JP3513090B2 - 硫酸精製装置 - Google Patents
硫酸精製装置Info
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Description
回収硫酸の精製のための硫酸精製装置、殊にその硫酸精
製装置の蒸留カラムの沸騰液面周りの部分における構造
の改良に関するものである。
硫酸の精製のための硫酸精製装置は、典型的には、硫酸
タンク(サージタンク)、濃縮または予熱カラム、およ
び蒸留カラム(リボイラーカラム)からなる。硫酸タン
クから濃縮または予熱カラムに供給された硫酸は、その
濃縮または予熱カラムで加熱濃縮または予熱され、つい
でオーバーフロー等により蒸留カラムに送られて蒸留さ
れる。
けた液面センサーにより沸騰液面を検出して制御を行
う。沸騰はカラム内で硫酸が波高に吹き上がって躍動す
るものであって、沸騰液面は、蒸留前の静止時の液面よ
りもずっと高い位置にまで達している。このときの液面
センサーの一つとして、光液面センサー(光ファイバー
式の液面センサー)を用い、カラムを挟んでそのセンサ
ーの発光部と受光部とを対向配置するものがある。蒸留
カラムは石英製であるので、液面センサーとしてこのよ
うな光照射方式のセンサーを用いることが可能である。
第5354428号(特開昭63−153825号公
報)には、半導体ウェーハーの洗浄に使用される超純粋
液の連続的再処理方法が示されている。ここで対象とす
る化学物質の代表例は、硫酸である。その図1には、サ
ージタンク(硫酸タンク)12からポンプを経てストリッ
パ(濃縮カラム)1に酸が流入し、ついで蒸留カラム2
に供給されるルートが示されている。その図2にはスト
リッパ1の詳細、その図3には蒸留カラム2の詳細が示
されている。ただしこの公報には、蒸留カラム2の液面
制御に用いる液面センサーに関する記載は見られない。
上のガラス製の容器を用いて、蒸発、蒸留または精留操
作を行う硫酸から水分および/または不純物を除去する
硫酸の精製装置において、前記2以上のガラス製の容器
間を接続する連絡管に気体導入管を接続するようにした
硫酸精製装置が示されている。この公報の図4には、従
来の硫酸精製装置の全体構成図が示されており、ガラス
製の濃縮容器(濃縮カラムのこと)1→ガラス製の蒸留
容器(蒸留カラムのこと)2→ガラス製の硫酸コンデン
サー(精製硫酸凝縮器のこと)5を経る硫酸の流れが示
されている。なお、廃硫酸導入管7については図示があ
るが、硫酸タンク(サージタンク)に相当するものにつ
いては図示がされていない。濃縮容器1においてはヒー
ターによって加熱がなされ、蒸留容器2においてはヒー
ターによって加熱されて蒸留がなされ、硫酸コンデンサ
ー5においては冷却により凝縮がなされ、これにより精
製硫酸が得られる。ただしこの公報には、蒸留カラム
(リボイラーカラム)の液面センサーに関する記載は見
られない。
硫酸連続精製装置および精製方法並びにガラス製加熱装
置におけるヒーター支持構造が示されており、その従来
技術の説明の項には、「半導体製造工程において、ウエ
ハーの洗浄、フォトレジストの剥離に硫酸が使用されて
いる。このような処理に使用された後の廃硫酸は、中和
処理された後に廃棄されるか、産業廃棄物処理業者へ引
き渡されるか、濃縮と蒸留を行い再生されている。」と
の記載がある。この最後の個所の「濃縮と蒸留を行い再
生されている。」旨の記載が、本発明の硫酸精製装置に
よる操作の目的と共通している。この公報の図1には、
原料タンク16から、濃縮用加熱缶1、蒸留用加熱缶7、
蒸留用凝縮器9を経て、製品タンク17に至る硫酸の流れ
