JP3513500B2 - 基板検査方法及び基板検査装置 - Google Patents

基板検査方法及び基板検査装置

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JP3513500B2
JP3513500B2 JP2001335440A JP2001335440A JP3513500B2 JP 3513500 B2 JP3513500 B2 JP 3513500B2 JP 2001335440 A JP2001335440 A JP 2001335440A JP 2001335440 A JP2001335440 A JP 2001335440A JP 3513500 B2 JP3513500 B2 JP 3513500B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板検査方法及び
基板検査装置に関し、より詳細には、走査型電子顕微鏡
装置を用いて基板の検査を行う基板検査方法及び基板検
査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路等の微細化、高集
積化が進展する傾向にあり、その製造における歩留まり
等のプロセス管理がこれまで以上に重要となってきてい
る。このようなプロセス管理においては、半導体基板上
に形成されたチップの素子パターン上の欠陥を検出する
ために、例えばDR−SEM(Defect Review Scannnin
g Electron Microscope)といった検査装置が使用され
る。
【0003】かかるDR−SEMを用いた基板検査方法
では、まず電子ビームの焦点合わせを行う。電子ビーム
の焦点合わせは、図9に示すように、検査対象領域S内
で行われ、その際、検査効率の向上を図るために検査対
象領域Sの一部領域Fを用いて行われる。次に、焦点合
わせされた電子ビームにより半導体基板上の検査対象領
域Sを走査し、出射される二次電子を検出して検査対象
領域Sの検査画像情報を取得する。そして、取得された
検査画像情報と基準となる比較画像情報とに基づいて、
検査対象領域Sの欠陥Dの再検出を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の基板検査方法では、電子ビームの焦点合わせを
検査対象領域S内で行っていたため、半導体基板を収容
する真空室に残留する炭化水素系のガス分子が電子ビー
ムの照射部位に凝集し堆積して、コンタミネーションが
生じることがあった。このコンタミネーションが発生し
た部位からは、下地に依存して二次電子が放出されにく
くなったり、二次電子が放出され易くなったりするた
め、図10(a)に示すように、検査画像情報に基づい
て生成した検査画像内には白黒のコントラストが生じ、
これが欠陥と誤検出されて半導体基板の検査精度が低下
するという問題があった。図10(a)に示すSEM写
真では、中央に見えるコンタミネーションが発生した領
域から二次電子が放出され易くなり、その領域が白く写
っている。
【0005】また、焦点合わせのときに電子ビームが照
射された部位にはチャージアップが生じることがあっ
た。このチャージアップにより二次電子の放出に影響が
出るため、図10(b)に示すように、検査画像情報に
基づいて生成した検査画像内に白黒のコントラストが生
じ、これが欠陥と誤検出されて半導体基板の検査精度が
低下するという問題があった。図10(b)に示すSE
M写真では、中央に見えるチャージアップが発生した領
域が黒く写っている。
【0006】かかる問題を解決すべく、電子ビームの焦
点合わせを検査対象領域Sの全体で行うことも考えられ
るが、この場合は検査画像内でパターン間の白黒のコン
トラスト差が小さくなるため、欠陥の検出率が低下する
と共に、スループットが低下するため、検査効率が低下
するという問題があった。
【0007】本発明は、以上の問題点を解決するために
なされたものであり、基板の検査精度を向上することが
可能な基板検査方法及び基板検査装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る基板検査方
法は、走査型電子顕微鏡装置を用いた基板検査方法であ
