JP3516077B2 - 最大電力点追従装置 - Google Patents

最大電力点追従装置

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JP3516077B2
JP3516077B2 JP24598395A JP24598395A JP3516077B2 JP 3516077 B2 JP3516077 B2 JP 3516077B2 JP 24598395 A JP24598395 A JP 24598395A JP 24598395 A JP24598395 A JP 24598395A JP 3516077 B2 JP3516077 B2 JP 3516077B2
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佳弘 上田
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  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
  • Control Of Electrical Variables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池を使用し
た発電装置などにおいて、最大電力を取り出すための最
大電力点追従装置(Maximum Power Point Trackin
g)およびそれを用いた太陽光発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽光発電による分散型電源と商
用電源とを連系し、分散型電源だけでは電力が賄えない
場合に、その電力を系統側から供給するようにしたシス
テムが開発されている。
【0003】このようなシステムは、図33に示される
ように、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する
太陽電池1と、太陽電池1からの直流電力を商用電源と
同期のとれた交流電力に変換して負荷4に供給する電力
変換装置2と、この電力変換装置2を制御する最大電力
点追従装置30とを備えている。
【0004】太陽電池1の電力(P)−電圧(V)特性
は、一般に、図34に示されるように、山型の特性とな
るので、山型の頂上、すなわち、最大電力点で動作する
ように電力変換装置を制御してやれば、太陽電池の発電
する電力を最大限に利用することができる。
【0005】ところが、太陽電池は、天候による日射量
(照度)の変化や温度変化によってその電力−電圧特性
が、例えば、図35(A),(B)に示されるように大
きく変化するために、最大電力点も矢符で示されるよう
にずれてしまうことになる。
【0006】そこで、最大電力点追従装置では、太陽電
池の出力電圧(動作電圧)を変化させてそれによる電力
の増減に基づいて、最大電力が得られる点、すなわち、
最適動作電圧を探すという動作を絶えず行って太陽電池
から最大電力を取り出そうとしている。
【0007】図36は、従来例の最大電力点追従装置の
最大電力点の探索動作を説明するための特性図である。
【0008】この従来例は、いわゆる山登り法と称され
るものである。なお、以下の説明においては、ΔVは正
であるとして説明する。先ず、電圧を、例えばΔV変化
させ、電力差ΔPを演算し、ΔP>0であれば、最大電
力点よりも左側(低電圧側)に現在の電圧があることに
なるので、前回と同じ方向に電圧を変化させ、ΔP<0
であれば、最大電力点よりも右側(高電圧側)に現在の
電圧があることになるので、前回と逆方向に電圧を変化
させ、ΔP=0であれば、最大電力点にあることになる
で、電圧を変化させないものであり、これによって、最
大電力点を探索するものである。
【0009】なお、下記の表1に、出力電圧を変化させ
た方向(ΔVの正負)と電力ΔPの増減(正負)とによ
って出力電圧をいずれの方向(正負)に変化させるべき
かを示している。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来例では、最大電力点の探索中に、日射量変化や温度
変化があると、誤動作して最大電力点から大きく離れて
いくという難点がある。
【0012】図37は、最大電力点の探索中に日射量の
変化が生じた場合の特性図である。
【0013】先ず、出力電圧をΔV変化させ、電力差Δ
Pを検出する間に、急激な日射量の減少が起こると、日
射量の減少がなかったとした場合には、ΔPは増加する
はずであるが、実際には、日射量の減少によってΔPは
減少することになり、したがって、出力電圧を前回とは
逆方向、すなわち、−ΔV変化させることになる。これ
は、最大電力点とは逆方向であり、このような現象が多
発することで、大きな電力損失が発生することになる。
【0014】図38(A)は、最大電力点付近で出力電
圧をΔV変化させた場合において、日射量が増加したと
きに、最大電力点からずれていく状態を示しており、同
図(B)は、最大電力点付近で出力電圧を−ΔV変化さ
せた場合において、日射量が増加したときに、最大電力
点からずれていく状態を示している。なお、矢符Aは、
環境変化によってP−V特性が変化していく方向を示し
ている。
【0015】このように従来例では、出力電圧を変化さ
せたことによる電力変化と、日射量あるいは温度などの
環境変化による電力変化とを区別できないために、最大
電力点の探索中に、日射量あるいは温度変化があると、
誤動作してしまうという難点がある。
【0016】このため、出力電圧を一定にして電力変化
を測定し、温度変化や日射量変化がない場合だけ出力電
圧を変化させるという方法などもあるが、日射量は、常
時安定していないために、温度変化や日射量変化がない
と判断するための電力変化の閾値が必要となり、さらに
は、太陽電池パネルの構成や特性あるいは設置されてい
る地方の気候特性などシステム毎に最良の閾値に調整す
る必要があり、面倒である。
【0017】本発明は、上述の点に鑑みて為されたもの
であって、温度や日射量などの環境変化によって太陽電
池の出力特性が大きく変化したような場合でも効率を落
とすことなく最大電力点を正確に探索追従できるととも
