JP3517138B2 - 自動車用シートの位置、姿勢可変装置 - Google Patents

自動車用シートの位置、姿勢可変装置

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JP3517138B2 JP35363298A JP35363298A JP3517138B2 JP 3517138 B2 JP3517138 B2 JP 3517138B2 JP 35363298 A JP35363298 A JP 35363298A JP 35363298 A JP35363298 A JP 35363298A JP 3517138 B2 JP3517138 B2 JP 3517138B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体のフロアパネ
ル上に設けられるシートへの着座位置を前後に可変とさ
せ、かつ、このシートを着座可能な姿勢から前上方に回
動させてコンパクトな収納姿勢に可変とさせるようにす
る自動車用シートの位置、姿勢可変装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】自動車用シートには、従来、特開平8‐
67186号公報で示されるものがある。
【0003】上記公報のものによれば、シートは、車体
のフロアパネルの上方に位置するシート本体と、このシ
ート本体を上記フロアパネルに支持させる支持手段とを
備え、上記シートは着座可能な姿勢とされている。
【0004】上記構成において、近時、支持手段が、上
記シート本体の下面側から下方に向って延出する前、後
脚と、これら前、後脚を前後に回動自在とさせるようそ
の各上端部を上記シート本体に枢支させる前、後上枢支
具と、上記前脚を前後に回動自在とさせるようその下端
部を上記フロアパネルに枢支させる前下枢支具と、上記
後脚の下端部を上記フロアパネルに係止させかつこの係
止部を中心として上記後脚を前後に回動自在とさせるよ
う上記フロアパネルに枢支させる係止具と、上記前脚の
下端部に上記後脚の下端部を連結させる連結具とを備え
たものが提案されている。
【0005】そして、上記構成のシートによれば、前、
後脚を前下枢支具と係止具を中心として前後方向に回動
させると共に、上記シート本体と前、後脚とを前、後上
枢支具を中心として相対的に回動させ、これにより、上
記シート本体をほぼ水平に前後方向に移動させると、着
座者の体格や好みに合うようにシートへの着座位置が前
後に変更できるようになっている。
【0006】また、上記前脚を前下枢支具を中心として
所定回動位置まで前方回動させると共に、上記係止具に
よる係止を解除させ上記シート本体を上記前上枢支具を
中心として所定回動位置まで前上方に回動させると、上
記シートは前後方向でコンパクトな縦長の収納姿勢にさ
れ、これにより、車室の乗車空間や作業空間が広げられ
ることとされている。
【0007】また、上記シートを収納姿勢にさせたと
き、上記フロアパネルに上記シート本体を係脱自在に係
止させて上記シートを収納姿勢に保持させる係止手段が
設けられている。また、この保持状態から上記シートを
着座可能な姿勢に戻すことを可能とするため、上記収納
姿勢の保持を解除可能とさせる係止解除操作手段が設け
られる。
【0008】そして、上記係止解除操作手段への操作に
よって、シートの収納姿勢の保持を解除させた後、上記
収納姿勢にしたシートを上記前下枢支具を中心として、
上記とは逆に後下方に回動させれば、上記後脚の下端部
が上記係止具によりフロアパネルに自動的に係止させら
れて、シートは前記した元の着座可能な姿勢に戻され
る。
【0009】上記の場合、シートの後下方への回動で、
これに伴い回動する後脚の下端部が上記係止具によりフ
ロアパネルに係止させられようとする際、上記後脚の下
端部は、これを上記前脚の下端部に連結させている上記
連結具によって、上記係止具に対する所定位置に位置決
めされ、このため、この係止具による上記係止が円滑に
なされるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
技術において、上記係止解除操作手段はできる簡単な構
成であることが好ましいため、上記係止解除操作手段を
上記係止手段から突出するベルトのような可撓性の引張
体で構成し、この引張体を引張して所定方向に移動させ
ることにより上記係止手段による係止を解除させ、もっ
て、収納姿勢の保持を解除させるようにすることが考え
られる。
【0011】しかし、上記したように引張体を単に可撓
性にすると、これは自由な方向に撓むこととなって上記
引張体を上記した所定方向と大きく傾斜した方向に引張
させるおそれがあり、この場合には、上記係止手段に無
理な負荷が与えられるおそれが生じる。
【0012】よって、上記係止手段の係止の解除が円滑
にできるようにする上で、上記引張体の引張方向には厳
密な制約が課せられることとなり、その分、上記係止の
解除、つまり、収納姿勢の保持の解除のためのシートに
対する操作が煩雑になるおそれがある。
【0013】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、シートの収納姿勢の保持を解除させよう
とする場合の係止手段に対する操作が円滑にかつ容易に
できるようにし、かつ、これが簡単な構成で達成される
ようにすることを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の自動車用シートの位置、姿勢可変装置は、次
の如くである。
【0015】請求項1の発明は、シート4が車体1のフ
ロアパネル2の上方に位置するシート本体6と、このシ
ート本体6を上記フロアパネル2に支持させる支持手段
7とを備え、上記支持手段7が、上記シート本体6の下
面側から下方に向って延出する前、後脚13,14と、
これら前、後脚13,14を前後に回動自在とさせるよ
うその各上端部を上記シート本体6に枢支させる前、後
上枢支具15,16と、上記前脚13を前後に回動自在
とさせるようその下端部を上記フロアパネル2に枢支さ
せる前下枢支具17と、上記後脚14の下端部を上記フ
ロアパネル2に係脱自在に係止させかつこの係止部を中
心として上記後脚14を前後に回動自在とさせるよう上
記フロアパネル2に枢支させる係止具18と、上記前脚
