ
やすく、蒸着被覆層の有する高い表面硬さを充分に生か
すことができない。そこで、窒化処理層を予めリファイ
ナー叩解刃母材に施すことにより、該母材の表面硬さを
高めることができ、それによって、窒化処理層を施した
該母材と蒸着被覆層の剥離を防止することができる。
【0045】本発明において、蒸着被覆を施す方法とし
ては、特に限定されるものではなく、慣用の種々の方
法、例えば、CVD法、PVD法、イオンプレーティン
グ法などを使用することができる。これらの中で、イオ
ンプレーティング法は、CVD法に比べて、低温で成膜
でき、リファイナー叩解刃母材への密着性にも優れてい
るために特に好ましい。
ては、特に限定されるものではなく、慣用の種々の方
法、例えば、CVD法、PVD法、イオンプレーティン
グ法などを使用することができる。これらの中で、イオ
ンプレーティング法は、CVD法に比べて、低温で成膜
でき、リファイナー叩解刃母材への密着性にも優れてい
るために特に好ましい。
【0046】本発明において、蒸着被覆層の厚さは、2
〜10μm、好ましくは、3〜6μmである。ここで、
蒸着被覆層の厚さが2μm未満であると、実用耐久性に
劣るために好ましくなく、また、厚さが10μmを超え
ると後述するように、蒸着被覆層を施した後の窒化処理
の際に、窒素原子の浸透性に問題を生ずることがあるた
めに好ましくない。
〜10μm、好ましくは、3〜6μmである。ここで、
蒸着被覆層の厚さが2μm未満であると、実用耐久性に
劣るために好ましくなく、また、厚さが10μmを超え
ると後述するように、蒸着被覆層を施した後の窒化処理
の際に、窒素原子の浸透性に問題を生ずることがあるた
めに好ましくない。
【0047】本発明の他の実施態様によれば、リファイ
ナー叩解刃母材の表面に、先ず蒸着被覆層を設け、次に
窒化処理を行うこともできる。この方法によれば、リフ
ァイナー叩解刃の仕上がり方法が、リファイナー叩解刃
母材+蒸着被覆層の寸法となり、窒化処理を施す前に仕
上がり寸法とは異なる不良品を予め除くことができる。
ナー叩解刃母材の表面に、先ず蒸着被覆層を設け、次に
窒化処理を行うこともできる。この方法によれば、リフ
ァイナー叩解刃の仕上がり方法が、リファイナー叩解刃
母材+蒸着被覆層の寸法となり、窒化処理を施す前に仕
上がり寸法とは異なる不良品を予め除くことができる。
【0048】また、表面に存在する蒸着被覆層を介し
て、リファイナー叩解刃母材を窒化処理することによ
り、一体的に窒化処理を行うことができ、蒸着被覆層の
該母材への付着をより強固なものとすることができる。
この方法は、正確な寸法が要求されるリファイナー叩解
刃の表面強化に適した方法である。
て、リファイナー叩解刃母材を窒化処理することによ
り、一体的に窒化処理を行うことができ、蒸着被覆層の
該母材への付着をより強固なものとすることができる。
この方法は、正確な寸法が要求されるリファイナー叩解
刃の表面強化に適した方法である。
【0049】本発明においては、リファイナー叩解刃母
材としては、クロムを含有するものと、クロムを含有し
ないものとがあり、クロムを含有する場合は、上記窒化
処理する方法を用いて、窒化処理層を設けることができ
る。また、クロムを含有しないものでは、適宜、母材表
面に窒化処理層を所望のリファイナー叩解刃部位に、メ
ッキ、溶射などで表面処理を行ってクロムを表面加工し
たクロム加工層を設けることでよい。このクロム加工層
をターゲットにして、窒化処理を施し、窒化処理層を設
けることも可能である。
材としては、クロムを含有するものと、クロムを含有し
ないものとがあり、クロムを含有する場合は、上記窒化
処理する方法を用いて、窒化処理層を設けることができ
る。また、クロムを含有しないものでは、適宜、母材表
面に窒化処理層を所望のリファイナー叩解刃部位に、メ
ッキ、溶射などで表面処理を行ってクロムを表面加工し
たクロム加工層を設けることでよい。このクロム加工層
をターゲットにして、窒化処理を施し、窒化処理層を設
けることも可能である。
【0050】本発明のクロムを含有するリファイナー叩
解刃母材としては、クロムを含有しているステンレス鋼
が好ましい。本発明に使用できるステンレス鋼には、例
えば、オーステナイト質(Cr−Ni系,300系
列)、フェライト質(17〜27Cr,400系列)、
マルテンサイト質(12〜17Cr,400系列)の
他、Niの一部をMnで置換したオーステナイト質(C
r−Ni−Mn系,200系)および析出硬化型(Cr
−Ni−Cu系とCr−Ni−Al系,600系列)と
が挙げられる。
解刃母材としては、クロムを含有しているステンレス鋼
が好ましい。本発明に使用できるステンレス鋼には、例
えば、オーステナイト質(Cr−Ni系,300系
列)、フェライト質(17〜27Cr,400系列)、
マルテンサイト質(12〜17Cr,400系列)の
他、Niの一部をMnで置換したオーステナイト質(C
r−Ni−Mn系,200系)および析出硬化型(Cr
−Ni−Cu系とCr−Ni−Al系,600系列)と
が挙げられる。
【0051】特に好ましいステンレス鋼としては、30
0系列のオーステナイト質であり、オーステナイト質で
は、高い炭素溶解度とCrの強い炭化物生成能力のため
に侵炭に対する抵抗が小さく、初期に形成する薄い窒化
層がその後の窒素侵入を阻止することから、窒素化への