に、面倒な閾値の調整等を不要とした最大電力点追従装
置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、次のように構成している。
【0019】すなわち、請求項1記載の本発明は、太陽
電池の出力電圧および出力電流に基づいて、前記太陽電
池の発電電力を演算する演算手段と、太陽電池からの直
流電力を交流電力に変換する電力変換装置を介して前記
太陽電池の出力電圧を変化させる出力可変手段と、前記
出力可変手段を制御して前記演算手段で演算される発電
電力が最大となる出力電圧を探索する制御手段とを備え
る最大電力点追従装置において、前記出力可変手段によ
る出力電圧の変化を一定期間変化させることなく休止さ
せる休止手段を設け、前記制御手段は、前記出力電圧を
変化させたときの前記発電電力の変化と、前記出力電圧
を変化させた次に前記出力電圧を前記休止手段により前
記一定期間変化させることなく休止させたときの前記発
電電力の変化とに基づいて、太陽電池の出力電圧を変化
させる方向を決定するものである。
【0020】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
最大電力点追従装置において、前記出力可変手段は、出
力電圧を、正方向および負方向に変化させるものであ
り、前記制御手段は、前記正方向および負方向の変化に
対応してそれぞれ決定される出力電圧を変化させる方向
に基づいて、最終的に出力電圧を変化させる方向を決定
するものである。
【0021】請求項3記載の本発明は、請求項1記載の
最大電力点追従装置において、前記出力可変手段は、前
記制御手段で決定される出力電圧を変化させる方向が、
前回決定された方向に一致するか否かに応じて、出力電
圧を変化させる変化幅を可変するものである。
【0022】請求項4記載の本発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の最大電力点追従装置において、太
陽電池の出力電流および出力電圧を、複数の周波数成分
に分離する周波数分離手段を設け、出力電流および出力
電圧の各低周波成分に基づいて、出力電圧を変化させる
方向を決定するものである。
【0023】請求項5記載の本発明は、請求項4記載の
最大電力点追従装置において、前記周波数分離手段で分
離された各周波数成分に基づいて、出力電圧を変化させ
る変化幅を決定する決定手段を設けている。
【0024】請求項6記載の本発明は、請求項5記載の
最大電力点追従装置において、前記決定手段は、前記周
波数分離手段で分離された各周波数成分に基づいて、前
記変化幅をファジィ推論するものである。
【0025】請求項7記載の本発明は、請求項1ないし
6のいずれかに記載の最大電力点追従装置において、発
電電力の変化の有限積分を求める積分手段を設け、前記
有限積分値が一定値以下であるときには、出力電圧を変
化させないものである。
【0026】請求項8記載の本発明は、太陽電池の出力
電圧および出力電流に基づいて、前記太陽電池の発電電
力を演算する演算手段と、太陽電池からの直流電力を交
流電力に変換する電力変換装置を介して前記太陽電池の
出力電圧を変化させる出力可変手段と、前記出力可変手
段を制御して前記演算手段で演算される発電電力が最大
となる出力電圧を探索する制御手段とを備える最大電力
点追従装置において、前記出力電圧を、2つの電圧値間
で繰り返し変化させる繰り返し手段を設け、前記制御手
段は、複数回の繰り返し変化させたときの前記発電電力
の変化に基づいて、電力変化量の増減を演算し、増減の
回数により太陽電池の出力電圧を変化させる方向又は変
化させないことを決定するものである。
【0027】請求項9記載の本発明は、請求項8記載の
最大電力点追従装置において、前記制御手段は、繰り返
し変化させたときの前記発電電力の変化に基づいて、太
陽電池の出力電圧を変化させる変化幅を制御するもので
ある。
【0028】請求項10記載の本発明は、請求項8また
は9記載の最大電力点追従装置において、前記制御手段
は、繰り返し変化させたときの前記発電電力の変化に基
づいて、前記繰り返し手段による繰り返しの周期を可変
するものである。
【0029】
【0030】
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面によって本発明の実施
の形態について、詳細に説明する。
【0032】〔実施形態1〕この実施形態1および以下
の各実施形態も図33の従来例と同様に、太陽光発電シ
ステムに適用されるものである。
【0033】この実施形態1では、太陽電池の出力電圧
を変化させたときの電力変化分を、出力電圧の変化のみ
による電力変化分と、照度や温度変化等の環境変化によ
る電力変化分とに区別し、出力電圧の変化のみよる電力
変化分に基づいて最大電力点の探索動作を行うものであ
る。
【0034】図1は、この実施形態1に係る最大電力点
追従装置の機能ブロック図である。
【0035】この実施形態1の最大電力点追従装置は、
太陽電池の出力電圧および出力電流に基づいて、発電電
力を演算する演算手段5と、太陽電池からの直流電力を
交流電力に変換する電力変換装置2を介して前記太陽電
池の出力電圧を変化させる出力可変手段6と、前記出力
可変手段6を制御して前記演算手段5で演算される発電
電力が最大となる出力電圧を探索する制御手段7と、前
記出力可変手段6による出力電圧の変化を一定期間休止
させる休止手段8とを備えており、前記制御手段7は、
前記出力電圧を変化させたときの前記発電電力の変化と
前記一定期間の休止における前記発電電力の変化とに基
づいて、太陽電池の出力電圧を変化させる方向を決定す
るようにしている。
【0036】この演算手段5、出力可変手段6、制御手
段7および休止手段8は、マイクロコンピュータによっ
て構成されている。
【0037】図2は、この実施形態1の動作を説明する
ための電力−電圧特性図の一部を示す図であり、図3
は、動作説明に供するフローチャートである。
【0038】先ず、図2のA点の電力PAを、出力電圧
および出力電流に基づいて演算し(ステップn1)、現
在の出力電圧を、前回の結果に基づいてΔV(正方向)
または−ΔV(負方向)変化させ(ステップn2)、出