13の下端部に上記後脚14の下端部を連結させる連結
具53とを備え、上記前脚13を上記前下枢支具17を
中心として所定回動位置にまで前方回動させると共に、
上記シート本体6を上記前上枢支具15を中心として上
記フロアパネル2から上方に離れた所定回動位置にまで
前上方に回動させることにより上記シート4を収納姿勢
にさせたとき、上記フロアパネル2に上記シート本体6
を係止させる係止手段65を設けた自動車用シートの位
置、姿勢可変装置において、
【0016】上記係止手段65に一端部77が連結され
他端部78が後方に向って突出しこの他端部78が外部
からの操作力Gの入力部とされる可撓性の引張体79を
設け、上記引張体79の後方移動に連動して上記係止手
段65の係止を解除可能とさせ、上記引張体79の長手
方向の中途部を上記連結具53の一部に対し摺動自在に
係合させ、上記引張体79が後方移動するとき上記引張
体79の中途部が上記連結具53の一部に案内されて上
記一端部77が所定方向に移動するようにしたものであ
る。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の発明に加え
て、上記シート4を収納姿勢にさせたとき、上記引張体
79を上記係止手段65側から後上方に向って突出させ
たものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。
【0019】図1,2において、図中符号1は自動車の
車体で、矢印Frはこの自動車の車体1の前方を示して
いる。
【0020】上記車体1はほぼ水平に延びる板金製のフ
ロアパネル2を有し、このフロアパネル2の上方におけ
る車体1の内部が車室3とされ、この車室3に乗員など
着座者用のシート4が設けられている。このシート4
は、上記フロアパネル2の上方に位置するシート本体6
と、このシート本体6を上記フロアパネル2に支持させ
る支持手段7とを備えている。
【0021】上記シート本体6は、上記フロアパネル2
の上方でほぼ水平に延びるシートクッション8と、この
シートクッション8の後端部側から上方に向って突出す
るシートバック9と、このシートバック9の下端部を上
記シートクッション8の後端部に枢支させる枢支手段1
0とを備え、この枢支手段10を中心として、上記シー
トバック9が前下方に向って往復回動(A,B)自在と
されている。また、図示しないが、上記シートバック9
を任意回動位置でその回動を阻止可能とさせるリクライ
ニング手段が設けられている。
【0022】上記したシート4は、着座者が「着座可能
な姿勢」とされており、つまり、上記シート本体6のシ
ートクッション8は着座者が腰掛け可能な姿勢とされ、
上記シートバック9は、上記シートクッション8へ腰掛
けた状態で、背もたれ可能な姿勢とされている。
【0023】上記支持手段7は、上記シートクッション
8の前部の下面側から下方に向って延出する左右一対の
板金製前脚13と、上記シートクッション8の後部の下
面側から下方に向って延出する左右一対の板金製後脚1
4と、これら前、後脚13,14を前後に回動自在とさ
せるようその各上端部を上記シートクッション8に枢支
させる前、後上枢支具15,16と、上記前脚13を前
後に回動自在とさせるようその下端部を上記フロアパネ
ル2に枢支させる前下枢支具17と、上記後脚14の下
端部を上記フロアパネル2に係脱自在に係止させる係止
具18とを備えている。
【0024】上記前、後上枢支具15,16は、それぞ
れ上記シートクッション8の下面から突出するようこの
シートクッション8に固着されたブラケット21,22
と、これら各ブラケット21,22に上記前、後脚1
3,14の各上端部を枢支させる枢支軸23,24とを
備えている。一方、上記前下枢支具17は、上記フロア
パネル2に固着されたブラケット26と、このブラケッ
ト26に上記前脚13の下端部を枢支させる枢支軸27
とを備えている。
【0025】上記係止具18は、上記フロアパネル2に
固着されて係止軸かつ枢支軸を兼用する係止部29と、
上記後脚14の下端部に取り付けられてこの後脚14の
上下動により上記係止部29に係脱自在に係止される下
方に向って開く切り欠き形状の被係止部30とを備え、
上記係止部29に対し被係止部30が係止したままの状
態に保持可能とする不図示の保持手段が設けられてい
る。また、上記係止部29に対する被係止部30の係止
状態で、上記係止部29を中心として上記後脚14が前
後に回動自在とされ、つまり、上記係止具18の係止部
29は上記後脚14を前後に回動自在とさせるよう上記
フロアパネル2に枢支させている。
【0026】上記前上枢支具15の枢支軸23に第1ば
ね32が外嵌させられ、この第1ばね32は、上記枢支
軸23を中心として上記前脚13に対し上記シート本体
6を前方に回動させるよう付勢している。上記前下枢支
具17の枢支軸27に第2ばね33が外嵌させられ、こ
の第2ばね33は、上記枢支軸24を中心として上記フ
ロアパネル2に対し上記前脚13を前方に回動させるよ
う付勢している。
【0027】上記第2ばね33に抗して前下枢支具17
の枢支軸27を中心として上記前脚13が所定の後方回
動位置まで回動したとき、この前脚13の一部を当接さ
せてそれ以上の後方回動を阻止する後回動ストッパ34
が設けられ、この後回動ストッパ34は上記フロアパネ
ル2に固着されている。また、上記前下枢支具17の枢
支軸27を中心として上記前脚13が所定の前方回動位
置まで回動したとき、この前脚13の一部を当接させて
それ以上の前方回動を阻止する前回動ストッパ35が設
けられ、この前回動ストッパ35は上記前下枢支具17
のブラケット26に形成されている。
【0028】上記シートクッション8に対する上記前、
後脚13,14の少なくともいずれかの回動を任意回動
位置で阻止可能とする回動阻止手段38が設けられてい
る。具体的には、この回動阻止手段38は、上記前脚1
3に対し設けられており、上記前脚13の上端部に形成
された複数の切り欠きである被係止部39と、上記前上
枢支具15のブラケット21に枢支軸40により往復回
動(C,D)自在に枢支されこの往回動(C)で上記被係
止部39のいずれかの切り欠きに選択的に係脱自在に係
合するアーム形状の係止部41と、この係止部41に突
設された操作部42とを備えている。この場合、上記係
