JP3512651B2 - ロボットの制御装置および制御方法 - Google Patents

ロボットの制御装置および制御方法

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JP3512651B2
JP3512651B2 JP28452498A JP28452498A JP3512651B2 JP 3512651 B2 JP3512651 B2 JP 3512651B2 JP 28452498 A JP28452498 A JP 28452498A JP 28452498 A JP28452498 A JP 28452498A JP 3512651 B2 JP3512651 B2 JP 3512651B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロボットの制御装
置および制御方法に関し、特にロボットの近傍通過制御
を行う制御装置および制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図15には、3つの関節J1,J2,J
3を有する水平多関節ロボットの一例が示されている。
このロボットの第1関節J1はXY平面の原点に固定さ
れている。また、第1関節J1には第1アームA1の一
端が連結されており、それによってこの第1アームA1
は第1関節J1を中心としてXY平面において回動自在
になっている。第1アームA1の他端は第2関節J2に
連結されている。この第2関節J2には第2アームA2
の一端が連結されており、それによってこの第2アーム
A2は第2関節J2を中心としてXY平面において回動
自在になっている。そして第2アームA2の他端は第3
関節J3に連結され、さらに第3関節J3にはハンドH
の基端が連結されている。それによってハンドHは第3
関節J3を中心としてXY平面において回動自在になっ
ている。
【0003】各関節J1,J2,J3にはそれぞれ独立
して駆動されるサーボモータ(図示省略)が連結されて
おり、各関節J1,J2,J3が各サーボモータにより
適宜回転されることにより、ロボットが自由にXY平面
上を動くようになっている。
【0004】図16には、一例としてXY平面上におい
て4ポイントP1,P2,P3,P4をこの順序で通る
ロボットの運転経路が示されている。そして図17、図
18、図19および図20には、それぞれ図15に示す
ロボットの第3関節J3の軸が図16に示す運転経路に
沿って動く場合のその第3関節J3の軸が各ポイントP
1,P2,P3,P4に位置する時のロボットの姿勢が
示されている。
【0005】図21には、P1からP2へ至る区間、P
2からP3へ至る区間、およびP3からP4へ至る区間
におけるハンドHの先端のX軸方向およびY軸方向の速
度および加速度の変化の様子が示されている。ただしP
1とP2との間、P2とP3との間およびP3とP4と
の間をそれぞれ直線補間で補間し、各移動区間において
加速および減速を行っている。図21において、曲線イ
および曲線ロはそれぞれP1−P2区間におけるX軸方
向(図16参照)に対する速度および加速度の変化であ
り、曲線ハおよび曲線ニはそれぞれP2−P3区間にお
けるY軸方向(図16参照)に対する速度および加速度
の変化であり、曲線ホおよび曲線ヘはそれぞれP3−P
4区間におけるX軸方向(図16参照)に対する速度お
よび加速度の変化である。
【0006】このような運転の場合には、図21よりハ
ンドHの先端の速度および加速度は、いずれもなめらか
に変化していることがわかる。しかしP2およびP3で
ハンドHが一旦停止するため、P1からP2およびP3
を経てP4へ至るまでの運転時間が長くなってしまう。
【0007】そこで、通常、図22のようにP2および
P3を通らずにそれらの近傍を通過するような運転が行
われる。これは、ロボットの基準となる箇所(以下、基
準点とする)が予め指定された近傍範囲(図22におい
て破線で示された円の範囲)内に入ると、現在の移動区
間の残距離の減速処理とつぎの移動区間の加速処理を同
時に行うように制御することによって達成される。この
近傍通過制御によれば、P2およびP3において一時停
止しないので運転時間が短縮される。
【0008】図23には、このような多関節ロボットの
駆動制御を行う駆動制御装置の構成が示されている。こ
の駆動制御装置は制御装置1と駆動装置2とからなる。
【0009】制御装置1は、演算処理装置(以下、CP
Uとする)11、プログラム・位置決めポイント保存用
メモリ12、演算用ワークメモリ13、O/Sメモリ1
4、入出力インターフェース15およびサーボアンプイ
ンターフェース16を備えており、それらがバスを介し
て相互に接続されている。
【0010】プログラム・位置決めポイント保存用メモ
リ12は、ランダムアクセスメモリ(以下、RAMとす
る)等からなり、入出力インターフェース15を介して
制御装置1に外部より入力されたロボットの動作プログ
ラムや位置決めポイント等を記憶する。
【0011】CPU11は、プログラム・位置決めポイ
ント保存用メモリ12に記憶された動作プログラムおよ
び位置決めポイントに基づいてロボットの各関節軸の位
置の算出など種々の演算を行う。
【0012】演算用ワークメモリ13は、RAM等から
なる作業用のメモリであり、CPU11により算出され
た各関節軸の位置等や一時的なデータを記憶する。
【0013】O/Sメモリ14は、読出し専用メモリ
(以下、ROMとする)等からなりCPU11を動作さ
せるためのプログラムを記憶する。
【0014】入出力インターフェース15は、ロボット
の動作プログラムや位置決めポイント等を入力するため
の図示しない入力装置(キーボードやマウス等)や、図
示しない出力装置が接続されるインターフェースであ
る。
【0015】サーボアンプインターフェース16は、駆
動装置2に対して指令位置等の制御情報の通信を行うイ
ンターフェースである。
【0016】また、駆動装置2は、第1関節J1を駆動
するための第1サーボアンプ21およびそれに接続され
た第1モータ26と、第2関節J2を駆動するための第
2サーボアンプ22およびそれに接続された第2モータ
27と、第3関節J3を駆動するための第3サーボアン
プ23およびそれに接続された第3モータ28と、を有
している。
【0017】そしてCPU11は、プログラム・位置決
めポイント保存用メモリ12に記憶されている通過ポイ
ント、終点のポイントおよび速度等のデータを用いて、
ロボットの各関節軸の位置を微少時間ごとに演算して求
め、ロボットの現在位置として演算用ワークメモリ13
へ記憶し、また、サーボアンプイターフェース16を介
して駆動装置2へ位置指令情報として出力する。各サー
ボアンプ21,22,23は、制御装置1のサーボアン
プインターフェース16を介してその位置指令情報を受
け取り、その制御情報に基づいて各モータ26,27,
28を回転させる。それによって各モータ26,27,
28に接続されたロボットの各関節J1,J2,J3が
回転し、ロボットが指令座標に従った運転を行う。
【0018】図24には、従来の多関節ロボット駆動制
御装置の機能構成を示すブロック図が示されている。こ
の駆動制御装置は、残距離演算部31、残距離判定部3
2、フラグ制御部33、関節終点記憶実行部41、停止
時間演算部42、関節残距離演算部43、関節速度演算
部44、速度演算部45、関節現在位置演算部46およ
び速度制御部47を備えている。これら各機能部は、C
PU11が、プログラム・位置決めポイント保存用メモ
リ12に記憶された動作プログラムに従って動作するこ
とによって実現される。
【0019】残距離演算部31は、ロボットの基準点の
現在位置と現在の移動区間の終点位置とに基づいて、現
在の移動区間における残距離を算出する。この時の現在
位置に関するデータは演算用ワークメモリ13から得ら
れ、残距離演算部31に入力される。また、終点位置に
関するデータはプログラム・位置決めポイント保存用メ
モリ12から得られる。
【0020】残距離判定部32は、残距離演算部31に
より算出された残距離と予め指定された近傍量(例えば
近傍範囲を特定する円の半径)とを比較し、残距離が近
傍量よりも小さい場合には、ロボットの基準点が近傍範
囲内に入ったと判断して近傍通過制御モードに移行し、
一方残距離が近傍量よりも大きい場合には、近傍通過制
御モードに移行しない。比較対象となる所定の近傍量に
関するデータはプログラム・位置決めポイント保存用メ
モリ12から得られる。
【0021】フラグ制御部33は、近傍通過制御モード
に移行した場合に残距離判定部32から入力する近傍通
過制御モード移行信号(制御信号)に基づいて、近傍通
過制御中を表すフラグを立てる。また、フラグ制御部3
3は、近傍通過制御が終了して通常モードに復帰した場
合にはフラグを降ろす。フラグ領域13aは例えば演算
用ワークメモリ13内に割り当てられている。
【0022】速度演算部45は、ロボットの基準点の現
在位置と、制御装置1が各関節軸の座標を計算する周期
(通常数m秒〜数十m秒)(以下、この周期を補間周期
とする)の1周期前の位置(前回位置)との変位量、す
なわちロボットの基準点の1周期当たりの移動量に基づ
いて、速度を求める。この時の現在位置に関するデータ
および前回位置に関するデータは、例えば演算用ワーク
メモリ13から得られる。
【0023】関節終点記憶実行部41は、残距離判定部
32から入力する近傍通過制御モード移行信号をトリガ
ーとして、現在の移動区間における各関節軸の終点を演
算用ワークメモリ13に記憶する。この時の各関節軸の
終点に関するデータは、現在の位置決めポイント終点を
関節軸終点に変換する演算をすることから得られ、関節
終点記憶実行部41に入力される。
【0024】停止時間演算部42は、残距離判定部32
から入力する近傍通過制御モード移行信号をトリガーと
して、残距離演算部31により算出された残距離と、速
度演算部45により得られた速度に基づいて、現在移動
中の区間における移動が停止するのに要する停止時間、
すなわち、速度がゼロになるのに要する時間を求める。
【0025】関節現在位置演算部46は、各関節軸の現
在位置を表す値を、補間周期で決められた時間ごとに演
算して求める。
【0026】関節残距離演算部43は、残距離判定部3
2から入力する近傍通過制御モード移行信号をトリガー
として、現在の移動区間における各関節軸の終点と、関
節現在位置演算部46により求められた各関節軸の現在
位置との差に基づいて、各関節軸の現在の移動区間にお
ける残距離を求める。この時の各関節軸の終点に関する
データは、現在の位置決めポイント終点を関節軸終点に
変換する演算をすることから得られる。
【0027】関節速度演算部44は、残距離判定部32
から入力する近傍通過制御モード移行信号をトリガーと
して、関節現在位置演算部46により求められた各関節
軸の現在位置と、補間周期の1周期前の各関節軸の位置
(前回位置)との変位量、すなわち各関節軸の1周期当
たりの移動量に基づいて、速度を求める。この時の前回
位置に関するデータは例えば演算用ワークメモリ13か