力電圧の変化による電力変化および照度変化による電力
変化を含む図2のC点の電力PCを、出力電圧および出
力電流に基づいて演算し(ステップn3)、AC間の電
力差(ΔPAC=|PC−PA|)を演算する(ステップn
4)。
【0039】次に、照度変化による電力変化を把握する
ために、一定期間出力電圧を変化させることなく、休止
させ(ステップn5)、休止後の図2のD点の電力PD
を、出力電圧および出力電流に基づいて演算し(ステッ
プn6)、照度変化による電力変化分に相当するCD間
の電力差(ΔPCD=|PD−PC|)を演算し(ステップ
n7)、ステップn2における出力電圧の変化のみによ
る電力変化分ΔP=ΔPAC−ΔPCDを演算する(ステッ
プn8)。
【0040】すなわち、出力電圧をΔV変化させたとき
の電力変化分ΔPACには、出力電圧を変化させたことの
よる電力変化分の他に照度変化による電力変化分Δ
CDが含まれていると見なせるので、出力電圧の変化の
みによる電力変動分ΔPは、ΔPACからΔPCDを差し引
くことにより得られるものである。
【0041】以後の処理は、上述の表1に示した従来例
と同様であり、ΔP>0であって、かつ、ステップn2
において、出力電圧をΔV(正方向)変化させたか、あ
るいは、ΔP<0であって、かつ、ステップn2におい
て、出力電圧を−ΔV(負方向)変化させたか否かを判
断し(ステップn9)、そうであれば、次回の出力電圧
の変化方向および変化幅をΔV(正方向)とし(ステッ
プn10)、ステップn1に戻り、また、そうでないと
きには、次回の出力電圧の変化方向および変化幅を−Δ
V(負方向)とし(ステップn11)、ステップn2に
戻る。
【0042】図4は、この実施形態1の動作説明に供す
るタイムチャートであり、上述の図2のA〜Dの各点に
対応するタイミングおよび電力変化ΔP,ΔPAC,ΔP
CDを併せて示している。
【0043】この実施形態1においては、出力電圧を実
際に変化させて電力を演算するモード0と、出力電圧を
一定期間変化させずに休止させて電力を演算するモード
1とを一定周期で交互に行うものである。
【0044】すなわち、モード0において、従来例と同
様に出力電圧を変化させてその間の電力変化ΔPACを演
算し、モード1において、出力電圧を変化させることな
く休止させてこの休止期間における照度変化による電力
変化ΔPCDを演算し、モード0における電力変化ΔPAC
から差し引くことにより、出力電圧の変化のみによる電
力変化分ΔPを演算して出力電圧を変化させる方向を決
定するのである。
【0045】これによって、温度や日射量などの環境変
化によって太陽電池の出力特性が大きく変化したような
場合でも誤動作することなく、最大電力点を正確に探索
追従できるものである。
【0046】この実施形態1によれば、例えば図5
(A)に示されるように、最大電力点付近で出力電圧を
ΔV変化させた場合に、日射量が増加したときにも、最
大電力点に向かうように制御されることになり、また、
図5(B)に示されるように、最大電力点付近で出力電
圧を−ΔV変化させた場合に、日射量が増加したときに
も、最大電力点に向かうように制御されることになり、
図38の従来例のように最大電力点から大きくずれるよ
うなことがない。
【0047】なお、以上の説明においては、照度変化が
あった場合の動作を説明したけれども、この実施形態1
は、温度変化があった場合にも最大電力点を正確に探索
追従であるものである。
【0048】例えば、図6(A)に示されるように、最
大電力点付近で電圧をΔV変化させた場合に、温度が増
加したときにも、最大電力点に向かうように制御される
ことになり、また、図6(B)に示されるように、最大
電力点付近で電圧を−ΔV変化させた場合に、温度が増
加したときにも、最大電力点に向かうように制御される
ことになる。
【0049】この実施形態1では、モード0およびモー
ド1の周期は、一定であったけれども、環境の変化は、
様々な周波数(周期)を有しており、一定のサンプリン
グ周期では、動作が不安定になる場合がある。
【0050】そこで、本発明の他の実施形態として、図
7に示されるように、モード0およびモード1の周期
を、短、中、長の3つの周期に可変してそれを繰り返す
ようにしてもよく、このようにサンプリング周期を可変
することにより、動作の安定化を図ることができる。
【0051】また、本発明の他の実施形態として、出力
電圧を変化させる方向が決定される度に、複数のバッフ
ァに順次格納して更新するようにし、複数回の決定結果
に基づいて、出力電圧を変化させるようにしてもよい。
すなわち、図8に示されるように、4つのバッファに、
出力電圧を変化させる方向を順次格納して更新し、3回
以上同一の方向であるときに、その方向に出力電圧を変
化させるのである。
【0052】〔実施形態2〕図9は、本発明の実施形態
2に係る最大電力点追従装置の動作を説明するための電
力−電圧特性図の一部を示す図であり、図10は、動作
説明に供するフローチャートである。
【0053】上述の実施形態1では、モード0における
照度や温度による電力変化分と、モード1における照度
や温度による電力変化分とがほぼ等しいときには、正確
に探索動作を行えるが、例えば、飛行機の影や高速道路
を走行する車の影が太陽電池にかかったような急激な環
境変化があったときには、誤動作する虞れがある。
【0054】そこで、この実施形態2では、かかる場合
にも誤動作することなく、正確な探索動作を行えるよう
に、次のように構成している。
【0055】すなわち、上述の実施形態1では、出力電
圧を正(ΔV)または負(−ΔV)方向に変化させて一
定期間休止させることによって次回の出力電圧を変化さ
せるべき方向を決定して直ちにその方向に出力電圧を変
化させるようにしていたけれども、この実施形態2で
は、出力電圧を正または負方向に変化させて一定期間休
止させることによって次回の電圧を変化させるべき方向
が決められたときには、その方向を記憶しておき、出力
電圧を前回とは逆方向、すなわち、負または正方向に変
化させて一定期間休止させて再び出力電圧を変化させる
べき方向を決定し、この決定した方向が、前回決定した
方向と一致したときに、最終的にその方向に決定して出
力電圧をその方向に変化させるものである。
