JP3516519B2 - エンジンヒートポンプの室外機 - Google Patents

エンジンヒートポンプの室外機

Info

Publication number
JP3516519B2
JP3516519B2 JP11167195A JP11167195A JP3516519B2 JP 3516519 B2 JP3516519 B2 JP 3516519B2 JP 11167195 A JP11167195 A JP 11167195A JP 11167195 A JP11167195 A JP 11167195A JP 3516519 B2 JP3516519 B2 JP 3516519B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
pressure
circuit
outdoor
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11167195A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08303821A (ja
Inventor
裕史 山口
雅樹 井上
武生 井村
哉 中村
貴彦 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Co Ltd filed Critical Yanmar Co Ltd
Priority to JP11167195A priority Critical patent/JP3516519B2/ja
Publication of JPH08303821A publication Critical patent/JPH08303821A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3516519B2 publication Critical patent/JP3516519B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2400/00General features or devices for refrigeration machines, plants or systems, combined heating and refrigeration systems or heat-pump systems, i.e. not limited to a particular subgroup of F25B
    • F25B2400/16Receivers

Landscapes

  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)
  • Other Air-Conditioning Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンヒートポンプ
室外機における冷媒系圧力調節機構に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンヒートポンプの室外機におい
て、リキッドレシーバーと室外熱交換器との配設位置関
係は、従来、リキッドレシーバー全体を室外熱交換器よ
り下方に置くか(例えば、特開平5−306851)、
また、リキッドレシーバーを室外熱交換器より下方に配
設できない場合には、リキッドレシーバーの上側より室
外熱交換器からの冷媒ホース端を導入しており、このよ
うにして、冷房時において、凝縮器となる室外熱交換器
より液体冷媒が円滑に流入するようにしていた。
【0003】また、同じく室外機において、コンプレッ
サーと冷暖房切換用の四方弁との間に、コンプレッサー
より高圧ガス冷媒を吐出する吐出回路と、冷媒系を循環
した後の低圧ガス冷媒をコンプレッサーに吸入する吸入
回路を介設しているが、様々な圧力調節制御のため、従
来、高圧の吐出回路を始点とするバイパス回路を配設し
たものが公知となっている。まず、運転停止時におい
て、吐出回路と吸入回路を速やかに均圧にすべく、均圧
用バイパス回路(ホットガスバイパス)を吐出回路と吸
入回路との間に介設している。また、コンプレッサーの
吸入回路は、室内機の熱交換器内にて冷媒が凍結するよ
うな低圧とならないよう、一定以上の低圧冷媒が流入さ
れるようにしているが、外気が低温であったり、室内機
容量が少なくて、コンプレッサー容量の制御だけではこ
の吸入回路における一定以上の低圧が得られない場合に
は、吸入側を一定圧以上にすべく、吐出回路から吸入回
路に高圧ガスを送るよう、調圧用バイパス回路が使用さ
れる。
【0004】それ以外のバイパス回路としては、暖房時
に室内機容量が縮小されることにより吐出ガス冷媒が高
圧となりすぎるのを低圧化すべく、吐出回路より室外熱
交換器に放熱回路を配設している。更に、外気低温時に
おける冷房等で、室外熱交換器を経た冷媒の凝縮度が足
りない場合に、吐出回路から高圧ガス冷媒を送って室外
機の室外熱交換器に高圧液体冷媒を流入させるため、該
吐出回路からリキッドレシーバーに調圧用バイパス回路
(モジュレーティッドバイパス)を介設している。
【0005】この中で、均圧用バイパス回路に関して
は、該バイパス回路の電磁弁を開弁するとともに、室外
機内の冷媒系における他の電磁弁も、逆圧がかかるのを
防ぐべく一斉に開弁する構成としている。
【0006】また、室外機において、室外熱交換器冷却
用の室外ファンをインバータ式に細かく駆動制御する構
成は公知となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本来、室外熱交換器に
おける冷媒凝縮は、室外ファンの放熱によるものだが、
凝縮後の液体冷媒を室外熱交換器からの冷媒管の出口側
において滞留させれば、この滞留液体冷媒より生じる冷
却効果により、熱交換器内の冷媒は一層凝縮効果を向上
する。しかし、従来のように、リキッドレシーバーに液
体冷媒を円滑に流入させている構成では、この効果を望
むことはできず、もしこのように、液体冷媒を滞留させ
る箇所を設ければ、コンプレッサーの圧縮能力を高めな
ければならず、能力限界以上の圧縮容量となったり、コ
スト高になる可能性が高い。
【0008】また、室外機における各バイパス回路のう
ち、まず、吐出回路から吸入回路に配設した均圧用バイ
パス回路においては、運転停止とともに均圧バイパス回
路の電磁弁とともに、冷媒系における他の全電磁弁も一
斉に開弁する構成は公知となっているが、均圧となっ
て、均圧用バイパス回路の電磁弁を閉弁する時に、他の
電磁弁も一斉に閉弁する。この時に、他の電磁弁には逆
圧がかかってハンチングし、振動音が発生するととも