ら得られる。
【0028】停止時間演算部42、関節残距離演算部4
3および関節速度演算部44のそれぞれの演算結果、す
なわち各関節軸の現在の移動区間における停止時間、各
関節軸の残距離および各関節の速度は演算用ワークメモ
リ13に記憶される。
【0029】速度制御部47は、関節速度演算部44に
より求められた近傍通過制御処理開始時の関節軸の速
度、および停止時間演算部42により求められた停止時
間等に基づいて、近傍通過制御処理の実行中に関節軸の
速度の制御を行う。
【0030】図25には、従来の近傍通過制御を開始す
るか否かを判断する処理のフローチャートが示されてい
る。この処理が開始されると、CPU11はまずステッ
プS11でロボットの基準点に対して、その基準点の現
在位置と現在の移動区間の終点位置とに基づいて、現在
の移動区間における残距離を計算し、次いでステップS
12でその残距離と予め指定された近傍量とを比較す
る。残距離が近傍量よりも小さい場合には、CPU11
はロボットの基準点が近傍範囲内に入ったと判断し、ス
テップS13へ進んで近傍通過制御を開始する。ステッ
プS13ではCPU11は近傍通過制御開始時に所定の
データ(以下、近傍開始時データとする)を作成し(こ
のデータ作成については後述する)、ステップS14に
てCPU11は近傍通過制御中を示すフラグを立て、近
傍通過制御処理中となり、次いで処理を終了する。ステ
ップS12で残距離が近傍量よりも大きい場合には、近
傍通過制御を開始せずに処理を終了する。
【0031】図26および図27には、それぞれ近傍通
過制御時のP3近傍におけるロボットの基準点の経路が
示されている。P2からP3へ至る区間で近傍範囲に入
った時の速度と、P3からP4へ至る区間で近傍範囲か
ら出た時の速度とが同じで、かつP2からP3へ至る区
間における近傍範囲内の減速時間と、P3からP4へ至
る区間における近傍範囲内の加速時間とが同じである場
合には、ロボットの基準点は図26に示すように4分の
1円の円弧上の経路を通過する。それに対してP2から
P3へ至る区間における近傍範囲内の減速時間が、P3
からP4へ至る区間における近傍範囲内の加速時間より
も長い場合には、ロボットの基準点は図27に示すよう
に近傍通過制御処理の終了時点で近傍範囲を示す円の外
に出てしまっている。すなわち、近傍範囲内で近傍通過
制御処理が終了しなくなってしまう。
【0032】図28は、図25のステップS13におけ
る近傍通過制御開始時のデータ作成処理の詳細な手順を
説明するフローチャートである。このデータ作成処理が
開始されると、まずステップS21でCPU11は現在
の移動区間における各関節軸の終点を演算用ワークメモ
リ13に記憶する。続いてステップS22でCPU11
は次式に基づいて現在の移動区間における停止時間を求
める。 (停止までの時間)=(補間残距離)/(補間速度)
【0033】続いてステップS23でCPU11は次式
に基づいて各関節軸の残距離を求める。 (関節の残距離)=(関節の終点)−(関節の今回位
置)
【0034】続いてステップS24でCPU11は次式
に基づいて各関節の速度を求め、それからデータ作成処
理を終了する。なお各関節軸の値は、補間周期で決めら
れた時間ごとに演算されて求められるため、ここでは現
在の値を今回位置と呼ぶ。 (関節の速度)=(関節の前回の位置)−(関節の今回
位置)
【0035】図29には、速度制御部47による従来の
近傍通過制御時における関節軸の速度の変化が示されて
いる。なお図29のグラフは、移動中の区間の残距離成
分の速度の変化であり、つぎの移動区間すなわち近傍通
過後の移動区間の加速成分を含まない。従って関節軸
は、直線トに示すように、図28のステップS24で求
めた近傍通過制御開始時の関節の速度から直線的に減速
する。図29において近傍の減速時間T1は、図28の
ステップS22で求めた停止までの時間である。直線ト
で示す直線的な減速で移動する距離と、図28のステッ
プS23で求めた残距離との差分は、曲線チのような三
角形の速度パターンを用いて補正する。そして直線減速
グラフすなわち直線トと、残距離補正グラフすなわち曲
線チを加算することにより、近傍通過制御処理による関
節軸の合成速度の変化を示す曲線リが得られる。近傍通
過制御における減速処理では、各関節軸ごとに図29に
示す減速処理が行われる。すなわち近傍通過制御の開始
前は合成速度をなめらかに制御しているが、近傍通過制
御処理中は各軸ごとに直線加速・減速処理に切り替わ
る。
【0036】図30には、図22に示すポイントP2を
近傍通過制御しながら通過した場合の、ハンド先端のX
軸方向およびY軸方向の速度と加速度の変化が示されて
いる。図30において、曲線ヌおよび曲線ルはそれぞれ
X軸方向(図22参照)に対する速度および加速度の変
化であり、曲線ヲおよび曲線ワはそれぞれY軸方向(図
22参照)に対する速度および加速度の変化である。こ
の図より近傍通過制御開始と同時にY軸方向の加速が始
まっていることと、近傍通過制御処理が終了する時にX
軸方向の加速度が急に変化していることが分かる。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
近傍通過制御における指令値が生成されるため、従来
は、図22に示すような近傍通過制御において、近傍通
過をはさんだ前の移動区間の減速時間が長く、後ろの移
動区間の加速時間が短い場合に、図27に示すように近
傍通過制御の終了が近傍範囲を特定する円の外に出てし
まう場合があった。従って移動の軌跡を重視するような
場合には、近傍範囲内で近傍通過制御を終了させるた
め、加速および減速時間を移動プログラムごとに調整し
なければならず、非常に手間がかかるという問題点があ
った。
【0038】また、近傍通過制御処理中の残距離の出力
制御を図29の減速パターンで行っているため、補間方
法が切り替わる近傍通過制御の開始時と、残距離補正が
反転する曲線チの三角形の頂点時と、近傍通過制御の終
了時の3箇所において加速度が急激に変化し、ロボット
の関節軸やアームやハンドに振動が発生するという問題
点もあった。
【0039】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、近傍通過制御処理の終了時にロボットの
基準点が近傍範囲外に出ないように自動的に制御され、
それによって近傍通過制御処理に伴う移動プログラムの
微調整の軽減を図ることができるロボットの制御装置お
よび制御方法を得ることを目的とする。
【0040】また、近傍通過制御処理時における加速度
の乱れが殆どなく、従ってロボットをなめらかに動かし
得るロボットの制御装置および制御方法を得ることを目
的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、ロボットの基準点が通過するように予め
指定された通過点に対して、該通過点の直前の移動区間
における減速と該通過点の直後の移動区間における加速
とを同時に行うことによって、該通過点を通らずにその
通過点の近傍を通過するようにロボットの動作を制御す
る近傍通過制御処理を行う制御装置であって、通過点の
通過前に前記基準点の現在の移動区間における残距離を
求める残距離演算部と、該残距離演算部により求められ
た残距離を所定の近傍量と比較する残距離判定部と、前
記残距離が前記近傍量よりも小さい場合にのみ、前記基
準点の、現在の移動区間における移動方向の成分の移動
が停止するのに要する停止時間を求める停止時間演算部
と、該停止時間演算部により求められた停止時間内に前
記基準点が移動すると想定される距離のうち、つぎの移
動区間の進行方向の成分の距離を演算して求める次区間
進行距離演算部と、該次区間進行距離演算部により求め
られた進行方向成分の距離を所定の近傍量と比較し、前
記進行方向成分の距離が前記近傍量よりも小さい場合に
のみ前記近傍通過制御処理を開始する次区間進行距離
判定部と、を具備することを特徴とする。
【0042】この発明によれば、通過点の通過前に現在
の移動区間における残距離が求められ、その残距離が所
定の近傍量と比較される。そしてその残距離が近傍量よ
りも小さい場合に、現在の移動区間における移動方向の
成分の移動が停止するのに要する停止時間が求められ、
その停止時間内に想定される移動距離のうち、つぎの移
動区間の進行方向の成分の距離が求められる。その進行
方向成分の距離は所定の近傍量と比較され、進行方向成
分の距離が近傍量よりも小さい場合に、近傍通過制御処
理が開始される。
【0043】また、上記目的を達成するため、本発明
は、少なくとも1つの移動自在な関節を有するロボット
の基準点が通過するように予め指定された通過点に対し
て、該通過点の直前の移動区間における減速と該通過点
の直後の移動区間における加速とを同時に行うことによ
って、該通過点を通らずにその通過点の近傍を通過する
ようにロボットの動作を制御する近傍通過制御処理を行
う制御装置であって、前記近傍通過制御処理開始時の前
記基準点の、現在の移動区間における移動方向の成分の
移動が停止するのに要する停止時間を求める停止時間演
算部と、前記近傍通過制御処理現在の移動区間にお
ける前記各関節の現在位置から終点までの残距離を求め
る関節残距離演算部と、前記近傍通過制御処理前記
各関節の速度を求める関節速度演算部と、前記近傍通過
制御処理前記各関節の加速度を求める関節加速度演
算部と、前記近傍通過制御処理開始時の停止時間、
傍通過制御処理開始時の関節の移動残距離、近傍通過
制御処理開始時の関節の速度、および近傍通過制御
開始時の関節の加速度に基づいて決まる近傍減速定数
を算出する関節近傍減速定数演算部と、前記近傍通過制
御処理の実行中の関節の加速度が前記停止時間中になめ
らかにゼロになるような第1の位置制御値を、前記近傍
減速定数を用いて演算して求める加速度制御部と、前記
第1の位置制御値に基づいて前記近傍通過制御処理の実
行中に変化する関節の速度を考慮して、近傍通過制御
処理中の関節の速度が前記停止時間中になめらかにゼロ
になるような第2の位置制御値を、前記近傍減速定数を
用いて演算して求める速度制御部と、前記第1の位置制
御値および前記第2の位置制御値に基づいて不足する関
節の移動量がなめらかに変化するような第3の位置制御
値を、前記近傍減速定数を用いて演算して求める残距離
制御部と、前記第1の位置制御値、前記第2の位置制御
値および前記第3の位置制御値を合計して前記近傍通過
制御処理中の関節の位置を求める加算部と、を具備する
ことを特徴とする。
【0044】この発明によれば、近傍通過制御開始時の
現在の移動区間における移動方向の成分の移動が停止す
るのに要する停止時間、近傍通過制御開始時の現在の移
動区間における各関節の現在位置から終点までの残距
離、近傍通過制御開始時の各関節の速度、および近傍通
過制御開始時の各関節の加速度が求められる。そして近
傍通過制御開始時の停止時間、近傍通過制御開始時の関
節の移動残距離、近傍通過制御開始時の関節の速度、お
よび近傍通過制御開始時の関節の加速度に基づいて決ま
る定数が求められる。
【0045】
【0046】また、この発明によれば、近傍通過制御処
