JP3513319B2 - 機器の防振支持装置 - Google Patents

機器の防振支持装置

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JP3513319B2 JP08937796A JP8937796A JP3513319B2 JP 3513319 B2 JP3513319 B2 JP 3513319B2 JP 08937796 A JP08937796 A JP 08937796A JP 8937796 A JP8937796 A JP 8937796A JP 3513319 B2 JP3513319 B2 JP 3513319B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発電プラント等に使
用される定置用内燃機関等の振動の発生を伴う機器、あ
るいは電子機器や精密機器等の振動を厳しく抑制するこ
とを要する機器の据付構造に適用される防振支持装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】発電用等の定置用ディーゼル機関におい
ては、機関で発生する振動による据付地盤の振動を抑制
するため、防振支持装置を備えた据付構造が採用されて
いる。
【0003】図4及び図5には、上記定置用ディーゼル
機関の据付構造の従来の1例が示されている。図4に示
されるものは、ディーゼル機関1の台板あるいはクラン
クケース下面に据付プレート12及びアンカーボルト1
3を固定するとともに、基礎地盤100を大きく削り取
って(マッシブにして)、ここにコンクリート基礎11
を設け、同コンクリート基礎11内に上記据付プレート
12及びアンカーボルト13を埋め込み固定している。
【0004】図5に示されるものは、ディーゼル機関1
のクランクケースあるいは台板の下面フランジに剛性の
高い共通台板21を取付けて、機関1を共通台板21で
支持するとともに、基礎地盤100を大きく削り取って
一定厚さのコンクリート基礎23を設け、このコンクリ
ート基礎23の内部空間101に上記共通台板21を配
置せしめ、さらに同共通台板21の下面及び左右両側面
と上記コンクリート基礎23との間に所定の間隔で複数
個の防振機構22を介装して、機関1を防振支持してい
る。上記防振機構は、防振ゴム、空気ばね、コイルば
ね、あるいは油圧ダンパ等、種々の周知手段が用いられ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のディーゼル機関の防振支持装置には次のような問題
点がある。即ちディーゼル機関1は起振力が大きく、発
電用としての定置用ディーゼル機関にあっては地盤振動
が大きくなる。このため、据付場所付近に居住区が無い
地域に建設するか、あるいは止むを得ず居住区に近接し
た地域に建設する場合には図4に示されるように基礎を
大きくマッシブにしたり、図5に示されるようにゴム、
コイルスプリング、空気ばね、あるいは油圧ダンパから
成る防振機構22で機関1を支持することにより防振を
施している。
【0006】しかしながら、低速ディーゼル機関のよう
に回転数が100rpm 未満の場合には回転振動数は約
1.67Hzと低くなり、防振支持系の固有振動数を1Hz
以下にする必要があるが、ゴムやコイルスプリングを用
いた防振機構22での支持は耐荷力の面で採用が困難で
あり、また空気ばねを用いた防振機構でも、大容積の補
助タンクを設ける必要があり、構造が大型かつ複雑にな
る。
【0007】上記のように、低速大型ディーゼル機関に
おける低振動数で大振幅の振動の伝達を抑制するための
防振支持機構は、これ自体が必然的に大型かつ複雑な構
造となり、また、基礎地盤100も大規模化され、据付
コストの高騰が避けられないこととなる。
【0008】本発明の目的は、大規模な据付基礎を必要
とせず、比較的小型化され、かつ低コストの装置で以っ
て、低振動数で大振幅の振動を発生する機器の防振支持
を可能とした防振支持装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような問
題点を解決するもので、その要旨とする手段は、ディー
ゼル機関等の被防振機器を、下部が開放された開放部を
有する箱形台板上に固定するとともに、同箱形台板の内
部に多数の連通穴が穿設された隔壁を備え、同箱形台板
を水が収容された貯水槽内に浮設し、上記箱形台板の
記隔壁上記貯水槽の水面との間に空気層を形成したこ
とを特徴とする機器の防振支持装置にある。
【0010】さらに、上記手段に加えて、上記箱形台板
の側面と上記貯水槽の側面との間に、空気ばねを介装す
る。
【0011】上記手段によれば、ディーゼル機関等の機
器の上下方向の支持は、機器及び箱形台板を質量として
箱形台板の下部と水面との間の空気層をばねとする0.