が示されている。ただし、濃縮用加熱缶1、蒸留用加熱
缶7は横型となっている。また、この公報には液面検知
器22, 27, 32, 37, 39についても言及があり、特に段落
0013および0016には、赤外線を用いた光液面感
知器につき言及があるが、これは凝縮液受けタンク5の
液面感知器であり、後に詳述するような本発明の蒸留カ
ラム(2) の光制御式液面センサー(8) とは目的が異な
る。
ーカラム)における液面センサーとして光液面センサー
(光ファイバー式のセンサー)を用い、カラムを挟んで
発光部と受光部を対向配置する方式においては、次のよ
うな問題点がある。すなわち、操業中、沸騰液面近傍の
カラム胴部の内面に硫酸中の不純物(工業用硫酸の場合
には主として硫酸鉄+SiO2、回収硫酸の場合には主とし
てSiO2)が析出、付着することにより、カラムを構成す
る透明な石英ガラスの内面の沸騰液面近傍に失透現象が
見られ、液面制御用センサーの光が透過し難くなるので
ある。そしてこのような事態になると、当該部分での液
面制御が不可能となるので、装置を自動停止させるか、
その自動停止に先立ち手動停止させる。
傍の失透現象は、操業開始後からおおよそ3〜6ケ月経
過頃には起こるので、従来は失透の度合いが許容限界を
越えたときに蒸留カラムの操業を止めて、カラムの取り
替えを行っていた。
景下において、工業用硫酸または回収硫酸の精製のため
の硫酸精製装置にあって、蒸留カラムの胴部そのものに
不純物の析出による失透現象が生じにくいような工夫を
講じることにより、蒸留カラムの寿命の大巾な向上を図
るようにした硫酸精製装置を提供することを目的とする
ものである。
は、濃縮または予熱カラム(1) および蒸留カラム(2) を
備え、かつ蒸留カラム(2) 内の硫酸の沸騰液面(L) をそ
の蒸留カラム(2) の胴部(2a)を通して外部から光制御式
液面センサー(8) で検知するタイプの硫酸精製装置にお
いて、前記蒸留カラム(2) の胴部(2a)の沸騰液面(L) が
位置する領域の内部に、その胴部(2a)の内径よりも一ま
わり小径の石英製のスリーブ(2X)を内嵌設置してあるこ
とを特徴とするものである。
1にその概略フロー図を示したように、濃縮または予熱
カラム(1) および蒸留カラム(2) を備えている。これら
の主要単位装置は、腐食性の強い硫酸を取り扱う関係
上、石英ガラスで構成される。配管等については、加熱
しない個所では、石英ガラスのほかにポリテトラフルオ
ロエチレンを使うこともある。
酸タンク(6) は、工業用硫酸や回収硫酸を一時的に貯え
ておくためのタンクである。硫酸タンク(6) から次に述
べる濃縮または予熱カラム(1) への液の移送は、硫酸タ
ンク(6) −濃縮または予熱カラム(1) 間にポンプを設け
たり、硫酸タンク(6) にガス圧を加えたりすることによ
りなされる。ポンプの場合には、送り出し量を段階的に
または無段階で調節する。ガス圧による圧送の場合に
は、配管に設けた弁の開閉による流量調節がなされる。
これらの場合の流量の調節は、後述の光制御式液面セン
サー(8) の信号と連動させて制御するようにする。
予熱用の加熱缶であって、硫酸タンク(6) から供給され
た硫酸は、この濃縮または予熱カラム(1) で濃縮または
予熱される。
カラム(1) からオーバーフロー等により導入された硫酸
を蒸留する装置である。蒸留は、常圧で行うことが多い
が、加圧または減圧条件下に行うことも可能である。操
業中は、この蒸留カラム(2)の中ほどの位置に、沸騰液
面(L) が位置することになる。
縮器、(5) 廃硫酸冷却器、(6) は先に述べた硫酸タン
ク、(7) は精製硫酸タンクである。(9) は濃縮または予