【0056】すなわち、図10のフローチャートに示さ
れるように、先ず、前回の結果から得られた出力電圧を
変化させる方向、例えばΔV(正方向)を記憶し(ステ
ップn21)、その方向にΔV変化させ(ステップn2
2)、実施形態1と同様の動作を行って(ステップn2
3)出力電圧を変化させるべき方向を仮決定して〔1〕
として記憶する(ステップn24)。
【0057】図9においては、A点から出力電圧をΔV
変化させ一定期間休止させて変化させるべき方向が破線
で示されるように正方向であると決定される。
【0058】次に、出力電圧を、前回とは逆方向、すな
わち、−ΔV変化させ(ステップn25)、実施形態1
と同様の動作を行って(ステップn26)出力電圧を変
化させるべき方向を仮決定して〔2〕として記憶する
(ステップn27)。
【0059】図9においては、C点から電圧を−ΔV変
化させて一定期間休止させて変化させるべき方向が正方
向であると決定される。
【0060】次に、ステップn24で記憶した方向
〔1〕とステップn27で記憶した方向〔2〕が一致す
るか否か、すなわち、それらを乗算した結果が正である
か否かを判断し(ステップn28)、一致したときに
は、その方向を変化させるべき方向であると最終決定し
て出力電圧を変化させ(ステップn29)、ステップn
21に戻って変化させるべき方向を更新し、一致しなか
ったときは、出力電圧を変化させることなく、また、変
化させるべき方向も更新することなく(ステップn3
0)、ステップn22に戻る。
【0061】図9においては、変化させるべき方向が一
致したので、E点から出力電圧をΔV変化させてステッ
プn21に戻る。
【0062】この実施形態2では、出力電圧を正および
負方向にそれぞれ1回変化させて最終的に出力電圧を変
化させる方向を決定したけれども、本発明の他の実施形
態として、正および負方向への出力電圧の変化をさらに
繰り返して行い、それらに基づいて最終的に出力電圧を
変化させる方向を決定してもよい。
【0063】〔実施形態3〕上述の各実施形態1,2に
おいては、出力電圧の変化幅ΔVは、一定であったけれ
ども、図11に示されるように、出力電圧の変化幅ΔV
が大きい場合には、特に最大電力点付近(定常状態)に
おいて、出力電圧を変化させる方向が正負方向に交互に
切り替わるために、図11(B)の斜線で示されるよう
に発電ロスが大きくなる。
【0064】そこで、この実施形態3においては、定常
状態における発電ロスを低減するために、次のように構
成している。
【0065】すなわち、この実施形態3では、図12の
電力−電圧特性図および図13のフローチャートに示さ
れるように、先ず、実施形態1と同様の動作を行って
(ステップn31)出力電圧をΔV変化させるととも
に、その方向を〔1〕として記憶しておき(ステップn
32)、再び実施形態1と同様の動作を行って(ステッ
プn33)出力電圧を変化させる方向を〔2〕として記
憶し(ステップn34)、ステップn32で記憶した方
向〔1〕とステップn34で記憶した方向〔2〕が一致
するか否かを判断し(ステップn35)、一致しないと
きには、最大電力点付近であるとして、出力電圧の変化
幅をΔVを小さく、例えば図12に示されるように、Δ
V/2とし(ステップn37)、一致したときには、出
力電圧の変化幅ΔVを大きくしている(ステップn3
6)。
【0066】この出力電圧の変化幅ΔVは、例えば、数
段階のΔV(例えば、0.5V,1V,1.5V,2V)
をテーブルに格納しておき、該テーブルから適したΔV
を選択するようにしてもよい。
【0067】〔実施形態4〕図14は、本発明の実施形
態4に係る太陽光発電システムのブロック図であり、こ
の実施形態4では、実施形態1の最大電力点追従装置を
それぞれ有する2つの太陽光発電装置10,11を備え
ている。
【0068】この実施形態4では、図15に示されるよ
うに、一方の太陽光発電装置10(11)のモード1に
よって決定される出力電圧を変化させる方向の情報を、
他方の太陽光発電装置11(10)に共用するものであ
って、かつ、一方10(11)がモード0ときには、他
方11(10)がモード1になるように制御するもので
ある。なお、12,13は、太陽電池パネルである。
【0069】このように、休止期間であるモード1で決
定される出力電圧を変化させる方向の情報を共用するこ
とにより、単独で行う場合に比べて、2倍のサンプリン
グ速度となって高速な制御が可能となる。
【0070】なお、本発明の他の実施形態として、実施
形態1の最大電力点追従装置をそれぞれ有する2つの太
陽光発電装置14,15を備える太陽光発電システムに
おいて、各最大電力点追従装置を独立して動作させる場
合において、図16に示されるように、一方の太陽電池
パネル12が日陰になったようなときには、両最大電力
点追従装置における出力電圧値や出力電圧を変化させる
方向に相違が生じることになるので、その相違に基づい
て、影の検出などを行えるようにしてもよい。
【0071】〔実施形態5〕実施形態1では、上述のよ
うに、例えば、飛行機の影や高速道路を走行する車の影
が太陽電池にかかったような急激な環境変化があったと
きには、誤動作する虞れがある。
【0072】そこで、太陽電池の出力電流および出力電
圧を、高周波成分および低周波成分に分離し、出力電圧
を変化させる方向は、低周波成分に基づいて決定し、ま
た、出力電圧の変化幅ΔVを、高周波成分および低周波
成分に基づいて可変するものである。
【0073】図17は、この実施形態5のブロック図で
あり、この実施形態5の最大電力点追従装置は、太陽電
池からの出力電圧および出力電流を高周波成分および低
周波成分に分離する周波数分離手段16と、この周波数
分離手段16からの出力電圧および出力電流の各低周波
成分Lに基づいて、実施形態1と同様に、出力電圧を変
化させる方向を決定する方向決定手段17と、周波数分
離手段16からの出力電圧および出力電流の各高周波成
分Hおよび各低周波成分Lに基づいて、後述のようにし
て出力電圧を変化させる幅ΔVを決定する変化幅決定手
段18と、両決定手段17,18の出力を掛け算する掛
け算器19とを備えており、この掛け算器19から出力
電圧を変化させる方向および変化幅ΔVが出力されるこ
とになる。