止部41は往回動(C)するよう不図示のばねで付勢さ
れており、つまり、被係止部39に係合する方向に付勢
されている。
【0029】上記シートクッション8に対する上記後脚
14の所定以上の前方回動を阻止可能とする他の回動阻
止手段45が設けられている。この回動阻止手段45は
上記後脚14の上端部に形成された被係止凹部46と、
上記後上枢支具16のブラケット22に枢支軸47によ
り往復回動(E,F)自在に枢支され、この往回動
(E)で上記被係止凹部46に係脱自在に係合する係止
アーム部48とを備えている。この場合、上記係止アー
ム部48は往回動(E)するよう不図示のばねで付勢さ
れており、つまり、被係止凹部46に係合する方向に付
勢されている。
【0030】上記前下枢支具17のブラケット26と上
記係止アーム部48とを互いに連動連結させる連動ケー
ブル49が設けられ、この連動ケーブル49の長手方向
の中途部は上記シートクッション8と前脚13とに固着
されたガイドチューブ50にその長手方向にのみ摺動自
在となるよう嵌入されている。
【0031】上記前脚13の下端部に後脚14の下端部
を連動連結させる断面円形の金属弾性棒材の連動リンク
である連結具53が設けられている。この連結具53
は、弾性的に屈曲可能であり、その一端部である前端部
が上記前脚13の下端部に上記枢支軸27により枢支さ
れ、他端部である後端部が上記後脚14の下端部に他の
枢支軸55により枢支されている。また、上記連結具5
3は、その長手方向の一部53aが上記シート本体6の
シートクッション8の底面6aの前後方向の中途部に向
って突出するよう車体1の側面視でほぼへの字形状に折
り曲げ形成されている。なお、上記シートクッション8
の底面6aは、樹脂製のアンダーカバー等の剛性のある
板材で構成されている。なお、上記連結具53の前端部
は前脚13の下端部の近傍でフロアパネル2や前下枢支
具17のブラケット26に枢支させてもよく、つまり、
フロアパネル2やブラケット26を介して上記前脚13
の下端部に連結させてもよい。
【0032】図1,2では、シート本体6は、前記した
シート4の「着座可能な姿勢」での前後可動範囲のう
ち、最後部位に位置させられて支持手段7により支持さ
れている。この場合、前脚13が後回動ストッパ34に
当接してフロアパネル2に対しそれ以上の後方回動が阻
止されている。また、前記回動阻止手段38における被
係止部39の最下端の切り欠きに係止部41が係合し
て、前上枢支具15の枢支軸23を中心としたシートク
ッション8と前脚13との相対回動が阻止されている。
更に、上記他の回動阻止手段45における被係止凹部4
6に係止アーム部48が係合して、後上枢支具16の枢
支軸24を中心としたシートクッション8と後脚14の
相対回動が阻止されている。
【0033】よって、上記シート本体6は、シート4の
「着座可能な姿勢」での最後部位で、上記支持手段7にお
ける上記後回動ストッパ34と両回動阻止手段38,4
5とにより、上記フロアパネル2に強固に支持されてい
る。なお、上記回動阻止手段38によりシートクッショ
ン8と前脚13との相対回動が阻止されたときには、上
記シートクッション8と後脚14との相対回動も間接的
に阻止されるため、上記他の回動阻止手段45は無くて
もよい。
【0034】図1,2と、図3中二点鎖線とで示す上記
シート4の「着座可能な姿勢」でのシート本体6の最後
部位から、上記回動阻止手段38の係止部41を復回動
(D)させ、上記被係止部39に対する係止部41の係
合を解除させると、上記フロアパネル2に対する前、後
脚13,14の前方回動による上記シート本体6の前方
移動が許容される。
【0035】そこで、上記前下枢支具17の枢支軸27
と、係止具18の係止部29とを中心として前、後脚1
3,14を前方回動させて、上記シート本体6をシート
4の「着座可能な姿勢」のうち、最前部位に位置させる
よう前方移動させると、図3中実線で示すように、前脚
13のそれ以上の前方回動が上記前回動ストッパ35に
より阻止される。そこで、上記回動阻止手段38の係止
部41を往回動(C)させれば、上記被係止部39の最
上端の切り欠きに上記係止部41が係合して、前上枢支
具15の枢支軸23を中心としたシートクッション8と
前脚13との相対回動が阻止される。
【0036】よって、上記シート本体6は、上記支持手
段7における上記前回動ストッパ35と回動阻止手段3
8とにより、上記フロアパネル2に強固に支持され、こ
れにより、上記シート4に対する着座位置が、「着座可
能な姿勢」での最後部位から最前部位に変更させられ
る。なお、上記シート本体6が最後部位に位置している
ときには、上記連結具53の形状は自由状態であるが、
上記シート本体6が最前部位に移動させられるとき、上
記枢支軸27と他の枢支軸55との離間寸法が変化し、
この際、上記連結具53はわずかながら弾性変形して屈
曲し、もって、上記寸法の変化分が吸収される。
【0037】上記した図1,2と、図3中二点鎖線とで
示す上記シート4の「着座可能な姿勢」でのシート本体
6の最後部位の状態(もしくは、図3中実線で示す上記
シート4の「着座可能な姿勢」でのシート本体6の最前
部位の状態)から、上記回動阻止手段38の係止部41
を復回動(D)させ、上記被係止部39に対する係止部
41の係合を解除させると、上記フロアパネル2に対す
る前、後脚13,14の前方回動(もしくは、後方回
動)による上記シート本体6の前方移動(もしくは後方
移動)が許容される。
【0038】そこで、上記前下枢支具17の枢支軸27
と、係止具18の係止部29とを中心として前、後脚1
3,14を前方(もしくは、後方)に回動させて、シー
ト4の「着座可能な姿勢」でシート本体6を前後方向の
中途部位に位置させるよう前方移動(もしくは、後方移
動)させ、ここで、上記回動阻止手段38の係止部41
を往回動(C)させて、上記被係止部39の中途部の切
り欠きに上記係止部41を係合させれば、前上枢支具1
5の枢支軸23を中心としたシートクッション8と前脚
13との相対回動が阻止され、例えば、図3中一点鎖線
で示すところで、シート本体6の位置変更が阻止され
る。これにより、上記シート4に対する着座位置が、
「着座可能な姿勢」での前後方向の中途部位に変更させ
られる。
【0039】上記の場合、シート本体6を最後部位から