理の実行中の関節の加速度が停止時間中になめらかにゼ
ロになるような第1の位置制御値、その第1の位置制御
値に基づいて近傍通過制御処理の実行中に変化する関節
の速度を考慮して、近傍通過制御処理中の関節の速度が
停止時間中になめらかにゼロになるような第2の位置制
御値、並びに第1の位置制御値および第2の位置制御値
に基づいて不足する関節の移動量がなめらかに変化する
ような第3の位置制御値が求められる。そして第1の位
置制御値、第2の位置制御値および第3の位置制御値を
合計することにより近傍通過制御処理中の関節の位置が
求められる。
【0047】さらにこの発明において、前記第1の位置
制御値、前記第2の位置制御値および前記第3の位置制
御値は、何れも三角関数で表されてもよい。
【0048】この発明によれば、第1の位置制御値、第
2の位置制御値および第3の位置制御値は、何れも三角
関数で表される。
【0049】また、上記目的を達成するため、本発明
は、少なくとも1つの移動自在な関節を有するロボット
の基準点が通過するように予め指定された通過点に対し
て、該通過点の直前の移動区間における減速と該通過点
の直後の移動区間における加速とを同時に行うことによ
って、該通過点を通らずにその通過点の近傍を通過する
ようにロボットの動作を制御する近傍通過制御処理を行
う制御装置であって、通過点の通過前に前記基準点の現
在の移動区間における残距離を求める残距離演算部と、
該残距離演算部により求められた残距離を所定の近傍量
と比較する残距離判定部と、前記残距離が前記近傍量よ
りも小さい場合または近傍通過制御開始時に、前記基準
点の、現在の移動区間における移動方向の成分の移動が
停止するのに要する停止時間を求める停止時間演算部
と、前記残距離が前記近傍量よりも小さい場合における
該停止時間演算部により求められた停止時間内に前記基
準点が移動すると想定される距離のうち、つぎの移動区
間の進行方向の成分の距離を演算して求める次区間進行
距離演算部と、該次区間進行距離演算部により求められ
た進行方向成分の距離を所定の近傍量と比較し、前記進
行方向成分の距離が前記近傍量よりも小さい場合に
前記近傍通過制御処理を開始する次区間進行距離判
定部と、前記近傍通過制御処理現在の移動区間にお
ける前記各関節の現在位置から終点までの残距離を求め
る関節残距離演算部と、前記近傍通過制御処理前記
各関節の速度を求める関節速度演算部と、前記近傍通過
制御処理前記各関節の加速度を求める関節加速度演
算部と、前記近傍通過制御処理開始時の停止時間、
傍通過制御処理開始時の関節の移動残距離、近傍通過
制御処理開始時の関節の速度、および近傍通過制御
開始時の関節の加速度に基づいて決まる近傍減速定数
算出する関節近傍減速定数演算部と、前記近傍通過制
御処理の実行中の関節の加速度が前記近傍通過制御処理
開始時の停止時間中になめらかにゼロになるような第1
の位置制御値を、前記近傍減速定数を用いて演算して求
める加速度制御部と、前記第1の位置制御値に基づいて
前記近傍通過制御処理の実行中に変化する関節の速度を
考慮して、該近傍通過制御処理中の関節の速度が前記近
傍通過制御処理開始時の停止時間中になめらかにゼロに
なるような第2の位置制御値を、前記近傍減速定数を用
いて演算して求める速度制御部と、前記第1の位置制御
値および前記第2の位置制御値に基づいて不足する関節
の移動量がなめらかに変化するような第3の位置制御値
を、前記近傍減速定数を用いて演算して求める残距離制
御部と、前記第1の位置制御値、前記第2の位置制御値
および前記第3の位置制御値を合計して前記近傍通過制
御処理中の関節の位置を求める加算部と、を具備する
とを特徴とする。
【0050】この発明によれば、通過点の通過前に現在
の移動区間における残距離が求められ、その残距離が所
定の近傍量と比較され、残距離が近傍量よりも小さい場
合に、現在の移動区間における移動方向の成分の移動が
停止するのに要する停止時間が求められ、その停止時間
内に想定される移動距離のうち、つぎの移動区間の進行
方向の成分の距離が求められる。そしてその進行方向成
分の距離は所定の近傍量と比較され、進行方向成分の距
離が近傍量よりも小さい場合に、近傍通過制御処理が開
始される。近傍通過制御処理が開始されると、近傍通過
制御開始時の現在の移動区間における移動方向の成分の
移動が停止するのに要する停止時間、近傍通過制御開始
時の現在の移動区間における各関節の現在位置から終点
までの残距離、近傍通過制御開始時の各関節の速度、お
よび近傍通過制御開始時の各関節の加速度が求められ
る。そして近傍通過制御開始時の停止時間、近傍通過制
御開始時の関節の移動残距離、近傍通過制御開始時の関
節の速度、および近傍通過制御開始時の関節の加速度に
基づいて決まる定数が求められる。また、近傍通過制御
処理の実行中の関節の加速度が停止時間中になめらかに
ゼロになるような第1の位置制御値、その第1の位置制
御値に基づいて近傍通過制御処理の実行中に変化する関
節の速度を考慮して、近傍通過制御処理中の関節の速度
が停止時間中になめらかにゼロになるような第2の位置
制御値、並びに第1の位置制御値および第2の位置制御
値に基づいて不足する関節の移動量がなめらかに変化す
るような第3の位置制御値が求められる。そして第1の
位置制御値、第2の位置制御値および第3の位置制御値
を合計することにより近傍通過制御処理中の関節の位置
が求められる。
【0051】また、上記目的を達成するため、本発明
は、ロボットの基準点が通過するように予め指定された
通過点に対して、該通過点の直前の移動区間における減
速と該通過点の直後の移動区間における加速とを同時に
行うことによって、該通過点を通らずにその通過点の近
傍を通過するようにロボットの動作を制御する近傍通過
制御処理を行う制御方法において、通過点の通過前に前
記基準点の現在の移動区間における残距離を求める残距
離演算部と、該残距離演算部により求められた残距離を
所定の近傍量と比較する工程と、前記残距離が前記近傍
量よりも小さい場合にのみ、前記基準点の、現在の移動
区間における移動方向の成分の移動が停止するのに要す
る停止時間を求める工程と、該停止時間演算部により求
められた停止時間内に前記基準点が移動すると想定され
る距離のうち、つぎの移動区間の進行方向の成分の距離
を演算して求める工程と、該次区間進行距離演算部によ
り求められた進行方向成分の距離を所定の近傍量と比較
し、前記進行方向成分の距離が前記近傍量よりも小さい
場合にのみ前記近傍通過制御処理を開始する工程と、
を含むことを特徴とする。
【0052】この発明によれば、通過点の通過前に現在
の移動区間における残距離が求められ、その残距離が所
定の近傍量と比較される。そしてその残距離が近傍量よ
りも小さい場合に、現在の移動区間における移動方向の
成分の移動が停止するのに要する停止時間が求められ、
その停止時間内に想定される移動距離のうち、つぎの移
動区間の進行方向の成分の距離が求められる。その進行
方向成分の距離は所定の近傍量と比較され、進行方向成
分の距離が近傍量よりも小さい場合に、近傍通過制御処
理が開始される。
【0053】また、上記目的を達成するため、本発明
は、少なくとも1つの移動自在な関節を有するロボット
の基準点が通過するように予め指定された通過点に対し
て、該通過点の直前の移動区間における減速と該通過点
の直後の移動区間における加速とを同時に行うことによ
って、該通過点を通らずにその通過点の近傍を通過する
ようにロボットの動作を制御する近傍通過制御処理を行
う制御方法において、前記近傍通過制御処理開始時の前
記基準点の、現在の移動区間における移動方向の成分の
移動が停止するのに要する停止時間を求める工程と、
近傍通過制御処理現在の移動区間における前記各
関節の現在位置から終点までの残距離を求める工程と、
前記近傍通過制御処理前記各関節の速度を求める工
程と、前記近傍通過制御処理前記各関節の加速度を
求める工程と、前記近傍通過制御処理開始時の停止時
間、近傍通過制御処理開始時の関節の移動残距離、
近傍通過制御処理開始時の関節の速度、および近傍通
過制御処理開始時の関節の加速度に基づいて決まる近傍
減速定数を算出する工程と、前記近傍通過制御処理の実
行中の関節の加速度が前記停止時間中になめらかにゼロ
になるような第1の位置制御値を、前記近傍減速定数を
用いて演算して求める工程と、前記第1の位置制御値に
基づいて前記近傍通過制御処理の実行中に変化する関節
の速度を考慮して、近傍通過制御処理中の関節の速度
が前記停止時間中になめらかにゼロになるような第2の
位置制御値を、前記近傍減速定数を用いて演算して求め
る工程と、前記第1の位置制御値および前記第2の位置
制御値に基づいて不足する関節の移動量がなめらかに変
化するような第3の位置制御値を、前記近傍減速定数を
用いて演算して求める工程と、前記第1の位置制御値、
前記第2の位置制御値および前記第3の位置制御値を合
計して前記近傍通過制御処理中の関節の位置を求める工
程と、を含むことを特徴とする。
【0054】この発明によれば、近傍通過制御開始時の
現在の移動区間における移動方向の成分の移動が停止す
るのに要する停止時間、近傍通過制御開始時の現在の移
動区間における各関節の現在位置から終点までの残距
離、近傍通過制御開始時の各関節の速度、および近傍通
過制御開始時の各関節の加速度が求められる。そして近
傍通過制御開始時の停止時間、近傍通過制御開始時の関
節の移動残距離、近傍通過制御開始時の関節の速度、お
よび近傍通過制御開始時の関節の加速度に基づいて決ま
る定数が求められる。
【0055】
【0056】また、この発明によれば、近傍通過制御処
理の実行中の関節の加速度が停止時間中になめらかにゼ
ロになるような第1の位置制御値、その第1の位置制御
値に基づいて近傍通過制御処理の実行中に変化する関節
の速度を考慮して、近傍通過制御処理中の関節の速度が
停止時間中になめらかにゼロになるような第2の位置制
御値、並びに第1の位置制御値および第2の位置制御値
に基づいて不足する関節の移動量がなめらかに変化する
ような第3の位置制御値が求められる。そして第1の位
置制御値、第2の位置制御値および第3の位置制御値を
合計することにより近傍通過制御処理中の関節の位置が
求められる。
【0057】さらにこの発明において、前記第1の位置
制御値、前記第2の位置制御値および前記第3の位置制
御値は、何れも三角関数で表されてもよい。
【0058】この発明によれば、第1の位置制御値、第
2の位置制御値および第3の位置制御値は、何れも三角
関数で表される。
【0059】また、上記目的を達成するため、本発明
は、少なくとも1つの移動自在な関節を有するロボット
の基準点が通過するように予め指定された通過点に対し
て、該通過点の直前の移動区間における減速と該通過点
の直後の移動区間における加速とを同時に行うことによ
って、該通過点を通らずにその通過点の近傍を通過する
ようにロボットの動作を制御する近傍通過制御処理を行
う制御方法において、通過点の通過前に前記基準点の現
在の移動区間における残距離を求める工程と、該残距離
演算部により求められた残距離を所定の近傍量と比較す
