JP3513293B2 - 接触分解用原料油の水素化処理方法 - Google Patents

接触分解用原料油の水素化処理方法

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JP3513293B2 JP35022495A JP35022495A JP3513293B2 JP 3513293 B2 JP3513293 B2 JP 3513293B2 JP 35022495 A JP35022495 A JP 35022495A JP 35022495 A JP35022495 A JP 35022495A JP 3513293 B2 JP3513293 B2 JP 3513293B2
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接触分解用原料油
の水素化処理方法に関し、さらに詳しくは、多環芳香族
炭化水素成分その他極性物質を含有する接触分解用原料
油の二段水素化処理方法に関するものである。本発明に
よれば、接触分解装置において高い転化率と高い軽質油
収率を達成できる高反応性の接触分解用原料油を提供す
ることができる。
【0002】
【従来の技術】流動接触分解装置は、比較的重質の原料
油から高付加価値の軽質燃料油を生産する石油精製プロ
セスとして技術面および経済面において極めて重要であ
り、従来から高付加価値の軽質留分への転化率および軽
質留分の収率を向上させるための限りない開発が続けら
れている。
【0003】しかしながら、流動接触分解用原料油とし
て、従来使用されている減圧軽油留分および、近年、重
質油の高付加価値化の方策として流動接触分解用原料油
として用いられている常圧蒸留残油等には硫黄化合物、
窒素化合物、金属分および多環芳香族等複雑な化合物が
多種含有され、これらが、流動接触分解装置の反応性を
阻害し、軽質燃料油の収率を低下させるという問題を包
蔵している。
【0004】従って、接触分解反応の反応性を向上させ
るために、接触分解装置の前処理工程としてこれらの阻
害物質を除去することが試みられ、接触分解用原料油の
水素化処理方法が提案されている。例えば、特開平2−
41391号公報によれば、芳香族化合物とナフテン化
合物の含有量の高い炭化水素原料油を、1000KPa
以上の水素分圧、365℃以下の反応温度(サイクル開
始温度)および脱窒素率65%〜80%以上、脱硫率8
5%以上、転化率20容量%以下の苛酷度で水素化処理
し、接触分解用原料油を提供する方法が開示されてい
る。
【0005】しかしながら、ここで提案されている水素
化処理方法は一段反応であり、同一の反応条件で原料油
中に含有される金属分のほか、硫黄化合物、窒素化合
物、多環芳香族炭化水素その他極性物質等種々の化合
物、特に多環芳香族炭化水素および極性物質を同時に除
去することは各化合物の反応性の相違から困難であり、
その結果、接触分解用触媒の触媒毒となる残存化合物が
多いので、接触分解反応の反応性を向上させることは未
だ十分達成されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、こ
のような開発事情のもとで、接触分解用原料油から金属
分、コンラドソン炭素分、硫黄化合物、窒素化合物のほ
か、多環芳香族炭化水素成分およびその他の極性物質の
すべてを効率よく除去し、反応性の高い接触分解用原料
油を製造することができる水素化処理方法を提供するこ
とを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
前記の如き、反応性の高い接触分解用原料油を提供でき
る水素化処理方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、
水素化処理帯域が第一工程と第二工程の二つの工程から
構成され、各工程には相異なる反応条件が設定され、第
一工程においては比較的高温の反応温度が設定され、金
属分、コンラドソン炭素分の除去および脱硫、脱窒素反
応を効率よく行なわせ、第二工程において、第一工程の
反応温度より低い反応温度が設定され、多環芳香族炭化
水素成分および極性物質の核水素化および水素化分解を
選択的に行なわせることにより、前記課題を達成できる