る。この方法は、(1)電子ビームにより基板上の検査
対象領域を走査して、検査対象領域の検査画像情報を取
得する工程と、(2)検査画像情報と基準となる比較画
像情報とに基づいて、検査対象領域の状態を解析する工
程と、を備える。そして、検査画像情報を取得するとき
に用いられる電子ビームの焦点合わせは、検査対象領域
外であって検査対象領域の近傍で行われることを特徴と
する。
【0009】この方法では、検査画像情報を取得すると
きに用いられる電子ビームの焦点合わせを、検査対象領
域外であって検査対象領域の近傍で行っているため、検
査対象領域内でコンタミネーションやチャージアップが
生じるおそれがない。よって、取得された検査画像情報
に基づいて生成された検査画像内には、かかるコンタミ
ネーションやチャージアップによる白黒のコントラスト
が生じることがなく、欠陥の誤検出が低減されて基板の
検査精度が向上される。
【0010】本発明に係る基板検査方法では、基板上に
は所定パターンを有する複数のチップが形成されてお
り、複数のチップのうちいずれかのチップに含まれる所
定領域を検査対象領域としてもよい。このようにすれ
ば、基板上に形成された複数のチップに含まれる検査対
象領域が検査される。
【0011】また本発明に係る基板検査方法では、検査
対象領域を含むチップに隣接するチップの検査対象領域
に対応する領域を比較対象領域とし、電子ビームにより
比較対象領域を走査して比較画像情報を取得する工程を
備える。そして、比較画像情報を取得するときに用いら
れる電子ビームの焦点合わせは、比較対象領域外であっ
て比較対象領域の近傍で行われることを特徴としてもよ
い。このようにすれば、基体上のいずれかのチップに含
まれる検査対象領域の検査画像情報と、それに隣接する
チップに含まれる比較対象領域の比較画像情報とに基づ
いて、検査対象領域の状態が解析される。このとき、比
較画像情報を取得するときに用いられる電子ビームの焦
点合わせを、比較対象領域外であって比較対象領域の近
傍で行っているため、比較対象領域内でコンタミネーシ
ョンやチャージアップが生じるおそれがない。よって、
取得された比較画像情報に基づいて生成された比較画像
内には、かかるコンタミネーションやチャージアップに
よる白黒のコントラストが生じることがなく、欠陥の誤
検出が低減されて基板の検査精度が向上される。
【0012】本発明に係る基板検査方法では、複数のチ
ップの各々は、SAMOS構造を有する素子を含むこと
を特徴としてもよい。フラッシュメモリなどのSAMO
S(stacked gate avalanche injection Metal Oxide S
emiconductor)構造を有する素子では、電子ビームの照
射によりチャージアップが生じ易いことを発明者は見出
した。このチャージアップにより検査対象領域内からの
二次電子の放出に影響が出るため、検査画像情報に基づ
いて生成した検査画像内に白黒のコントラストが生じ、
これを欠陥と誤検出してしまうおそれがある。これに対
し、この方法では検査画像情報を取得するときに用いら
れる電子ビームの焦点合わせを、検査対象領域外であっ
て検査対象領域の近傍で行っているため、検査対象領域
内でチャージアップが生じるおそれがない。よって、取
得された検査画像情報に基づいて生成された検査画像内
には、かかるチャージアップによる白黒のコントラスト
が生じることがなく、欠陥の誤検出が低減されて基板の
検査精度が向上される。
【0013】本発明に係る基板検査装置は、本発明に係
る基板検査方法の実施に好適なものである。すなわち、
本発明に係る基板検査装置は、(1)基板上の所定領域
に電子ビームを照射し、出射される二次電子を検出する
走査型電子顕微鏡装置と、(2)走査型電子顕微鏡装置
により検出された二次電子の検出量に基づいて、所定領
域の画像情報を生成する画像処理装置と、(3)基板上
の一の領域の画像情報と基準となる画像情報とに基づい
て、一の領域の状態を解析する解析装置と、(4)所定
領域の画像情報を取得するときに用いられる電子ビーム
の焦点合わせを、所定領域外であって所定領域の近傍で
行うように、走査型電子顕微鏡装置を制御する制御装置