抵抗が大きくなり、本発明では、炭素溶解度の低いオー
ステナイト質のステンレス鋼が好ましく使用される。
0系列のオーステナイト質であり、オーステナイト質で
は、高い炭素溶解度とCrの強い炭化物生成能力のため
に侵炭に対する抵抗が小さく、初期に形成する薄い窒化
層がその後の窒素侵入を阻止することから、窒素化への
抵抗が大きくなり、本発明では、炭素溶解度の低いオー
ステナイト質のステンレス鋼が好ましく使用される。
【0052】また、クロムを含有しないリファイナー叩
解刃母材としては、例えば、鋳鋼、セラミック、耐熱性
プラスチック、アルミニウム、銅などが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
解刃母材としては、例えば、鋳鋼、セラミック、耐熱性
プラスチック、アルミニウム、銅などが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0053】さらに、本発明の紙の製造方法は、上記の
リファイナー叩解刃を使用してパルプを叩解し、これを
紙料として紙を製造する方法である。本発明による紙の
製造方法で得られた平滑性の優れた紙は、OCR用紙、
磁気記録用紙、インクジェット記録用紙、剥離用紙など
の情報用紙として使用でき、また、カラー印画紙、白黒
印画紙、写植印画紙、複写印画紙、製版用印画紙などの
画像記録用紙への利用、さらに高度の平滑性が求められ
る昇華型熱転写受像紙、印刷用樹脂加工紙などに使用す
ることが可能である。
リファイナー叩解刃を使用してパルプを叩解し、これを
紙料として紙を製造する方法である。本発明による紙の
製造方法で得られた平滑性の優れた紙は、OCR用紙、
磁気記録用紙、インクジェット記録用紙、剥離用紙など
の情報用紙として使用でき、また、カラー印画紙、白黒
印画紙、写植印画紙、複写印画紙、製版用印画紙などの
画像記録用紙への利用、さらに高度の平滑性が求められ
る昇華型熱転写受像紙、印刷用樹脂加工紙などに使用す
ることが可能である。
【0054】本発明のリファイナー叩解刃を使用するこ
とにより、リファイナー叩解刃の摩耗が少なくパルプ濾
水度と繊維長を均一に長時間安定的に叩解することがで
き、その結果、平滑性が優れた上記の情報用紙、画像記
録用紙を長時間に渡って安定的に製造することができ
る。
とにより、リファイナー叩解刃の摩耗が少なくパルプ濾
水度と繊維長を均一に長時間安定的に叩解することがで
き、その結果、平滑性が優れた上記の情報用紙、画像記
録用紙を長時間に渡って安定的に製造することができ
る。
【0055】本発明の叩解機としては、ディスクリファ
イナー、コニカルリファイナー、円筒型リファイナーな
ど、各種リファイナーを使用することができる。また、
原紙は、長網抄紙機、ハイブリッド抄紙機、ツインワイ
ヤー抄紙機などで抄造され、必要とされる平滑性に応じ
て、マシンカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカ
レンダー、熱カレンダーなどにより平滑化加工される。
イナー、コニカルリファイナー、円筒型リファイナーな
ど、各種リファイナーを使用することができる。また、
原紙は、長網抄紙機、ハイブリッド抄紙機、ツインワイ
ヤー抄紙機などで抄造され、必要とされる平滑性に応じ
て、マシンカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカ
レンダー、熱カレンダーなどにより平滑化加工される。
【0056】本発明で使用するパルプとしては、クラフ
トパルプ、サルファイトパルプ、ケミサーモメカニカル
パルプ、ケミメカニカルパルプ、メカニカルパルプなど
を単独あるいは数種類併用して使用することができる。
また、針葉樹パルプと広葉樹パルプの混合使用も可能で
ある。
トパルプ、サルファイトパルプ、ケミサーモメカニカル
パルプ、ケミメカニカルパルプ、メカニカルパルプなど
を単独あるいは数種類併用して使用することができる。
また、針葉樹パルプと広葉樹パルプの混合使用も可能で
ある。
【0057】本発明の情報用紙、または画像記録用紙の
原紙には、カブリ防止剤、染料、填料、サイズ剤、定着
剤、乾燥紙力増強剤、潤滑紙力増強剤、などを必要に応
じて含有することができる。また、各種澱粉、ポリビニ
ールアルコール、ゼラチンなどによる表面加工、およ
び、ぼう硝、塩化ナトリウム、塩化アルミニウム、有機
導電剤などによる帯電防止加工を必要に応じて原紙上に
施すことも可能である。
原紙には、カブリ防止剤、染料、填料、サイズ剤、定着
剤、乾燥紙力増強剤、潤滑紙力増強剤、などを必要に応
じて含有することができる。また、各種澱粉、ポリビニ
ールアルコール、ゼラチンなどによる表面加工、およ
び、ぼう硝、塩化ナトリウム、塩化アルミニウム、有機
導電剤などによる帯電防止加工を必要に応じて原紙上に
施すことも可能である。
【0058】
【実施例】以下では、本発明を実施例により詳細に説明
する。なお、本発明は実施例に限定されるものではな
い。以下における部、%は全て重量によるものである。
する。なお、本発明は実施例に限定されるものではな
い。以下における部、%は全て重量によるものである。
【0059】[クロム含有リファイナー叩解刃母材に窒
化処理] 実施例1 オーステナイト質のステンレス鋼製(300系列)から
なるリファイナー叩解刃母材(クロム含有量10%、ビ