前方に移動させると、連動ケーブル49がガイドチュー
ブ50内を前方に摺動し、このガイドチューブ50が係
止アーム部48を復回動(F)させ、この係止アーム部
48が被係止凹部46から離反し、もって、前記した他
の回動阻止手段45による回動阻止が自動的に解除され
る。一方、上記シート本体6がその後方移動で、最後部
位に戻るとき、不図示のばねの付勢力で、上記係止アー
ム部48が往回動(E)して再び上記被係止凹部46に
係合し、もって、上記した他の回動阻止手段45による
回動阻止が自動的に得られる。
【0040】また、上記の場合、フロアパネル2に対す
る前、後脚13,14の前方回動により、シート本体6
をその最後部位から前方移動させようとするときには、
上記前、後脚13,14の回動は上記第1、第2ばね3
2,33により付勢されており、このため、上記シート
本体6の最後部位からの前方移動は軽快にできる。
【0041】一方、上記フロアパネル2に対する前、後
脚13,14の後方回動により、シート本体6を中途部
位から後方移動させようとするときには、上記第1、第
2ばね32,33の付勢力に抗する必要があるが、シー
ト本体6の後方移動は、通常、着座者の体重を利用して
なされるため、このシート本体6の後方移動は軽快にな
される。
【0042】また、上記シート本体6が中途部位から最
後部位に向って後方移動して、この後方移動が後下がり
になるとき、上記した第1、第2ばね32,33の付勢
力は上記シート本体6の後下方への急速な移動を抑制さ
せるため、シート本体6の後方移動時に、これに着座し
ている着座者に後下方に落下するようなフィーリングが
与えられることが抑制される。
【0043】また、シート本体6が中途部位側から前方
移動して最前部位に接近するとき、上記第1、第2ばね
32,33の全体的な付勢力が、フロアパネル2に対し
前脚13を後方に回動させるよう付勢するよう設定され
ている。
【0044】このため、上記シート本体6が中途部位か
ら最前部位に向って前方移動して、この前方移動が前下
りになるとき、上記した第1、第2ばね32,33の付
勢力は上記シート本体6の前下方への急速な移動を抑制
させるため、シート本体6の前方移動時に、これに着座
している着座者に前下方に落下するようなフィーリング
が与えられることが抑制される。
【0045】上記構成によれば、要するに、シート4の
「着座可能な姿勢」において、上記回動阻止手段38への
操作で、シートクッション8に対する前、後脚13,1
4の回動を許容させ、次に、これら前、後脚13,14
を上記フロアパネル2とシートクッション8とに対しそ
れぞれ回動させて上記シート本体6を前後方向での所望
位置に変更させ、この位置においての上記シートクッシ
ョン8に対する前、後脚13,14の回動位置で、その
回動を上記回動阻止手段38により阻止させれば、上記
シート本体6をフロアパネル2の前後方向における所望
位置に支持させることができ、即ち、シート4への着座
位置を着座者の体格や好みに合わせて前後に変更でき
る。
【0046】図1中実線で示すように、上記シート4の
「着座可能な姿勢」でシート本体6が最後部位に位置し
た状態から、上記シートバック9を往回動(A)させる
と、このシートバック9はシートクッション8の上面側
に重ね合わせ可能とされている(図1中二点鎖線)。
【0047】図4,5において、上記係止具18におけ
る係止部29から被係止部30を離脱させた状態、つま
り、上記フロアパネル2から上記後脚14を離脱させた
状態では、上記シートクッション8にシートバック9を
重ね合わせた状態でのシート4が上記前下枢支具17の
枢支軸27を中心として、前上方に向って往復回動自在
とされている。
【0048】上記シート4の不使用時などにこれを収納
させようとする場合には、上記したように、シートクッ
ション8にシートバック9を重ね合わせ、上記前下枢支
具17の枢支軸27を中心として上記シート4を前上方
に向って回動させるが、これをより具体的に説明する。
【0049】上記シートクッション8にシートバック9
を重ね合わせた状態で、上記係止具18の係止部29に
対する被係止部30の係止を解除させる一方、上記前脚
13を上記前下枢支具17の枢支軸27を中心として所
定回動位置にまで前方に回動させて上記後回動ストッパ
34によりそれ以上の前方回動を阻止させ(図4,5中
実線)、かつ、上記シート本体6を上記前上枢支具15
の枢支軸23を中心として前上方に回動させ、縦長の姿
勢とさせる(図4中実線)。
【0050】また、上記状態で、上記回動阻止手段38
における被係止部39から係止部41を離脱させると、
上記第1ばね32は、上記シート本体6を上記前上枢支
具15の枢支軸23を中心として前上方に往回動させる
よう付勢し、つまり、上記第1ばね32は、上記シート
本体6、前脚13、後脚14、および連結具53を車体
1の側面視で上下方向に長くて前後方向の幅寸法が小さ
い菱形にさせるよう付勢し、このため、このシート4の
前後方向の幅寸法が小さくなり、コンパクトとなる。
【0051】上記状態から更に、上記シート本体6を上
記前上枢支具15の枢支軸23を中心として前上方に回
動させ、上記フロアパネル2から上方に離れた所定回動
位置にまで回動させれば(図4,5中一点鎖線)、上記
シート4は更に幅寸法の小さい菱形の「収納姿勢」とさ
れる。そして、このように、シート4を「収納姿勢」と
させたとき、それ以上のシート本体6の前上方への回動
を阻止する収納用ストッパ56が設けられており、この
収納用ストッパ56は、上記回動阻止手段38の係止部
41と、上記前脚13に形成されて上記係止部41を当
接させるストッパ面57とで構成されている。そして、
上記シート4は「収納姿勢」で、収納されることとなる
(図4,5中一点鎖線)。
【0052】上記の場合、シート4を前下枢支具17を
中心として前上方に往回動させるとき、第2ばね33の
付勢により、上記シート4の前上方の回動が助長され、
よって、シート4の収納作業が軽快かつ容易にできる。
【0053】図4,5において、上記前下枢支具17を
中心として上記シート4を前上方へ回動させたとき、こ
の前上方への回動に連動して、上記回動阻止手段38に
よる上記前脚13の回動阻止状態を自動的に解除させる
回動阻止解除機構58が設けられている。
【0054】上記回動阻止解除機構58は、前脚13に