と、を備える。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
に係る基板検査方法及び基板検査装置の好適な実施形態
について詳細に説明する。なお、図面の説明において同
一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致し
ていない。
【0015】図1は、本実施形態に係る基板検査装置の
構成を概略的に示す図である。この基板検査装置は、い
わゆるDR−SEM(Defect Review Scannning Electr
on Microscope)と呼ばれる欠陥再検出装置である。図
示の通り、基板検査装置10は走査型電子顕微鏡装置
(SEM装置)12と、SEM装置12の制御やデータ
の解析を行う制御ユニット14と、外部入力装置16
と、外部モニタ17と、を備えている。
【0016】SEM装置12は、走査型電子顕微鏡(S
EM)18と、半導体基板(基板)20を支持するステ
ージ22と、SEM18及びステージ22を収容する真
空室24とを有している。SEM18は、電子ビームを
出射する電子銃26と、電子銃26から出射された電子
ビームの照射位置を制御する走査コイル28と、電子ビ
ームの焦点合わせを行うための対物レンズ29と、電子
ビームの照射により半導体基板20から出射される二次
電子を検出する二次電子検出部30と、を含んでいる。
なお、二次電子検出部30は真空室24内であってSE
M18の外部に設けられていてもよい。ステージ22
は、半導体基板20の位置決めを行うべく、XY方向に
変位可能である。
【0017】制御ユニット14は、制御解析部32、画
像処理部34、及びメモリ36,38を含んでいる。制
御解析部32は、メモリ38と電気的に接続されてお
り、このメモリ38は外部入力装置16と電気的に接続
されている。外部入力装置16は、SEM装置12によ
る撮像の条件を入力したり、半導体基板20上の検査を
行う位置の座標データを入力したりするために使用され
る。この外部入力装置16から入力されたデータは、メ
モリ38に記憶される。
【0018】また制御解析部32は、SEM装置12の
ステージ22と電気的に接続されている。制御解析部3
2は、メモリ38から読み出した座標データに基づい
て、ステージ22を駆動制御するための信号を生成す
る。このステージ制御信号はステージ22に送出され、
この信号に基づいてステージ22が駆動制御されて半導
体基板20の位置決めが行われる。
【0019】また制御解析部32は、SEM18と電気
的に接続されている。より詳細には、制御解析部32
は、SEM18の二次電子検出部30と電気的に接続さ
れている。制御解析部32は、二次電子を検出する際の
サンプリング周波数を制御するための信号を生成する。
このサンプリング周波数制御信号は、二次電子検出部3
0に送出され、二次電子のサンプリング周期が制御され
る。ここで、同じ広さの領域を走査するときに、サンプ
リング周波数を大きくすればサンプリング周期が短くな
って使用画素数が増大し、またサンプリング周波数を小
さくすればサンプリング周期が長くなって使用画素数が
減少する。
【0020】また制御解析部32は、SEM18の電子
銃26と電気的に接続されている。制御解析部32は、
電子銃26の図示しないアノードに印可する加速電圧を
制御するための信号を生成する。この加速電圧制御信号
は電子銃26に送出され、電子銃26から出射される二
次電子の加速電圧が制御される。
【0021】また制御解析部32は、SEM18の対物
レンズ29と電気的に接続されている。制御解析部32
は、対物レンズ29を制御して電子ビームの焦点を制御
するための信号を生成する。この焦点制御信号は対物レ
ンズ29に送出され、電子ビームの焦点合わせが行われ
る。
【0022】また制御解析部32は、SEM18の走査
コイル28と電気的に接続されている。制御解析部32
は、走査コイル28を制御して電子ビームの照射位置を
制御するための信号を生成する。この照射位置制御信号
は走査コイル28に送出され、電子ビームの照射位置が
制御される。所定領域の画像情報を取得するとき、この
照射位置制御信号には、例えば図2(a),(b)に示