に、電磁弁の耐久性も低減する。また、四方弁の開閉
は、圧力の大きな変動をもたらすが、これを電磁弁閉弁
後に行っていたことにより、やはり電磁弁のハンチング
を起こしていた。
【0009】また、外気温度の低い時に冷房運転する場
合、コンプレッサー吸入側の低圧冷媒が低圧すぎて室内
機が凍結する問題があるが、吸入側低圧を一定以上とす
べく例えば前記の如く均圧用バイパス回路にて吐出回路
の高圧冷媒を吸入回路に送るとしても、高圧側、即ち、
室外機の室外熱交換器に流入される液体冷媒が一定以上
の高圧に保持されていないと、冷房に必要な冷媒の高低
圧差が得られない。高低圧差が少ないと、ベーン式コン
プレッサーにおいては、ベーンがチャタリングして、圧
縮不良に陥るという不具合を生じるのである。そこで、
高圧側を一定以上の高圧に保持すべく、室外熱交換器に
おける凝縮を阻害させるよう室外ファンの回転数を下げ
たり、また、調圧用バイパス回路にて、吐出回路より高
圧気体冷媒をリキッドレシーバーに送り、リキットレシ
ーバーにおける圧力を高めることによって、室外熱交換
器出口側の冷媒圧を高めて、凝縮圧を向上させたり、ま
た、室外熱交換器出口側において、液体冷媒を、通常は
全開状の電子膨張弁、及びバイパス回路を通過させるの
を、バイパス回路は閉鎖して、開度を絞った電子膨張弁
に送ったりしていたのだが、これらの制御は、互いに関
連性なく、独立して行われており、例えば室外ファン制
御から電子膨張弁の制御に切り換える場合に、急激に冷
媒圧が変動して、制御がやりずらくなるという不具合を
有していた。従って、これらの制御を相互に関連づける
自動制御システムが構築されることが望ましい。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
問題を解決するため、次のような手段を用いるものであ
る。請求項1においては、エンジンヒートポンプの室外
において、リキッドレシーバー9の液面が、室外熱
交換器6の冷媒配管の鉛直方向における最上部配管と最
下部配管の途中部に位置するように構成し、かつ、室外
機熱交換器の一端より延設される冷媒管を、室外熱交換
器6からリキッドレシーバー9に到る経路において室外
熱交換器6の冷媒配管の鉛直方向における最下部配管よ
りも下方に位置させて、リキッドレシーバー9の底部に
導入したことを特徴とするエンジンヒートポンプの室外
である。
【0011】請求項2においては、エンジンヒートポン
プの室外機Aの、コンプレッサー吐出回路より吸入回路
に連通する均圧用バイパス回路における電磁弁開弁時
に、冷媒系における他の全電磁弁を開弁する均圧処理機
構でおいて、閉弁は、四方弁3、該均圧用バイパス回路
の電磁弁SV1、他の全電磁弁の順に時差を設けたこと
を特徴とするエンジンヒートポンプの室外機である。
【0012】請求項3においては、エンジンヒートポン
プの室外機において、冷房時に要する所定のコンプレ
ッサー吸入側の冷媒低圧PLと、コンプレッサー吐出側
の冷媒高圧PHと吸入側の冷媒低圧PLとの間の冷媒の
高低圧差を得るべく、コンプレッサー1の吐出回路とリ
キッドレシーバー9との間に調圧用バイパス回路BP5
を介設し、まず、コンプレッサー1の容量制御により制
御し、コンプレッサー1の容量制御では不十分な場合
に、室外ファン5の回転数制御にて制御し、更に不十分
な場合には、電子膨張弁8の開度制御及び調圧用バイパ
ス回路BP5における電磁弁SV5の開閉制御にて制御
することを特徴とするエンジンヒートポンプの室外機
ある。
【0013】
【作用】コンプレッサー圧送能力に余裕がある場合に、
リキッドレシーバーを、内部の液面高さが室外熱交換器
の上下幅の範囲内になるように配置することで、室外熱
交換器の出口側に冷媒滞留が生じ、リキッドレシーバー
にて滞留する液体冷媒の過冷却度を大きくすることがで
き、その結果、冷凍効果が増大し、冷房能力が向上す
る。
【0014】また、均圧用バイパスにおける電磁弁の開
弁に伴い、他のバイパスにおける電磁弁も全て開弁した
後、閉弁を、まず圧力変動の激しい四方弁よりするが、
この時には、全電磁弁が開弁状態なので、逆圧がかから
ない。次に、四方弁に次いで圧力の変動が激しい均圧用
電磁弁を閉弁するが、この時には、他の全電磁弁が開弁
状態で、逆圧がかからない。こうして、均圧化された
後、他の電磁弁を閉弁するので、どの電磁弁にも逆圧が
かからない状態で、全電磁弁及び四方弁を閉弁できる。
【0015】また、外気温度が低い状態での冷房時等に
おける吸入側低圧を一定以上とすべく、また、冷媒の高
低圧差を一定以上とすべく、室外ファンのインバータ制
御と、電子膨張弁及び調圧用バイパス回路の開閉弁制御
とを関連づけて、一つの自動制御システムとしたので、
きめ細かい操作が可能であり、異なる制御を別個に行っ
て、調圧制御するという手間が省ける。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付の図面をもとに
説明する。図1は本発明における室外熱交換器とリキッ
ドレシーバーの配設位置関係を示す正面図、図2はリキ
ッドレシーバーにおける液面高さと室外熱交換器との位
置関係を示す正面略図、図3は図2図示の液面高さ毎の
冷媒能力比CP、過冷却度ΔT、及び冷媒高圧PHを示
すグラフ、図4は従来のリキッドレシーバーの配設構造
で、室外熱交換器より下方に配設したものを示す図、図
5は同じく室外熱交換器より冷媒管を上方より導入した
ものを示す図、図6は均圧処理時のエンジンヒートポン
プの冷媒系統図、図7は電磁弁SVの正面断面図、図8
はシステム停止に伴う均圧処理時における各電磁弁のO
N・OFFタイミングを示すタイムチャート図、図9は
同じく従来の各電磁弁のON・OFFタイミングを示す
タイムチャート図、図10は冷房時におけるエンジンシ
ートポンプの冷媒系統図、図11は冷房時における冷媒
高圧の上昇のための電子膨張弁及びモジュレーティッド
バイパス制御時のエンジンヒートポンプの冷媒系統図、
図12は冷房時における冷媒低圧保持制御及び冷媒高圧
保持制御のフローチャート図、図13は室外ファン5の
回転数ステップを示す図、図14は電子膨張弁8の開度
ステップを示す図、図15はコンプレッサーの吐出側と
吸入側の高低圧差を示すグラフ、図16は暖房時におけ
るエンジンヒートポンプの冷媒系統図、図17は暖房時
における室外熱交換器における除霜処理時のエンジンヒ
ートポンプの冷媒系統図、図18は暖房時における放熱
回路開放時のエンジンヒートポンプの冷媒系統図、図1
9は調圧弁PVの側面図、図20は同じく平面図、図2
1は室温30℃を保持する場合における外気温度に対す
る冷媒高圧の変位を示すグラフ、図22は冷媒高圧に対