ッカース硬度370Hv)を用いて、該母材表面に窒化
処理を行った。窒化処理に当たっては、リファイナー叩
解刃を減圧炉に装填し、10-3mmHg程度の圧力に減
圧し、アンモニア20〜40体積%、水素5〜15体積
%、酸素2〜8体積%、残部が窒素よりなる混合ガスを
導入し、炉内温度480〜550℃で、3〜5時間適宜
調節して保持することによりリファイナー叩解刃母材表
面に窒化処理層を形成させた。得られたリファイナー叩
解刃には窒化処理層が強固に付着、形成されていた。な
お、リファイナー叩解刃の断面を走査型電子顕微鏡によ
り観察したところ、リファイナー叩解刃の表面から内部
に40μmの範囲に渡って窒化処理層が形成されている
ことが確認された。また、リファイナー叩解刃表面のビ
ッカース硬度は、800Hvであった。さらに、窒化処
理層の深さ方向で、20μmの深さではビッカース硬度
800Hvの70%、40μmの深さではビッカース硬
度800Hvの47.5%を維持していることが確認さ
れた。
化処理] 実施例1 オーステナイト質のステンレス鋼製(300系列)から
なるリファイナー叩解刃母材(クロム含有量10%、ビ
ッカース硬度370Hv)を用いて、該母材表面に窒化
処理を行った。窒化処理に当たっては、リファイナー叩
解刃を減圧炉に装填し、10-3mmHg程度の圧力に減
圧し、アンモニア20〜40体積%、水素5〜15体積
%、酸素2〜8体積%、残部が窒素よりなる混合ガスを
導入し、炉内温度480〜550℃で、3〜5時間適宜
調節して保持することによりリファイナー叩解刃母材表
面に窒化処理層を形成させた。得られたリファイナー叩
解刃には窒化処理層が強固に付着、形成されていた。な
お、リファイナー叩解刃の断面を走査型電子顕微鏡によ
り観察したところ、リファイナー叩解刃の表面から内部
に40μmの範囲に渡って窒化処理層が形成されている
ことが確認された。また、リファイナー叩解刃表面のビ
ッカース硬度は、800Hvであった。さらに、窒化処
理層の深さ方向で、20μmの深さではビッカース硬度
800Hvの70%、40μmの深さではビッカース硬
度800Hvの47.5%を維持していることが確認さ
れた。
【0060】実施例2
実施例1でクロム含有量を3%とした以外は実施例1と
同様にしてリファイナー叩解刃母材に窒化処理層を形成
し、リファイナー叩解刃を作製した。窒化処理層の厚さ
は10μm、ビッカース硬度は700Hvであった。
同様にしてリファイナー叩解刃母材に窒化処理層を形成
し、リファイナー叩解刃を作製した。窒化処理層の厚さ
は10μm、ビッカース硬度は700Hvであった。
【0061】実施例3
実施例1によるオーステナイト質のステンレス鋼製(3
00系列)の代わりにフェライト質ステンレス鋼を用
い、クロム含有量を25%とした以外は実施例1と同様
にしてリファイナー叩解刃母材に窒化処理層を形成し、
リファイナー叩解刃を作製した。窒化処理層の厚さは3
00μm、ビッカース硬度は1700Hvであった。さ
らに、窒化処理層の深さ方向で、20μmの深さではビ
ッカース硬度1700Hvの70%、40μmの深さで
はビッカース硬度1700Hvの30%を維持している
ことが確認された。
00系列)の代わりにフェライト質ステンレス鋼を用
い、クロム含有量を25%とした以外は実施例1と同様
にしてリファイナー叩解刃母材に窒化処理層を形成し、
リファイナー叩解刃を作製した。窒化処理層の厚さは3
00μm、ビッカース硬度は1700Hvであった。さ
らに、窒化処理層の深さ方向で、20μmの深さではビ
ッカース硬度1700Hvの70%、40μmの深さで
はビッカース硬度1700Hvの30%を維持している
ことが確認された。
【0062】実施例4
実施例1によるクロム含有量を20%とした以外は実施
例1と同様にしてリファイナー叩解刃母材に窒化処理層
を形成し、リファイナー叩解刃を作製した。窒化処理層
の厚さは100μm、ビッカース硬度は1000Hvで
あった。さらに、窒化処理層の深さ方向で、20μmの
深さではビッカース硬度1000Hvの70%、40μ
mの深さではビッカース硬度1000Hvの45%を維
持していることが確認された。
例1と同様にしてリファイナー叩解刃母材に窒化処理層
を形成し、リファイナー叩解刃を作製した。窒化処理層
の厚さは100μm、ビッカース硬度は1000Hvで
あった。さらに、窒化処理層の深さ方向で、20μmの
深さではビッカース硬度1000Hvの70%、40μ
mの深さではビッカース硬度1000Hvの45%を維
持していることが確認された。
【0063】比較例1
実施例1のリファイナー叩解刃母材に窒化処理する代わ
りに、炭化サーメット加工を施してリファイナー叩解刃
とした。炭化サーメット層の厚さは90μm、ビッカー
ス硬度は1100Hvであった。さらに、炭化サーメッ
ト層の深さ方向で、20μmの深さではビッカース硬度
1100Hvの100%、40μmの深さではビッカー
ス硬度1100Hvの100%を維持していた。
りに、炭化サーメット加工を施してリファイナー叩解刃
とした。炭化サーメット層の厚さは90μm、ビッカー
ス硬度は1100Hvであった。さらに、炭化サーメッ
ト層の深さ方向で、20μmの深さではビッカース硬度
1100Hvの100%、40μmの深さではビッカー
ス硬度1100Hvの100%を維持していた。
【0064】比較例2