る工程と、前記残距離が前記近傍量よりも小さい場合ま
たは近傍通過制御開始時に、前記基準点の、現在の移動
区間における移動方向の成分の移動が停止するのに要す
る停止時間を求める工程と、前記残距離が前記近傍量よ
りも小さい場合における該停止時間演算部により求めら
れた停止時間内に前記基準点が移動すると想定される距
離のうち、つぎの移動区間の進行方向の成分の距離を演
算して求める工程と、該次区間進行距離演算部により求
められた進行方向成分の距離を所定の近傍量と比較し、
前記進行方向成分の距離が前記近傍量よりも小さい場合
のみ前記近傍通過制御処理を開始する工程と、前記
近傍通過制御処理現在の移動区間における前記各関
節の現在位置から終点までの残距離を求める工程と、
近傍通過制御処理前記各関節の速度を求める工程
と、前記近傍通過制御処理前記各関節の加速度を求
める工程と、前記近傍通過制御処理開始時の停止時間、
近傍通過制御処理開始時の関節の移動残距離、近傍
通過制御処理開始時の関節の速度、および近傍通過制
処理開始時の関節の加速度に基づいて決まる近傍減速
定数を算出する工程と、前記近傍通過制御処理の実行中
の関節の加速度が前記近傍通過制御処理開始時の停止時
間中になめらかにゼロになるような第1の位置制御値
を、前記近傍減速定数を用いて演算して求める工程と、
前記第1の位置制御値に基づいて前記近傍通過制御処理
の実行中に変化する関節の速度を考慮して、該近傍通過
制御処理中の関節の速度が前記近傍通過制御処理開始時
の停止時間中になめらかにゼロになるような第2の位置
制御値を、前記近傍減速定数を用いて演算して求める工
程と、前記第1の位置制御値および前記第2の位置制御
値に基づいて不足する関節の移動量がなめらかに変化す
るような第3の位置制御値を、前記近傍減速定数を用い
て演算して求める工程と、前記第1の位置制御値、前記
第2の位置制御値および前記第3の位置制御値を合計し
て前記近傍通過制御処理中の関節の位置を求める工程
と、を含むことを特徴とする。
【0060】この発明によれば、通過点の通過前に現在
の移動区間における残距離が求められ、その残距離が所
定の近傍量と比較され、残距離が近傍量よりも小さい場
合に、現在の移動区間における移動方向の成分の移動が
停止するのに要する停止時間が求められ、その停止時間
内に想定される移動距離のうち、つぎの移動区間の進行
方向の成分の距離が求められる。そしてその進行方向成
分の距離は所定の近傍量と比較され、進行方向成分の距
離が近傍量よりも小さい場合に、近傍通過制御処理が開
始される。近傍通過制御処理が開始されると、近傍通過
制御開始時の現在の移動区間における移動方向の成分の
移動が停止するのに要する停止時間、近傍通過制御開始
時の現在の移動区間における各関節の現在位置から終点
までの残距離、近傍通過制御開始時の各関節の速度、お
よび近傍通過制御開始時の各関節の加速度が求められ
る。そして近傍通過制御開始時の停止時間、近傍通過制
御開始時の関節の移動残距離、近傍通過制御開始時の関
節の速度、および近傍通過制御開始時の関節の加速度に
基づいて決まる定数が求められる。また、近傍通過制御
処理の実行中の関節の加速度が停止時間中になめらかに
ゼロになるような第1の位置制御値、その第1の位置制
御値に基づいて近傍通過制御処理の実行中に変化する関
節の速度を考慮して、近傍通過制御処理中の関節の速度
が停止時間中になめらかにゼロになるような第2の位置
制御値、並びに第1の位置制御値および第2の位置制御
値に基づいて不足する関節の移動量がなめらかに変化す
るような第3の位置制御値が求められる。そして第1の
位置制御値、第2の位置制御値および第3の位置制御値
を合計することにより近傍通過制御処理中の関節の位置
が求められる。
【0061】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るロボットの
制御装置および制御方法の実施の形態について図面を参
照しつつ詳細に説明する。
【0062】本発明に係る多関節ロボット駆動制御装置
のハードウェア構成は図23に示す一般的な駆動制御装
置と同じである。すなわち本発明に係る駆動制御装置
は、例えばCPU11、プログラム・位置決めポイント
保存用メモリ12、演算用ワークメモリ13、O/Sメ
モリ14、入出力インターフェース15およびサーボア
ンプインターフェース16がバスを介して相互に接続さ
れてなる制御装置1と、例えば図15に示す構成の多関
節ロボットに対して例えば第1関節J1を駆動するため
の第1サーボアンプ21および第1モータ26、例えば
第2関節J2を駆動するための第2サーボアンプ22お
よび第2モータ27、例えば第3関節J3を駆動するた
めの第3サーボアンプ23および第3モータ28を備え
てなる駆動装置2とからなる。各構成要素の詳細な説明
については、図23について先に記載した説明と重複す
るので省略する。
【0063】図1には、本発明に係る多関節ロボット駆
動制御装置の機能構成を示すブロック図が示されてい
る。この駆動制御装置は、図24に示す従来の駆動制御
装置と同様に、残距離演算部31、残距離判定部32、
フラグ制御部33、関節終点記憶実行部41、停止時間
演算部42、関節残距離演算部43、関節速度演算部4
4、速度演算部45および関節現在位置演算部46を備
えている。これら従来装置と同様の各機能部の詳細な説
明については、図24について先に記載した説明と重複
するので省略する。ただし関節終点記憶実行部41、関
節残距離演算部43および関節速度演算部44は何れ
も、残距離判定部32から入力する制御信号に対してで
はなく、次区間進行距離判定部52から入力する近傍通
過制御モード移行信号をトリガーとして、各機能の実行
を開始する点と、停止時間演算部42が残距離判定部3
2から入力する制御信号と次区間進行距離判定部52か
ら入力する近傍通過制御モード移行信号の何れに対して
もそれらをトリガーとして、機能の実行を開始する点で
上記従来装置と異なる。
【0064】また、この駆動制御装置は、上記各機能部
の他に、次区間進行距離演算部51、次区間進行距離判
定部52、関節加速度演算部53、関節近傍減速定数演
算部54、加速度制御部61、速度制御部62、残距離
制御部63および加算部64を備えている。
【0065】図1に示された各機能部は、CPU11
が、プログラム・位置決めポイント保存用メモリ12に
記憶された動作プログラムに従って動作することによっ
て実現される。なお従来同様、フラグ制御部33によっ
て制御されるフラグの格納領域13aは演算用ワークメ
モリ13内に設けられている。
【0066】次区間進行距離演算部51は、停止時間演
算部42から出力される停止時間に基づいて、この停止
時間の間にロボットの基準点(例えばハンド先端)が移
動すると想定される距離のうち、つぎの移動区間におけ
る進行方向の成分の距離(次区間進行距離)を演算して
求め、それによって近傍通過制御処理の終了時に例えば
ハンド先端が到達していると想定される位置を得る。
【0067】次区間進行距離判定部52は、次区間進行
距離演算部51により算出された次区間進行距離と予め
指定された近傍量(例えば近傍範囲を特定する円の半
径)とを比較し、次区間進行距離が近傍量よりも小さい
場合には、ロボットの基準点が次区間において近傍範囲
内にある内に近傍通過制御処理が終了すると判断して近
傍通過制御モードに移行し、一方次区間進行距離が近傍
量よりも大きい場合には、近傍通過制御モードに移行し
ない。比較対象となる所定の近傍量に関するデータはプ
ログラム・位置決めポイント保存用メモリ12から得ら
れる。
【0068】関節加速度演算部53は、各関節軸の今回
の速度と、補間周期の1周期前の各関節軸の速度(前回
速度)との差に基づいて、加速度を求める。この時の今
回の速度および前回速度に関するデータは例えば演算用
ワークメモリ13から得られる。
【0069】関節近傍減速定数演算部54は、停止時間
演算部42から出力される停止時間に基づいて、各関節
軸に対して、近傍通過制御処理の実行中に近傍減速を行
う演算において使用される定数(以下、近傍減速定数と
する)を演算して求める。近傍減速定数については後述
する。
【0070】停止時間演算部42、関節残距離演算部4
3、関節速度演算部44、関節加速度演算部53および
関節近傍減速定数演算部54のそれぞれの演算結果、す
なわち各関節軸の現在の移動区間における停止時間、各
関節軸の残距離、各関節の速度、各関節の加速度および
各関節の近傍減速定数は演算用ワークメモリ13に記憶
される。
【0071】加速度制御部61は、関節加速度演算部5
3により求められた近傍通過制御処理開始時の関節軸の
加速度、および停止時間演算部42により求められた停
止時間等に基づいて、近傍通過制御処理の実行中の関節
軸の加速度がその停止時間中になめらかにゼロになるよ
うな制御を行うために、位置制御値を演算して求める。
【0072】速度制御部62は、関節速度演算部44に
より求められた近傍通過制御処理開始時の関節軸の速
度、および停止時間演算部42により求められた停止時
間等に基づいて、加速度制御部61による加速度制御に
伴って近傍通過制御処理の実行中に変化する関節軸の速
度を考慮して近傍通過制御処理中の関節軸の速度がその
停止時間中になめらかにゼロになるような制御を行うた
めに、別の位置制御値を演算して求める。
【0073】残距離制御部63は、関節残距離演算部4
3により求められた近傍通過制御処理開始時の関節軸の
残距離、および停止時間演算部42により求められた停
止時間等に基づいて、加速度制御部61による加速度制
御および速度制御部62による速度制御に伴って不足す
る関節軸の移動量がなめらかに変化するような制御を行
うために、さらに別の位置制御値を演算して求める。
【0074】加算部64は、加速度制御部61、速度制
御部62および残距離制御部63でそれぞれ求められた
各位置制御値を合算する。その合計された制御値はサー
ボアンプインターフェース16へ出力される。
【0075】図2には、本発明に係るロボット制御方法
において近傍通過制御を開始するか否かを判断する処理
の一例のフローチャートが示されている。この処理が開
始されると、CPU11はまずステップS31でロボッ
トの基準点に対して、その基準点の現在位置と現在の移
動区間の終点位置とに基づいて、現在の移動区間におけ
る残距離を計算する。次いでステップS32でCPU1
1はその残距離と予め指定された近傍量とを比較する。
残距離が近傍量よりも小さい場合には、CPU11はロ
ボットの基準点が近傍範囲内に入ったと判断し、ステッ
プS33へ進む。一方ステップS32で残距離が近傍量
よりも大きい場合には、本処理を終了する。
【0076】ステップS33では、CPU11は次式に
基づいて現在の移動区間における停止時間を求める。 (停止までの時間)=(補間残距離)/(補間速度)
【0077】続いてステップS34において、ステップ
S33で求めた停止時間の間に、つぎの移動区間におい
てロボットの基準点が進む距離を求め、それによって近
傍通過制御処理の終了時の次区間における例えばハンド
の先端位置を演算して得る。この演算結果は、加減速時