する室内機における吹き出し温度の変位を示すグラフで
ある。
【0017】本発明の実施例に係るエンジンヒートポン
プの冷媒系について、図6、図10、及び図16より説
明する。本実施例のエンジンヒートポンプは、一台の室
外機Aに複数の室内機B・B・・・を接続しものであ
る。室外機Aにおいて、エンジンにより駆動されるコン
プレッサー1と四方弁3との間において、アキュムレー
ター10を介する吸入回路C2と、オイルセパレーター
2を介する吐出回路C1とを接続している。なお、コン
プレッサー1は、圧送容量の幅を広く取れるように、複
数のコンプレッサーを複合させたマルチコンプレッサー
としている。四方弁3からは、該吐出回路C1及び吸入
回路C2の他に、室外機A内を循環して、室内機B・B
・・・における液体冷媒回路C5に接続される循環回路
C3、そして、室外機A内を循環することなく、室内機
B・B・・・における気体冷媒回路C6に接続される入
出回路C4が接続されている。
【0018】室外機A内における循環回路C3の構成
を、図10より、冷房時の冷媒の流れに沿って見ていく
と。まず、廃熱回収器4が介設されており、廃熱回収器
4を経た後、室外ファン5・5にて放熱される室外熱交
換器6・6が並列状に配設されており、両室外熱交換器
6・6を経た後再び合流して、サイトグラス7(冷媒の
過充填で室外熱交換器6にて凝縮された冷媒に発砲現象
や液圧縮が起こっていないかどうかを視認するためのも
の)を経た後、今度は三つに分岐する。このうち二つに
は電子膨張弁8・8が介設されており、もう一つは、電
磁弁SV4を介設する電動弁バイパスBP4となってい
る。これら三つの回路は再び合流し、リキッドレシーバ
ー9を介して、室外機A外に出て、液体冷媒回路C5に
接続されている。
【0019】室内機側Bにおいては、液体冷媒回路C
5、気体冷媒回路C6が、各室内機B毎に分岐し、各室
内機B内に導入されて、室内熱交換器13に接続されて
おり、各室内機B内において、該液体冷媒回路C5には
室内電子膨張弁12が介設されている。
【0020】このような冷媒系の概略構成において、冷
房時には、図10の如く、四方弁3において、吐出回路
C1と循環回路C3とが接続され、吸入回路C2と入出
回路C4とが接続されて、図中の矢印付太線に沿って冷
媒が循環する。詳説するとコンプレッサー1より吐出さ
れた高圧気体冷媒が、吐出回路C1・四方弁3等を経
て、循環回路C3内に流入し、まず廃熱回収器4を通過
後、室外熱交換器6・6(この場合、凝縮器)において
充分に放熱されて凝縮して、液体冷媒となる。その後、
サイトグラス7を経た後、電子膨張弁8・8は全開、電
磁弁SV4は開弁されていて、冷媒は電子膨張弁8・8
及び電動弁バイパスBP2を通過した後、リキッドレシ
ーバー9に入って貯蔵され、室外機Aを出た後、液体冷
媒回路C5を経、各室内機B内において、室内電子膨張
弁12にて減圧されて気化しやすい状態となり、室内熱
交換器13(この場合、蒸発器)にて室内より気化熱を
奪って蒸発する。この冷媒気化に伴って室内が冷房され
る。こうして室内熱交換器13を経た低圧気体冷媒は、
気体冷媒回路C6、室外機A内の入出回路C4、四方弁
3を経て、吸入回路C2よりコンプレッサー1内に吸入
される。
【0021】次に、図16より、暖房時の冷媒の流れに
ついて説明する。暖房時には、四方弁3において、吐出
回路C1と入出回路C4とが接続され、また、吸入回路
C2と循環回路C3とが接続されていて、コンプレッサ
ー1より吐出された高圧気体冷媒は、吐出回路C1、四
方弁3、入出回路C4を経た後、まず、気体冷媒回路C
6内を経て、各室内機Bに導入され、各室内熱交換器1
3(この場合、凝縮器)において放熱され、凝縮されて
液化する。この冷媒凝縮に際して室内に放熱することに
より、室内を暖房するのである。室内熱交換器13にて
液化された液体冷媒は、液体冷媒回路C5より室外機A
内の循環回路C3に導入され、まず、リキッドレシーバ
ー9を経て、今度は、電磁弁SV4が閉弁されている電
動弁バイパスBP4は通らず、電子膨張弁8・8を通っ
て減圧され、気化しやすい状態となり、室外熱交換器6
・6(この場合、蒸発器)において、外部より気化熱を
受けて気化し、更に廃熱回収器4にて熱を受けて完全に
気化して、低圧気体冷媒となって、四方弁3を介し、吸
入回路C2よりコンプレッサー1に吸入されるのであ
る。
【0022】以上の冷媒系において、特に、図1乃至図
3より、室外機A内におけるリキッドレシーバー9と室
外熱交換器6との配置関係について説明する。リキッド
レシーバー9は、図10等に示すように、蒸発器と凝縮
器(室外熱交換器6と室内熱交換器13)との間におい
て、蒸発器における冷媒の需給調整のために配設される
ものである。即ち、蒸発器(冷房時には室内熱交換器1
3、暖房時には室外熱交換器6)の上手側には電子膨張
弁12又は8が配設されていて、蒸発器の負荷の変化に
応じて、コンプレッサー1に戻る冷媒の温度を一定に保
持すべく、冷媒流量を調節しているが、リキットレシー
バー9は、この際の凝縮量と蒸発量の変化の食い違いに
よる能力低下を解消すべく、ある程度の液体冷媒を蓄え
ておいて蒸発器上手側の電子膨張弁12又は8に冷媒を
供給するのである。
【0023】このリキッドレシーバー9は、室外熱交換
器6との位置関係において、従来、前記の図4及び図5
の如く配設し、冷房時において凝縮器となる室外熱交換
器6より液体冷媒が円滑に流入されるようにし、これに
よって、コンプレッサー1の圧送容量の上昇を回避して
いた。本実施例では、コンプレッサー1の圧送能力に余
裕があることから、リキッドレシーバー9の入口部分に
て液体冷媒を滞留させることによって、室外熱交換器6
の放熱回路6aにおいて、その出口部のリキッドレシー
バー9側より滞留液体冷媒の低温効果を室外熱交換器6
側に及ぼし、放熱回路6a内における冷媒の冷却効果を
高め、即ち、凝縮を促進させるものである。この滞留を
生じさせるべく、図1のように、リキッドレシーバー9
の液面高さが室外熱交換器6の上下幅の間に位置するよ
うにし、即ち、上下幅Hに及ぶ液面と室が熱交換器6と
の重合部分を形成するようにし、更に、室外熱交換器6
からの冷媒管がリキッドレシーバー9の下側に導入され
るようにしている。
【0024】このように配設したリキッドレシーバー9
により生じる冷却効果について、図2及び図3より説明
する。図2において、リキッドレシーバー9における液
面高さを1)〜5)の5段階に分けており、各段階における
コンプレッサー1吐出圧PHと、放熱回路5a出口にお
ける過冷却度ΔTと、冷房能力比CP(%)とを図3に
て示している。冷房能力比CPは、液面高さ1)において