実施例1のリファイナー叩解刃母材に窒化処理する代わ
りに、窒化ホウ素を表面加工してリファイナー叩解刃と
した。窒化ホウ素層の厚さは110μm、ビッカース硬
度は1100Hvであった。さらに、窒化ホウ素の加工
層の深さ方向で、20μmの深さではビッカース硬度1
100Hvの100%、40μmの深さではビッカース
硬度1100Hvの100%を維持していた。
りに、窒化ホウ素を表面加工してリファイナー叩解刃と
した。窒化ホウ素層の厚さは110μm、ビッカース硬
度は1100Hvであった。さらに、窒化ホウ素の加工
層の深さ方向で、20μmの深さではビッカース硬度1
100Hvの100%、40μmの深さではビッカース
硬度1100Hvの100%を維持していた。
【0065】[クロム加工層を設けたリファイナー叩解
刃母材に窒化処理] 実施例5 表面硬度がビッカース硬度が400Hvの鋳鋼からなる
リファイナー叩解刃母材の表面に、クロムメッキ法によ
りメッキ厚み90μmとなるようにクロム加工層を設け
た。続いて、クロム加工層上に、実施例1と同様の窒化
処理条件とし、窒化処理層を形成させ、リファイナー
叩解刃を作製した。ここで、クロムメッキ層のクロム含
有量は100%であった。また、窒化処理層の厚さは8
0μm、ビッカース硬度は1000Hvであった。さら
に、窒化処理層の深さ方向で、20μmの深さではビッ
カース硬度1000Hvの70%、40μmの深さでは
ビッカース硬度1000Hvの41%を維持しているこ
とが確認された。
刃母材に窒化処理] 実施例5 表面硬度がビッカース硬度が400Hvの鋳鋼からなる
リファイナー叩解刃母材の表面に、クロムメッキ法によ
りメッキ厚み90μmとなるようにクロム加工層を設け
た。続いて、クロム加工層上に、実施例1と同様の窒化
処理条件とし、窒化処理層を形成させ、リファイナー
叩解刃を作製した。ここで、クロムメッキ層のクロム含
有量は100%であった。また、窒化処理層の厚さは8
0μm、ビッカース硬度は1000Hvであった。さら
に、窒化処理層の深さ方向で、20μmの深さではビッ
カース硬度1000Hvの70%、40μmの深さでは
ビッカース硬度1000Hvの41%を維持しているこ
とが確認された。
【0066】[窒化処理層を設けたクロム含有リファイ
ナー叩解刃母材に蒸着被覆処理] 実施例6 実施例4の条件により窒化処理層を形成させた。得られ
たリファイナー叩解刃母材の窒化処理層の厚みは100
μm、ビッカース硬度は1100Hvであった。さら
に、窒化処理層の深さ方向で、20μmの深さではビッ
カース硬度1100Hvの70%、40μmの深さでは
ビッカース硬度1100μmの43.6%を維持してい
ることが確認された。このリファイナー叩解刃に、蒸着
被覆層を次のようにして設けた。金属チタンをターゲッ
トとする真空アーク放電型インオプレーティング装置に
て、バイアス電圧−40〜−60V、アーク電流80〜
120A、窒素圧力20mmTorrの条件で適宜調整
し、加工することにより厚さ2〜3μmの蒸着被覆層を
窒化処理層を設けたリファイナー叩解刃表面に形成し
た。蒸着被覆層は、リファイナー叩解刃に強固に付着し
ていた。得られたリファイナー叩解刃の断面を走査型電
子顕微鏡により観察したところ、リファイナー叩解刃の
表面から3μmの範囲に窒化チタンの蒸着被覆層が形成
されていることが確認された。
ナー叩解刃母材に蒸着被覆処理] 実施例6 実施例4の条件により窒化処理層を形成させた。得られ
たリファイナー叩解刃母材の窒化処理層の厚みは100
μm、ビッカース硬度は1100Hvであった。さら
に、窒化処理層の深さ方向で、20μmの深さではビッ
カース硬度1100Hvの70%、40μmの深さでは
ビッカース硬度1100μmの43.6%を維持してい
ることが確認された。このリファイナー叩解刃に、蒸着
被覆層を次のようにして設けた。金属チタンをターゲッ
トとする真空アーク放電型インオプレーティング装置に
て、バイアス電圧−40〜−60V、アーク電流80〜
120A、窒素圧力20mmTorrの条件で適宜調整
し、加工することにより厚さ2〜3μmの蒸着被覆層を
窒化処理層を設けたリファイナー叩解刃表面に形成し
た。蒸着被覆層は、リファイナー叩解刃に強固に付着し
ていた。得られたリファイナー叩解刃の断面を走査型電
子顕微鏡により観察したところ、リファイナー叩解刃の
表面から3μmの範囲に窒化チタンの蒸着被覆層が形成
されていることが確認された。
【0067】実施例7
実施例3の条件により窒化処理層を形成させた。得られ
たリファイナー叩解刃母材の窒化処理層の厚みは60μ
m、ビッカース硬度は800Hvであった。さらに、窒
化処理層の深さ方向で、20μmの深さではビッカース
硬度800Hvの70%、40μmの深さではビッカー
ス硬度800μmの48.7%を維持していることが確
認された。このリファイナー叩解刃に、蒸着被覆層を次
のようにして設けた。金属チタンをターゲットとする真
空アーク放電型インオプレーティング装置にて、バイア
ス電圧−40〜−60V、アーク電流80〜120A、
窒素圧力20mmTorrの条件で適宜調整し、加工す
ることにより厚さ2〜3μmの蒸着被覆層を窒化処理層
を設けたリファイナー叩解刃表面に形成した。蒸着被覆
層は、リファイナー叩解刃に強固に付着していた。得ら
れたリファイナー叩解刃の断面を走査型電子顕微鏡によ