間、移動量および速度によって変化するため、一様では
ない。
【0078】そしてステップS35に進み、ステップS
34で求めた次区間における進行距離と予め指定された
近傍量とを比較する。次区間進行距離が近傍量よりも小
さい場合には、ロボットの基準点が次区間の近傍範囲外
に出る前に近傍通過制御処理が終了すると判断して近傍
通過制御モードに移行する。一方次区間進行距離が近傍
量よりも大きい場合には、ロボットの基準点が次区間の
近傍範囲外に出た後に近傍通過制御処理が終了すると判
断して近傍通過制御モードに移行せずに本処理を終了す
る。
【0079】ステップS35で近傍通過制御モードに移
行すると、ステップS36でCPU11は近傍通過制御
開始時の所定のデータ(近傍開始時データ)を作成し
(このデータ作成については後述する)、ステップS3
7にてCPU11は近傍通過制御中を示すフラグを立て
て本処理を終了する。
【0080】このように、上記ステップS33、ステッ
プS34およびステップS35の演算および比較処理に
より、近傍通過制御処理の開始タイミングが調整され
る。つまり例えば図22のポイントP3に対して図3に
示すように近傍範囲を表す円内において近傍通過制御処
理が遅れて開始し、それによってロボットの基準点が近
傍範囲内に残っている間に近傍通過制御処理が終了す
る。
【0081】図4は、図2のステップS36における近
傍通過制御開始時のデータ作成処理の詳細な手順を説明
するフローチャートである。このデータ作成処理が開始
されると、まずステップS41でCPU11は現在の移
動区間における各関節軸の終点を演算用ワークメモリ1
3に記憶する。続いてステップS42でCPU11は次
式に基づいて現在の移動区間における停止時間を求め
る。 (停止までの時間)=(補間残距離)/(補間速度)
【0082】続いてステップS43でCPU11は次式
に基づいて各関節軸の残距離を求める。 (関節の残距離)=(関節の終点)−(関節の今回位
置)
【0083】続いてステップS44でCPU11は次式
に基づいて各関節の速度を求める。 (関節の速度)=(関節の前回の位置)−(関節の今回
位置)
【0084】続いてステップS45でCPU11は次式
に基づいて各関節の加速度を求める。 (関節の加速度)=(関節の前回の速度)−(関節の今
回速度)
【0085】続いてステップS46でCPU11は各関
節の近傍減速定数を求め、それからデータ作成処理を終
了する。
【0086】つぎに加速度制御部61による近傍通過制
御中の加速度の制御について説明する。図5には、本実
施の形態による制御によって変化する加速度の様子が模
式的に示されている。この図に示すように、近傍通過制
御中の関節軸の加速度は、図4のステップS42で求め
た停止時間(近傍減速時間)の間にSin波(図6参
照)の−π/2〜π/2[rad]の範囲の波形を描い
て、近傍通過制御開始時の関節軸の加速度からなめらか
にゼロに変化する(以後、この制御を加速度制御とす
る)。図6に示すY=sin(X)の波形においては、
近傍通過制御の開始時および終了時はそれぞれX=−π
/2およびX=+π/2の相当する。これをY=(co
s(X)+1)/2に当てはめると、X=0からX=π
の範囲に相当する。
【0087】図7は、図5に示す加速度制御に対する演
算式の導出を説明する説明図であり、同図に従って加速
度制御の演算式の導出過程を説明する。近傍通過制御開
始時の関節軸の速度をFnow、近傍通過制御開始1周
期前の関節軸の速度をFprvとすると、近傍通過制御
開始時の加速度Accは、つぎの(1)式となる。この
(1)式は、図4のステップS45に相当する。 Acc=Fnow−Fprv ・・・(1)
【0088】ここでFnowが小さな値の場合に、つぎ
の(2)式に従って、加速度Accの速度に対する影響
を小さくするようにAccの調整を行い、調整後の加速
度KinAccを求める。 KinAcc=Acc/(1+|Acc/Fnow|) ・・・(2)
【0089】そして図4のステップS42で求めた停止
時間を補間周期の回数で表したものを減速回数Nとし、
近傍通過制御処理中の減速期間に0〜Nへカウントアッ
プするカウンタを減速時間カウンタCとし、これらNお
よびCを用いて角度θ1(0〜π)を表すと、つぎの
(3)式のようになる。この(3)式においては、Cが
0からNへ変わるに連れて、θ1は0からπに変化す
る。 θ1=πC/N ・・・(3)
【0090】(3)式より得られたθ1を用いて加速度
A1(θ1)を表すと、図5の加速度グラフを表す式と
なる(4)式が得られる。 A1(θ1)=KinAcc・(cosθ1+1)/2 ・・・(4)
【0091】そしてこのA1(θ1)を0〜θ1まで定
積分することにより速度F1(θ1)が得られる。速度
F1(θ1)はつぎの(5)式で表される。 F1(θ1)=KinAcc・N・(Sinθ1+θ1)/(2π) ・・・(5)
【0092】同様にF1(θ1)を0〜θ1まで定積分
することにより移動量S1(θ1)が得られる。移動量
S1(θ1)はつぎの(6)式で表される。 S1(θ1)=KinAcc・N2 ・(θ12 /2−cosθ1+1) /(2π2 ) ・・・(6)
【0093】上記(6)式のうち、定数部分およびNと
KinAccで決まる部分をつぎの(7)式に示すよう
にβ0とすると、このβ0を用いて(6)式はつぎの
(8)式となる。 β0=KinAcc・N2 /2π2 ・・・(7) S1(θ1)=β0・(θ12 /2−cosθ1+1) ・・・(8)
【0094】以上より加速度制御による関節軸の移動量
が上記(7)式および(8)式から求まる。
【0095】つぎに速度制御部62による近傍通過制御
中の速度の制御について説明する。図8には、本実施の
形態による制御によって変化する速度の様子が模式的に
示されている。この図に示すように、近傍通過制御中の
関節軸の速度に対して調整を行う対象となるのは、近傍
通過制御開始時の速度から加速度制御により変化する速
度を引いた速度(すなわち、(近傍通過制御開始時の速
度)−(加速度制御で変化する速度))である。この調
整対象速度は、図4のステップS42で求めた停止時間
(近傍減速時間)の間になめらかにゼロに変化する(以
後、この制御を速度制御とする)。
【0096】図9は、図8に示す速度制御に対する演算
式の導出を説明する説明図であり、同図に従って速度制
御の演算式の導出過程を説明する。速度制御によって調
整される速度をKinDccとすると、このKinDc
cは、近傍通過制御開始時の関節軸の速度Fnow、減
速回数Nおよび(2)式の調整後の加速度KinAcc
を用いてつぎの(101)式のように表される。 KinDcc=−(Fnow+N・KinAcc/2) ・・・(101)
【0097】ここで速度制御の加速度の変化を次式のよ
うに表し、X=0からX=2πに相当させる。 Y=(1−cos(X))/2
【0098】減速時間カウンタCおよびNを用いて角度
θ2(0〜2π)を表すと、つぎの(102)式のよう
になる。この(102)式においては、Cが0からNへ
変わるに連れて、θ2は0から2πに変化する。 θ2=2πC/N ・・・(102)
【0099】(102)式より得られたθ2を用いて加
速度A2(θ2)を表すと(103)式が得られる。 A2(θ2)=KinDcc・(1−cosθ2)/N ・・・(103)
【0100】そしてこのA2(θ2)を0〜θ2まで定
積分することにより速度F2(θ2)が得られる。速度
F2(θ2)はつぎの(104)式で表される。 F2(θ2)=KinAcc・N・(θ2−Sinθ2)/(2π) ・・・(104)
【0101】同様にF2(θ2)を0〜θ2まで定積分
することにより移動量S2(θ2)が得られる。移動量
S2(θ2)はつぎの(105)式で表される。 S2(θ2)=KinDcc・N・(θ22 /2−cosθ2−1) /(4π2 ) ・・・(105)
【0102】上記(105)式のうち、定数部分および
NとKinDccで決まる部分をつぎの(106)式に
示すようにβ1とすると、このβ1を用いて(105)
式はつぎの(107)式となる。 β1=KinDcc・N/4π2 ・・・(106) S2(θ2)=β1・(θ22 /2+cosθ2−1) ・・・(107)
【0103】以上より速度制御による関節軸の移動量が
上記(106)式および(107)式から求まる。
【0104】つぎに残距離制御部63による近傍通過制
御中の残距離の制御について説明する。図10には、本
実施の形態による制御によって不足する関節軸の移動量
(以下、不足移動量とする)を調整するためにSin波
を用いてなめらかに加速および減速する様子が模式的に
示されており、同図(a)および(b)はそれぞれ速度
および加速度の変化を表している。ここで不足移動量
は、近傍通過制御開始時の残距離から加速度制御および
速度制御による合計移動量を引いた距離(すなわち、近
傍通過制御開始時の残距離−加速度制御および速度制御
での合計移動量)である。この不足移動量をSin波の
波形を描いて加速したり、減速したりすることによりな
めらかに出力する(以後、この制御を残距離制御とす
る)。
【0105】図11および図12は、図10に示す残距
離制御に対する演算式の導出を説明する説明図であり、
同図に従って残距離制御の演算式の導出過程を説明す
る。加速度制御と速度制御との合計減速移動量をLEN
1とすると、このLEN1は、加速度制御による移動量
を表すつぎの(201)式と、速度制御による移動量を
表すつぎの(202)式を用いて、つぎの(203)式
で表される。ただしβ0およびβ1はそれぞれ(7)式
および(106)式で表される。また、NおよびFno
wはそれぞれ減速回数および近傍通過制御開始時の関節
軸の速度である。 S1(θ2)=β0・(2+π2 /N) ・・・(201) S2(2π)=β1・(2π2 )=KinDcc・N/2 ・・・(202) LEN1=S1(π)+S2(2π)+Fnow・N ・・・(203)
【0106】また、残距離制御で調整する不足移動量を
LEN2とすると、このLEN2は、残距離をRMNと
してつぎの(204)式で表される。 LEN2=RMN−LEN1 ・・・(204)
【0107】ここで残距離制御時の加速度の変化は、前
半部分と後半部分とに分割される(図10参照)。前半
部分は、次式のように表され、X=0からX=2πに相
当する。 Y=(1−cos(X))/2
【0108】一方後半部分は、次式のように表され、X
=0からX=2πに相当する。 Y=−(1−cos(X))/2
【0109】まず上記前半部分について図11に従って
説明する。減速時間カウンタCおよびNを用いて角度θ
3(0〜4π)を表すと、つぎの(205)式のように
なる。この(205)式においては、Cが0からNへ変
わるに連れて、θ3は0から4πに変化する。 θ3=4πC/N ・・・(205)
【0110】(205)式より得られたθ3を用いて前
半部分の加速度A3(θ3)を表すとつぎの(206)
式が得られる。 A3(θ3)=4・LEN2・(1−cosθ3)/N2 ・・・(206)
【0111】そしてこのA3(θ3)を0〜θ3まで定