熱カラム加熱炉、(10)は蒸留カラム加熱炉である。硫酸
タンク(6) には工業用硫酸や回収硫酸等の硫酸が収容さ
れ、精製硫酸タンク(7) には精製硫酸が収容される。な
お、カラム(1) が濃縮カラムであるときは排水凝縮器
(3) を設けるが、カラム(1) が予熱カラムであるときは
排水凝縮器(3) を設けるには及ばない。
(2) 内では硫酸が沸騰状態にあるが、その硫酸の沸騰液
面(L) をその蒸留カラム(2) の胴部(2a)を通して検知す
るために、胴部(2a)の外部に光制御式液面センサー(8)
を配置する。このセンサーは、光ファイバーを利用し、
光(汚染したガラスに対しても透過性の大きい赤外線を
用いることが好ましい)を発光/受光するものである。
ンサー(8) は、上記の胴部(2a)を挟んで発光部と受光部
とを対向配置した構成を有し、発光部から発せられた赤
外線等の光は、手前側の石英製の胴部(2a)を透過して硫
酸の沸騰液面(L) 付近を通り、反対側の胴部(2a)を透過
して受光部に至る。このとき、波高に吹き上がった硫酸
中を通る光と、吹き上がりが一瞬途絶えて硫酸中を通過
しない光とは、硫酸に吸収されることによる減衰の度合
に差ができるので、光の通過路が沸騰液面(L)よりも上
にあるか下にあるかを検知することができる。つまり、
光が飛沫を横切る回数で沸騰液面(L) がどこにあるかを
知ることができ、それに応じて蒸留カラム(2) への硫酸
の導入量を制御することができる。
に硫酸中の不純物が析出して失透現象を起こすと、液面
センサー(8) による沸騰液面(L) 検知の正確度が不安定
になり、さらに失透が進むと沸騰液面(L) の検知そのも
のが不可能になる。なお、失透の原因となる不純物は、
工業用硫酸の場合には主として硫酸鉄+SiO2、回収硫酸
の場合には主としてSiO2である。
の胴部(2a)の失透を生じにくくするため、本発明におい
ては、蒸留カラム(2) の胴部(2a)の沸騰液面(L) が位置
する領域の内部に、その胴部(2a)の内径よりも一まわり
小径の石英製のスリーブ(2X)を内嵌設置する。この点が
本発明の最も重要な工夫点である。
としてもよく、円の一部を切り欠いたC字形や( )形
などの形状としてもよい。スリーブ(2X)の上方と下方と
で、これらの断面形状が混在していてもよい。
胴部(2a)の内径よりも一まわり小径になるように設計す
るので、スリーブ(2X)外周壁−胴部(2a)内周壁間には若
干の隙間(S) が形成される。この隙間(S) (クリアアン
ス)は、失透抑制の観点から、たとえば3〜20mm、好
ましくは5〜15mmに設定することが多い。
は、たとえば、スリーブ(2X)の下部側を胴部(2a)に部分
的にまたは全周にわたって溶接し、スリーブ(2X)の上部
側もたとえば棒状サポートでサポートするような手段が
講じられる。
高に躍動することを考慮して、たとえば150〜300
mm程度、殊に180〜270mm程度とすることが多い。
スリーブ(2X)の高さが余りに低いときは液面の揺動の方
が大きくなることがある。一方、スリーブ(2X)の高さを
必要以上に高くする意味はない。
設けた導入管(2b)から硫酸が導入されるが、その導入管
(2b)の設置位置はスリーブ(2X)設置位置の所になるのが
通常であるので、導入管(2b)から導入された硫酸は、ス
リーブ(2X)と蒸留カラム(2)の胴部(2a)との間の隙間(S)
を通ってカラム下方に流下していくことになる。
は、光制御式液面センサー(8) の光が通過するための光
通過孔(w) を設けることが好ましい。光通過孔(w) を設
けると、たとえスリーブ(2X)そのものが失透してきた段