り観察したところ、リファイナー叩解刃の表面から3μ
mの範囲に窒化チタンの蒸着被覆層が形成されているこ
とが確認された。
たリファイナー叩解刃母材の窒化処理層の厚みは60μ
m、ビッカース硬度は800Hvであった。さらに、窒
化処理層の深さ方向で、20μmの深さではビッカース
硬度800Hvの70%、40μmの深さではビッカー
ス硬度800μmの48.7%を維持していることが確
認された。このリファイナー叩解刃に、蒸着被覆層を次
のようにして設けた。金属チタンをターゲットとする真
空アーク放電型インオプレーティング装置にて、バイア
ス電圧−40〜−60V、アーク電流80〜120A、
窒素圧力20mmTorrの条件で適宜調整し、加工す
ることにより厚さ2〜3μmの蒸着被覆層を窒化処理層
を設けたリファイナー叩解刃表面に形成した。蒸着被覆
層は、リファイナー叩解刃に強固に付着していた。得ら
れたリファイナー叩解刃の断面を走査型電子顕微鏡によ
り観察したところ、リファイナー叩解刃の表面から3μ
mの範囲に窒化チタンの蒸着被覆層が形成されているこ
とが確認された。
【0068】[クロム加工層、窒化処理層を設けたリフ
ァイナー叩解刃母材に蒸着被覆処理] 実施例8 実施例5の条件により窒化処理層を形成させた。得られ
たリファイナー叩解刃母材の窒化処理層の厚みは80μ
m、ビッカース硬度は900Hvであった。さらに、窒
化処理層の深さ方向で、20μmの深さではビッカース
硬度900Hvの72.2%、40μmの深さではビッ
カース硬度900μmの44.4%を維持していること
が確認された。このリファイナー叩解刃に、蒸着被覆層
を次のようにして設けた。金属チタンをターゲットとす
る真空アーク放電型インオプレーティング装置にて、バ
イアス電圧−40〜−60V、アーク電流80〜120
A、窒素圧力20mmTorrの条件で適宜調整し、加
工することにより厚さ2〜3μmの蒸着被覆層を窒化処
理層を設けたリファイナー叩解刃表面に形成した。蒸着
被覆層は、リファイナー叩解刃に強固に付着していた。
得られたリファイナー叩解刃の断面を走査型電子顕微鏡
により観察したところ、リファイナー叩解刃の表面から
3μmの範囲に窒化チタンの蒸着被覆層が形成されてい
ることが確認された。
ァイナー叩解刃母材に蒸着被覆処理] 実施例8 実施例5の条件により窒化処理層を形成させた。得られ
たリファイナー叩解刃母材の窒化処理層の厚みは80μ
m、ビッカース硬度は900Hvであった。さらに、窒
化処理層の深さ方向で、20μmの深さではビッカース
硬度900Hvの72.2%、40μmの深さではビッ
カース硬度900μmの44.4%を維持していること
が確認された。このリファイナー叩解刃に、蒸着被覆層
を次のようにして設けた。金属チタンをターゲットとす
る真空アーク放電型インオプレーティング装置にて、バ
イアス電圧−40〜−60V、アーク電流80〜120
A、窒素圧力20mmTorrの条件で適宜調整し、加
工することにより厚さ2〜3μmの蒸着被覆層を窒化処
理層を設けたリファイナー叩解刃表面に形成した。蒸着
被覆層は、リファイナー叩解刃に強固に付着していた。
得られたリファイナー叩解刃の断面を走査型電子顕微鏡
により観察したところ、リファイナー叩解刃の表面から
3μmの範囲に窒化チタンの蒸着被覆層が形成されてい
ることが確認された。
【0069】上記の実施例1〜8および比較例1〜2に
より作製したリファイナー叩解刃は、いずれも外径20
インチのダブルディスクリファイナーのリファイナー叩
解刃であり、刃巾が2.2mm、溝幅が5.8mm、溝
深さが6.5mmのものとした。作製したそれぞれのリ
ファイナー叩解刃をダブルディスクリファイナーに装着
し、16回転/秒の回転速度の条件で電力負荷を調節し
てパルプを叩解した。パルプとしてはLBKPを使用
し、濃度3.8%で叩解した。180時間連続してパル
プを叩解し、それぞれのファイナー叩解刃による叩解後
のパルプの重量平均繊維長を測定した。結果を下記表1
に示した。
より作製したリファイナー叩解刃は、いずれも外径20
インチのダブルディスクリファイナーのリファイナー叩
解刃であり、刃巾が2.2mm、溝幅が5.8mm、溝
深さが6.5mmのものとした。作製したそれぞれのリ
ファイナー叩解刃をダブルディスクリファイナーに装着
し、16回転/秒の回転速度の条件で電力負荷を調節し
てパルプを叩解した。パルプとしてはLBKPを使用
し、濃度3.8%で叩解した。180時間連続してパル
プを叩解し、それぞれのファイナー叩解刃による叩解後
のパルプの重量平均繊維長を測定した。結果を下記表1
に示した。
【0070】なお、重量平均繊維長については、JAP
AN TAPPI紙パルプ試験方法No52に準拠して
測定した長さ加重平均繊維長の値である。平均繊維長
は、0.50mmが中心になるよう調整している。平均
繊維長分布曲線より、、全繊維長と0.53±0.25
mmの範囲にある比率を求めた。結果を下記表1に示し
た。この比率は、パルプ繊維長の均一性を示すものであ
り、シャープな分布であれば、このパルプから抄造した
紙は平滑な紙になり、ブロードな分布であれば、平滑な
紙にすることができない。
AN TAPPI紙パルプ試験方法No52に準拠して
測定した長さ加重平均繊維長の値である。平均繊維長
は、0.50mmが中心になるよう調整している。平均
繊維長分布曲線より、、全繊維長と0.53±0.25