枢支軸59により回動自在に枢支された解除アーム60
と、この解除アーム60を前下枢支具17のブラケット
26に連結させるリンク61とを備えている。
【0055】そして、上記シート本体6が、シート4の
「着座可能な姿勢」における最後部位に位置する状態か
ら、シート4が上記前下枢支具17を中心として前上方
に回動させられるとき、上記解除アーム60を前下枢支
具17のブラケット26に連結させているリンク61に
より、上記解除アーム60の回動が制御されて、この解
除アーム60が、上記被係止部39に係合している係止
部41を強制的に復回動(D)させて上記係合を解除させ
るようになっており、つまり、上記回動阻止手段38に
よる上記前脚13の回動阻止状態が自動的に解除され
る。また、この際、前記したように、他の回動阻止手段
45による後脚14の回動阻止状態も連動ケーブル49
とガイドチューブ50により解除されている。すると、
前記したように、第1ばね32の付勢力により、上記シ
ート4が菱形とされてコンパクトにされる。
【0056】上記構成によれば、シート4の「着座可能
な姿勢」からこのシート4を収納させるための「収納姿
勢」にさせようとして、上記前下枢支具17の枢支軸2
7を中心として前上方へ回動させたとき、上記回動阻止
手段38による上記前脚13の回動阻止状態が自動的に
解除されるため、その後は、「着座可能な姿勢」にされ
ていたシート4を、第1、第2ばね32,33の付勢力
の助けをかりて、縦長の菱形など、前後方向でコンパク
トな形状にできて、その収納スペースを小さくさせるこ
とができる。
【0057】そして、上記したように、シート4をコン
パクトな「収納姿勢」にさせる場合に、上記回動阻止手
段38への操作が不要である分、シート4を「収納姿
勢」にさせるための作業が更に容易となる。
【0058】上記したように、前脚13を上記前下枢支
具17の枢支軸27を中心として所定回動位置にまで回
動させ(図4,5中実線)、かつ、上記シート本体6を
上記前上枢支具15の枢支軸23を中心として所定回動
位置にまで前上方に回動させてシート4を「収納姿勢」
とさせたとき(図4,5中一点鎖線)、それ以上に上記
前脚13とシート本体6とが前方回動することを阻止す
ると共に、ここから後方回動することをも阻止して上記
シート4の「収納姿勢」を保持するように、上記フロア
パネル2に上記シートクッション8を係脱自在に係止さ
せる係止手段65が設けられている。
【0059】上記係止手段65は、上記前脚13が前下
枢支具17の枢支軸27を中心として所定回動位置にま
で回動したとき、それ以上の前方回動を阻止する前記前
回動ストッパ35と、上記シート本体6が上記前上枢支
具15の枢支軸23を中心として所定回動位置にまで前
上方に回動したとき、それ以上の前上方への回動を阻止
する前記収納用ストッパ56とを備えている。
【0060】また、上記係止手段65は、上記前脚13
の前方近傍で上記フロアパネル2側から上方に向って突
出しその上部が前後方向に回動自在となるようその下端
部が枢支軸66によりブラケット26を介しフロアパネ
ル2に枢支される回動アーム67と、この回動アーム6
7を前方回動させるよう付勢するばね68と、上記回動
アーム67が所定回動位置にまで前方回動したときそれ
以上の前方回動を阻止するストッパ手段69と、上記回
動アーム67の回動端に一体的に設けられる切り欠き形
状の係止部72と、上記シートクッション8に固設され
て上記シート4が「収納姿勢」となったとき上記係止部
72に係脱自在に係止される軸形状の被係止部73とを
備えている。
【0061】上記の場合、前上枢支具15の枢支軸23
を中心としたシート本体6の前上方への回動に伴って回
動する被係止部73が上記係止部72に係止されようと
する直前には、上記被係止部73が係止部72の上端面
に圧接しながら摺動して、この係止部72と共に上記回
動アーム67を上記ばね68の付勢力に抗しながら、一
旦、後方回動させ(図5中一点鎖線)、その後、上記ば
ね68の付勢力で上記回動アーム67と共に前方回動す
る係止部72が上記被係止部73を自動的に係止させる
ようになっている。
【0062】上記係止部72は切り欠き形状とされてい
て、この係止部72に被係止部73が係止されたとき、
上記シート本体6が前上枢支具15の枢支軸23を中心
として前後回動することは、がたつきなく、かつ、強固
に阻止される。これにより上記シート4は「収納姿勢」
に保持される。
【0063】なお、上記の場合、係止部72と被係止部
73の存在により、前記収納用ストッパ56はなくても
よい。また、これとは逆に、上記収納用ストッパ56を
残存させ、上記係止部72を単にフック形状としてもよ
い。
【0064】上記したように、シート4を「収納姿勢」
にさせたとき、上記連結具53の長手方向の一部53a
が上記シート本体6のシートクッション8の一部である
底面に圧接させられて、上記後脚14は後上枢支具16
を中心としたそれ以上の前方回動が阻止されるようにな
っている。
【0065】このため、上記したように、シート4を
「収納姿勢」にさせようとして、前脚13とシート本体
6とをそれぞれ所定回動位置に向うよう回動させたと
き、上記前脚13に連結具53を介し連動する後脚14
が、後上枢支具16を中心として必要以上に無用に前方
回動するということが防止されて、所定回動位置(図4
中一点鎖線)にとどめられて位置決めされ、シート4が
「収納姿勢」とされる。
【0066】よって、その後、上記前脚13とシート本
体6とを上記とは逆に回動させて、シート4を「着座可
能な姿勢」に戻すとき、上記前脚13に上記連結具53
を介して上記後脚14が円滑に連動することとなり、つ
まり、上記シート4を「収納姿勢」から「着座可能な姿
勢」に姿勢を変更させる場合に、この変更の作業が確実
に円滑にできることとなる。
【0067】また、上記連結具53を、一端部が上記前
脚13の下端部に枢支され他端部が上記後脚14の下端
部に枢支される棒材で構成し、上記連結具53の長手方
向の一部53aが上記シート本体6の底面6aに向って
湾曲するよう突出するほぼへの字形状となるよう形成
し、上記シート4を収納姿勢にさせたとき、上記連結具
53の一部53aが上記シート本体6の一部である底面
6aに圧接するようにしてある。
【0068】このため、シート4を「収納姿勢」にさせ