階でも、引き続き長期間にわたり光制御式液面センサー
(8) による制御が可能となるからである。
(8) の光が通過するための孔として利用されるので、ス
リーブ(2X)の下半側の部分の1個所とその正反対側の1
個所に設けるのが通常である。光通過孔(w) の巾は、5
〜20mm程度、殊に7〜15mm程度で充分である。光通
過孔(w) は、光制御式液面センサー(8) による検知位置
を調整できるように縦長孔とする方が好ましく、このと
きの縦方向の長さはたとえば50〜150mm、殊に80
〜120mmとすることが多い。
蒸留カラム(2) の胴部(2a)の外部には、ヒーター(2Y)を
設置することが特に好ましい。ヒーター(2Y)は、どのタ
イプのものであっても差し支えないが、ジャケット式の
ヒーターが好適である。ヒーター(2Y)は、沸騰液面(L)
付近とその上方の位置にかけて、スリーブ(2X)設置域の
全域の胴部(2a)部分が加熱されるように設けることが特
に好ましい。
液面センサー(8) による赤外線等の発光/受光の支障と
ならないように、たとえば、ジャケット式のヒーター(2
Y)の所定部位に窓を設けるか、ヒーター(2Y)の設置時に
窓状のエリアがあくような工夫を行う。
との間には熱電対を設置し、蒸留カラム(2) の表面温度
を測定しながら目標温度まで加熱し、実質的にその温度
に維持することが望ましい。
装置に適用する硫酸は、工業用硫酸(精製度は余り高く
ない)、半導体製造工程からの回収硫酸があげられる。
本発明の硫酸精製装置は、硫酸を使用する工場に付設す
るオンサイト(on site) の装置として有用である。
沸騰は、硫酸が波高に吹き上がって躍動するものであ
る。そのため、沸騰液面(L) は、蒸留前の静止時の液面
よりもずっと高い位置にまで達している。蒸留カラム
(2) の胴部(2a)の内周壁には不純物の濃度が高くなった
沸騰硫酸のしぶきがかかると共に、濡れたり乾いたり
し、胴部(2a)の外周壁は外気温により低くなっているの
で、沸騰液面(L) 付近の胴部(2a)内周壁には硫酸中の不
純物が析出しやすく、その結果、胴部(2a)が短期間で失
透しやすい。
(2) の胴部(2a)の沸騰液面(L) が位置する領域の内部
に、その胴部(2a)の内径よりも一まわり小径の石英製の
スリーブ(2X)を内嵌設置すると、沸騰硫酸はスリーブ(2
X)内壁を濡らすものの、スリーブ(2X)−胴部(2a)間の隙
間(S) にはほとんど入らないため、胴部(2a)内周壁への
不純物の析出は大巾に抑制される。また、スリーブ(2X)
は蒸留カラム(2) の胴部(2a)の内径よりも一まわり小径
であるので、スリーブ(2X)の内面が沸騰硫酸の温度とほ
ぼ同じ温度になるのみならず、外気に曝されていないス
リーブ(2X)の外面の温度も沸騰硫酸の温度に近くなる結
果、硫酸中の不純物が冷却によりスリーブ(2X)に付着し
てそのスリーブ(2X)が失透することも有効に防止され
る。このように、胴部(2a)が失透するまでの日数が大巾
に長くなり、かつスリーブ(2X)の失透も長期間にわたり
生じがたいので、従来に比し蒸留カラム(2) の寿命の大
巾な向上が図られる。
制御式液面センサー(8) の光が通過しうるようにする
と、たとえスリーブ(2X)そのものが失透してきた段階に
なっても、引き続き長期間にわたり光制御式液面センサ
ー(8) による制御が可能となる。
(2) の胴部(2a)の外部に、好ましくはスリーブ(2X)設置
域の全域が加熱されるようにヒーター(2Y)を設置する
と、その部分の胴部(2a)の温度が蒸留カラム(2) 内の沸
騰硫酸と同程度の温度になるため、冷却による不純物の