mmの範囲にある比率を求めた。結果を下記表1に示し
た。この比率は、パルプ繊維長の均一性を示すものであ
り、シャープな分布であれば、このパルプから抄造した
紙は平滑な紙になり、ブロードな分布であれば、平滑な
紙にすることができない。
【0071】また、上記の実施例1〜8および比較例1
〜2により作製したリファイナー叩解刃の連続操業した
後の寿命について評価した。リファイナー叩解刃は上記
に同じくダブルディスクリファイナーに装着してパルプ
を叩解した。同一平均繊維長を得るための叩解電力負荷
が、リファイナー叩解刃を交換直後の1.5倍になるま
での運転時間をもってリファイナー叩解刃の寿命とし
た。この値が200時間以上であれば、摩耗性は良好で
あると判断する。ついでながら、上記実施例および比較
例では、特に平滑性を要する紙を目的としてパルプの叩
解を行ったものであり、他方、一般的なパルプの叩解に
当たっては叩解条件も緩やかであるため、リファイナー
叩解刃の寿命も通常3〜6ヶ月と長いのが普通である。
当然、本発明のリファイナー叩解刃を用いた場合であれ
ば、その寿命もさらに延びることは明らかである。な
お、叩解電力負荷は、叩解時の叩解機における実測であ
り、単位はkWである。結果を下記表1に示した。
〜2により作製したリファイナー叩解刃の連続操業した
後の寿命について評価した。リファイナー叩解刃は上記
に同じくダブルディスクリファイナーに装着してパルプ
を叩解した。同一平均繊維長を得るための叩解電力負荷
が、リファイナー叩解刃を交換直後の1.5倍になるま
での運転時間をもってリファイナー叩解刃の寿命とし
た。この値が200時間以上であれば、摩耗性は良好で
あると判断する。ついでながら、上記実施例および比較
例では、特に平滑性を要する紙を目的としてパルプの叩
解を行ったものであり、他方、一般的なパルプの叩解に
当たっては叩解条件も緩やかであるため、リファイナー
叩解刃の寿命も通常3〜6ヶ月と長いのが普通である。
当然、本発明のリファイナー叩解刃を用いた場合であれ
ば、その寿命もさらに延びることは明らかである。な
お、叩解電力負荷は、叩解時の叩解機における実測であ
り、単位はkWである。結果を下記表1に示した。
【0072】
【表1】
【0073】表1より、本発明により得られた実施例1
〜8のリファイナー叩解刃は、長時間の操業に耐えるこ
とができ、また均一な重量平均繊維長のパルプを得るこ
とができることは明らかである。一方、比較例1〜2の
リファイナー叩解刃は、寿命が短く、また均一な重量平
均繊維長のパルプを得ることができないことがわかる。
〜8のリファイナー叩解刃は、長時間の操業に耐えるこ
とができ、また均一な重量平均繊維長のパルプを得るこ
とができることは明らかである。一方、比較例1〜2の
リファイナー叩解刃は、寿命が短く、また均一な重量平
均繊維長のパルプを得ることができないことがわかる。
【0074】[紙の製造]
実施例9
上記実施例1〜8および比較例1〜2のリファイナー叩
解刃によりパルプを叩解し、得られた叩解パルプを用い
て紙を製造した。叩解パルプは、リファイナー叩解刃を
ぞれぞれ単独に使用し、連続180時間叩解した後、叩
解パルプを採取した。
解刃によりパルプを叩解し、得られた叩解パルプを用い
て紙を製造した。叩解パルプは、リファイナー叩解刃を
ぞれぞれ単独に使用し、連続180時間叩解した後、叩
解パルプを採取した。
【0075】紙の製造については、次のとおりである。
叩解パルプ100部に対し、アニオン性ポリアクリルア
ミドを0.3部、カチオン澱粉を2.0部、およびアル
キルケテンダイマーサイズ剤を0.4部、ポリアミド−
ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂を0.3部添加
し、長網抄紙機で坪量150g/m2の原紙を抄造し、ポ
リビニルアルコールの3%水溶液でサイズプレス加工し
て乾燥後、マシンカレンダーを用い、密度1.00g/
cm3になるように平滑化処理して紙を製造した。得ら
れた紙は、実施例1〜8および比較例1〜2のリファイ
ナー叩解刃を用いた叩解パルプに対応して、試料番号を
付与し、それぞれA−1〜A−8およびB−1〜B−2
とした。これらの試料について、下記の評価方法に従っ
て紙の平滑性および紙に混入された金属粉よりリファイ
ナー叩解刃の摩耗状態を評価し、その結果を下記表2に
示した。
叩解パルプ100部に対し、アニオン性ポリアクリルア
ミドを0.3部、カチオン澱粉を2.0部、およびアル
キルケテンダイマーサイズ剤を0.4部、ポリアミド−
ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂を0.3部添加
し、長網抄紙機で坪量150g/m2の原紙を抄造し、ポ
リビニルアルコールの3%水溶液でサイズプレス加工し
て乾燥後、マシンカレンダーを用い、密度1.00g/
cm3になるように平滑化処理して紙を製造した。得ら
れた紙は、実施例1〜8および比較例1〜2のリファイ
ナー叩解刃を用いた叩解パルプに対応して、試料番号を
付与し、それぞれA−1〜A−8およびB−1〜B−2
とした。これらの試料について、下記の評価方法に従っ
て紙の平滑性および紙に混入された金属粉よりリファイ
ナー叩解刃の摩耗状態を評価し、その結果を下記表2に
示した。
【0076】<平滑性>本発明のリファイナー叩解刃を