の冷房能力を100%とし、これに対して何%の冷房能
力を有するかを表すものである。
【0025】図3より、液面高さが2)〜5)へと上昇する
につれて、過冷却度ΔTが増大し、また、これに伴って
冷房能力比CPも増大しているのが判る。例えば、液面
高さ3)においては、液面高さ1)の時に比べて、過冷却度
ΔTが大きくなっており、即ち、放熱回路5a内の冷媒
が、液面高さ1)の時よりも冷却されて凝縮されたことを
表しており、冷房能力比CPも110%以上となってい
る。液面高さ5)の時には、過冷却度ΔTは更に増大し、
冷房能力比約114%となっている。なお、液面高さの
上昇に伴い、コンプレッサー1の吐出圧、即ち冷媒高圧
PHも高められているのが判る。しかし、この場合にお
ける最大吐出圧PHmax ’も、充分に本実施例のマルチ
コンプレッサーであるコンプレッサー1の吐出能力域内
(最大許容冷媒高圧PHmax 以下)にて現出可能なので
ある。
【0026】以上のように構成された冷媒系の室外機A
内においては、様々な圧力調節のため、コンプレッサー
1の高圧側(吐出回路C1側)より低圧側(吸入回路C
2側)に、複数のバイパス回路を配設しており、それぞ
れのバイパス回路には、開閉可能に電磁弁が介設されて
いる。これらのバイパス回路について説明する。
【0027】まず、図6の如く、吐出回路C1における
オイルセパレーター2下手側より吸入回路C2のアキュ
ムレーター10の上手側に、即ち、吐出回路C1より吸
入回路C2に、電磁弁SV1を介設するホットガスバイ
パス(均圧用バイパス回路)BP1が介設されている。
このバイパスは、吐出回路C1内の高圧気体冷媒を、吸
入回路C2に送り込んで、吐出回路C1の高圧冷媒を低
圧化し、吸入回路C2内の低圧冷媒を高圧化するもので
あって、エンジンヒートポンプの運転停止時における冷
媒系の均圧処理時の他、室内機容量が少ない等の理由に
よって、吸入回路C2内における低圧冷媒の低圧が低す
ぎたり、或いは吐出回路C1内の高圧冷媒が高圧すぎた
りする場合の調圧時にも開弁される。図6は、電磁弁S
V1を開弁した時のホットガスバイパスBP1における
吐出回路C1より吸入回路C2への冷媒の流れを図示し
ている。なお、該ホットガスバイパスBP1には、キャ
ピラリーチューブCTが介設されているが、これは、バ
イパスの入口側圧力が出口側圧力よりも低くならないた
めに設けた絞り機構であり、後記のモジュレーティッド
バイパスBP5にも介設されている。
【0028】ここで、電磁弁SV1開弁時、即ち、均圧
処理時における電磁弁及び四方弁の切換タイミングにつ
いて、図8より説明する。まず、システム停止(エンジ
ン、コンプレッサー運転停止)時には、次期運転時に各
熱交換器に冷媒が送り込まれていることのないように、
コンプレッサー1の高圧側と低圧側を均圧すべく、自動
的に電磁弁SV1が開弁(ON)して、ホットガスバイ
パスBP1を高圧側から低圧側に冷媒が流れるようにす
るが、この時に、他のバイパスBP2〜BP6における
電磁弁SV2〜SV6が閉弁(OFF)していると、こ
れらの電磁弁に逆圧がかかってハンチングし、弁の破損
に繋がるので、電磁弁SV1開弁と同時に、他の電磁弁
SV2〜SV6も開弁(ON)している。なお、運転中
より、調圧のために電磁弁SV1や他の電磁弁SV2〜
SV6のいずれかをONしている場合があるのを、運転
停止時点以前の矢印1)にて示している。また、電磁弁S
V(電磁弁SV1〜SV6)は、図7にて図示される如
き構造である。
【0029】略均圧化された時点で、まず、四方弁3を
閉弁する。四方弁3は、通過冷媒量が多く、従って、そ
の切換により、冷媒の流れに大きな変化が生じるので、
均圧化が略進んだ状態といえども、この時点で電磁弁S
V1〜SV6が閉弁していると、逆圧がかかる。そこ
で、まず、四方弁3を閉弁する。次に、電磁弁SV1を
閉弁(OFF)するが、従来、図9の如く、他の電磁弁
SV2〜SV6を、これと同時に閉弁(OFF)したの
で、他の電磁弁SV2〜SV6が、電磁弁SV1の閉弁
の影響で逆圧を受け、ハンチングを起こしていたが、本
実施例の図8においては、電磁弁SV1閉弁(OFF)
後、暫時して他の電磁弁SV2〜SV6を閉弁(OF
F)している。即ち、電磁弁SV1を閉弁して、ホット
ガスバイパスBP1を閉じた時点では、他のバイパスに
冷媒が逆流しても電磁弁SV2〜SV6に逆圧がかかっ
てハンチングしないよう、開弁(ON)しているのであ
り、やがて他のバイパスについても均圧されて、閉弁し
ても逆圧がかからなくなった時点で、他の電磁弁SV2
〜SV6を閉弁(OFF)するのである。
【0030】ホットガスバイパスBP1については、以
上の如くであり、次に、同じく均圧処理時に使用される
インジェクションバイパスBP2について、図6より説
明する。インジェクションバイパスBP2は、循環回路
C3におけるリキッドレシーバー9と電子膨張弁8・8
(電動弁バイパスBP4)との間よりホットガスバイパ
スBP1の出口部位に液体冷媒を流入させる回路で、電
磁弁SV2の他、液体冷媒を減圧すべく、膨張弁11を
介設している。システム運転停止時において、ホットガ
スバイパスBP1を開いてコンプレッサー1の吐出側と
吸入側を均圧化するが、循環回路C3においては、液体
冷媒の回収が必要である。ホットガスバイパスBP1の
出口部は、吸入回路C2におけるアキュームレーター1
0の上手側なので、インジェクションバイパスBP2を
通ってホットガスバイパスBP1に流入させた液体冷媒
は、アキュームレーター10にて回収される。なお、膨
張弁11の作用にて、液体冷媒がある程度気化され、更
に、ホットガスバイパスBP1内の高圧気体冷媒中に流
入させることで、より気化を促進させて、アキュームレ
ーター10における液体冷媒の回収量を低減させてい
る。
【0031】次に、冷房時に使用するバイパス回路につ
いて説明する。まず、電動弁バイパスBP4は、前記の
如く、冷房時に液体冷媒を円滑に通過させるバイパスで
あって、冷房時に電磁弁SV4を開弁(ON)し(図1
0)、暖房時には閉弁(OFF)して、電子膨張弁8・
8に室内機Bから流入された液体冷媒を通し、減圧して
室外熱交換器5・5へと送り込むようにする(図1
6)。なお、冷房時にも、コンプレッサー1の吐出側の
高圧が得られない時には、吐出回路C1における高圧を
得るべく、電磁弁SV4を閉弁して電動弁バイパスBP
4への冷媒流入を抑える(図11。後に詳説する。)。
【0032】図11図示の電磁弁SV5を介設するモジ
ュレーティッドバイパス(調圧用バイパス回路)BP5
は、吐出回路C1(オイルセパレーター2下手側)より
リキッドレシーバー9に高圧気体冷媒を流入させる回路