【0074】方向決定手段17では、太陽電池の出力電
流および出力電圧の各高周波成分、すなわち、飛行機や
高速道路の車の影などの急激な環境変化に対応する成分
を除いた低周波成分に基づいて、上述の実施形態1と同
様にして出力電圧を変化させる方向を決定するので、よ
り正確な動作が可能となる。
【0075】変化幅決定手段18は、例えば、図18に
示されるように、高周波成分による電力PHおよび低周
波成分による電力PLをそれぞれ演算する第1,第2掛
け算器20,21と、各掛け算器20,21の出力と前
回の電力との差をそれぞれ算出する第1,第2減算器2
2,23と、第1減算器22からの高周波成分による電
力変動ΔPHおよび第2減算器23からの低周波成分に
よる電力変動ΔPLを比較する比較器24とを備えてお
り、この比較器24は、図19に示されるように、高周
波成分の電力変動ΔPHが低周波成分の電力変動ΔPL
りも大きいときには、変化幅の小さいV2をΔVとして
出力し、低周波成分の電力変動ΔPLが高周波成分の電
力変動ΔPHよりも大きいときには、変化幅の大きいV1
を、ΔVとして出力するものである。
【0076】すなわち、高周波成分が多いときには、出
力電圧の変化幅ΔVを小さくし、低周波成分が多いとき
には、出力電圧の変化幅ΔVを大きくするものである。
【0077】これによって、飛行機や高速道路の車の影
などの急激な環境変化の影響を受けることなく、正確な
動作が可能となる。
【0078】なお、本発明の他の実施形態として、図2
0に示されるように、周波数分離手段16を複数のフィ
ルタで構成して周波数成分をさらに細かく分離し、この
出力に基づいて、変化幅ΔVをファジィ推論手段180
でファジィ推論するように構成してもよい。
【0079】〔実施形態6〕図21は、本発明の実施形
態6のブロック図であり、この実施形態6は、電力変動
ΔPの有限積分を行う積分手段25と、この積分手段2
5による積分値と基準値とを比較する比較手段26と、
この比較手段26の出力が切り替え信号として与えられ
るとともに、この切り替え信号に応じて、上述の実施形
態1と同様の最適動作電圧の探索動作あるいは探索動作
を停止する最大電力点追従手段27とを備えている。
【0080】上述のように最大電力点近傍の定常状態に
おいては、環境変化がないときには、出力電圧を変化さ
せない方が発電ロスを低減する上で望ましい。
【0081】そこで、この実施形態6では、最大電力点
近傍では、電力変動ΔPは、周期的な小さな信号となる
ので、図22(A)に示されるように一定の有限積分
(k〜k+aまでの区間)の値は小さくなり、また、天
候変動があったときには、図22(B)に示されるよう
に、有限積分の値が大きくなることを利用して定常状態
の効率を改善するものである。
【0082】すなわち、電力変動ΔPの有限積分の値
を、比較手段26で基準値と比較し、基準値よりも大き
いときには、最大電力点追従手段27では、実施形態1
と同様の動作を行って最適動作電圧を探索し、基準値以
下であるときには、出力電圧を変化させることなく、探
索動作を停止するのである。
【0083】〔実施形態7〕図23は、本発明の実施形
態7に係る最大電力点追従装置の機能ブロック図であ
る。
【0084】この実施形態7の最大電力点追従装置は、
太陽電池の出力電圧および出力電流に基づいて、前記太
陽電池の発電電力を演算する演算手段5と、太陽電池か
らの直流電力を交流電力に変換する電力変換装置2を介
して前記太陽電池の出力電圧を変化させる出力可変手段
1と、前記出力可変手段61を制御して前記演算手段5
で演算される発電電力が最大となる出力電圧を探索する
制御手段71と、前記出力電圧を、2つの電圧値間で繰
り返し変化させる繰り返し手段30とを備え、前記制御
手段71は、繰り返し変化させたときの前記発電電力の
変化に基づいて、太陽電池の出力電圧を変化させる方向
を決定するものである。
【0085】演算手段5、出力可変手段61、制御手段
1および繰り返し手段30は、マイクロコンピュータ
によって構成されている。
【0086】図24は、この実施形態7の動作を説明す
るための電力−電圧特性図であり、図25は、動作説明
に供するフローチャートである。
【0087】上述の各実施形態では、一定期間の休止を
設けたけれども、この実施形態7では、休止期間を設け
ることなく、しかも、温度や日射量などの環境変化によ
って太陽電池の出力特性が大きく変化したような場合で
も効率を落とすことなく最大電力点を正確に探索追従で
きるようにするために、次のように構成している。
【0088】この実施形態7では、出力電圧の2点(図
24のA,B)間を数回以上繰り返して変化させ、各回
毎に従来例と同様にして得られる出力電圧を変化させる
べき方向を記憶しておき、所定回数以上同一方向となっ
たときに、その方向に出力電圧を変化させて同様の動作
を繰り返すのである。
【0089】すなわち、図25のフローチャートに示さ
れるように、先ず、正負方向にそれぞれ対応するPLU
SカウンタおよびMINUSカウンタをそれぞれ初期化
しておき、図24のA点における電力PA1を演算し(ス
テップn41)、出力電圧を−ΔV(負方向)変化させ
(ステップn42)、図24のB点における電力PB1
演算し(ステップn43)、AB間の電力差ΔP1を演
算し(ステップn44)、その電力差ΔP1が正である
か否かを判断し(ステップn45)、正であれば、出力
電圧を変化させるべき方向は、負であるので、MINU
Sカウンタに1を加算してステップn47に移り(ステ
ップn46)、また、電力差ΔP1が正でなければ、出
力電圧を変化させるべき方向は、正であるので、PLU
Sカウンタに1を加算してステップn47に移る(ステ
ップn48)。
【0090】ステップn47では、出力電圧を上述のス
テップn42とは逆方向、すなわちΔV変化させて電力
A2を再び演算し(ステップn49)、AB間の電力差
ΔP2を再び演算し(ステップn50)、その電力差Δ
2が正であるか否かを判断し(ステップn51)、正
であれば、出力電圧を変化させるべき方向は、正である
ので、PLUSカウンタに1を加算してステップn54
に移り(ステップn52)、また、電力差ΔP2が正で
なければ、出力電圧を変化させるべき方向は、負である