積分することにより速度F3(θ3)が得られる。速度
F3(θ3)はつぎの(207)式で表される。 F3(θ3)=LEN2・(θ3−Sinθ3)/(πN) ・・・(207)
【0112】同様にF3(θ3)を0〜θ3まで定積分
することにより移動量S3(θ3)が得られる。移動量
S3(θ3)はつぎの(208)式で表される。 S3(θ3)=LEN2・(θ32 /2+cosθ3−1)/(4π2 ) ・・・(208)
【0113】上記(208)式のうち、定数部分および
LEN2で決まる部分をつぎの(210)式に示すよう
にKinKvとすると、このKinKvを用いて(20
8)式はつぎの(209)式となる。 S3(θ3)=KinKv・(θ32 /2+cosθ3−1) ・・・(209) KinKv=LEN2/4π2 ・・・(210)
【0114】続いて上記後半部分について図12に従っ
て説明する。角度θ3を用いて角度θ4(0〜2π)を
表すと、つぎの(211)式のようになる。この(21
1)式においては、CがN/2からNへ変わるに連れ
て、θ4は0から2πに変化する。 θ4=θ3−2π ・・・(211)
【0115】このθ4を用いて後半部分の加速度A4
(θ4)を表すとつぎの(212)式が得られる。 A4(θ4)=4・LEN2・(1−cosθ4)/N2 ・・・(212)
【0116】そしてこのA4(θ4)を0〜θ4まで定
積分することにより速度F4(θ4)が得られる。速度
F4(θ4)はつぎの(213)式で表される。 F4(θ4)=2・LEN2/N−LEN2・(θ4−Sinθ4) /(πN) ・・・(213)
【0117】同様にF4(θ4)を0〜θ4まで定積分
することにより移動量S4(θ4)が得られる。移動量
S4(θ4)はつぎの(214)式で表される。 S4(θ4)=LEN2・(−θ42 /2−cosθ4+1+2π・θ4) /(4π2 )+LEN2/2 ・・・(214)
【0118】上記(214)式のうち、定数部分および
LEN2で決まる部分を(210)式のKinKvで表
すとつぎの(215)式となる。 S4(θ4)=KinKv・(−θ42 /2−cosθ4+1+2π・θ4) +LEN2/2 ・・・(215)
【0119】以上より残距離制御による関節軸の移動量
が上記(209)式、(210)式および(215)式
から求まる。
【0120】この実施の形態においては、図4のステッ
プS46で求めた関節の近傍減速定数は、上記(7)
式、(106)式および(210)式で表されるβ0、
β1およびKinKVである。
【0121】図13は、加速度制御、速度制御および残
距離制御の合計移動量の演算式の導出を説明する説明図
である。合計移動量Sall(C)は、減速時間カウン
タCが0〜N/2の場合にはつぎの(301)式で求め
られる。 Sall(C)=S1(θ1)+S2(θ2)+S3(θ3) ・・・(301)
【0122】一方減速時間カウンタCがN/2〜Nの場
合には、合計移動量Sall(C)はつぎの(302)
式で求められる。 Sall(C)=S1(θ1)+S2(θ2)+S4(θ4) ・・・(302)
【0123】以上の(301)式および(302)式に
基づいて、近傍通過制御時の各関節軸の最適な指令値を
演算することができる。
【0124】図14は、上記演算に基づいて近傍通過制
御処理中の減速時の速度(同図において菱形のプロッ
ト)および加速度(同図において四角のプロット)を求
めた結果を示すグラフであり、同図には比較のため従来
の演算方法による速度(同図において三角のプロット)
および加速度(同図において×印のプロット)のグラフ
も記載されている。なおこの検証においては、近傍通過
制御開始時の加速度Accはゼロ、近傍通過制御開始時
の関節軸の速度Fnowは−30000、残距離RMN
は−300000、減速回数Nは20である。図14よ
り、近傍通過制御処理の開始時、近傍通過制御処理の途
中および近傍通過制御処理の終了時において速度および
加速度がともになめらかに変化しているのが分かる。
【0125】上記実施の形態によれば、現在の移動区間
における移動方向の成分の移動が停止するのに要する停
止時間内に想定される移動距離のうち、つぎの移動区間
の進行方向の成分の距離が所定の近傍量よりも小さい場
合に、近傍通過制御処理が開始されるため、近傍通過制
御処理の終了時にロボットの基準点が近傍範囲外に出な
いように自動的に制御されるので、近傍範囲内で近傍通
過制御を終了させるために加速および減速時間を移動プ
ログラムごとに調整する手間が削減され、近傍通過制御
処理に伴う移動プログラムを微調整する手間を軽減する
ことができる。
【0126】また、上記実施の形態によれば、近傍通過
制御開始時の現在の移動区間における移動方向の成分の
移動が停止するのに要する停止時間、近傍通過制御開始
時の現在の移動区間における各関節の現在位置から終点
までの残距離、近傍通過制御開始時の各関節の速度、近
傍通過制御開始時の各関節の加速度、およびそれら停止
時間と移動残距離と速度と加速度に基づいて決まる定数
が求まるため、その定数を用いて、近傍通過制御処理の
実行中の関節の加速度がなめらかにゼロになるような第
1の位置制御値、近傍通過制御処理中の関節の速度がな
めらかにゼロになるような第2の位置制御値、および近
傍通過制御処理の実行中の関節の移動量の不足分がなめ
らかに変化するような第3の位置制御値を求めることが
でき、さらにそれら第1の位置制御値、第2の位置制御
値および第3の位置制御値を合計することにより近傍通
過制御処理中の関節の位置を求めることができるため、
近傍通過制御の開始時、途中および終了時の関節の加速
度および速度をなめらかに変化させるような制御指令値
が得られる。従って近傍通過制御の開始時と、残距離補
正が反転する時と、近傍通過制御の終了時において関節
の加速度および速度がゆるやかに変化するので、近傍通
過制御処理時における加速度の乱れが殆どなく、振動等
が発生せずにロボットがなめらかに動く。
【0127】なお本発明は、上記実施の形態の説明およ
び図示例に限らず、種々変更可能である。例えば上記実
施の形態では加速度制御、速度制御および残距離制御に
よる関節軸の移動量を三角関数を用いて表したが、これ
に限らず、近傍通過制御処理の開始時、途中および終了
時の関節軸の速度および加速度がなめらかに変化するよ
うな関数であれば、如何なる関数を用いてもよい。
【0128】
【発明の効果】本発明に係るロボット制御装置によれ
ば、現在の移動区間における移動方向の成分の移動が停
止するのに要する停止時間内に想定される移動距離のう
ち、つぎの移動区間の進行方向の成分の距離が所定の近
傍量よりも小さい場合に、近傍通過制御処理が開始され
るため、近傍通過制御処理の終了時にロボットの基準点
が近傍範囲外に出ないように自動的に制御される。従っ
てロボットの基準点が近傍範囲内にあるうちに近傍通過
制御処理が終了するので、近傍範囲内で近傍通過制御を
終了させるために加速および減速時間を移動プログラム
ごとに調整する手間が削減され、近傍通過制御処理に伴
う移動プログラムを微調整する手間を軽減することがで
きる。
【0129】また、本発明に係るロボット制御装置によ
れば、近傍通過制御開始時の現在の移動区間における移
動方向の成分の移動が停止するのに要する停止時間、近
傍通過制御開始時の現在の移動区間における各関節の現
在位置から終点までの残距離、近傍通過制御開始時の各
関節の速度、近傍通過制御開始時の各関節の加速度、お
よびそれら停止時間と移動残距離と速度と加速度に基づ
いて決まる定数が求まるため、その定数を用いて近傍通
過制御の開始時、途中および終了時の関節の加速度およ
び速度をなめらかに変化させるように制御指令値を生成
することができる。
【0130】また、本発明に係るロボット制御装置によ
れば、近傍通過制御処理の実行中の関節の加速度がなめ
らかにゼロになるような第1の位置制御値、近傍通過制
御処理中の関節の速度がなめらかにゼロになるような第
2の位置制御値、および近傍通過制御処理の実行中の関
節の移動量の不足分がなめらかに変化するような第3の
位置制御値が求まり、それら第1の位置制御値、第2の
位置制御値および第3の位置制御値を合計することによ
り近傍通過制御処理中の関節の位置が求まるため、近傍
通過制御の開始時、途中および終了時の関節の加速度お
よび速度をなめらかに変化させるような制御指令値が得
られる。従って近傍通過制御の開始時と、残距離補正が
反転する時と、近傍通過制御の終了時において関節の加
速度および速度がゆるやかに変化するので、近傍通過制
御処理時における加速度の乱れが殆どなく、振動等が発
生せずにロボットがなめらかに動く。
【0131】また、本発明に係るロボット制御装置によ
れば、第1の位置制御値、第2の位置制御値および第3
の位置制御値は、何れも三角関数で表されるため、近傍
通過制御の開始時、途中および終了時の関節の加速度お
よび速度をなめらかに変化させるような制御指令値が得
られる。従って近傍通過制御の開始時と、残距離補正が
反転する時と、近傍通過制御の終了時において関節の加
速度および速度がゆるやかに変化するので、近傍通過制
御処理時における加速度の乱れが殆どなく、振動等が発
生せずにロボットがなめらかに動く。
【0132】また、本発明に係るロボット制御装置によ
れば、現在の移動区間における移動方向の成分の移動が
停止するのに要する停止時間内に想定される移動距離の
うち、つぎの移動区間の進行方向の成分の距離が所定の
近傍量よりも小さい場合に、近傍通過制御処理が開始さ
れるため、近傍通過制御処理の終了時にロボットの基準
点が近傍範囲外に出ないように自動的に制御されるの
で、近傍範囲内で近傍通過制御を終了させるために加速
および減速時間を移動プログラムごとに調整する手間が
削減され、近傍通過制御処理に伴う移動プログラムを微
調整する手間を軽減することができる。加えて近傍通過
制御開始時の現在の移動区間における移動方向の成分の
移動が停止するのに要する停止時間、近傍通過制御開始
時の現在の移動区間における各関節の現在位置から終点
までの残距離、近傍通過制御開始時の各関節の速度、近
傍通過制御開始時の各関節の加速度、およびそれら停止
時間と移動残距離と速度と加速度に基づいて決まる定数
が求まるため、その定数を用いて近傍通過制御の開始
時、途中および終了時の関節の加速度および速度をなめ
らかに変化させるように制御指令値を生成することがで
きる。
【0133】本発明に係るロボット制御方法によれば、
現在の移動区間における移動方向の成分の移動が停止す
るのに要する停止時間内に想定される移動距離のうち、
つぎの移動区間の進行方向の成分の距離が所定の近傍量
よりも小さい場合に、近傍通過制御処理が開始されるた
め、近傍通過制御処理の終了時にロボットの基準点が近
傍範囲外に出ないように自動的に制御される。従ってロ
ボットの基準点が近傍範囲内にあるうちに近傍通過制御
処理が終了するので、近傍範囲内で近傍通過制御を終了
させるために加速および減速時間を移動プログラムごと
に調整する手間が削減され、近傍通過制御処理に伴う移
動プログラムを微調整する手間を軽減することができ
る。