ことを見い出し、この知見に基いて本発明の完成に到達
した。
【0008】かくして、本発明によれば、接触分解用原
料油を第一水素化処理帯域において、水素化処理用触媒
の存在下、反応温度450℃以下および反応圧力2MP
a以上の水素化処理条件のもとに、水素と接触させるこ
とにより、金属分、コンラドソン炭素分、硫黄化合物お
よび窒素化合物の除去された第一水素化処理油を生成さ
せ、該水素化処理油を第二水素化処理帯域に導入し、水
素化処理用触媒の存在下において、第一水素化処理帯域
の反応温度より低い温度であって、280℃以上の反応
温度で水素と接触させることにより、二環以上および三
環以上の多環芳香族炭化水素成分および極性物質の除去
された第二水素化処理油を生成させることからなる接触
分解用原料油の水素化処理方法が提供される。
【0009】さらに、本発明の好ましい実施の態様とし
て、 接触分解用原料油を第一水素化処理帯域において、
耐火性無機酸化物を担体とし水素化活性成分としてニッ
ケル−モリブデン成分またはニッケル−コバルト−モリ
ブデン成分を担持させてなり、細孔直径30Å〜100
Åの細孔容積が全細孔容積の60%以上であり、脱硫・
脱窒素活性の高い水素化処理用触媒の存在下、反応温度
450℃以下および反応圧力2MPa以上の水素化処理
反応条件のもとに水素と接触させることにより、金属
分、コンラドソン炭素分、硫黄化合物および窒素化合物
の除去された第一水素化処理油を生成させ、該第一水素
化処理油を第二水素化処理帯域に導入し、耐火性無機酸
化物上に少なくともニッケル、モリブデン、コバルトお
よびタングステンの群から選択される水素化活性成分を
担持してなる水素化処理用触媒の存在下において、第一
水素化処理帯域の反応温度より低い温度であって280
℃〜380℃の反応温度で水素と接触させることにより
二環以上および三環以上の多環芳香族炭化水素成分およ
び極性物質の除去された第二水素化処理油を生成させる
ことからなる水素化処理方法、
【0010】 減圧軽油留分、溶剤脱アスファルト
油、溶剤抽出エクストラクト油および常圧蒸留残油の群
から選択される原料油を少なくとも一種含有してなる接
触分解用原料油を第一水素処理帯域におて、水素化処理
用触媒の存在下、反応温度280度〜450℃および反
応圧力2MPa〜20MPaの水素化処理条件のもと
に、水素と接触させることにより、金属分、コンラドソ
ン炭素分、硫黄化合物および窒素化合物の除去された第
一水素化処理油を生成させ、該第一水素化処理油を第二
水素化処理帯域に導入し、水素化処理用触媒の存在下に
おいて、第一水素化処理帯域の反応温度に対し低い温度
であって、280℃〜380℃の反応温度で水素と接触
させることにより、二環以上および三環以上の芳香族炭
化水素成分および極性物質の除去された第二水素化処理
油を生成させることからなる接触分解用原料油の水素化
処理方法、
【0011】 第二水素化処理帯城の触媒量比が第一
水素化処理帯域および第二水素化処理帯域の全体の触媒
量の50%〜10%である接触分解用原料油の水素化処
理方法、
【0012】 第一水素化処理油を第一水素化処理帯
城へ導入する原料油と熱交換するかまたは第二水素化処
理油を冷却後第一水素化処理油に合流させることにより
第二水素化処理帯城の反応温度を低下させることからな
る接触分解用原料油の水素化処理方法、を提供すること
ができる。
【0013】従って、本発明は、接触分解用原料油の高
低二段水素化処理において、第一段水素化処理により、
脱金属成分、脱硫・脱窒素を行ない、第二段水素化処理
により、多環芳香族成分および極性物質を除去し高分解
性の接触分解用原料油を提供することを特徴とするもの
であり、さらに、接触分解用原料油として、多環芳香族
炭化水素および極性物質の含有量が高く、従来の水素化
処理方法ではそれらの化合物の除去が困難であった減圧
軽油留分、溶剤脱アスファルト油、溶剤抽出エクストラ
クト油および常圧蒸留残油を用いることも本発明の特異
性とするところである。尚、極性物質としては、例え
ば、多環ピリジン類、多環ピロール類、多環フェノール
類、多環カルバゾール類、多環のペリレン誘導体の如き
化合物が挙げられる。
【0014】