すように、X方向の走査を制御する三角波とY方向の走
査を制御するステップ波とが含まれる。三角波の振幅を
制御することで、図2(c)に示すように、電子ビーム
によるX方向の走査幅ΔXを制御することができる。ま
たステップ波のステップ幅を制御することで、図2
(c)に示すように、電子ビームによるY方向の走査間
隔ΔYを制御することができる。
【0023】ここで本実施形態に係る基板検査装置10
では、図3に示すように、制御解析部(制御装置)32
は、所定領域T(検査対象領域Sあるいは比較対照領域
R)の画像情報を取得する前に、電子ビームの焦点合わ
せを、所定領域T外であって所定領域Tの近傍で行うよ
うに、電子ビームの照射位置を制御する。この「所定領
域の近傍」とは、走査コイル28を制御することで電子
ビームを振ることが可能な範囲を指す。このように走査
コイル28を制御して電子ビームを振るようにすれば、
スループットへの影響が抑制される。ここで、半導体基
板20の微小な反りが存在する場合などを考慮すると、
「所定領域の近傍」とは、図3に示すように、所定領域
Tと焦点合わせ領域Fとの間の距離Lを用いて、0μm
≦L≦20μmであると好ましく、1μm≦L≦10μ
mであるとより好ましい。このような範囲で焦点合わせ
を行うようにすれば、電子ビームの焦点合わせ時のコン
タミネーションやチャージアップの影響、及び焦点精度
への影響が抑制される。
【0024】また制御解析部(解析装置)32は、メモ
リ36に記憶された半導体基板20上の検査対象領域S
の検査画像データと、基準となる比較画像データとに基
づいて、検査対象領域Sにおける欠陥を再検出する。具
体的には、検査画像データと比較画像データとの差分を
求め、この差分により検査対象領域Sにおける欠陥を再
検出する。この制御解析部32は外部モニタ17と接続
されており、制御解析部32における解析の結果は画面
上で確認することができる。
【0025】画像処理部34は、SEM18の二次電子
検出部30と電気的に接続されている。この画像処理部
34は、二次電子検出部30から受け取った検出データ
を処理し、サンプリング周波数に応じた画素数の画像デ
ータを生成する。生成された画像データは、メモリ36
に送出され記憶される。
【0026】次に、上記した基板検査装置を用いた本実
施形態に係る基板検査方法について、図4に示すフロー
チャートを参照して説明する。ここで本実施形態では、
半導体基板20上に所定のランダムロジックパターンを
有する複数のチップが形成されている場合の検査方法に
ついて説明する。
【0027】まず、外部入力装置16から半導体基板2
0上の検査対象領域Sに関する複数の座標データをメモ
リ38に入力する(ステップS0)。この座標データ
は、他の光学系計測装置により予め計測され、詳細な検
査が必要とされた半導体基板20上の領域の座標を示す
データである。例えば、図5に示すように、半導体基板
20上のn番目のチップに検査したい領域Sが存在する
場合、座標データは(Xn,Yn)で表される。
【0028】次に、制御解析部32において、半導体基
板20上の検査対象領域Sに関する一の座標データ(X
n,Yn)をメモリ38から読み出す。そして、図5に
示すように、制御解析部32において半導体基板20上
の検査対象領域Sを含むn番目のチップに隣接するいず
れかのチップ、例えば(n−1)番目のチップの、検査
対象領域Sに対応する比較対象領域Rに関する座標デー
タ(Xn−1,Yn−1)を算出する。これは、半導体
基板20上に形成された複数のチップには同じパターン
が形成されているため、n番目のチップの座標(Xn,
Yn)で示される検査対象領域Sの検査のために、(n
−1)番目のチップの座標(Xn−1,Yn−1)で示
される領域を比較対象領域Rとして使用するものであ
る。そして、算出した座標データ(Xn−1,Yn−
1)に基づいてステージ22を駆動制御する信号を生成
し、この信号に基づいてステージ22を駆動制御して半
導体基板20の位置決めを行う(ステップS1)。な
お、比較画像情報を取得するために利用するチップは、
n番目のチップを取り囲むチップの中から選択すると好
ましい。このようにすれば、ステージ22の移動距離が