5Hz程度の低い固有振動数の振動系となり、機器の起振
力が低い振動数であってもこれを充分に減衰して地盤地
盤に伝達することができる。
【0012】また水平方向の支持は上記機器及び箱形台
板を質量として空気ばねでこれを受ける低い固有振動数
の振動系となり、上記と同様に低い振動数の起振力を充
分に減衰することができる。さらに水平方向について
は、空気ばねに対し、機器及び箱形台板の重量の耐荷を
要しないので、空気ばねの耐荷力に無関係にばね定数を
小さく設定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図1〜図3を参照して本発明
の実施形態につき詳細に説明する。図1には本発明の実
施形態に係る定置用ディーゼル機関の防振支持装置の構
造図が示されている。
【0014】図1において、1はディーゼル機関、2は
箱形台板であり、同ディーゼル機関1のクランクケース
(あるいは台板)1aがボルト9により箱形台板2の上
面に固着される。上記ディーゼル機関1を据付けるため
の基礎地盤100を掘削した凹部には鉄筋コンクリート
を所定厚さに貼って貯水槽7が形成され、同貯水槽7内
には一定レベルまで水6が収容されている。
【0015】上記箱形台板2は、後述する空気層4側の
みが開放され、他部が実質的に密閉されて、上記貯水槽
7の水6に浮設される。そして同箱形台板2の下部に
は、これを水6に浮かべたとき浮力を得るための所定容
積の空気が収容される空気層4が形成されるとともに、
同箱形台板2の隔壁には、同空気層4と箱形台板2の内
部とを連通する多数の連通穴5が穿設されている。
【0016】また、上記箱形台板2の側面と、貯水槽7
の上部側面との間には、同箱形台板2の側部を支持する
空気ばね3が機関1の両側の長手方向に沿って、複数個
設けられている。上記のように構成されたディーゼル機
関の防振支持装置において、上下方向の支持について
は、ディーゼル機関1及び箱形台板2へ重量を質量と
し、同箱形台板2の底部の空気層4及び箱形台板2内の
容積の空気をばねとする空気を介する振動系が構成され
る。これにより、0.5Hz程度の低い固有振動数を有す
る振動系を構成することができる。また、水平方向の支
持については、ディーゼル機関1及び箱形台板2の重量
を質量とし、同箱形台板2の側面と貯水槽、7の壁面と
の間に設置された空気ばね3をばねとする振動系とな
る。
【0017】この場合、上記空気ばね3はディーゼル機
関1及び箱形台板2の重量を支えることを要しないの
で、同空気ばね3の耐荷力に関係なくばね定数を小さく
設定できる。これによって水平方向振動系の固有振動数
を0.5Hz以下の低振動数に設定することができる。従
って、上記装置は、図2に示されるように、回転周波数
に対する振動数比f/fo は2.32となり低速ディー
ゼル機関のように低い回転数で低い振動数の加振力を持
つ機械でも、図2に示されるように振動伝達率を1以下
に設定することができ、ディーゼル機関1の振動が基礎
地盤100へ伝達するのを防止することができる。
【0018】また、一般に地震の周波数成分は図3に示
すように、低い周波数成分の加速度は小さいので、ディ
ーゼル機関1と箱形台板2の質量、箱形台板2内を含む
箱形台板2底面に臨む空気層4及び同箱形台板2の側面
に設置された空気ばね3により構成される上下方向及び
水平方向の振動系は、その固有振動数を0.5Hz程度以
下に設定できることから、ディーゼル機関1に入力され
る地震加速度も低減することができる。同様に、箱形台
板2上に電子機器や精密機械等の免震を必要とする機器
を設置した場合には、周囲の地盤100の振動をこれら
の機器や機械に伝達することを防止することができる。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
本発明によれば、機器及び箱形台板を上下方向では空気
層で、水平方向では空気ばねで支持するように構成した
ので、回転周波数が1Hz程度の低速ディーゼル機関であ
っても、その起振力による振動の地盤への伝達を低減す
ることができる。これにより、居住区に隣接した地域に
低速ディーゼル機関等の低振動数の起振力を有する機器
を用いた設備を建設することが可能となるとともに、貯
水槽内に箱形台板を空気層を存して浮かべるという小形
で簡単な構造であるので、大規模な基礎が不要となり、
装置の施設コストが低減される。
【0020】また、電子機器や精密機械等の振動を厳し
く抑制することを要する機器の除振支持装置に適用して
も、充分な振動減衰が得られ、上記機器への振動伝達の
無い支持系ですることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る定置用ディーゼル機関
の防振支持装置を示す構成図。
【図2】上記実施形態における振動伝達率を示す線図。
【図3】地震振動加速度を示す線図。
【図4】従来のディーゼル機関用防振支持装置の第1例
を示す図1応当図。
【図5】従来のディーゼル機関用防振支持装置の第2例
を示す図1応当図。
【符号の説明】
1 ディーゼル機関 2 箱形台板 3 空気ばね 4 空気層 6 水 7 貯水槽 100 基礎地盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/04 F02B 77/00 F16F 9/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼル機関等の被防振機器を、下部
    が開放された開放部を有する箱形台板上に固定するとと
    もに、同箱形台板の内部に多数の連通穴が穿設された隔
    壁を備え、同箱形台板を水が収容された貯水槽内に浮設
    し、上記箱形台板の上記隔壁上記貯水槽の水面との間
    に空気層を形成したことを特徴とする機器の防振支持装
    置。
  2. 【請求項2】 上記箱形台板の側面と上記貯水槽の側面
    との間に、空気ばねを介装した請求項1記載の機器の防
    振支持装置。
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