たとき、上記連結具53はこの「収納姿勢」のシート4
の後部に位置しているが、この「収納姿勢」における連
結具53は上下方向に延びて、その中途部である一部5
3aが前方に向って湾曲するよう突出する車体1の側面
視でほぼくの字形状となる。
【0069】よって、上記連結具53の内側空間の分、
上記「収納姿勢」のシート4の後方における車室3の空
間が広くされ、乗車や作業上有益である。
【0070】上記の場合、連結具53は棒材で成形され
たため、上記した姿勢の変更作業を円滑にさせるように
することは、簡単な構成で達成される。また、上記連結
具53の一部53aを圧接させるシート本体6のシート
クッション8の底面6aは剛性のある板材で成形されて
いるため、上記一部53aが上記底面に圧接しても、こ
の底面の変形が防止され、その分、上記後脚14の所定
回動位置への位置決めがより精度よくなされることとな
る、
【0071】また、上記シート4の「収納姿勢」で、上
記連結具53は弾性体であって、その一部53aが上記
シートクッション8の底面6aに圧接するため、上記前
脚13、後脚14、およびこれらを連動連結させる連結
具53の各枢支点ががたつくことが防止され、また、上
記連結具53は長尺のものではあるがこの連結具53の
中途部ががたつくことも防止され、異音の発生が防止さ
れる。
【0072】図2,5,6において、上記係止部72に
被係止部73が係止させられた係止手段65の係止状態
を、外部からの操作力Gを入力して解除可能とさせる係
止解除操作手段75が設けられ、この係止の解除によっ
て上記「収納姿勢」の保持が解除される。
【0073】上記係止解除操作手段75は、一端部77
が上記回動アーム67の長手方向の中途部に連結され、
他端部78が上記回動アーム67から後方に向って突出
し上記他端部78が操作者の把持部であって操作力Gの
入力部とされる可撓性の引張体79を備えている。この
引張体79の他端部78を把持して操作力Gを入力し後
方に引張して後方移動させれば、これに連動して上記回
動アーム67が後方に回動し、上記係止部72と被係止
部73との係止が解除可能とされている。
【0074】上記引張体79は、可撓性ベルト材で成形
され平面視で前後方向に長細い環形状とされて、車幅方
向で互いに接近して対面する左右側片79a,79aを
備えている。上記回動アーム67の後方、かつ、この回
動アーム67と車幅方向でほぼ同じ位置に上記連結具5
3の長手方向の中途部である一部が配設され、上記引張
体79の長手方向の中途部における左右側片79a,7
9aの間に上記連結具53の一部が貫通させられ、この
貫通により、上記引張体79の長手方向の中途部が上記
連結具53の一部に対し上記長手方向に摺動自在に係合
させられている。また、上記引張体79がそのほぼ長手
方向に沿って後方移動するとき、上記引張体79の中途
部の少なくともいずれか一方の側片79a,79aが上
記連結具53の一部に案内されて上記一端部77が「所
定方向」に移動することとされている。
【0075】図5,6において、上記係止部72による
被係止部73の係止を解除させようとして、上記引張体
79の他端部78を把持して後方に引張して後方移動さ
せ、これに連動するよう上記枢支軸66を中心として回
動アーム67を後方回動させるとき、上記枢支軸66の
周りに無理な力が生じないようにして上記引張が円滑に
できるようにするためには、車体1の平面視で、上記引
張体79の他端部78の移動方向を上記枢支軸66を中
心とした回動アーム67の回動方向(上記枢支軸66の
径方向)と一致させることが好ましく、このため、上記
した「所定方向」は上記回動アームの回動方向とほぼ一
致している(図6中実線)。
【0076】上記シート4が「着座可能な姿勢」である
とき、上記引張体79は、上記シート本体6の支持手段
7の下方に配設されていて、上記シート4の外方に突出
するということが防止されている(図2)。一方、上記
シート4を「収納姿勢」としたとき、上記引張体79は
上記係止手段65側から後上方に向って突出させられる
(図5)。
【0077】また、上記引張体79の他端部78の左右
側片79a,79aは互いに縫着させられて縫着部80
が設けられ、この縫着部80と、この縫着部80よりも
他端部78側の端部の把持がし易くされ、かつ、上記引
張体79がより撓まないよう剛性が与えられている。な
お、上記縫着部80はなくてもよい。
【0078】上記構成によれば、特に、図4〜6におい
て、前脚13を上記前下枢支具17を中心として所定回
動位置にまで前方回動させると共に、上記シートクッシ
ョン8にシートバック9を重ね合わせた状態の上記シー
ト本体6を上記前上枢支具15を中心として上記フロア
パネル2から上方に離れた所定回動位置にまで前上方に
回動させ、つまり、シート4を「収納姿勢」にさせたと
き、上記フロアパネル2に上記シートクッション8を自
動的に係脱自在に係止させる係止手段65を設けてあ
り、次の効果が生じる。
【0079】即ち、上記シート4は、上記した係止手段
65によるシートクッション8の係止によって「収納姿
勢」に保持され、この場合、上記したように、シート本
体6はフロアパネル2から上方に離れたところに位置さ
せられることから、上記フロアパネル2から離れた分、
上記前脚13をより鉛直に近い縦向き姿勢にさせること
ができる。
【0080】よって、上記前脚13を含めたシート4
を、全体的に縦長の形状にできることから、このシート
4を前後方向でコンパクトな「収納姿勢」にでき、この
ようにシート4をコンパクトにできる分、車室3の乗車
空間や作業空間がより広げられる。
【0081】また、上記したように、前脚13とシート
本体6とを所定回動位置にまで回動させてこれら6,1
3を含むシート4を「収納姿勢」にさせたとき、上記フ
ロアパネル2に上記シート本体6のシートクッション8
を自動的に係脱自在に係止させる係止手段65を設けて
あり、この係止により、上記シート4を「収納姿勢」の
ままに保持させることができる。
【0082】よって、上記シート4を「収納姿勢」に保
持させるのは、上記した単一の係止手段65によって自
動的に達成されることから、上記シート4を「収納姿
勢」に保持させることは簡単な構成で達成され、かつ、
このように保持させる際のシート4に対する操作が容易
にできる。