少なくて済むため、スループットの向上が図られる。
【0029】次に、電子ビームの焦点合わせを行う(ス
テップS2)。電子ビームの焦点合わせは、図3に示す
ように、制御解析部32からの信号に基づいて、走査コ
イル28を制御することにより、比較対象領域R外であ
って比較対象領域Rの近傍に電子ビームを照射しなが
ら、対物レンズ29を制御して行う。
【0030】次に、制御解析部32により走査コイル2
8を制御して、焦点合わせされた電子ビームにより比較
対象領域Rを走査して、所定のサンプリング周期で二次
電子を検出する。そして、検出した二次電子量に関する
データを画像処理部34に送出し、ここで画像処理を施
して比較対象領域Rの比較画像情報を取得する(ステッ
プS3)。そして、取得した比較対象領域Rの比較画像
情報を、メモリ36に記憶させる。
【0031】次に、ステップS1で読み出した座標デー
タ(Xn,Yn)に基づいて、ステージ22を駆動制御
する信号を生成し、この信号に基づいてステージ22を
駆動制御して半導体基板20の位置決めを行う(ステッ
プS4)。
【0032】次に、電子ビームの焦点合わせを行う(ス
テップS5)。電子ビームの焦点合わせは、図3に示す
ように、制御解析部32からの信号に基づいて、走査コ
イル28を制御することにより、検査対象領域S外であ
って検査対象領域Sの近傍に電子ビームを照射しなが
ら、対物レンズ29を制御して行う。
【0033】次に、制御解析部32により走査コイル2
8を制御して、焦点合わせされた電子ビームにより検査
対象領域Sを走査して、所定のサンプリング周期で二次
電子を検出する。そして、検出した二次電子量に関する
データを画像処理部34に送出し、ここで画像処理を施
して検査対象領域Sの検査画像情報を取得する(ステッ
プS6)。そして、取得した検査対象領域Sの検査画像
情報を、メモリ36に記憶させる。
【0034】次に、制御解析部32において、メモリ3
6から検査画像情報と比較画像情報とを読み出し、両者
の差分を求め、これにより検査対象領域Sにおける欠陥
Dを再検出する(ステップS7)。すなわち、図6
(a)に示す検査対象領域S及び図6(b)に示す比較
対象領域Rの画像情報を比較することで、検査対象領域
S内に存在する欠陥Dを再検出する。
【0035】次に、図6(a)に示すように、必要に応
じて検査対象領域S内の欠陥が存在する部位の拡大像G
を撮像してもよい。なお、このときは電子ビームの焦点
は合っているため、再び焦点合わせを行うことは必ずし
も必要ではない。
【0036】次に、すべての検査対象領域Sについて欠
陥の再検出が終了したか否かを判定する(ステップS
8)。すべての検査対象領域Sについて欠陥の再検出が
終了していない場合は、ステップS1に戻って残りの検
査対象領域Sについての欠陥の再検出を行う。そして、
すべての検査対象領域Sについて欠陥の再検出が終了す
ると、半導体基板20の検査を終了する。
【0037】以上、本実施形態に係る基板検査方法で
は、検査対象領域Sの検査画像情報を取得するときに用
いられる電子ビームの焦点合わせを、検査対象領域S外
であって検査対象領域Sの近傍で行っているため、検査
対象領域S内でコンタミネーションやチャージアップが
生じるおそれがない。よって、取得された検査画像情報
に基づいて生成された検査画像内には、かかるコンタミ
ネーションやチャージアップによる白黒のコントラスト
が生じることがない。また比較対象領域Rの比較画像情
報を取得するときに用いられる電子ビームの焦点合わせ
も、比較対象領域R外であって比較対象領域Rの近傍で
行っているため、比較対象領域R内でコンタミネーショ
ンやチャージアップが生じるおそれがない。よって、取
得された比較画像情報に基づいて生成された比較画像内
には、かかるコンタミネーションやチャージアップによ
る白黒のコントラストが生じることがない。このよう
に、検査対象領域Sの検査画像内及び比較対象領域Rの
比較画像内にコンタミネーションやチャージアップによ
る白黒のコントラストが生じることがないため、欠陥D
の誤検出が低減されて半導体基板20の検査精度の向上
を図ることが可能となる。
【0038】なお、本発明は上記した実施形態に限定さ
れることなく種々の変更が可能である。