ので、MINUSカウンタに1を加算してステップn5
4に移る(ステップn53)。
【0091】ステップn54では、ステップn42から
ステップn52,53までの動作を所定回数、この実施
形態では、4回繰り返したか否かを判断し、4回繰り返
していないときには、ステップn42に戻って同様の動
作を繰り返し、4回繰り返したときには、PLUSカウ
ンタの値が3より大きいか否かを判断し(ステップn5
5)、3より大きい、すなわち、PLUSカウンタの値
が4であるときには、4回の繰り返しの動作で4回とも
正方向と判断されたことになるので、この実施形態7で
は、出力電圧をΔV/2増加させステップn41に戻る
(ステップn56)。
【0092】ステップn55において、PLUSカウン
タの値が3より大きくないときには、MINUSカウン
タの値が3より大きいか否かを判断し(ステップn5
7)、3より大きい、すなわち、MINUSカウンタの
値が4であるときには、4回の繰り返しの動作で4回と
も負方向と判断されたことになるので、現在の出力電圧
をΔV/2を減少させてステップn41に戻る(ステッ
プn58)。また、ステップn57において、MINU
Sカウンタの値が3より大きくないときには、出力電圧
を変化させることなく、ステップn41に戻る。
【0093】このように、PLUSカウンタあるいはM
INUSカウンタの値が、4であるときには、日射量変
化がないことになるで、下記の表2に示されるように出
力電圧を変化させ、PLUSカウンタあるいはMINU
Sカウンタの値が、4でないときには、日射量変化の影
響を受けていることになるので、出力電圧を変化させる
ことなく、再度動作を繰り返すのである。
【0094】
【表2】
【0095】この実施形態7によれば、温度変化や日射
量変化がないと判断するための電力変化の閾値が不要と
なり、したがって、太陽電池パネルの構成や特性あるい
は設置されている地方の気候特性などシステム毎に最良
の閾値に調整するといった作業が不要となる。
【0096】この実施形態7では、PLUSカウンタあ
るいはMINUSカウンタの値が4のときだけ、出力電
圧を変化させたけれども、本発明の他の実施形態とし
て、例えば、下記の表3に示されるように、PLUSカ
ウンタあるいはMINUSカウンタの値が3のときにも
出力電圧を変化させてもよく、さらには、下記の表4に
示されるように、出力電圧の変化幅を可変してもよい。
【0097】このように構成することにより、天候の変
化等にも追従して動作できることになり、効率を改善す
ることができる。
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】〔実施形態8〕図26は、実施形態8の動
作説明に供するフローチャートである。
【0101】上述の実施形態7では、出力電圧を変化さ
せる周期は一定であったけれども、この実施形態8で
は、PLUSカウンタあるいはMINUSカウンタの値
が、4でないときには、日射量の急変が生じているとし
て、その影響を受けないように、周期を2倍にし(ステ
ップn59)、また、PLUSカウンタあるいはMIN
USカウンタの値が、4になったときは、周期を元の周
期に戻すようにしている(ステップn60)。
【0102】この実施形態8によれば、日射量の急変が
あるような場合には、周期を長くすることによってその
影響を受けないようにする一方、周期が比較的長い温度
変化には追従できるようにし、日射量の急変がない場合
には、元の周期に戻すので、穏やかな日射量変化にも追
従できることになる。
【0103】図27は、この実施形態8の周期を示す図
であり、日射量の変動が急な場合、すなわち、PLUS
カウンタあるいはMINUSカウンタの値が4でないと
きには、周期をTから2Tにし、さらに、周期2Tにお
いてもPLUSカウンタあるいはMINUSカウンタの
値が4でないときには、周期を2Tから4Tにし、その
周期4Tにおいて、PLUSカウンタあるいはMINU
Sカウンタの値が4になったときには、元の周期Tに戻
すのである。
【0104】なお、この実施形態8と同様の効果は、図
28のフローチャートに示される構成によって実現する
こともできる。
【0105】図28では、周期を変更することなく、判
断の回数を、上述の4回から正または負と判断される回
数が、全回数の例えば、90%以上になるまで増加させ
るのである。すなわち、ステップn61において、指定
回数(初期値は例えば4回)繰り返したと判断され、さ
らに、ステップn62において、その指定回数の判断の
90%以上が正あるいは負と判断されたか否かを判断
し、90%以上に達していないときには、指定回数を、
例えば2回増やして(ステップn63)同様の動作を繰
り返すのである。また、ステップn64において、90
%以上に達したときには、正方向である負方向であるか
最終判断して出力電圧を増減させて(ステップn56,
58)指定回数を初期値に戻すのである(ステップn6
5)。
【0106】図29は、この図28の実施形態の判断回
数を示しており、期間Tに亘る複数回の判断で90%以
上正または負と判断されなかったときには、日射量の変
動が急激であるとして、指定回数をさらに2回増加し、
期間Trに亘る複数回の判断で、90%以上が正または
負と判断されると、最初の指定回数に戻すのである。
【0107】〔実施形態9〕図30および図31は、本
発明の実施形態9の動作を説明するための電力−電圧特
性図であり、図30は、日射量が増加した場合の特性を
示しており、図31は、日射量が減少した場合の特性を
示しており、それぞれの状態における動作方向を併せて
示している。なお、図30,31において、−1,
−1,−1,−1は、1回目の変化方向が正の場合
を、また、−2,−2,−2,−2は、1回目
の変化方向が負の場合をそれぞれ示している。
【0108】この実施形態9では、出力電圧を正または
負方向に変化させたときの電力の変化と、出力電圧を逆
方向、すなわち、負または正方向に変化させたときの電
力の変化とに基づいて、出力電圧を変化させるべき方向
を判断するものである。
【0109】図30において、例えば、−1の動作に
ついて説明すると、先ず、出力電圧をΔVだけ増加させ
る。このとき日射量の増加があると、1回目の電力変動