であり、吐出回路C1における急激な高圧上昇を回避す
べく設けており、特に、電子膨張弁8・8の開度調節に
よるコンプレッサー1の吐出圧(冷媒高圧PH)の上昇
制御に相まって開弁制御されるものであるが、これにつ
いては、後の図11乃至図15図示の冷房時における調
圧自動制御の中で詳説する。
【0033】次に、暖房時に使用するバイパスについて
説明する。図17にて図示する電磁弁SV3を介設する
デフロストバイパスBP3は、吐出回路C1(オイルセ
パレーター2下手側)より、循環回路C3における室外
熱交換器6と電子膨張弁8・8(電動弁バイパスBP
4)との間の部位に、高圧気体冷媒を通す回路であり、
外気温度が低くて、室外熱交換器6・6のフィンに霜が
降りた時に、電子膨張弁8・8より流入される減圧され
た液体冷媒に、該デフロストバイパスBP3からの高圧
気体冷媒を加えることで昇温・昇圧し、室外熱交換器6
における霜を溶かすのである。
【0034】図18図示の電磁弁SV6を介設する放熱
回路BP6は、吐出回路C1(オイルセパレーター2下
手側)より室外熱交換器6の一部を通って、循環回路C
3における液体冷媒回路C5への接続部に近い部位に連
通させており、室外熱交換器6より下手側において、電
磁弁SV6と調圧弁PVを介設している。冷媒高圧PH
(吐出回路C1内の冷媒吐出圧)が過剰に高圧になって
(室内機の容量が非常に少ない状態で暖房運転すると、
この事態が起こりやすい。)、コンプレッサー1の容量
抑制だけでは該冷媒高圧PHを低下できない時、電磁弁
SV6を開弁(ON)し、吐出回路C1内の高圧気体冷
媒を放熱回路BP6に流入させるものであって、その途
中にて室外熱交換器6を通過させることで放熱して凝縮
させる。従って、放熱回路BP6の出口部ではバイパス
した冷媒が液化しており、一方、液体冷媒回路C5への
接続部に近い部位における循環回路C3内には、室内機
Bからの液体冷媒が流入していて、この液体冷媒に放熱
回路BP6からの液体冷媒を加えて、循環回路C3内に
流入させるものである。
【0035】ここで、放熱回路BP6について詳説す
る。吐出回路C1からの高圧気体冷媒のバイパスは、ホ
ットガスバイパスBP1を用いても可能であるが、これ
は、高圧側から低圧側に多量の気体冷媒を一気にバイパ
スするので、激しいバイパス音が発生するとか、急激に
吐出側と吸入側との間の高低圧差が縮まって、コンプレ
ッサーのベーンがチャタリングしてしまうという弊害が
ある。ホットガスバイパスBP1は、運転停止時等にコ
ンプレッサー1の吐出側と吸入側とを急速に均圧するに
は有効であるが、暖房運転中における冷媒高圧PHを抑
制するには、気体冷媒が一気にバイパスされすぎるの
で、この場合に、高圧側から高圧側へと緩慢に冷媒をバ
イパスできる放熱回路BP6を用いて適当な高圧抑制を
図ることで、上記のような弊害が発生することがないの
である。
【0036】そして、更にこの放熱回路BP6におい
て、従来は電磁弁SV6のみが介設されていて、開閉制
御のみ可能であったが、これに調圧弁PVを設けること
によって、冷媒流量を調節し、冷媒高圧PHを一定に保
持できる。調圧弁PVは図19及び図20に図示する如
きもので、調節ネジ17によるパワーエレメント14調
節によって、入口管15より入った冷媒を適当な流量に
絞って、出口管16より流出させることができる。
【0037】この放熱回路BP6による冷媒バイパス、
及び調圧弁PVによるバイパス量の調節による効果を、
図21及び図22のグラフより検証する。図21は、室
内機容量が最小で、コンプレッサー1の圧送容量が最小
の場合に、室温30℃を保持すべく運転する場合の冷媒
高圧PHを、外気温度の変位とともにグラフ化したもの
であって、PH1は、放熱回路閉鎖時、即ちコンプレッ
サー1を最小容量としただけの時の冷媒高圧、PH2
は、電磁弁SV6を開弁して、放熱回路BP6を開いた
時の冷媒高圧(コンプレッサー1は最小容量のまま)、
PH3は、更に調圧弁PVにて圧力調節した場合の冷媒
高圧である。
【0038】図21中のPH1にて判るように、室内機
容量が最小の時に暖房運転すると、冷媒高圧PHは非常
に高くなり、コンプレッサー1の圧送容量を最小にして
も対応できなくなる。例えば、本実施例のエンジンヒー
トポンプでは、暖房運転可能な最大外気温度26℃にお
ける冷媒高圧PH1は、図中(a)であり、正常運転の
最大許容冷媒高圧PHmax を超過している。これを正常
運転可能な冷媒高圧域に低減すべく、放熱回路BP6に
てバイパスするものであり、放熱回路BP6を開いた時
の冷媒高圧PH2が、最大外気温度において、最大許容
冷媒高圧PHmax 未満にまで低下しており(図中
(b))、最大外気温度以下の外気温度では、PH2<
PHmax なので正常運転が可能である。本実施例のエン
ジンヒートポンプでは、コンプレッサー1を最小容量に
して、なお、冷媒高圧PHが最大許容冷媒高圧PHmax
以下とならない場合に、電磁弁SV6が自動的にONす
るように、自動制御機構が設けられているのである。
【0039】しかし、放熱回路BP6を開いた場合に
は、外気温度が低い場合に放熱量が多くなり過ぎて、冷
媒高圧PHが低くなりすぎてしまう。これは、室内機に
おける吹き出し温度BTの低下に繋がる。前記の如く、
コンプレッサー1を最小容量とした時の冷媒高圧PH1
が最大許容冷媒高圧PHmax を下回らない場合には、自
動的に放熱回路BP6が開かれるから、外気温度が約3
℃の場合にも、PH1=PHmax なので、放熱回路BP
6は開かれて、この時の冷媒高圧PH2は、最小許容冷
媒高圧PHmin を大幅に下回ることになり(図21中
(c))、その結果、吹き出し温度BTは低下し(図2
2中(d))、室内にいる者にかなり冷風感を与える結
果となる。そこで、適度な吹き出し温度を得られるよう
に、外気温度が低い場合には、調圧弁PVを絞ることに
よって冷媒高圧の低下を抑制し、冷媒高圧が最小許容冷
媒高圧PHmin を下回らないように調節している。例え
ば、外気温度が同じく3℃である場合に、調圧弁PVを
一定開度にすることで、最小許容冷媒高圧PHmin を確
保することができ(図21中(b))、高い吹き出し温
度BTが得られるのである(図22中(e))。
【0040】以上のようなバイパス回路が配設された室
外機Aにおいて、最後に、冷媒低圧(PL)保持、及び
高低圧差(PH〜PL)保持用の自動制御機構につい
て、図11乃至図15より説明する。本実施例のコンプ
レッサー1は、インバータ制御で、細かく回転数を調節
可能にしており、更に、室外ファン5も、インバータ制
御にて、図13の如く、細かくn段階(2.5Hz〜K
Hz)に回転数調節ができ、これらのインバータ制御