【0134】また、本発明に係るロボット制御方法によ
れば、近傍通過制御開始時の現在の移動区間における移
動方向の成分の移動が停止するのに要する停止時間、近
傍通過制御開始時の現在の移動区間における各関節の現
在位置から終点までの残距離、近傍通過制御開始時の各
関節の速度、近傍通過制御開始時の各関節の加速度、お
よびそれら停止時間と移動残距離と速度と加速度に基づ
いて決まる定数が求まるため、その定数を用いて近傍通
過制御の開始時、途中および終了時の関節の加速度およ
び速度をなめらかに変化させるように制御指令値を生成
することができる。
【0135】また、本発明に係るロボット制御方法によ
れば、近傍通過制御処理の実行中の関節の加速度がなめ
らかにゼロになるような第1の位置制御値、近傍通過制
御処理中の関節の速度がなめらかにゼロになるような第
2の位置制御値、および近傍通過制御処理の実行中の関
節の移動量の不足分がなめらかに変化するような第3の
位置制御値が求まり、それら第1の位置制御値、第2の
位置制御値および第3の位置制御値を合計することによ
り近傍通過制御処理中の関節の位置が求まるため、近傍
通過制御の開始時、途中および終了時の関節の加速度お
よび速度をなめらかに変化させるような制御指令値が得
られる。従って近傍通過制御の開始時と、残距離補正が
反転する時と、近傍通過制御の終了時において関節の加
速度および速度がゆるやかに変化するので、近傍通過制
御処理時における加速度の乱れが殆どなく、振動等が発
生せずにロボットがなめらかに動く。
【0136】また、本発明に係るロボット制御方法によ
れば、第1の位置制御値、第2の位置制御値および第3
の位置制御値は、何れも三角関数で表されるため、近傍
通過制御の開始時、途中および終了時の関節の加速度お
よび速度をなめらかに変化させるような制御指令値が得
られる。従って近傍通過制御の開始時と、残距離補正が
反転する時と、近傍通過制御の終了時において関節の加
速度および速度がゆるやかに変化するので、近傍通過制
御処理時における加速度の乱れが殆どなく、振動等が発
生せずにロボットがなめらかに動く。
【0137】また、本発明に係るロボット制御方法によ
れば、現在の移動区間における移動方向の成分の移動が
停止するのに要する停止時間内に想定される移動距離の
うち、つぎの移動区間の進行方向の成分の距離が所定の
近傍量よりも小さい場合に、近傍通過制御処理が開始さ
れるため、近傍通過制御処理の終了時にロボットの基準
点が近傍範囲外に出ないように自動的に制御されるの
で、近傍範囲内で近傍通過制御を終了させるために加速
および減速時間を移動プログラムごとに調整する手間が
削減され、近傍通過制御処理に伴う移動プログラムを微
調整する手間を軽減することができる。加えて近傍通過
制御開始時の現在の移動区間における移動方向の成分の
移動が停止するのに要する停止時間、近傍通過制御開始
時の現在の移動区間における各関節の現在位置から終点
までの残距離、近傍通過制御開始時の各関節の速度、近
傍通過制御開始時の各関節の加速度、およびそれら停止
時間と移動残距離と速度と加速度に基づいて決まる定数
が求まるため、その定数を用いて近傍通過制御の開始
時、途中および終了時の関節の加速度および速度をなめ
らかに変化させるように制御指令値を生成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る多関節ロボット駆動制御装置の
機能構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係るロボット制御方法において近傍
通過制御を開始するか否かを判断する処理の一例を示す
フローチャートである。
【図3】 本発明に係るロボット制御方法において近傍
通過制御開始タイミングを調整した場合のポイントP3
近傍におけるロボットの運転経路を示す経路図である。
【図4】 図2のステップS36における近傍通過制御
開始時のデータ作成処理の一例の詳細な手順を説明する
フローチャートである。
【図5】 本実施の形態による制御によって変化する加
速度の様子を示す模式図である。
【図6】 本実施の形態による制御に用いられたSin
波を示す波形図である。
【図7】 本実施の形態による加速度制御の演算式の導
出を説明する説明図である。
【図8】 本実施の形態による制御によって変化する速
度の様子を示す模式図である。
【図9】 本実施の形態による速度制御の演算式の導出
を説明する説明図である。
【図10】 本実施の形態による制御によって不足する
関節軸の移動量を調整する際の速度および加速度の様子
を示す模式図である。
【図11】 本実施の形態による残距離制御の演算式の
導出を説明する説明図である。
【図12】 本実施の形態による残距離制御の演算式の
導出を説明する説明図である。
【図13】 本実施の形態による加速度制御、速度制御
および残距離制御の合計移動量の演算式の導出を説明す
る説明図である。
【図14】 本実施の形態により近傍通過制御処理中の
減速時の速度および加速度を求めた結果を示すグラフで
ある。
【図15】 一般的な水平多関節ロボットの一例を示す
模式図である。
【図16】 各通過ポイントを通過する場合のロボット
の運転経路の一例を示す経路図である。
【図17】 図16のポイントP1におけるロボットの
姿勢を示す模式図である。
【図18】 図16のポイントP2におけるロボットの
姿勢を示す模式図である。
【図19】 図16のポイントP3におけるロボットの
姿勢を示す模式図である。
【図20】 図16のポイントP4におけるロボットの
姿勢を示す模式図である。
【図21】 図16の各移動区間におけるハンドのX軸
方向およびY軸方向の速度と加速度の変化の様子を示す
グラフである。
【図22】 一般的な近傍通過制御によるロボットの運
転経路を示す経路図である。
【図23】 多関節ロボットの一般的な駆動制御装置の
構成を示すブロック図である。
【図24】 多関節ロボットの従来の駆動制御装置の機
能構成を示すブロック図である。
【図25】 従来の近傍通過制御を開始するか否かを判
断する処理のフローチャートである。
【図26】 近傍通過制御時のポイントP3近傍におけ
るロボットの好ましい運転経路を示す経路図である。
【図27】 近傍通過制御時のポイントP3近傍におけ
るロボットの好ましくない運転経路を示す経路図であ
る。
【図28】 図25のステップS13における近傍通過
制御開始時のデータ作成処理の詳細な手順を説明するフ
ローチャートである。
【図29】 従来の近傍通過制御による関節軸の速度の
変化を示すグラフである。
【図30】 従来の近傍通過制御により図22に示すポ
イントP2を通過した場合の、ハンド先端のX軸方向お
よびY軸方向の速度と加速度の変化を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 制御装置、2 駆動装置、11 CPU、12 プ
ログラム・位置決めポイント保存用メモリ、13 演算
用ワークメモリ、14 O/Sメモリ、15入出力イン
ターフェース、16 サーボアンプインターフェース、
21,22,23 サーボアンプ、26,27,28
モータ、31 残距離演算部、32残距離判定部、33
フラグ制御部、41 関節終点記憶実行部、42 停
止時間演算部、43 関節残距離演算部、44 関節速
度演算部、45 速度演算部、46 関節現在位置演算
部、51 次区間進行距離演算部、52 次区間進行距
離判定部、53 関節加速度演算部、54 関節近傍減
速定数演算部、61加速度制御部、62 速度制御部、
63 残距離制御部、64 加算部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−123531(JP,A) 特開 平7−200034(JP,A) 特開 昭64−26911(JP,A) 特許2761795(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25J 9/10 - 9/22 B25J 13/00 - 13/08 G05D 3/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロボットの基準点が通過するように予め
    指定された通過点に対して、該通過点の直前の移動区間
    における減速と該通過点の直後の移動区間における加速
    とを同時に行うことによって、該通過点を通らずにその
    通過点の近傍を通過するようにロボットの動作を制御す
    る近傍通過制御処理を行う制御装置であって、 通過点の通過前に前記基準点の現在の移動区間における
    残距離を求める残距離演算部と、 該残距離演算部により求められた残距離を所定の近傍量
    と比較する残距離判定部と、 前記残距離が前記近傍量よりも小さい場合にのみ、前記
    基準点の、現在の移動区間における移動方向の成分の移
    動が停止するのに要する停止時間を求める停止時間演算
    部と、 該停止時間演算部により求められた停止時間内に前記基
    準点が移動すると想定される距離のうち、つぎの移動区
    間の進行方向の成分の距離を演算して求める次区間進行
    距離演算部と、 該次区間進行距離演算部により求められた進行方向成分
    の距離を所定の近傍量と比較し、前記進行方向成分の距
    離が前記近傍量よりも小さい場合にのみ前記近傍通過
    制御処理を開始する次区間進行距離判定部と、 を具備することを特徴とするロボットの制御装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも1つの移動自在な関節を有す
    るロボットの基準点が通過するように予め指定された通
    過点に対して、該通過点の直前の移動区間における減速
    と該通過点の直後の移動区間における加速とを同時に行
    うことによって、該通過点を通らずにその通過点の近傍
    を通過するようにロボットの動作を制御する近傍通過制
    処理を行う制御装置であって、前記 近傍通過制御処理開始時の前記基準点の、現在の移
    動区間における移動方向の成分の移動が停止するのに要
    する停止時間を求める停止時間演算部と、前記 近傍通過制御処理現在の移動区間における前記
    各関節の現在位置から終点までの残距離を求める関節残
    距離演算部と、前記 近傍通過制御処理前記各関節の速度を求める関
    節速度演算部と、前記 近傍通過制御処理前記各関節の加速度を求める
    関節加速度演算部と、 前記 近傍通過制御処理開始時の停止時間、近傍通過制
    処理開始時の関節の移動残距離、近傍通過制御処理
    開始時の関節の速度、および近傍通過制御処理開始時
    の関節の加速度に基づいて決まる近傍減速定数を算出す
    る関節近傍減速定数演算部と、 前記 近傍通過制御処理の実行中の関節の加速度が前記停
    止時間中になめらかにゼロになるような第1の位置制御
    値を、前記近傍減速定数を用いて演算して求める加速度
    制御部と、 前記第1の位置制御値に基づいて前記近傍通過制御処理