ΔP1は正となる。次に、出力電圧を逆方向に変化させ
る、すなわち、ΔVだけ減少させる。このとき、日射量
が引き続き増加していると、2回目の電力変動ΔP2は
正となり、太陽電池の電力−電圧特性からΔP1>ΔP
2となる。このとき、出力電圧を変化させるべき正しい
指令は、正である。
【0110】以上のようにして各動作方向について検討
した結果が、下記の表5であり、この表5には、各動作
方向における正しい指令方向、1回目の出力電圧の変化
による判断、2回目の出力電圧の変化による判断、1回
目と2回目の電力の変動の大小関係を示している。
【0111】
【表5】
【0112】この表5から分かるように、図30の場合
には、ΔPが大きい方が正しい方向であり、図31で
は、照度が減少しているために、ΔP1,ΔP2は共に
負であって、ΔPが小さい方が正しい方向である。
【0113】以上をまとめると、1回目に出力電圧を変
化させたときの電力変動の絶対値|ΔP1|と、2回目
に出力電圧を変化させたときの電力変化の絶対値|ΔP
2|との大きい方向に最適電圧があることになる。
【0114】図32は、この実施形態9の動作説明に供
するフローチャートである。
【0115】先ず、出力電圧を、例えば、ΔV(正方
向)変化させ(ステップn71)、電力差ΔP1を演算
し(ステップn72)、出力電圧をステップn71とは
逆方向、すなわち、−ΔV変化させ(ステップn7
3)、電力差ΔP2を演算し(ステップn74)、|Δ
P1|から|ΔP2|を減算し(ステップn75)、そ
の結果が正であるか否かを判断し(ステップn76)、
正であれば、出力電圧をΔV変化させて(ステップn7
7)ステップn71に戻り、正でなければ、出力電圧を
−ΔV変化させてステップn71に戻る。
【0116】
【0117】
【発明の効果】以上のように本発明の最大電力点追従装
置によれば、出力電圧を変化させたときの発電電力の変
化と、出力電圧の変化を休止させた一定期間における照
度変化等の環境変化に起因する発電電力の変化とに基づ
いて、太陽電池の出力電圧を変化させる方向を決定する
ので、環境変化によって太陽電池の出力特性が大きく変
化したような場合でも誤動作することなく、最大電力点
を正確に探索できることになる。
【0118】さらに、出力電圧を変化させる方向の最終
決定を、少なくとも正方向および負方向に出力電圧を変
化させることによって仮決定される方向に基づいて行う
ので、太陽電池に飛行機の影がかかった場合のような急
激な環境変化にも誤動作することがない。
【0119】また、出力電圧を変化させる方向が、前回
決定された方向に一致するか否かに応じて、出力電圧を
変化させる変化幅を可変するので、最大電力点近傍で
は、その変化幅を小さくすることによって発電ロスを低
減することができる。
【0120】また、太陽電池の出力電流および出力電圧
の各低周波成分に基づいて、出力電圧を変化させる方向
を決定するので、太陽電池に飛行機の影がかかった場合
のような急激な環境変化にも誤動作することがなく、さ
らに、各周波数成分に基づいて、出力電圧を変化させる
変化幅を決定するので、一層正確な動作が可能となる。
【0121】また、発電電力の変化の有限積分値が一定
値以下であるときには、出力電圧を変化させないので、
最大電力点近傍での発電ロスを低減することができる。
【0122】本発明の最大電力点追従装置よれば、出力
電圧を、2つの電圧値間で繰り返し変化させたときの発
電電力の変化に基づいて、太陽電池の出力電圧を変化さ
せる方向を決定するので、照度変化等の環境変化による
影響を受けることなく、正しく動作することになり、し
かも、照度変化等の環境変化があるか否かを判断するた
めの従来例の閾値が不要となり、太陽電池パネルの特性
等に応じて閾値を調整するといった面倒な作業が不要と
なる。
【0123】また、出力電圧を繰り返し変化させたとき
の発電電力の変化に基づいて、繰り返しの周期を可変す
るので、太陽電池に飛行機の影がかかった場合のような
急激な環境変化にも誤動作することがない。
【0124】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の機能ブロック図である。
【図2】実施形態1の動作説明に供する特性図である。
【図3】実施形態1の動作説明に供するフローチャート
である。
【図4】実施形態1の動作説明に供するタイミングチャ
ートである。
【図5】実施形態1の動作説明に供する特性図である。
【図6】実施形態1の動作説明に供する特性図である。
【図7】他の実施形態のタイミングチャートである。
【図8】さらに他の実施形態の動作説明に供するタイミ
ングチャートである。
【図9】実施形態2の動作説明に供する特性図である。
【図10】実施形態2の動作説明に供するフローチャー
トである。
【図11】定常状態における発電ロスを示す図である。
【図12】実施形態3の動作説明に供する特性図であ
る。
【図13】実施形態3の動作説明に供するフローチャー
トである。
【図14】実施形態4のブロック図である。
【図15】実施形態4の動作説明に供するタイミングチ
ャートである。
【図16】他の実施形態の構成図である。
【図17】実施形態5のブロック図である。
【図18】図17の変化幅決定手段の構成図である。
【図19】変化幅決定手段の動作説明に供する図であ
る。
【図20】他の実施形態のブロック図である。
【図21】実施形態6のブロック図である。
【図22】最大電力点近傍での電力変動を示す図であ
る。
【図23】実施形態7の機能ブロック図である。
【図24】実施形態7の動作説明に供する特性図であ
る。
【図25】実施形態7の動作説明に供するフローチャー
トである。
【図26】実施形態8の動作説明に供するフローチャー
トである。
【図27】実施形態8の周期を示すタイミングチャート
である。
【図28】他の実施形態の動作説明に供するフローチャ
ートである。
【図29】図28の動作説明に供するタイミングチャー
トである。
【図30】実施形態9の動作説明に供する特性図であ
る。
【図31】実施形態9の動作説明に供する特性図であ
る。
【図32】実施形態9の動作説明に供するフローチャー
トである。
【図33】太陽光発電システムの構成図である。