【発明の実施の態様】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0015】本発明において、減圧軽油留分、溶剤脱ア
ルファルト油、溶剤抽出エクストラクト油および常圧蒸
留残油の群から選択される原料油を少なくとも一種含有
する接触分解用原料油を用いることができる。減圧軽油
留分は、常圧蒸留残油を減圧蒸留装置に供給して得られ
る直留軽油留分であり、例えば、典型的な性状は、次の
如きものである。
【0016】 減圧軽油留分(VGO) 沸点範囲:550°F(288℃)〜1130°F(610℃) 硫黄化合物含有量(Sとして):1重量%〜3重量% 窒素化合物含有量(Nとして):200ppm〜2000ppm Ni+V含有量 :0.1ppm〜10ppm コンラドソン炭素分含有量 :0.1重量%〜2重量% 芳香族炭化水素含有量(二環以上):10重量%〜20重量% 常圧蒸留残油としては、次の如き性状を有するものを挙
げることができる。
【0017】 常圧蒸留残油留分(RC) 沸点範囲 :650°F以上 硫黄化合物含有量(Sとして):1重量%〜5重量% 窒素化合物含有量(Nとして):500ppm〜3000ppm Ni+V含有量 :0.5ppm〜700ppm コンラドソン炭素分含有量 :1重量%〜20重量% 芳香族炭化水素含有量(二環以上):20重量%〜40重量% また、本発明による水素化処理方法で処理する接触分解
用原料油としては、上記の減圧軽油留分および常圧蒸留
残油のほか、他の石油精製プロセス、例えばビスブレー
キング、コーキング等の熱分解装置により得られる生成
物または流動接触分解装置から得られる分解生成物も上
記の沸点範囲に該当するものであれば使用することがで
きる。
【0018】さらに、本発明において、接触分解用原料
油として、溶剤脱アスファルト油、溶剤抽出エクストラ
クト油も使用することができる。溶剤脱アスファルト油
は、常圧蒸留残油、減圧蒸留残油その他のアルファルト
含有油を液体プロパンの如き脱瀝溶剤を用いて脱アスフ
ァルト処理を行なうことにより得られるもので、例え
ば、次の性状を有するものが挙げられる。
【0019】 硫黄化合物含有量(Sとして):1重量%〜3重量% 窒素化合物含有量(Nとして):200ppm〜500ppm Ni+V含有量 :400ppm〜3000ppm コンラドソン炭素分含有量 :1重量%〜3重量% 芳香族炭化水素含有量(二環以上):5重量%〜15重量% また、溶剤抽出エクストラクト油としては、潤滑油原料
をフェノール、フルフラール、N−メチルピロリドン等
の芳香族抽出溶剤で抽出処理して得られる抽出油であ
り、芳香族成分を多量含有するものである。例えば、次
のような性状を有するものを挙げることができる。
【0020】 硫黄化合物含有量(Sとして):1重量%〜5重量% 窒素化合物含有量(Nとして):400ppm〜4000ppm Ni+V含有量 :400ppm〜5000ppm コンラドソン炭素分含有量 :1重量%〜5重量% 芳香族炭化水素含有量(二環以上):10重量%〜70重量% 上記の如き接触分解用原料油は、各々単独でまたは二種
以上混合して用いることができる。
【0021】次に、本発明の水素化処理帯域および水素
化処理方法について説明する。
【0022】本発明において第一水素化処理帯域では比
較的高温の反応温度が採用され、脱金属分、脱コンラド
ソン炭素分、脱硫反応および脱窒素反応が効率よく行な
われる。第一水素化処理帯域の水素化処理条件として反
応温度280℃以上であり、好ましい反応温度は280
℃〜450℃の範囲であり、さらに好ましい反応温度は
300℃〜430℃の範囲である。第一水素化処理帯域
の反応温度は、280℃以上であって、第二水素化処理
帯域の反応温度以上の温度に設定される。
【0023】反応圧力は、2MPa以上であり、好まし
くは、2MPa〜20MPaの範囲であり、さらに好ま
しい反応圧力は3MPa〜12MPaの範囲である。原
料油流量は、0.5V/H/V〜4.5V/H/Vであ
り、好ましくは、0.6V/H/V〜2.5V/H/V
の範囲である。また、水素ガス流量は、100Nl/原
料油l〜1000Nl/原料油lであり、好ましくは1
50Nl/l〜600Nl/lの範囲である。
【0024】第一水素化処理帯域で用いられる水素化処
理用触媒は、脱金属分、脱コンラドソン炭素分、脱硫お