【0083】一方、上記「収納姿勢」の保持状態を解除
させようとする際の前記係止解除操作手段75に対する
操作は、上記した引張体79を単に引張して後方移動さ
せるという単一の上記係止手段65に対する簡単な操作
で足り、つまり、上記した「収納姿勢」の保持を解除さ
せようとする際のシート4に対する操作が容易にできる
こととなる。
【0084】また、上記したように引張体79を引張し
て後方移動させるとき、前記したように、引張体79の
左右側片79a,79aの間を連結具53の一部が貫通
して上記引張体79の中途部を係合させているため、仮
に、上記引張体79の他端部78を上記回動アーム67
の回動方向に対し、傾斜した方向に引張したとしても
(図6中二点鎖線)、上記引張体79の中途部のいずれ
か一方の側片79aが上記連結具53に対し摺動して、
その一端部77が上記回動アーム67の回動方向とほぼ
同じである前記「所定方向」に引張されるよう案内さ
れ、このため、上記枢支軸66や回動アーム67に無理
な外力が与えられることが防止されて、上記回動アーム
67が円滑に回動させられると共に、上記引張体79の
引張も円滑になされることとなる。
【0085】よって、上記回動アーム67を円滑に回動
させようとする上で、上記引張体79の他端部78の引
張方向に厳密な制約が課せられるということが抑制さ
れ、その分、上記係止の解除、つまり、「収納姿勢」の
保持の解除のためのシート4に対する操作が容易にでき
ることとなる。
【0086】しかも、上記連結具53はその長手方向で
全体的に断面が円形であるため、上記連結具53に引張
体79が案内されるときの摺動が円滑になされ、よっ
て、上記「収納姿勢」の保持の解除のためのシート4に
対する操作が更に容易となる。また、この操作の容易化
は、上記連結具53の利用により達成されたのであり、
つまり、簡単な構成により達成される。
【0087】また、前記したように、シート4を「収納
姿勢」にさせたとき、上記引張体79は上記係止手段6
5側から後上方に向って突出させられる。
【0088】このため、上記前下枢支具17を中心とし
て前上方に回動して「収納姿勢」とされたシート4の後
方の広い空間に上記引張体79が突出することとなり、
この引張体79に対する引張操作が容易にできる。
【0089】よって、上記係止手段65の係止の解除
が、より容易にできることとなる。
【0090】そして、上記したように「収納姿勢」の保
持を解除させると、この「収納姿勢」から上記シート4
の後下方への回動が許容される。そこで、上記シート4
を後下方に回動させると、その途中で、上記解除アーム
60は、被係止部39に対する係止部41の係合を許容
し、この係合と、上記シート4の更なる後下方への回動
により、「着座可能な姿勢」にさせることができる。
【0091】上記の場合、シート4の後下方への回動
で、これに伴い回動する後脚14の下端部が上記係止具
18によりフロアパネル2に係止させられようとする
際、上記後脚14の下端部は、これを上記前脚13の下
端部に連動連結させている上記連結具53によって、上
記係止具18に対する所定位置に位置決めされ、このた
め、上記係止具18の被係止部30は係止部29に確実
に係脱自在に係合させられ、シート4は「着座可能な姿
勢」に戻される。
【0092】図2,5,6において、上記前脚13に上
記回動アーム67を連動連結させる連動体84が設けら
れている。この連動体84は前後方向に長く延びるリン
ク85を備えている。このリンク85の一端部(前端
部)にはその長手方向に延びる長孔86が形成され、こ
の長孔86と上記回動アーム67の上部に取り付けられ
た係合ピン87とが前後に摺動自在となるよう係合させ
られている。また、上記リンク85の他端部(後端部)
は上記前脚13の上部に枢支軸88により枢支されてい
る。
【0093】上記シート4の「収納姿勢」では、上記ば
ね68の付勢により回動アーム67と共に前方回動した
上記係合ピン87が上記長孔86の前縁に当接して、上
記回動アーム67のそれ以上の前方回動が阻止される
(図5中実線)。このため、上記連動体84が上記スト
ッパ手段69を構成することとして、図中のストッパ手
段69は設けなくてもよい。
【0094】一方、前記したように、係止部72による
被係止部73の係止を解除させようとして、上記引張体
79を引張し回動アーム67を後方回動させると、この
回動アーム67と共に後方回動する係合ピン87が上記
長孔86を後方に摺動して上記係止の解除が許容される
(図5中二点鎖線)。
【0095】上記構成によれば、係止手段65が、上記
前脚13の前方近傍で上記フロアパネル2側から上方に
向って突出しその上部が前後方向に回動自在となるよう
その下端部が上記フロアパネル2に枢支される回動アー
ム67と、この回動アーム67の回動端に設けられる係
止部72と、上記シートクッション8に設けられて上記
係止部72に係脱自在に係止される被係止部73と、上
記前脚13に上記回動アーム67を連動連結させる連動
体84とを備えている。
【0096】このため、上記シート本体6への着座位置
を変更させようとするときなど、上記前脚13を前後方
向に回動させるとき、上記回動アーム67は上記連動体
84によって上記前脚13の近傍でこの前脚13と共に
回動する。
【0097】よって、上記係止手段65の構成部品の一
部である回動アーム67は、上記シート4が「着座可能
な姿勢」や「収納姿勢」のいずれであっても、上記シー
ト4のシート本体6や支持手段7からその外方に大きく
突出するということが抑制されて、このシート4はいず
れの姿勢においても全体としてコンパクトに保たれる。
【0098】
【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。
【0099】請求項1の発明によれば、シートが車体の
フロアパネルの上方に位置するシート本体と、このシー
ト本体を上記フロアパネルに支持させる支持手段とを備
え、上記支持手段が、上記シート本体の下面側から下方
に向って延出する前、後脚と、これら前、後脚を前後に
回動自在とさせるようその各上端部を上記シート本体に
枢支させる前、後上枢支具と、上記前脚を前後に回動自
在とさせるようその下端部を上記フロアパネルに枢支さ
せる前下枢支具と、上記後脚の下端部を上記フロアパネ
ルに係脱自在に係止させかつこの係止部を中心として上
記後脚を前後に回動自在とさせるよう上記フロアパネル
に枢支させる係止具と、上記前脚の下端部に上記後脚の
下端部を連結させる連結具とを備え、上記前脚を上記前
下枢支具を中心として所定回動位置にまで前方回動させ
ると共に、上記シート本体を上記前上枢支具を中心とし
て上記フロアパネルから上方に離れた所定回動位置にま
で前上方に回動させることにより上記シートを「収納姿
勢」にさせたとき、上記フロアパネルに上記シート本体
を係止させる係止手段を設けた自動車用シートの位置、
姿勢可変装置において、
【0100】上記係止手段に一端部が連結され他端部が
後方に向って突出しこの他端部が外部からの操作力の入
力部とされる可撓性の引張体を設け、上記引張体の後方
移動に連動して上記係止手段の係止を解除可能とさせ、
上記引張体の長手方向の中途部を上記連結具の一部に対
し摺動自在に係合させ、上記引張体が後方移動するとき
上記引張体の中途部が上記連結具の一部に案内されて上
記一端部が「所定方向」に移動するようにしてある。
【0101】このため、上記係止手段の係止を解除させ
ようとして、上記引張体を後方移動させるとき、上記係
止手段に連結されたその一端部の移動方向が、この係止
手段の係止の解除を無理なく円滑にさせる上記「所定方
向」となるように予め上記引張体の長手方向の中途部を
上記連結具の一部に係合させておけば、上記他端部の引
張方向が上記「所定方向」から多少傾斜したとしても、
上記引張体の一端部は上記「所定方向」に移動し、これ
に連動する上記係止手段はその係止が円滑に解除される
と共に、上記引張体の引張も円滑になされることとな
る。
【0102】よって、上記係止手段の係止の解除のため
の操作が円滑にできるようにする上で、上記引張体の他
端部の引張方向に厳密な制約が課せられるということは
抑制され、その分、上記係止の解除、つまり、「収納姿
勢」の保持の解除のためのシートに対する操作が容易に
できることとなる。
【0103】そして、上記引張体はベルトのような可撓
性のものであって構成が単純なものであり、また、上記
引張体の案内のために、上記前脚に対する後脚の位置決
めをさせるための連結具が利用されたのであり、このた
め、シートの「収納姿勢」の保持を解除させるためのシ
ートに対する操作の容易化は、簡単な構成により達成さ
れる。
【0104】請求項2の発明は、上記シートを「収納姿
勢」にさせたとき、上記引張体を上記係止手段側から後
上方に向って突出させてある。
【0105】このため、上記前下枢支具を中心として前
上方に回動して「収納姿勢」とされたシートの後方の広
い空間に上記引張体が突出することとなり、この引張体
に対する引張操作が容易にできる。
【0106】よって、上記係止手段の係止の解除が、よ
り容易にできることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シートの「着座可能な姿勢」でシート本体が最
後部位にあるときのシートの全体側面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】シートの「着座可能な姿勢」における作用を説
明する図1に相当する作用説明図である。
【図4】シートを収納させるときの作用を説明する図1
に相当する作用説明図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【図6】図5の6‐6線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 車体 2 フロアパネル 3 車室 4 シート 6 シート本体 6a 底面(一部) 7 支持手段 8 シートクッション 9 シートバック 13 前脚 14 後脚 15 前上枢支具 16 後上枢支具 17 前下枢支具 18 係止具 53 連結具 53a 一部 65 係止手段 66 枢支軸 67 回動アーム 72 係止部 73 被係止部 75 係止解除操作手段 77 一端部 78 他端部 79 引張体 79a 側片 80 縫着部 G 操作力

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートが車体のフロアパネルの上方に位
    置するシート本体と、このシート本体を上記フロアパネ
    ルに支持させる支持手段とを備え、上記支持手段が、上
    記シート本体の下面側から下方に向って延出する前、後
    脚と、これら前、後脚を前後に回動自在とさせるようそ
    の各上端部を上記シート本体に枢支させる前、後上枢支
    具と、上記前脚を前後に回動自在とさせるようその下端
    部を上記フロアパネルに枢支させる前下枢支具と、上記
    後脚の下端部を上記フロアパネルに係脱自在に係止させ
    かつこの係止部を中心として上記後脚を前後に回動自在
    とさせるよう上記フロアパネルに枢支させる係止具と、
    上記前脚の下端部に上記後脚の下端部を連結させる連結
    具とを備え、上記前脚を上記前下枢支具を中心として
    定回動位置にまで前方回動させると共に、上記シート本
    体を上記前上枢支具を中心として上記フロアパネルから
    上方に離れた所定回動位置にまで前上方に回動させるこ
    とにより上記シートを収納姿勢にさせたとき、上記フロ
    アパネルに上記シート本体を係止させる係止手段を設け
    た自動車用シートの位置、姿勢可変装置において、 上記係止手段に一端部が連結され他端部が後方に向って
    突出しこの他端部が外部からの操作力の入力部とされる
    可撓性の引張体を設け、上記引張体の後方移動に連動し
    て上記係止手段の係止を解除可能とさせ、上記引張体の
    長手方向の中途部を上記連結具の一部に対し摺動自在に
    係合させ、上記引張体が後方移動するとき上記引張体の
    中途部が上記連結具の一部に案内されて上記一端部が所
    定方向に移動するようにした自動車用シートの位置、姿
    勢可変装置。
  2. 【請求項2】 上記シートを収納姿勢にさせたとき、上
    記引張体を上記係止手段側から後上方に向って突出させ
    た請求項1に記載の自動車用シートの位置、姿勢可変装
    置。
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