【0039】例えば、上記した実施形態では、半導体基
板20上に所定のランダムロジックパターンを有する複
数のチップが形成されている場合の検査について説明し
た。本発明はこれに限られず、半導体基板上に形成され
たメモリ等の単一のセルパターンを有する複数のチップ
の検査や、他のパターンが形成された半導体基板の検査
にも適用することができる。
【0040】ここで、半導体基板20上に形成されたメ
モリ等の単一のセルパターンを有する複数のチップを検
査するときを考える。例えば、複数のチップの各々が、
SAMOS構造を有する記憶素子を含んでいるとき、図
7(a)に示すように、検査対象領域S内の一部を焦点
合わせ領域Fとして利用する従来の基板検査方法では、
図7(b)に示すように、電子ビームの照射によりチャ
ージアップが発生して、その領域Wが暗く写ってしま
う。この領域Wは、電子ビームが照射された領域のみに
留まらず、その幅で縦長に延びて存在することを発明者
は見出した。これに対し、本実施形態では、上述したよ
うに、検査対象領域S内及び比較対照領域R内でコンタ
ミネーションやチャージアップが生じるおそれがない。
よって、生成された検査画像内及び比較画像内には、か
かるコンタミネーションやチャージアップによる白黒の
コントラストが生じることがなく、欠陥Dの誤検出が低
減されて半導体基板20の検査精度の向上を図ることが
可能となる。
【0041】なお、SAMOS構造を有する素子として
は、フラッシュメモリなどの記憶素子が挙げられる。フ
ラッシュメモリは、例えば図8に示すように、メモリセ
ルが1トランジスタ構成であるnチャネル形チャネル注
入構造を有する。このメモリセルは、絶縁層51を介し
て半導体基板50上にフローティングゲート52を備
え、さらに絶縁層51を介してフローティングゲート5
2上にコントロールゲート53を備える。そして、ゲー
ト領域54の両サイドにソース領域55及びドレイン領
域56を備える。
【0042】かかるメモリセルが二次元状に配列形成さ
れたフラッシュメモリなどの記憶素子では、フローティ
ングゲート52と絶縁層51とコントロールゲート53
とでコンデンサ領域が構成されるため、SEM18の焦
点合わせのために電子ビームが照射されると、かかるコ
ンデンサ領域に電荷が蓄積される。この電荷の蓄積によ
り、二次電子の放出に影響が出て、生成される画像内に
白黒のコントラストが生じると考えられる。図10
(b)は、かかるSAMOS構造を有する記憶素子のS
EM写真を示しており、横のラインがゲートライン10
1を示し、縦のラインが拡散ライン103を示してい
る。そして、破線で囲んだ領域Pが1個のメモリセルに
対応し、このメモリセル内にゲート領域105、ソース
領域106、及びドレイン領域107が含まれている。
【0043】なお、半導体基板20上に形成されたメモ
リ等の単一のセルパターンを有する複数のチップを検査
するときは、一度比較のための画像情報を取得しておけ
ば、その後この画像情報を再利用することで、一の検査
対象領域Sの欠陥再検出を行うたびに比較画像情報を取
得するという煩わしい作業を省略することができ、検査
の効率化を図ることができる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、基板の検査精度を向上
することが可能な基板検査方法及び基板検査装置が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る基板検査装置の構成を模式的
に示す図である。
【図2】図2(a),(b)は、走査コイルを制御して
電子ビームの照射位置を制御するための信号を示す図で
あり、図2(c)は、電子ビームにより所定領域を走査
する様子を示す図である。
【図3】画像情報を取得するための所定領域Tと焦点合
わせ領域Fとの関係を示す図である。
【図4】本実施形態に係る基板検査方法を示すフローチ
ャートである。
【図5】半導体基板上に形成されたn番目のチップに含
まれる検査対象領域と、それに隣接する(n−1)番目
のチップに含まれる比較対象領域とを示す図である。
【図6】図6(a)は、検査画像情報に基づいて生成さ
れた検査画像を示す図であり、図6(b)は、比較画像