よび脱窒素等の多目的を達成できるものであり、各機能
を組み合せた触媒が好ましい。
【0025】従って、金属分、脱コンラドソン炭素分の
除去を円滑に行なわせるためには全細孔容積率が大き
く、かつ比較的大きな細孔径を多割合有する触媒が好ま
しく、反応帯域の導入部に設置することが効果的であ
る。ましい水素化処理用触媒は、耐火性無機酸化物を
担体とし、水素化活性成分を担持してなるものであり、
特に、脱金属分を効果的に行なうには細孔直径30Å〜
100Åの細孔容積が全細孔容積の60%以上、特に7
0%以上のものが好ましい。
【0026】耐火性無機酸化物担体としては、シリカ、
アルミナ、チタニア、シリカ−アルミナ、アルミナ−チ
タニア、アルミナ−ジルコニア、シリカ−マグネシア等
が挙げられる。これらの担体は、常法により製造するこ
とができるが、細孔容積を大きく、かつ、細孔分布を制
御するために任意に製造条件が設定される。水素化活性
成分として、バナジウム、モリブデン、タングステン、
ニッケル、コバルト、パラジウム、白金、レニウム、ル
テニウム、ロジウム等が用いられる。これらの水素化活
性成分は、含浸、混練または共沈等の方法により担持す
ることができるが、好ましくは、担体調製後、含浸法に
より担体に担持して使用される。
【0027】水素化活性成分の触媒中の含有量は、任意
であるが、触媒全重量基準で0.5重量%〜20重量%
が好ましく、特に、0.7重量%〜5重量%が好まし
い。
【0028】第一水素化処理帯域において、得られた第
一水素化処理生成物は、気液分離による硫化水素、アン
モニア等の除去およびストリッピングによる低級炭化水
素、硫化水素、アンモニア等の除去を行なわずに、その
まま第二水素化処理帯域へ導入される。本発明によれ
ば、第一水素化処理生成物を直接第二水素化処理帯域に
導入することができるので、通常、第一水素化処理帯域
と第二水素化処理帯域の間に設ける気液分離装置、スト
リッパーおよびブースターポンプ等を必要とせず、経済
的に有利な水素化処理プロセスを実現することができ
る。
【0029】第一水素化処理帯域から得られる第一水素
化処理油の性状を例示すると、次の如くである。
【0030】 硫黄化合物含有量(Sとして):0.3重量%以下 窒素化合物含有量(Nとして):600重量ppm以下 Ni+V含有量 :10ppm以下 コンラドソン炭素分含有量 :2重量%以下 香族炭化水素含有量(二環以上):35重量%以下 極性物質含有量 :0.95重量%以下 第二水素化処理帯域の反応温度は、第一水素化処理帯域
の反応温度より低められた温度であって、280℃以上
であり、好ましい反応温度は、280℃〜380℃の範
囲で採用することができる。さらに好ましい反応温度
は、300℃〜360℃の範囲であるが、第一水素化処
理帯域の反応温度との関連で選択される。通常、第二水
素化処理帯域の反応温度は、第一水素化処理帯域で採用
される反応温度に対し、10℃以上低い反応温度を設定
することが好適である。
【0031】第二水素化処理帯域は、良質の接触分解用
原料油を提供するために多環芳香族炭化水素および極性
物質の除去を目的とするものであり、特定の反応温度を
採用することにより達成したものである。この反応温度
は、芳香族の水添反応速度と平衡との関係から脱芳香族
率を最大にするように設定される。
【0032】反応圧力は、2MPa以上であり、好まし
くは2MPa〜20MPaの範囲で採用され、さらに好
ましい反応圧力は、3MPa〜12MPaの範囲であ
る。水素ガス流量は、原料油1l当たり100Nl/原
料油l〜1000Nl/原料油l、好ましくは150N
l/原料油l〜700Nl/原料油lの範囲である。
【0033】第二水素化処理帯域において用いられる水
素化処理用触媒としては、耐火性無機酸化物を担体と
し、担体上に水素化活性成分を担持させてなるものであ
る。第二水素化処理帯域において用いられる水素化処理
用触媒は、第一水素化処理帯域の水素化処理用触媒に比
較して、芳香族核水素化活性の高められたことおよび全
細孔容積を小さくしたことを特徴とする。従って、耐火
性無機酸化物担体として、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、シリカ−アルミナ、アルミナ−チタニア、アルミナ