用いて製造した紙、中でも情報用紙や画像記録用紙など
における平滑性は、外観に関係する平滑性であり、原紙
の地合などに起因する波長が、数mm以上の比較的大き
な凸凹に寄与するところが大である。また、測定の際
に、表面に接触すると変形により変化する性質を有する
ため、通常の平滑性測定機器で評価することは困難であ
る。そこで、外観に関する微妙な差を評価するため、S
Ra、PY値を測定し、これを平滑性の指標とした。
用いて製造した紙、中でも情報用紙や画像記録用紙など
における平滑性は、外観に関係する平滑性であり、原紙
の地合などに起因する波長が、数mm以上の比較的大き
な凸凹に寄与するところが大である。また、測定の際
に、表面に接触すると変形により変化する性質を有する
ため、通常の平滑性測定機器で評価することは困難であ
る。そこで、外観に関する微妙な差を評価するため、S
Ra、PY値を測定し、これを平滑性の指標とした。
【0077】「SRa」とは、中心面平均粗さと言い、
下記数式1に記載される式により定義されるものであ
る。すなわち、粗さ曲面からその中心面上に面積Sの部
分を抜き取り、この抜き取り部分の中心面に直交座標
軸、X軸、Y軸を置き、中心面に直交する軸をZ軸で表
したとき、数式1で定義される量とする。
下記数式1に記載される式により定義されるものであ
る。すなわち、粗さ曲面からその中心面上に面積Sの部
分を抜き取り、この抜き取り部分の中心面に直交座標
軸、X軸、Y軸を置き、中心面に直交する軸をZ軸で表
したとき、数式1で定義される量とする。
【0078】
【数1】
通常、SRaが1.5μm未満であれば、非常に高平滑
な情報用紙や画像記録用紙である。また、SRaが1.
5μmを超えると上質紙などの一般紙と呼ばれる紙類よ
りは平滑であるが、情報用紙や画像記録用紙として使用
される場合には平滑性が不十分である。
な情報用紙や画像記録用紙である。また、SRaが1.
5μmを超えると上質紙などの一般紙と呼ばれる紙類よ
りは平滑であるが、情報用紙や画像記録用紙として使用
される場合には平滑性が不十分である。
【0079】また、「PY値」とは、厚みムラ指数のこ
とであり、2つの球状の触針の間に紙を走行させ、紙の
厚み変動を電子マイクロメーターを介して電気信号とし
て測定するフィルム厚み測定器を用い、電子マイクロメ
ーターの感度レンジが±15μm/±3Vの条件で、ゼ
ロ点調整後試料の抄紙方向に1.5m/分の定速で走査
することで試料の抄紙方向の厚み変動を測定し、得られ
た測定信号値をFFTアナライザーを用いて、時間窓に
ハニングウィンドウを使用して高速フーリエ変換し、1
28回の積算値の加算平均によるパワースペクトルを求
め、0.5mm〜12.5mmの周波数域のパワー値を
総和した値を厚みムラ変動指数PY値と規定し、シート
状基体表面上のうねりを示す指標として用いるものであ
る。
とであり、2つの球状の触針の間に紙を走行させ、紙の
厚み変動を電子マイクロメーターを介して電気信号とし
て測定するフィルム厚み測定器を用い、電子マイクロメ
ーターの感度レンジが±15μm/±3Vの条件で、ゼ
ロ点調整後試料の抄紙方向に1.5m/分の定速で走査
することで試料の抄紙方向の厚み変動を測定し、得られ
た測定信号値をFFTアナライザーを用いて、時間窓に
ハニングウィンドウを使用して高速フーリエ変換し、1
28回の積算値の加算平均によるパワースペクトルを求
め、0.5mm〜12.5mmの周波数域のパワー値を
総和した値を厚みムラ変動指数PY値と規定し、シート
状基体表面上のうねりを示す指標として用いるものであ
る。
【0080】高平滑な情報用紙や画像記録用紙では、
0.5〜12.5mmの周波数域におけるPY値が2.0
未満であることが要求される。ここで、PY値が2.0
を超えた場合、大きいうねり成分を有する紙となる。
0.5〜12.5mmの周波数域におけるPY値が2.0
未満であることが要求される。ここで、PY値が2.0
を超えた場合、大きいうねり成分を有する紙となる。
【0081】<金属粉等>金属粉等は、連続的な叩解に
よってリファイナー叩解刃が摩耗することから生じるも
のであり、紙中の金属粉やコーティングした砥粒等の混
入程度をみることでリファイナー叩解刃の摩耗状態を評
価した。評価基準は、「×」明らかに認められること、
「△」若干認められること、「○」全く認められない、
である。
よってリファイナー叩解刃が摩耗することから生じるも
のであり、紙中の金属粉やコーティングした砥粒等の混
入程度をみることでリファイナー叩解刃の摩耗状態を評
価した。評価基準は、「×」明らかに認められること、
「△」若干認められること、「○」全く認められない、
である。
【0082】
【表2】
【0083】表2より、本発明の実施例1〜8のリファ
イナー叩解刃を用いて製造した紙は、平滑性に優れ、紙
中への金属粉の混入もないことが明らかである。一方、
比較例1〜2のリファイナー叩解刃を用いて製造した紙
は、平滑性に劣り、紙中への金属が混入し、好ましくな
いことがわかる。
イナー叩解刃を用いて製造した紙は、平滑性に優れ、紙
中への金属粉の混入もないことが明らかである。一方、
比較例1〜2のリファイナー叩解刃を用いて製造した紙
は、平滑性に劣り、紙中への金属が混入し、好ましくな
いことがわかる。
【0084】
【発明の効果】本発明は、クロムを含有するステンレス
鋼などのリファイナー叩解刃母材またはクロム加工層を