    の実行中に変化する関節の速度を考慮して、近傍通過
    制御処理中の関節の速度が前記停止時間中になめらかに
    ゼロになるような第2の位置制御値を、前記近傍減速
    数を用いて演算して求める速度制御部と、 前記第1の位置制御値および前記第2の位置制御値に基
    づいて不足する関節の移動量がなめらかに変化するよう
    な第3の位置制御値を、前記近傍減速定数を用いて演算
    して求める残距離制御部と、 前記第1の位置制御値、前記第2の位置制御値および前
    記第3の位置制御値を合計して前記近傍通過制御処理中
    の関節の位置を求める加算部と、 を具備することを特徴とするロボットの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の位置制御値、前記第2の位置
    制御値および前記第3の位置制御値は、何れも三角関数
    で表されることを特徴とする請求項に記載のロボット
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つの移動自在な関節を有す
    るロボットの基準点が通過するように予め指定された通
    過点に対して、該通過点の直前の移動区間における減速
    と該通過点の直後の移動区間における加速とを同時に行
    うことによって、該通過点を通らずにその通過点の近傍
    を通過するようにロボットの動作を制御する近傍通過制
    処理を行う制御装置であって、 通過点の通過前に前記基準点の現在の移動区間における
    残距離を求める残距離演算部と、 該残距離演算部により求められた残距離を所定の近傍量
    と比較する残距離判定部と、 前記残距離が前記近傍量よりも小さい場合または近傍通
    過制御開始時に、前記基準点の、現在の移動区間におけ
    る移動方向の成分の移動が停止するのに要する停止時間
    を求める停止時間演算部と、前記残距離が前記近傍量よりも小さい場合における 該停
    止時間演算部により求められた停止時間内に前記基準点
    が移動すると想定される距離のうち、つぎの移動区間の
    進行方向の成分の距離を演算して求める次区間進行距離
    演算部と、 該次区間進行距離演算部により求められた進行方向成分
    の距離を所定の近傍量と比較し、前記進行方向成分の距
    離が前記近傍量よりも小さい場合にのみ前記近傍通過
    制御処理を開始する次区間進行距離判定部と、前記 近傍通過制御処理現在の移動区間における前記
    各関節の現在位置から終点までの残距離を求める関節残
    距離演算部と、前記 近傍通過制御処理前記各関節の速度を求める関
    節速度演算部と、前記 近傍通過制御処理前記各関節の加速度を求める
    関節加速度演算部と、 前記 近傍通過制御処理開始時の停止時間、近傍通過制
    処理開始時の関節の移動残距離、近傍通過制御処理
    開始時の関節の速度、および近傍通過制御処理開始時
    の関節の加速度に基づいて決まる近傍減速定数を算出す
    る関節近傍減速定数演算部と、 前記近傍通過制御処理の実行中の関節の加速度が前記近
    傍通過制御処理開始時の停止時間中になめらかにゼロに
    なるような第1の位置制御値を、前記近傍減速定数を用
    いて演算して求める加速度制御部と、 前記第1の位置制御値に基づいて前記近傍通過制御処理
    の実行中に変化する関節の速度を考慮して、該近傍通過
    制御処理中の関節の速度が前記近傍通過制御処理開始時
    の停止時間中になめらかにゼロになるような第2の位置
    制御値を、前記近傍減速定数を用いて演算して求める速
    度制御部と、 前記第1の位置制御値および前記第2の位置制御値に基
    づいて不足する関節の移動量がなめらかに変化するよう
    な第3の位置制御値を、前記近傍減速定数を用いて演算
    して求める残距離制御部と、 前記第1の位置制御値、前記第2の位置制御値および前
    記第3の位置制御値を合計して前記近傍通過制御処理中
    の関節の位置を求める加算部と、を具備する ことを特徴
    とするロボットの制御装置。
  5. 【請求項5】 ロボットの基準点が通過するように予め
    指定された通過点に対して、該通過点の直前の移動区間
    における減速と該通過点の直後の移動区間における加速
    とを同時に行うことによって、該通過点を通らずにその
    通過点の近傍を通過するようにロボットの動作を制御す
    る近傍通過制御処理を行う制御方法において、 通過点の通過前に前記基準点の現在の移動区間における
    残距離を求める残距離演算部と、 該残距離演算部により求められた残距離を所定の近傍量
    と比較する工程と、 前記残距離が前記近傍量よりも小さい場合にのみ、前記
    基準点の、現在の移動区間における移動方向の成分の移
    動が停止するのに要する停止時間を求める工程と、 該停止時間演算部により求められた停止時間内に前記基
    準点が移動すると想定される距離のうち、つぎの移動区
    間の進行方向の成分の距離を演算して求める工程と、 該次区間進行距離演算部により求められた進行方向成分
    の距離を所定の近傍量と比較し、前記進行方向成分の距
    離が前記近傍量よりも小さい場合にのみ前記近傍通過
    制御処理を開始する工程と、 を含むことを特徴とするロボットの制御方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも1つの移動自在な関節を有す
    るロボットの基準点が通過するように予め指定された通
    過点に対して、該通過点の直前の移動区間における減速
    と該通過点の直後の移動区間における加速とを同時に行
    うことによって、該通過点を通らずにその通過点の近傍
    を通過するようにロボットの動作を制御する近傍通過制
    処理を行う制御方法において、前記 近傍通過制御処理開始時の前記基準点の、現在の移
    動区間における移動方向の成分の移動が停止するのに要
    する停止時間を求める工程と、前記 近傍通過制御処理現在の移動区間における前記
    各関節の現在位置から終点までの残距離を求める工程
    と、前記 近傍通過制御処理前記各関節の速度を求める工
    程と、前記 近傍通過制御処理前記各関節の加速度を求める
    工程と、前記 近傍通過制御処理開始時の停止時間、近傍通過制
    処理開始時の関節の移動残距離、近傍通過制御処理
    開始時の関節の速度、および近傍通過制御処理開始時
    の関節の加速度に基づいて決まる近傍減速定数を算出す
    工程と、前記 近傍通過制御処理の実行中の関節の加速度が前記停
    止時間中になめらかにゼロになるような第1の位置制御
    値を、前記近傍減速定数を用いて演算して求める工程
    と、 前記第1の位置制御値に基づいて前記近傍通過制御処理
    の実行中に変化する関節の速度を考慮して、近傍通過
    制御処理中の関節の速度が前記停止時間中になめらかに
    ゼロになるような第2の位置制御値を、前記近傍減速
    数を用いて演算して求める工程と、 前記第1の位置制御値および前記第2の位置制御値に基
    づいて不足する関節の移動量がなめらかに変化するよう
    な第3の位置制御値を、前記近傍減速定数を用いて演算
    して求める工程と、 前記第1の位置制御値、前記第2の位置制御値および前
    記第3の位置制御値を合計して前記近傍通過制御処理中
    の関節の位置を求める工程と、 を含むことを特徴とするロボットの制御方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の位置制御値、前記第2の位置
    制御値および前記第3の位置制御値は、何れも三角関数
    で表されることを特徴とする請求項に記載のロボット
    の制御方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも1つの移動自在な関節を有す
    るロボットの基準点が通過するように予め指定された通
    過点に対して、該通過点の直前の移動区間における減速
    と該通過点の直後の移動区間における加速とを同時に行
    うことによって、該通過点を通らずにその通過点の近傍
    を通過するようにロボットの動作を制御する近傍通過制
    処理を行う制御方法において、 通過点の通過前に前記基準点の現在の移動区間における
    残距離を求める工程と、 該残距離演算部により求められた残距離を所定の近傍量
    と比較する工程と、 前記残距離が前記近傍量よりも小さい場合または近傍通
    過制御開始時に、前記基準点の、現在の移動区間におけ
    る移動方向の成分の移動が停止するのに要する停止時間
    を求める工程と、前記残距離が前記近傍量よりも小さい場合における 該停
    止時間演算部により求められた停止時間内に前記基準点
    が移動すると想定される距離のうち、つぎの移動区間の
    進行方向の成分の距離を演算して求める工程と、 該次区間進行距離演算部により求められた進行方向成分
    の距離を所定の近傍量と比較し、前記進行方向成分の距
    離が前記近傍量よりも小さい場合にのみ前記近傍通過
    制御処理を開始する工程と、前記 近傍通過制御処理現在の移動区間における前記
    各関節の現在位置から終点までの残距離を求める工程
    と、前記 近傍通過制御処理前記各関節の速度を求める工
    程と、前記 近傍通過制御処理前記各関節の加速度を求める
    工程と、前記 近傍通過制御処理開始時の停止時間、近傍通過制
    処理開始時の関節の移動残距離、近傍通過制御処理
    開始時の関節の速度、および近傍通過制御処理開始時
    の関節の加速度に基づいて決まる近傍減速定数を算出す
    工程と、前記近傍通過制御処理の実行中の関節の加速度が前記近
    傍通過制御処理開始時の停止時 間中になめらかにゼロに
    なるような第1の位置制御値を、前記近傍減速定数を用
    いて演算して求める工程と、 前記第1の位置制御値に基づいて前記近傍通過制御処理
    の実行中に変化する関節の速度を考慮して、該近傍通過
    制御処理中の関節の速度が前記近傍通過制御処理開始時
    の停止時間中になめらかにゼロになるような第2の位置
    制御値を、前記近傍減速定数を用いて演算して求める工
    程と、 前記第1の位置制御値および前記第2の位置制御値に基
    づいて不足する関節の移動量がなめらかに変化するよう
    な第3の位置制御値を、前記近傍減速定数を用いて演算
    して求める工程と、 前記第1の位置制御値、前記第2の位置制御値および前
    記第3の位置制御値を合計して前記近傍通過制御処理中
    の関節の位置を求める工程と、 を含むことを特徴とするロボットの制御装置。
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