にて室温の一定保持を図っている。ところで、コンプレ
ッサー1は、ベーンタイプであり、吐出側の冷媒高圧P
Hと吸入側の冷媒低圧PLとの差(高低圧差)が充分に
取れていないと、ベーンがチャタリングを起こし、圧縮
不良に陥るため、該高低圧差を一定以上に保持できるよ
うに、冷媒高圧PHを高める制御が必要である。
【0041】また、低温外気の下で冷房運転を行うと、
特に室内機容量が少ない場合に、室内機が凍結して、コ
ンプレッサー1の吸入側の冷媒低圧PLが、必要な低圧
以下となってしまう。この時には、コンプレッサー1吸
入回路C2における冷媒低圧PLを上げるべく、吐出側
の高圧冷媒を吸入側に送る(例えば前記のホットガスバ
イパスBP1を使用する。)方法があるが、低温外気の
下では、吐出側の冷媒高圧PHが不足し、この方策を用
いても、必要な冷媒低圧PLは得られず、更に高低圧差
が一層少なくなって、コンプレッサー1における前記弊
害も生じてしまう。必要な冷媒低圧PLを得るために
は、高低圧差が一定以上に保持されていなければなら
ず、従って、前記の如く冷媒高圧PHを高める制御が必
要となる。
【0042】ここで、高低圧差保持のために必要な冷媒
高圧PHの値について、図15より検証する。冷媒低圧
PLの推移に応じて必要な高低圧差を得るためには、f
1 (PL)<PH<f2 (PL)でなければならない
(f1 (PL)、f2 (PL)は、各々冷媒低圧PLを
変数とする方程式より求められる数値である。)。この
中(安定ゾーンSZ)に冷媒高圧PHが保持されている
場合、安定した冷房運転が得られるものであり、安定ゾ
ーンSZより冷媒高圧PHが低くなると、所定の高低圧
差が得られていないこととなり、後記の高圧確保運転を
行わなければならない。また、安定ゾーンSZよりも冷
媒高圧PHが高い場合には、高圧気体冷媒の凝縮圧が強
すぎて逆に冷凍能力を低下するので、冷媒高圧PHの低
下を図らなければならない。
【0043】本実施例のエンジンヒートポンプは、冷媒
低圧PLの保持と、高低圧差の保持を図るべく、図12
の如き自動制御機構を設けた。これについて説明する。
まず、可能な限りは、マルチコンプレッサーであるコン
プレッサー1の容量制御にて対処する(1)。即ち、エ
ンジン回転数を、最低回転数より最高回転数までの間に
て調節し、更に、二台のコンプレッサーを組み合わせた
マルチコンプレッサーにおけるコンプレッサーの運転台
数を一台又は二台に調節して、冷媒高圧PH、冷媒低圧
PLを適正に保持する。低圧冷媒PLが低い場合には、
室外熱交換器6における冷媒凝縮量を低減すべく圧送容
量を低減する。
【0044】冷媒低圧PLの保持制御について説明す
る。コンプレッサー1の容量制御と相まって、冷媒低圧
PLが低下した場合には、電磁弁SV1がONして、ホ
ットガスバイパスBP1が開く(2)。これにて吐出側
の高圧気体冷媒を吸入側に流入させて、冷媒低圧PLを
上昇させるが、電磁弁SV1をOFFするや否やすぐに
冷媒低圧PLが再び低下しないよう、冷媒低圧PLを余
裕のある所まで上昇させた後に、電磁弁SV1をOFF
する。なお、これと同時に、室外ファン制御(3)’を
行って、吸入側に送る吐出側の冷媒高圧を高めるが、こ
の場合には、前記のn段階に区切られるファン回転数の
ステップを、一ステップずつ変更して調節するものとす
る。また、室外ファン制御(3)’で不十分な場合は電
子膨張弁及びモジュレーティッドバイパス制御(4)’
が行われるが、これは、後記の電子膨張弁及びモジュレ
ーティッドバイパス制御(4)の応用であるので、次の
高低圧差の確保のための高圧確保制御にて説明する。
【0045】高圧確保制御について説明する。コンプレ
ッサー1が最小容量運転となっている上に、ホットガス
バイパスBP1の電磁弁SV1をONしていても、冷媒
低圧PLが低い場合には、冷媒高圧PHが低下している
ことが考えられる。冷媒高圧PHを一定以上に確保する
ためには、室外熱交換器6において、放熱による凝縮を
抑制し、高圧気体のままの冷媒を通過させるようにし、
更に、その出口側における冷媒の通路を絞るのである
が、まず、放熱抑制のために、室外ファン5の回転数ス
テップを低下する制御が行われる(3)。なお、この室
外ファン制御においては、前記と異なり、冷媒高圧PH
を急速に安定ゾーンSZ内までに高める必要があるの
で、図16中に示す如く、実際冷媒高圧と冷媒高圧の最
低限f1 (PL)との差ΔP1 がいくらであるかを基
に、ファンステップは、一気に冷媒高圧の最低限f1
(PL)に高めるべく、ファン回転数のステップを、表
の如く、同時に複数個分変動させて行う。
【0046】なお、逆に、もしも冷媒高圧PHが高すぎ
て、冷媒高圧の最高限f2 (PL)を越えた場合には、
一気に冷媒高圧PHを低下させるべく、同様に、実際冷
媒高圧と冷媒高圧の最高限f2 (PL)との差ΔP2
基づいて、複数ステップ分同時に変動させる操作が行わ
れる(図15)。
【0047】室外ファン5の回転数を低下し、図13に
示す最低ステップ(2.5HZ)となっても冷媒高圧P
Hが安定ゾーンSZより低い場合、或いは、回転数低下
の途中において、冷却水温度が所定温度を越えた場合に
は、室外ファン制御が限界であり、次の、室外熱交換器
6出口側の冷媒通路を絞る制御、即ち、電子膨張弁及び
モジュレーティッドバイパス制御(4)に移行する。ま
ず、電磁弁SV4は閉弁して電動弁バイパスBP4は閉
鎖し、室外熱交換器6からの冷媒を電子膨張弁8・8の
みに通す。電子膨張弁8は、図14にて示す如く、m段
階の開度ステップが設定されているが、当初、冷房仕様
として、該電子膨張弁8・8は全開状態となっている。
高圧保持制御が電子膨張弁制御に移行すると、電子膨張
弁8・8の開度ステップを低減、即ち、開度を絞り、冷
媒が円滑に流れないようにして、コンプレッサー1の吐
出側の冷媒高圧PHを高めるのである。この時、出口側
が電子膨張弁8・8にて絞られているので、室外熱交換
器6において、冷媒の滞留により、凝縮が促進され、液
体冷媒が増大して、吐出回路C1からの高圧気体冷媒の
通路が、室外熱交換器6にて狭められるので、一層、冷
媒高圧PHの高圧化促進の相乗効果をもたらす。
【0048】この電子膨張弁制御に加え、電子膨張弁8
・8の出口側におけるリキッドレシーバー9に高圧をか
ければ、室外熱交換器6の出口側より一層圧力がかか
り、冷媒の滞留傾向はますます高まって、冷媒高圧PH
の高圧化を更に促進する。そこで、吐出回路C1内の高
圧気体冷媒をリキッドレシーバー9の上方より吸入すべ
く、モジュレーティッドバイパス(調圧用バイパス回
路)BP5の電磁弁SV5を開弁する。しかし、電子膨
張弁8・8の開度があまり絞られていないうちにモジュ