設けたリファイナー叩解刃母材に、窒化処理層を設けた
リファイナー叩解刃、また該窒化処理層上に蒸着被覆層
を設けたリファイナー叩解刃とすることにより、硬質な
表面を有するリファイナー叩解刃を得ることができる。
さらに、本発明は、溶射、コーティングなどによる表面
加工方法と異なり、リファイナー叩解刃の刃型形状通り
の表面加工を可能とし、研磨による余剰部分を削り取っ
て使用する必要がなく、リファイナー叩解刃のエッジ形
状が鋭いため、パルプ繊維を長時間均一に叩解すること
ができる。また、本発明のリファイナー叩解刃を用いて
パルプ叩解する場合、叩解機のリファイナー叩解刃の寿
命が長くなり、操業安定性に優れた状態で均一な重量平
均繊維長のパルプが得られ、平滑性の優れた紙を製造す
ることができる。
鋼などのリファイナー叩解刃母材またはクロム加工層を
設けたリファイナー叩解刃母材に、窒化処理層を設けた
リファイナー叩解刃、また該窒化処理層上に蒸着被覆層
を設けたリファイナー叩解刃とすることにより、硬質な
表面を有するリファイナー叩解刃を得ることができる。
さらに、本発明は、溶射、コーティングなどによる表面
加工方法と異なり、リファイナー叩解刃の刃型形状通り
の表面加工を可能とし、研磨による余剰部分を削り取っ
て使用する必要がなく、リファイナー叩解刃のエッジ形
状が鋭いため、パルプ繊維を長時間均一に叩解すること
ができる。また、本発明のリファイナー叩解刃を用いて
パルプ叩解する場合、叩解機のリファイナー叩解刃の寿
命が長くなり、操業安定性に優れた状態で均一な重量平
均繊維長のパルプが得られ、平滑性の優れた紙を製造す
ることができる。
フロントページの続き
(72)発明者 山崎 健
東京都千代田区丸の内3丁目4番2号
三菱製紙株式会社内
(72)発明者 堀越 康弘
静岡県静岡市水落町7番−2号 有限会
社カナック内
(72)発明者 三原 英二
東京都千代田区神田北乗物町18番地 朝
比奈ビル2F 株式会社ユニデック内
(56)参考文献 特開 平7−301938(JP,A)
特開 平2−200763(JP,A)
特開 昭60−56054(JP,A)
特表 昭61−502043(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
D21B 1/00 - 1/38
D21D 1/00 - 5/28
C23C 8/24 - 8/26
Claims (10)
- 【請求項1】 リファイナー叩解刃母材がクロムを含有
する該母材またはクロムを表面加工した該母材であっ
て、該母材の表面または表面から内部に窒化処理した窒
化処理層を設けたリファイナー叩解刃。 - 【請求項2】 リファイナー叩解刃母材が、クロムを3
重量%以上を含有してなることを特徴とする請求項1記
載のリファイナー叩解刃。 - 【請求項3】 クロムを含有するリファイナー叩解刃母
材が、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1ま
たは2記載のリファイナー叩解刃。 - 【請求項4】 窒化処理層が、800〜1700Hvの
ビッカース硬度を有することを特徴とする請求項1〜3
のいずれか1項に記載のリファイナー叩解刃。 - 【請求項5】 リファイナー叩解刃母材がクロムを含有
する該母材またはクロムを表面加工した該母材であっ
て、該母材の表面または表面から内部に窒化処理した窒
化処理層を設け、さらに該窒化処理層上に蒸着被覆層を
設けたことを特徴とするリファイナー叩解刃。 - 【請求項6】 蒸着被覆層が、窒化クロム、窒化チタ
ン、窒化アルミニウムチタンから選ばれるいずれか1種
の蒸着被覆層であることを特徴とする請求項5記載のリ
ファイナー叩解刃。 - 【請求項7】 リファイナー叩解刃母材が、クロムを3
重量%以上含有することを特徴とする請求項5または6
記載のリファイナー叩解刃。 - 【請求項8】 クロムを含有するリファイナー叩解刃母
材が、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項5〜
7のいずれか1項に記載のリファイナー叩解刃。 - 【請求項9】 窒化処理層が、800〜1700Hvの
ビッカース硬度を有することを特徴とする請求項5〜8
のいずれか1項に記載のリファイナー叩解刃。 - 【請求項10】 請求項1または5記載のリファイナー
叩解刃を用いて叩解したパルプを紙料として紙を抄造す
ることを特徴とする紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36596898A JP3517141B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | リファイナー叩解刃およびそれを用いた紙の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36596898A JP3517141B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | リファイナー叩解刃およびそれを用いた紙の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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