胴部(2a)内周壁への析出が抑制される。同じく、ヒータ
ー(2Y)の設置は、より確実に、スリーブ(2X)の内外両面
を沸騰硫酸の温度とほぼ同じ温度に維持させるため、ス
リーブ(2X)を失透しがたくする点でもプラスに作用す
る。
る。
概略フロー図である。図2は、スリーブ(2X)およびヒー
ター(2Y)が設置された状態の蒸留カラム(2) の説明図で
ある。図3は、図2の蒸留カラム(2) の平面図である。
なお、図2中の(2b)は、蒸留カラム(2) に硫酸を導入す
る導入管である。
本発明の硫酸精製装置は、濃縮または予熱カラム(1) お
よび蒸留カラム(2) を備えている。これらは、いずれも
石英ガラスで構成されている。カラム(1) は、工業用硫
酸の精製の場合には予熱カラムとし、回収硫酸の精製の
場合には濃縮カラムとする。
硫酸凝縮器、(5) 廃硫酸冷却器、(6) は硫酸タンク、
(7) は精製硫酸タンクである。(8) は液面センサーであ
る。(9) は濃縮または予熱カラム加熱炉、(10)は蒸留カ
ラム加熱炉である。
1のように排水凝縮器(3) を設ける。カラム(1) が予熱
カラムであるときは、排水凝縮器(3) を設けるには及ば
ない。なお、濃縮カラムを予熱カラムとして代替使用す
ることは可能である。
等の硫酸は、配管途中に設けられたポンプまたは硫酸タ
ンク(6) 内のガス圧力によって、配管を通って濃縮また
は予熱カラム(1) に導入される。
酸は、濃縮または予熱カラム加熱炉(9) によって加熱さ
れるが、濃縮を行うときには、硫酸を含んだ水分は蒸発
して、カラム(1) 上部に設けられた排水凝縮器(3) で凝
縮され、排水として排出される。
たは予熱された硫酸は、(通常はオーバーフローによ
り)配管を通って蒸留カラム(2) の中段に導入され、蒸
留カラム加熱炉(10)によって加熱され、(通常は常圧に
て)蒸留される。そして蒸留カラム(2) 内で蒸発した硫
酸蒸気は、蒸留カラム(2) の上部に設けられた硫酸凝縮
器(4) で凝縮され、配管を通って精製硫酸タンク(7) 内
に精製硫酸として貯蔵される。
たは予熱し、ついで蒸留精製する場合、蒸留カラム(2)
内の硫酸蒸発量の制御は、蒸留カラム(2) に導入される
硫酸の量に合わせて蒸留カラム加熱炉(10)の出力を調整
するか、蒸留カラム加熱炉(10)の出力を一定にし、その
出力に見合った硫酸量を蒸留カラム(2) に供給すること
により行われる。
の胴部(2a)内の硫酸の波高に躍動する沸騰液面(L) を検
知するために、胴部(2a)の外部には、発光部と受光部と
を対向配置した構成を有する赤外線利用の光制御式の液
面センサー(8) を配置してある。
ム(2) の胴部(2a)の沸騰液面(L) が位置する領域の内部
には、その胴部(2a)の内径よりも一まわり小径の石英製
のスリーブ(2X)を内嵌設置してある。スリーブ(2X)の径
方向の断面形状は、円形とするが、排液のためのドレン
管を挿入しておくときは円形の一部を縦方向に切り欠い
たC字形とする。
a)の内径は202mm、スリーブ(2X)の外径は183mm
(スリーブ(2X)の高さは225mm)に設計してあるの
で、胴部(2a)内周壁とスリーブ(2X)外周壁との間の隙間
(S) (クリアランス)は、(202-183)/2 = 9.5mm となっ
ている。
実施例では、スリーブ(2X)の下部側を胴部(2a)に溶接
し、スリーブ(2X)の上部側は棒状サポートを溶接するこ
とによりサポートするようにしてある。
光制御式液面センサー(8) の光を通過させる役割を果た
させるため、図2のように、巾が10mmで高さが80mm
の1対の光通過孔(w), (w)を相対向させて設けてある。