【図34】太陽電池の電力−電圧特性図である。
【図35】照度および温度変化による特性変化を説明す
るための特性図である。
【図36】従来例の動作説明に供する特性図である。
【図37】従来例の動作説明に供する特性図である。
【図38】従来例の問題点を説明するための特性図であ
る。
【符号の説明】 1 太陽電池 2 電力変換装置 3,30 最大電力点追従装置 5 演算手段 6,61 出力可変手段 7,71 制御手段 10,11 太陽光発電装置 16 周波数分離手段 25 積分手段 30 繰り返し手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 輝幸 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オムロン株式会社内 (72)発明者 馬渕 雅夫 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オムロン株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−191767(JP,A) 特開 昭62−251911(JP,A) 特開 平6−35555(JP,A) 特開 昭61−194514(JP,A) 特開 昭61−285519(JP,A) 特開 平6−250750(JP,A) 特開 平6−83465(JP,A) 特開 昭62−85312(JP,A) 特開 平7−31157(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05F 1/00 - 7/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽電池の出力電圧および出力電流に基
    づいて、前記太陽電池の発電電力を演算する演算手段
    と、太陽電池からの直流電力を交流電力に変換する電力
    変換装置を介して前記太陽電池の出力電圧を変化させる
    出力可変手段と、前記出力可変手段を制御して前記演算
    手段で演算される発電電力が最大となる出力電圧を探索
    する制御手段とを備える最大電力点追従装置において、 前記出力可変手段による出力電圧の変化を一定期間変化
    させることなく休止させる休止手段を設け、 前記制御手段は、前記出力電圧を変化させたときの前記
    発電電力の変化と、前記出力電圧を変化させた次に前記
    出力電圧を前記休止手段により前記一定期間変化させる
    ことなく休止させたときの前記発電電力の変化とに基づ
    いて、太陽電池の出力電圧を変化させる方向を決定する
    ことを特徴とする最大電力点追従装置。
  2. 【請求項2】 前記出力可変手段は、出力電圧を正方向
    および負方向にそれぞれ変化させるものであり、 前記制御手段は、前記出力電圧を正および負方向にそれ
    ぞれ変化させたときの前記発電電力の変化と、前記一定
    期間の休止における前記発電電力の変化とに基づいて、
    太陽電池の出力電圧を変化させる方向をそれぞれ仮決定
    するとともに、仮決定された方向に基づいて、最終的に
    出力電圧を変化させる方向を決定するものである請求項
    1記載の最大電力点追従装置。
  3. 【請求項3】 前記出力可変手段は、前記制御手段で決
    定される出力電圧を変化させる方向が、前回決定された
    方向に一致するか否かに応じて、出力電圧を変化させる
    変化幅を可変するものである請求項1記載の最大電力点
    追従装置。
  4. 【請求項4】 太陽電池の出力電流および出力電圧を、
    複数の周波数成分に分離する周波数分離手段を設け、 出力電流および出力電圧の各周波数成分に基づいて、出
    力電圧を変化させる方向を決定するものである請求項1
    ないし3のいずれかに記載の最大電力点追従装置。
  5. 【請求項5】 前記周波数分離手段で分離された各周波
    数成分に基づいて、出力電圧を変化させる変化幅を決定
    する決定手段を設けた請求項4記載の最大電力点追従装
    置。
  6. 【請求項6】 前記決定手段は、前記周波数分離手段で
    分離された各周波数成分に基づいて、前記変化幅をファ
    ジイ推論するものである請求項5記載の最大電力点追従
    装置。
  7. 【請求項7】 発電電力の変化の有限積分を求める積分
    手段を設け、前記有限積分値が一定値以下であるときに
    は、出力電圧を変化させないものである請求項1ないし
    6のいずれかに記載の最大電力点追従装置。
  8. 【請求項8】 太陽電池の出力電圧および出力電流に基
    づいて、前記太陽電池の発電電力を演算する演算手段
    と、太陽電池からの直流電力を交流電力に変換する電力
    変換装置を介して前記太陽電池の出力電圧を変化させる
    出力可変手段と、前記出力可変手段を制御して前記演算
    手段で演算される発電電力が最大となる出力電圧を探索
    する制御手段とを備える最大電力点追従装置において、 前記出力電圧を、2つの電圧値間で繰り返し変化させる
    繰り返し手段を設け、 前記制御手段は、複数回の繰り返し変化させたときの前
    記発電電力の変化に基づいて、電力変化量の増減を演算
    し、増減の回数により太陽電池の出力電圧を変化させる
    方向又は変化させないことを決定することを特徴とする
    最大電力点追従装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、繰り返し変化させたと
    きの前記発電電力の変化に基づいて、太陽電池の出力電
    圧を変化させる変化幅を制御するものである請求項8記
    載の最大電力点追従装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、繰り返し変化させた
    ときの前記発電電力の変化に基づいて、前記繰り返し手
    段による繰り返しの周期を可変するものである請求項8
    または9記載の最大電力点追従装置。
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