−ジルコニア、シリカ−マグネシア等を用いることがで
き、水素化活性成分としては、元素周期律表代VIII族金
属成分、例えば白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケ
ル、コバルト、レニウム、ルテニウム、ロジウム等が用
いられる。また、バナジウム、モリブデン、タングステ
ン等の元素周期律表代VI族金属成分も用いられ、これら
の金属成分を単独または二種以上組み合わせで用いるこ
とができる。
【0034】特に、水素化活性成分として、ニッケル−
モリブテン、ニッケル−タングステン、またはニッケル
−コバルト−モリブデンの組み合わせが芳香族核水素化
活性が高く、硫黄化合物等触媒被毒な物質に対する耐被
毒性等の観点から、これらの水素化活性成分を用いた水
素化処理用触媒が好適である。
【0035】第二水素化処理帯城に充填される触媒量比
は第一水素化処理帯域と第二水素化処理帯域で用いられ
る全体の触媒量の50%〜10%が好適である。触媒量
比を該範囲内に設定することにより、脱硫、脱窒素活性
の水準と脱芳香族率の水準とを各々最大にすることがで
きる。
【0036】第二水素化処理帯域から得られる第二水素
化処理油は、通常、次の性状を有するものである。
【0037】 硫黄化合物含有量(Sとして):0.17重量%〜0.2重量% 窒素化合物含有量(Nとして):400ppm〜500ppm Ni+V含有量 :5ppm以下 コンラドソン炭素分含有量 :0.6重量%以下 芳香族炭化水素含有量(二環以上):9重量%以下 極性物質含有量 :0.7重量%以下 次に本発明のプロセスについて説明すると、図1は、本
発明の実施態様の一例としてのフローチャートを示す。
図1において1および2は第一水素化処理反応塔および
第二水素化処理反応塔、3は加熱炉、4および5はポン
プ、6は気液分離器、7はストリッパーを示す。
【0038】図1において原料油は、ライン8およびポ
ンプ4を通り、ライン9からの水素と混合され、加熱炉
3に導入され、所定温度に加熱された後、第一水素化処
理反応塔1に導入され、水素化処理に供される。水素化
処理油と水素ガスとの混合物は、反応塔1からライン1
4を通って、第二水素化処理反応塔2へ導入される。
【0039】本発明において第二水素化処理反応塔の反
応温度は第一水素化処理反応塔の反応温度より低くする
ことを特徴としているが、このためライン21の処理油
の一部をライン14にリサイクルし第二水素化処理反応
塔2に導入するか、低温ガスを導入するか、または第一
水素化処理反応塔1からの水素化処理油を熱交換により
低温にする等の手段を採ることができる。
【0040】反応塔2下部から水素ガスと水素化処理油
の混合物を取り出し、ライン15を経て気液分離器6で
分離され、ライン11を通ってストリッパー7で軽質分
がライン22から除去されてライン21を通って水素化
処理油が回収される。
【0041】図2の水素化処理プロセスは、第一水素化
処理反応塔1の下流に熱交換器を設け、ライン14の第
一水素化処理油を、第一水素化処理反応塔への原料油と
熱交換することにより、第二水素化処理帯域の反応温度
を低下させることを示したものである。
【0042】
【実施例】次に本発明を実施例により説明する。
【0043】[実施例]次に本発明について実施例およ
び比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例等
により制限されるものではない。
【0044】本発明の水素化処理油の接触分解反応性
は、水素化処理油の700°F+留分について流動接触
分解装置のMAT装置(ASTM−MAT)を用いて評
価した。
【0045】実施例1 水素化処理用原料油として、次の性状: 沸点範囲 :700°〜1130°F(371℃〜610℃) 密度 :0.917 硫黄化合物含有量 :1.9重量% 窒素化合物含有量 全窒素分 :800wppm 塩基性窒素分 :300wppm 芳香族炭化水素含有量:一環;2.53重量%、二環;4.4重量% 三環;5.09重量%、四環以上;5.06重量% 極性物質含有量 :2.36重量% の減圧軽油を用い、第一水素化処理反応塔において反応
温度373℃、反応圧力5.6MPa、液空間速度1.