X)設置位置の蒸留カラム(2) の胴部(2a)の外部には、ジ
ャケット式のヒーター(2Y)を設置してある。そしてこの
ヒーター(2Y)により、蒸留カラム(2) の胴部(2a)の表面
温度は320℃の目標温度にまで加熱され、この温度に
維持される(ヒーター(2Y)と蒸留カラム(2) の胴部(2a)
との間には図示せざる熱電対が設置され、温度制御がな
されるようにしてある)。このジャケット式のヒーター
(2Y)には、図2のように窓を設けてあり、光制御式の液
面センサー(8) の赤外線の発光/受光の支障とならない
ようにしてある。
用硫酸または回収硫酸の精製実験を行い、スリーブ(2X)
およびヒーター(2Y)を設けていない従来の装置を用いた
場合と比較したところ、失透による沸騰液面(L) の制御
が困難になるまでの日数は、従来装置ではおおよそ3〜
6ケ月、殊に3〜4ケ月であったが、この実施例1の装
置にあっては、1年半を経過しても依然として安定制御
が可能であった。なお、ヒーター(2Y)の設置のみを省略
したときは、安定制御可能な期間はおよそ1年半であっ
た。
ほかは、実施例1を繰り返した。このときには、1年を
経過しても依然として安定制御が可能であった。
果が奏される。 1.蒸留カラム(2) の胴部(2a)の内径よりも一まわり小
径のスリーブ(2X)を設けたことにより、不純物がその胴
部(2a)内周壁に析出する度合(つまり失透の度合)が格
段に小さくなる。同時に、不純物がスリーブ(2X)に付着
してそのスリーブ(2X)が失透することも有効に防止され
る。その結果、従来に比し蒸留カラム(2) の寿命の大巾
な向上が図られる。 2.スリーブ(2X)に、光制御式液面センサー(8) の光が
通過するための光通過孔(w) を設けると、たとえスリー
ブ(2X)そのものが失透してきた段階になっても、引き続
き長期間にわたり光制御式液面センサー(8) による制御
が可能となり、従って蒸留カラム(2) の寿命が一段と向
上する。 3.スリーブ(2X)設置位置の蒸留カラム(2) の胴部(2a)
の外部にヒーター(2Y)を設置すると、不純物の胴部(2a)
内周壁への析出が抑制され、また不純物のスリーブ(2X)
へ析出も抑制され、従って蒸留カラム(2) の寿命が一段
と向上する。
状態の蒸留カラム(2) の説明図である。
間、 (3) …排水凝縮器、 (4) …硫酸凝縮器、 (5) …廃硫酸冷却器、 (6) …硫酸タンク、 (7) …精製硫酸タンク、 (8) …光制御式液面センサー、 (9) …濃縮または予熱カラム加熱炉、 (10)…蒸留カラム加熱炉
Claims (3)
- 【請求項1】濃縮または予熱カラム(1) および蒸留カラ
ム(2) を備え、かつ蒸留カラム(2)内の硫酸の沸騰液面
(L) をその蒸留カラム(2) の胴部(2a)を通して外部から
光制御式液面センサー(8) で検知するタイプの硫酸精製
装置において、 前記蒸留カラム(2) の胴部(2a)の沸騰液面(L) が位置す
る領域の内部に、その胴部(2a)の内径よりも一まわり小
径の石英製のスリーブ(2X)を内嵌設置してあることを特
徴とする硫酸精製装置。 - 【請求項2】スリーブ(2X)の周壁に、光制御式液面セン
サー(8) の光が通過するための光通過孔(w) を設けてあ
ることを特徴とする請求項1記載の硫酸精製装置。 - 【請求項3】スリーブ(2X)設置位置の蒸留カラム(2) の
胴部(2a)の外部に、ヒーター(2Y)を設置してあることを
特徴とする請求項1記載の硫酸精製装置。
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