情報に基づいて生成された比較画像を示す図である。
【図7】SAMOS構造を有する記憶素子について、検
査対象領域内で電子ビームの焦点合わせを行ったとき
に、二次電子の放出に影響が出て暗い領域が縦長に延び
ている様子を示す図である。
【図8】SAMOS構造を有するメモリセルの構成を示
す図である。
【図9】従来の基板検査方法において検査対象領域内で
電子ビームの焦点合わせを行う様子を示す図である。
【図10】図10(a)は、コンタミネーションが発生
して白黒のコントラストが生じている様子を示す顕微鏡
写真(SEM写真)であり、図10(b)は、チャージ
アップが発生して白黒のコントラストが生じている様子
を示す顕微鏡写真(SEM写真)である。
【符号の説明】
10…基板検査装置、12…走査型電子顕微鏡装置、1
4…制御ユニット、16…外部入力装置、17…外部モ
ニタ、18…走査型電子顕微鏡、20…半導体基板、2
2…ステージ、24…真空室、26…電子銃、28…走
査コイル、29…対物レンズ、30…二次電子検出部、
32…制御解析部、34…画像処理部、36,38…メ
モリ、S…検査対象領域、R…比較対象領域、D…欠
陥。
フロントページの続き (72)発明者 高倉 慶子 千葉県成田市新泉14ー3野毛平工業団地 内 アプライド マテリアルズ ジャパ ン株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−300825(JP,A) 実公 昭62−191(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/28 - 31/3193 H01J 37/21 H01J 37/28 H01L 21/64 - 21/66

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査型電子顕微鏡装置を用いた基板検査
    方法であって、 電子ビームにより基板上の検査対象領域を走査して、該
    検査対象領域の検査画像情報を取得する工程と、 前記検査画像情報と基準となる比較画像情報とに基づい
    て、前記検査対象領域の状態を解析する工程と、を備
    え、 前記検査画像情報を取得するときに用いられる前記電子
    ビームの焦点合わせは、前記検査対象領域外であって該
    検査対象領域の近傍で行われることを特徴とする基板検
    査方法。
  2. 【請求項2】 前記基板上には所定パターンを有する複
    数のチップが形成されており、該複数のチップのうちい
    ずれかのチップに含まれる所定領域を前記検査対象領域
    とすることを特徴とする請求項1に記載の基板検査方
    法。
  3. 【請求項3】 前記検査対象領域を含むチップに隣接す
    るチップの該検査対象領域に対応する領域を前記比較対
    象領域とし、電子ビームにより該比較対象領域を走査し
    て前記比較画像情報を取得する工程を備え、 前記比較画像情報を取得するときに用いられる前記電子
    ビームの焦点合わせは、前記比較対象領域外であって該
    比較対象領域の近傍で行われることを特徴とする請求項
    2に記載の基板検査方法。
  4. 【請求項4】 前記複数のチップの各々は、SAMOS
    構造を有する素子を含むことを特徴とする請求項2に記
    載の基板検査方法。
  5. 【請求項5】 基板上の所定領域に電子ビームを照射
    し、出射される二次電子を検出する走査型電子顕微鏡装
    置と、 前記走査型電子顕微鏡装置により検出された二次電子の
    検出量に基づいて、前記所定領域の画像情報を生成する
    画像処理装置と、 前記基板上の一の領域の画像情報と基準となる画像情報
    とに基づいて、該一の領域の状態を解析する解析装置
    と、 前記所定領域の画像情報を取得するときに用いられる前
    記電子ビームの焦点合わせを、該所定領域外であって該
    所定領域の近傍で行うように、前記走査型電子顕微鏡装
    置を制御する制御装置と、を備える基板検査装置。
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