5V/H/Vおよびガスオイル比190NL/Lの処理
条件で水素化処理に供し、得られた第一水素化処理油を
第二水素化処理反応塔へ導入し、反応温度315℃と
し、反応圧力とガスオイル比を第一水素化処理反応塔の
条件と同一とした。この時の液空間速度を3.0V/H
/Vとし、両反応塔の液空間速度を1.0V/H/Vと
した。
【0046】水素化処理用触媒としては、Ni−Co−
Mo系触媒を用い、第一水素化処理反応塔には重量比で
全触媒量の2/3を重填した。全細孔容積0.48ml
/gであり、細孔直径30Å〜100Å以上の細孔容積
の全細孔容積に対する容積比は73%であった。
【0047】脱硫率、脱窒素率および芳香族炭化水素お
よび極性物質の除去率を表2に示す。
【0048】芳香族炭化水素については、二環以上およ
び三環以上の化合物を各々態別して除去率を求めた。ま
た、水素化処理油の反応性を同表に示す。
【0049】実施例2〜4 第一水素化処理反応塔および第二水素化処理反応塔の反
応温度を各々表2に示す温度としたこと以外、すべて実
施例1と同一の反応条件で水素化処理を行なったとこ
ろ、表2に示す結果を得た。
【0050】比較例1 第一水素化処理反応塔および第二水素化処理反応塔の反
応温度を各々365℃と同一の温度に設定したこと以外
すべて実施例1と同一の条件で水素化処理したところ表
2に示す脱硫・脱窒素率、芳香族炭化水素および極性物
質除去率の結果を得た。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】 上記の実施例および比較例から、第一水素化処理帯域の
反応温度を脱硫・脱窒素反応に有効な高温とし、第二水
素化処理帯域の反応温度を第一水素化処理帯域の反応温
度に比し低温に設定した場合(実施例1〜4)は、両者
の反応温度を同一とした場合(比較例1)と比較して脱
硫率には差異がないものの多環芳香族炭化水素の除去率
が高く、分解反応性が顕著な結果を示している。
【0053】また、第二水素化処理帯域の特定の反応温
度において芳香族炭化水素と極性物質の含有量が最小と
なることも示されている。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、接触分解用原料油を第
一水素化処理帯域で水素化処理用触媒の存在下、比較的
高温の反応条件で水素化処理をし、脱金属、脱残留炭
素、脱硫・脱窒素を行ない、第二水素化処理帯域におい
て第一水素化処理帯域の反応温度より低い反応温度で芳
香族炭化水素および極性物質の除去を行なうことによ
り、良質の接触分解用原料油を提供することができる。
この原料油を接触分解装置で使用することにより、接触
分解の反応性を一層高めることができ、高い転化率と高
い軽質油収率が得られる。
【0055】本発明の高低温二段水素化処理方法によれ
ば、従来の一段水素化処理方法に比し、芳香族炭化水素
と極性物質を低減させることができ、接触分解用原料油
の分解性を向上させ、結果としてナフサ留分および分解
軽油留分の収率増を図ることができる。また、本発明の
水素化処理プロセスは、このような高低温二段水素化処
理を行なうことにより第一および第二水素化処理反応塔
間に気液分離装置、ストリッパーおよびブースターポン
プの設置を必要としないという効果が得られ、従って、
接触分解用原料油の高品質比のための既存の水素化処理
設備の改造コストを低下させることができる。さらに、
本発明により極性物質の低減が可能となり、接触分解用
触媒の一次被毒を抑制することができるので、触媒メー
クアップ量の低減も可能である。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の水素化処理方法の実施態様の一例を示
すフローチャートである。
【0058】
【図2】本発明の水素化処理方法の実施態様の第二例を
示すフローチャートである。
【0059】
【符号の説明】
1 第一水素化処理反応塔 2 第二水素化処理反応塔 3 加熱炉 5 熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10G 45/54 C10G 45/54 (72)発明者 三浦 正 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡一丁目3番 1号東燃株式会社 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平3−131686(JP,A) 特開 平2−41391(JP,A) 特開 昭54−90204(JP,A) 特開 平3−86793(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10G 65/08 C10G 69/08 C10G 45/04 - 45/12 C10G 45/44 - 45/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接触分解用原料油を、第一水素化処
    理帯域において、水素化処理用触媒の存在下、反応温度
    450℃以下および反応圧力2MPa以上の水素化処理
    条件のもとに水素と接触させることにより、金属分、コ
    ンラドソン炭素分、硫黄化合物および窒素化合物の除去
    された第一水素化処理油を生成させ、該第一水素化処理
    油を第二水素化処理帯域に導入し、水素化処理用触媒の
    存在下において、第一水素化処理帯域の反応温度より低
    い温度であって、310〜340℃の反応温度で水素と
    接触させることにより、二環以上および三環以上の芳香
    族炭化水素成分および極性物質の除去された第二水素化
    処理油を生成させることからなる接触分解用原料油の水
    素化処理方法(ただし、前記第一水素化処理帯域および
    前記第二水素化処理帯域においてそれぞれ水素化処理用
    触媒スラリーを用いる温度段階化スラリー水素化処理方
    法を除く。)。
  2. 【請求項2】 前記接触分解用原料油が、減圧軽油
    留分、溶剤脱アスファルト油、溶剤抽出エキストラクト
    油および常圧蒸留残渣からなる群より選択される少なく
    とも一種である請求項1記載の接触分解用原料油の水素
    化処理方法
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