レーティッドバイパスBP5に冷媒を通すと、冷媒高圧
PHが急激に上昇してしまい、図15における安定ゾー
ンSZよりも上になってしまう。逆に、一定開度以下の
状態でモジュレーティッドバイパスBP5を開けば、冷
媒圧力の急激な上昇は回避できることがわかっている。
このため、電子膨張弁制御にモジュレーティッドバイパ
ス制御を加えるのは、電子膨張弁8・8の開度が中間開
度m1 (図14中※)の時からである。
【0049】これらの制御により冷媒高圧PHが高まっ
て、高低圧差を保持したまま冷媒低圧PLも一定圧以上
の値となって、冷媒高圧PHが図15の安定ゾーンSZ
内にて移行するようになると、再び電動弁バイパスBP
4を開き、電子膨張弁8・8を全開にして、冷房運転仕
様に切り換えるのである。
【0050】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、次
のような効果を奏する。即ち、請求項1の如く構成した
ので、リキットレシーバー側より室外熱交換器に向け
て、リキッドレシーバーに溜まる液体冷媒による圧力が
生じ、室外熱交換器に液体冷媒の冷却効果が及び、冷媒
凝縮が一層促進されるので、コンプレッサー容量を上げ
たり、室外ファン回転数を上げたりせずに、冷房効果を
向上できるので、低コスト化に貢献する。但し、コンプ
レッサー吐出側の冷媒高圧上昇を許容できることを条件
とする。
【0051】また、請求項2の如く構成したので、四方
弁の閉弁時には、その切換時に最も圧力変動を生じる
が、均圧用バイパスの電磁弁及び他の全電磁弁が開弁し
ているので、逆圧がかからず、次に均圧化停止のために
均圧用バイパスの電磁弁を閉弁する時にも、他の全電磁
弁が開弁していて、該均圧用バイパスの電磁弁の閉弁に
よる圧力変動、即ち、逆圧がかかることがなく、その後
に他の全電磁弁を閉弁するものであって、四方弁及び全
電磁弁の閉弁にあたって、どの弁にも逆圧がかからず、
弁のチャタリングを回避し、弁の長時間の仕様を可能と
し、メンテナンス作業を低減する。
【0052】また、請求項3の如く構成したので、低温
外気下等での冷房時において、コンプレッサー吸入側の
冷媒低圧を速やかに向上させて、室内機の凍結等を回避
し、良好に冷房を行える状態にできるものであり、ま
た、コンプレッサー吐出側と吸入側における高低圧差も
保持できて、コンプレッサーや室外ファンおけるベーン
のチャタリングを防止できる。また、外気温度が低い状
態での冷房時等における吸入側低圧を一定以上とすべ
く、また、冷媒の高低圧差を一定以上とすべく、室外フ
ァンのインバータ制御と、電子膨張弁及び調圧用バイパ
ス回路の開閉弁制御とを関連づけて、一つの自動制御シ
ステムとしたので、きめ細かい操作が可能であり、異な
る制御を別個に行って、調圧制御するという手間が省け
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における室外熱交換器とリキッドレシー
バーの配設位置関係を示す正面図である。
【図2】リキッドレシーバーにおける液面高さと室外熱
交換器との位置関係を示す正面略図である。
【図3】図2図示の液面高さ毎の冷媒能力比CP、過冷
却度ΔT、及び冷媒高圧PHを示すグラフ図である。
【図4】従来のリキッドレシーバーの配設構造で、室外
熱交換器より下方に配設したものを示す図である。
【図5】同じく室外熱交換器より冷媒管を上方より導入
したものを示す図である。
【図6】均圧処理時のエンジンヒートポンプの冷媒系統
図である。
【図7】電磁弁SVの正面断面図である。
【図8】システム停止に伴う均圧処理時における各電磁
弁のON・OFFタイミングを示すタイムチャート図で
ある。
【図9】同じく従来の各電磁弁のON・OFFタイミン
グを示すタイムチャート図である。
【図10】冷房時におけるエンジンシートポンプの冷媒
系統図である。
【図11】冷房時における冷媒高圧の上昇のための電子
膨張弁及びモジュレーティッドバイパス制御時のエンジ
ンヒートポンプの冷媒系統図である。
【図12】冷房時における冷媒低圧保持制御及び冷媒高
圧保持制御のフローチャート図である。
【図13】室外ファン5の回転数ステップを示す図であ
る。
【図14】電子膨張弁8の開度ステップを示す図であ
る。
【図15】コンプレッサーの吐出側と吸入側の高低圧差
を示すグラフ図である。
【図16】暖房時におけるエンジンヒートポンプの冷媒
系統図である。
【図17】暖房時における室外熱交換器における除霜処
理時のエンジンヒートポンプの冷媒系統図である。
【図18】暖房時における放熱回路開放時のエンジンヒ
ートポンプの冷媒系統図である。
【図19】調圧弁PVの側面図である。
【図20】同じく平面図である。
【図21】室温30℃を保持する場合における外気温度
に対する冷媒高圧の変位を示すグラフ図である。
【図22】冷媒高圧に対する室内機における吹き出し温
度の変位を示すグラフ図である。
【符号の説明】
A 室外機 B 室内機 PH 冷媒高圧 PL 冷媒低圧 BP1 ホットガスバイパス(均圧用バイパス回路) BP4 電動弁バイパス BP5 モジュレーティッドバイパス(調圧用バイパス
回路) SV1〜SV6 電磁弁 1 コンプレッサー 3 四方弁 5 室外ファン 6 室外熱交換器 8 室外電子膨張弁 9 リキッドレシーバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 哉 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤン マーディーゼル株式会社内 (72)発明者 増田 貴彦 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤン マーディーゼル株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−35430(JP,A) 特開 平3−181757(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 5/00 F24F 11/02 102 F25B 13/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンヒートポンプの室外機におい
    て、リキッドレシーバー9の液面高さが、室外熱交換器
    6の冷媒配管の鉛直方向における最上部配管と最下部配
    管の途中部に位置し、上下幅Hに及ぶ液面と室外熱交換
    器6との重合部分を形成するように構成し、かつ、室外
    熱交換器の一端より延設される冷媒管を、室外熱交換器
    6からリキッドレシーバー9に到る経路において、室外
    熱交換器6の冷媒配管の鉛直方向における最下部配管よ
    りも下方に位置させて、リキッドレシーバー9の底部に
    導入したことを特徴とするエンジンヒートポンプの室外
  2. 【請求項2】 エンジンヒートポンプの室外機Aの、コ
    ンプレッサー吐出回路より吸入回路に連通する均圧用バ
    イパス回路における電磁弁開弁時に、冷媒系における他
    の全電磁弁を開弁する均圧処理機構でおいて、閉弁は、
    四方弁3、該均圧用バイパス回路の電磁弁SV1、他の
    全電磁弁の順に時差を設けたことを特徴とするエンジン
    ヒートポンプの室外機
  3. 【請求項3】 エンジンヒートポンプの室外機におい
    て、冷房時に要する所定のコンプレッサー吸入側の冷媒
    低圧PLと、コンプレッサー吐出側の冷媒高圧PHと吸
    入側の冷媒低圧PLとの間の冷媒の高低圧差を得るべ
    く、コンプレッサー1の吐出回路とリキッドレシーバー
    9との間に調圧用バイパス回路BP5を介設し、まず、
    コンプレッサー1の容量制御により制御し、コンプレッ
    サー1の容量制御では不十分な場合に、室外ファン5の
    回転数制御にて制御し、更に不十分な場合には、電子膨
    張弁8の開度制御及び調圧用バイパス回路BP5におけ
    る電磁弁SV5の開閉制御にて制御することを特徴とす
    るエンジンヒートポンプの室外機
JP11167195A 1995-05-10 1995-05-10 エンジンヒートポンプの室外機 Expired - Fee Related JP3516519B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11167195A JP3516519B2 (ja) 1995-05-10 1995-05-10 エンジンヒートポンプの室外機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11167195A JP3516519B2 (ja) 1995-05-10 1995-05-10 エンジンヒートポンプの室外機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08303821A JPH08303821A (ja) 1996-11-22
JP3516519B2 true JP3516519B2 (ja) 2004-04-05

Family

ID=14567238

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11167195A Expired - Fee Related JP3516519B2 (ja) 1995-05-10 1995-05-10 エンジンヒートポンプの室外機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3516519B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002340435A (ja) * 2001-05-16 2002-11-27 Sanyo Electric Co Ltd 空気調和装置
JP2008164227A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Daikin Ind Ltd 冷凍装置
JP2009092337A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Panasonic Corp 空気調和機
WO2020053613A1 (en) 2018-09-12 2020-03-19 Carrier Corporation Liquid receiver for heating, air conditioning and refrigeration system
CN110170291B (zh) * 2019-03-28 2023-11-14 万荣金坦能源科技有限公司 一种用于取暖及燃气的液态燃料膨化裂变器系统

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08303821A (ja) 1996-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8037710B2 (en) Compressor with vapor injection system
EP2944898B1 (en) Liquid line charge compensator
JP4974714B2 (ja) 給湯器
JP5595140B2 (ja) ヒートポンプ式給湯・空調装置
US20180156505A1 (en) Methods and systems for controlling integrated air conditioning systems
JPH0232546B2 (ja)
KR101155497B1 (ko) 히트펌프식 급탕장치
WO2018185841A1 (ja) 冷凍サイクル装置
CN108369046B (zh) 制冷循环装置
KR20060048272A (ko) 냉동 사이클 장치 및 그 운전 방법
WO2016059837A1 (ja) ヒートポンプ式暖房装置
KR20190005445A (ko) 멀티형 공기조화기
JP7224480B2 (ja) 室外ユニットおよび冷凍サイクル装置
JP2000274859A (ja) 冷凍装置
KR100563899B1 (ko) 폐열 회수식 공기 조화 장치
JP5872052B2 (ja) 空気調和装置
JP3516519B2 (ja) エンジンヒートポンプの室外機
JP2013164250A (ja) 冷凍装置
JP4031560B2 (ja) 空気調和機
CN110476024B (zh) 冷冻循环装置
JP4610688B2 (ja) 冷暖房給湯装置とその制御方法
JP2017044419A (ja) エンジン駆動式空気調和装置
JP6704513B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2003065584A (ja) 空気調和装置及び空気調和装置の制御方法
WO2023162415A1 (ja) 定温輸送用システム及び車両、並びに制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040120

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees